JP5047011B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁と、吸気ポートに燃料を噴射するポート燃料噴射弁を有する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来のこの種の内燃機関の燃料噴射制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この内燃機関では、高回転高負荷時に筒内燃料噴射弁による筒内噴射が行われ、それ以外のときにポート燃料噴射弁によるポート噴射が行われる。筒内燃料噴射弁およびポート燃料噴射弁から噴射すべき燃料の噴射量は、吸入空気量および内燃機関の回転数に応じて算出される。また、この燃料噴射制御装置では、ポート噴射から筒内噴射に噴射モードを切り替える際、ポート燃料噴射弁によるポート噴射量を漸減させながら、筒内燃料噴射弁による筒内噴射量を漸増させ、それにより、噴射モードの切替時におけるトルクの変動を抑制するようにしている。
しかし、ポート噴射および筒内噴射の実行中には、噴射された燃料が、吸気ポートや気筒内の壁面に付着した後、次回以降の燃焼サイクルでの燃焼に用いられる、いわゆる燃料の輸送遅れが生じる。これに対して、従来の燃料噴射制御装置では、筒内噴射量およびポート噴射量を、吸入空気量および内燃機関の回転数に応じて算出するにすぎず、燃料の輸送遅れが反映されないため、気筒内で燃焼に実際に用いられる燃料量を適切に制御できない。このような問題は、噴射モードをポート噴射から筒内噴射に切り替えた際に、特に顕著になる。すなわち、筒内噴射への切替直後には、それまでにポート燃料噴射弁から噴射され、吸気ポートの壁面に付着していた燃料が気筒内にもっぱら持ち去られる状態になるなどのため、持去り率は高くなる。これに対して、従来の燃料噴射制御装置では、ポート噴射による噴射量を漸減させながら、筒内噴射による噴射量を漸増させるだけなので、気筒内に供給される燃料量が過剰になることで、空燃比がリッチ側に大きく変動し、それにより、トルクの変動も大きくなってしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、噴射モードを筒内噴射モードに切り替えた際、燃料の挙動を良好に反映させながら、気筒内に供給される燃料量を適切に制御でき、それにより、空燃比の安定化やトルクの変動の抑制を図ることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
特開2005−220887号公報
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、気筒3a内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁6と、吸気ポート3fに燃料を噴射するポート燃料噴射弁8を有し、噴射モードを、筒内燃料噴射弁6から燃料を噴射する筒内噴射モードと、ポート燃料噴射弁8から燃料を噴射するポート噴射モードに切り替えて運転される内燃機関3の燃料噴射制御装置1であって、噴射モードをポート噴射モードから筒内噴射モードに切り替えた際、当該切替の直後に、気筒3a内の壁面に付着した筒内付着燃料量(実施形態における(以下、本項において同じ)付着燃料量GWP)を一旦、0にリセットするとともに、その後に筒内燃料噴射弁6から噴射され、気筒3a内の壁面に付着した燃料量を、筒内付着燃料量として算出する筒内付着燃料量算出手段(ECU2、図11のステップ74、図9のステップ53、54)と、算出された筒内付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて持ち去られる筒内持去り燃料量(DI持去り燃料量GWPCADI)を算出する筒内持去り燃料量算出手段(ECU2、図8のステップ43)と、筒内噴射モードに切り替えた際、当該切替の直前に吸気ポート3fの壁面に付着していたポート付着燃料量GWPPのうちの、次回の燃焼サイクルにおいて気筒3a内に持ち去られるポート持去り燃料量(切替持去り燃料量GWPCAP)を算出するポート持去り燃料量算出手段(ECU2、図8のステップ44)と、内燃機関3の運転状態(エンジン回転数NE、要求トルクPMCMD)を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ21、アクセル開度センサ24)と、検出された内燃機関3の運転状態に応じて、内燃機関3に供給すべき要求燃料量GCYLを算出する要求燃料量算出手段(ECU2、図3のステップ1)と、筒内噴射モードに切り替えた際、算出された要求燃料量GCYLに基づき、算出された筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量に応じて、筒内燃料噴射弁6から噴射すべき筒内正味噴射量(DI正味噴射量GCYLNEDI)を決定する筒内正味噴射量決定手段(ECU2、図3のステップ6)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、噴射モードが、筒内燃料噴射弁から気筒内に燃料を噴射する筒内噴射モードと、ポート燃料噴射弁から吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射モードに切り替えられる。噴射モードがポート噴射モードから筒内噴射モードに切り替えられた際には、当該切替の直後に、気筒内の壁面に付着した筒内付着燃料量を一旦、0にリセットするとともに、その後に筒内燃料噴射弁から噴射され、気筒内の壁面に付着した燃料量を、筒内付着燃料量として算出する。そして、算出された筒内付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて持ち去られる筒内持去り燃料量を算出するとともに、当該切替の直前に吸気ポートの壁面に付着していたポート付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて気筒内に持ち去られるポート持去り燃料量を算出する。
以上のように、噴射モードを筒内噴射モードに切り替えた際に、筒内持去り燃料量とポート持去り燃料量を別個に算出するのは、以下の理由からである。すなわち、ポート噴射モードから筒内噴射モードに切り替えられた直後には、吸気ポートの壁面に付着した燃料の持去り率が大きくなることが判明した。その理由は、筒内噴射モードへの切替直後には、それまでにポート燃料噴射弁から噴射され、吸気ポートの壁面に付着していた燃料が気筒内にもっぱら持ち去られる状態になるためである。また、ポート燃料噴射弁から噴射された燃料には、直接、気筒内に流入するものと吸気ポートの壁面に付着するもの以外に、吸気ポートの壁面でバウンドし、それに付着せずに残留するものがあり、そのように残留した燃料が気筒内に遅れて流入することで、見掛けの持去り量が増大するためである。このような観点から、筒内噴射モードへ切り替えた際に、筒内持去り燃料量とポート持去り燃料量を互いに独立して算出することによって、切替直後における持去り率の相違に見合った筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量を適切に算出することができる。
また、本発明によれば、噴射モードを筒内噴射モードに切り替えた際には、内燃機関の運転状態に応じて算出された要求燃料量に基づき、上述したようにして算出した筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量を用いて、筒内燃料噴射弁から噴射すべき筒内正味噴射量を決定するので、燃料の挙動を良好に反映させながら、気筒内に供給される燃料量を適切に制御することができる。その結果、空燃比の安定化やトルクの変動の抑制を図ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、筒内持去り燃料量算出手段は、筒内付着燃料量と筒内持去り率(持去り率B)との積に基づいて筒内持去り燃料量を算出し、ポート持去り燃料量算出手段は、ポート付着燃料量と筒内持去り率と異なるポート持去り率(モード切替時用持去り率BP)との積に基づいて、ポート持去り燃料量を算出することを特徴とする。
この構成によれば、筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量の算出にそれぞれ用いられる筒内持去り率およびポート持去り率が互いに異なる値に設定されるので、筒内持去り率およびポート持去り率を、燃料の付着部位の相違に応じたそれぞれの輸送遅れの度合いを反映した適切な値に設定することができる。これにより、それらを用いた筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量の算出精度を向上させることができ、筒内正味噴射量をより適切に制御することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、噴射モードが筒内噴射モードへの切替時以外のときに、気筒3a内および吸気ポート3fの壁面に付着した全体付着燃料量(付着燃料量GWP)と全体持去り率(持去り率B)との積に基づいて、全体持去り燃料量(持去り燃料量GWPCA)を算出する全体持去り燃料量算出手段(ECU2、図8のステップ42)と、筒内噴射モードへの切替時以外のときに、要求燃料量GCYLに基づき、算出された全体持去り燃料量に応じて、筒内燃料噴射弁6またはポート燃料噴射弁8から噴射すべき全体正味噴射量(正味噴射量GCYLNE)を算出する全体正味噴射量算出手段(ECU2、図3のステップ6)と、をさらに備え、ポート持去り率は、全体持去り率よりも大きな値に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ポート持去り率は、全体持去り率よりも大きな値に設定されている。この全体持去り率は、気筒内および吸気ポートの壁面に付着した全体付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて持ち去られる燃料の割合を表す。このように、ポート持去り率を全体持去り率よりも大きな値に設定することによって、ポート持去り燃料量がより大きな値に算出されるので、ポート持去り燃料量は、吸気ポートの壁面に付着している燃料に加え、吸気ポートに残留している燃料をも加味した値になり、ポート持去り燃料量の算出精度をさらに向上させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、内燃機関3の温度(エンジン水温TW)を検出する機関温度検出手段(エンジン水温センサ23)と、検出された機関温度に応じて、ポート持去り率を算出するポート持去り率算出手段(ECU2、図6のステップ32)と、をさらに備えることを特徴とする。
一般に、吸気ポートの壁面に付着した燃料が持ち去られる度合いは、内燃機関の温度に応じて変化し、その温度が高いほど、燃料の温度も高く、その流動性が高くなるため、より高くなる。したがって、本発明によれば、ポート持去り率を、内燃機関の温度に応じて適切に算出でき、このポート持去り率を用いて、筒内正味噴射量を最適に制御することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による燃料噴射制御装置1を適用した内燃機関3を概略的に示している。内燃機関(以下「エンジン」という)3は、車両(図示せず)に搭載された、例えば直列4気筒の4サイクルガソリンエンジンである。エンジン3の各気筒3aには、一対の吸気弁10,10および一対の排気弁11,11(ともに1つのみ図示)が設けられている。
エンジン3のシリンダヘッド3cには、吸気管4および排気管5が接続されるとともに、気筒3aごとに、筒内燃料噴射弁6および点火プラグ7(図2参照)が、燃焼室3dに臨むように取り付けられている(いずれも1つのみ図示)。この筒内燃料噴射弁6は、第1燃料ポンプ(図示せず)で高圧に昇圧された燃料を、燃焼室3d内の点火プラグ7の付近に噴射する。また、筒内燃料噴射弁6の開弁時間および開弁時期と点火プラグ7の点火時期は、燃料噴射制御装置1の後述するECU2によって制御される。
エンジン3には、クランク角センサ21が設けられている。クランク角センサ21は、マグネットロータおよびMREピックアップ(いずれも図示せず)で構成されており、クランクシャフト3eの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角(例えば30゜)ごとに出力される。ECU2は、CRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、いずれかの気筒3aにおいて、ピストン3bが吸気行程開始時のTDC(上死点)付近の所定のクランク角度位置にあることを表す信号であり、本実施形態のように4気筒の場合には、クランク角180゜ごとに出力される。
また、CRK信号およびTDC信号には、所定のクランク角度位置に、気筒3aを判別するためのパルス信号である気筒判別信号が含まれている。ECU2は、これらの3つの信号に基づいて、燃料噴射制御用のクランク角ステージFISTGを気筒3aごとに算出する。このクランク角ステージFISTGは、各気筒3aにおいて、所定のクランク角(例えばTDC信号の発生クランク角)を基準として、1燃焼サイクルに相当する720°のクランク角度を30゜ごとに区分し、順にステージ番号0〜23を割り当てたものである。
吸気管4の吸気マニホルドには、ポート燃料噴射弁8が、気筒3aごとに、吸気ポート3fに臨むように設けられている。ポート燃料噴射弁8は、第2燃料ポンプ(図示せず)で昇圧された燃料を吸気ポート3fに噴射する。ポート燃料噴射弁8の開弁時間および開弁時期は、ECU2によって制御される。
また、吸気管4には、スロットル弁機構9が設けられている。スロットル弁機構9は、吸気管4内に配置された回動自在のスロットル弁9aと、これを駆動するTHアクチュエータ9bを有している。THアクチュエータ9bは、モータとギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、ECU2からの制御信号で駆動され、それにより、スロットル弁9aの開度が変化することで、吸気量が制御される。
さらに、吸気管4には、スロットル弁機構9よりも上流側に、エアフローメータ22が設けられている。エアフローメータ22は、吸気量QAを表す検出信号をECU2に出力する。
ECU2には、エンジン水温センサ23から、エンジン3の本体内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号が、アクセル開度センサ24から、アクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、それぞれ出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ21〜24からの検出信号に応じて、エンジン3の運転状態を判別し、噴射モードを決定するとともに、筒内燃料噴射弁6およびポート燃料噴射弁8を制御する燃料噴射制御や、スロットル弁機構9を制御する吸入空気量制御などを実行する。上記の噴射モードは、吸気行程中に筒内燃料噴射弁6から気筒3a内に燃料を噴射する第1筒内噴射モード(以下「第1DIモード」という)、圧縮行程中に筒内燃料噴射弁6から燃料を噴射する第2筒内噴射モード(以下「第2DIモード」という)、およびポート燃料噴射弁8から吸気ポート3fに燃料を噴射するポート噴射モード(以下「PIモード」という)で構成され、これらのいずれか1に決定される。なお、以下の説明では、第1DIモードおよび第2DIモードを適宜、総称して「DIモード」という。
なお、本実施形態では、ECU2が、筒内持去り燃料量算出手段、ポート持去り燃料量算出手段、要求燃料量算出手段、筒内正味噴射量決定手段、全体持去り燃料量算出手段、全体正味噴射量算出手段およびポート持去り率算出手段に相当する。
図3は、ECU2で実行される燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。また、この燃料噴射制御処理は、気筒判別信号に基づいて気筒3aごとに同じ処理が行われるため、以下では、説明の便宜上、1つの気筒3aについて説明を行うものとする。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、エンジン3の各気筒3aに要求される要求燃料量GCYLを算出する。なお、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって算出される。
次に、ステップ2において、直接率Aを算出する。この直接率Aは、今回の燃焼サイクルにおいて筒内燃料噴射弁6またはポート燃料噴射弁8から噴射された燃料量に対する、その燃料量のうちの今回の燃焼サイクルにおいて燃焼室3dで燃焼される燃料量の割合を表す。
図4は、この直接率Aの算出処理のサブルーチンである。本処理では、まず、ステップ11において、始動フラグF_STMODが「1」であるか否かを判別する。この始動フラグF_STMODは、エンジン3がクランキング中のときに「1」にセットされるものである。この判別結果がYESのときには、エンジン水温TWに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、クランキング時用の直接率(以下「クランキング時用直接率」という)ACRを算出し(ステップ12)、ステップ13に進む。一方、ステップ11の判別結果がNOで、エンジン3がクランキング中でなく、通常の運転中には、ステップ13にそのまま進む。
このステップ13では、エンジン水温TWに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、PIモード時用の直接率(以下「PI直接率」という)APIを算出する。
次に、エンジン水温TWに応じ、それぞれの所定のマップ(図示せず)を検索することによって、第1DIモード時用の直接率(以下「第1DI直接率」という)ADI1、および第2DIモード時用の直接率(以下「第2DI直接率」という)ADI2を算出する(ステップ14,15)。
次いで、これらのPI直接率API、第1DI直接率ADI1および第2DI直接率ADI2を用い、次式(1)に従って、直接率の基本値ABASEを算出する(ステップ16)。
ABASE=KP×API+KD1×ADI1+KD2×ADI2 ・・・(1)
ここで、KP、KD1およびKD2は係数であり、現在の噴射モードに応じて設定される。具体的には、噴射モードがPIモードのときには、KP=1に、KD1=KD2=0に設定される。また、第1DIモードのときには、KD1=1に、KP=KD2=0に設定される。さらに、第2DIモードのときには、KD2=1に、KP=KD1=0に設定される。以上により、算出された基本値ABASEは、現在、設定されている噴射モードに対応する直接率に相当する。
次に、この基本値ABASEと前記ステップ12で算出したクランキング時用直接率ACRを用い、次式(2)に従って、直接率Aを算出する(ステップ17)。
A=K1×ACR+(1−K1)×ABASE ・・・(2)
ここで、K1は、所定のなまし係数(0≦K1≦1.0)であり、エンジン3のクランキングの開始直後に最大値(例えば1.0)に設定され、その後、最小値(例えば0)まで漸減するように設定される。
次に、ステップ17で算出した直接率Aに対してリミット処理を行った(ステップ18)後、本処理を終了する。具体的には、算出した直接率Aが、所定の上限値を上回っているときに、直接率Aを上限値に設定し、所定の下限値を下回っているときに、直接率Aを下限値に設定する。
図3に戻り、前記ステップ2に続くステップ3では、持去り率Bを算出する。この持去り率Bは、噴射モードがDIモードまたはPIモードのときに、前回の燃焼サイクル終了時の気筒3a内の壁面や吸気ポート3fの壁面に付着していた付着燃料量GWPに対する、その付着燃料量GWPのうちの今回の燃焼サイクルにおいて持ち去られる燃料量の割合を表す。なお、気筒3a内の壁面には、気筒3aの内壁面の他にピストン3bの頂面が含まれる。
図5は、この持去り率Bの算出処理のサブルーチンである。本処理では、まず、ステップ21において、始動フラグF_STMODが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、エンジン水温TWに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、クランキング時用の持去り率(以下「クランキング時用持去り率」という)BCRを算出し(ステップ22)、ステップ23に進み、判別結果がNOのときには、そのままステップ23に進む。なお、クランキング時用持去り率BCRは、エンジン水温TWが高いほど、より大きな値に設定されるとともに、エンジン水温TWの全領域において、後述するPI持去り率BPI、第1DI持去り率BDI1および第2DI持去り率BDI2よりも小さな値に設定されている。これは、エンジン水温TWが同じでも、クランキングの開始直後は、通常運転時よりも気筒3a、吸気弁10や排気弁11の温度が低い場合が多く、その場合、噴射された燃料の熱がそれらによって奪われることにより、燃料の流動性が低くなるためである。
このステップ23では、エンジン水温TWに応じ、図7に示すマップを検索することによって、PIモード時用の持去り率(以下「PI持去り率」という)BPIを算出する。このマップでは、PI持去り率BPIは、エンジン水温TWが高いほど、より大きな値に設定されている。これは、エンジン水温TWが高いほど、吸気ポート3fの壁面に付着した燃料の温度も高く、その流動性が高くなることにより、持ち去られる燃料量が多くなるためである。
次に、エンジン水温TWに応じ、それぞれの所定のマップ(図示せず)を検索することによって、第1DIモード時用の持去り率(以下「第1DI持去り率」という)BDI1、および第2DIモード時用の持去り率(以下「第2DI持去り率」という)BDI2を算出する(ステップ24,25)。これらのマップにおいても、第1DI持去り率BDI1および第2DI持去り率BDI2は、PI持去り率BPIで述べた場合と同じ理由から、エンジン水温TWが高いほど、より大きな値に設定されるとともに、エンジン水温TWの全領域において、PI持去り率BPIよりも小さな値に設定されている。これは、PIモードでは、噴射された燃料が吸気ポート3fの壁面に付着するのに対し、DIモードでは、噴射された燃料が気筒3a内の壁面に付着するため、PIモードの方が、付着した燃料が持ち去られる度合いが高くなるからである。
次いで、これらのPI持去り率BPI、第1DI持去り率BDI1および第2DI持去り率BDI2と、前述した係数KP、KD1およびKD2を用い、次式(3)に従って、持去り率の基本値BBASEを算出する(ステップ26)。
BBASE=KP×BPI+KD1×BDI1+KD2×BDI2 ・・・(3)
以上のように、算出された基本値BBASEは、式(1)で算出された直接率の基本値ABASEと同様、現在、設定されている噴射モードに対応する持去り率に相当する。
次に、この基本値BBASEと前記ステップ22で算出したクランキング時用持去り率BCRを用い、次式(4)に従って、持去り率Bを算出し(ステップ27)、本処理を終了する。
B=K2×BCR+(1−K2)×BBASE ・・・(4)
ここで、K2は、所定のなまし係数(0≦K2≦1.0)であり、エンジン3のクランキングの開始直後に最大値(例えば1.0)に設定され、その後、最小値(例えば0)まで漸減するように設定される。このため、クランキング時用持去り率BCRの重みを決定するなまし係数K2を上述したようにして設定することによって、クランキング時における輸送遅れの影響を、持去り率Bに、クランキングの開始直後に最大限に反映させるとともに、その後は、徐々に小さな度合いで反映させることができ、持去り率Bを、クランキング時用持去り率BCRから基本値BBASEに円滑にかつ適切に移行させることができる。
図3に戻り、前記ステップ3に続くステップ4では、モード切替時用持去り率BPを算出する。このモード切替時用持去り率BPは、噴射モードをPIモードからDIモードに切り替えた際、それまでにポート燃料噴射弁8から噴射され、吸気ポート3fの壁面に付着していたポート付着燃料量GWPPに対する、そのポート付着燃料量GWPPのうちの今回の燃焼サイクルにおいて気筒3a内に流入し、持ち去られる燃料量の割合を表す。
図6は、このモード切替時用持去り率BPの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、ステップ31において、切替中フラグF_PIDIが「1」であるか否かを判別する。この切替中フラグF_PIDIは、PIモードからDIモードへの切替中に「1」にセットされるものであり、その詳細は後述する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ31の判別結果がYESで、DIモードへの切替中のときには、エンジン水温TWに応じ、図7に示すマップを検索することによって、モード切替時用持去り率BPを算出し(ステップ32)、本処理を終了する。このモード切替時用持去り率BPもまた、PI持去り率BPIで述べた場合と同じ理由から、エンジン水温TWが高いほど、より大きな値に設定されている。また、モード切替時用持去り率BPは、エンジン水温TWの全領域において、PI持去り率BPIよりも大きな値に設定されている。これは、DIモードへの切替直後には、それまでにポート燃料噴射弁8から噴射され、吸気ポート3fの壁面に付着していた燃料がもっぱら気筒3a内に持ち去られる状態になることや、噴射された燃料が、吸気ポート3fの壁面でバウンドした後、それに付着することなく残留し、気筒3a内に遅れて流入するために、見掛けの持去り量が増大することから、燃料が持ち去られる度合いが高くなるためである。
図3に戻り、前記ステップ4に続くステップ5では、持去り燃料量GWPCAを算出する。この持去り燃料量GWPCAは、前回までの燃焼サイクルで気筒3a内および吸気ポート3fの壁面に付着した燃料量のうちの、今回の燃焼サイクルにおいて燃焼される燃料量である。
図8は、この持去り燃料量GWPCAの算出処理のサブルーチンである。本処理では、まず、ステップ41において、切替中フラグF_PIDIが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、DIモードへの切替中でないときには、前回までの燃焼サイクルにおいて気筒3a内や吸気ポート3fの壁面に付着した付着燃料量GWPに前記ステップ27で算出した持去り率Bを乗算する(=B×GWP)ことによって、持去り燃料量GWPCAを算出し(ステップ42)、本処理を終了する。
一方、ステップ41の判別結果がYESで、DIモードへの切替中には、DIモードにより気筒3a内の壁面に付着した付着燃料量GWPに持去り率Bを乗算する(=GWP×B)ことによって、DI持去り燃料量GWPCADIを算出する(ステップ43)。次に、ポート付着燃料量GWPPに前記ステップ32で算出したモード切替時用持去り率BPを乗算する(=GWPP×BP)ことによって、切替持去り燃料量GWPCAPを算出する(ステップ44)。そして、DI持去り燃料量GWPCADIと切替持去り燃料量GWPCAPとの和(=GWPCADI+GWPCAP)によって、持去り燃料量GWPCAを算出し(ステップ45)、本処理を終了する。
図9は、上述した付着燃料量GWPおよびポート付着燃料量GWPPの算出処理のサブルーチンである。本処理では、まず、ステップ51において、フューエルカットフラグF_FCが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、筒内燃料噴射弁6およびポート燃料噴射弁8による燃料の供給を停止するフューエルカットの実行中のときには、噴射付着燃料量GFWを値0にセットする(ステップ52)。
一方、ステップ51の判別結果がNOのときには、前記ステップ17で算出した直接率Aを用い、次式(5)に従って、噴射付着燃料量GFWを算出する(ステップ53)。
GFW=(1−A)×GCYLNEZ ・・・(5)
この噴射付着燃料量GFWは、今回の燃焼サイクルにおいて筒内燃料噴射弁6またはポート燃料噴射弁8から噴射された燃料量のうちの、気筒3a内の壁面などに付着した燃料量である。また、式(5)中のGCYLNEZは、正味噴射量の前回値である。
次に、算出した噴射付着燃料量GFW、および前記ステップ27で算出した持去り率Bを用い、次式(6)に従って、付着燃料量GWPを算出する(ステップ54)。
GWP=GFW+(1−B)×GWPZ ・・・(6)
ここで、第2項のGWPZは、付着燃料量GWPの前回値であり、したがって、第2項全体は、前回の燃焼サイクルの終了時に気筒3a内の壁面などに付着している燃料量である。このため、式(6)によって得られた付着燃料量GWPは、今回の燃焼サイクルの終了時に気筒3a内の壁面などに付着している燃料量の総和を表す。
次いで、切替中フラグF_PIDIが「1」であるか否かを判別する(ステップ55)。この判別結果がNOで、DIモードへの切替中でないときには、ポート付着燃料量GWPPを値0にセットし(ステップ56)、本処理を終了する。
一方、ステップ55の判別結果がYESで、DIモードへの切替中には、前記ステップ32で算出したモード切替時用持去り率BPを用い、次式(7)に従って、ポート付着燃料量GWPPを算出し(ステップ57)、本処理を終了する。
GWPP=(1−BP)×GWPPZ ・・・(7)
ここで、GWPPZは、ポート付着燃料量GWPPの前回値である。
図3に戻り、前記ステップ5に続くステップ6では、以上のようにして算出した直接率Aおよび持去り燃料量GWPCAに応じ、筒内燃料噴射弁6またはポート燃料噴射弁8から噴射すべき燃料量である正味噴射量GCYLNEを算出し、本処理を終了する。
図10は、この正味噴射量GCYLNEの算出処理のサブルーチンである。本処理では、まず、ステップ61において、フューエルカットフラグF_FCが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、フューエルカットの実行中のときには、正味噴射量GCYLNEを値0に設定した(ステップ62)後、本処理を終了する。
一方、ステップ61の判別結果がNOのときには、前記ステップ1,2および5で算出した要求燃料量GCYL、直接率Aおよび持去り燃料量GWPCAを用い、次式(8)に従って、正味噴射量の基本値GCYLNEBを算出する(ステップ63)。
GCYLNEB=(GCYL−GWPCA)/A ・・・(8)
次に、基本値GCYLNEBに応じ、噴射モードごとに設定された所定のマップ(いずれも図示せず)を検索することによって、正味噴射量GCYLNEを算出し(ステップ64)、本処理を終了する。具体的には、噴射モードがPIモードのときには、PIモード用のマップからPIモード用の正味噴射量(PI正味噴射量)GCYLNEPIを算出し、第1DIモードのときには第1DIモード用のマップから第1DI正味噴射量GCYLNEDI1を算出し、第2DIモードのときには第2DIモード用のマップから第2DI正味噴射量GCYLNEDI2を算出する。以下、第1DI正味噴射量GCYLNEDI1および第2DI正味噴射量GCYLNEDI2を適宜、総称してDI正味噴射量GCYLNEDIという。
図11は、DIモードへの切替中であるか否かを判定する切替判定処理を示すフローチャートである。本処理は、CRK信号の発生に同期して気筒3aごとに実行される。本処理では、まず、ステップ71において、気筒3aのクランク角ステージFISTGが、所定の下限値PISETSGL(例えば6)以上で、かつ所定の上限値PISETSGH(例えば11)以下であるか否かを判別する。これらの下限値PISETSGLと上限値PISETSGHで規定されるクランク角度区間は、圧縮行程の始期から終期に相当する。この判別結果がNOのときは、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ71の判別結果がYESで、気筒3aが圧縮行程にあるときには、DIモードフラグF_DIOKが前回と今回の間で「0」から「1」に変化したか否かを判別する(ステップ72)。このDIモードフラグF_DIOKは、DIモードの実行中に、「1」にセットされるものである。
この判別結果がYESで、DIモードへの切替直後のときには、前記ステップ54で算出した付着燃料量GWPをポート付着燃料量GWPPとして設定する(ステップ73)。これにより、ポート付着燃料量GWPPが、DIモードへの切替直前に吸気ポート3fの壁面に付着していた燃料の総量にセットされる。
次に、付着燃料量GWPを値0にリセットする(ステップ74)。以上により、次回以降のループにおいて前記ステップ54で算出される付着燃料量GWPには、吸気ポート3fの壁面に付着した燃料は含まれず、DIモードにより気筒3a内の壁面に付着した燃料のみが含まれる。そして、DIモードへの切替中であることを表すために、切替中フラグF_PIDIを「1」にセットし(ステップ75)、本処理を終了する。
ステップ72の判別結果がNOのときには、このステップ75の実行により、前記ステップ76の判別結果がYESになり、その場合には、前記ステップ57で算出したポート付着燃料量GWPPが所定のしきい値GREF(例えば1.0×10-4g)よりも小さいか否かを判別する(ステップ77)。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ77の判別結果がYESで、ポート付着燃料量GWPPがしきい値GREFを下回ったときには、吸気ポート3fの壁面に付着した燃料がもはやほとんど残留しておらず、DIモードへの切替が終了したと判定し、切替中フラグF_PIDIを「0」にリセットした(ステップ78)後、本処理を終了する。
以下、図12を参照しながら、上述した燃料噴射制御によって得られる動作をとりまとめて説明する。この例では、タイミングt1以前では、噴射モードがPIモードに設定されており、それに伴い、DIモードフラグF_DIOKおよび切替中フラグF_PIDIはともに「0」にセットされている。これにより、図8のステップ41の判別結果がNOになることで、持去り燃料量GWPCAとして、ステップ54で算出された付着燃料量GWPと、ステップ27で算出された持去り率Bとの積が用いられる(ステップ42)。そして、この持去り燃料量GWPCAを用い、ポート燃料噴射弁8から噴射されるPI正味噴射量GCYLNEPIが算出される。
この状態から、DIモードの実行条件が成立すると、DIモードフラグF_DIOKが「1」にセットされ、DIモードに切り替えられる(t1)。これにより、図11のステップ72の判別結果がYESになることで、それまでの付着燃料量GWPがポート付着燃料量GWPPとして設定される(ステップ73)。また、このとき、付着燃料量GWPは値0にリセットされることにより、次回以降のループにおいて算出される付着燃料量GWPは、筒内燃料噴射弁6から噴射され、気筒3a内の壁面に付着した燃料量の総和になる。さらに、DIモードフラグF_DIOKの「1」への切替に伴い、切替中フラグF_PIDIが「0」から「1」に切り替えられ、ステップ41の判別結果がYESになることによって、持去り燃料量GWPCAとして、付着燃料量GWPと持去り率Bとの積であるDI持去り燃料量GWPCADIと、ポート付着燃料量GWPPとモード切替時用持去り率BPとの積である切替持去り燃料量GWPCAPとの和が用いられる(ステップ43〜45)。そして、この持去り燃料量GWPCAを用い、筒内燃料噴射弁6から噴射されるDI正味噴射量GCYLNEDIが算出される。
その後、ステップ57によって算出されたポート付着燃料量GWPPがしきい値GREFを下回ると(t2)、DIモードへの切替直前に吸気ポート3fの壁面に付着していた燃料がもはやほとんど残留していないとして、DIモードへの切替が終了したと判定され、切替中フラグF_PIDIが「0」にセットされる。これにより、ステップ41の判別結果が再びNOになることで、持去り燃料量GWPCAは、ポート付着燃料量GWPPによらず、付着燃料量GWPに応じて算出される。
以上のように、本実施形態によれば、噴射モードをPIモードからDIモードへ切り替えた際には、DI持去り燃料量GWPCADIと切替持去り燃料量GWPCAPを互いに独立して算出するので、持去り率Bおよびモード切替時用持去り率BPの相違に見合ったDI持去り燃料量GWPCADIおよび切替持去り燃料量GWPCAPを適切に算出することができる。また、これらのDI持去り燃料量GWPCADIおよび切替持去り燃料量GWPCAPを用いて、DI正味噴射量GCYLNEDIを算出するので、燃料の挙動を良好に反映させながら、気筒3a内に供給される燃料量を適切に制御することができ、その結果、空燃比の安定化やトルクの変動の抑制を図ることができる。
さらに、持去り率Bとモード切替時用持去り率BPが互いに異なる値に設定されているので、持去り率Bおよびモード切替時用持去り率BPを、燃料の付着部位の相違に応じたそれぞれの輸送遅れの度合いを反映した適切な値に設定することができる。
また、モード切替時用持去り率BPは、PI持去り率BPIよりも大きな値に設定されているので、切替持去り燃料量GWPCAPは、吸気ポート3fの壁面に付着している燃料に加え、吸気ポート3fに残留している燃料をも加味した値になり、切替持去り燃料量GWPCAPの算出精度をさらに向上させることができる。
さらに、持去り率Bおよびモード切替時用持去り率BPを、エンジン水温TWに応じて適切に算出するので、それらを用いて、正味噴射量GCYLNEを最適に制御することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、モード切替時用持去り率BPを、エンジン水温TWに応じて算出しているが、これに代えて、またはこれとともに、エンジン3の温度を表す他の適当なパラメータ、例えばエンジン回転数NEや吸気量QAに応じて算出してもよい。このことは、持去り率Bおよび直接率Aについても同様である。
さらに、本実施形態は、本発明を車両用のエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、クランク軸を鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンや他の産業用の内燃機関に適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
本実施形態による燃料噴射制御装置を適用した内燃機関を概略的に示す図である。 燃料噴射制御装置のブロック図である。 燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。 直接率の算出処理を示すサブルーチンである。 持去り率の算出処理を示すサブルーチンである。 モード切替時用持去り率の算出処理を示すサブルーチンである。 図5および図6の処理で用いられるマップである。 持去り燃料量の算出処理を示すサブルーチンである。 付着燃料量およびポート付着燃料量の算出処理を示すサブルーチンである。 正味噴射量の算出処理を示すサブルーチンである。 DIモードへの切替中であるか否かを判定する切替判定処理を示すフローチャートである。 図3の処理によって得られる動作例のタイミングチャートである。
符号の説明
1 燃料噴射制御装置
2 ECU(筒内持去り燃料量算出手段、ポート持去り燃料量算出手段、要求燃料量算
出手段、筒内正味噴射量決定手段、全体持去り燃料量算出手段、全体正味
噴射量算出手段およびポート持去り率算出手段)
3 エンジン
3a 気筒
3f 吸気ポート
6 筒内燃料噴射弁
8 ポート燃料噴射弁
21 クランク角センサ(運転状態検出手段)
23 エンジン水温センサ(機関温度検出手段)
24 アクセル開度センサ(運転状態検出手段)
GCYL 要求燃料量
GCYLNEDI DI正味噴射量(筒内正味噴射量)
GCYLNE 正味噴射量(全体正味噴射量)
GWP 付着燃料量(筒内付着燃料量、全体付着燃料量)
GWPCADI DI持去り燃料量(筒内持去り燃料量)
GWPCAP 切替持去り燃料量(ポート持去り燃料量)
GWPCA 持去り燃料量(全体持去り燃料量)
GWPP ポート付着燃料量
B 持去り率(筒内持去り率、全体持去り率)
BP モード切替時用持去り率(ポート持去り率)
NE エンジン回転数(内燃機関の運転状態)
PMCMD 要求トルク(内燃機関の運転状態)
TW エンジン水温(内燃機関の温度)

Claims (4)

  1. 気筒内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁と、吸気ポートに燃料を噴射するポート燃料噴射弁を有し、噴射モードを、前記筒内燃料噴射弁から燃料を噴射する筒内噴射モードと、前記ポート燃料噴射弁から燃料を噴射するポート噴射モードに切り替えて運転される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記噴射モードを前記ポート噴射モードから前記筒内噴射モードに切り替えた際、当該切替の直後に、前記気筒内の壁面に付着した筒内付着燃料量を一旦、0にリセットするとともに、その後に前記筒内燃料噴射弁から噴射され、前記気筒内の壁面に付着した燃料量を、前記筒内付着燃料量として算出する筒内付着燃料量算出手段と、
    当該算出された筒内付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて持ち去られる筒内持去り燃料量を算出する筒内持去り燃料量算出手段と、
    前記筒内噴射モードに切り替えた際、当該切替の直前に前記吸気ポートの壁面に付着していたポート付着燃料量のうちの、次回の燃焼サイクルにおいて前記気筒内に持ち去られるポート持去り燃料量を算出するポート持去り燃料量算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    当該検出された内燃機関の運転状態に応じて、当該内燃機関に供給すべき要求燃料量を算出する要求燃料量算出手段と、
    前記筒内噴射モードに切り替えた際、前記算出された要求燃料量に基づき、前記算出された筒内持去り燃料量およびポート持去り燃料量に応じて、前記筒内燃料噴射弁から噴射すべき筒内正味噴射量を決定する筒内正味噴射量決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記筒内持去り燃料量算出手段は、前記筒内付着燃料量と筒内持去り率との積に基づいて前記筒内持去り燃料量を算出し、
    前記ポート持去り燃料量算出手段は、前記ポート付着燃料量と前記筒内持去り率と異なるポート持去り率との積に基づいて、前記ポート持去り燃料量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記噴射モードが前記筒内噴射モードへの切替時以外のときに、前記気筒内および前記吸気ポートの壁面に付着した全体付着燃料量と全体持去り率との積に基づいて、全体持去り燃料量を算出する全体持去り燃料量算出手段と、
    前記筒内噴射モードへの切替時以外のときに、前記要求燃料量に基づき、前記算出された全体持去り燃料量に応じて、前記筒内燃料噴射弁または前記ポート燃料噴射弁から噴射すべき全体正味噴射量を算出する全体正味噴射量算出手段と、をさらに備え、
    前記ポート持去り率は、前記全体持去り率よりも大きな値に設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記内燃機関の温度を検出する機関温度検出手段と、
    当該検出された機関温度に応じて、前記ポート持去り率を算出するポート持去り率算出手段と、をさらに備えることを特徴とする、請求項2または3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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