JP5060684B2 - 半導体ウェーハを検査するシステム及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願は、半導体ウェーハの光学的検査のための装置及び方法に関する。特に、本発明の装置及び方法は、並行動作を可能にするパッケージング及び形態要素を有する複数の独立した高感度で低コストな検査装置を使用したウェーハの高スループット検査を提供する。本発明は、暗視野及び/または明視野検査システムに適用可能である。
【0002】
半導体ウェーハの光学検査は、半導体製造の標準的なステップになっている。ウェーハには、制御された発光体が発する光が照射され、反射その他の形で光センサに向かう光の部分に基づいて表面の画像が構築される。この画像を処理し、有効な構造から欠陥を分離する。
【0003】
パターン化されたウェーハ表面の小規模な欠陥に対する光学検査システムの感度は、このシステムが欠陥信号と有効構造信号とを区別する能力によって決定する。明視野検査システムでは、センサはウェーハ表面で反射した光を記録し、一般に、1:1または2:1のピクセル対欠陥比率感度を達成する。暗視野システムでは、センサは散乱または分散した光、つまり完全な反射から偏向した光を記録する。暗視野システムとは対照的に、暗視野システムは、特定の一般的な欠陥について、10:1または20:1のピクセル対欠陥比率を容易に達成できる。
【0004】
光学検査システムは画像化式または非画像化式のいずれかである。画像化システムでは、ウェーハ表面のエリアから反射された光をレンズが捕捉し、その光の中に符号化された空間情報(光の明度の空間的分布等)を維持する。センサは通常、多数の感光検出器で、これは電荷結合素子(CCD)「カメラ」、最近では、CMOSフォトダイオードまたはフォトゲートカメラ等である。
【0005】
反対に、非画像化システムでは、発光体からの光をウェーハ表面上の小さなエリア(非常に小さな点が理想的)に集中させる。センサ――光電子増倍管、フォトダイオード、またはアバランシュフォトダイオード等――は、散乱または分散した光を検出し、統合した光の明度に比例する信号を生成する。
【0006】
最小サイズの欠陥を検出するために、他の発明では感度を最大化する試みに専念してきた。その結果、最新式のツールでは、高価な専用の光学、機械、電子、及びコンピュータ処理システムが採用されてきた。例えば、こうしたシステムは、倍率、照射角度、及び偏光を調節可能だが、それぞれの調節によって、システムの複雑性及びコストは更に増加する。本発明の各探知サブシステムの構成要素は、1種類の検査のみを実行するように制限されており、複雑性を排除することでコストを更に削減している。本発明の個々のサブシステムは、感度よりもコンパクト性及び低コストに重点を置いており、中程度の感度及び高レベルのスループットを有するシステムを提供している。こうしたシステムのスループットの増加は、こうした構成要素の設計を圧迫し、コストを更に増加させる。
【0007】
一部の用途では、こうしたシステムが生み出す高レベルの感度を必要としない。装置の監視では、例えば、製造ステップで使用される装置が正常に機能しているかどうかの表示に統計工程を使用することができる。この場合、感度は、製造装置が統計的に大幅な欠陥数の超過(偏位)を起こしている時に探知できるだけの高さがあればいい。この種の応用は(あらゆる製造ステップの後等に)何度も繰り返す場合に最も有効であることから、製造工程に遅れないために検査速度の速さが重要になる。
【0008】
したがって必要なのは、集積回路製造工程において、ウェーハの様々なポイントの状態を監視するための高速で比較的安価なツールである。
【0009】
【発明の開示】
本発明では、特に装置監視業務に関して、高スループット検査システムを低コストで提供することにより、この課題に取り組んでいる。許容できる感度及び非常に高い速度で、ウェーハの部分を自己測定できる照射、画像化、画像探知、及び画像処理用の「消費者等級」の装置を使用することで、単一の低コストなユニットを提供できる。システムは、測定を完了する上でウェーハ上で一緒にスキャン可能な複数の単一ユニットを利用することで提供できる。小型化は、複数のユニットを一緒にパッケージできるような形態要素を提供する。各ユニットは独立して動作し、隣接するユニットと並行してウェーハ上の一区画をスキャンする。同じく、重なった並行ユニットもウェーハをスキャンする。消費者等級の構成要素を使用することによるコスト削減は、複数のユニットを使用した場合でも、他の発明のシステムに比較して大きい一方で、遜色のない感度及び更に高速なスループットを提供する。
【0010】
本発明の各検査サブシステムの構成要素は、一般に、1種類の検査(半導体基板からの散乱放射の画像化等)を実行し、複雑性を排除することで更にコストを削減する。本発明の個々のサブシステムは、万能性よりもコンパクト性及び低コストに重点が置かれており、優れた感度及び高レベルのスループットを有するシステムを提供する。
【0011】
態様の一つにおいて、本発明は、半導体ウェーハを検査するためのモジュラ光学検査システムを採用した多段集積回路製造システムを提供する。この製造システムは、以下の特色を含めて特徴付けることができる。(a)複数の半導体ウェーハ上で並行して動作できる複数の相関する集積回路製造ツール、(b)モジュラ光学検査システム、(c)複数の製造ツール及び検査システム内で半導体ウェーハを移動させるためのハンドリングツール。このモジュラ光学検査システムは、(i)それぞれが半導体ウェーハの一部の欠陥を検出するように構成された複数のモジュラ検査サブシステム、及び(ii)半導体ウェーハと複数のモジュラ検査サブシステムと少なくとも一つを、他に対して相対的に移動させる機構を含むことができる。各モジュラ検査サブシステムは、半導体ウェーハの幅の一部分に亘る視野を有する。サブシステムの視野の合計は、ウェーハ表面の大部分をカバーする。
【0012】
動作において、この製造システムは(製造工程の任意の時点に)半導体ウェーハを、複数の製造ツールの一つからモジュラ光学検査システムに搬送する。その後、この検査サブシステムは、各モジュラ検査サブシステムが半導体ウェーハ上を一度通過することで半導体ウェーハの関連する領域を検査するように、少なくとも一つの半導体ウェーハと複数のモジュラ検査サブシステムを互いに対して移動させる。
【0013】
この相関する集積回路製造システムは、例えば、クラスタツールまたはフォトトラックツールにすることができる。好適な実施形態において、この多段集積回路製造システムは、モジュラ光学検査システムが配置される冷却ステーションを含む。クラスタツールその他の集積回路製造システムに付随する真空環境に検査システムを導入することに関連する困難を回避するために、このモジュラ光学検査システムは、(冷却ステージ等)製造ツールの一つの窓の上に配置できる。その後、システムは、検査システムが画像を取り込めるように、窓の近くの位置にウェーハを提供する。
【0014】
本発明の別の態様は、前記のモジュラ光検査サブシステム―必ずしも多段製造システムで使用されるとは限らない―を提供するが、これには平行移動可能なフーリエフィルタシステムが含まれる。このフーリエフィルタシステムは、以下の特色を含むことができる。(a)互いに固定された空間的な関係にある透明領域と不透明領域とを有し、複数のフーリエフィルタを定める平行移動可能な媒体、(b)個々のフーリエフィルタを光のフィルタリングに提供するために、平行移動可能な媒体を平行移動させる仕組みの平行移動機構。実施形態の一つにおいて、平行移動可能な媒体は、ローラ(またはリール)に巻くことができるテープまたは連続的なループにすることが可能なテープである。
【0015】
平行移動可能な媒体は様々な構成を呈することができる。ある場合においては、不透明領域間の間隔は、少なくとも二つのフーリエフィルタを定める平行移動可能な媒体の少なくとも一区分上でほぼ連続的に変化する。若しくは、平行移動可能な媒体の少なくとも一区分は、別個のフーリエフィルタに分割される。平行移動可能な媒体は、エッチングされた金属、金属化した透明プラスチック等から作ることができる。いくつかの実施形態においては、平行なストリップが不透明領域を定める。これはエッチングされた金属の設計について最適である。別の実施形態――金属化したプラスチックの構造物に適したもの――において、不透明領域は個別のスポットを備える。
【0016】
平行移動機構は、この媒体を平行移動して、モジュラ検査サブシステムのフーリエ画像面に異なるフーリエフィルタを提供するのに適した任意の構成要素を含むことができる。例えば、この機構は、アクチュエータ(好ましくは一つのみ)、アクチュエータを連動させるための機構、及びアクチュエータからのトルクにより回転するローラ等を含むことができる。
【0017】
本発明の別の態様において、前記のモジュラ検査システムは、迅速な画像化を促進するために、時間遅延統合を採用することができる。こうしたシステムにおいて、複数のモジュラ検査サブシステムの少なくとも一つは、(a)半導体ウェーハの表面から光を受領する構成の2次元センサ、(b)(i)データがセンサから読み込まれる際の相対速度及び(ii)モジュラ検査サブシステムと半導体ウェーハとが互いに対して移動する際の相対速度を制御する構成のコントローラを含む。動作においては、このコントローラによって、少なくとも一つの検査サブシステムが半導体ウェーハに対して1ピクセルの長さだけ移動する度に、二次元センサから一行のピクセルデータが読み込まれる。二次元センサは、例えばCCDアレイにすることができる。
【0018】
本発明の更に別の態様では、前記のモジュラ光学検査システム用の特別なデータ処理システムを提供する。この場合、検査システムは、(a)少なくとも一部のモジュラ検査サブシステムから伝達されたデータを処理するように構成されたマスタプロセッサと、(b)複数のモジュラ検査サブシステムの第一の一つを備え、第一のモジュラ検査サブシステムが収集したデータを処理するように構成されたローカルプロセッサとを含む。通常、マスタプロセッサは個別のローカルプロセッサそれぞれと接続し、直接通信する。好適な実施形態において、ローカルプロセッサはデジタル信号プロセッサである。プロセッサのクラスに関係なく、ローカルプロセッサは、半導体上の有効なパターンの散乱と欠陥による散乱とを識別するアルゴリズムを実施できる。
【0019】
本発明の特色と利点は、以下の詳細な説明及び関連する図面を参照することで更によく理解されよう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明による現時点で好適なウェーハ検査システムを説明する。本発明は、本発明の特定の態様及び例を提示するために提供するこれらの実施形態に限定して理解してはならない。ここで提示する方法及び装置は、パターン化された半導体ウェーハの画像化に関するシステムをカバーするが、ラフフィルム、パターン化されていない半導体ウェーハ、ウェーハの裏側、フォトマスク、レチクル、LCD等のフラットパネルディスプレイ等の画像化にも採用できる。
【0021】
図1は、本発明の好適な実施形態のシステム10のブロック図である。システム10は、複数の画像化サブシステム30を含む。画像化サブシステム30は並行して動作し、それぞれがウェーハ20の一部を同時に分析する。画像化サブシステム30は、ウェーハ20上で支持構造16によって移動可能に支持される。ウェーハの長さの部分を画像化すると、別の一連の部分を画像化するためにウェーハを光学サブシステムの下で幅方向に移動し、ウェーハの全体を画像化する。図2は、一度の通過によってウェーハ20上の各光学サブシステム30がスキャンする領域31を示している。図2に示す一度の通過に続いて、一つの光学サブシステムの視野分だけウェーハを横に移動し、別の一連のスキャン領域31を、前の一連のスキャンと平行に確保する。スキャンを繰り返すことによってウェーハ全体がカバーされるまで、この工程を繰り返す。もとより、各光学サブシステムの視野の幅が十分に広ければ、ウェーハ全体を画像化するには、一度の通過で足りることが理解できる。
【0022】
好適な実施形態において、各モジュールは、マザーボードまたはメインコンピュータ50と接続するローカルプロセッサまたはボード19上で実施される画像処理ロジックと接続される。実施形態の一つにおいて、各ボード19はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む。好ましくは、ボード19の画像処理ロジックは、関連する光学サブシステムの視野内の画像に関する少なくとも一部の画像処理計算を取り扱う。当然ながら、他の画像処理装置も利用することができる。例えば、各モジュール用に別個の画像プロセッサを有するのではなく、単一の大きな画像処理用のコンピュータが、モジュール30からの信号すべてを受け取って処理する構成とすることができる。
【0023】
各サブシステム30及びローカルプロセッサ19は、処理前情報をアップロード及びダウンロードするために、マスタコントロール用のメインコンピュータ50と接続されている。他の可能な機能のうち、マスタコントロールは、ワイヤ17を通じてプログラムをダウンロードし、ワイヤ18を通じて欠陥レポートをアップロードし、総合欠陥データベースを維持し、システムオペレータが検査動作の命令を出すためのインタフェースを実現する。また、図4に示すように画像化サブシステムと同期するステージ15によって、光学サブシステム30に対するウェーハ20の位置を管理する。
【0024】
図1では、ウェーハ20は、負圧または静電気チャック11で固定されている。金属表面をラッピングして平らに製造されたチャック11は、負圧に吸引された時には、ウェーハも平らにして保持する。チャックは回転ステージ12によって支持され、これは、有効なウェーハ表面をステージスキャン方向と平行にするようにウェーハ20を回転させるのに使用される。有効なウェーハ表面は、ダイ、セルその他ウェーハ表面の表面構造の多数の反復パターンによって生み出すことができる。ウェーハ表面は、上から見た時に全体として、あたかも街路図、つまりに街路(ダイ間の空白エリア)で区切られたブロック(ダイ)に似ており、細い空白の分離帯によって隔てられたダイによって特徴付けられる場合が多い。こうしたウェーハ上の直交線の配置は、「マンハッタン」形状と呼ばれることがあり、ダイ内の多くのパターンで見られ、通常、パターンはメモリ素子及び論理電流に関連している。
【0025】
ウェーハのダイ構造がスキャン方向と平行かどうかを判断するのに、様々な既知のアルゴリズムが使用可能である。例えば、ウェーハの片側の構造の画像を、ウェーハの反対側で取得した同一の構造の別の画像と比較することが可能であり、ウェーハを回転させることで、パターン間の差異を最小化することで、ウェーハの構造とスキャン方向を一致させることができる。
【0026】
回転ステージ12は、水平化機構13によって支持される。水平化機構は、光学サブシステム(モジュール)30の焦点面と平行になるように、ウェーハ表面の平面を変化させるのに使用される。これにより、ウェーハを光学サブシステムによってスキャンする際に、すべての光学サブシステムの焦点が合っている状態にすることができる。ウェーハ表面がモジュールの焦点と平行となった時点を判断するために、焦点センサまたは近接センサを応用できる。若しくは、光学自動焦点機構も利用できる。更に、低解像度のシステムの場合には、焦点の深さを、水平化が必要ないほど大きなものに調整としておいてもよい。
【0027】
水平化機構13は、モジュール下でのウェーハのX方向及びY方向の移動用の一対の移動ステージ(14及び15)上に支持されている。X方向への移動用のステージ15は、モジュール下でウェーハを移動し、図2に示した検査済みのスキャン31を作り出すために使用される。Y方向への移動用のステージ14は、モジュールの視野と等しい距離だけウェーハを横へ移動させ、前の一連のスキャンと平行に別のX方向のスキャンを実行できるようにするために使用される。モジュールの視野に応じて、ウェーハをカバーするために1つ以上のX方向のスキャンが必要になる。好適な実施形態において、モジュールの視野は4.4mmであり、200mmのウェーハの表面全体を検査するには5区画が必要となる(5×4.4=22mmを各モジュールがカバー。9モジュール×22mm=198mm(ウェーハの外側1mmの範囲はテストしない))。したがって、Xステージは200mm(通過の長さ)を5回移動し、Yステージは、4.4mmを5回移動する(Y方向の移動距離合計は22mm)。
【0028】
単一の光学システムを採用した従来のシステムでは、システムはウェーハ全体で割り出しを行ない、それぞれの通過で単一の画像区画を取り込む必要があった。対照的に、本発明のシステムでは、ウェーハ上でのそれぞれの通過の際に、複数のサブシステムが複数の区画を同時に画像化する。その後、新しい区画を画像化できるようにウェーハを移動させる。したがって、単一の光学システムで必要な時間のわずかなパーセンテージの間に、ウェーハ全体を画像化できる。
【0029】
図3は、本発明の画像化サブシステム30及び関連するボード19のブロック図である。発光体60(好ましくは単色干渉光源)は、経路62を通じてウェーハのエリアを照明するために、位置コントロール61に光を提供する。コンピュータ50は、コントローラ78を通じて、照明の度合いを制御する。一例において、発光体60は、一般的なレーザポインティング装置またはコンパクトディスクでの応用で使用されるような高輝度レーザダイオードにすることができる。現在利用可能なダイオードレーザは通常、電磁波スペクトルの赤色及び赤外線領域で機能するが、一部の実施形態において、散乱光に依存する応用については短い波長を有する光源を採用することが望ましい。これは、散乱光率が波長の4乗に反比例するためである。したがって一般には、約500ナノメータ以下の波長の放射を生成する発光体を採用することが望ましい。他の最適な発光体の例には、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、倍周波数YAGレーザ、三倍周波数YAGレーザ、エクシマレーザ等が含まれる。
【0030】
発光体60からの光は、レンズ、回折性光学構成要素、フィルタ、鏡のいずれかまたは複数を含む位置コントロール61によって適合化(直線化等)及び方向付けされる。好適な実施形態において、位置コントロール61は、レーザダイオード60からの光を完全に直線化する直線化レンズであり、経路62を通って折り畳み鏡63で反射し、経路80を通ってウェーハ20の表面の一部に向かうる直線化された光を形成する。この光は、低い仰角または照射角でウェーハに向かうことが、好ましい。照射領域は、集光レンズ65の視野及び検出器68のエリアの位置及び大きさに応じて選択する。
【0031】
好ましくは、システムは、ウェーハ表面上の欠陥及び特徴から散乱する光を検出し、ウェーハの水平面から反射される光をブロックする形で動作する。前記の通り、これは暗視野照射である。こうした方向を持つ暗視野照射におけるウェーハ上の照射ビーム入射の照射角、偏光、及び方位角は、ウェーハ上に存在する可能性のある様々な欠陥のタイプに対するシステムの感度を決定する。例えば、ウェーハ表面上の微粒子を探す時は低角度の照射が望ましく、ウェーハ表面下の構造に位置する微粒子については高入射角の照射が好ましい。実施形態の一つにおいて、この照射角は、レーザ光の経路62またはウェーハ平面20の一方または両方に対する鏡63の角度を変化させることで変更することができる。若しくは、こうした照射角の偏光を容易にするために、鏡及びレンズ等の光学構成要素を、追加使用することができる。
【0032】
1997年8月1日に出願され、発明の名称を「表面上の変異及び特徴の一方または両方を検出するシステム(SYSTEM FOR DETECTING ANOMALIES AND/OR FEATURES OF A SURFACE)」とした、G・チャオ、S・ストコフスキ、及びM・バエズ=イラバニを発明者とする米国特許出願第08/904,862号、において説明されているように、発光体からの光は、表面の線状の領域を照明するために、傾斜した角度でウェーハ表面に向かわせることができる。前記特許出願第08/904,862号は、参考として、本願にそのすべてをあらゆる目的で組み入れている。具体的な例では、直線の照射領域は長さ約5mmで、幅は約10μmである。ウェーハ表面から散乱する光は、通常の表面に近くない仰角で入射する光に対して約90度の方位角をなす位置でウェーハを見るレンズシステムによって集光される。表面上の照射された線状領域は、直線検出器アレイ上で画像化される。これにより、特定の欠陥タイプに対する感度は改善され、非常に小さな微粒子(0.2μm未満)に対する感度は、通常に近い方法で表面を見るのに比べ、大幅に向上する。更に、二つ以上の検出器によって、表面上の照射された直線領域を見ることができる。例えば、二つ以上の検出器が、照射領域の両側において対称の仰角で照射領域を見ることができる。2つ以上の検出器を使用することで、欠陥捕捉率は増加し、検出した信号の比率に基づいて欠陥のタイプを識別することができる。同じ方法では、異なる照射角を成す二つ以上の光源を使用して、捕捉率及び識別の利点を増やすことができる。実施形態の一つにおいて、検出器は、表面微粒子についての高い散乱効率に対応した角度となる位置に配置している。
【0033】
一つ以上のウェーブプレート等の構成要素を、特定の実施形態においては、必要に応じて、光の偏光を制御するために、光の経路に設けることができる。信号対ノイズ比率は、異なるタイプのウェーハ表面に位置する微粒子に関する入射角の偏光を変化させることで、大幅に改善することができる。
【0034】
有効な構造のパターンの端によって起こる不要な反射を減衰させるために、端が照射角と直交するように照射の方位角を選択できる。したがって、照射角は、ウェーハ上にある任意の有効表面構造の端と垂直になるように選択すべきである。マンハッタンタイプの街路のみを有するウェーハの場合、四つの照射角のいずれかがバックグラウンド反射を最も減衰させる。これらの角度は、街路方向のいずれかに対して、45、135、225、及び315度である。こうした方位角は、光がウェーハ20表面に望ましい角度で入射するように光の経路62を向けることで得られる。最新のいくつかのウェーハ設計において、ルーチングラインその他の構造は、他の有効な特徴に対して45度の位置に存在する。こうした場合、方位角は、こうした45度に位置する特徴とは直交すべきでない。したがって、方位角は、マンハッタン街路と45度のルーチングライン(またはその他の特徴)との間の中間に位置する範囲に含まれるべきである。こうした角度は、例えばマンハッタン街路に対して22.5度、67.5度等にすることができる。
【0035】
前記のように、本発明の画像化サブシステムは、方向付けられた暗視野照射手法を使用して動作する。暗視野手法は、非平面欠陥に関して10:1のピクセル対欠陥検出比率を容易に提供可能で、これは一定のウェーハ当たりの検査時間に必要な画像処理という観点からすれば、100:1の減少に相当する。前記のシステムは、明視野モードでも動作可能で、この場合、ピクセル対欠陥比率は約1:1または2:1となり、システムの感度は微粒子等のより大きな欠陥に制限されるが、タングステンパドル、ウォータマーク等の暗視野システムでは確認できない幅広いクラスの平面欠陥の検出が可能になる。照射は干渉性または非干渉性にできるが、以下で説明するようなフーリエ手法を使用した周期的な構造のフィルタリングの可能性から、干渉単色照射が好ましい。非干渉光源の例には、ランプ、ガス放電ランプ、白熱電球のようなものが含まれる。干渉光源の例には、ダイオードレーザ、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、倍周波数YAGレーザのようなものが含まれる。
【0036】
図3において、集光レンズ65は、ウェーハ20の表面上の構造及び欠陥によって散乱する光を光経路64を通じて集め、検出器68を用いて画像化する画像レンズにすることができる。レンズ65は、フーリエ画像面を生成し、ここではオブジェクトの回折光のフーリエ変換像を見ることができる。フーリエ画像面は、無限大の距離から入ってくるように見える光の焦点を合わせる集光レンズ65の後方焦点面に位置する。この平面にフィルタ66が挿入され、ウェーハ20の照射選択エリアの構造が有する周期性に対応する特定の空間的周期性をブロックする。表示のように、フィルタ済みの光は、フーリエフィルタから経路64を通じてセンサ68に達する。
【0037】
フーリエフィルタは、その時点でのレンズシステムの焦点の深さ内にあるフーリエ画像面またはその近くに位置するべきである。しかし、ウェーハ上での入射光が直線化されていない場合、その光のフーリエ変換も同じように焦点がずれ、正確にはフーリエ面ではない平面で画像化される。しかし、その位置でも、フィルタリング機能は同じように十分に発揮される。画像の焦点のずれは、標準的なレンズメーカーの式に従う。即ち、
1/f=1/オブジェクト距離+1/画像距離、
f=レンズシステムの焦点距離。
ここでオブジェクト距離は、実際または仮想を問わず、直線化されていない光が焦点を結ぶ場所までの距離を表す。
【0038】
可干渉性の良い光(コヒーレントな光)がウェーハ上のアレイ等の周期的な構造に入射すると、光は構造により回折する。この結果、構造を離れる光の干渉により、フーリエ画像面には、一連の焦点の合った点または線といった形態で回折パターンが生成される。この焦点の合った点は、垂直または平行の帯の上に並ぶ場合があり、この帯は、半導体ウェーハ表面上の反復する特徴の(複数の)間隔によって決定される距離だけ、互いに隔たっている。具体的には、焦点のあった点の間隔は、入射光の波長と、ウェーハのアレイ構造の間隔と、集光レンズの焦点距離との関数として、以下のように定まる。
【0039】
【数1】
【0040】
フーリエフィルタは、表面の反復する特徴から散乱し(及び式(1)に従う)集光された光のパターンに対応するパターンで配置された不透明領域を有する。フーリエ画像面におけるこの不透明領域を適切に形成しておけば、フーリエフィルタは半導体表面に作り込まれた特徴からの光の反復をブロックすることで、欠陥検出のための信号対ノイズ比率を向上する。非周期的な表面の特徴からの光は、通常、フーリエ面で均一に分布するから、その信号はフィルタパターンのブロックによって、ほんのわずかだけ減少するものの、バックグラウンドとしては殆ど無視できる。
【0041】
図5は、フーリエ画像面76と、ウェーハのアレイ構造によって生成されるフーリエパターンの回折スポット77の様子とを示している。フーリエ画像面の不透明帯86は、フーリエパターンのスポット77に含まれる光が検出器に達するのをブロックするために使用される。作り込まれたウェーハアレイ構造で回折した光はこうしてブロックされるが、周期的でない欠陥から散乱した光は、この不透明帯86を通過する。したがって、信号対ノイズ比率が増加し、欠陥の検出が促進される。
【0042】
ウェーハのセルサイズは、ウェーハ上に設けられるダイ構造のタイプ及び製造業者の仕様により変化する。したがって、フーリエ面における回折スポットの間隔のピッチまたは周期は、それぞれのウェーハアレイ構造について異なる値になる。結果として、フィルタ間隔は、ウェーハのタイプごとに調節する必要がある。本発明では、図6に示す機構によって、これを達成している。ここでは、複数のフィルタ66がテープ87上に配置されている。テープ87上の各フィルタは、作り込まれた特定のダイパターンに適したピッチのブロッキング構造を有する。このフィルタは、現在検査されているウェーハのセルサイズに対応した正しいピッチのブロックキング構造を提供すべく、フーリエ画像面76に移送される。
【0043】
ドライブ滑車74上のベルトドライブ付きのアクチュエータ72(図3にも表示)は、様々なピッチパターンを備えたエンドレスのテープを搬送する。ローラ75はテープの動きをモジュール内に規制している。コンピュータ50は、コントローラ67を介してアクチュエータ72を制御し、適切なピッチを有するフーリエフィルタが存在するテープの部分を選択及び移送し、それをフーリエ面に適切に配置する。フーリエ面におけるパターンの位置はウェーハ毎に異なるため、現在検査している位置のウェーハのフーリエパターンにテープ上のパターンが適切に一致するよう、テープの搬送・配置が行なわれる。したがって、単一のアクチュエータを使用して、適切なピッチの選択及び適切な一致の両方が実行される。好適な実施形態において、単一のアクチュエータはステッパモータである。
【0044】
フーリエフィルタは様々な形で構築できる。好適な実施形態の一つにおいて、このフィルタは、図7Aないし7Cに示すように、様々な周期で、穴または切れ目がエッチングにより形成されたパターンを有する薄い金属(銅ベリリウム等)の細片によって形成することができる。エッチング後に金属が残る相対的な位置は、ウェーハ表面上の有効な反復構造から散乱したフーリエ画像面の光の相対的な位置と一致するように選択される。たいていの場合、エッチングによりフィルタとして残された金属部分は、帯またはL字形となる。
【0045】
別の実施形態において、フーリエフィルタは、透明な素材の断片上に不透明な領域を有する形状をとる。エッチングされた金属の場合と同じく、不透明領域は、一定の特徴から散乱したフーリエ画像面の集中光の位置に対応する。透明な素材は、例えば、薄い光学品質のマイラにすることができる。透明な素材が不透明領域を支持するので、不透明領域を、連続的な金属領域として結合して帯またはL字形状とする必要はない。反対に、他の形状、例えば点形状または一定の特徴から反射または散乱される集中光に一致する形状にすることができる。
【0046】
実施形態の一つにおいて、フィルタテープの設計は、ウェーハにおける特定の一つ以上の周期的な構造と一致させるために、それぞれが明確にパターン化された、別個のフィルタまたはフィルタ領域を含むように行なわれる。この場合、テープ上の別個のフィルタのそれぞれは、一定のウェーハまたはウェーハ内構造の各々に関して使用される特定のフィルタ間隔を備える。更に、それぞれの別個のフィルタにおけるワイヤの間隔は、式1によって予測される定数である。この実施形態において、各ウェーハ(またはウェーハ領域)に関して必要になる調整は、フーリエパターンをブロックするようにテープを位置決めすることだけである。
【0047】
図7Aは、この実施形態に従ったフーリエフィルタの実施形態の一つを示している。図示するように、フーリエフィルタテープ701は、第一の領域702と第二の領域704とを含む。この両領域には、梯子状に配置された不透明な金属ストリップ706が設けられているが、この金属ストリップ706は、水平に連続した二つのストリップ708a及び708bによって、これに垂直に保持されている。フィルタテープ701は、好ましくは、薄いエッチングされた金属によって形成される。
【0048】
注意点として、フィルタテープ701において、領域704内のストリップ706の間隔は、第二の領域702の対応するストリップ706と比べると、相対的に狭い。したがって、第一の領域702は、半導体基板上に作り込まれた一定の特徴を備えた一つのタイプに関する別個なフィルタとして使用可能であり、第二の領域704は、異なる周期性を有する他の特徴のための第二の別個なフィルタとして使用できる。
【0049】
検査中、フーリエフィルタテープ701は、画像化される集積回路または集積回路の部分のタイプに応じたフィルタとして、第一の領域702または第二の領域704のいずれかが使用されるように平行移動される。注意点として、特定のダイ内の異なる領域について、異なるフィルタが最適な場合がある。例えば、集積回路のメモリ部分において、あるフィルタ間隔が必要であり、同じ集積回路のキャッシュメモリ部分で異なるフィルタ間隔が必要になる場合がある。
【0050】
本発明のフィルタ(フィルタテープ701等)で利用される不透明領域は、反復する有効なウェーハ構造から散乱するフーリエ画像面の光の大部分をブロックするのに十分な幅を有するものとされる。好適な実施形態において、垂直ストリップまたは不透明スポット(図7Eのフィルタテープ707を参照)の幅は、約0.1ないし 0.5mmの間である。好ましくは、垂直ストリップの幅は約0.3ないし0.4mmの間である。
【0051】
図7Bは、第二の好適な実施形態を示しており、ここではフーリエフィルタテープ703は、相互の間隔が連続的に変化するよう配置された垂直ストリップ706を備える。フィルタテープ703は、フィルタテープ701と同じ形で使用できるが、別個のフィルタ領域を有していない。この場合フィルタは、垂直ストリップ706の間隔が、特定の検査対象に適した間隔となっている部分が、フーリエ画像面の集中光の間隔に対応した位置となるよう、フィルタテープ703を平行移動させて用いられる。フーリエフィルタテープ701の場合と同じく、フーリエフィルタテープ703は、好ましくは、エッチングされた薄い金属細片により、またはマイラ等の透明な基層に金属化を施すことで製造する。
【0052】
と
個々の垂直ストリップ706の間隔は、様々な数学的数列に従うことができる。例えば、この間隔は対数的に変化させることができる。具体的な実施形態の一つにおいて、この連続的に変化するフィルタテープ703のワイヤ706の間隔は、第一のワイヤ(n=1)と第二のワイヤ(n=2)との間の距離を約1mmとすると、次のワイヤ(n+1)までの間隔は、次の式によって決定することができる。
【0053】
距離n+1=距離n*(1+Q) (2)
この式のQは、好適な実施形態において、約0.015である。このパターンの最大の間隔は、単一のワイヤが単一のスポットを含むフーリエパターンをブロックできるような切れ目のサイズによって決定される。テープ全体の長さは、好適な実施形態での使用では、約38cmが好適である。
【0054】
一般に、フーリエ面のフーリエ変換スポットの間隔は、その面の全体で本質的に同じである。式(2)に示すように、フィルタのワイヤは、フーリエ面全体で間隔がわずかずつ増加する。したがって、ワイヤの幅は、パターンを配置する際の正確さ及びフーリエ面全体でのワイヤ間の間隔の差から、画像面でのスポットサイズよりも幾分大きくする必要がある。実際には、フーリエ画像のスポットは、直径約0.1mm未満である場合が多い。更に、フーリエフィルタの位置の正確さは、約0.05mm未満であると予想できる。こうした基準を考え、フィルタテープ703のワイヤの幅は、好ましくは、約0.2ないし0.6mmとする。例えば、0.35mmのワイヤ幅では、切れ目全体の間隔の差に関して、約0.2mmの余地が残る。当然ながら、異なる幅のワイヤ、間隔または区分、開始間隔、及びテープ全体での間隔変化を有する他の構成も、同等の効果を有する。
【0055】
図7A及び図7Bに示すフィルタテープの間隔より、更に複雑なパターンも可能である(二重周期、マッチフィルタリング等)。例えば、図7Cでは、本発明で使用する二重周期フーリエフィルタテープ705の一例を示している。この場合、二つのグループの垂直不透明ストリップが設けられ、それぞれが別個の空間周波数を有している。第一の空間周波数は、垂直ストリップ710間の一定の間隔によって定められ、第二の空間周波数は、垂直ストリップ712によって定められる。注意点として、垂直ストリップ712の間隔(周期)は、垂直ストリップ710の間隔よりも大きい。
【0056】
フーリエフィルタテープ705のような複数周期フーリエフィルタは、画像化される半導体ウェーハの領域が二以上の重ね合わされた反復構造を含む場合に適している。例えば、メモリ要素のソース及びドレイン領域が第一の間隔で分離して配置されており、同じメモリ要素の基板タップが第二の間隔で分離して配置されている場合は、このケースに相当する可能性がある。基板タップからの散乱光は垂直ストリップ710によってブロックされ、ソースドレイン領域からの散乱光は垂直ストリップ712によってブロックされる。別な例において、DRAMは通常、すべて太さ1ミクロンの複数の線を含む。この一定の太さの線は、フーリエ画像に、固定的な周期の構成要素を持ち込む。DRAM内の反復するセルは、フーリエ画像に第二の構成要素を持ち込む。これら二つのDRAMの特徴に対応するフーリエ画像面の構成要素は、フーリエフィルタテープ705のように、それぞれが異なる間隔を有するフィルタワイヤの二つのセットによってフィルタリング可能となる。
【0057】
フーリエフィルタ705は、二つの間隔(垂直ストリップ710間の間隔と垂直ストリップ712間の間隔)のみを有するものとして表示されているが、フィルタ内に三つ以上の間隔を含めるのが適当な場合があることは、容易に理解される。
【0058】
複数周期のフィルタは、図7Dに示すように、2つ以上のフィルタテープによって実現することができる。ここでは、二つのテープフィルタ機構727が、フーリエ画像面76でオーバラップするフィルタテープを提供している。第一の不透明領域のパターンを有する第一のテープ729と、第二の不透明領域のパターンを有する第二のテープ733とを重ね合わせることで、複合フィルタが提供されている。第一のテープ729の望ましいフィルタ領域は、専用のローラ731a及び731bを回転させることで、フーリエ画像面に配置される。更に、第二のテープ733の望ましいフィルタ領域は、専用のローラ735a及び735bによって配置される。好適な実施形態においては、第一のフィルタテープ729及び第二のフィルタテープ733が、フーリエ画像面76において約0.1ないし0.5mm以下の間隔で重ね合わされるように、またはフーリエ画像面の焦点の深さ内に入るように、個々のローラを配置する。第一及び第二のフィルタテープの位置を独立して制御するためには、各テープに専用のアクチュエータを用いるのが望ましい場合がある。
【0059】
図7Eは、更に別のフーリエフィルタテープの形式を示している。ここでは、フィルタテープ707は、透明な媒体上に形成された別個のフィルタ領域714、716、718、及び720を有する。これらの各領域には、別個の丸い不透明領域722が形成されている。場合によっては、この不透明領域は、楕円形、長方形、その他フーリエ画像の一定のパターンを十分にブロックするのに最適な形にすることができる。テープ707内の分離された不透明領域722の使用には、欠陥に関する情報を含む可能性のある非常に小さな光または散乱していない光を捉えるというブロック上の利点がある。
【0060】
フィルタテープ707で利用されている構造のもう一つの利点は、二次元フィルタを可能にすることである。図5において、スポット77は一定の間隔の線に沿って並んでいる。これはフーリエ画像面における一次元パターンである。もう少し複雑な(一定ではない)ウェーハパターンが形成されている場合には、散乱光は、フーリエ画像面において二次元パターンを生成する。こうした場合、取り除こうとするフーリエ画像面の構成要素が、図5に示すような一定の垂直な帯に含まれるとは限らない。こうした場合、この一定のストリップ間に常駐する、取り除くべき他のフーリエスポットが存在する可能性がある。こうした二次元構成要素は、H字形またはL字形構造を採用したエッチングされた金属フィルタにおいては取り除くことができるが、フィルタテープ707の領域714、718、及び720で示すように、透明な媒体上の二次元の適切な位置に、金属化により、単純な点を配置する方が簡単である場合が多い。
【0061】
フィルタで発生する可能性のある問題の一つは、特定方向での画像のぼやけ等の画像面での不具合を生み出す「ハードエッジ」を通過した光の回折である。ハードエッジは、不透明領域と透明領域との間の通常は明確な境界である。本発明では、ハードエッジの有害な影響を減らすために様々な手法(アポディゼーション等)を利用している。具体的には、不透明領域と透明領域との間の境界をソフトにする手法が利用可能である。これを達成する方法の一つは、透明媒体に設けられた不透明スポットの厚さを徐々に減少させることである。多くの付着手法では、これは自然に達成される。エッチングされた金属の場合、境界近くで金属の厚さを徐々に減少させるのは容易ではない。しかし、境界に刻みを付けることでエッチングされた金属の境界を「ソフト」にすることができる。
【0062】
図8は、本発明に従ったフィルタリング手法800において重要な三つの工程を示すフローチャートである。全工程800は、工程801から開始され、工程803において、検査されているウェーハに作り込まれた特徴で散乱した光のフーリエ画像面での間隔に対応する周期を有するフーリエフィルタの選択がなされる。
【0063】
先に説明したように、半導体上には、数多くの異なるパターンを生じる特徴が作り込まれている可能性がある。そのため、対象となっているウェーハ領域内の有効な特徴のフーリエ変換に対応する光のみをブロックするフーリエフィルタを選択する必要がある。
【0064】
工程803で適切なフィルタを選択後、工程805では、選択したフーリエフィルタの位置を画像面で調節する。この検査システムは、ウェーハに作り込まれた特徴からの光のみをブロックするように、フィルタの位置を調節する。位置調節工程805の重要な構成要素は、選択したフーリエフィルタの不透明部をウェーハ表面からの光と一致するように配置することである。
【0065】
検査システムは、フーリエフィルタの位置を適切に調節した後、工程807において、選択したフーリエフィルタによってフィルタリングしたウェーハからの光で、ウェーハを画像化する。その後、符号809に抜けて、処理を終了する。
【0066】
適切な周期を有するフーリエフィルタを選択する好適な工程(工程800の工程803)は、図9Aに表されている。ここに示すように、この工程803は、符号911から開始され、次に工程912において、テストされるウェーハの関係する領域が、光源60からの光によって照明される。この光は、ウェーハ表面で散乱し、センサ68に向かう。工程913において、検査システムは、不透明領域(またはスリット)を(ウェーハ表面で散乱した光の)フーリエ画像面に通し、不透明領域(またはスリット)の位置の関数として、光の明度をモニタする。その後、工程915において、検査システムは、工程913でのモニタリングに従って、画像面での光の明度分布の周期を判断する。最後に、検査システムは、工程915で判断した光の明度分布の周期に一致する周期を有するフーリエフィルタを選択する。この工程は、その後、符号919に抜けて終了する。
【0067】
図9Bは、工程913を実行するために平行移動させることが可能なテープ921の適切な断片を示している。具体的には、テープ921は、不透明領域925にまたがる二つの透明領域923A及び923Bを備える。工程913において、テープ921は、不透明領域925が画像面を横断して移動するように平行移動される。その間、透明領域923A及び923Bを通過する光は、テープ921の後に配置されたセンサによってモニタされる。好適な実施形態において、テープ921は、最終的にウェーハの画像化に使用する様々なフーリエフィルタも備える。
【0068】
図9Cは、光の明度を、不透明領域925の位置の関数として表した仮想的な光の明度の分布931を表している。表示のように、分布931には、ほぼ同じ距離離れた谷933A、933B、及び933Cが含まれている。この離間距離は、反復する特徴を有するウェーハ表面から散乱した光のフーリエ画像面において観察される周期に対応する。この周期は、ウェーハの画像化の際に使用するフィルタとして、最終的に選択されるフーリエフィルタの周期を指定する。最初に発生する第一の明度の谷933Aは、光の明度分布の原点から、位相φに対応する距離だけ離れた場所に位置している。この位相は、フーリエフィルタを、画像面の適切な位置に調節するために使用される。周期及びフェーズの情報が、(不透明ストリップではなく)スリットを通り過ぎ、フーリエ画像面を通過して提供された場合、光の明度分布は(谷ではなく)一連のピークとして現れる。
【0069】
本発明の実施形態の一つにおいて、センサ68は、時間遅延統合(TDI)モードで動作するフレーム転送CCDである。高性能、低コストの二次元CCDアレイが利用可能であり、これは多くのレーザダイオードが発する光が含まれるスペクトルの赤領域における低ノイズ動作及び優れた量子効率でのTDI動作を可能にする。例えば、こうした動作は、チャドウィックに対して発行された米国特許出願第4,877,326号において説明されており、これは参考として本願に組み入れている。こうした動作は、一次元検出システムで知られているよりも高い感度の性能を生み出すエリア検索を実現する。これは、TDIモードが、一次元センサよりも長い効果的な露光を可能にするためである。コンピュータ50は、コントローラ69を介して、このモードとセンサの動作を制御する。TDIモードにおいて、CCDのチャージの転送は、画像のぼやけを防ぐために、モジュール下でウェーハを移動させるステージの速度と一致させる。
【0070】
図4は、時間遅延モードにおいて、ウェーハのタイミングとスキャニングのためにステージの動きを用いて、センサ68を制御する方法を示している。エンコーダは、Xステージに取り付けてあり、その信号はコントローラに供給される。コンピュータはコントローラに命令を出力し、CCDにより、入力した信号の電荷としての蓄積を開始させる。コンピュータは、ステップ120において、更に、ステージを一定の速度でウェーハの反対側の端へ移動させる。コントローラは、ステージからのエンコーダ出力をチェックし、ステップ121において、ステージが1ピクセル長の移動をしたかどうかを判断する。ステージが正確に1ピクセル移動した場合、ステップ122において、CCDのチャージが1行分転送され、ステップ123において、CCDのその1行が読み出され、デジタイザ70に転送される。この工程は、ステージがウェーハの反対の端に達し、ステップ124において、スキャニングが停止するまで続けられる。ウェーハの表面全体のスキャニングを完了するために、ステップ125でステージは開始点に戻り、ステップ126において、1モジュール視野分だけY方向に搬送される。ウェーハをカバーするのに十分なスキャンが行なわれるまで、ステップ120ないし127で説明したように、CCDによる電荷蓄積を利用したX方向の読み出しが繰り返される。CCDアレイのみではなく、多くのタイプの画像化アレイを採用して、同様のスキャニング手順が実施できると理解すべきである。例えば、CMOSフォトダイオードアレイまたはCMOSフォトゲートアレイを用いることが可能で、この場合、こうしたセンサのTDI動作には、センサチップのカスタム設計が必要になる場合がある。
【0071】
図3に関して、ボード19内では、最初にセンサ68の出力をデジタイザ70によってデジタル化し、信号情報を画像プロセッサが処理可能な形態にする。欠陥を発見するための画像処理は、検出ブロック71で行なわれる。ここでは、デジタル化された信号列(ストリーム)が、一つ以上の汎用デジタル信号プロセッサ(DSP)のアレイに通される。このDSPは、有意のパターンの散乱を欠陥による散乱から識別して認識するコンピュータ認識アルゴリズムを実行する。汎用DSPを使用することの利点は、ユーザのニーズに合わせてアルゴリズムの変更及び調整を行なえる点である。パイプラインまたはシストリックアレイまたは並列マイクロプロセッサ等の別のコンピュータアーキテクチャを使用することもできる。
【0072】
図10は、本発明を使用して収集した画像の比較処理について説明している。この方法は、明視野または暗視野検査のいずれかで利用可能であり、前記のフーリエフィルタリング後に実行すべきものである。欠陥による散乱を、ウェーハに作り込まれた構造による散乱から分離する一般的な方法は、同じウェーハ上の対応するエリアの第一の画像と第二の画像とのダイ対ダイ、レチクル(網線)対レチクル、またはセル対セル比較を通じて行なう手法である。欠陥が、二つのダイの対応するスポットに共に現れる確率は極度に低いため、両方に存在する特徴は、作り込まれた構造の一部とみなされる。片方のダイにのみ存在する特徴は欠陥とみなされる。どちらのダイが欠陥を含むかを判断するために、片方のダイのみに差異が確認された場合は、三つのダイを比較する必要がある。ここでも、二つのダイのまったく同じ位置に欠陥が存在する可能性は極度に低いため、第三のダイとの比較により、欠陥を含むダイが分離される。
【0073】
図10において、この比較は、符号200から開始される処理により行なわれている。まず、ステップ205において、ウェーハの現在検査されている部分の画像Aを取得する。ステップ210において、この画像Aは、以前に検査された同じウェーハの対応するエリアに関する格納された画像Bと相互に関連づけられる。その後、ステップ215において、画像Aを再サンプリングし、画像Bに重ね合わせる。画像Aと画像Bの相互関連付けの結果は、システムによって二つの画像を光学機械的に重ね合わせた際のエラーの量として示される。画像を差し引きするには、画像を互いに登録する必要がある。片方の画像のみを再サンプリングして、第二の画像と一緒に登録場所へ移動した場合、再サンプリングした画像にはノイズが追加されやすくなり、サンプリングしない画像は鮮明になる。最終的な画像の処理をなるべく同じに維持するために、この手順では、再サンプリング工程によって、それぞれが同じだけ劣化するように、二つの画像のそれぞれを再サンプリングし、両画像間の登録の差異を半減している。ステップ220を参照のこと。したがって、図10のフロー図に示すように、それぞれの画像が再サンプリングされる。その後、ステップ225において、再サンプリングされた画像Aが画像Bから差し引かれ、ステップ230において、画像間の差異をしきい値と比較する処理が行なわれる。次にステップ235において、システムは、画像の差し引きによる差異が指定のしきい値より大きいかどうかに基づいて、欠陥の存在を判断する。ステップ235において、画像Aまたは画像Bのいずれかに欠陥が存在すると判断された場合、ステップ240において、画像Aは、第二の以前に検査された同じウェーハの対応するエリアに関する格納された画像Cと比較される。ステップ215及び220に関して前述したように、ステップ245及び250において、画像Aを、再サンプリングし、二度に亘って画像Cと重ね合わせる。次に、それぞれステップ255及び260に示すように、再サンプリングした画像Aを画像Cから差し引き、差異をしきい値と比較する。ステップ265で画像Aに欠陥が含まれると判断された場合、ステップ270において、現在検査している位置に関して、この欠陥がメインコンピュータ50に報告される。メインコンピュータ50は、こうした欠陥に関する報告を、様々な判断に使用可能で、必要な任意のマン・マシン・インタフェースを実施するための総合欠陥データベースに蓄積する。例えば、実施形態の一つにおいて、本発明は、半導体ウェーハ製造に使用する機械の統計的な工程制御に応用し、データベースを使用して、対象となる設備が統計的に相当数の欠陥を発生させる時期を判断することができる。
【0074】
ステップ265において、画像A及びC間で欠陥が見つからなかった場合、ステップ235において画像A及びB間で見つかった欠陥は、ステップ275で無視される。この場合、またはステップ235で欠陥が見つからなかった場合、ステップ280では画像Bを画像Cのフレームに格納し、ステップ285では画像Aを画像Bのフレームに格納する。検査を続けるために、ステップ290において、ウェーハは次の検査位置に再配置され、処理はステップ205から繰り返し開始される。
【0075】
別の実施形態において、一つ以上の画像化サブシステム30は、他のウェーハ処理パラメータを検出または測定するのに使用する他のタイプのセンサと置き換えることができる。例えば、センサは、ホットスポット等の他のタイプの欠陥、または(例えばエリプソメータで判断するような)付着の厚さ等の物理的なパラメータを検出するものを含めることができる。こうした実施形態の構成の一つにおいて、第二のタイプのセンサは、各画像化サブシステム30の間に配置する。したがって、システムを前記の方法でウェーハのスキャンに使用する時、一度の通過において、1区画おきに画像化サブシステム30による欠陥のスキャンが行なわれ、別の区画では第二のタイプの特性に関するスキャンが行なわれる。ウェーハが1モジュールの視野を単位として順序づけられ、ウェーハがスキャンされると、前回、片方のモジュールタイプによってスキャンされた区画は、次は別のモジュールタイプによってスキャンされる。ウェーハ全体が両タイプのモジュールによってスキャンされるまで、追加したスキャンのためのウェーハ全体の順序付けを続けることで、ウェーハは、1種類の機械による1回の検査によって、二つのタイプの特性についてテストされることになる。他の実施形態においては、三つ以上のタイプのモジュールを並行に交互配置し、同じ検査期間内で三つ以上の特性に関するウェーハのテストを完了できる。
【0076】
他のタイプのセンサには、ウェーハ上の臨界的な寸法を測定する様々なタイプの光学検出器、明視野顕微鏡等を含めることができる。特に好適な実施形態においては、別タイプの検出器を一つだけモジュール内に設け、これはモジュールのグループの最後に配置される。これにより、ウェーハの欠陥のスキャン中に、割り出しに対する干渉が最小限になる。
【0077】
図1に示すようなシステムは、検査の必要に応じて、ウェーハのロード、アンロード、及び位置調整を行なうロボット式ウェーハローダ(表示なし)とやり取りを必要とする場合がある。こうしたウェーハ製造機械の統計的な工程制御に組み込む場合には、ウェーハを可能な限り素早く、頻繁にテストし、製造設備の一部の動作が不適切なものになり始めた時、これを素早く探知する。好適な実施形態において、本発明のシステムは、既存の設備に統合できるほど小さく、ウェーハが処理ツールから出る前に、元の場所での検査または統合検査を完了する。
【0078】
実施形態の一つにおいて、図1に示すシステム10は、「クラスタツール」または「フォトトラック」等の多段処理ツールに組み込まれる。こうした構成において、この検査システムは、バッチツール内で実行される個々の工程間の一以上のポイントでウェーハをテストするのに使用される。クラスタツールの場合、この検査システムは、ツールの大きな面または小さな面の一つに取り付ける。クラスタツールは従来から知られており、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライド・マテリアル社及びカリフォルニア州サンホゼのノベラス・システム社から入手できる。
【0079】
図11に示すようなクラスタツールは、中央に設置されたウェーハハンドリング用の「多角形」303を利用し、小さな単一ウェーハ処理ツール306及び補助機能ツール309が多角形303の外側の「面」に順番に取り付けられている。処理ツール306の例には、CVDリアクタ、エッチャ、及びストリッパが含まれ、補助機能ツール309は、例えば、カセットのロード・ロック、ウェーハのアラインメント、ガス抜き、または冷却等を実行できる。こうしたツール306及び309のそれぞれには、ウェーハを順番に搬送する中央のハンドリングロボット315によってアクセスすることができる。通常、システム全体は一定の負圧により動作する。実施形態の一つにおいて、この検査システムは、クラスタツールと統合され、ウェーハがクラスタツール内にある間にウェーハの検査を実行できる。図11に示す好適な実施形態において、検査システム10は、多角形303の外側の面の一つに取り付けられ(一次または二次クラスタポートのいずれか)、ウェーハを検査システム10に搬送する中央ハンドリングロボットによってアクセスできる。若しくは、検査システムを多角形内に組み込み、中央ハンドリングロボット315によってアクセスできるようにすることが可能であり、この場合、多角形の外側の面は利用しない。好ましくは、検査システム10は、一つ以上の処理ツール306の性能のモニタリングを促進する。
【0080】
本発明の検査ツールをサードパーティのクラスタツールまたはフォトトラックツールの内部に統合することが困難な場合には、本発明の好適な実施形態では、検査ツールをバッチツールの外側に設ける。この場合、検査ツールをツール内部の負圧環境に導入する必要はない。反対に、例えば、クラスタツールの大きな面または小さな面の一つの窓に取り付けることができる。特に好適な実施形態において、検査システムは冷却室の窓に取り付ける。実際の動作において、冷却室のウェーハは、窓に近いポイントまで持ち上げられる。その後、検査ツールは、光線を窓越しに室内のウェーハに向けることで、ウェーハを画像化する。ウェーハで散乱または反射した光は、窓越しに検査ツールに戻り、検出器によってモニタされる。検査ツールのレンズは、窓による反射及び散乱を考慮するために修正を要する場合がある。
【0081】
本発明は、従来のシステムに対して、いくつかの利点を実現している。本発明の利点の一つは、半導体ウェーハの高速検査を可能にすることである。これは、図1に示すように、検査システム10内に複数の検査モジュールを横に重ねて配置し、並列動作させることで、ウェーハの複数の領域を同時にカバーすることで達成している。照射手段、レンズ、及びセンサなどの構成要素は最小化されており、モジュール自体がコンパクトで非常に薄くするとで、上記の効果を達成している。モジュールの厚みは、好ましくは約50mm、更に好ましくは20ないし40mmである。具体的な実施形態の一つにおいて、モジュールの厚さは約22mmである。本発明のフーリエフィルタシステムは、単一のモータを使用してフーリエフィルタリングを達成可能にし、モジュールの小型化を更に促進している。並列センサモジュール及びTDI動作の使用は、各ピクセルの十分な露光が容易に行なえるものとし、全体の検査速度を同時に十分な速さに維持している。また、並列に重ねることで、各モジュールの視野を小さく維持できる。これは、画像化において低コストのレーザダイオード及び緩やかな条件の光学レンズの使用を可能にし、大幅なコスト節約を生み出している。更に、緩やかな感度条件は、低等級のCCDセンサの使用を可能にし、同じくコスト削減に寄与している。
【0082】
加えて、システムが小さくかつ高速であることから、このシステムは、製造ツールに組み込むことができ、製造工程の様々なポイントでウェーハを検査することができる。この結果、検出までの時間が短縮され、欠陥のあるウェーハをそのまま処理してしまうといった時間のロスを低減することができる。この利点は、バッチ処理であれクラスタツールによる処理であれ、いずれでも実現される。本発明の検査システムのサイズ及び速度によって得られるもう一つの利点は、統計的な工程制御を行なう製造ツールに組み込んだ時、本発明のシステムは素早くツールの障害を検出するため、検査システムによる障害検出までの間の、こうしたツールが原因であるウェーハの欠陥による損失を減少させる点にある。
【0083】
更に、エリア検索と、照射角、方位角、及び偏光の可変性とを促進するTDIの使用は、リニア検出を利用するシステムよりも高い感度を提供する。また、完全な平行光線により照射しているので、システムの集光効率を高くすることができる。
【0084】
その他の実施形態及び利点は、本明細書及びここに示した本発明の実施形態を考慮することで、当業者にとって明らかになろう。本明細書及び実施例は、単なる例示として解されるべきであり、本発明の真の範囲は前記特許請求の範囲によって示される。
【0085】
本明細書に含まれ、その一部を構成する下記の添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を図示したもので、説明と共に、本発明の原理を明らかにするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のモジュラ検査システムのブロック図。
【図2】 本発明の実施形態に従った、半導体ウェーハを分析する複数の光学サブシステムの測定区画を示す説明図。
【図3】 本発明のモジュラ検査システムで使用するのに適した光学検査サブシステムを示す説明図。
【図4】 本発明の時間遅延統合手順に従ってウェーハをスキャンするのに使用できるステップを示すフローチャート。
【図5】 本発明の一部の実施形態に従った、有効な反復表面構造から散乱する光をブロックするフーリエ画像面に配置するフーリエフィルタを示す説明図。
【図6】 本発明の実施形態に従ったフーリエフィルタの移送機構の説明図。
【図7A】 本発明で使用するフーリエフィルタが形成されたテープの一例を示す説明図。
【図7B】 本発明で使用するフーリエフィルタが形成されたテープの一例を示す説明図。
【図7C】 本発明で使用するフーリエフィルタが形成されたテープの一例を示す説明図。
【図7D】 本発明で使用するフーリエフィルタが形成されたテープの一例を示す説明図。
【図7E】 本発明で使用するフーリエフィルタが形成されたテープの一例を示す説明図。
【図8】画像のフーリエフィルタリングにおけるステップの一部を示す工程フローチャート。
【図9A】 本発明の実勢形態の一つに従って最適なフーリエフィルタを選択するのに採用できるステップの一部を示す工程のフローチャート。
【図9B】 ウェーハまたはウェーハの小区分の検査中に使用するフーリエフィルタの適切な間隔を特定するのに採用される不透明ストリップを含むテープ部分を示した説明図。
【図9C】 最適な間隔のフーリエフィルタを選択するのに採用できる光の明度対フーリエ画像面を示す仮想的な説明図。
【図10】 本発明の一部の実施形態で採用できるダイ対ダイ比較手順を示す工程のフローチャート。
【図11】 本発明のモジュラ検査システムを組み入れたクラスタツールの概略構成図。
Claims (2)
- 複数の半導体ウェーハに対して動作可能な複数の集積回路製造ツールと、
それぞれが半導体ウェーハの一部の区画に存在する欠陥を検出するように構成された複数のモジュラ検査サブシステムと、
前記半導体ウェーハに対して複数のモジュラ検査サブシステムを、相対的に移動させる機構と、
前記複数の集積回路製造ツール及び前記モジュラ検査サブシステムに対して半導体ウェーハを移動させるハンドリングツールと
を備え、
前記モジュラ検査サブシステムの一つは、パターンをエッチングされた前記半導体ウェーハの一部の区画を撮像した画像に基づいて光学検査を行なう光学検査システムであり、
前記モジュラ検査サブシステムの少なくとも一つは、パターンをエッチングされた半導体ウェーハの一部の区画の臨界的寸法を測定する測定ツールであり、
前記光学検査システムにより前記半導体ウェーハの一区画の画像による検査が行なわれるのと並行して前記測定ツールにより他の区画の検査が実施され、
前記光学検査システムおよび前記測定ツールは、検査により見い出した欠陥の報告である欠陥報告を生成するように構成されており、
該欠陥報告を収集する欠陥データベースを含み、前記欠陥報告に基づいて前記製造された半導体ウェーハにおける欠陥の発生を判断すると共に、該判断に基づいて、前記半導体製造ツールのプロセス制御を実施するコンピュータを備え、
前記コンピュータは、前記半導体ウェーハの製造における欠陥の発生の判断を、前記データベースに収集した欠陥報告を統計的に処理することにより行なう
半導体製造システム。 - 半導体を製造する方法であって、
それぞれが半導体ウェーハの一部の区画に存在する欠陥を検出するように構成された複数のモジュラ検査サブシステムとして、パターンをエッチングされた前記半導体ウェーハの一部の区画を撮像した画像に基づいて光学検査を行なう光学検査システムと パターンをエッチングされた半導体ウェーハの一部の区画の臨界的寸法を測定する測定ツールとを用意し、
前記半導体ウェーハに対して複数のモジュラ検査サブシステムを、相対的に移動させ、
前記光学検査システムにより前記半導体ウェーハの一区画の画像による検査を行なうのと並行して前記測定ツールにより他の区画の検査を実施しつつ、
前記複数の集積回路製造ツール及び前記モジュラ検査サブシステムに対して前記半導体ウェーハを移動させ、該半導体ウェーハに対して動作可能な複数の集積回路製造ツールにより半導体を製造し、
前記光学検査システムおよび前記測定ツールは、検査により見い出した欠陥の報告である欠陥報告を生成し、
前記欠陥報告を、コンピュータを用いて欠陥データベースに収集し、
該欠陥データベースに収集した欠陥報告を統計的に処理することにより、コンピュータが前記半導体ウェーハの製造における欠陥の発生を判断する
方法。
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