JP5056714B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御に関する。
従来より、ブレーキペダルの操作に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、ホイールシリンダにその液圧を供給して車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置が知られている。液圧回路にはソレノイド駆動の複数の電磁弁が設けられ、各電磁弁を開閉制御してホイールシリンダへの作動液の給排量を調整することにより液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。
このような電磁弁の中には、制御性の向上および省電力化の観点から、起動電流の付与後にこれよりも低い保持電流を定常的に付与してその駆動状態を維持するものがある(例えば特許文献1参照)。例えば、液圧回路に設けられる常閉型の電磁弁は、車両駆動時に起動電流が付与されて開弁し、その後一定の保持電流が供給されることにより所定の開弁状態が維持される。このような電磁弁が一旦開弁されると、その開弁特性のヒステリシスにより、それより小さい電流値でもその開弁状態が保持されることを利用するものである。このように開弁状態が維持されることにより、ブレーキペダルの踏み込み時に即座に必要な液圧を供給でき、制御の応答性を良好に保つことができる。一方、起動電流よりも低い保持電流を定常的に供給することにより、常に起動電流を保持する場合に比べて消費電力を低減できるといったメリットもある。
特開2007−230432号公報
ところで、近年におけるいわゆるハイブリッド車両の普及等に伴い、車両搭載装置も増加傾向にあるため、個々の装置の軽量化および小型化の要請が高まっている。このため、ブレーキ制御装置においてもその小型化を実現するために、例えばそのアクチュエータとこれを制御する電子制御装置(以下、「ECU」という)との一体化を実現するなどの工夫がなされている。
しかしながら、このようにアクチュエータとECUとを一体化することで部品が高密度化すると、個々の部品の発熱による影響が問題となる。すなわち、上述した起動電流と保持電流による二段階制御を採用する場合、その各々の必要電流を確保しつつソレノイドへの正確な通電制御を実現する必要がある。しかし、電磁コイルの発熱による温度ドリフトが発生した場合、正確な通電制御ひいては高精度な制動制御の実現は困難となる。
また、さらにアクチュエータの小型化を実現する場合には電磁弁の小型化、特にソレノイドの小型化が必須となる。そのためにはソレノイドへの供給電流を必要最小限に留めるような制御を実現する必要があり、その場合にも高精度な通電制御が必要になる。
そこで、本発明は、液圧制御のための電磁弁等のアクチュエータおよびその制御装置を含むブレーキ制御装置の省電力化と小型化を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、作動液を貯留する液圧源と、作動液の供給を受けて車輪に液圧制動力を付与するホイールシリンダと、液圧源とホイールシリンダとをつなぐ液圧回路と、液圧回路に配置され、ソレノイドへの通電による電磁駆動により開閉作動して液圧回路内の作動液の流れを切り替え可能な開閉弁と、開閉弁に付与される電流値を検出する電流検出部と、ソレノイドへ供給する電流のデューティ制御を実行し、開閉弁に対してその開閉作動開始に必要な起動電流を付与し、電流検出部による検出情報に基づき、起動電流の付与が開閉弁の開閉作動完了を判定するために予め設定された設定期間継続したときに、その開閉作動を維持するために起動電流よりも小さい保持電流を付与するように制御するように制御する制御部と、開閉弁への電流の供給源としての電源電圧を検出する電圧検出部と、を備える。制御部は、起動電流から保持電流へ向けて段階的に通電状態を変化させる際に、ソレノイドの温度低下に伴って抵抗値が変化しても、各段階に設定された電流値が得られるよう、ソレノイドの温度変化に応じて開閉弁への供給電流量を補正する温度補正処理を実行し、開閉弁への起動電流の付与時に電源電圧が予め定める最低作動電圧以上であり、所定値以上のデューティ比にて通電制御を行っている場合には、温度補正処理の完了の有無にかかわらず、保持電流への切り替えを実行する
ここでいう「開閉弁」は、外部から供給される電流値に応じて弁部が開閉制御されて作動液の通路を切り替えるものであり、例えば上述した常閉型の電磁弁であってもよい。あるいは、非通電時に開弁状態にあり、通電によって閉弁する常開型の電磁弁であってもよい。「設定期間」は、開閉弁が確実に起動する、つまり常閉型の開閉弁にあってはその開弁を保証でき、常開型の開閉弁にあってはその閉弁を保証できる期間であってよく、例えば開閉弁の通電作動特性に基づいて予め設定することができる。例えば、省電力化の観点から予め許容消費電力を設定し、その設定期間として、起動時における消費電力がその許容消費電力以下に抑えられる時間を設定してもよい。
この態様によると、開閉弁に付与される電流値を監視することで、その開閉弁の作動開始前に起動電流から保持電流へ切り替えられることが防止される。その結果、起動電流により開閉弁を確実に開弁または閉弁させることができ、その後に供給する保持電流によってその作動状態を確実に維持することができる。また、単に電流値の小さい保持電流へ切り替えるだけでなく、開閉弁の開閉作動完了の判定により速やかに保持電流に切り替えられるため、より一層の省電力化を図ることができる。さらに、起動電流の付与を必要最小限に留めることでソレノイドの発熱を抑制し、開閉弁の開閉制御に与える温度ドリフトの影響を抑制できる。その結果、ブレーキ制御装置のアクチュエータとしてこのような開閉弁を高密度配置しても、制動制御の安定性および正確性を維持することができる。
また、ソレノイドは、通電電流の大きさによって発熱量が変化し、その抵抗値が変化する。この場合、起動電流から保持電流へ向けて段階的に切り替えられることで、ソレノイドの発熱量ひいてはその抵抗が段階的に小さくなる。したがって、このようなソレノイドの温度変化を無視してデューティ比が設定されると、制御に与えるいわゆる温度ドリフトの影響が大きくなる可能性がある。この態様によれば、ソレノイドの温度変化に応じて開閉弁への供給電流量が補正されるため、そのような温度ドリフトの影響を除外または抑制することができる。
また、目標電流切り替え時の温度ドリフトの影響を抑制するためには、上述した温度補正を完了させることが好ましい。しかし、起動電流を必要以上に長く供給し続けると、発熱により開閉弁の耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、電源電圧が最低作動電圧以上である状態でデューティ比を大きくできれば、最低限の起動電流を確保して開閉弁の起動を確保することはできる。そこで、特に電源電圧が比較的低いような場合には、例外的に開閉弁の保護を優先して保持電流への切り替えを行うようにする。
起動電流から保持電流へ向けて電流値が段階的に小さくなるよう、起動電流と保持電流との間に一または複数段階の移行電流が設定されてもよい。そして、制御部が、起動電流から保持電流への各段階への移行について設定された切り替え条件が成立するごとに、目標電流を順次切り替えるようにしてもよい。移行電流が複数段階に設定される場合、各段階の移行電流は、起動電流よりも小さくかつ保持電流よりも大きく、保持電流に近づくにつれて小さくなるように設定される。「切り替え条件」としては各段階へ移行してからの経過時間として設定してもよい。あるいは、後述する温度補正の完了をその条件としてもよい。
この態様によれば、起動電流から保持電流へ向けて目標電流が段階的に徐々に低くなるように制御されるため、目標電流に対するアンダーシュートを抑制しつつ、最終段階の保持電流に移行させることができ、制御の安定性を確保することができる。
具体的には、制御部が、ソレノイドに供給すべき供給電流値と、通電指令値としてのデューティ比との対応関係を、ソレノイドの基準温度について定義した制御マップと、ソレノイドの温度変化に応じたデューティ比の補正係数を定義した補正係数マップとを保持してもよい。そして、起動電流から保持電流へ通電状態を変化させる際に制御マップを参照してデューティ比を取得し、そのデューティ比にソレノイドの温度低下に応じた補正係数をかけて通電制御を実行してもよい。
本発明によれば、液圧制御のための電磁弁等のアクチュエータおよびその制御装置を含むブレーキ制御装置の省電力化と小型化を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るブレーキ制御装置20を示す系統図である。
ブレーキ制御装置20は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。ブレーキ制御装置20は、例えば走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載される。このようなハイブリッド車両においては、車両の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって車両を制動する回生制動と、ブレーキ制御装置20による液圧制動とのそれぞれを車両の制動に用いることができる。本実施形態における車両は、これらの回生制動と液圧制動とを併用して所望の制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行することができる。
ブレーキ制御装置20は、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40と、それらをつなぐ液圧回路とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧された作動液としてのブレーキフルードをディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。なお、マスタシリンダ圧とレギュレータ圧とは厳密に同一圧にされる必要はなく、例えばレギュレータ圧のほうが若干高圧となるようにマスタシリンダユニット27を設計することも可能である。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギとして、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、ブレーキ制御装置20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックに、複数の電磁制御弁を組み込んで構成されている。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪用のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪用のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、マスタシリンダ32から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路上に設けられている。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65は、レギュレータ33から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路上に設けられている。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。以下の説明においては適宜、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を総称して単に「リニア制御弁」ということがある。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧制御弁として設けられている。つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設けるのと比べて、コストの観点からは好ましい。
なお、ここで、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応し、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
ブレーキ制御装置20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施形態における制御部としてのブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、アクチュエータブロックに組み付けられたターミナルボックス内に配置され、液圧アクチュエータ40と一体に設けられており、バッテリ75からの電源供給を受けて動作する。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロコンピュータを中心に構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECU(図示せず)などと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御する。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示すので、この出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
上述のように構成されたブレーキ制御装置20は、ブレーキ回生協調制御を実行することができる。ブレーキ制御装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば運転者がブレーキペダル24を操作した場合など、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求を受けてブレーキECU70は要求制動力を演算し、要求制動力から回生による制動力を減じることによりブレーキ制御装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力は、ハイブリッドECUからブレーキ制御装置20に供給される。そして、ブレーキECU70は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧である目標ホイールシリンダ圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に供給する制御電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ制御装置20においては、ブレーキフルードが動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介して各ホイールシリンダ23に供給され、車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。本実施形態においては、動力液圧源30、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67等を含んでホイールシリンダ圧制御系統が構成されている。ホイールシリンダ圧制御系統によりいわゆるブレーキバイワイヤ方式の制動力制御が行われる。ホイールシリンダ圧制御系統は、マスタシリンダユニット27からホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路に並列に設けられている。
具体的には、ブレーキECU70は、ABS保持弁51〜54の上流圧(「保持弁上流圧」ともいう)の目標値である目標液圧と、その実際の液圧である実圧との偏差に応じ、増圧モード、減圧モード、及び保持モードのいずれかを選択し、その保持弁上流圧を制御する。ブレーキECU70は増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67を制御することにより保持弁上流圧を制御する。ブレーキECU70は、偏差が増圧必要閾値を超える場合に増圧モードを選択し、偏差が減圧必要閾値を超える場合に減圧モードを選択し、偏差が増圧必要閾値にも減圧必要閾値にも満たない場合すなわち設定範囲内にある場合には保持モードを選択する。なおここで偏差は例えば目標液圧から実液圧を差し引いて求められる。実液圧として例えば制御圧センサ73の測定値が用いられる。目標液圧としては保持弁上流圧、すなわち主流路45における液圧の目標値が用いられる。
本実施形態において増圧モードが選択されている場合、ブレーキECU70は偏差に応じたフィードバック電流を増圧リニア制御弁66に供給する。減圧モードが選択されている場合、ブレーキECU70は偏差に応じたフィードバック電流を減圧リニア制御弁67に供給する。保持モードが選択されている場合には、ブレーキECU70は増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67に電流を供給しない。すなわち、増圧モードにおいては増圧リニア制御弁66を介してホイールシリンダ圧が増圧され、減圧モードにおいては減圧リニア制御弁67を介してホイールシリンダ圧が減圧される。保持モードにおいてはホイールシリンダ圧が保持される。
ブレーキバイワイヤ方式の制動力制御を行う場合には、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23へ供給されないようにする。更にブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。これは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23ではなくストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。
なお、本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、回生制動力を利用せずに液圧制動力だけで要求制動力をまかなう場合にも、ホイールシリンダ圧制御系統により制動力を制御することができる。また、このように液圧制動力だけで要求制動力をまかなう場合には、マスタシリンダ圧またはレギュレータ圧をホイールシリンダにそのまま導入してもよい。例えば、レギュレータカット弁65及び分離弁60を開弁し、マスタカット弁64,増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67を閉弁してレギュレータ圧によって各車輪に制動力を付与するようにしてもよい。レギュレータ33には動力液圧源30が高圧側として接続されているので、動力液圧源30における蓄圧を有効に活用して制動力を発生させることができる。また、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67の動作頻度を低減させて、その耐用期間を向上させることができる。
また、ホイールシリンダ圧制御系統による制御中に、ホイールシリンダ圧の制御応答に異常があると判定された場合には、マニュアル液圧源を用いて機械的に制動力を付与するフェイルセーフ処理が行われる。ブレーキECU70は、このとき全ての電磁制御弁への制御電流の供給を停止する。その結果、ブレーキフルードの供給経路はマスタシリンダ側とレギュレータ側との2系統に分離される。マスタシリンダ圧が前輪用のホイールシリンダ23FR及び23FLへと伝達され、レギュレータ圧が後輪用のホイールシリンダ23RR及び23RLへと伝達される。
このように、ホイールシリンダ圧の制御においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニア制御、ABS保持弁51〜54およびABS減圧弁56〜59の開閉制御が中心に行われるが、制動状態によっては適宜、分離弁60,マスタカット弁64,レギュレータカット弁65,シミュレータカット弁68の開閉制御が実行される。特に、分離弁60,マスタカット弁64,レギュレータカット弁65,シミュレータカット弁68については、その起動後の開閉状態が比較的長く保持されるため、省電力化の観点から効率的な通電制御が実行される。そこで、本実施形態では、これら分離弁60、マスタカット弁64、レギュレータカット弁65、シミュレータカット弁68を便宜的に総称して「開閉弁50」とし、その通電制御について詳細に説明する。なお、上述のようにマスタカット弁64およびレギュレータカット弁65は常開型の電磁弁であるのに対し、分離弁60およびシミュレータカット弁68は常閉型の電磁弁である。このため、前者の開閉弁50はその起動により開弁状態から閉弁状態へ作動し、後者の開閉弁50はその起動により閉弁状態から開弁状態へ作動することになる。
図2は、ブレーキ制御装置20における開閉弁の駆動回路を示す概略図である。
ブレーキECU70は、上述のようにマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)80を中心に構成されており、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有している。マイコン80は、制動状態に応じて開閉弁50(正確には開閉弁50のリニアソレノイドS)へ供給すべき電流値(目標電流値)を演算し、そのデューティ比をフィードフォワード項として出力する。そして、そのデューティ比によって通電制御した結果、開閉弁50に実際に流れた電流値(実電流)をフィードバックし、目標電流と実電流との偏差に応じたフィードバック制御を実行する。本実施形態では特に、フィードフォワード項として設定する目標値を高精度に保持しつつ省電力化を図る工夫を行っているが、その詳細については後述する。
ブレーキECU70にはさらに、開閉弁50をデューティ制御するためのPWM信号を出力するためのPWM信号出力回路82、そのPWM信号にしたがって開閉弁50への通電をオン・オフする駆動回路84、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器85が設けられている。
駆動回路84は、PチャンネルMOSFET(以下、単に「FET」という)86と、NチャンネルMOSFET(以下、単に「FET」という)88とを直列に配置して構成される。車両に搭載されたバッテリ75のプラス端子は、BSリレー90を介してFET86のドレインに接続されている。FET86のゲートはPWM信号出力回路82に接続され、ソースはリニアソレノイドSの電磁コイルの一端に接続されている。電磁コイルの他端はFET88のドレインに接続されている。FET88のゲートはPWM信号出力回路82に接続され、ソースは電流検出抵抗89およびグランド線を介してバッテリ75のマイナス端子に接続されている。FET86およびFET88の各ゲートにはPWM信号出力回路82からのPWM信号が供給される。
以上の構成において、PWM信号出力回路82からのPWM信号がハイレベルであるときに、FET86およびFET88がオン状態となり、バッテリ75からリニアソレノイドSへの通電経路が導通される。逆に、PWM信号がローレベルであるときには、FET86およびFET88はオフ状態となり、リニアソレノイドSへの通電経路が遮断される。このように、PWM信号出力回路82から出力されるPWM信号にしたがって駆動回路84の両FETがオン・オフすることにより、リニアソレノイドSに流れる電流がデューティ制御される。電流検出抵抗89の両端には、リニアソレノイドSに流れる電流に比例した電圧が発生する。この電圧信号がモニタ線92およびA/D変換器85を介してマイコン80に入力される。
なお、BSリレー90はフェイルセーフに用いられ、リニアソレノイドSの異常が検出されると、開閉弁50への電流供給を遮断するものである。また、下側のFET88もフェイルセーフに用いられる。すなわち、FET86がオン状態を保持したまま故障した場合であっても、FET88がオフとなることで通電経路を遮断するものである。
図3は、ブレーキECU70の機能を模式化したブロック図である。
ブレーキECU70は、目標電流演算部100、電流−デューティ変換部102、温度補正部104、クランプ106、パルス出力部108、A/D変換部110、デジタルフィルタ112、スイッチング部114、PI制御部116、割り込み処理部118、目標電流監視部120を備える。
ブレーキペダル24の操作に基づいてブレーキECU70に制動要求が入力されると、目標電流演算部100が、上述のように要求液圧制動力を算出し、制動状態に応じて開閉弁50に供給する制御電流の値を目標電流として演算する。この目標電流は、電流−デューティ変換部102に入力される。電流−デューティ変換部102は、開閉弁50のリニアソレノイドSに供給すべき電流である目標電流と、その目標電流を得るために設定するデューティ比との対応関係を定めた制御マップを備える。電流−デューティ変換部102は、演算された目標電流を用いてこの制御マップを参照し、その目標電流をデューティ比に変換する。一方、温度補正部104は、リニアソレノイドSの温度変化に応じたデューティ比の補正係数KTを定義した補正係数マップを保持しており、この制御マップから得られたデューティ比に対し、リニアソレノイドSの温度変化に応じた補正係数KTをかけた温度補正を実行する。
図4は、開閉弁50への通電制御に用いられる制御マップの概要を示す図である。同図(a)は、リニアソレノイドSに供給すべき供給電流値と、通電指令値としてのデューティ比との対応関係を、リニアソレノイドSの基準温度について定義した制御マップを示している。一方、同図(b)は、リニアソレノイドSの温度変化に応じたデューティ比の補正係数を定義した補正係数マップを示している。同図の横軸は目標電流を表し、縦軸はデューティ比を表している。図5は、温度補正処理におけるデューティ比の補正係数を設定する方法を表す説明図である。同図には上段から順に制御電流の変化、デューティ比が示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
図4(a)に示すように、この制御マップには、リニアソレノイドSの温度が予め定める基準温度(本実施形態では常温:25℃)であるときの目標電流とデューティ比との関係が設定されている。この制御マップは、実際にリニアソレノイドSを基準温度に設定したときのデューティ比と実電流との相関をデータ化することにより得られる。図示のように目標電流がIである場合、基準温度下においてデューティ比D0を設定すればよいことになる。
一方、リニアソレノイドSは、開閉弁50の近傍に他の発熱部品が配置されるなどの外部環境やそれ自身の通電状態によって温度が変化する。その結果、そのリニアソレノイドSの温度変化によってその抵抗値が変化し、同じ電流値に制御する場合であっても設定すべきデューティ比が異なることがある。図4(b)に示すように、リニアソレノイドSが基準温度よりも低温状態にあれば、デューティ比は基準温度の場合よりも小さくてよく、逆にリニアソレノイドSが基準温度よりも高温状態にあれば、デューティ比は基準温度の場合よりも大きくする必要がある。そこで、本実施形態では、リニアソレノイドSの温度変化に応じてデューティ比が補正される。具体的には、図4(a)に示した制御マップを基準に指令値としてのデューティ比に対し、実電流がどの程度ずれているかをみてその温度変化が間接的に取得される。変形例においては、リニアソレノイドSの温度をサーミスタ等の温度検出手段にて検出し、その温度変化に基づいて補正するようにしてもよい。
すなわち、本実施形態においては、リニアソレノイドSの温度変化に対して開閉弁50への供給電流を目標電流に正確に追従させるために、制御指令としてのデューティ比について温度補正処理を実行する。具体的には、例えば図中二点鎖線にて示す低温状態において目標電流Iが演算された場合、デューティ比はD0ではなく、KT・D0(KT=D/D0)ということになる。このように、電流−デューティ変換部102および温度補正部104により、目標電流をリニアソレノイドSに供給する適切な電流のデューティに変換するフィードフォワード制御を行う。
ただし、このような温度補正を行っても、図5上段に示すように、リニアソレノイドSに実際に流れる実電流(図中実線)が補正後の目標電流(図中一点鎖線)に収束するにはある程度の時間を要する。このため、ブレーキECU70は、実電流が目標電流にほぼ収束したことを示す予め定める安定領域に入り(例えば4LSB以内に追従)、予め定める判定基準時間Δt1(例えば54ms)を経過したときに温度補正が完了したと判定し、RAM上の所定領域に設定した温度補正完了フラグをオンにする。そして、その完了をもって目標電流を次段階へ移行させる。
図3に戻り、クランプ106は、電流−デューティ変換部102からの出力信号にノイズが重畳していた場合にこれを除去するものである。すなわち、デューティ比として0〜100%の範囲以外の信号が出力された場合、これをエラーとしてカットする。
パルス出力部108は、PWM信号出力回路82を駆動し、FET86およびFET88へPWM信号を出力してこれらをオン・オフするデューティ制御を実行し、リニアソレノイドSへ電流を供給する。すなわち、パルス出力部108は、電流−デューティ変換部102および温度補正部104により行われるフィードフォワード制御により入力されたデューティ比でリニアソレノイドSへ供給する電流を変化させる。これにより、開閉弁50の駆動制御が行われる。
A/D変換部110は、リニアソレノイドSにかかる電圧信号をA/D変換し、デジタル信号を出力する。デジタルフィルタ112は、A/D変換部110から出力されたデジタル信号にフィルタリング処理を行う。本実施形態においては、移動平均法によるフィルタリング方法が採用されている。このフィルタリング処理によりデジタル信号に含まれるノイズ成分が除去される。このデジタルフィルタ112を経由したデジタル信号から電圧が検知され、その電圧値からリニアソレノイドSに供給された電流が演算される。
目標電流監視部120は、目標電流演算部100により演算される目標電流値を監視してこれを出力する。スイッチング部114は、リニアソレノイドSに供給される実電流の電流値である監視電流値と目標電流値とを所定時間間隔ごとに比較し、監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動したか否かを判断する。
スイッチング部114は、監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動しない、いわゆる通常の状態と判断された場合は、デジタルフィルタ112から出力されたデジタル信号をPI制御部116に入力する。一方、スイッチング部114は、例えばオーバーシュートやアンダーシュートなどが生じた場合における監視電流値の急峻な変動などにより、監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動する場合は、デジタルフィルタ112から出力されたデジタル信号を割り込み処理部118に入力する。
監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動しない場合、PI制御部116は、デジタルフィルタ112から入力された処理後デジタル信号を、目標値に近づけるようにPI制御、つまり比例制御(P制御)および積分制御(I制御)を行う。PI制御部116は、PI制御の結果をデューティ比の補正値として出力する。パルス出力部108は、補正されたデューティ比に基づいてリニアソレノイドSに電流を供給する。
このように、ブレーキECU70は、リニアソレノイドSの実電流を検出してPI制御部で目標値に近づけるよう制御するフィードバック制御によりリニアソレノイドSの駆動を制御している。すなわち、ブレーキECU70は、監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動していない場合は、電流−デューティ変換部102および温度補正部104によるフィードフォワード制御、およびPI制御部116などによるフィードバック制御の双方の制御により、リニアソレノイドSの駆動を制御する。
監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動する場合、PI制御部116によるフィードバック制御では、リニアソレノイドSに供給される電流を目標値に近づけることが困難となる。このため、割り込み処理部118が、急峻に変動した監視電流値の変動を抑制する割り込み処理を行う。この割り込み処理においては、PI制御部116のように検出されたリニアソレノイドSの監視電流値によるフィードバック制御は行われない。すなわち、ブレーキECU70は、監視電流値が目標電流値よりも閾値電流値以上変動する場合は、電流−デューティ変換部102および温度補正部104によるフィードフォワード制御および割り込み処理部118による割り込み処理によりリニアソレノイドSの駆動を制御する。
開閉弁50は、その起動時には電流値が比較的大きい起動電流を必要とするが、一旦駆動された後は、起動電流よりも電流値が小さい保持電流を供給することで、その起動状態を維持することができる。開閉弁50の開閉状態に応じて供給電流を必要十分に抑制することで、その消費電流を節約することができる。また、供給電流を低減することでリニアソレノイドSの発熱を低減することができ、開閉弁50の開閉制御における温度ドリフトの影響を抑制することができる。本実施形態において、ブレーキECU70は、PWM制御によりFET86、FET88のゲートに供給する制御信号のデューティ比を変化させ、電磁弁のリニアソレノイドSに供給する電流を制御する。
図6は、開閉弁50への通電制御方法を表すタイミングチャートである。同図には、上段から開閉弁50への作動指令、リニアソレノイドSへの制御電流、温度補正の完了を示す温度補正完了フラグの状態が、それぞれ示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
図示の例では、制動状態に応じて時刻t1に開閉弁50への起動指令があったため、通電制御状態がステージ1に移行され、目標電流として起動電流が設定されている。このとき、同時に温度変化に対応した上述の温度補正処理が実行される。ブレーキECU70は、この温度補正が完了すると、RAM上の所定領域に設定された温度補正完了フラグを一時的にオンにし、通電制御状態を次ステージへ移行させる。
時刻t2において温度補正が完了したためステージ2に移行され、目標電流が起動電流よりもやや低い第1移行電流に切り替えられている。この制御電流の切り替えの際にも同様に温度補正処理が行われる。同様に、時刻t3において第1移行電流についての温度補正が完了したためステージ3に移行され、目標電流が第1移行電流よりもやや低い第2移行電流に切り替えられている。さらに、時刻t4において第2移行電流についての温度補正が完了したためステージ4に移行され、目標電流が第2移行電流よりも低い保持電流に切り替えられている。保持電流には、開閉弁50の起動後の開閉状態を維持するために必要十分な電流値が予め設定されている。そして、制動状態に応じて時刻t5に開閉弁50の作動停止指令があったため、開閉弁50への制御電流の通電が停止されている。このように、本実施形態では、起動電流を付与してから目標電流を段階的に低下させて保持電流に移行させている。
なお、本実施形態では、開閉弁50の起動(開閉作動)を保証するため、その開閉作動の完了を判定するための初期通電期間Δt0(例えば12ms)を予め設定している。この初期通電時間Δt0には、開閉弁50の通電作動特性に基づき、起動電流の通電開始から開閉弁50が確実に開弁または閉弁するまでに要する最低限の時間が設定されている。図示の例では、初期通電時間Δt0が経過した後に温度補正が完了しているため、その温度補正の完了とともに次ステージへ移行させているが、初期通電時間Δt0の経過前に温度補正が完了した場合には、初期通電時間Δt0が経過した後に次ステージへ移行される。
図7は、開閉弁50の通電制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、同図の処理は、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を含む制動制御全体の処理が実行される過程で実行されるものであるが、その制動制御全体の処理の詳細については既にその概要を述べたため、その説明を省略する。
ブレーキECU70は、制動状態に基づき開閉弁50の通電制御指令が出力されると(S10のY)、開閉弁50(正確にはリニアソレノイドS)へ起動電流の供給を開始する(S12)。このとき同時に、上述した温度補正処理を実行する。そして、その温度補正が完了すると(S14のY)、起動電流の供給開始から初期通電期間Δt0が経過していれば(S16のY)、ステージ2へ移行して第1移行電流の供給を開始する(S18)。このとき同時に、上述した温度補正処理を実行する。そして、その温度補正が完了すると(S20のY)、ステージ3へ移行して第2移行電流の供給を開始する(S22)。このとき同時に、上述した温度補正処理を実行する。そして、その温度補正が完了すると(S24のY)、ステージ4へ移行して保持電流の供給を開始する(S26)。そして、この保持電流の通電状態を維持し、制動状態に基づき開閉弁50の通電停止指令が出力されると(S28のY)、その通電を停止する(S30)。
以上に説明したように、本実施形態においては、開閉弁50を開閉させるためのリニアソレノイドSへの通電制御において、その制御電流が起動電流から保持電流へ段階的に低くなるように制御されるため、目標電流に対するアンダーシュートを抑制しつつ、保持電流に移行させることができ、制御の安定性を確保することができる。また、そのように段階的に制御電流を減少させることによってリニアソレノイドSに温度変化が生じるが、その温度変化に応じた温度補正が実行されるため、温度ドリフトの影響を効果的に抑制することができる。
また、起動電流の供給時には温度補正の完了の有無にかかわらず初期通電期間Δtを確保するようにしたため、開閉弁50を確実に開閉作動させることができる。そして、初期通電期間Δtの経過および温度補正の完了を次ステージへの移行タイミングとしたため、電流値の小さい保持電流へ速やかに切り替えられるようになり、省電力化を図ることができる。また、リニアソレノイドSの発熱を抑制することができるため、ブレーキ制御装置20のアクチュエータとしてこのような開閉弁50を高密度配置しても、制御の安定性および正確性を維持することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、開閉弁50への通電制御処理が若干異なる以外は第1実施形態とほぼ同様である。このため、本実施形態において第1実施形態と共通する構成および処理部分については適宜その説明を省略する。
図8は、第2実施形態にかかる開閉弁50への通電制御方法を表すタイミングチャートである。同図には、上段から開閉弁50への作動指令、リニアソレノイドSへの制御電流、電源電圧、制御電流のデューティ比、温度補正完了フラグの状態が、それぞれ示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
目標電流の切り替え時の制御のアンダーシュートを抑制するためには、第1実施形態にて示したように、通電制御の各段階で上述した温度補正を完了させることが好ましい。しかし、起動電流を必要以上に長く供給し続けると、発熱により開閉弁50の耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、電源電圧が最低作動電圧以上であり、デューティ比が十分に大きければ、開閉弁50を起動可能な最低限の起動電流(「最低起動電流」という)を確保することができる。この「最低作動電圧」については、初期通電期間Δt0の確保により少なくとも開閉弁50の起動が確保される電圧値が、実験等を通じて予め設定される。そして、その最低起動電流が確保されれば、保持電流まで段階的に電流値を落としてもその開閉弁50の作動状態を保持することができる。
本実施形態ではこの点に着目し、温度補正を行いつつも、開閉弁50の保護を優先する制御を実行する。なお、この電源電圧については、バッテリ75の電圧値を検出するセンサ(「電圧検出部」に該当する)からの入力信号により取得される。「最低作動電圧」および「デューティ比」には、最低起動電流を確保可能な組み合わせが予め設定される。
図示の例では、制動状態に応じて時刻t21に開閉弁50への起動指令があったため、通電制御状態がステージ1に移行され、目標電流として起動電流が設定されている。このとき、同時に温度変化に対応した上述の温度補正処理が開始される。しかし、電源電圧が比較的低く、初期通電期間Δt0を超えて所定期間Δt2が経過しても、起動電流の通電制御時に実電流が温度補正後の目標電流に収束しなかったため、温度補正完了フラグはオンになっていない。一方、電源電圧は最低作動電圧V0(例えば9.3V)よりも大きく、デューティ比を90%以上(図示の例では100%)に設定することで最低起動電流が確保できている。同図において、細い実線が目標電流を示し、太い実線がリニアソレノイドSを流れる実電流を表している。
このようにして最低起動電流が確保されたため、時刻t22にステージ2に移行され、目標電流が起動電流よりもやや低い第1移行電流(例えばデューティ比80%)に切り替えられている。この制御電流の切り替えの際にも同様に温度補正処理が行われる。この第1移行電流については時刻t23において温度補正が完了したため、そのままステージ3に移行され、目標電流が第1移行電流よりもやや低い第2移行電流(例えばデューティ比60%)に切り替えられている。さらに、時刻t24において第2移行電流についての温度補正が完了したためステージ4に移行され、目標電流が第2移行電流よりも低い保持電流(例えばデューティ比40%)に切り替えられている。保持電流には、開閉弁50の起動後の開閉状態を維持するために必要十分な電流値が予め設定されている。そして、制動状態に応じて時刻t25に開閉弁50の作動停止指令があったため、開閉弁50への制御電流の通電が停止されている。このように、本実施形態では、起動電流を付与してから目標電流を段階的に低下させて保持電流に移行させている。
図9は、開閉弁50の通電制御処理の流れを示すフローチャートである。同図において図7と同様の処理部分には同一のステップ番号を付している。
本実施形態において、ブレーキECU70は、起動電流の供給を開始したときに(S12)、電源電圧が最低作動電圧V0以上であるか否かを判定する。そして、その最低作動電圧V0が確保され、デューティ比が所定値以上(例えば90%以上)にて通電制御を行っている場合には(S214のY)、初期通電期間Δt0の経過を条件に(S16のY)、温度補正の完了の有無にかかわらず次ステージへ移行するようにする(S18)。すなわち、起動電流を必要以上に長く供給し続けないようにしつつ、開閉弁の起動を確保することで開閉弁50の保護を優先させている。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
上記実施形態においては図1に示したように、ブレーキECU70を液圧アクチュエータ40に一体に設ける一方、動力液圧源30等については液圧アクチュエータ40とは別個に設け、配管を介して接続する例を示した。変形例においては、動力液圧源30等についても液圧アクチュエータ40に一体に組み付け、ブレーキ制御装置全体の小型化を図るようにしてもよい。
上記実施の形態においては、ブレーキ制御装置20として、各ホイールシリンダ23に対して共通のリニア制御弁からなる増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を設け、各ホイールシリンダ23の上流圧を制御するシステム構成を有するものを例示した。変形例においては、各ホイールシリンダ23に対して個別にリニア制御を実行する増圧弁および減圧弁を設けるシステム構成を採用してもよい。その場合にも、開閉弁については同様の処理を適用することができる。
本発明の第1実施形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 ブレーキ制御装置における開閉弁の駆動回路を示す概略図である。 ブレーキECUの機能を模式化したブロック図である。 開閉弁への通電制御に用いられる制御マップの概要を示す図である。 温度補正処理におけるデューティ比の補正係数を設定する方法を表す説明図である。 開閉弁への通電制御方法を表すタイミングチャートである。 開閉弁の通電制御処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる開閉弁への通電制御方法を表すタイミングチャートである。 開閉弁の通電制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 ブレーキ制御装置、 23 ホイールシリンダ、 27 マスタシリンダユニット、 30 動力液圧源、 32 マスタシリンダ、 33 レギュレータ、 34 リザーバ、 35 アキュムレータ、 40 液圧アクチュエータ、 50 開閉弁、 51 ABS保持弁、 56 ABS減圧弁、 60 分離弁、 64 マスタカット弁、 65 レギュレータカット弁、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 68 シミュレータカット弁、 69 ストロークシミュレータ、 70 ブレーキECU、 75 バッテリ、 80 マイコン、 82 PWM信号出力回路、 84 駆動回路、 85 A/D変換器、 89 電流検出抵抗、 90 BSリレー、 92 モニタ線、 100 目標電流演算部、 102 電流−デューティ変換部、 104 温度補正部、 106 クランプ、 108 パルス出力部、 110 A/D変換部、 112 デジタルフィルタ、 114 スイッチング部、 116 PI制御部、 118 割り込み処理部、 120 目標電流監視部。

Claims (3)

  1. 作動液を貯留する液圧源と、
    作動液の供給を受けて車輪に液圧制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記液圧源と前記ホイールシリンダとをつなぐ液圧回路と、
    前記液圧回路に配置され、ソレノイドへの通電による電磁駆動により開閉作動して前記液圧回路内の作動液の流れを切り替え可能な開閉弁と、
    前記開閉弁に付与される電流値を検出する電流検出部と、
    前記ソレノイドへ供給する電流のデューティ制御を実行し、前記開閉弁に対してその開閉作動開始に必要な起動電流を付与し、前記電流検出部による検出情報に基づき、前記起動電流の付与が前記開閉弁の開閉作動完了を判定するために予め設定された設定期間継続したときに、その開閉作動を維持するために前記起動電流よりも小さい保持電流を付与するように制御するように制御する制御部と、
    前記開閉弁への電流の供給源としての電源電圧を検出する電圧検出部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記起動電流から前記保持電流へ向けて段階的に通電状態を変化させる際に、前記ソレノイドの温度低下に伴って抵抗値が変化しても、各段階に設定された電流値が得られるよう、前記ソレノイドの温度変化に応じて前記開閉弁への供給電流量を補正する温度補正処理を実行し、
    前記開閉弁への前記起動電流の付与時に前記電源電圧が予め定める最低作動電圧以上であり、所定値以上のデューティ比にて通電制御を行っている場合には、前記温度補正処理の完了の有無にかかわらず、前記保持電流への切り替えを実行することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記起動電流から前記保持電流へ向けて電流値が段階的に小さくなるよう、前記起動電流と前記保持電流との間に一または複数段階の移行電流が設定され、
    前記制御部は、前記起動電流から前記保持電流への各段階への移行について設定された切り替え条件が成立するごとに、目標電流を順次切り替えることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記ソレノイドに供給すべき供給電流値と、通電指令値としてのデューティ比との対応関係を、前記ソレノイドの基準温度について定義した制御マップと、前記ソレノイドの温度変化に応じたデューティ比の補正係数を定義した補正係数マップとを保持し、
    前記起動電流から前記保持電流へ向けて通電状態を段階的に変化させる際に前記制御マップを参照してデューティ比を取得し、そのデューティ比に前記ソレノイドの温度変化に応じた補正係数をかけて通電制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
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