JP5054945B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な植物発酵物を有効成分として含む化粧料に関し、詳しくは、ケミカルメディエーターの生成、放出を抑制し、さらには紫外線や大気中の窒素酸化物、硫黄酸化物などによる皮膚への刺激等に起因して皮膚内に発生するラジカルなどの活性酸素により、細胞外マトリックスが断片化することを防ぐことを通じて、皮膚の炎症、アレルギー症状、痒み、痛みなどの予防・改善に有効性を示す新規な植物発酵物を含んでなり、皮膚を健常で且つ若々しい状態に保持し或いは改善するために用いて有用な化粧料に関する。
我々を取り巻く環境は、ハウスダスト、排気ガス、ダニなどの炎症やアレルギーを惹起する抗原となる物質に囲まれている。また、紫外線や排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物は、皮膚に酸化ダメージを及ぼし、生体成分を変質させることで、皮膚内に抗原を生成する。これらの抗原による炎症やアレルギーの発症には、抗原が好塩基球やマスト細胞のIgE抗体のFab鎖を架橋することで細胞が刺激を受け、ヒスタミン、セロトニン、好酸球遊走因子などが放出される脱顆粒が関与していることが知られている。さらに抗原により刺激を受けた好塩基球やマスト細胞は、カルシウムイオンの流入によりホスホリパーゼA2が活性化されてアラキドン酸カスケードを形成し、炎症性のケミカルメディエーターであるプロスタグランジン類が分泌され炎症を惹起することが知られている。
紫外線などで惹起される炎症の予防・症状改善を目的として、グリチルリチン酸、アラントインなどの抗炎症剤が提案され、これらを配合した皮膚外用剤が上市されている。
しかしながら、上記の抗炎症剤は、十分な効果を得るためにはかなりの高濃度を配合しなければならない。そのため、安全性や製剤安定性の面で問題を生ずることがあり、安全性、製剤安定性ならびに作用効果のすべての面で十分に満足できるものが無いのが現状である。
本発明者らは、上記の如き従来技術の問題点に鑑み、紫外線などにより皮膚内部の生体成分が酸化されて抗原となったり、環境を取り巻く外的刺激因子が皮膚内に侵入し抗原となって脱顆粒を誘導する結果引き起こされる、皮膚に於ける炎症や痒みに対して、すぐれた予防乃至症状改善効果を示すと共に、高い生体安全性を有する化粧料配合成分、並びにかかる成分を配合してなり、皮膚を紫外線や環境中の刺激物質に基づく炎症反応のダメージから保護して、これを健全、健常な状態に維持し或いは改善する化粧料を提供すべく鋭意研究、検討の結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)の植物及び/又はその抽出物を酵母で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする化粧料である。
なお、本発明に於いて、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
本発明の化粧料で有効成分として用いるワスレグサ属植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物は、抗原によって誘導される好塩基球やマスト細胞の脱顆粒を強く抑制する作用を有すると共に、炎症性のケミカルメディエーターであるプロスタグランジンE2の生成を抑制する作用をも有しており、それら両作用の相乗的効果により、外部環境中或いは生体内の抗原性物質によってもたらされる皮膚の炎症や痒みを顕著に抑制し、炎症に伴う肌荒れなどのダメージから皮膚を保護する効果を奏する。
加えて、本発明の酵母発酵物は、ラジカル消去能をも具えており、このため本発明の酵母発酵物によれば、紫外線や大気中の窒素酸化物等によって皮膚内部の生体成分が酸化されて抗原を生ずる機序の抑止も可能となり、より有効性の高い抗炎症効果が達せられる。又、ラジカル消去能を有するが故に、生体内ラジカルによる細胞の損傷やヒアルロン酸等の細胞外マトリックス成分の断片化を防止するとの効果も併せ奏することができる。
従って、かかる酵母発酵物を配合してなる本発明の化粧料によれば、紫外線や外部環境中の刺激物質、汚染物質に基づく皮膚の炎症ダメージとさらには酸化ダメージが予防或いは改善され、皮膚は健全で若々しい状態に保持される。
ユリ科ワスレグサ属植物の化粧料或いは化粧料配合成分としての利用については、特開2006‐143670号公報に、当該植物の抽出物が老化防止作用、美白作用を有し、皮膚に総合的な美粧効果を与えることが開示されている。
特開2006-143670号公報
しかし、上記従来の技術の場合は、ワスレグサ属植物に含まれる成分をそのまま抽出して化粧料配合原料として利用するというものであり、ワスレグサ属の植物及び/又はその抽出物を酵母発酵の資化源として用い、ここに得られる発酵産生物を化粧料配合原料として利用する本発明とは明らかに技術思想を異にしている。従って当然ながら、上記の従来技術中には、本発明の発酵物が、好塩基球及びマスト細胞の脱顆粒を防いで、起炎物質であるヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制する作用と、そのラジカル消去能に基づき生体成分の酸化による抗原の生成を抑止する作用、さらには紫外線曝露による炎症の原因物質であるプロスタグランジンE2の生成を抑制する作用を併有し、それら作用の複合的、総合的な寄与によって、従来類を見ない新たな作用機序に基づくすぐれた抗炎症効果を発揮すること、又かかる酵母発酵物を有効成分として含む本発明の化粧料が、皮膚を外部環境因子による炎症ダメージ及び酸化ダメージから保護する作用を有することについては、何らの開示もなされておらず、それらの事実は本発明を俟って初めて明らかとなったところである。
本発明の化粧料で活性成分として用いるワスレグサ属(Hemerocallis)の植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物は、環境を取り巻くハウスダスト、排気ガス、ダニなどや酸化されて変性した生体成分といった、炎症やアレルギーを惹起する抗原となる物質による、好塩基球及びマスト細胞よりのヒスタミン、セロトニン、好酸球遊走因子などのケミカルメディエーターの遊離を抑制し、さらに炎症性のケミカルメディエーターであるプロスタグランジンE2の生成を抑制することで、皮膚に起こる炎症、痒みを抑制する効果を発揮する。さらにこのことからこれを紫外線などによる皮膚の炎症ダメージの防御に用いた場合、従来の抗炎症剤とは異なり、炎症を惹起するケミカルメディエーターの遊離を抑制し、さらには生体成分の酸化を抑えることやプロスタグランジンE2生成の生成を抑えることにより、炎症性のケミカルメディエーターの産生そのものも抑制して、すぐれた抗炎症効果を奏する。加えて、本発明の酵母発酵物は、植物由来の成分からなるが故に皮膚刺激等が少なく、生体安全性に極めてすぐれている。
かかる酵母発酵物を有効成分とする本発明の化粧料は、これを皮膚に適用したとき、皮膚を炎症反応のダメージ及び酸化ダメージから護ることができ、皮膚を健常で若々しい状態に保持或いは改善させる効果を奏する。又、本発明の化粧料は安全性が高く、長期間の使用によっても皮膚に悪影響を及ぼす恐れがない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるユリ科ワスレグサ属の植物としては、例えば萱草(Hemerocallis fulva)、北黄花菜(Hemerocallis lilio-asphodelus)、小黄花菜(Hemerocallis mirror)或いは叶萱草(Hemerocallis plicata)などが挙げられる。また、萱草などワスレグサ属植物の蕾を基原とする生薬である金針菜(キンシンサイ)を用いることができる。
それらワスレグサ属植物のうちでも、酵母発酵物の脱顆粒抑制作用及びプロスタグランジンE2産生抑制作用の観点から、ワスレグサ属植物の蕾を基原とする生薬である金針菜、或いは萱草(Hemerocallis flva)の使用が最も好ましい。
それらユリ科ワスレグサ属植物及び/又はその抽出物を酵母で発酵する場合、該植物の発酵部位には特に限定はなく、全草、葉、花、雄しべ、雌しべ、茎、根茎、種子(子実)など適宜の部位を用いることができるが、得られる酵母発酵物の有効性の点から、蕾の使用が好ましく、なかでもワスレグサ属植物の蕾を基原とする生薬である金針菜の使用が最も好ましい。
酵母によるワスレグサ属植物の発酵は、例えば以下のようにして行うことができる。
まず、発酵の資化源としてはワスレグサ属植物それ自体(以下、植物体ということがある)を用いてもよく、或いは植物体を適宜の媒体で抽出して得られる抽出物を用いてもよい。又、抽出物を用いる場合には、被抽出物の植物体を固液分離によって除去することなく、植物体を含んだままで発酵に供しても何ら差し支えない。
それらの各方法うちでも、得られる発酵物の脱顆粒抑制作用及びプロスタグランジンE2産生抑制作用の観点、さらには化粧料に配合する際の安定性、匂いの点からも、抽出物を発酵させることが最も好ましい。
発酵に供し或いは抽出物の調製に用いるワスレグサ属植物は、生のままであっても、又予め乾燥もしくは半乾燥したものであってもよい。また、形状としては採取したものをそのまま用いることができるが、細断或いは粉砕して微細化すれば発酵効率或いは抽出効率を上げることができる。
植物体を資化源として発酵を行う場合は、まず植物体を溶媒に懸濁させる。植物体を懸濁させるための溶媒としては、水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)もしくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、グリセリンなど)との混液等が用いられ、又それら溶媒中にはグルコース、フルクトース、シュークロースなどの糖類を添加してもよい。それら溶媒のうちでも、酵母が最もその作用を発揮しやすい点と、さらにワスレグサ属植物の成分以外の資化成分の存在に基づく発酵副産物の生成を避けるという意味からも、水を単独で用いるのが最も好ましい。
植物体と溶媒との混合比は、植物体の乾燥重量換算で一般に1:1〜1:100、好ましくは1:10〜1:50の範囲である。
植物体の抽出物を発酵資化源として用いる場合、抽出物の調製方法としては、抽出対象部位例えば蕾を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめる方法等が採用できる。又、超臨界抽出法を用いてもよい。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルことができるが、エーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の酵母発酵物の抗炎症作用及びラジカル消去活性の観点、さらには発酵工程への移行の簡便である点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜15:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜15:1の範囲とすることが好ましい。
抽出溶媒として水以外の溶媒或いは水と水以外の溶媒との混合溶媒を用いた場合は、発酵工程に移行するに先立って、一旦水以外の溶媒を濃縮などの操作で留去した後、固形分として0.01〜10%程度となるように水に再溶解するか或いは水で希釈して発酵の資化源とする。
これら植物体懸濁液或いは抽出物溶液は、それらを酵母による発酵に付する前に、殺菌を行って酵母発酵の障害となる雑菌を除去する。この雑菌の除去方法としては、植物体を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後、無菌水等の無菌溶媒に懸濁し或いは無菌溶媒で抽出する方法を用いてもよく、又植物体を溶媒に懸濁し或いは溶媒で抽出した後、懸濁液或いは抽出物溶液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。
次に、この懸濁液又は抽出物溶液を発酵タンクに入れ、これに酵母10〜10個/mLを植菌して発酵を行わせしめる。
発酵に用いる酵母としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス・カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母;トルラスポラ・デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ・ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ・ロ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母;ジゴサッカロミセス・ローキシ(Zygosa
ccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス・ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)ジゴサッカロミセス・サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス・ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス・ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母;カンディダ・ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ・エチェリシ(Candida etchellsii)、カンディダ・ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ・サケ(Candida sake)、カンディダ・スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母など、いずれの酵母でも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が最も好ましい。
発酵温度は一般には5〜50℃の範囲、好ましくは酵母の生育至適温度である35〜40℃の範囲である。発酵期間は、至適温度に於いて一般に3日〜30日、好ましくは3日〜20日の範囲であるが、発酵と同時或いはそれに先だって、後述の酵素加水分解処理を植物体もしくはその抽出物に施す場合には、発酵時間を一般に3時間〜10日、好ましくは10時間〜3日の範囲に短縮することができる。 発酵期間が上記の一般的範囲より短くなると発酵が不十分で発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方上限を超えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上の酵母発酵を行うに当たって、ワスレグサ属植物の成分が酵母の資化源としてより有効に利用されるようにするため、酵母の植菌前もしくは同時に前記の懸濁液或いは抽出物溶液に酵素を添加して、ワスレグサ属植物或いはその抽出物に酵素による加水分解処理を施すことが好ましく、かかる酵素処理は、例えばワスレグサ属植物の根やその抽出物を被発酵物として用いる場合など、発酵の資化源成分にそのままでなりうる成分が少ない場合に特に有効である。
この場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパインなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼなどの澱粉分解酵素およびセルラーゼ、ヘミセルラーゼなどの繊維素分解酵素から選ばれた少なくとも1種が用いられ、特にそれら3種の酵素群からそれぞれ選ばれた少なくとも1種の酵素を組み合わせ用いることによって好結果を得ることができる。
酵素の添加量は、懸濁液中のワスレグサ属植物の固形分に対して、合計で0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜1.0重量%がより好ましい。或いはワスレグサ属植物の抽出物の固形分に対して、合計で0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。
温度、時間等の処理条件としては、酵素処理を酵母発酵前に行うのであれば、各酵素の至適温度付近で1〜24時間の処理を行うのがよく、一方酵母発酵と同時に行うのであれば、前記の酵母発酵と同条件が適用される。
以上の酵母発酵が終わったならば、酵母の殺菌のため、又酵素処理を併用した場合であれば酵母の殺菌と酵素の失活を兼ねて、発酵液に70〜100℃で10〜120分程度の加熱殺菌処理を施した後、これをそのまま、或いは一般且つ好適にはろ過或いは遠心分離などの固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH6〜8に調整し、さらに必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上、化粧料の配合原料として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化した上化粧料に配合してもよい。
本発明のワスレグサ属植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中のワスレグサ属植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物の配合量は、発酵物の固形分として、例えば基礎化粧料については、一般に0.001〜8重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲、頭髪化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、又清浄用化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲とするのがよい。
本発明の化粧料には、必須成分の上記ワスレグサ属植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、生理活性成分(美白成分、老化防止・美肌化・シワ防止成分など)、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
又、本発明のワスレグサ属植物及び/又はその抽出物の酵母発酵物の有効性や特長を損なわない限り、通常用いられる抗炎症剤或いは抗酸化剤を併せ配合することもできる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro:Rhamnaceae)抽出物等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体、スフィンゴ脂質等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾディニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、コンブ(例えばミツイシコンブ)、アナアオサ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化・シワ防止成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro)抽出物、スフィンゴ脂質等がある。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、アラントイン等がある。
さらに、抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、白芥子抽出物、イネ抽出物等が挙げられる。
次に、製造例、試験例及び実施例(化粧料の処方例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
製造例1.
金針菜の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌した。この抽出懸濁液に酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、金針菜の酵母発酵物溶液1300g(固形分濃度1.32%)を得た。
製造例2.
酵母としてサッカロミセス・セレビシエに代えてサッカロミセス・アワモリを用いる他は製造例1と同様にして、金針菜の酵母発酵物溶液1280g(固形分濃度1.59%)を得た。
製造例3.
酵母としてサッカロミセス・セレビシエに代えてサッカロミセス・チェバリエリを用いる他は製造例1と同様にして、金針菜の酵母発酵物溶液1350g(固形分濃度1.12%)を得た。
製造例4.
酵母としてサッカロミセス・セレビシエに代えてジゴサッカロミセス・ラクティスを用いる他は製造例1と同様にして、金針菜の酵母発酵物溶液1010g(固形分濃度2.01%)を得た。
製造例5.
酵母としてサッカロミセス・セレビシエに代えてカンディダ・ベルサチリスを用いる他は製造例1と同様にして、金針菜の酵母発酵物溶液920g(固形分濃度1.75%)を得た。
製造例6.
培養期間を18時間とする他は製造例1と同様にして金針菜の酵母発酵物溶液1400g(固形分濃度2.95%)を得た。
製造例7.
金針菜に代えて萱草の茎の細切物を用いて抽出懸濁溶液を調製する他は製造例1と同様にして萱草の茎の酵母発酵物溶液880g(固形分濃度1.42%)を得た。
製造例8.
金針菜に代えて萱草の全草の細切物を用いて抽出懸濁溶液を調製する他は製造例1と同様にして萱草の全草の酵母発酵物溶液1010g(固形分濃度2.31%)を得た。
製造例9.
金針菜の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、約500gの淡褐色透明の抽出物溶液を得た(固形分濃度5.77%)。ここに得られた抽出物溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液にパパイン0.2g、セルラーゼ0.2g及びペクチナーゼ0.2gを加えた後、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で18時間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、金針菜の酵母発酵物溶液360g(固形分濃度2.79%)を得た。
製造例10〜13.
酵母としてサッカロミセス・セレビシエに代えてッカロミセス・アワモリを用いる他は製造例9と同様にして金針菜酵母発酵物溶液330g(固形分3.05%)を(製造例10)、サッカロミセス・チェバリエリを用いる他は製造例9と同様にして金針菜酵母発酵物溶液410g(固形分2.21%)を(製造例11)、ジゴサッカロミセス・ラクティスを用いる他は製造例9と同様にして金針菜酵母発酵物溶液330g(固形分2.98%)を(製造例12)、カンディダ・ベルサチリスを用いる他は製造例9と同様にして金針菜の酵母発酵物溶液360g(固形分1.97%)を(製造例13)、各々得た。
製造例14.
金針菜の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、約500gの淡褐色透明の抽出物溶液を得た(固形分濃度5.77%)。ここに得られた抽出物溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液に酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で14日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、金針菜の酵母発酵物溶液360g(固形分濃度4.80%)を得た。
製造例15.
製造例1と同様にして得た金針菜酵母発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕して金針菜の酵母発酵物粉末4gを得た。
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1の発酵物溶液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中製造例1の発酵物溶液に代えて製造例9の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例3.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発酵物溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例4.ローション
[成分] 部
製造例9の発酵物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例5.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の発酵物溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコー 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
実施例6.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の発酵物溶液に代えて製造例3の発酵物溶液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
実施例7.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の発酵物溶液に代えて製造例4の発酵物溶液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
実施例8.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の発酵物溶液に代えて製造例5の発酵物溶液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
実施例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発酵物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウ 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例10.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例11.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例12.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例13.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例14.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例15.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例16.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
実施例17.ローション
[成分] 部
製造例14の発酵物溶液 3.0
L−アスコルビン酸 −2−グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例18.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
6−ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例15の発酵物粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
実施例19.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例7の発酵物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
実施例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例8の発酵物溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
実施例21.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
製造例6の発酵物溶液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
実施例22.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
製造例10の発酵物溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。
本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
実施例23.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例11の発酵物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
実施例24.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例12の発酵物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
実施例25.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例13の発酵物溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
実施例26.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例15の発酵物粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
試験例1.脱顆粒抑制試験
製造例1で得られた発酵物溶液について、好塩基球における脱顆粒抑制作用を調べた。
[試験方法]
(イ)細胞培養上清への脱顆粒誘導
ラット好塩基球白血病細胞(RBL−2H3:Lot.040827(7))を、10%(NCS)含有イーグル最少必須培地に懸濁して96穴プレートに1×10個ずつ播種し、37℃で24時間培養した。コンフルエントになった細胞をreleasing buffer buffer [117mM NaCl,5.4mM KCl,2.0mM CaCl2,0.8mM MgSO4,5.6mM D-グルコース,25mM HEPES,1mg/mL BSA/pH7.7]200μL/wellで洗浄し、各wellに製造例1の発酵物溶液を1.0%又は2.0%の濃度(溶液濃度として)となるように添加した。また、製造例1の発酵物溶液に代えてreleasing buffer bufferを添加した試験区をコントロールとして設けた。脱顆粒を誘導するため、200μg/mLのcompound48/80/releasing bufferを添加し、37℃で1時間インキュベートした。同時にcompound48/80を含まないreleasing bufferを添加することで脱顆粒を誘導しなかった試験区を対照として設定した。
(ロ)β−ヘキソサミニダーゼ(β-Hexosaminidase)活性測定による脱顆粒率の判定
脱顆粒誘導後、細胞外に遊離したβ-ヘキソサミニダーゼの酵素活性を測定するために細胞上清50μLを別の96穴マイクロプレートに分取した。β-ヘキソサミニダーゼ活性の測定は次のように行った。
別プレートに取った各細胞上清50μLに基質として5mMp−ニトロフェニル−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(p-Nitrophenyl-2-acetamide-2-deoxy-β-D-glucopyranoside)を50μL加え、37℃のCO2インキュベーター内で30分反応させた。その後100μLの0.2M グリシン緩衝液(glycine buffer;pH10.7)を加えて反応を停止し、吸光プレートリーダーで415nmの吸光度を測定し、β-ヘキソサミニダーゼ活性の指標とした。
[結果]
結果を図1に示す。図1に於いて、A,B,C及びDは、それぞれ対照区、コントロール区、製造例1の発酵物溶液1.0%添加区及び製造例1の発酵物溶液2.0%添加区の測定結果を示す。又、図1に於いて、415nmの吸光度値が大きい程β-ヘキソサミニダーゼの活性が強く、脱顆粒が顕著に生じていることを意味する。
図1に示す通り、ユリ科ワスレグサ属植物の金針菜の酵母発酵物溶液(製造例1の発酵物溶液)は好塩基球よりのケミカルメディエーターの遊離(脱顆粒)を強く抑制していることが認められる。
試験例2.プロスタグランジンE2生成抑制試験
製造例1で得られた発酵物溶液について、ウサギ角膜由来細胞を用いてプロスタグランジンE2の生成抑制作用を調べた。
[試験方法]
(イ)細胞培養上清への脱顆粒誘導
ウサギ角膜由来細胞(SIRC:Lot.040916(7))を、10%(FBS)含有イーグル最少必須培地に懸濁して96穴プレートに5.0×10個ずつ播種し、37℃で3日間培養した後、培地に製造例1の発酵物溶液を1.0%の濃度(溶液濃度として)となるように添加し、さらに24時間培養した。コントロールとして製造例1の発酵物溶液の代わりに精製水を添加し24時間培養した。次に培養器の底面から0.5mW/cmの紫外線B波を照射し、さらに2日間培養後、培養上清に分泌されたPGE2の量をPGE2測定キット(カイマンケイミカル社製)を用いて測定した。ポジティブコントロールとしてはインドメタシン10μMを用いた。
また、コントロールと同様に精製水を添加し24時間培養後、紫外線を照射しない対照区を設けた。
[結果]
結果を図2に示した。図2に於いて、E,F,G及びHは、それぞれ対照区、コントロール区、製造例1の発酵物溶液1.0%添加区及びポジティブコントロール区の結果を示す。
図2に示すようにユリ科ワスレグサ属の金針菜の酵母発酵物溶液には、PGE2の生成を抑制する効果が認められ、該発酵物が抗炎症作用を有することが分かった。
試験例3.ヒドロキシラジカルによるヒアルロン酸断片化の抑制試験
製造例1で得られた発酵物溶液について、ヒドロキシラジカルによるヒアルロン酸の断片化に対する抑制作用を調べた。
[試験方法]
0.04%のヒアルロン酸/燐酸緩衝液(pH 5.3)0.45μLと製造例1の発酵物溶液0.05μLを混合し、これに5mM過酸化水素水溶液0.15μL及び0.375mM塩化第一鉄水溶液0.10μLを混合して37℃で24時間恒温静置し、フェントン反応によってヒドロキシラジカルを発生させた。その後、反応液を20μL分取し、そこに0.1%アルブミン/酢酸緩衝液(pH 3.75)を200μL加え、その液の濁度を630nmの吸光度で測定した。この場合、ヒアルロン酸が断片化していなければアルブミンと複合体を生成して濁度が高く、一方ヒアルロン酸がヒドロキシラジカルによって断片化していれば複合体を形成しないため濁度は低くなる。
又、過酸化水素水溶液と塩化第一鉄を加えない区を設け、断片化処理無し区とし、さらに製造例1の発酵物溶液の代わりに精製水を添加した区を設けてヒアルロン酸を断片化させた。
結果は、断片化処理無し区のヒアルロン酸残存率を100%としたときの各断片化処理区のヒアルロン酸残存率を以て示した。
[結果]
結果を図3に示す。図3に於いて、I,J及びKは、それぞれ断片化処理無し区、精製水添加区及び製造例1の発酵物溶液添加区の結果を示す。
図3の結果から、本発明の発酵物溶液にはヒドロキシラジカルによるヒアルロン酸の断片化を抑制する効果があることが確認された。
試験例4.DPPHラジカル消去試験
製造例1で得られた発酵物溶液(製造例1の発酵物溶液)について、DPPHラジカルの消去作用を調べた。
[試験方法]
DPPH 2.4部 をエタノール 25部に溶解後、精製水50部を加えてDPPH溶液を調製した。このDPPH溶液24部に対して、18v/v%エタノール溶液を19.2部、2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を4.8部を加えて、DPPH添加溶液として調製した。また、発酵物溶液そのものの色調が試験に及ぼす影響を差し引くため、DPPH溶液の代わりに50v/v%エタノール溶液を用いて、18v/v%エタノール溶液、2M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液と混合した液を対照液とした。
製造例1の発酵物溶液を精製水で希釈して1.0%又は2.0%(溶液濃度として)に調整した液を試験溶液とし、この試験溶液とDPPH添加溶液又は対照液とを1:3の割合で混合し、37℃で20分静置後、各試験溶液をDPPH添加溶液と混合した場合の550nmにおける吸光度と、同じく各試験溶液を対照液と混合した場合の550nmにおける吸光度との差を測定し、DPPHラジカルの残存量を確認した。
また、同時にコントロールとして製造例1の発酵物溶液の代わりに精製水を用いた試験も行った。
結果は、コントロールのDPPHラジカル残存率を100%とした時の残存率で示した。
[結果]
結果を図4に示す。図4に於いて、L,M及びNは、それぞれコントロール、製造例1の発酵物溶液1.0%添加及び製造例1の発酵物溶液2.0%添加の結果を示す。
図4に示されるように、本発明の発酵物溶液にはDPPHラジカルを消去する効果が確認された。
試験例5.皮膚刺激性
[試料]
(1)製造例1の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料)
(2)日局親水ワセリン(対照)
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に本発明試料及び対照の日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
[結果]
結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな通り、本発明の発酵物溶液は皮膚刺激が殆どなく、安全性に極めてすぐれている。
は、試験例1の各試験区に於けるβ−ヘキソサミニダーゼ活性(415nmの吸光度)を示すグラフである。(縦軸:415nmの吸光度) は、試験例2の各試験区に於けるプロスタグランジンE2の生成量を示すグラフである。(縦軸:プロスタグランジンE2量(pg/mL)) は、試験例3の各試験区に於けるヒアルロン酸残存率を示すグラフである。(縦軸:ヒアルロン酸残存率(%)) は、試験例4の各試料添加時のDPPHラジカル残存率を示すグラフである。(縦軸:DPPHラジカル残存率(%))
符号の説明
A 試験例1に於ける対照区
B 試験例1に於けるコントロール区
C 試験例1に於ける製造例1の発酵物溶液1.0%添加区
D 試験例1に於ける製造例1の発酵物溶液2.0%添加区
E 試験例2に於ける対象区
F 試験例2に於けるコントロール区
G 試験例2に於ける製造例1の発酵物溶液1.0%添加区
H 試験例2に於けるポジティブコントロール区
I 試験例3に於ける断片化処理なし区
J 試験例3に於ける精製水添加区区
K 試験例3に於ける製造例1の発酵物溶液添加区
L 試験例4に於けるコントロール
M 試験例4に於ける製造例1の発酵物溶液1.0%添加
N 試験例4に於ける製造例1の発酵物溶液2.0%添加

Claims (7)

  1. ユリ科(Liliaceae)ワスレグサ属(Hemerocallis)の植物及び/又はその抽出物を酵母で発酵させて得られる発酵物を配合したことを特徴とする化粧料。
  2. ユリ科ワスレグサ属の植物として生薬である金針菜を用いる請求項1に記載の化粧料。
  3. ユリ科ワスレグサ属の植物として萱草(Hemerocallis fulva)を用いる請求項1に記載の化粧料。
  4. 萱草の蕾を用いる請求項3に記載の化粧料。
  5. 酵母としてサッカロミセス セレビシエ(Saccaromyses cerevieciae)を用いる請求項1に記載の化粧料。
  6. ユリ科ワスレグサ属植物及び/又はその抽出物を、その酵母発酵前及び/又は発酵時に、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素及び繊維素分解酵素から選ばれる少なくとも1種の酵素で加水分解処理する請求項1に記載の化粧料。
  7. 蛋白分解酵素、澱粉分解酵素及び繊維素分解酵素の3種の酵素を組み合わせ用いる請求項6に記載の化粧料。
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