JP5060579B2 - 地盤改良直接基礎工法 - Google Patents

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Description

この発明は、軟弱地盤に固化材を混ぜて地盤改良し、その上にベタ基礎などの直接基礎を構築する地盤改良直接基礎工法に関するものであり、詳しくは、改良した改良地盤が不同沈下した場合でも不陸調整可能な地盤改良直接基礎工法の改良に関するものである。
従来、木造住宅などの建築面積当たりの自重が比較的小さい建物を軟弱地盤(一般に、有機質土や粘性土の場合でN値4以下、砂質土の場合でN値10以下の地盤のことを指す。以下同じ)の上に構築する場合、セメント系や石灰系などの固化材(地盤改良材、地盤安定材ともいう)を改良する地盤の土壌と混ぜて軟弱地盤の表層部を建築面積の全面又は碁盤の目状に改良し、地盤の地耐力を向上させて支持地盤とし、その上にベタ基礎などの直接基礎(ベタ基礎、布基礎、独立基礎など、表層地盤を貫通してその下層にある強固な支持層まで届く支持杭を設けないで表層地盤に直に基礎を構築する基礎のこと、以下同じ)を構築する地盤改良直接基礎工法が知られている(例えば、特許文献1など)。
また、このような地盤改良直接基礎工法において、軟弱地盤が不同沈下しても建物にひび割れなどの不具合が発生しないように、地盤改良を施した改良地盤と基礎とを一体的に結合して基礎部分の剛性を高めた地盤改良直接基礎工法も種々提案されている(特許文献2〜4など)。
例えば、特許文献2には、木造住宅又は低層住宅用のベタ基礎工法において、ビニロン系その他の補強繊維を混入した固化材と土とを混合しながら転圧して地盤改良を行って改良壁(安定材)を構築し、この改良壁の上面にリブ用の小溝を掘削して配筋をし、その上にベタ基礎を構築してリブとベタ基礎とを一体化することにより、ベタ基礎の不同沈下を防止するベタ基礎工法が開示されている。
特許文献3には、地盤改良を施した改良地盤(改良壁)に接続筋を指し筋し、その上に直接基礎を構築して直接基礎の基礎スラブと改良地盤とを一体化することにより基礎の剛性を高めた地盤と基礎の一体構造の構築方法が開示されている。
また、特許文献4には、軟弱地盤を何層かに分けて建物の外周部分に行くほど深くまで改良して多層からなる段状の改良地盤とし、その上に網体(メッシュ配筋)を敷設すると共に、この網体を貫通するようにダボを配設したうえでコンクリートを打設してベタ基礎を構築し、改良地盤とベタ基礎とを一体化することにより、基礎の不同沈下を抑制し、基礎全体の支持力を向上させることができる地盤改良ベタ基礎工法が開示されている。
しかし、特許文献2〜4に記載の地盤改良直接基礎工法では、改良地盤と基礎とを一体化することで基礎の剛性を向上させるものであり、地震や地下水の影響などにより改良地盤(改良壁)自体が不同沈下してしまった場合のことは想定されていない。つまり、改良地盤と直接基礎とを一体化することにより不同沈下を抑制することはできるものの、軟弱地盤では、地震や地下水の影響などにより改良地盤より下層の地盤が不同沈下することが起こり得る。その場合、改良地盤と直接基礎との一体化により建物の倒壊は免れたとしても、改良地盤や基礎自体が傾いてしまい、建物を使用し続けることができなくなってしまうという問題が残されている。
特開平06−313314号公報 特開平08−232273号公報 特開平11−269894号公報 特許第3608568号公報
そこで、この発明は、前記従来の技術の問題を解決し、改良壁と直接基礎とを緊結して水平にズレることを防いで直接基礎の曲げ剛性を高めると共に、改良壁自体が不同沈下した場合でもジャッキアップなどで不陸調整して建物の使用を継続することが可能な地盤改良直接基礎工法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軟弱地盤に固化材を混合して撹拌した後転圧することにより地盤改良を行って平面視で碁盤の目状に改良壁を形成し、この改良壁の上に直接基礎を構築する地盤改良直接基礎工法において、前記直接基礎に定着されて前記改良壁と前記直接基礎とを緊結する緊結部材を設置する工程と、前記緊結部材の緊結部がコンクリーに埋まらないように区画する保護型枠を設置する工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記軟弱地盤に水及びセメントを含有するスラリーを吐出しながら混合撹拌してソイルセメントのコラムを構築する工程を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記緊結部材は、前記改良壁の外周を除く各通りの両端付近に設置されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法において、前記改良壁は、所定深さ毎に複数層に分けて転圧され、前記緊結部材は、前記改良壁の最下層転圧後に前記改良壁用の掘削溝内に設置されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記緊結部材は、両端部にネジ山が形成されたUボルトと、このUボルトの両端部に略水平に架け渡され、中央部が前記直接基礎に定着されて両端部が前記保護型枠内に配置されるレベル材と、前記Uボルトのネジ山と螺合して前記レベル材の両端部を締め付けて固定するレベル調整用ナットと、を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法において、前記保護型枠は、上部に保護キャップが嵌め込まれて開閉自在な角スリーブからなり、更に、前記保護型枠を撤去せずに打ち込み型枠とすることを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、軟弱地盤に固化材を混合して撹拌した後転圧することにより地盤改良を行って平面視で碁盤の目状に改良壁を形成し、この改良壁の上に直接基礎を構築する地盤改良直接基礎工法において、前記直接基礎に定着されて前記改良壁と前記直接基礎とを緊結する緊結部材を設置する工程と、前記緊結部材の緊結部がコンクリーに埋まらないように区画する保護型枠を設置する工程と、を有するので、緊結部材で改良壁と直接基礎とを緊結して両者が互いに水平にズレることを防ぐことにより、基礎に作用する外力の曲げ応力に対して、改良壁と直接基礎とが一体となって対抗するため建物の基礎部分の曲げ剛性を高めることができる。そのうえ、保護型枠により緊結部材の緊結部がコンクリーに埋まらないようになっているので、竣工後にも緊結部材の緊結部を緩めることができ、地震や地下水の影響などにより改良壁自体が不同沈下した場合でも、建物の直接基礎から上方をジャッキアップなどで持ち上げて不陸調整し、建物の使用を継続することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記軟弱地盤に水及びセメントを含有するスラリーを吐出しながら混合撹拌してソイルセメントのコラムを構築するので、地盤改良直接基礎に加え、ソイルセメントのコラムの杭を併用することができ、更に軟弱な地盤でも建物を支持する地耐力を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記緊結部材は、前記改良壁の外周を除く各通りの両端付近に設置されるので、直接基礎と改良壁との緊結位置の平面上のバランスが良く、外部のどのような方向から建物に曲げ応力が作用しても改良壁と直接基礎とが一体となって対抗することができ、曲げ剛性上の方向性の弱点がなくなる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法において、前記改良壁は、所定深さ毎に複数層に分けて転圧され、前記緊結部材は、前記改良壁の最下層転圧後に前記改良壁用の掘削溝内に設置されるので、緊結部材の下に少なくとも改良壁の最下層部分が存在することとなり、この改良壁の最下層から反力を得て緊結部材の不陸調整が可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の地盤改良直接基礎工法において、前記緊結部材は、両端部にネジ山が形成されたUボルトと、このUボルトの両端部に略水平に架け渡され、中央部が前記直接基礎に定着されて両端部が前記保護型枠内に配置されるレベル材と、前記Uボルトのネジ山と螺合して前記レベル材の両端部を締め付けて固定するレベル調整用ナットと、を備えるので、地震や地下水の影響などにより改良壁自体が不同沈下した場合でも、改良壁の最下層から反力を得てレベル調整用ナットでレベル材の水平を容易に取ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法において、前記保護型枠は、上部に保護キャップが嵌め込まれて開閉自在な角スリーブからなり、更に、前記保護型枠を撤去せずに打ち込み型枠とするので、保護型枠を撤去する手間が省けると共に、直接基礎の上方から保護キャップを外すだけで緊結部材の緊結部を露出させることができ、簡単に緊結部を緩めて不陸調整をすることができる。
実施例1に係る地盤改良直接基礎工法で構築するベタ基礎及び改良壁の平面形状を示す基礎伏図である。 同上のベタ基礎外周部分を主に示す鉛直断面図である。 実施例1に係る地盤改良直接基礎工法で用いる緊結部材の緊結部を主に示す部分拡大平面図である。 同上の緊結部材の変形例を示す鉛直断面図である。 実施例1に係る地盤改良直接基礎工法の床付け工程を示す写真である。 同上の改良壁のマーキング工程を示す写真である。 同上の改良壁部分の掘削工程を示す写真である。 同上の固化材と土の撹拌工程を示す写真である。 同上の固化材と土を改良壁部分に埋め戻す工程を示す写真である。 同上の改良壁の転圧工程を示す写真である。 同上の不陸調整工程を示す写真である。 同上の防湿シート敷き工程を示す写真である。 同上の基礎配筋、外周型枠設置工程を示す写真である。 同上の基礎の耐圧版の生コン打設工程を示す写真である。 同上の耐圧版生コンの均し工程を示す写真である。 同上の基礎の立上り型枠設置工程を示す写真である。 同上の型枠払し工程後の基礎の仕上がり状況を示す写真である。 実施例2に係る地盤改良直接基礎工法で構築するベタ基礎、改良壁、ソイルセメントコラムの平面形状を示す基礎伏図である。 実施例2に係る地盤改良直接基礎工法のソイルセメントコラム構築工程の撹拌軸セット状況を示す写真である。 同上のソイルセメントコラム構築工程の再撹拌状況を示す写真である。 実施例2に係る地盤改良直接基礎工法で構築するベタ基礎、改良壁、ソイルセメントコラムの概略構成を主に示す模式図である。
本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
本発明の実施例1に係る地盤改良直接基礎工法について図1〜図17を用いて工程順に説明する。
なお、本実施例の地盤改良直接基礎工法で建設する直接基礎は、図1及び図2に示すように、建物の建築部分全面に亘って敷設する平面形状が矩形状の耐圧版10と、その四周に設けられた立上り11と、からなるベタ基礎1であり、地盤改良を施して構築する改良壁2は、図1に示すように、X1〜X4、Y1〜Y3の通りからなる平面視で碁盤の目状の改良壁である場合で説明する。但し、図5〜17の写真は、工程を説明するためのものであり、基礎や改良壁の形状等は、それぞれの写真で相違する。
(事前準備)
事前準備として、標準貫入試験やスウェーデン式貫入試験などの既知の地盤調査の手法により建物を建設する場所の地盤を調査する。そして、調査結果が軟弱地盤と判定された場合に本実施例に係る地盤改良直接基礎工法を適用する。建物を建設する場所の地盤が軟弱地盤でない場合は、木造住宅などの比較的軽量な建物であれば、ベタ基礎などの直接基礎を施工するだけで建物を支持することができ、本実施例に係る地盤改良直接基礎工法を適用する必要がないからである。なお、一般的には、標準貫入試験において、有機質土や粘性土の場合でN値4以下、砂質土の場合でN値10以下の場合、軟弱地盤と判定される。
(掘削、床付け)
先ず、バックホーなどの掘削重機で設計GLから構造設計に応じた所定深さまで掘削し、ベタ基礎の底面となる深さを設計GLとのレベル差を測って割り出し、図5に示すように、床付けを行う。なお、必要に応じて床付け面には、50mm厚程度の砂利(割栗石)を敷き、転圧して、捨てコン等を打設しても良い。捨てコンを打設すると、墨出しがし易くベタ基礎の位置を正確に割り出すことができる。
(地盤改良)
次に、構造設計に応じて地盤改良を行う部分を消石灰等でマーキングし(図6参照)、構築する改良壁の底面となる深さまでバックホーなどの掘削重機で掘削する(図7参照)。この地盤改良を行う部分(改良壁)の幅や深さ(高さ)は、勿論、構造設計に応じて決定される訳であるが、木造2階建ての個人住宅では、一般的に、幅450mm、深さ600〜1200mm程度となっている。そして、掘り出した土に後述の固化材を混ぜて撹拌し(図8参照)、固化材を混ぜ合わせた土を掘り出した部分に埋め戻し(図9参照)、その後、ランマなどの転圧機で転圧して締め固め(図10参照)、改良壁2を構築する。本実施例では、改良壁2が高さ方向全域に亘って締め固められるように、改良壁2の深さ300mm毎に複数層に分けて転圧する。本実施例では、深さ600mmの改良壁2を2回に分けて転圧する場合で説明する。
(固化材)
また、本実施例で使用する固化材は、セメントを主成分として石膏やスラグなどの数種類の添加材が加えられたセメント系の固化材(例えば、登録商標:タフロック(住友大阪セメント株式会社製),登録商標:ユースタビラー(宇部三菱セメント株式会社製),登録商標:ジオセット(太平洋セメント株式会社製),登録商標:ハードキープ(株式会社トクヤマ)など)が採用されている。また、本固化材は、土壌中の水分と固化材中のセメントとが水和反応して軟弱地盤を固化して地耐力を向上させる機能を有しており、セメントの固化作用に加え、各種添加材の効果による土中の余剰水の固定、有機物の影響を受けない水和物の生成等により、従来固化が難しかった高含水泥土や腐植土等の高有機質土も固化することができるようになっている。なお、地盤改良を行う土壌の土質に応じて生石灰や消石灰を主成分とする石灰系の固化材を使用しても構わない。
(Uボルトの設置)
改良壁2の1層(最下層)目を転圧した後、改良壁2用の掘削溝内に、緊結部材であるバンドコネクタ3のUボルト30を図1に示す位置、即ち、改良壁2の外周に当たるY1、Y3、X1、X4通りを除く、Y2通りと、X2通りと、X3通りの両端付近、及び、Y2通りのX2、X3通りの両脇の計10箇所に設置する。その後、残りの2層目を埋め戻して転圧し、締め固めて改良壁2を地中に構築する。
(緊結部材の構成)
このバンドコネクタ3は、図2に示すように、Uボルト30と、レベル材であるL型アングル31と、1対2個(計4個)の座金付きナットからなるレベル調整用のナット32などから構成されており、ベタ基礎1の耐圧版10と改良壁2とを緊結して水平方向にズレないようにする機能を有している。このUボルト30は、図2に示すように、直径13mmの丸鋼からU字状に加工され、その両軸端となるU字状の上端部にネジ山が形成されたネジ切りUボルトであり、このネジ山が形成されたネジ部30a,30bに後述のL型アングル31が架け渡される。
なお、L型アングル31は、所定の剛性があればアングル材に限らず矩形平板でも良いことは云うまでもない。また、図4に示すように、Uボルトは、その底部30c’が平板状に成型されたUボルト30’であっても構わない。そのように構成することで、前述のUボルトの設置工程においてUボルト30’が自立するため、2層目以降の埋め戻しなどの作業がし易くなる。
(不陸調整及び防湿シート敷き)
改良壁2の転圧が完了すると、次に、ベタ基礎1の耐圧版10(図2参照)の底面となる部分全体をローラやランマなどの転圧機でレベルを測定しながら転圧し、不陸調整を行う(図11参照)。また、土壌中の湿気が建物の床下に上がってこないように、及び地中から蟻などの虫が入ってこないようにするために、ポリ塩化ビニルシートやポリエチレンシートなどの薄いフィルム状の樹脂シートからなる防湿シートを、改良壁2の上面以外の部分であって、ベタ基礎1の耐圧版10の下となる部分に敷き並べる(図12参照)。なお、改良壁2の上面は、前述のバンドコネクタ3で後工程のベタ基礎1と緊結するので防湿シートを敷かない。
(基礎配筋、外周型枠の設置)
次に、構造設計に従ってベタ基礎1の耐圧版10の配筋を行うと共に、ベタ基礎1の立上り11の外周型枠を設置する(図13参照)。このとき、耐圧版を貫通する設備配管がある場合は、それらを先行して実管配管する。後から設備配管を施工すると、コア抜きなどで耐圧版の配筋を切断するおそれがあるからである。続いて、基礎の立上り部分を配筋する(図13参照)。
(レベル材及び保護型枠の設置)
次に、前工程で設置したUボルト30の上端部分となるネジ部30a,30bにL型アングル31を掛け渡してレベルを取りながらレベル調整用のナット32で略水平となるように固定する。このとき、バンドコネクタ3の緊結部(緊結状態を緩めたり締めたりする部分、以下同じ)となるネジ部30a,30b周辺にコンクリートが入り込まないように保護する保護型枠として上下が開口した角形筒状の角スリーブ4を併せて設置する。具体的には、一対の角スリーブ4にL型アングル31を挿通するスリットを予め形成しておき、このスリットからL型アングル31の両端部を突出させた状態で、角スリーブ4ごとL型アングル31をUボルト30のネジ部30a,30bに架け渡すようにセットする。このL型アングル31には、図3に示すように、両端部にUカット(U字状の欠き込み)31aが切削加工されており、このUカット31aにUボルト30のネジ部30a,30bを挿通して2つのナット32(ワッシャー付き)で挟み込むことにより、略水平となるようUボルト30に止め付ける。
なお、L型アングル31は、その中央部がベタ基礎1の耐圧版10に定着するように、耐圧版10の最下段の配筋よりは上方に配設する。そして、保護型枠である角スリーブ4の上部開口を塞ぐ保護キャップ5を嵌め込み(図2参照)、後工程でベタ基礎1の耐圧版10にコンクリートを打設する際に、角スリーブ4内にコンクリートが入ってこないようにする(図14参照)。また、角スリーブ4のL型アングル挿通用の前記スリットからもコンクリートが入ってこないように、図2、図3に示すように、ゴムパッキンPを配設しても良い(図4も参照)。
(耐圧版の生コン打設、立上り型枠設置)
次に、基礎の耐圧版部分にレベルを確認しながら生コン(フレッシュコンクリート)を打設し(図14参照)、天端を木鏝などで均して仕上げる(図15参照)。このとき、角スリーブ4内に生コンが入らないように注意する。生コンが硬化したら、基礎の立上り部分の正確な位置を墨出しし、立上り型枠を設置する(図16参照)。続いて、基礎の立上り部分に生コンを打設する。
(型枠払し)
強度が発現するまで所定期間養生し、その後型枠を払す(撤去する)と実施例1に係る地盤改良直接基礎工法による基礎工事が完了する(図17参照)。なお、基礎の立上り部分のせい(高さ)が小さい場合は、立上り部分を浮かし型枠として基礎の耐圧版部分と立上り部分に対して同時に生コンを打設することもできる。そうすることで、工程を短縮することができ、コスト面でもメリットがある。
また、緊結部の保護型枠である角スリーブ4は、型枠払しの際に一緒に撤去しても良いが、撤去せずに打ち込み型枠としても良い。保護型枠撤去の手間が省けるからである。
以上説明した実施例1に係る地盤改良直接基礎工法によれば、緊結部材であるバンドコネクタ3でベタ基礎1と改良壁2とを緊結するので、建物に作用する外力の曲げ応力に対して、改良壁と直接基礎とが一体となって対抗するため建物の基礎部分の曲げ剛性を高めることができる。
また、バンドコネクタ3の緊結部は、角スリーブ4により保護されてコンクリートが打設されないので、保護キャップ5を外すだけで直ぐに露出可能となっており、地震や地下水の影響などにより改良壁自体が不同沈下した場合でも、ベタ基礎と改良壁との緊結状態を容易に解除することができ、建物の直接基礎から上方をジャッキアップなどで持ち上げて不陸調整し、建物の使用を継続することが可能である。
なお、ジャッキアップにより生じた基礎と改良壁との空間には、鉄板やコンクリートブロックなどで仮止めした後、流動化コンクリートなどを流し込んで充填すると良い。
また、図2に示すように、改良壁2は、所定深さ(300mm)毎に複数層(2層)に分けて転圧され、バンドコネクタ3のUボルト30は、改良壁2の1層目転圧後に改良壁用の掘削溝内に設置されるので、バンドコネクタ3の下に改良壁2の1層目が存在することとなり、改良壁2自体が不同沈下した場合であっても、この1層目から反力を得てバンドコネクタ3の不陸調整を容易に行うことができる。
そのうえ、バンドコネクタ3は、改良壁2の外周に当たるY1、Y3、X1、X4通りを除く、Y2通りと、X2通りと、X3通りの両端付近、及び、Y2通りのX2、X3通りの両脇の計10箇所に設置されるので、ベタ基礎1と改良壁2との緊結位置の平面上のバランスが良く、外部のどのような方向から建物に曲げ応力が作用してもベタ基礎と改良壁2とが一体となって対抗することができ、曲げ剛性上の方向性の弱点が少ない。
次に、本発明の実施例2に係る地盤改良直接基礎工法について図18〜21を用いて説明する。実施例1に係る地盤改良直接基礎工法と相違する点は、後述のソイルセメント工法によりソイルセメントコラムの改良杭を構築する工程が追加されている点だけであり、後は同じであるため、相違するイルセメントコラムの改良杭を構築する工程のみ説明し、その他は説明を省略する。
実施例1に係る地盤改良直接基礎工法と同様に、建物を建設する場所の地盤を調査し、N値が0に近い軟弱地盤である場合、本実施例2に係る地盤改良直接基礎工法が適用される。つまり、本実施例2に係る地盤改良直接基礎工法は、実施例1に係る地盤改良直接基礎工法により構築した基礎の支持力に、後述のソイルセメントコラムの支持力を加えることにより、更に軟弱な地盤でも支持層まで届く支持杭を設けないで直接基礎だけで建物を支持できるようにする工法である。
(ソイルセメントコラムの構築)
先ず、改良壁2の通りの間となる位置であって、構造設計に応じたソイルセメントコラムCの構築のポイント(本実施例では、図18に示すP1〜P4の4箇所のポイント)にソイルセメント施工機(杭打ち機)の撹拌軸をセットし(図19参照)、撹拌軸を回転させて構造設計により決められたソイルセメントコラムCの底面(図21参照)となる所定深さまで穿孔(空掘り)する。次に、前記セメント系固化材又はセメントを水に溶かしたスラリーを吐出しながら撹拌軸を徐々に引き上げて、土とスラリーを混合撹拌する。地表面まで撹拌軸を引き抜いた後、再度、底面まで回転させながら撹拌軸を降ろして再撹拌し(図20参照)、水とセメントが水和反応して固化することで軟弱地盤中にソイルセメントのコラム(柱)を構築する(図21参照)。
なお、再撹拌は、引き抜く際より高速回転とし、ソイルセメントコラムの天端は、レベルを測り、高い部分は杭頭処理を行って天端レベルを構造設計に応じた所定値とする。
このソイルセメントコラムの構築工程は、実施例1に係る地盤改良直接基礎工法で説明した不陸調整前であれば、地盤改良工程後でも施工可能であるが、重機であるソイルセメント施工機を搬入する都合上、掘削、床付け工程より前に完了していることが望ましい。せっかく、掘削や床付けをしても重機が移動することによりレベルが乱れてしまうからである。
実施例2に係る地盤改良直接基礎工法によれば、実施例1に係る地盤改良直接基礎工法により構築される直接基礎の支持力に加え、ソイルセメントコラムの支持力がプラスされるので、より軟弱な地盤でも支持杭を設けることなく直接基礎だけで建物を支持することができる。
以上のように、本発明の実施例1及び2に係る地盤改良直接基礎工法により構築する直接基礎がベタ基礎であり、その耐圧版がダブル配筋のものを例示して説明したが、勿論、耐圧版はシングル配筋でも良く、その場合は、L型アングル31が耐圧版10に定着されるように、少なくとも最下段の配筋よりL型アングル31が上にくるように配置する。また、実施例1及び2に係る地盤改良直接基礎工法により構築する直接基礎は、ベタ基礎に限られず、布基礎などの他の直接基礎であっても構わない。そして、地盤改良して構築する改良壁が、碁盤の目状の場合で説明したが、ベタ基礎直下の全面に亘って地盤改良を施す場合も適用可能である。なお、基礎の形状等、図示した形状は、一例を示したものであり、特許請求の範囲に記載した範囲内で変更可能であることは云うまでもない。
1 ベタ基礎(直接基礎)
10 耐圧版
11 立上り
2 改良壁(改良地盤)
3 バンドコネクタ(緊結部材)
30 Uボルト
31 L型アングル(レベル材)
32 レベル調整用ナット
4 角スリーブ(保護型枠)
5 保護キャップ
C ソイルセメントコラム

Claims (6)

  1. 軟弱地盤に固化材を混合して撹拌した後転圧することにより地盤改良を行って平面視で碁盤の目状に改良壁を形成し、この改良壁の上に直接基礎を構築する地盤改良直接基礎工法において、
    前記直接基礎に定着されて前記改良壁と前記直接基礎とを緊結する緊結部材を設置する工程と、前記緊結部材の緊結部がコンクリーに埋まらないように区画する保護型枠を設置する工程と、を有することを特徴とする地盤改良直接基礎工法。
  2. 前記軟弱地盤に水及びセメントを含有するスラリーを吐出しながら混合撹拌してソイルセメントのコラムを構築する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良直接基礎工法。
  3. 前記緊結部材は、前記改良壁の外周を除く各通りの両端付近に設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤改良直接基礎工法。
  4. 前記改良壁は、所定深さ毎に複数層に分けて転圧され、
    前記緊結部材は、前記改良壁の最下層転圧後に前記改良壁用の掘削溝内に設置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法。
  5. 前記緊結部材は、両端部にネジ山が形成されたUボルトと、このUボルトの両端部に略水平に架け渡され、中央部が前記直接基礎に定着されて両端部が前記保護型枠内に配置されるレベル材と、前記Uボルトのネジ山と螺合して前記レベル材の両端部を締め付けて固定するレベル調整用ナットと、を備えることを特徴とする請求項4に記載の地盤改良直接基礎工法。
  6. 前記保護型枠は、上部に保護キャップが嵌め込まれて開閉自在な角スリーブからなり、更に、前記保護型枠を撤去せずに打ち込み型枠とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤改良直接基礎工法。
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