JP5059077B2 - 排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排水処理方法に関する。
従来、有機性排水を処理する標準活性汚泥処理が知られている。この標準活性汚泥処理は、以下の非特許文献1記載されているように、有機性排水を、活性汚泥を有する反応タンク(好気槽)に導入して排水中の有機物を微生物により分解し、この反応タンクからの活性汚泥を含む処理水を沈殿池に導入して沈降分離(固液分離)し、この沈殿池で分離した活性汚泥を返送汚泥として反応タンクに返送するものである。
建設省都市局下水道部監修「下水道施設計画・設計指針と解説 後編 2001年版」社団法人日本下水道協会、第4章水処理施設、p87−p88
しかしながら、上記標準活性汚泥処理にあっては、微生物が有機物を分解した結果として多量の余剰汚泥が発生するという問題点がある。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、余剰汚泥の発生が減少する排水処理方法を提供することを目的とする。
本発明による排水処理方法は、有機性排水を嫌気槽に導入して嫌気性処理し、嫌気槽から活性汚泥を含む処理水を好気槽に導入して好気性処理し、好気槽から活性汚泥を含む処理水を固液分離手段に導入して固液分離し、固液分離手段で分離した活性汚泥を返送汚泥として汚泥返送ラインを介して嫌気槽又は当該嫌気槽より上流に返送する排水処理方法であって、嫌気槽内を、一定周期で間欠に撹拌し、嫌気槽の汚泥濃度を10000〜17000mgMLSS/lとすると共に酸化還元電位を−400〜−450mvとして、嫌気性処理することを特徴としている。
このような本発明による作用・効果は以下の通りである。すなわち、活性汚泥は、嫌気槽に導入されて当該嫌気槽で強い嫌気性の条件に曝されると、一般の好気性菌は活動を停止し(失活し)細胞壁の一部が破壊されることがある一方で、好気性菌の一部であるバチルス菌は胞子を形成し環境悪化に耐えようとし、また、活性汚泥中の嫌気性菌は活性化し好気性菌の周りの外部粘質物質(例えばポリサッカライド、ポリペプチド等)や細胞壁が破壊された好気性菌の細胞内物質を低級脂肪酸やメタンガスに分解する。このような活性汚泥が、好気槽に導入されて当該好気槽で好気性の条件に曝されると、バチルス菌は発芽し活性を取り戻す一方で、生き残った好気性菌も活性を取り戻すが、相対的には活性が弱く増殖能力にも劣る。そして、このような活性汚泥が、嫌気槽、好気槽、固液分離手段、汚泥返送ラインを介して嫌気槽に返送されてこれらを繰り返し循環すると、嫌気槽の汚泥濃度が徐々に高まると共に酸化還元電位が徐々に低下し、バチルス菌が徐々に増えていく。
ここで、バチルス菌は、有機物を分解する際の菌体合成の割合が特に少なく且つ好気性菌の分解や部分的滅菌を行う特性があるため、このようなバチルス菌が増えていくことにより、上述した嫌気性菌による好気性菌の分解と相俟って、余剰汚泥の発生が減少することになる。加えて、このようにバチルス菌が増えていくと活性汚泥の沈降性が高くなり、さらに嫌気槽での汚泥濃度が上述のように高められると活性汚泥の沈降性が高くなるため、系内の汚泥濃度が高濃度に維持され、活性汚泥当たりの有機物負荷が低下し、これによって余剰汚泥の発生が一層減少する。
そして、本発明のように、嫌気槽内が一定周期で間欠に撹拌されていると、嫌気槽では撹拌停止時に活性汚泥が沈降して濃縮し、嫌気槽の汚泥濃度が速く高められると共に酸化還元電位が速く低くされてバチルス菌が速く増え、その結果、連続撹拌の場合に比して、短期間で容易に余剰汚泥の発生が減少することになる。
本発明では、嫌気槽の汚泥濃度を10000〜17000mgMLSS/lとすると共に酸化還元電位を−400〜−450mvとして、嫌気性処理する。一般細菌に対してバチルス菌の優勢化(菌の存在数が上回ること)がはっきりするのは、本発明者の試験(実験)によれば、嫌気槽での汚泥濃度が10000mgMLSS/lを越え、且つ、酸化還元電位が−400mvを下回ってからであり、このような条件とすることでバチルス菌が一般細菌より優勢となる。そして、本発明者の試験によると、嫌気槽の汚泥濃度は17000mgMLSS/lが濃縮限界であり、酸化還元電位は−450mvが下限値であった。このような条件、すなわち、嫌気槽の汚泥濃度を10000〜17000mgMLSS/lとすると共に酸化還元電位を−400〜−450mvとすることによって、一般細菌に対してバチルス菌が優勢化し、短期間で容易に余剰汚泥の発生が一層減少することになる。
また、嫌気槽内を、2回/1日又は3回/1日、1時間撹拌するのが好ましい。これは、1回/1日であると、嫌気槽での撹拌が少なすぎ有機性排水と活性汚泥との接触効率が低すぎることに起因して嫌気反応が悪く、その結果、後段の好気槽での負荷が高くなりすぎるからであり、また、4回以上/1日であると、嫌気槽での比較的多い撹拌により、沈降しようとする活性汚泥が後段の好気槽に流出することに起因して当該好気槽での汚泥濃度が高くなりすぎ、後段の固液分離手段での固液分離がし難くなる(固液分離手段が沈殿槽の場合には沈降分離がし難くなる)からであり、2回/1日又は3回/1日とすることで、上記問題が解消される。
このように本発明によれば、短期間で容易に余剰汚泥の発生を減少できる排水処理方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る排水処理方法を適用した排水処理装置を示す構成図である。 本発明者による試験結果を示す図であり、嫌気槽での汚泥濃度と酸化還元電位との関係図である。 本発明者による試験結果を示す図であり、嫌気槽での酸化還元電位と一般細菌、バチルス菌の存在数との関係図である。 嫌気槽の汚泥濃度の経時変化を実施例1と比較例1で比較して表した図である。 嫌気槽の酸化還元電位の経時変化を実施例1と比較例1で比較して表した図である。 一般細菌、バチルス菌の存在数を、実施例1のサンプリング、比較例1のサンプリング、比較例2で比較して表した図である。
以下、本発明による排水処理方法及び排水処理装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る排水処理方法を適用した排水処理装置を示す構成図である。
図1に示すように、排水処理装置は、有機性排水導入ラインL1を介して有機性排水を導入し嫌気性処理する嫌気槽1と、この嫌気槽1から活性汚泥を含む処理水を導入し好気性処理する好気槽2と、この好気槽2から活性汚泥を含む処理水を導入し固液分離する固液分離手段3と、この固液分離手段3で分離された活性汚泥を返送汚泥として嫌気槽1に返送する汚泥返送ラインL2と、固液分離手段3で分離された処理水を後段に供給する処理水供給ラインL3と、固液分離手段3で分離された一部の活性汚泥を余剰汚泥として外部に排出する余剰汚泥排出ラインL4と、を備えている。
嫌気槽1は、槽内を撹拌するための撹拌機1aを備えている。この撹拌機1aには、その下端に槽内の有機性排水に浸漬し当該有機性排水及び活性汚泥を撹拌するインペラ1bが設けられると共に、このインペラ1bを駆動するための駆動源(モータ)1cが設けられている。
ここで、特に本実施形態にあっては、撹拌機1aは一定周期の間欠運転とされ、従って、インペラ1bは駆動源1cにより一定周期で間欠に回転駆動される。ここでは、2回/1日又は3回/1日、1時間槽内を撹拌する。2回/1日、1時間の撹拌とは、11時間停止、1時間撹拌の12時間のセットを1日に2回繰り返し行うことであり、3回/1日、1時間の撹拌とは、7時間停止、1時間撹拌の8時間のセットを1日に3回繰り返し行うことである。そして、このような撹拌機1aの一定周期の間欠運転は、駆動源1cがコンピューターにより自動制御されることにより行われるが、駆動源1cがオペレーターによりマニュアル操作されることにより行われても良い。
また、嫌気槽1は、その汚泥濃度が10000〜17000mgMLSS/l、その酸化還元電位が−400〜−450mvとされている(詳しくは後述)。
好気槽2は、散気装置2aにより槽内が曝気される曝気槽であり、その汚泥濃度は5000mgMLSS/l程度とされている。
固液分離手段3は、ここでは、沈殿槽とされ、上澄みを分離処理水とし、沈降汚泥を分離汚泥としているが、固液分離手段3は沈殿槽である場合に、本方式の優位性が特に発揮される。しかしながら、固液分離できれば、例えば、膜分離装置や遠心分離装置等であっても良い。
そして、図1に示す排水処理装置にあっては、有機性排水が嫌気槽1で嫌気性処理され、この嫌気槽1からの活性汚泥を含む処理水が好気槽2で好気性処理され、この好気槽2からの活性汚泥を含む処理水が沈殿槽3で固液分離され、この沈殿槽3で分離され沈降した活性汚泥が汚泥返送ラインL2を介して嫌気槽1に返送される一方で、沈殿槽3で分離され上澄みとされた処理水が後段に供給されると共に、沈殿槽3で分離された一部の活性汚泥が余剰汚泥として外部に排出される。
図2及び図3は、図1に示す排水処理装置を用いて本発明者が行った試験結果を示す図であり、図2は、嫌気槽1での汚泥濃度と酸化還元電位との関係図、図3は、嫌気槽1での酸化還元電位と一般細菌、バチルス菌の存在数との関係図である。図3中、実線は、汚泥濃度に対応する総菌数を示し、点線は一般細菌を示し、一点鎖線はバチルス菌を示す。
なお、本試験は、嫌気槽1において撹拌機1aにより撹拌を連続で行っているが、上記のように間欠で行っても、図2及び図3に示すのと同様な結果が得られる。因みに、ここでは、嫌気槽1の容量を12L、好気槽2の容量を12L、沈殿槽3の容量を6Lとし、BOD:240mg/l、SS:160mg/l、P:7mg/l、N:18mg/lという生活排水を24L/dで流した。
そして、嫌気槽1の汚泥濃度を徐々に高めて運転していくと、図2に示すように、嫌気槽1の酸化還元電位も徐々に低下し、それに従い、図3に示すように、バチルス菌が徐々に増えていく。
このようにバチルス菌が増えていく現象のメカニズムを考察すると以下の通りである。すなわち、活性汚泥は、嫌気槽1に導入されて当該嫌気槽1で強い嫌気性の条件に曝されると、一般の好気性菌は活動を停止し(失活し)細胞壁の一部が破壊されることがある一方で、好気性菌の一部であるバチルス菌は胞子を形成し環境悪化に耐えようとし、また、活性汚泥中の嫌気性菌は活性化し好気性菌の周りの外部粘質物質(例えばポリサッカライド、ポリペプチド等)や細胞壁が破壊された好気性菌の細胞内物質を低級脂肪酸やメタンガスに分解する。このような活性汚泥が、好気槽2に導入されて当該好気槽2で好気性の条件に曝されると、バチルス菌は発芽し活性を取り戻す一方で、生き残った好気性菌も活性を取り戻すが、相対的には活性が弱く増殖能力にも劣る。そして、このような活性汚泥が、嫌気槽1、好気槽2、沈殿槽3、汚泥返送ラインL2を介して嫌気槽1に返送されてこれらを繰り返し循環すると、嫌気槽1の汚泥濃度が徐々に高まると共に酸化還元電位が徐々に低下し、バチルス菌が徐々に増えていくことになる。
ここで、バチルス菌は、有機物を分解する際の菌体合成の割合が特に少なく且つ好気性菌の分解や部分的滅菌を行う特性があるため、このようなバチルス菌が増えていくことにより、上述した嫌気性菌による好気性菌の分解と相俟って、余剰汚泥の発生が減少することになる。加えて、このようにバチルス菌が増えていくと活性汚泥の沈降性が高くなり、さらに嫌気槽1での汚泥濃度が上述のように高められると活性汚泥の沈降性が高くなるため、系内の汚泥濃度が高濃度に維持され、活性汚泥当たりの有機物負荷が低下し、これによって余剰汚泥の発生が一層減少することになる。
そして、嫌気槽1内が、上述したように、一定周期で間欠に撹拌されているため、嫌気槽1では撹拌停止時に活性汚泥が沈降して濃縮し、嫌気槽1の汚泥濃度が速く高められると共に酸化還元電位が速く低くされてバチルス菌が速く増え、その結果、連続撹拌の場合に比して、短期間で容易に余剰汚泥の発生が減少することになる。
このように、本実施形態によれば、嫌気槽1、好気槽2、固液分離手段3をこの順に備えると共に、固液分離手段3で分離された活性汚泥を嫌気槽1に返送する汚泥返送ラインL2を備える構成にあって、嫌気槽1内が、一定周期で間欠に撹拌されるため、連続撹拌の場合に比して、バチルス菌が速く増え、短期間で容易に余剰汚泥の発生を減少できる。
そして、図2及び図3に示すように、本発明者の試験によると、嫌気槽1での汚泥濃度が10000mgMLSS/lを越えると共に、酸化還元電位が−400mvを下回るようになると、活性汚泥中で一般細菌に対して劣勢であった(存在数が少ない)バチルス菌が、初めて一般細菌を上回るようになった。また、嫌気槽1の汚泥濃度は17000mgMLSS/lが濃縮限界であり、酸化還元電位は−450mvが下限値であった。
このように、嫌気槽1の汚泥濃度を10000〜17000mgMLSS/lとすると共に酸化還元電位を−400〜−450mvとすることにより、バチルス菌を一般細菌に比してはっきりと優勢化でき、その結果、短期間で容易に余剰汚泥の発生を一層減少できる。また、このような汚泥減容効果の他に、バチルス菌の優勢化により、活性汚泥に特有の臭気の発生も抑制できた。
さらに、本実施形態によれば、嫌気槽1内を、2回/1日又は3回/1日、1時間撹拌する一定周期の間欠撹拌としているため、上記効果、すなわち短期間で容易に余剰汚泥の発生を減少できることを実現できる。これは、1回/1日であると、嫌気槽1での撹拌が少なすぎ有機性排水と活性汚泥との接触効率が低すぎることに起因して嫌気反応が悪く、その結果、後段の好気槽2での負荷が高くなりすぎるからであり、また、4回以上/1日であると、嫌気槽1での比較的多い撹拌により、沈降しようとする活性汚泥が後段の好気槽2に流出することに起因して当該好気槽2での汚泥濃度が高くなりすぎ、後段の沈殿槽3での沈降分離がし難くなるからである。
なお、前述したように、嫌気槽1で汚泥濃度を徐々に高めると共に、酸化還元電位を徐々に低下させていくのは、排水処理装置での運転初期にあっては、前述したような高濃度の活性汚泥(汚泥濃度10000〜17000mgMLSS)を維持し、強い嫌気性(酸化還元電位−400〜−450mv)の条件を形成できないからである。
因みに、嫌気槽1での汚泥濃度を高めるには返送汚泥の濃度を高めるのが良く、沈殿槽3の滞留時間は6時間以上、深さは3m以上とするのが望ましい。そして、このような設備により比較的短期間で上記の条件を形成することができるが、必ずしも設備の大きさ、深さ等を規定するものではない。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、返送汚泥を汚泥返送ラインL2により直接嫌気槽1に返送するようにしているが、嫌気槽1より上流の有機性排水導入ラインL1に返送するようにしても勿論良い。
なお、生物脱燐法、具体的には、有機性排水を嫌気槽で嫌気性処理し、嫌気槽からの活性汚泥を含む処理水を好気槽で好気性処理し、好気槽からの活性汚泥を含む処理水を固液分離手段で固液分離し、固液分離手段で分離された活性汚泥を嫌気槽又は当該嫌気槽より上流に返送する生物脱燐法にあっては、嫌気槽での燐放出を活発且つ円滑に行うべく、嫌気槽で有機性排水と活性汚泥の接触効率を高めることが必要であり、従って、槽内の連続撹拌が不可欠となる。このような生物脱燐法において、本発明のように嫌気槽内を一定周期で間欠に撹拌しようとすると、有機性排水と活性汚泥の接触効率が悪化してしまい、脱燐機能が大幅に低下してしまうことから、本発明のような一定周期の間欠撹拌を行うことはできない。しかも、生物脱燐法は、あくまで好気性菌に嫌気性の軽い刺激を与えて好気性菌の燐含有率を上げるというもので、好気性菌を失活させるほど強い嫌気状態には曝さないものであり、通常、嫌気槽での滞留時間は2〜3時間、嫌気槽の酸化還元電位は−100〜−200mv、嫌気槽の汚泥濃度は3000〜6000mgMLSS/l程度で運転されるものである。従って、このような条件での運転により燐の除去率は上がるが、バチルス菌は優勢とはならず、汚泥減容効果は殆ど無いが、一方、本発明は、前述したように、バチルス菌が増え、汚泥減容効果が顕著となるものである。但し、必ずしも燐除去効果は高まらないという違いがある。
以下、上記効果を確認すべく本発明者が実施した実施例1及び比較例1、2について述べる。
(実施例1)
図1に示した排水処理装置を用い、嫌気槽1の容量を12L、好気槽2の容量を12L、沈殿槽3の容量を6Lとし、BOD:240mg/l、SS:160mg/l、P:7mg/l、N:18mg/lという生活排水を24L/dで流した。嫌気槽1では、3回/1日、1時間の撹拌、すなわち、7時間停止、1時間撹拌の8時間のセットを1日に3回繰り返し行った。
(比較例1)
嫌気槽1での撹拌を連続撹拌とした点以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
図1に示す装置の嫌気槽1も曝気して好気槽とし、この好気槽と後段の好気槽2での汚泥濃度を3000mgMLSS/lに維持し、全体を標準活性汚泥法による運転とした。
その結果を図4〜図6に示す。図4は、嫌気槽1の汚泥濃度の経時変化を実施例1と比較例1で比較して表した図、図5は、嫌気槽1の酸化還元電位の経時変化を実施例1と比較例1で比較して表した図である。図中、黒四角形は実施例1(間欠撹拌)を示し、黒菱形は比較例1(連続撹拌)を示している。
図6は、一般細菌、バチルス菌の存在数を、実施例1のサンプリング、比較例1のサンプリング、比較例2で比較して表した図である。図中、符号Aは一般細菌を示し、符号Bはバチルス菌を示す。なお、実施例1のサンプリング、比較例1のサンプリングは開始から4ヶ月経過した時点のものである。すなわち、実施例1のサンプリングは、嫌気槽1での撹拌が間欠撹拌である場合であって、図4及び図5に黒四角形で示すように、開始から4ヶ月経過し、酸化還元電位が―440mv、汚泥濃度が16000mgMLSS/lになったときのサンプリングであり、比較例1のサンプリングは、嫌気槽1での撹拌が連続撹拌である場合であって実施例1のサンプリングと同時期(開始から4ヶ月経過)のものであり、図4及び図5に黒菱形で示すように、酸化還元電位が―350mv、汚泥濃度が8000mgMLSS/lになったときのサンプリングである。
図4に示すように、比較例1(黒菱形:連続撹拌)では、当初汚泥濃度が上がらず、図5に示すように、酸化還元電位も容易に下がらなかった。また、図6に示すように、比較例1のサンプリング(4ヶ月経過時)では、比較例2(標準活性汚泥法)の場合と同様に、バチルス菌Bに比して一般細菌Aの方が多かった。そして、図5に示すように、嫌気槽1の酸化還元電位が―400mvになったのは5ヶ月経過時であった。5ヶ月経過時の汚泥減容率は、比較例2(標準活性汚泥法)に比して15%減程度であった。
一方、図4に示すように、実施例1(黒四角形:間欠撹拌)では、1ヶ月後には、嫌気槽1の汚泥濃度は10000mgMLSS/lに達し、図5に示すように、酸化還元電位も―400mvを下回った。嫌気槽1の汚泥濃度は最終的には17000mgMLSS/lになったにも関わらず、好気槽2の汚泥濃度は5000mgMLSS/lを超えることは無かった。また、図6に示すように、実施例1のサンプリング(4ヶ月経過時:比較例1と同時期)では、バチルス菌Bが一般細菌Aを上回っていた。汚泥減容率は、比較例2(標準活性汚泥法)に比して50%減となった。なお、嫌気槽1において、2回/1日、1時間の撹拌、すなわち、11時間停止、1時間撹拌の12時間のセットを1日に2回繰り返し行った場合も、実施例1と同様な結果であった。
1…嫌気槽、1a…撹拌機、2…好気槽、3…沈殿槽(固液分離手段)、L1…有機性排水導入ライン、L2…汚泥返送ライン。

Claims (2)

  1. 有機性排水を嫌気槽に導入して嫌気性処理し、前記嫌気槽から活性汚泥を含む処理水を好気槽に導入して好気性処理し、前記好気槽から活性汚泥を含む処理水を固液分離手段に導入して固液分離し、前記固液分離手段で分離した活性汚泥を返送汚泥として汚泥返送ラインを介して前記嫌気槽又は当該嫌気槽より上流に返送する排水処理方法であって、
    前記嫌気槽内を、一定周期で間欠に撹拌し、
    前記嫌気槽の汚泥濃度を10000〜17000mgMLSS/lとすると共に酸化還元電位を−400〜−450mvとして、嫌気性処理することを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記嫌気槽内を、2回/1日又は3回/1日、1時間撹拌することを特徴とする請求項1記載の排水処理方法。
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