JP5050728B2 - ポリエーテルイミド樹脂組成物 - Google Patents
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1.(a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリエーテルイミド樹脂99〜60重量%、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜40重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物を0.1〜10重量部配合してなるポリエーテルイミド樹脂組成物であって、そのモルフォロジー(相構造)において、前記(a)ポリエーテルイミド樹脂が連続相(海相)を形成し、前記(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂が数平均分散粒子径1000nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造あることを特徴とするポリエーテルイミド樹脂組成物、
2.(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物が、イソシアネート基含有アルコキシシランである上記1に記載のポリエーテルイミド樹脂組成物、
3.(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂の数平均分散粒子径が、500nm以下であることを特徴とする上記1〜2のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物、
4.さらに(d)無機フィラーを、前記(a)ポリエーテルイミド樹脂と(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計100重量部に対し、0.0001〜50重量部配合してなる上記1〜3のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物、
5.射出成形することにより得られるASTM4号ダンベル成形片(厚さ1.6mm)の引張伸び(ASTM D638法に準じてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、40%を超えることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物、
6.(a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリエーテルイミド樹脂99〜60重量%、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜40重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物を、0.1〜10重量部配合してなるポリエーテルイミド樹脂組成物の製造方法であって、(a)、(b)および(c)からなるポリエーテルイミド樹脂組成物を溶融混練した後、さらに一回以上溶融混練することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物の製造方法、
7.上記1〜5のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物からなる成形品、
である。
本発明で用いられる(a)ポリエーテルイミド樹脂とは、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーであり、溶融成形性を有するポリマーで有れば特に限定されない。また、本発明の効果を阻害しない範囲で有れば、ポリエーテルイミドの主鎖に環状イミド、エーテル結合以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されていても良い。
本発明で用いられる(b)PPS樹脂は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、
ポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ-p-キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
スルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
重合溶媒としては有機極性溶媒を用いるのが好ましい。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
生成する(b)PPS樹脂の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
比較的高重合度の(b)PPS樹脂をより短時間で得るために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られる(b)PPS樹脂の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩、水、およびアルカリ金属塩化物が好ましく、さらに有機カルボン酸塩としてはアルカリ金属カルボン酸塩が、アルカリ金属塩化物としては塩化リチウムが好ましい。
重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
(b)PPS樹脂の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。
有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることにより(b)PPS樹脂を製造する。
(A)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(B)上記(A)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
(b)PPS樹脂の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。(b)PPS樹脂は、公知の如何なる回収方法を採用しても良い。
(b)PPS樹脂は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
本発明では安定した高い靱性の発現を目的として、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物を、相溶化剤として添加することが必要である。
本発明のPEI樹脂組成物には、必須成分ではないが、本発明の効果を損なわない範囲で(d)無機フィラーを配合して使用することも可能である。かかる(d)無機フィラーの具体例としてはガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、あるいはフラーレン、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、シリカ、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材が用いられ、なかでもガラス繊維、シリカ、炭酸カルシウムが好ましく、さらに炭酸カルシウムやシリカが、防食材、滑材の効果の点から特に好ましい。またこれらの(d)無機フィラーは中空であってもよく、さらに2種類以上併用することも可能である。また、これらの(d)無機フィラーをイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。中でも炭酸カルシウムやシリカ、カーボンブラックが、防食材、滑材、導電性付与の効果の点から好ましい。
さらに、本発明のPEI樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、PPS樹脂以外の樹脂を添加配合しても良い。その具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、エチレン/ブテン共重合体などのエポキシ基を含有しないオレフィン系重合体、共重合体などが挙げられる。
溶融混練は、単軸、二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に供給して(b)PPS樹脂の融解ピーク温度+5〜100℃の加工温度で混練する方法などを代表例として挙げることができるが、(b)PPS樹脂の分散をより細かくするには、二軸の押出機を使用し、せん断力を比較的強くすることが好ましい。具体的には、L/D(L:スクリュー長さ、D:スクリュー直径)が20以上であり、ニーディング部を2箇所以上有する二軸押出機を使用し、スクリュー回転数を100〜500回転/分として、混合時の樹脂温度が(b)PPS樹脂の融解ピーク温度+10〜70℃となるように混練する方法などを好ましく用いることができる。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、これと更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後、2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも勿論可能である。
住友−ネスタール射出成形機SG75を用い、樹脂温度350℃、金型温度150℃でASTM4号ダンベル片(厚さ1.6mm)を成形した。
測定にはテンシロンUTA2.5T引張試験機を用い、ASTM D638法に準じてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minとして測定を行った。
ASTM4号ダンベル試験片の中央部を樹脂の流れ方向に対して直角方向に切断し、その断面の中心部から、−20℃で0.1μm以下の薄片を切削し、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡(分解能(粒子像)0.38nm、倍率50〜60万倍)にて、1万〜2万倍に拡大してPPS樹脂の分散粒径を測定した。
“ウルテム” 1010 GE社製
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム861.00g(10.5モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
表1の実施例1〜3に示す各成分をそれぞれ表1に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型二軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。130℃で一晩乾燥したペレットを射出成形に供し、各成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
表1の実施例4に示す各成分を、表1の実施例4に示す割合でドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。次いで、このペレットを再び上記した同様の条件で溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットについて、実施例1と同様に射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を実施した。結果は表1に示すとおりであった。
PPS−1(70重量%)、PEI−1(30重量%)、相溶化剤C−1(PPS−1とPEI−1の合計100重量部に対して3重量部)をドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。次いでこのペレットに、表1の実施例5に示す各成分が、表1の実施例5に示す割合になるようにPEI−1をブレンドした後、上記した同様の条件で溶融混練して、ストランドカッターによりペレット化した。それ以外は、実施例1と同様に射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
PPS−1(70重量%)、PEI−1(30重量%)、相溶化剤C−1(PPS−1とPEI−1の合計100重量部に対して3重量部)をドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。次いでこのペレットに、表1の実施例6に示す各成分が、表1の実施例6に示す割合になるようにPEI−1をブレンドした後、上記した同様の条件で溶融混練して、ストランドカッターによりペレット化した。それ以外は、実施例1と同様に射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
PPS−2(70重量%)、PEI−1(30重量%)、相溶化剤C−1(PPS−1とPEI−1の合計100重量部に対して3重量部)をドライブレンドした後、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。次いでこのペレットに、表1の実施例7に示す各成分が、表1の実施例7に示す割合になるようにPEI−1をブレンドした後、上記した同様の条件で溶融混練して、ストランドカッターによりペレット化した。それ以外は、実施例1と同様に射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおりであった。
表1に示すように(b)PPS、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物またはエポキシ基を2個以上含む化合物を配合しない以外は、実施例1と同様に、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。130℃で一晩乾燥したペレットを射出成形に供し、成形片の引張破断伸びを測定した。結果は表1に示すとおり、実施例1に比べ引張伸びが低い結果であった。
表1に示すように(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物またはエポキシ基を2個以上含む化合物を配合しない以外は、実施例1と同様に、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。130℃で1晩乾燥したペレットを射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおり、実施例1〜2に比べ島成分の分散径が大きく、引張伸びが著しく低い結果であった。
溶融混練を、真空ベントを具備した田辺プラスチックス機械(株)社製、40mmφ単軸押出機を用い、設定温度300℃、スクリュー回転数80rpmで行った以外は実施例1と同様にペレット化し、評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。実施例1に比べ引張伸びが著しく低く、島成分の分散径が大きかった。
表1に示すように(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物またはエポキシ基を2個以上含む化合物の代わりとして、それぞれC−3、C−4を選択した以外は、実施例1と同様に、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。130℃で1晩乾燥したペレットを射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおり、実施例1、2に比べ引張伸びが低く、島成分の分散径が大きかった。
無機フィラーD−1の添加量を60重量部とした以外は、実施例3と同様に、真空ベントを具備した日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機(L/D=45.5、ニーディング部5箇所)を用い、スクリュー回転数300rpmにて、ダイス出樹脂温度が330℃となるようにシリンダー温度を設定して溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。130℃で1晩乾燥したペレットを射出成形に供し、成形片の引張破断伸び、島成分の分散径を測定した。結果は表1に示すとおり、実施例3に比べ引張伸びが低かった。
Claims (7)
- (a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリエーテルイミド樹脂99〜60重量%、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜40重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物を0.1〜10重量部配合してなるポリエーテルイミド樹脂組成物であって、そのモルフォロジー(相構造)において、前記(a)ポリエーテルイミド樹脂が連続相(海相)を形成し、前記(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂が数平均分散粒子径1000nm以下で分散した分散相(島相)を形成した海−島構造であることを特徴とするポリエーテルイミド樹脂組成物。
- (c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物が、イソシアネート基含有アルコキシシランである請求項1に記載のポリエーテルイミド樹脂組成物。
- (b)ポリフェニレンスルフィド樹脂の数平均分散粒子径が、500nm以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物。
- さらに(d)無機フィラーを、前記(a)ポリエーテルイミド樹脂と(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計100重量部に対し、0.0001〜50重量部配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物。
- 射出成形することにより得られるASTM4号ダンベル成形片(厚さ1.6mm)の引張伸び(ASTM D638法に準じてチャック間距離64mm、引張速度10mm/minで測定)が、40%を超えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物。
- (a)と(b)の合計を100重量%として、(a)ポリエーテルイミド樹脂99〜60重量%、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜40重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対して、(c)イソシアネート基を1個以上含む化合物および/またはエポキシ基を2個以上含む化合物を、0.1〜10重量部配合してなるポリエーテルイミド樹脂組成物の製造方法であって、(a)、(b)および(c)からなるポリエーテルイミド樹脂組成物を溶融混練した後、さらに一回以上溶融混練することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエーテルイミド樹脂組成物からなる成形品。
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