JP5046313B2 - 水溶性高分子分散液及びその製造方法 - Google Patents

水溶性高分子分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性高分子分散液及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、塩水溶液中に粒径100μ以下のアニオン性及び/又は非イオン性水溶性高分子微粒子と、分散剤として該塩水溶液に可溶で、かつ特定の構造を側鎖として有するグラフトコポリマ−とが共存する水溶性高分子分散液に関し、またその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アニオン性水溶性高分子は、凝集剤として多岐にわたる用途に応用されている。たとえば、一般水処理剤として排水中の固液分離に使用され、カチオン性凝集剤と組み合わせて汚泥の脱水や製紙工業における歩留向上剤としても使用されている。さらに土木において、土壌の固化剤としても使用されている。これらアニオン性高分子製造方法として従来、以下のような重合方法が知られている。たとえば、水溶液重合法はペ−スト上製品として供給され、油中水型エマルジョン重合品は重合後、転相剤とよばれる親水性乳化剤を加えラテックスの形態で供給され、油中水型分散重合法は、粉末状製品を製造するため適用される場合が多く、30〜50重量%の単量体水溶液をそのまま重合しゲル状重合物をミ−トチョッパ−などで造粒後、直接乾燥する方法も粉末品の製造に応用されている。さらに最近では、ポリエチレングリコ−ル水溶液中に単量体を溶解し、重合させ、高分子中高分子分散液を製造する方法も行われているが、まだ凝集剤として実用的性能のある高分子量のものは合成されていない。またさらに注目すべきことは、塩水溶液中でカチオン性/両性凝集剤を合成する方法を発展させ、アニオン性高分子も凝集剤グレ−ドの重合度品を合成する試みがなされている。
【0003】
高重合度のアニオン性高分子が、高重合度のカチオン性高分子にくらべ塩水溶液中、分散重合法により合成することが難しいのは、一つには重合物を塩水中に析出させ、安定な分散液とすることである。カチオン性単量体の場合、ベンジル基や長鎖アルキル基のような疎水基を導入した単量体を合成すれば容易に塩水中に不溶な高分子が合成でき、また重合度も凝集剤として使用可能なものになる。アニオン性単量体の場合、それ自身分子内に疎水基を導入することが、難しいので疎水性単量体を共重合する方法が考えられるが、それら疎水性単量体を共重合すると重合度が高いものが得られない場合が多い。また、もう一つの要因として、原料として主に使用されるアクリル酸の分子量が、カチオン性単量体の分子量に較べ小さく、溶液の重量濃度当たりの発熱量が非常に大きいことである。そのため、重合反応の制御が難しく、重合途中で反応物が塊状化してしまって安定な分散液を合成することができない。あるいは発熱量が大きいということは、重合温度の制御が容易でなく重合系の温度が、制御範囲から外れてしまい、生成したアニオン性水溶性高分子の重合度が低下してしまうことを意味する。現在のところ、生成したアニオン性水溶性高分子を塩水中に析出させる方法は、種々の塩の組み合わせにより解決しつつある。
【0004】
塩水溶液中で水溶性高分子分散液を効率良く重合し、生成した分散液の安定性を向上させるうえでのポイントに、分散剤の検討がある。現在まで合成系高分子において、イオン性あるいは非イオン性高分子が検討されている。また、ポリオキシアルキレン鎖を有する高分子は、疎水性基を有する界面活性剤的なものは検討されているが、疎水性基を含有せずポリオキシアルキレン鎖とイオン性基からなる高分子は検討されていない。製造面の問題に注目すれば、製造中の重合物の増粘防止、あるいは製造後の安定性などまだまだ改良する余地は残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩水溶液中、高分子分散剤共存下、分散重合法による安定な水溶性高分子分散液を開発することであり、特に重合時の増粘を抑制する分散剤を開発することである。さらにもう一つの目的として、効率良く分散液を製造する方法を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は、詳細な検討を行った結果、特定の高分子物質を分散剤として使用することにより、安定な水溶性高分子分散液が得られ、効率良く安定した分散液を製造できることを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の請求項1の発明は、塩水溶液に可溶であり、かつ下記一般式(1)で表わされる単量体5〜50モル%、記一般式(2)で表わされる単量体50〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%の共重合体からなる分散剤と、粒径100μm以下のアニオン性水溶性高分子微粒子が、塩水溶液中に共存することを特徴とする水溶性高分子分散液に関する。
【化1】
一般式(1)
は水素又はメチル基、Rは水素またはメチル基、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜50の整数。
【化2】
一般式(2)
11は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、R12は水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオン。
【0007】
請求項2の発明は、 前記アニオン性水溶性高分子微粒子が、前記分散剤を該塩水溶液中に共存させ、記一般式(2)で表される単量体5〜100モル%と(メタ)アクリルアミド0〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することによって製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0008】
請求項3 の発明は、前記分散剤のイオン当量値が、1.0〜7.0meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0009】
請求項4の発明は、 前記高分子分散液を構成するアニオン性水溶性高分子の重量平均分子量が、100万以上、2000万以下であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0010】
請求項5の発明は、前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液である。
【0011】
請求項6の発明は、塩水溶液に可溶であり、下記一般式(1)で表わされる単量体5〜50モル%、前記一般式(2)で表わされる単量体50〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%の共重合体からなる分散剤を共存させ、記一般式(2)で表される単量体5〜100モル%、(メタ)アクリルアミド0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することを特徴とする粒径100μm以下の微粒子からなる水溶性高分子分散液の製造方法である。
【化1】
一般式(1)
は水素又はメチル基、Rは水素またはメチル基、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜50の整数。
【化2】
一般式(2)
は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオン。
【0012】
請求項7の発明は、 前記分散剤のイオン当量値が、1.0〜7.0meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0013】
請求項8の発明は、 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
水溶性単量体あるいは水溶性単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可能なイオン性高分子分散剤を共存させる分散重合法により製造された水溶性高分子からなる分散液の製造方法は、特公平4−39481号公報、特公平3−74682号公報あるいは特公平6−72170号公報に記載された方法によって製造することが可能である。一番目の公報は、分散剤として多価アルコ−ルを重合時共存させる方法が開示され、二番目の公報では、分散剤として多価アニオン塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を重合時共存させる方法が開示されている。また、三番目の公報では、分散剤として多価アニオン塩水溶液中に可溶なアニオン性高分子を重合時共存させる方法が開示されている。
【0015】
以下具体的に製造方法を説明する。原料として使用するアニオン性単量体であるスルフォン酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の単量体からなる単量体を各々塩水溶液に溶解し、全アニオン性単量体の5〜40モル%をアルカリによって中和する。その後、分散剤として塩水溶液中に可溶な前記一般式(1)で表される側鎖を有するアニオン性高分子を添加し、窒素置換後、ラジカル重合開始剤により重合を開始させ、攪拌しながら重合することにより製造する。
【0016】
前記一般式(1)で表される側鎖を有する高分子は、(メタ)アクリル酸の重合物や共重合物にアルキレンオキサイドを付加して合成することもできるが、前記一般式(3)で表されるようなポリオキシアルキレングリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのエステル類を、アニオン性単量体と共重合することによって容易に合成することができる。単量体の具体例は、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリル酸などであり、ポリエチレングリコ−ル鎖の重合度としては、1〜50であり、好ましくは3〜30である。この場合のポリオキシアルキレングリコ−ル(メタ)アクリル酸エステル類のアニオン性単量体に対する共重合モル%としては、5〜50モル%であり、好ましくは10〜30モル%である。5モル%より少ないとポリオキシアルキレン鎖の効果が発揮されず、また50モル%より多くなると、分散剤として高分子のアニオン性基とポリオキシアルキレン鎖との相乗効果が発現されにくく機能が低下し好ましくない。
【0017】
前記ポリオキシアルキレングリコ−ル(メタ)アクリル酸エステル類と共重合するアニオン性単量体は、スルフォン基、カルボキシル基どちらでも良く、両種単量体を共重合しても良い。そのような単量体の例は、ビニルスルフォン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。
【0018】
これらポリオキシアルキレン鎖含有するグラフトコポリマ−の分子量としては、5、000から300万、好ましくは1万から200万である。分散剤の単量体に対する添加量は、単量体に対して1/100〜1/10であり、好ましくは2/100〜8/100である。
【0019】
本発明のポリオキシアルキレン鎖を有するグラフトコポリマ−がなぜ効果を発揮するかはまだ解明されていはいない。現象から推定して以下のように考えられる。塩水溶液中で重合が進行していくと、生成高分子濃度は、溶解度以上となり高分子粒子の析出が始まるが、その手前では溶解している高分子のため重合物自体(重合系)の粘性も増加し、溶解高分子と析出粒子が共存した状態になる。この後、析出した高分子の割合は増加していき、重合物は徐々に粘性が低下し、分散状態に相変化する。この共存状態時に、析出粒子とゲル状の溶解高分子間における滑りを向上させ、相変化前の増粘状態から分散状態への相変化をスム−ズに移行させるのが、分散剤の役目の一つと考えられる。アニオン性基は粒子表面をイオン化し、粒子同志の凝集を防止し、ポリオキシアルキレン鎖は析出粒子とゲル状溶解高分子間の滑り向上にそれぞれ寄与しているものと推定される。したがって重合組成によりそれら活性基の適度なバランスが必要となる。
【0020】
重合時の温度は、5〜40℃であり、好ましくは15〜30℃である。40℃より高くすると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、高重合度で安定な分散液は生成しない。
【0021】
使用する開始は、2、2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩化水素化物、あるいは4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤でも使用できるが、添加量を多くしなければ開始しにくい。そのため重合系の温度が多少でも上昇してくると、重合速度が加速され制御しにくい。従って添加量が少量で、低温で開始可能なレドックス系開始剤を使用する。この開始剤の添加量は、重合開始時、単量体当たり10〜50ppm、好ましくは10〜30ppm添加する。通常単量体濃度が低い場合、この開始剤添加量と温度では、重合は開始しない。しかし、本発明では、塩水溶液中の分散重合法を用いるので単量体濃度は20〜35重量%であり、比較的高濃度のため開始するものと推定される。しかし、添加量レベルが低いため一度の添加では、重合率が低くなる。そのため数回に分けて添加することが好ましい。添加回数としては、2〜5回、好ましくは2〜3回である。
【0022】
レドックス系開始剤としては、酸化性物質と還元性物質を組み合わせる。酸化性物質の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、ペルオクソ二硫酸カリウム、過酸化水素などであり、還元性物質の例としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、チオ硫酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、トリエタノ−ルアミンあるいはテトラメチルエチレンジアミンなどであるが、このうちペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせが最も好ましい。このようにして、比較的低温で、開始剤の添加量レベルを低く抑えることにより、重合速度を制御し高重合度で安定した高分子分散液を製造することができる。このようにして製造したアニオン性水溶性高分子の分子量は、通常200万以上であり、条件を選択することにより、500万〜2000万のものが生成し、凝集剤として十分使用に耐えるものである。
【0023】
使用するアニオン性単量体は、スルフォン基でもカルボキシル基でもかまわなく両方を共重合しても良い。スルフォン基含有単量体の例は、ビニルスルフォン酸、ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸などである。またカルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどである。さらにこの高分子分散液は、他の非イオン性の単量体との共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられ、これら一種または二種以上との共重合が可能である。最も好ましい組み合わせとしては、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、アクリル酸及びクリルアミドである。
【0024】
アニオン性高分子の分散液を製造する場合のアニオン性単量体のモル比は、1〜100モル%であり、好ましくは3〜100モル%である。さらに共重合可能な非イオン性単量体を共重合することもできる。その量としては0〜30モル%である。また、非イオン性高分子の分散液を製造する場合は、非イオン性単量体としてアクリルアミド単独を使用し、あるいは共重合可能な非イオン性単量体を0〜30モル%使用することもできる。
【0025】
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどとの塩であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、7重量%〜飽和濃度まで使用できる。
【0026】
本発明の分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性あるいは非イオン性水溶性高分子は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法により製造されたアニオン性高分子などに較べ、水に溶解した場合の見かけ粘度が非常に低い。たとえば、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドを30/70のモル比で含有する共重合体の場合、分子量約1300万で0.2重量%の水溶液の粘度は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法による重合物では、400〜800mPa・sであるのに対し、本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなるアニオン性水溶性高分子は、20〜100mPa・sである。これは重合時共存させる無機塩類の影響もある。また、重合時使用する単量体の酸のうち5〜40モル%を中和するのみであることも一因である。しかしこれらの影響を差し引いても、これだけでは説明できない。この現象は、塩水溶液中で生成した高分子を析出させながら重合していることも原因していると推定されるが、詳細な機構は未解明である。そのため、見かけ粘度が低いということは、それだけ処理を目的とした水中での分散性が良く、凝集機能を十分発揮できることを意味する。例えば、填料歩留向上剤として応用する場合など、より製紙マシンに近い添加場所を選択することができる。その例としてスクリ−ンの出口などマシンにより近い場所で添加しても、不均一な分散によるトラブルの危険性が低いといえる。また、添加凝集剤の分散性が悪くなる15000〜30000mg/Lなどの濃度の汚泥でも十分分散し、その効果を発揮することが可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0028】
(グラフトコポリマ−の合成)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに60%水溶液のアクリル酸110.1gをし込み、30℃以下に冷却しながら、30重量%の水酸化ナトリウム101.3gによりアクリル酸の80モル%を中和した。この水溶液中にメタクリル酸ポリオキシエチレングリコ−ル(PEO鎖分子量約400)39.2gを加え均一溶液とした。液温を35±3℃に調節しながら、2、2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ニ塩化水素化物の10%水溶液2.2g(対単量体2%)を加え重合を開始させ、この温度に保ち15時間反応させた。その後、アニオン当量と重量平均分子量を測定した。このグラフトコポリマ−を高分子NO.Aとする。同様の操作により表1に記載する組成のグラフトコポリマ−NO.B〜Hを合成した。
【0029】
【実施例1】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:110.4g、硫酸アンモニウム110.8g、硫酸ナトリウム25.0g、60%アクリル酸:45.8g、50%アクリルアミド:165.0gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム6.1gによりアニオン性単量の12モル%を中和した。また15重量%のメタクリル酸ポリオキシエチレングリコ−ル(PEO鎖分子量約400)/アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸=5/95(モル比)からなるグラフトポリマ−(高分子NO.A)の15%溶液32.5g(対単量体4.5%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により25℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で2.5g(対単量体、20ppm)添加し重合を開始させた。開始剤添加2時間後、反応物液の粘性が、やや上昇したがそれ以上増加せず、除除に高分子微粒子が析出し始め粘性も減少していった。重合開始後6時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を試作−1とする。この試作−1のアクリル酸/アクリルアミドのモル比は25/75であり、粘度は530mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、2〜20μmの粒子であることが判明した。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表3に示す。
【0030】
【実施例2〜13】
実施例1と同様な操作によりアクリル酸/アクリルアミド=25/75からなる共重合体につき、分散剤としてグラフトコポリマ−NO.B〜NO.Gを用い、試作2〜7を合成した。また、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸/アクリルアミドのモル比は10/90(試作−8)、イタコン酸/アクリルアミド=5/95(試作−9)、アクリル酸/アクリルアミド=5〜70/95〜30(試作−10〜13)を合成した。結果を表3に示す。
【0031】
【実施例14】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:108.0g、硫酸アンモニウム115.0g、硫酸ナトリウム20.4g、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸14.7g、60%アクリル酸:25.4g、50%アクリルアミド:160.2gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム5.6gによりアニオン性単量体の15モル%を中和した。さらにグラフトコポリマ−NO.Cの15%水溶液36.7g(対単量体5%)を加えた。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により25℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で3.1g(対単量体、25ppm)添加し重合を開始させた。開始剤添加1時間50分後、反応物液の粘性が、やや上昇したがそれ以上増加せず、除除に高分子微粒子が析出し始め粘性も減少していった。重合開始後6時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を試作−14とする。この試作−14の2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸/アクリル酸/アクリルアミドのモル比は5/15/80であり、粘度は370mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、2〜20μmの粒子であることが判明した。また、同様に重量平均分子量を測定した。結果を表3に示す。
【0032】
【実施例15】
実施例14と同様な操作によりイタコン酸/アクリル酸/アクリルアミド=5/15/80からなる試作−15を合成した。この試作−15の粘度は350mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、5〜40μmの粒子であることが判明した。また、同様に分子量を測定した。結果を表3に示す。
【0033】
【比較例1】
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:70.4g、硫酸アンモニウム110.8g、硫酸ナトリウム25.0g、60%アクリル酸:45.8g、50%アクリルアミド:165.0gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム6.1gによりアニオン性単量の12モル%を中和した。また15重量%のメタクリル酸ポリオキシエチレングリコ−ル(PEO鎖分子量約400)/アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸=3/97(モル比)からなるグラフトポリマ−(高分子NO.H)の15%溶液32.5g(対単量体4.5%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により25℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1重量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.1重量%水溶液をそれぞれこの順で2.5g(対単量体、20ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後6時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を比較−1とする。この比較−1のアクリル酸/アクリルアミドのモル比は25/75であり、粘度は3700mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、2〜20μmの粒子であることが判明した。結果を表3に示す。
【0034】
【比較例2〜5】
比較例−1と同様な操作によって、グラフトコポリマ−NO.Iを使用し、単量体当たりの添加量を10%にした場合(比較例−2)、グラフトコポリマ−NO.Hを使用した場合(比較例−3)、分散剤としてメタクリル酸/2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸=30/70共重合体の70モル%中和物(比較−A)を使用した場合(比較例−4)、分散剤としてアクリル酸重合体の80モル%中和物(比較−B)を使用した場合(比較例−5)につき行った。結果を3に示す。
【0035】
【表1】
分散液粘度:mPa・s分子量(重量平均):単位は万
1)AAC;アクリル酸(モル%)、2)MAC;メタクリル酸(モル%)、3)AMPS;2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸(モル%)分子量:単位は万、イオン当量;meq/g
【0036】
【表2】
AMP:2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、IA:イタコン酸添加量は対単量体(重量%)、単量体濃度(重量%)
単量体の比率はモル%、分散液粘度:mPa・s
【0037】
【表3】
分散液粘度:mPa・s分子量(重量平均):単位は万

Claims (8)

  1. 塩水溶液に可溶であり、かつ下記一般式(1)で表わされる単量体5〜50モル%、記一般式(2)で表わされる単量体50〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%の共重合体からなる分散剤と、粒径100μm以下のアニオン性水溶性高分子微粒子が、塩水溶液中に共存することを特徴とする水溶性高分子分散液。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、Rは水素またはメチル基、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜50の整数。
    一般式(2)
    11は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、R12は水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオン。
  2. 前記アニオン性水溶性高分子微粒子が、前記分散剤を該塩水溶液中に共存させ、記一般式(2)で表される単量体〜100モル%と(メタ)アクリルアミド0〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することによって製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
  3. 前記分散剤のイオン当量値が、1.0〜7.0meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
  4. 前記高分子分散液を構成するアニオン性水溶性高分子の重量平均分子量が、100万以上、2000万以下であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
  5. 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の水溶性高分子分散液。
  6. 塩水溶液に可溶であり、下記一般式(1)で表わされる単量体5〜50モル%、前記一般式(2)で表わされる単量体50〜95モル%及び共重合可能な他の非イオン性単量体0〜30モル%の共重合体からなる分散剤を共存させ、記一般式(2)で表される単量体〜100モル%、(メタ)アクリルアミド0〜95モル%及び他の共重合可能な非イオン性単量体0〜30モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することを特徴とする粒径100μm以下の微粒子からなる水溶性高分子分散液の製造方法。

    一般式(1)
    は水素又はメチル基、Rは水素またはメチル基、Rは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜50の整数。
    一般式(2)
    は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO、CSO、CONHC(CHCHSO、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOOY、YあるいはYは水素または陽イオン。
  7. 前記分散剤のイオン当量値が、1.0〜7.0meq/gであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
  8. 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項6に記載の水溶性高分子分散液の製造方法。
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