JP5049695B2 - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレン系重合体組成物に関する。詳しくは特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体をベース樹脂として、これに光輝剤と、要すれば更に着色剤を含有させて、ウエルドが目立たず、発色性が良好で、優れたメタリック調外観を有する成形品が得られるプロピレン系重合体組成物に関する。
ポリプロピレン樹脂は、比較的安価で優れた特性を有することから、自動車部品、家電部品、事務用品、衛生用品、スポーツ用品、建築用品、装飾用品など多岐の分野にわたって使用されているが、メタリック調外観が求められる自動車部品などでは、メタリック調の塗料を用いて塗装処理を施されている。しかし、塗装処理には多くの工程や労力と高価な設備、塗料などの費用がかかり、部品単価が増大しコストアップの要因となっている。現在では、製造工程の簡略化や環境負荷の低減を考慮して、無塗装で良好なメタリック調外観を示すポリプロピレン樹脂成形品およびポリプロピレン樹脂材料が求められている。
無塗装化に対応する材料として、ポリプロピレン樹脂に顔料と光輝剤を練り込んだ樹脂組成物が提案されている。しかしながら、顔料と光輝剤を単に練り込むだけでは、成形品のメタリック感、質感は塗装処理品に及ばない。
さらに、光輝剤を練り込んだポリプロピレン樹脂材料は、ウエルドラインやフローマークなどの成形不良が目立ちやすくなる傾向があることから、バンパー、インスツルメントパネル等自動車向けなどの大型部品へ使用することは困難な状況にあった。
優れたメタリック調外観を得る方法として、光輝剤を含有するポリプロピレン系樹脂組成物をキャビティ内表面に断熱層を設けた金型を用いて射出成形する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特殊な断熱層を設けた射出成形金型を用いる関係上、金型を冷却するために時間を要し、成形サイクルが長くなるという欠点があった。
また、ウエルドラインの発生を抑制し、優れたメタリック調外観を得る方法として全光線透過率が25〜65%であり、樹脂成分100重量%中、ナイロン60〜95重量%と、ポリプロピレン樹脂5〜40重量%とよりなる組成物で光輝剤の配向ムラを防止する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながらポリプロピレン樹脂が少ないと光輝剤の配向ムラを覆い隠すことができず、一方ポリプロピレン樹脂が多いと高輝感が損なわれるとしており、ポリプロピレン樹脂主体の材料には適用できない。
特開2000−313747号公報 特開2000−71274号公報
そこで本発明は、ウエルドが目立たず、発色性が良好で、優れたメタリック調外観を有する成形品が得られるポリプロピレン系樹脂材料を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨は、メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1〜200g/10分、板厚2mmの成形品としたときの、投光角度0°、受光角度0°における光線透過率が5%以上60%以下、DSC測定により求められる結晶化温度(TC)が80〜120℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対して、平均粒径が5〜200μmのアルミニウムフレークである光輝剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とするプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、α−オレフィン含有量が1〜5重量%である前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、融点(TM)が、115〜150℃である前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対して、黒色系、白色系、青色系、赤色系、黄色系、緑色系着色剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の着色剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする前記のプロピレン系重合体組成物に存する。
また、本発明の他の要旨は、前記のプロピレン系重合体組成物からなる成形体に存する。
本発明のプロピレン系重合体組成物を構成するベースは、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であり、基本的に透明性に優れており、結晶化温度を制御している。光輝剤を配合して重合体組成物とし射出成形等により成形品としたものは、ウエルドが目立たず発色性が良好で、優れたメタリック調外観が得られるので各種の自動車部品用用途に有効である。
本発明のプロピレン系重合体組成物を構成するプロピレン系重合体としては、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が用いられる。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンから得られる構造単位が100〜90重量%(ただし100重量%を除く)、好ましくは99〜95重量%、より好ましくは98〜96重量%、α−オレフィンから得られる構造単位が0〜10重量%(ただし0重量%を除く)、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%の割合で含有されていることが好ましい。上記プロピレンと共重合されるコモノマーのα−オレフィンとしては、エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンなどが挙げられ、具体的には、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。α−オレフィンは2種以上を併用することもできる。コモノマーの構造単位が上記範囲内にあると、実用上良好な剛性を保つことができる。好ましくは、プロピレン・エチレンランダム共重合体である。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体中のプロピレンから得られる構造単位、及び、α−オレフィンから得られる構造単位は、13C−NMR(核磁気共鳴法)を用いて測定される値である。具体的には、日本電子社製FT−NMRの270MHzの装置により測定される値である。
本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、その光線透過率が5%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上のものである。光線透過率の数値は本発明において最も重要な技術的側面を有する。光線透過率が5%未満では高輝感が損なわれる。一方、上限値は大きいほど、つまり100%に近いほど外観は良いが製造上の制限もあり、現実的には上限値60〜80%程度が採用される。
この光線透過率の測定には、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の試料を射出成形にて成形温度220℃、金型温度は40℃で、成形してなる板厚2mmの平板を用いる。金型表面は鏡面(ペーパ#1000研磨の後、約10μmの硬質クロームメッキを施し、更にバフ研磨#3000により鏡面仕上げ)となっており、金型材質は、大同特殊鋼社製、プリハードン鋼「NAK80」であり、硬度はHRC40である。
光源としてC光源(国際照明委員会で定めた標準の光C)(ハロゲンランプ)を使用し、測定平板の真上より投光(投光角度0°)し、受光角度が0°における光線透過率として測定されるものであり、全光線透過率(いわゆるヘイズ)とは異なるものである。まっすぐ(サンプル平板の成形品表面に対して直角)の透過光のみを用いた透過率であり、散乱透過光を測定対象としていないので高輝感との対応関係に優れている。具体的には、変角光度計(例えば、日本電色工業社製 GC 5000L)を用いて測定することができる。
また、本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体はウエルド外観を考慮すると、結晶化温度(TC)は80〜120℃、好ましくは、85〜110℃のものが用いられる。結晶化温度がこの範囲にあるものは、剛性や耐熱性が優れるが、上記未満では剛性や耐熱性が低下する、一方、それを超える場合はウエルドラインが目立つ。なお、結晶化温度の測定は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させた時の結晶化最大ピーク温度として測定したものである。結晶化温度(TC)は光輝剤を含まない状態のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を対象として測定されたものである。結晶化温度が上記範囲にあることにより、成形時、ウエルドが発生する部分に十分な樹脂圧を与えることができるため、ウエルドがなくなるか、目立たなくなると考えられる。
また、本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は耐熱性や剛性を考慮すると、融点(TM)は120〜140℃が好ましく、125〜135℃がより好ましい。この融点は、共重合モノマーの含有量の増減などにより調節可能である。なお、融点は示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DSC6200)を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、50℃から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させ1分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求めた。融点(TM)は光輝剤を含まない状態のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を対象として測定されたものである。
本発明のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、そのメルトフローレート(MFR)が、1〜200g/10分、特に10〜100g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲を上回ると衝撃強度が不足する傾向があり、MFRが上記範囲を下回るとウエルドが目立ちやすくなる傾向がある。なお、MFRは、JIS−K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定したものである。
本発明における光輝剤としては、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に混合した際、着色剤と共存、または単独で金属感(メタリック調)を発現する性質を有する物質が該当する。具体的には、アルミニウム等の金属フレーク;アルミニウム箔、蒸着アルミニウム箔等の金属箔;天然または合成雲母に酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコートしたパールマイカ、金属酸化物の皮膜層の厚みを変化させ基材と皮膜の屈折率差を利用し、反射光の干渉を発色に利用する干渉マイカ、酸化鉄などの有色酸化物で被覆した着色マイカ等;銅粉、亜鉛粉、フロンズ粉、ステンレス粉、アルミニウム粉等の金属粉;金属、合金又はその酸化物(具体的には金、銀、銀合金、真鍮、ブロンズ、チタン、二酸化チタンなど)を被覆したガラスフレーク等が挙げられる。好ましくは、金属フレーク、パールマイカ、干渉マイカ、及び金属被覆したガラスフレークであり、より好ましくはアルミニウムフレークである。
光輝剤の形状としては、フレーク状、粉状などがあるが、特にフレーク状であるものが好ましい。さらにその平均粒径が5〜200μm、特に40〜90μmであることが好ましい。光輝剤の平均粒径が5μm未満では、高輝感が不充分であり、平均粒径が200μmを超えると、逆に高輝感がなくなり、高級な質感が損なわれる場合がある。又衝撃性能も低下するので好ましくない。なお、光輝剤の平均粒径の測定はレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて行われる。
本発明において、光輝剤の配合量は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部あたり、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部、特に0.2〜2重量部含んでいる。そうでないと金属感が損なわれる恐れがある。光輝剤はプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に直接配合することもできるが、光輝剤の取り扱いや配合の操作性からマスターバッチの形態で使用することが好ましい。例えば、ポリエチレンワックス、ポリエチレン等をマトリックス成分としたアルミニウムフレーク含有量20〜80重量%のマスターバッチを利用できる。光輝剤の配合量が上記範囲未満ではメタリック調外観の発現が不十分である。また、光輝剤の配合量が上記範囲を超えると光輝剤の添加効果が飽和するうえに機械的物性が低下する。
本発明において、光輝剤を含有するプロピレン系重合体組成物は、光輝剤に由来するそれ固有の色相を示すが、用途に応じて適宜に着色剤を使用することができる。係る着色剤としては、黒色系のカーボンブラック、鉄黒;白色系の酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白;青色系の紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ;赤色系の弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ローダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ;黄色系の黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー;緑色系のクロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ;橙色系のクロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ;茶系の亜鉛フェライト;紫色系のマンガン紫、コバルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット等を挙げることができる。
プロピレン系重合体組成物における上記着色剤の配合量は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。着色剤の配合量が上記範囲未満では隠蔽性不足と調色が難しいといった問題が生じるおそれがある。また、着色材の配合量が上記範囲を超えると物性が低下する場合がある。
本発明のプロピレン系重合体組成物はその他の任意成分として、無機充填材、エラストマー(ゴム成分)、変性ポリオレフィン、他のポリプロピレン樹脂、各種添加剤成分を含有することができる。
無機充填材としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、繊維状チタン酸カリウム、繊維状マグネシウムオキサルフェート、繊維状ホウ酸アルミニウムなどのウィスカー類及び炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラス繊維を用いるのが好ましい。
エラストマー(ゴム成分)としては、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム、その他のエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合ゴム等のポリオレフィン系ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合ゴムの水添物(SEBS:スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合ゴム)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合ゴムの水添物(SEPS:スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合ゴム)等のスチレン系ゴムを挙げることができる。
変性ポリオレフィンとは、官能性をもつオレフィン系樹脂である。官能性を付与することで、光輝剤、無機充填材、特にガラス繊維とプロピレン系樹脂との親和性が改善され機械的物性が向上する。オレフィン系樹脂としては、本発明の主体となるプロピレン系重合体以外のもので、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられ、好ましくはポリプロピレンが挙げられる。かかるオレフィン系樹脂に官能基を有する化合物を反応させて変性することにより、官能性を付与することができる。
官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。かかる官能基を有する化合物としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、これらの酸無水物が挙げられる。特に無水マレイン酸等が用いられる。これらの不飽和カルボン酸又はその誘導体による酸変性率としては、好ましくは0.1〜10重量%である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上をはかるために、各種添加剤成分を適宜配合することができる。具体的には、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、発泡剤などを挙げることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物は、上記した各配合成分を上記配合割合で配合・混合し、溶融混練することにより製造することができる。この際、重合体組成物の製造に係る公知の方法を用いることができる。例えば、溶融混練は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練・造粒することができる。この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を用いて行われる。この混練・造粒の際には、上記各成分の配合物を同時に混練してもよく、マスターバッチを用いる混合法も有効に利用できる。
本発明のプロピレン系重合体組成物を用いて、各種成形法によって目的とする成形体とすることができる。たとえば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などにより、それぞれ射出成形体、押出成形体、ブロー成形体などにすることができる。射出成形法では金型の転写性が優れる理由により、より優れたメタリック調が発現されるので、射出成形体が好ましい。本発明の成形体は外装部品、内装部品、ランプハウジング等の自動車部品などの用途に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の測定方法は下記の通りである。
1.結晶化温度(TC):本文記載の方法
2.融点(TM):本文記載の方法
3.メルトフローレート(MFR):本文記載の方法
4.光線透過率:
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を射出成形にて板厚2mmの平板を成形温度220℃、金型温度は40℃で、成形した試験片について、変角光度計(日本電色工業社製 GC 5000L)を用いて投光角度0°(試験片に対して法線方向)、受光角度0°で測定した。なお、この際のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体には酸化防止剤0.05重量%は配合しているものの、光輝剤、着色剤、無機充填材は含まれておらず、試験片の製造条件は以下の通りである。
成形条件
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS170
型締め力:170トン
金型:100mm×358mm×2.0mm、鏡面仕上げ(硬質クロムメッキ後、バフ研磨:研磨剤#3000)
シリンダー温度:185/220/220/210℃(ノズル)
金型温度:40℃
充填時間:4秒
射出圧力:80MPa
保圧圧力:60MPa
背圧:1.2MPa(ゲージ圧)
冷却時間:20秒
5.高輝感(メタリック調外観):
光輝剤を含むプロピレン系重合体組成物の試験片を用いて、目視にてキラキラ感を評価した。試験片は射出成形により製造した。詳細については後述する。
判断基準 ○:深みのあるキラキラ感
×:キラキラ感少ない
6.ウエルド外観:
上記5で用いたものと同一の試験片を用いて、目視にてウエルドラインの目立ちやすさを評価した。
判断基準 ○:ウエルドラインが目立ちにくい
×:ウエルドラインが明確に見える
[実施例1〜5,比較例1〜5]
1.原料プロピレン系重合体の調達
市販品の中から、メタロセン触媒又はチーグラー触媒を用いて製造された各種の材料を選択して使用した。各材料(PP−1〜8)の一般名称、物性、販売者名及び商品名を表1に示す。また、各材料について、MFR、結晶化温度(TC)及び融点(TM)の測定結果を表1に示す。
2.光輝剤、着色剤、無機充填材として、下記を使用した。
(1)光輝剤
東洋アルミニウム社製、メタリックマスターバッチ、TPK178GK−M(アルミニウムフレーク含量20重量%)、平均粒径60μm
(2)着色剤
黒色顔料:三菱化学社製、カーボンブラック#30、粒子径30nm
(3)無機充填材
タルク:日本タルク社製、ミクロンエースC−3
3.試験片の製造
上記各原材料を表2に示す割合で、配合したプロピレン系重合体組成物に対して、更に、プロピレン系重合体100重量部あたり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名「IRGANOX1010FP」、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.10重量部、リン系酸化防止剤(商品名「IRGAFOS168」、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.05重量部、ステアリン酸カルシウム(商品名「カルシウム・ステアレート」、日東化成工業社製)0.05重量部をそれぞれ配合し、ヘンシェルミキサーにて予備混合した。次いで、二軸押出機を用いて樹脂温度210℃で溶融混練を行い、ポリプロピレン重合体組成物を得た。該重合体組成物を用いて射出成形により試験片(板厚3mm)を得た。
成形条件
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS170
型締め力:170トン
金型:100mm×358mm×3mm、鏡面仕上げ(硬質クロムメッキ後、バフ研磨:研磨剤#3000)、ゲートより40mm位置に短辺方向に30mm×30mmの開孔部有り。
シリンダー温度:185/220/220/210℃(ノズル)
金型温度:40℃
充填時間:4秒
射出圧力:80MPa
保圧圧力:60MPa
背圧:1.2MPa(ゲージ圧)
4.試験片による評価
上記試験片(板厚3mm)を用いて、高輝感及びウエルド外観を評価した。結果を表2に示した。実施例1〜5においてはいずれも、得られた試験片には深みのあるキラキラ感があり高輝感は良好であり、かつウエルドラインが目立ちにくく、外観は良好であった。一方、比較例1、2、4、5においては、キラキラ感少なく、高輝感に劣るものであった。又、比較例3、4はウエルドが目立ち外観が劣った。
Figure 0005049695
Figure 0005049695

Claims (5)

  1. メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が1〜200g/10分、板厚2mmの成形品としたときの、投光角度0°、受光角度0°における光線透過率が5%以上60%以下、DSC測定により求められる結晶化温度(TC)が80〜120℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対して、平均粒径が5〜200μmのアルミニウムフレークである光輝剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とするプロピレン系重合体組成物。
  2. プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、α−オレフィン含有量が1〜5重量%である請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物。
  3. プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、融点(TM)が、115〜150℃である請求項1又は2に記載のプロピレン系重合体組成物。
  4. プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対して、黒色系、白色系、青色系、赤色系、黄色系、緑色系着色剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の着色剤0.01〜10重量部を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のプロピレン系重合体組成物からなる成形体。
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