JP5053657B2 - 酸素センサの劣化信号生成装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に応じて変化すると共に理論空燃比を境にして出力値が急変するセンサ出力信号を出力可能な酸素センサが劣化したときに、当該酸素センサが出力するセンサ出力信号を劣化信号として擬似的に生成する劣化信号生成装置に関するものである。
従来より、自動車のエンジンなどの内燃機関の排気通路に取り付けられ、排気ガス中の酸素濃度に基づき、排気ガスの空燃比がリッチ側にあるかリーン側にあるかを検出する酸素センサが知られている。この酸素センサのセンサ素子は、ジルコニアを主体に構成された筒状または板状の固体電解質体と、この固体電解質体を介して対向する一対の電極とを有する。そして、このセンサ素子の一方の電極を排気ガスに晒し、他方のガスを基準ガスに晒すことによって、センサ素子(酸素センサ)の出力電圧(センサ出力信号)が排気ガス中の酸素の濃度に応じて(換言すれば、理論空燃比を境にして)二値的に変化する挙動を示す。なお、酸素センサから出力されるセンサ出力信号はエンジンの各種制御を司るECU(電子制御ユニット)に送信され、ECUでは、受信したセンサ出力信号に基づきエンジンにおける燃料の噴射量の調整等の空燃比フィードバック制御が行われる。
こうした酸素センサは、センサ素子が使用環境の厳しい排気通路内に晒されて使用に供されるため劣化が生じることがある。そこでECUの開発では、酸素センサがある程度劣化した状態でも空燃比フィードバック制御の精度を維持することができるように、酸素センサ劣化時のセンサ出力信号(劣化信号)に対しても最適な空燃比フィードバック制御のパラメータを決定できるようにする設計が行われたり、センサの劣化検知のプログラム設計が行われたりしている。例えば、加速耐久試験により劣化度合いの異なる酸素センサを用意し、それら酸素センサから得られる劣化信号と、正常な酸素センサのセンサ出力信号とを用い、劣化信号の過渡的な段階における信号状態を予測して、パラメータの設定を行っている。
ところで、実車において排気ガスの浄化状態を確認するための試験を行う場合、酸素センサが劣化した状態においてもECUによる空燃比フィードバック制御が正しく行われているか否かを確認するため、上記のように加速耐久試験により劣化させた酸素センサが実車に取り付けられる。しかし、こうした試験に用いるため、数種類の劣化状態を再現した酸素センサそれぞれを加速耐久試験により目標通りに作成することは困難である。また、試験において、劣化状態の異なる酸素センサを試験の都度取り換えるには手間もかかる。そのため、酸素センサの劣化信号を擬似的に生成することができる劣化信号生成装置(劣化シミュレータ)が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような劣化信号生成装置は、実車に取り付けた基準となる正常な酸素センサ(換言すれば、劣化信号を生成するための基準となる酸素センサ)とECUとの間に介在され、入力された酸素センサのセンサ出力信号を加工して擬似的に劣化信号を生成し、この劣化信号をECUに対して出力するものである。特許文献1の劣化信号生成装置では、具体的には、排気ガス中の酸素濃度に応じ、センサ出力信号がリニアに変化する全領域空燃比センサのセンサ出力信号のゲインを変化させたり、センサ出力信号の応答特性に遅れを生じさせたりすることで、擬似的に劣化信号を生成している。
特開2004−93957号公報
酸素センサの劣化状態にも様々な形態があり、例えばセンサ素子に排気管中に存在する水(例えば凝縮水)が多量にかかり、その際の熱衝撃によって固体電解質体の表裏面にわたるマイクロクラックが生じる劣化状態がある。このような劣化が生じると、マイクロクラックを通じたガスの流通が僅かながらでも起こるため、基準ガスの雰囲気が変化を来たし、センサ出力信号の値が、正常な酸素センサのセンサ出力信号の値に対して大きい側あるいは小さい側にシフトしてしまう。そのため、このような劣化状態が生じたとき、排気ガスの酸素濃度に応じて二値的にセンサ出力信号の値が変化する酸素センサでは、二値の取り得る値の差(範囲)は変化することなく、二値が共に上下に変動する形態を示す。一方、特許文献1のような全領域空燃比センサでは、排気ガスの空燃比がリッチ側の場合とリーン側の場合とで固体電解質体に流される電流の向き(正負)が逆向きとなるため、同様の劣化状態が生じた場合、センサ出力信号の取り得る値の範囲が大小する形態を示す。このため、全領域空燃比センサのセンサ出力信号に対し行うオフセット補正を、二値的にセンサ出力信号の値が変化する酸素センサにそのまま適用しても、酸素センサの劣化状態を正しくシミュレートすることが難しいという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、理論空燃比を境にセンサ出力信号が急変する酸素センサが劣化したときに出力するセンサ出力信号を劣化信号として擬似的に生成するにあたってオフセット補正を行うことができる酸素センサの劣化信号生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の酸素センサの劣化信号生成装置は、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に応じて変化すると共に理論空燃比を境にして出力値が急変するセンサ出力信号を出力する酸素センサが劣化したときに、当該酸素センサが出力するセンサ出力信号を劣化信号として疑似的に生成する劣化信号生成装置であって、基準となる前記酸素センサである基準酸素センサであって、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化するセンサ出力信号を基準信号として出力する基準酸素センサに接続されると共に、前記基準信号を取得する基準信号取得手段と、前記基準信号の示す値を上下に変更するためのオフセット値を設定するオフセット値設定手段と、前記基準信号に前記オフセット値を重畳し、前記劣化信号を生成する劣化信号生成手段とを備えている。
また、本発明に係る酸素センサの劣化信号生成装置において、前記オフセット値設定手段は、前記オフセット値をリッチ側とリーン側とで個別に異なる値に設定可能としてもよい。
また、本発明に係る酸素センサの劣化信号生成装置において、前記オフセット値設定手段および前記劣化信号生成手段は、マイクロコンピュータのCPUによって構成されてもよい。
請求項1に係る発明の酸素センサの劣化信号生成装置によれば、基準となる酸素センサが出力する基準信号の示す値に任意のオフセット値を重畳することができるので、理論空燃比を境にして急変するセンサ出力信号の二値の取り得る値の範囲を任意に上下させた状態で擬似的な劣化信号を生成することができる。従って、本発明の劣化信号生成装置を用いることにより、理論空燃比を境にセンサ出力信号が急変する酸素センサを用いた空燃比フィードバック制御を実現するシステムの開発を行う上で、実際に劣化させた酸素センサを準備しなくとも済み、その開発期間の短縮を図ることが可能となる。
以下、本発明を具体化した劣化信号生成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の劣化信号生成装置の一例としてのセンサシミュレータ1の概略的な構成を示すブロック図である。なお、本発明の劣化信号生成装置に接続される酸素センサは、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化すると共に理論空燃比を境にして出力値が急変するセンサ出力信号を出力可能な酸素センサ(いわゆるλ型酸素センサ)であり、基準センサ2として、正常な(劣化していない)酸素センサを用いたものとして説明する。
なお、酸素センサについては公知のものを使用しているため、その構造等の詳細については説明を省略するが、以下に、酸素センサに用いられるセンサ素子による排気ガスの空燃比の検出原理について簡単に説明する。このセンサ素子は、活性温度以上で酸素イオン導電性を示す性質を有するジルコニア製の固体電解質体を一対の多孔質電極で挟んだ筒状ないしは板状をなしており、この固体電解質体で2つの雰囲気を隔て、両雰囲気間で酸素分圧に差が生じたとき、固体電解質体内を酸素イオンが移動することを利用するものである。具体的には、固体電解質体で排気ガス雰囲気と基準ガス雰囲気(基準となる酸素濃度を有する雰囲気)とを隔て、両雰囲気間で酸素分圧の平衡化がなされる際に、固体電解質体内を移動する酸素イオンによって電子が運搬されることで、多孔質電極間に起電力(センサ出力信号)が生じる。酸素センサの出力するセンサ出力信号の値(起電力)は、排気ガスの空燃比が理論空燃比である場合を境にリッチ側とリーン側とで二値的に変動し、一般には、排気ガスの空燃比がリッチ側である場合、センサ素子の出力するセンサ出力信号の値は約0.9Vを示し、リーン側である場合、約0.05Vを示す。このような酸素センサの一例として、本実施の形態では、特開2004−138599号公報に開示する酸素センサであって、筒型のセンサ素子にヒータを内挿させ、このセンサ素子の先端部をガス流通孔付きのプロテクタに配置させた形態で、主体金具の内側に当該センサ素子を保持させた構成の酸素センサを使用しているものとして説明することとする。
図1に示すように、センサシミュレータ1は、自動車の排気通路(図示外)に取り付けられる酸素センサとしての基準センサ2と、自動車の電子制御を司るECU3との間に介在される装置である。基準センサ2は、上記のように、排気通路内を流通する排気ガス中の酸素濃度に応じたセンサ出力信号を出力し、このセンサ出力信号が基準信号としてセンサシミュレータ1に入力されている。センサシミュレータ1は、入力された基準信号に対し、後述する劣化信号生成プログラムの実行により加工を施して劣化信号を生成し、ECU3に対して出力を行っている。ECU3は、入力された劣化信号に基づき、図示外のエンジンの制御(例えば、インジェクタから噴射する燃料の噴射量や噴射タイミングの調整や、点火時期の調整など)を行っている。また、ECU3は、基準センサ2のヒータ回路(図示外)にヒータ駆動電圧の供給も行っており、センサ素子(図示外)の早期活性化や活性化後の安定化を図っている。
センサシミュレータ1は、図示しないケーシング内に、自身の制御を司るCPU11と、後述する劣化信号生成プログラム等が記憶された、書き換え可能なEEPROM12と、各種のデータを一時的に記憶するRAM13とを有するマイクロコンピュータ10を備えている。なお、マイクロコンピュータ10のCPU11、EEPROM12およびRAM13は公知の構成からなるものである。EEPROM12およびRAM13の記憶エリアの構成については後述する。
マイクロコンピュータ10には、入力インターフェイス20を介して基準センサ2から入力される基準信号をA/D変換するA/Dコンバータ30と、後述する劣化信号生成プログラムによって生成した劣化信号を出力バッファ40を介してECU3に出力するためにD/A変換するD/Aコンバータ50とが接続されている。更に、マイクロコンピュータ10には、劣化信号生成プログラムに用いられる設定値等を利用者が入力するための入力部60と、入力された設定値等を確認できるように表示する表示部80の表示制御を行う表示制御部70とが接続されている。入力部60としては、例えばプッシュスイッチやロータリースイッチ等が用いられ、表示部80としては、例えばLCDディスプレイ等が用いられる。また、図示しないが、センサシミュレータ1は電源回路等も備えている。
次に、EEPROM12の記憶エリアおよびRAM13の記憶エリアの概略的な構成について、図2および図3を参照して説明する。図2は、EEPROM12の記憶エリアの構成を示す概念図である。図3は、RAM13の記憶エリアの構成を示す概念図である。
図2に示すように、EEPROM12には、設定値記憶エリア121、プログラム記憶エリア122、初期値記憶エリア123が設けられている。設定値記憶エリア121には、劣化信号生成プログラムの実行時に使用される各種変数(電圧値Vin,Vout)の初期値が記憶されている。また、予め利用者によって入力部60から入力される変数(オフセット値Offset)も記憶されている。オフセット値Offsetは、EEPROM12に記憶されることで電源切断時にも保存できるように構成されている。また、プログラム記憶エリア122には、劣化信号生成プログラムが記憶されている。EEPROM12を使用することで、バージョンアップ等にも柔軟に対応できるように構成されている。初期値記憶エリア123には、劣化信号生成プログラムで使用される各変数の初期値が記憶されている。更にEEPROM12には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図3に示すように、RAM13には、ワークエリア131、変数記憶エリア132が設けられている。ワークエリア131は、劣化信号生成プログラムが読み込まれて展開される記憶エリアであり、その実行に利用される。変数記憶エリア132には、劣化信号生成プログラムの実行の際に使用される各変数(Vin,Vout,Offset)の値が一時的に記憶される。更にRAM13には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
ここで、劣化信号生成プログラムで使用される上記した各変数について説明する。「Vin」は、基準センサ2から取得されるセンサ出力信号である基準信号の電圧値を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。「Vout」は、基準信号の電圧値Vinに対しオフセット補正を施して生成した劣化信号の電圧値を記憶するための変数であり、初期値には0がセットされる。「Offset」は、基準信号の電圧値Vinに対してオフセット補正を行うためのオフセット値(補正値)を記憶するための変数である。上記したように基準信号の電圧値は、約0.05Vと約0.9Vとの間で変化するため、理論空燃比のときに出力される電圧値は0.45Vに設定される。そして、基準信号の電圧値がリッチ側(電圧値の高い側)に変更されるように基準信号の電圧値Vinをずらす場合、オフセット値Offsetとしては、ずらす分の電圧値の大きさが正の値で入力される。一方、基準信号の電圧値をリーン側(電圧値の低い側)に変更されるように基準信号の電圧値Vinをずらす場合、オフセット値Offsetとしては、ずらす分の電圧値の大きさが負の値で入力される。オフセット値Offsetの初期値には利用者により予め設定された値がセットされる。
このような構成のセンサシミュレータ1では、図4のフローチャートで示す劣化信号生成プログラムの実行に従って、基準センサ2から1ms毎に基準信号を取得し、加工を施して劣化信号を生成し、ECU3に対し出力を行っている。図示しないが、センサシミュレータ1では、基準信号に対し、例えばゲインの変更や応答の遅れ、信号自体の遅延などの様々な処理を施した劣化信号を生成させる場合もある。本実施の形態の劣化信号生成プログラムは、基準信号に対しこのような各種形態の処理を施す過程の中の一処理として提供されるものであるが、以下では基準信号に施されるオフセット補正について説明を行うものとする。
以下、図4に示す劣化信号生成プログラムの詳細について、図5〜図7のグラフを参照しながら劣化信号プログラムについて説明する。図4は、劣化信号生成プログラムのフローチャートである。図5は、燃焼室に供給される混合気の空燃比をリッチ側とリーン側とに交番させた場合に得られる基準信号を時間軸に沿って示した例を示すグラフである。図6は、図5に示した基準信号をリッチ側(電圧の高い側)にずらすオフセット補正を施した劣化信号の例を示すグラフである。図7は、図5に示した基準信号をリーン側(電圧の低い側)にずらすオフセット補正を施した劣化信号の例を示すグラフである。なお、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
センサシミュレータ1では、利用者により任意の設定値の入力が行われる。具体的には、基準信号の示す値(電圧値)を上下にずらすためのオフセット値Offsetが設定される。このオフセット値Offsetは、その値が入力部60の操作により入力され、EEPROM12の設定値記憶エリア121に記憶されることで、センサシミュレータ1の電源が落とされた後に再度使用される場合にも、以前入力された設定値が保存されるように構成されている。
センサシミュレータ1による基準センサ2の基準信号から劣化信号の生成は、劣化信号生成プログラム(図4参照)が、EEPROM12のプログラム記憶エリア122よりRAM13のワークエリア131に読み込まれ実行されることによって開始される。図4に示すように、劣化信号生成プログラムが実行されると、まず、劣化信号生成プログラムで使用される各種変数の初期化が行われる(S10)。この初期化処理では、EEPROM12の初期値記憶エリア123に記憶された各変数(Vin,Vout)の初期値(前述)が読み込まれ、RAM13の変数記憶エリア132の対応する記憶エリアに記憶されることで行われる。また、予め利用者により設定された上記のオフセット値(Offset)がEEPROM12の設定値記憶エリア121より読み込まれ、同様に、対応する変数記憶エリア132の記憶エリアに記憶される。つまり、劣化信号生成プログラムのS10以降の処理では、各変数の値の読み出し、書き込み等はすべて、変数記憶エリア132に設けられた、それぞれの処理に対応する各変数の記憶エリアに対して行われる。
次に、S11で1ms毎のリセット信号の受信待ちが行われる。本実施の形態では、劣化信号生成プログラムと並列に図示外のタイマプログラムが実行されており、1ms毎にリセット信号が出力されている。S11ではリセット信号の受信待ちが行われ(S11:NO)、リセット信号の受信を契機にS12へ進む(S11:YES)。そしてS12〜S20の処理で、基準センサ2から取得される基準信号(電圧値Vin)に対しオフセット補正が施されることにより劣化信号(電圧値Vout)が生成されて、ECU3に対し出力される。S20の処理後にはS11に戻り、次のリセット信号の受信待ちが行われる。すなわち、基準信号を加工して劣化信号を生成するS12〜S20の各処理は、1ms毎に行われている。なお、S10において、予め利用者により入力部60から入力されEEPROM12に記憶され保存されたオフセット値Offsetを劣化信号生成プログラムで使用するため読み込み、RAM13の変数記憶エリアに記憶させるCPU11が、本発明における「オフセット値設定手段」に相当する。
次のS12〜S20の処理では、基準信号の電圧値Vinにオフセット値Offsetを重畳し、劣化信号(電圧値Vout)を生成させる処理が行われる。前述したように、本実施の形態の基準センサ2はλ型酸素センサであり、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ側にあるとき、酸素センサの出力電圧値は約0.9Vを示し、理論空燃比よりもリーン側にあるときには約0.05Vを示す。従って、混合気の目標空燃比が約1秒毎にリッチ側とリーン側とで交番された場合、λ型酸素センサ、すなわち基準センサ2の基準信号の電圧値は、図5に示すように、約1秒毎に約0.05Vと約0.9Vとの間で急峻な変化(例えば区間[A−B]や区間[C−D]など)を示す。
この基準信号に対しオフセット補正を行うため、まず、図4のS12の処理では、まず、A/Dコンバータ30(図1参照)を介して入力される基準センサ2の出力電圧が取得され、その電圧値が変数Vinとして記憶される(S12)。なお、S12で基準センサ2の基準信号を取得してVinとして記憶させるA/Dコンバータ30およびCPU11が、本発明における「基準信号取得手段」に相当する。
そして取得された基準信号の電圧値Vinに、予め利用者に設定されたオフセット値Offsetを加算することによって、基準信号にオフセット値を重畳する処理が行われる(S14)。前述したように、オフセット値Offsetは、電圧値Vinを上下にずらすための値がその向き(正負)と大きさによって設定されたものであり、電圧値Vinとオフセット値Offsetとを加算した結果得られた電圧値は、Voutとして変数記憶エリア132の記憶エリアに記憶される。なお、S14で基準センサ2の基準信号(電圧値Vin)にオフセット値Offsetを重畳して劣化信号(電圧値Vout)を生成するCPU11が、本発明における「劣化信号生成手段」に相当する。
ここで、基準信号の示す値をリッチ側にずらした場合の例を図6に示す。なお、図6では、Offsetとして+0.5が設定された場合の劣化信号の波形を示している。1点鎖線で示される劣化信号(電圧値Vout)のグラフは、いずれのタイミングにおいても、点線で示される基準信号(電圧値Vin)のグラフに対し電圧値が0.5V高い値を示す。そして、劣化信号の電圧値は、約1秒毎に約0.55Vと約1.4Vとの間で急峻な変化を示している。
このように、S14で劣化信号の電圧値Voutが求められた後にはS15に進み、オフセット補正を行ったことによって電圧値Voutが適正値、すなわち0V以上5V未満の範囲外となった場合、適正値の範囲内に収まるように補正が行われる。具体的には、Voutが5V以上であれば(S15:YES)、Voutには4.99Vが記憶される(S16)。一方、Voutが0V未満であれば(S15:NO,S18:YES)、Voutには0Vが記憶される(S19)。また、Voutが0V以上5V未満であれば(S15:NO,S18:NO)、Voutは適正値であると判断され、補正は行われない。
ここで、基準信号の示す値をリーン側にずらした場合の例を図7に示す。なお、図7では、Offsetとして−0.15が設定された場合の劣化信号の波形を示している。1点鎖線で示される劣化信号(電圧値Vout)のグラフは、元の基準信号の電圧値Vinが0.15Vより大きかったタイミングにおいては、点線で示される基準信号(電圧値Vin)のグラフに対し電圧値が0.15V低い値を示す。そして電圧値Vinが0.15V以下であったタイミングに生成された劣化信号は、その電圧値Voutが0Vに補正されている。生成された劣化信号の電圧値Voutは、約1秒毎に0Vと約0.75Vとの間で急峻な変化を示している。
そして適正値に補正された劣化信号(電圧値Vout)はD/Aコンバータ50に対して出力され(S20)、次のタイミングにおける劣化信号の生成のため、S11に戻る。S12〜S20の各処理は次のリセット信号の受信を契機に再び実行され、劣化信号の電圧値Voutが定期的に更新されることとなる。なお、D/Aコンバータ50では入力される劣化信号の電圧値Voutがアナログの電圧値にD/A変換され、出力バッファ40に出力される。出力バッファ40では、アナログの電圧値に変換された劣化信号をECU3に対し出力するが、次回の劣化信号(電圧値Vout)が生成され出力されるまで、その電圧値が維持される。
以上説明したように、本実施の形態のセンサシミュレータ1では、基準信号の電圧値Vinに予め設定されたオフセット値Offsetを重畳することにより、任意に設定した大きさ分、電圧値をリッチ側あるいはリーン側にずらした劣化信号(電圧値Vout)を生成することができる。換言すると、本実施の形態のセンサシミュレータ1によれば、理論空燃比を境にして急変するセンサ出力信号(基準センサの基準信号)の二値の取り得る値(電圧値)の範囲を任意に上下させた劣化信号(電圧値Vout)を生成することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えばUSBやRS232C等の入出力インターフェイスを備え、対応するケーブルを用いてパーソナルコンピュータに接続し、設定値等の入力や表示確認等を行ってもよい。また、基準センサ2の基準信号や、生成した劣化信号をその入出力インターフェイスを介してパーソナルコンピュータに出力し、パーソナルコンピュータ上で出力波形を生成してモニタリングできるようにしてもよいし、もちろん、表示部80に出力波形を表示させてもよい。
また、利用者の設定可能な変数(Offset)は、S10の初期化処理でEEPROM12の設定値記憶エリア121からRAM13の変数記憶エリア132にコピーされ、以降の処理では変数記憶エリア132の記憶値が参照されたが、この処理を行わず、設定値記憶エリア121の記憶値が直接参照されるようにしてもよい。このようにすれば、利用者が、劣化信号生成プログラムの実行中に設定値を変更した場合に、その変更結果を、生成される劣化信号に即座に反映させることができる。また、EEPROM12ではなく一般的なROMを用い、劣化信号生成プログラムの実行開始時に上記3つの変数の設定値を利用者に入力させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、劣化信号生成プログラムを実行することでソフトウェア的に基準信号から劣化信号を生成したが、ロジック回路を構成したアナログまたはデジタルハードウェア回路を作製し、劣化信号の生成を行ってもよい。
さらに、本実施の形態では、オフセット値Offsetを利用者が個別に+0.5および−0.15に設定した例を示したが、オフセット値はそれぞれ上記値に限られず、他の値を任意に且つ個別に設定可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態のセンサシミュレータ1は、基準信号をオフセット補正した劣化信号を生成することができるが、更に、基準信号のゲインや応答特性、遅延時間を変更した劣化信号も生成することができるようにしてもよい。ここで、ゲインとは、基準信号の電圧値が増幅あるいは減衰された状態をいう。また、応答特性とは、目標空燃比が所定の値を境にしてリッチ側からリーン側、あるいはリーン側からリッチ側へ変更されたことに伴い、酸素センサの出力するセンサ出力信号が変化を開始して予め設定した値となるまでにかかる時間をいう。また、遅延時間とは、目標空燃比がリッチ側からリーン側、あるいはリーン側からリッチ側へ変更されたことに伴い、酸素センサの出力するセンサ出力信号が変化を開始し始めるまでの遅れ時間をいう。そして、上記のように基準信号のゲインや応答特性、遅延時間を変更する場合、ゲインを変更するための利得率、応答特性を変更するための変移率、遅延時間について、目標空燃比がリッチ側からリーン側へ変更された場合と、リーン側からリッチ側へ変更された場合とで、それぞれ個別に設定できるようにすると、精密な空燃比フィードバック制御を実現可能なシステムの開発をより高度に且つ円滑に行える観点から、なおよい。
理論空燃比を境にしてセンサ出力信号が急変する酸素センサが劣化した状態において出力する劣化信号を擬似的に生成することができる劣化信号生成装置に適用することができる。
本実施の形態の劣化信号生成装置の一例としてのセンサシミュレータ1の概略的な構成を示すブロック図である。 EEPROM12の記憶エリアの構成を示す概念図である。 RAM13の記憶エリアの構成を示す概念図である。 劣化信号生成プログラムのフローチャートである。 燃焼室に供給される混合気の空燃比をリッチ側とリーン側とに交番させた場合に得られる基準信号を時間軸に沿って示した例を示すグラフである。 図5に示した基準信号をリッチ側(電圧の高い側)にずらすオフセット補正を施した劣化信号の例を示すグラフである。 図5に示した基準信号をリーン側(電圧の低い側)にずらすオフセット補正を施した劣化信号の例を示すグラフである。
1 センサシミュレータ
2 基準センサ
11 CPU
12 EEPROM
13 RAM
60 入力部
121 設定値記憶エリア
132 変数記憶エリア
Vin 基準信号
Vout 劣化信号
Offset オフセット値

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気ガス中の酸素濃度に応じて変化すると共に理論空燃比を境にして出力値が急変するセンサ出力信号を出力する酸素センサが劣化したときに、当該酸素センサが出力するセンサ出力信号を劣化信号として疑似的に生成する劣化信号生成装置であって、
    基準となる前記酸素センサである基準酸素センサであって、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化するセンサ出力信号を基準信号として出力する基準酸素センサに接続されると共に、前記基準信号を取得する基準信号取得手段と、
    前記基準信号の示す値を上下に変更するためのオフセット値を設定するオフセット値設定手段と、
    前記基準信号に前記オフセット値を重畳し、前記劣化信号を生成する劣化信号生成手段と
    を備えたことを特徴とする酸素センサの劣化信号生成装置。
  2. 前記オフセット値設定手段は、前記オフセット値をリッチ側とリーン側とで個別に異なる値に設定可能としたことを特徴とする請求項1に記載の酸素センサの劣化信号生成装置。
  3. 前記オフセット値設定手段および前記劣化信号生成手段は、マイクロコンピュータのCPUによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の酸素センサの劣化信号生成装置。
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