JP5053457B2 - 建設機械、建設機械の制御方法、及びこの方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

建設機械、建設機械の制御方法、及びこの方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Description

本発明は、建設機械、建設機械の制御方法、及びこの方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
油圧ショベル等の建設機械では、ブームやアームからなる作業機を動作させて各種の作業を行う。そして、このような建設機械では、作業機を急始動あるいは急停止させた際、作業機の慣性が大きいため、作業機の動作の反動により作業機や建設機械に振動が生じるという問題がある。
そこで、従来、作業機を急始動あるいは急停止させる際、レバーの操作に応じた作業機の速度目標指令値を補正し、作業機をゆっくり動作させることで、作業機や建設機械の振動を抑制する機能(以下、振動抑制機能と記載)を具備した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1の技術では、レバーの操作による作業機の動作に応じて作業機や建設機械に生じるであろう振動の状態を振動モデルによって予測可能に設けておくとともに、予測される振動をキャンセルするような逆特性演算によって、レバーの操作に応じた作業機の速度目標指令値を補正している。
特開2005−256595号公報
ところで、特許文献1の技術では、振動抑制機能を具備した結果、作業機を急始動あるいは急停止させる際、レバーの操作が停止しているにも拘らず、作業機の動作が停止せず、所定期間、動作が継続する、いわゆる停止流れが生じることとなる。
そして、例えば、インチング操作において、前述の停止流れが生じると、作業機の微小な位置合わせが難しく、操作性が低下してしまう、という問題がある。
本発明の目的は、作業機の振動を抑制しつつ、作業機の操作性を向上できる建設機械、建設機械の制御方法、及びこの方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することにある。
第1発明に係る建設機械は、
作業機と、前記作業機を操作する操作手段と、前記操作手段から入力された操作信号に基づいて前記作業機を制御する制御装置とを備えた建設機械において、
前記制御装置は、
前記操作信号に基づいて、前記作業機の通常動作用の速度目標指令値を生成する目標指令値演算手段と、
前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値補正手段と、
補正された速度目標指令値に基づいて、前記作業機を動作させる駆動装置に対して指令信号を出力する指令信号出力手段とを備え、
前記目標指令値補正手段は、
前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記作業機の振動の発生を抑制する振動抑制用の速度目標指令値を生成する振動抑制手段と、
前記目標指令値演算手段にて順次、生成された前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値のピーク値を認識するピーク値認識手段と、
前記ピーク値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値、及び前記振動抑制用の速度目標指令値を合成して、前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値合成手段とを備えることを特徴とする。
ここで、前述した目標指令値演算手段は、操作信号を増幅、変調等の手法により必ず変換しなければならない訳ではなく、殆ど変換しないで操作信号をダイレクトに通常動作用の速度目標指令値として実質的に機能しないものも含む概念である。
第2発明は、第1発明を方法の発明として展開したものであり、具体的には、
作業機と、前記作業機を操作する操作手段と、前記操作手段から入力された操作信号に基づいて前記作業機を制御する制御装置とを備えた建設機械の制御方法において、
前記制御装置が、
前記作業機を操作する操作手段から入力された操作信号に基づいて、前記作業機の通常動作用の速度目標指令値を生成する第1の目標指令値生成ステップと、
前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記作業機の振動の発生を抑制する振動抑制用の速度目標指令値を生成する第2の目標指令値生成ステップと、
前記第1の目標指令値生成ステップにて順次、生成した前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値のピーク値を認識するピーク値認識ステップと、
前記ピーク値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値、及び前記振動抑制用の速度目標指令値を合成して、前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値合成ステップとを実行することを特徴とする。
第3発明は、前述した第2発明を建設機械の制御装置に実行させることを特徴とするコンピュータで実行可能なプログラムに関するものである。
第1発明では、操作信号に基づいて、通常動作用の速度目標指令値、及び振動抑制用の速度目標指令値を順次、生成するとともに、通常動作用の速度目標指令値に基づいて、通常動作用の速度目標指令値が減速に転じた際でのピーク値を認識する。そして、ピーク値に基づいて、通常動作用の速度目標指令値の合成比率、及び振動抑制用の速度目標指令値の合成比率を設定し、各合成比率に応じて通常動作用の速度目標指令値、及び振動抑制用の速度目標指令値を合成する。
例えば、ピーク値が小さいほど、すなわち、通常動作用の速度目標指令値が減速に転じる際のレバーの傾倒角度が0(中立位置)に近いほど、通常動作用の速度目標指令値の合成比率を高く、振動抑制用の速度目標指令値の合成比率を低く設定する。また、ピーク値が大きいほど、すなわち、通常動作用の速度目標指令値が減速に転じる際のレバーの傾倒角度が機械的に傾倒できる最大傾倒角度に近いほど、前述の設定とは逆に、通常動作用の速度目標指令値の合成比率を低く、振動抑制用の速度目標指令値の合成比率を高く設定する。このようにピーク値に基づいて各合成比率を設定することで、以下に示すように、作業機を動作させることができる。
インチング操作等の場合には、通常動作用の速度目標指令値が減速に転じる際でのレバーの傾倒角度が0(中立位置)に近いため、ピーク値が小さいものとなる。このため、通常動作用の速度目標指令値の合成比率が高く、振動抑制用の速度目標指令値の合成比率が低い状態で、各速度目標指令値が合成される(通常動作用の速度目標指令値が補正される)こととなる。したがって、補正された速度目標指令値に基づいて作業機を動作させることで、振動抑制機能が弱く働いた状態(振動抑制用の速度目標指令値の合成比率が低い状態)であるため、作業機を機敏に動作させつつ、作業機の停止流れを抑制することができる。すなわち、インチング操作を実施する場合に、作業機の停止流れを抑制できるため、作業機の微小な位置合わせを容易に実施できる。
一方、他のレバー操作の場合には、通常動作用の速度目標指令値が減速に転じる際でのレバーの傾倒角度が最大傾倒角度に近いため、ピーク値が大きいものとなる。このため、通常動作用の速度目標指令値の合成比率が低く、振動抑制用の速度目標指令値の合成比率が高い状態で、各速度目標指令値が合成されることとなる。したがって、補正された速度目標指令値に基づいて作業機を動作させることで、振動抑制機能が強く働いた状態(振動抑制用の速度目標指令値の合成比率が高い状態)であるため、作業機を急始動あるいは急停止させる場合であっても、作業機あるいは建設機械の振動を十分に抑制できる。
以上のように、レバー操作の状態(ピーク値の大小)に応じて振動抑制機能の強弱を付けることで、作業機の振動を抑制しつつ、作業機の操作性を向上できる。
第2発明によっても、前述した第1発明と同様の作用及び効果を享受できる。
第3発明によれば、制御装置を備えた汎用の建設機械の制御装置にプログラムをインストールするだけで第2発明に係る方法の発明を実行させることができるため、本発明を大幅に普及させることができる。
本発明の実施形態に係る作業機及びその制御装置が搭載された建設機械を示す模式図。 制御装置を示すブロック図。 通常動作用の速度目標指令値を説明するための図。 振動抑制用の速度目標指令値を説明するための図。 通常動作用の速度目標指令値のピーク値を説明するための図。 作業機の制御方法を説明するためのフローチャート。 目標指令値合成処理を説明するためのフローチャート。 実施形態の効果を説明するための図。 実施形態の効果を説明するための図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る作業機及びその制御装置が搭載された油圧ショベル(建設機械)1を示す模式図である。図2は、制御装置を示すブロック図である。
図1において、油圧ショベル1は、作業機レバー(操作手段)2によって操作されるブーム11、及び作業機レバー(操作手段)2´によって操作されるアーム12を備えており、アーム12の先端にはバケット13が取り付けられている。
ブーム11は、油圧シリンダ14により支承点D1を中心として回動する。
アーム12は、ブーム11上の油圧シリンダにより支承点D2を中心として回動する。
また、バケット13は、作業機レバー2を別方向に操作することにより、アーム12上の油圧シリンダによって回動する。そして、これらブーム11、アーム12、及びバケット13により、本発明に係る作業機10が構成されている。
なお、本実施形態では、本発明の詳細をブーム11で代表して説明するため、アーム12やバケット13用の各油圧シリンダの図示を省略してある。
また、バケット13の他、グラップル、ハンド等の任意のアタッチメントを用いてもよい。
これらブーム11の支承点D1及びアーム12の支承点D2にはそれぞれ、ロータリーエンコーダやポテンショメータ等の角度検出器15,16が設けられ、角度検出器15では、図示しない車両本体に対するブーム11の関節角度θ1が、角度検出器16では、ブーム11に対するアーム12の関節角度θ2が検出され、これらの関節角度θ1,θ2がバルブコントローラ(制御装置)20aに対して角度信号として出力されるようになっている。
油圧シリンダ14は、メインバルブ17から供給される作動油によって油圧駆動されるものであり、メインバルブ17のスプール17Aが一対の比例電磁弁であるEPCバルブ18,18により移動し、油圧シリンダ14への作動油の供給流量が調整される。
そして、これら油圧シリンダ14、メインバルブ17、及びEPCバルブ18により、本発明に係る駆動装置19が構成されている。
また、メインバルブ17には、スプール17Aの位置Eを検出する位置検出器17Bが設けられ、ここからスプールの位置が位置信号Eとしてバルブコントローラ20aに出力される。
ここで、作業機レバー2は、例えば、ポテンショメータやPPC圧力センサ、静電容量あるいはレーザによるトルクセンサ等の倒し角度検出器を備えており、この倒し角度検出器からは作業機レバー2の倒し角度と1対1の相関があるレバー操作信号Faがバルブコントローラ20aに対して出力される。
作業機レバー2が中立位置にある時、出力されるレバー操作信号Faは「0(ゼロ)」であって、ブーム11の速度が「0」となる。前方に傾倒させると、傾倒角度に応じた速度でブーム11が下降し、また、後方に傾倒させることにより、傾倒角度に応じた速度でブーム11が上昇する。このような制御は、以下のバルブコントローラ20aによって行われる。
バルブコントローラ20aは、作業機レバー2からのレバー操作信号Faに基づいてブーム11を動作させるとともに、これらの始動時及び停止時の揺れを抑制する機能を担っている。このようなバルブコントローラ20aは、マイクロコンピュータ等によって構成されており、通常では、油圧ショベル1のエンジン制御用及び油圧ポンプ制御用に搭載されたガバナ・ポンプコントローラの一部として組み込まれているが、本実施形態では、説明の便宜上単独で図示してある。
また、操作信号Fbが入力されるバケット13用のバルブコントローラ20b、及び操作信号Fcが入力されるアーム12用のバルブコントローラ20cも、略同様な機能及び構成を有しているが、ここではブーム11用のバルブコントローラ20aで代表して説明するため、各バルブコントローラ20b,20cの詳細な説明を省略する。
(2)バルブコントローラ20aの構造
具体的にバルブコントローラ20aは、図2に示すように、作業機レバー2からのレバー操作信号Faが入力されるレバー操作信号入力手段21と、このレバー操作信号入力手段21からの通常動作用の速度目標指令値V1が入力される目標指令値補正手段22と、この目標指令値補正手段22からの補正された速度目標指令値V2が入力される指令信号出力手段23と、RAM、ROM等からなる記憶部24とを備えている。
(2-1)レバー操作信号入力手段21の構成
レバー操作信号入力手段21は、それぞれコンピュータプログラム(ソフトウェア)からなる速度目標指令値演算手段211及び作業内容判定手段212を備えて構成されている。
図3Aは、通常動作用の速度目標指令値V1を説明するための図である。図3Bは、振動抑制用の速度目標指令値V1´を説明するための図である。
速度目標指令値演算手段211は、作業機レバー2からのレバー操作信号Faに基づき、ブーム11の通常動作用の速度目標指令値V1を演算して求める。この通常動作用の速度目標指令値V1は、例えば、作業機レバー2を前方に傾倒させた後、所定時間傾倒させた状態を維持し、この後に中立位置に戻すと、図3Aに示すように、時間との関係で台形状の信号波形を形成する。
つまり、図3Aにおいて、時刻T1にある時、作業機レバー2は中立位置にあって、ブーム11が停止しており、ここから作業機レバー2を前方に傾倒させると、T2に達するまでは、ブーム11が高位置から加速しながら下がり、作業機レバー2をそのまま維持させることにより、T2からT3の間においてブーム11が一定速度で下がり、ここから作業機レバー2を中立位置に戻すことで、T3からT4に至るまでの間でブーム11が減速しながら下がり、停止する。
作業内容判定手段212は、ブーム11を使用した作業の中で、特に定速度作業及び転圧作業を判定し、これらの作業の場合には、目標指令値補正手段22による処理を行わせず、通常動作用の速度目標指令値V1に基づいて、ブーム11を動作させるようにする機能を有している。
(2-2)目標指令値補正手段22の構成
目標指令値補正手段22は、本実施形態で最も特徴的な構成であり、やはりコンピュータプログラム(ソフトウェア)からなる振動特性決定手段221、急操作制限手段222、振動抑制手段223、ピーク値認識手段224、及び目標指令値合成手段225を備えて構成されている。
振動特性決定手段221は、関節角度θ1,θ2の入力により、ブーム11及びアーム12の姿勢に応じた振動数ω及び減衰率ζを決定する機能を有している。ここで、関節角度θ1,θ2は、ブーム11及びアーム12の姿勢変化に連動して所定の範囲で変化するが、関節角度θ1,θ2に対応したブーム11の振動数ω及び減衰率ζは、実際の車両を対象とした計測・計算によって予め求められており、記憶部24に格納されている。
従って、各関節角度θ1,θ2が入力されることで、これらに応じた振動数ω及び減衰率ζが記憶部24から即座に呼び出され、次の振動抑制手段223で用いられることになる。
急操作制限手段222は、作業機レバー2の急操作によりブーム11を急始動させたり、急停止させた場合の処理を行う機能を有している。
振動抑制手段223は、レバー操作信号Faから求められる通常動作用の速度目標指令値V1を、結果としてブーム11が振動しないような振動抑制用の速度目標指令値V1´に補正する機能を有している。これを図3A,Bで説明すると、図3Aに示すような通常動作用の速度目標指令値V1による信号波形を、図3Bに示すような振動抑制用の速度目標指令値V1´の信号波形に補正するのである。
具体的な振動特性の決定及び速度目標指令値V1´の補正演算は、次のロジックにより行われる。
(a)速度目標指令値V1´の演算の原理
EPCバルブ18から作業機10の動作に至るまでの特性は、作業機10の姿勢や作業機10の負荷(ペイロード)によって複雑に変化するものの、その前段で行っているバルブコントローラ20aの演算とは無関係に決まる特性である。
そこで、本実施形態では、簡単な演算で作業機10の振動の主要成分を除去するために、式(1)に示すような二次遅れ特性でEPCバルブ18から作業機10の動作に至る特性を近似している。また、以下の説明では、ブーム11を含む作業機10の振動特性を求めているが、これに限らず、図示しない車両本体の振動特性をも近似したものとなっている。
ここで、V1´はEPCバルブ18へ入力する速度目標指令値、Yは作業機10の出力、Sはラプラス演算子、ωとζは、姿勢やペイロードによって変化するパラメータである。
Figure 0005053457
EPCバルブ18から作業機10の動作に至る特性による残留振動を打ち消すため、作業機レバー2の入力からEPCバルブ18への入力までの間に演算器を挿入して、EPCバルブ18以前の箇所に式(1)の逆数を含むような特性を持たせるようにする。本実施形態では、例えば、以下の式(2)のような特性を採用している。
ここで、V1は、作業機レバー2からの目標指令値、V1´はEPCバルブ18へ入力する速度目標指令値、Sはラプラス演算子、ωとζは式(1)で用いたパラメータであり、ωは別途設定する定数である。
Figure 0005053457
このように、EPCバルブ18以降の特性をそれ以前の特性で打ち消すような構成をとれば、作業機レバー2の入力から作業機10の動作に至るまでの全体の特性は式(1)と式(2)の積となるので、以下の式(3)のように、作業機10の振動を除去することが可能となるのである。
ここで、V1は作業機レバー2からの目標指令値、V1´はEPCバルブ18へ入力する速度目標指令値、Yは作業機10の出力、Sはラプラス演算子であり、ωは別途設定する定数である。
Figure 0005053457
(b)逆特性演算の実現方法
上記の原理に基づいて振動抑制手段223は、逆特性となる速度目標指令値を以下の式(4)〜(7)により演算する。
ここで、V1は作業機レバー2からの速度目標指令値、V1´は振動抑制用の速度目標指令値である。また、作業機10のパラメータω、ζは既知であり、ωは適当に設定された定数、Δtはバルブコントローラ20aの演算刻み時間である。
Figure 0005053457
Figure 0005053457
Figure 0005053457
Figure 0005053457
このように式(5)で係数C0〜C2を、式(6)、(7)でF1とF2を計算して、これらを式(4)に代入すればEPCバルブ18への入力V1´を求めることができる。F1は、V1にフィルターをかけた値であり、F2は、F1にフィルターをかけた値である。
そして、振動抑制手段223は、EPCバルブ18への入力V1´を求めることにより、作業機レバー2のレバー操作信号Faから求められる通常動作用の速度目標指令値V1を、ブーム11が振動しないような振動抑制用の速度目標指令値V1´に補正することが可能となる。
このような補正演算を行うことにより、図3A,Bにおいて、作業機レバー2が中立位置にあり、ブーム11が停止している状態から、作業機レバー2を前方に傾倒させてブーム11を加速しながら下げると、作業機レバー2が中立位置から離れる方向へ動かされたことをトリガとして(T1)、振動特性決定手段221は、単位時間Δt毎の作業機10の姿勢に応じた振動数ω、減衰率ζを算出する。振動抑制手段223は、算出された振動数ω、減衰率ζを用いて、式(5)、(6)、(7)により、単位時間Δt毎のC0〜C2、F1、F2を算出し、式(4)により単位時間Δt毎に補正された振動抑制用の速度目標指令値V1´を算出する。
これにより、通常動作用の速度目標指令値V1は、例えば、図3BのようなカーブQ1、Q2、Q3からなる振動抑制用の速度目標指令値V1´のように補正される。時刻T1をトリガとして形成されたカーブQ1の部分では、振動抑制用の速度目標指令値V1´は通常動作用の速度目標指令値V1より大きく膨らむ方向に補正される。カーブQ1の頂点を過ぎてから時刻T2まではカーブQ3の部分であり、振動抑制用の速度目標指令値V1´は通常動作用の速度目標指令値V1より小さい値で、通常動作用の速度目標指令値V1の増加を追いかけるように補正される。そして、通常動作用の速度目標指令値V1が上限値に達した時刻T2をトリガとして形成されたカーブQ2の部分では、振動抑制用の速度目標指令値V1´は、通常動作用の速度目標指令値V1より小さくなる方向に膨らむように補正され、通常動作用の速度目標指令値V1が上限値に達する時刻T2よりも時間的に遅れて上限に達するようになる。
なお、ここでは便宜上カーブQ1〜Q3に分けて説明したが、いずれのカーブも式(5)、(6)、(7)及び式(4)によって連続的に算出されるものであるので、演算式の切替は必要ない。
一方、下降しているブーム11を停止させるために、作業機レバー2を中立位置に戻す場合においては、作業機レバー2が中立位置に近づく方向に動かされたことをトリガとして(T3)、前述と同様の演算が行われる。例えば、通常動作用の速度目標指令値V1は、カーブQ4、Q5、Q6からなる振動抑制用の速度目標指令値V1´のように補正される。時刻T3をトリガとして形成されたカーブQ4の部分では、振動抑制用の速度目標指令値V1´は、通常動作用の速度目標指令値V1よりも小さくなる方向に膨らむように補正される。カーブQ4の頂点を過ぎてから時刻T4まではカーブQ6の部分であり、振動抑制用の速度目標指令値V1´は、通常動作用の速度目標指令値V1より大きい値で通常動作用の速度目標指令値V1の減少を追いかけるように補正される。そして、通常動作用の速度目標指令値V1が0に達した時刻T4をトリガとして形成されたカーブQ6の部分では、振動抑制用の速度目標指令値V1´は、通常動作用の速度目標指令値V1より大きくなる方向に膨らむように補正され、通常動作用の速度目標指令値V1が0に達する時刻T4よりも時間的に遅れて作業機10の停止に至るようになる。
このとき、駆動装置19の動きに合わせてブーム11が動くことになる。そして、駆動装置19からブーム11までの間には作業油の圧縮性や配管の弾性などに起因する振動が加わることになるが、その振動成分は、振動抑制用の速度目標指令値V1´に基づきブーム11が動く際に相殺される。このため、ブーム11は振動することなくオペレータの要求通りに動作することになる。
なお、本実施形態では、通常動作用の速度目標指令値V1が台形状の信号波形となる場合について説明したが、例えば、T1からT2までの間において、中立位置から離れる方向への作業機レバー2の傾倒が一旦止められ、この後にさらに中立位置から離れる方向への傾倒が再開された場合や、T3からT4までの間において、中立位置に近づく方向への作業機レバー2の傾倒が一旦止められ、この後にさらに中立位置に近づく方向への傾倒が再開された場合のように、通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形が略凸状となる場合でも、傾倒が一旦止められた時点及び再開された時点で同様に補正される。通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形が階段状となる場合でも同様である。
図4は、通常動作用の速度目標指令値V1のピーク値を説明するための図である。
なお、図4において、信号波形S1は、作業機レバー2を中立位置から傾倒させ、再度、中立位置に戻す操作を短時間で行い、作業機10の微小な位置合わせを行う、いわゆるインチング操作による通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形を示している。また、図4において、略台形状の信号波形S2は、インチング操作以外の他のレバー操作による通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形を示しており、具体的には、作業機レバー2を中立位置から前述のインチング操作よりも大きく傾倒させ、再度、中立位置に戻す操作による通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形を示している。
ピーク値認識手段224は、レバー操作信号Faから求められる通常動作用の速度目標指令値V1を順次、入力し、通常動作用の速度目標指令値V1のピーク値を認識する。
例えば、ピーク値認識手段224は、入力した通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形がインチング操作による信号波形S1である場合には、図4に示すように、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じた際での速度目標指令値V(V1)をピーク値として認識する。
また、例えば、ピーク値認識手段224は、入力した通常動作用の速度目標指令値V1の信号波形が略台形状の信号波形S2である場合にも同様に、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じた際での速度目標指令値V(V2)をピーク値として認識する。
目標指令値合成手段225は、ピーク値Vに基づいて、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´を合成して、レバー操作に応じた速度目標指令値V2に補正する機能を有している。
具体的に、目標指令値合成手段225は、以下の式(8)によって、通常動作用の速度目標指令値V1及び振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率を定めるβを算出する。そして、目標指令値合成手段225は、算出したβを用いて、以下の式(9)によって、速度目標指令値V2を算出する。
ここで、Vmaxは、作業機レバー2を中立位置から機械的に傾倒できる最大傾倒角度に傾倒させた場合でのレバー操作信号Faに基づく速度目標指令値V1である。
Figure 0005053457
Figure 0005053457
式(8),(9)の解釈は、以下の通りである。
βは、式(8)に示すように、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が最大傾倒角度に近いほど、すなわち、ピーク値VがVmaxに近いほど、1に近い値となる。一方、βは、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が0(中立位置)に近いほど、すなわち、ピーク値Vが0に近いほど、0に近い値となる。
したがって、作業機レバー2によるレバー操作がインチング操作等であり、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が0(中立位置)に近い場合、すなわち、ピーク値認識手段224にて比較的に小さい速度目標指令値V1(図4)がピーク値として認識された場合には、式(8)により得られるβの値は、比較的に小さいもの(0に近い)となる。
一方、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が最大傾倒角度に近い場合、すなわち、ピーク値認識手段224にて比較的に大きい速度目標指令値V2(図4)がピーク値として認識された場合には、式(8)により得られるβの値は、比較的に大きいもの(1に近い)となる。
ここで、式(9)に示すように、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´を合成する際、通常動作用の速度目標指令値V1の合成比率は(1−β)であり、振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率はβである。
したがって、インチング操作等、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が0(中立位置)に近い場合には、振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率(β)が低く、逆に、通常動作用の速度目標指令値V1の合成比率(1−β)が高い状態で、各速度目標指令値V1,V1´が合成され、速度目標指令値V2が算出されることとなる。すなわち、上記の場合には、振動抑制手段223による振動抑制機能を弱めた状態で、速度目標指令値V2が算出されることとなる。
一方、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際の作業機レバー2の傾倒角度が最大傾倒角度に近い場合には、振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率(β)が高く、逆に、通常動作用の速度目標指令値V1の合成比率(1−β)が低い状態で、各速度目標指令値V1,V1´が合成され、速度目標指令値V2が算出されることとなる。すなわち、上記の場合には、振動抑制手段223による振動抑制機能を強めた状態で、速度目標指令値V2が算出されることとなる。
すなわち、目標指令値合成手段225は、レバー操作の状態に応じて振動抑制手段223による振動抑制機能の強弱を付け、速度目標指令値V2を算出する。
(2-4)指令信号出力手段23の構成
指令信号出力手段23は、補正された速度目標指令値V2に基づいて駆動装置19への指令信号(電流信号)Gを生成し、この指令信号Gをアンプ20A,20Aを介してEPCバルブ18に出力する機能を有している。EPCバルブ18は、この指令信号Gに基づいてメインバルブ17を構成するスプール17Aを移動させ、油圧シリンダ14への作動油の供給量を調整する。
(3)バルブコントローラ20aの作用
次に、図5のフローチャートも参照し、ブーム11の制御方法について説明する。
(a) ステップS1:先ず、オペレータによって作業機レバー2が操作されると、作業機レバー2からのレバー操作信号Faに基づき、レバー操作信号入力手段21の速度目標指令値演算手段211が通常動作用の速度目標指令値V1を演算する。
(b) ステップS2:目標指令値補正手段22の振動特性決定手段221は、関節角度θ1,θ2に応じた振動数ω及び減衰率ζを決定する。そして、振動特性決定手段221は、決定した振動数ω及び減衰率ζを、バルブコントローラ20aに設けられたRAM等のストレージにストアする。
(c) ステップS3:ここでは、振動抑制手段223により、通常動作用の速度目標指令値V1から振動抑制用の速度目標指令値V1´を演算する。
この際の演算には、ステップS2で得られ、RAM等のストレージにストアされた振動数ω、減衰率ζを用いて、前述した式(5)、(6)、(7)、及び式(4)により、振動抑制用の速度目標指令値V1´を求める。
(d) ステップS4:ここでは、目標指令値合成手段225により、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´が合成されて、レバー操作に応じた速度目標指令値V2を演算する。
具体的には、図6に示されるフローチャートに基づいて行われる。
なお、以下で説明するステップS4A,S4Bは、上述したステップS3と並列に処理されるステップであるが、説明の便宜上、ステップS3の後に行われる処理として記載する。
ステップS4A:先ず、ピーク値認識手段224は、レバー操作信号Faに基づく通常動作用の速度目標指令値V1を順次、入力し、通常動作用の速度目標指令値V1のピーク値Vを認識する。
ステップS4B:次いで、目標指令値合成手段225は、認識されたピーク値Vを用いて、前述した式(8)により、βを算出する。
ステップS4C:そして、目標指令値合成手段225は、算出したβを用いて、前述の式(9)により、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´を合成し、速度目標指令値V2を算出する。
(h) ステップS5:この後、指令信号出力手段23が起動し、補正された速度目標指令値V2を指令信号Gに変換してEPCバルブ18に出力する。
(i) ステップS6:EPCバルブ18からのパイロット圧により、メインバルブ17のスプール17Aが移動されると、指令信号出力手段23は、位置検出器17Bからフィードバックされる位置信号Eに基づいてスプール17Aの位置を監視し、スプール17Aが正確な位置を維持するように指令信号Gを出力する。
以上により、メインバルブ17からの油圧によってブーム11が駆動される。
(4)実施形態の効果
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
図7及び図8は、本実施形態の効果を説明するための図である。
ここで、図7及び図8において、横軸は時間を示し、縦軸はレバー操作信号Fa、速度目標指令値V1、油圧シリンダ14の実際の動作速度(シリンダ速度)をそれぞれ示している。
インチング操作等、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際のピーク値Vが小さい(0に近い)場合には、図7(A)に示すように、シリンダ速度も小さいので揺れは発生し難い。このような操作に対して振動抑制用の速度目標指令値V1´を適用すると、図7(B)に示すように、作業機レバー2が中立位置に戻ってから(レバー操作信号Faが0に戻ってから)シリンダ速度が0になるまでの間に時間差が生じ、作業機の停止流れとしてブーム11の微小な位置合わせを阻害する原因になる。
このような場合には、通常動作用の速度目標指令値V1のピーク値Vが小さいことから合成比率βを小さくして合成した速度目標指令値V2の挙動を通常動作用の速度目標指令値V1に近付ける。このようにすることで、図7(C)に示すように、作業機レバー2が中立位置に戻った際にシリンダ速度を略0として、ブーム11の停止流れを抑制することができる。
一方、他のレバー操作の場合等、通常動作用の速度目標指令値V1が減速に転じる際のピーク値Vが大きい(最大速度に近い)場合には、図8(A)に示すように、シリンダ速度が大きいため、停止直後に大きな振動が発生する。このような操作に対して振動抑制用の速度目標指令値V1´を適用すると、図8(B)に示すように、振動を抑制することができる。このとき、停止流れが発生するが、高速から急停止する操作は、微小な位置合わせを要求されないため、停止流れは問題にならない。
このような場合には、通常動作用の速度目標指令値V1のピーク値Vが大きいことから合成比率βを大きくして合成した速度目標指令値V2の挙動を振動抑制用の速度目標指令値V1´に近付ける。このようにすることで、図8(C)に示すように、作業機レバー2が中立位置に戻った際にシリンダ速度の振動を抑制することができる。
以上のように、作業機レバー2の操作状態(ピーク値Vの大小)に応じて振動抑制機能の強弱を付けることで、作業機10の振動を抑制しつつ、作業機の操作性を向上できる。
また、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´を合成するにあたり、式(8),(9)のような簡素な演算で実施できるため、バルブコントローラ20aの処理負荷を軽減できる。
加えて、本実施形態での最も特徴的な速度目標指令値演算手段211、及び目標指令値補正手段22は、ソフトウェアであるため、既存の油圧ショベル1のバルブコントローラ20aの内部に容易に組み込むことができ、コストアップを招くことなく、作業機10の振動を抑制しつつ、作業機の操作性を向上できる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施形態では、油圧ショベル1に対して本発明が適用されていたが、これに限らず、ホイールローダ、ブルドーザ等の他の建設機械に本発明を適用しても構わない。
前記実施形態では、通常動作用の速度目標指令値V1、及び振動抑制用の速度目標指令値V1´を合成するにあたり、式(8),(9)の演算で実施していたが、これに限らない。すなわち、ピーク値Vが大きくなるにしたがって、通常動作用の速度目標指令値V1の合成比率が低くなるとともに、振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率が高くなり、逆に、ピーク値Vが小さくなるにしたがって、通常動作用の速度目標指令値V1の合成比率が高くなるとともに、振動抑制用の速度目標指令値V1´の合成比率が低くなれば、他の演算式を採用しても構わない。
前記実施形態では、レバー操作信号Faが入力されるレバー操作信号入力手段21が構造上、バルブコントローラ20aの本体内に設けられていたが、このようなレバー操作信号入力手段21は、バルブコントローラ20aの機能の一部として構造上、作業機レバー2側に設けられていてもよく、このような場合では、レバー操作信号入力手段21から出力される通常動作用の速度目標指令値V1がバルブコントローラ20a本体の目標指令値補正手段22に直に入力されることになる。
前記実施形態では、関節角度θ1,θ2からブーム11の作業姿勢を判定し、これに基づいて振動数ωおよび減衰率ζを決定していたが、このような作業姿勢を油圧シリンダ14の油圧(負荷)によって判定し、この油圧に基づいて振動数ωおよび減衰率ζを決定してもよい。
また、振動数ω及び減衰率ζを作業姿勢や負荷によらぬ一定値に設定して、作業機の振動抑制を完全には行わない代わりに、関節角度センサや圧力センサを必要としない構成とすることにより、コストアップを小さくした構成としても構わない。
前記実施形態では、駆動装置19は、油圧シリンダ14や、これを油圧駆動するためのメインバルブ17を含んで構成されていたが、本発明に係る駆動装置としては、電気モータあるいは油圧モータを用いて作業機を動作させる構成であってもよい。
前記実施形態において、車両本体のみの振動特性に応じて建設機械全体の振動が抑制されるのであれば、作業機の振動特性によらずに本発明を実施してもよい。要するに、作業機及び/または車両本体といった建設機械の振動特性に応じて揺れや振動が抑制されれば、本発明に含まれる。
例えば、キャブが上昇、下降を行うパワーショベルのように、車体の重心が変動するような場合は、キャブの高さを検知するセンサからの信号を、振動特性の決定手段に入力することもできる。また、カウンタウェイトの脱着があった場合においては、ペイロードセンサにより脱着を検知し、その信号を同様に振動特性の決定手段に入力してもよい。
前記実施形態では、ブーム11の振動モデルとして、線形2次遅れモデルを採用したが、振動モデルとしてはこれに限定されず、ブーム11の振動を予め予測できるモデルであればよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザ等の建設機械に適用できる。
1…油圧ショベル(建設機械)、2…作業機レバー(操作手段)、10…作業機、19…駆動装置、20a…バルブコントローラ(制御装置)、22…目標指令値補正手段、23…指令信号出力手段、211…速度目標指令値演算手段、223…振動抑制手段、224…ピーク値認識手段、225…目標指令値合成手段、Fa…操作信号、G…指令信号、V1…通常動作用の速度目標指令値、V1´…振動抑制用の速度目標指令値、V2…補正された速度目標指令値。

Claims (3)

  1. 作業機と、前記作業機を操作する操作手段と、前記操作手段から入力された操作信号に基づいて前記作業機を制御する制御装置とを備えた建設機械において、
    前記制御装置は、
    前記操作信号に基づいて、前記作業機の通常動作用の速度目標指令値を生成する目標指令値演算手段と、
    前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値補正手段と、
    補正された速度目標指令値に基づいて、前記作業機を動作させる駆動装置に対して指令信号を出力する指令信号出力手段とを備え、
    前記目標指令値補正手段は、
    前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記作業機の振動の発生を抑制する振動抑制用の速度目標指令値を生成する振動抑制手段と、
    前記目標指令値演算手段にて順次、生成された前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値のピーク値を認識するピーク値認識手段と、
    前記ピーク値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値、及び前記振動抑制用の速度目標指令値を合成して、前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値合成手段とを備えることを特徴とする建設機械。
  2. 作業機と、前記作業機を操作する操作手段と、前記操作手段から入力された操作信号に基づいて前記作業機を制御する制御装置とを備えた建設機械の制御方法において、
    前記制御装置が、
    前記作業機を操作する操作手段から入力された操作信号に基づいて、前記作業機の通常動作用の速度目標指令値を生成する第1の目標指令値生成ステップと、
    前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記作業機の振動の発生を抑制する振動抑制用の速度目標指令値を生成する第2の目標指令値生成ステップと、
    前記第1の目標指令値生成ステップにて順次、生成した前記通常動作用の速度目標指令値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値のピーク値を認識するピーク値認識ステップと、
    前記ピーク値に基づいて、前記通常動作用の速度目標指令値、及び前記振動抑制用の速度目標指令値を合成して、前記通常動作用の速度目標指令値を補正する目標指令値合成ステップとを実行することを特徴とする建設機械の制御方法。
  3. 作業機と、前記作業機を操作する操作手段と、前記操作手段から入力された操作信号に基づいて前記作業機を制御する制御装置とを備えた建設機械の前記制御装置に、請求項2に記載の建設機械の制御方法を実行させることを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
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