JP5046141B2 - コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス - Google Patents

コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス Download PDF

Info

Publication number
JP5046141B2
JP5046141B2 JP2010248400A JP2010248400A JP5046141B2 JP 5046141 B2 JP5046141 B2 JP 5046141B2 JP 2010248400 A JP2010248400 A JP 2010248400A JP 2010248400 A JP2010248400 A JP 2010248400A JP 5046141 B2 JP5046141 B2 JP 5046141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bobbin
core
coil
core pieces
transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010248400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011159957A (ja
Inventor
尚樹 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumida Corp
Original Assignee
Sumida Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumida Corp filed Critical Sumida Corp
Priority to JP2010248400A priority Critical patent/JP5046141B2/ja
Priority to CN 201110002840 priority patent/CN102136352B/zh
Publication of JP2011159957A publication Critical patent/JP2011159957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5046141B2 publication Critical patent/JP5046141B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)

Description

本発明は、コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランスに関するものであり、特に、巻線のターン数や沿面距離が異なる複数種類のトランスやインダクタンス等の巻線部品に対して、1種類のコイルボビンで対応することができるようにしたコイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランスに関する。
従来、高さ(長さ方向と同じ、以下同様)を調整可能なコイルボビンを使用して、複数種類のトランスに対して1種類のコイルボビンで対応することができるようにしたトランスは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で知られるトランスは、ボビンを形成するボビン本体と土台部とが互いに分離されており、そのボビン本体の円筒部の下端部外周に複数の環状凹部あるいは雄ねじを形成し、この円筒部が挿通される土台部の支持孔にボビン本体側の環状凹部に係合される凸部、あるいは雄ねじと螺合される雌ねじを設けている。そして、ボビン本体の下端部を土台部の支持孔に押し込んで円筒部側の凸部と係合する土台部側の環状凹部の位置を変える、あるいは支持孔に対する円筒部のねじ込み量を変えて、コイルが装着される円筒部の高さを変えるようになっている。
特開2007−80852号公報
しかしながら、特許文献1で知られるトランスにおけるコイルボビンでは、円筒部の高さ寸法の調整量は土台部の高さ寸法に限られ、大きな高さ調整ができない。また、円筒部のねじ込み量を変えて調整する構造では、円筒部内にコアを挿入させているために一周毎の調整となり、段階的な調整となる。一方、凸部と環状凹部の係合により円筒部の高さ調整を行うコイルボビンの場合も、調整量は環状凹部の1ピッチ毎、すなわち段階的な値要請となる。したがって、何れの構造にあっても細かな高さ調整ができないという問題点があった。このため、微少な高さ調整を行う場合には、コイルと鍔部の間の隙間を埋めるスペーサ等を必要とした。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、巻線のターン数や沿面距離が異なる複数種類の巻線部品に対して1種類のコイルボビンで適格対応することができるようにしたコイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るトランス用コイルボビンは、巻芯部の外周にコイルを装着するコイルボビンにおいて、第1のボビン半体と第2のボビン半体とで構成され、各ボビン半体は、それぞれ鍔部と該鍔部から直角に突出している少なくとも2つの巻芯片を一体に備えるとともに、各巻芯片が両ボビン半体同士で交互に、かつ、鍔部が互いに近づく方向にスライド可能に組み込まれて筒状の巻芯部を形成してなる。
この構成によれば、両ボビン半体同士の鍔部がそれぞれ互いに近づく方向に巻芯片と共にスライドさせると、両鍔部間の距離が変化し、この両鍔部間に形成される筒状をした巻芯部の高さ寸法を連続して自由に変えることができる。これにより、例えば平角線をエッジワイズ巻きしてなる巻線を複数個積層してなるコイルで構成される巻線部品において、ボビン半体を鍔部が互いに近づく方向にスライドさせ、複数個の巻線を鍔部と鍔部の間でコイルを押さえ込んで加圧すると、それぞれの巻線間が互いに密着され、結合力が上がる。
また、ボビン半体同士を鍔部が互いに近づく方向にスライドさせることによって巻芯部の高さ調整を自由に行うことができるので、巻線のターン数や沿面距離が異なっても、その巻線部品に最も適した高さの巻芯部に変更して使用することができる。また、その高さの調整量も大きく確保できる。
上記構成において、前記巻芯片は、前記鍔部が互いに近づく方向にスライド配置された位置から反対の離れる方向にスライドして戻るのを止めるストッパ機能を有してなる、構成を採用できる。
この構成によれば、ボビン半体同士が互いに内側にスライドされて鍔部間にコイルを押さえ込むと、その後はストッパ機能の働きによってボビン半体同士がその位置で保持され、コイルの最適な結合状態を維持できる。
上記構成において、前記2つのボビン半体は、それぞれ硬度の異なる材質で形成してなる、構成を採用できる。
この構成によれば、ボビン半体同士の巻芯片が互いに擦れながらスライドされる構成において、それぞれ巻芯片が硬度の異なる材質で形成されていると、硬度の低い巻芯片が硬度の高い巻芯片に擦れることで、巻芯片間に、調整後のボビン半体同士が反対の離れる方向にスライドして戻るのを抑えるストッパ作用が生じる。また、ボビン半体同士の巻芯片が擦れ合わない程度のものであっても、端子が設けられている側のボビン半体を熱硬化性樹脂で形成すると、端子と巻線端末との半田付け作業、溶接作業等の際に発生する熱に耐え得ることが可能となる。
また、上記構成において、前記各ボビン半体の巻芯片の幅は、決められた位置以外では互いに組み込みできないように、少なくとも一方の巻芯片の幅を他方の幅よりも大きく形成してなる、構成を採用できる。
この構成によれば、幅寸法を変えて形成した場合では、一方のボビン半体が他方のボビン半体に対して例えば90°ずれた状態で組み込もうとしても組み込むことができないので、組み立て時における単純なミスを事前に防ぐことができる。
また、上記構成において、前記巻芯片の割れ面の方向を、垂直または水平方向にして形成してなる、構成を採用できる。
この構成によれば、ボビン半体を樹脂成形する際、成形用の金型を水平または垂直方向にそれぞれ移動させて成形できる状態に割ることが可能となり、成形用金型装置が簡単になる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るトランスは、上記コイルボビンを用いた、構成を採用できる。
この構成によれば、巻線のターン数や沿面距離が異なる巻線部品を使用するトランスの場合でも、複数の異なるトランス毎に異なるコイルボビンを用意しておかなくても同じコイルボビンを共用することができる。
本発明によれば、2つに分割されたボビン半体同士の巻芯片をそれぞれ鍔部が互いに近づく方向にスライドさせると、巻芯片と一体に両鍔部間の距離が変化し、筒状をした巻芯部の高さ寸法を自由に連続して変えることができるようになっているので、巻線のターン数や沿面距離が異なる複数種類のトランス等の巻線部品に対して1種類のコイルボビンで対応することができる。これにより、複数種類のコイルボビンを用意しておかなくても済み、経済性の向上並びに部品管理が簡単になる。また、従来のように巻芯部の高さを段階的に調整するのに比べて、巻線間の結合状態を大幅に改善することができる。さらに、両ボビン半体を鍔部が互いに近づく方向にスライドさせることで、巻芯部の高さ調整を行うことができるので、その調整量も大きく、また簡単に確保できる。
本発明を適用した一実施形態として示すトランスを上側から見た斜視図である。 同上トランスを下側から見た斜視図である。 同上トランスの要部分解斜視図である。 同上トランスのコイルボビンを示す斜視図である。 同上トランスのコイルボビンを示し、(a)はコイルを装着してない状態での側面図、(b)はコイルを装着した状態での側面図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明に係るコイルボビンの一変形例を説明する図である。 図7に示すコイルボビンをさらに変形した一例を説明する図である。 本発明に係るコイルボビンをさらに変形した他の例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について詳細に説明する。
図1乃至図6は本発明の一実施形態としてのトランスを示し、図1は同上トランスを上側から見た斜視図、図2は同上トランスを下側から見た斜視図、図3は同上トランスの要部分解斜視図、図4は同上トランスのコイルボビンを示す斜視図、図5は同上トランスのコイルボビンを示し、(a)はコイルを装着してない状態での側面図、(b)はコイルを装着した状態での側面図、図6は図5のA−A線断面図である。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
同図において、巻線部品としてのトランス11は、コイル12とコイルボビン13とコア14等により構成されている。
前記コイル12は、平角線を螺旋状に平打巻きしてあるエッジワイズコイルであり、本例では、第1巻線12aと第2巻線12bと第3巻線12cの3つの巻線により構成されている。そして、これら3つの巻線12a,12b,12cは、順に積層されてコイルボビン13の後述する巻芯部17の外周に装着される。なお、これらの巻線の個数及び巻回数等は、トランスの種類等によって異なるものである。
前記コイルボビン13は、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bにより構成されている。
第1のボビン半体13aは、樹脂性材料を成形して形成され、平面視四角形をし、かつ、中央部に上下に貫通しているコア中脚挿入孔15aを設けてなる下側鍔部としての端子台部16aと、コア中脚挿入孔15aの周面に沿って端子台部16aの上面から上方に向かって直角に突出している4つの巻芯片17aと、が一体に形成されている。
なお、第1のボビン半体13aにおける4つの巻芯片17aは、図6に示すように、本例ではコア中脚挿入孔15aの周面に沿って約90度間隔で、かつ、それぞれ約45度の幅を有して形成されている。また、各巻芯片17aの左右の両側面18a,18aは、同じく図6に示すように、内周から外周に向かうに従い巻芯片17aの幅が徐々に広くなるようにして設けられた、傾斜面として形成されている。
また、第1のボビン半体13aの成形時、端子台部16aの相対抗している1対の各縁部には、側面視略コ字形をした2個の端子19が適宜の間隔を置いてインサートされて設けられている。各端子19は、上端部19aが端子台部16aの上面から斜め上方外側に向かって延びているとともに、下端部19bが端子台16aの下面から水平に外側へ向かって延びるようにして固定されている。
さらに、第1のボビン半体13aの成形の際、端子台部16aの下面側には、コア中脚挿入孔15aと連通しているコア収容用凹部20が形成されている。加えて、コア中脚挿入孔15aを挟んだ左右両側には適宜の間隔をおいて平行に形成された1対のコア外脚挿入孔15b,15bが、それぞれコア収容用凹部20内から端子台部16aの上面を上下に貫通して設けられている。
前記第2のボビン半体13bは、樹脂性材料を成形して形成され、中央部に上下に貫通しているコア中脚挿入孔21aを設けてなる平面視四角形をした上側鍔部16bと、該上側鍔部16bのコア中脚挿入孔21aの周面に沿って上側鍔部16bの下面下方に向かって直角に突出している4つの巻芯片17bと、が一体に形成されている。
なお、第2のボビン半体13bにおける4つの巻芯片17bは、図6に示すように、本例では、第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aと交互に、かつ、互いに側面18a,18b同士が密に接触して上下方向(鍔部方向)にスライド可能に組み込むことが可能となるように、第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aに対応させて、コア中脚挿入孔21aの内周に沿って約90度間隔で、また、約45度の幅を有して形成されている。さらに、第2のボビン半体13bが第1のボビン半体13aと組み合わせされるとき、各巻芯片17bの両側面18b,18bも図6に示すように第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aの左右の両側面18a,18aと各々密着するように、各巻芯片17bの左右の両側面18b,18bも内周から外周に向かうに従い巻芯片17aの幅が徐々に狭くなるようにして設けられた、傾斜面として形成されている。
そして、これら第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bは、巻芯片17a,17bが交互に組み合わさるようにして、図5(a)に示すように第1のボビン半体13aの上側から第2のボビン半体13bを組み込んで行くと、第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aの左右の両側面18aと第2のボビン半体13bにおける巻芯片17bの左右の両側面18bが互いに擦り合いながら組み込まれ、巻芯片17aと巻芯片17bとで円筒状をした巻芯部17が形成されると共に、この巻芯部17の上下にそれぞれ下側鍔部としての端子台部16aと上側鍔部16bが配置されたコイルボビン13が構成されるようになっている。尚、両側面18aと18bとに傾斜面をそれぞれ有する事で、お互いに擦り合う面積が広くなり、押し戻す方向への応力を防止する事が可能となる。
なお、第1ボビン半体13aと第2ボビン半体13bにそれぞれ設けられている巻芯片17a,17bの数は、2つ以上であれば幾つであってもよい。また、第1ボビン半体13aと第2ボビン半体13bの組み合わせ時、4つ全ての巻芯片17a,17bが擦り合わされなくても、少なくとも1つが擦り合わされた状態になればよい。
このように構成されたコイルボビン13は、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bを組み合わせするとき、端子台部16a上には3つの巻線12a,12b,12cを順に積層してなるコイル12が巻芯部17の外周に装着配置され、このコイル12の上下が下側鍔部(端子台部16a)と上側鍔部16bとで図5(b)に示すように挟まれる。この場合、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bを組み合わせて形成されたコイルボビン13は、互いに上下方向にスライド可能であるから、その巻芯部17の高さを自由に調整してコイル12を押さえ込んで加圧することができ、これにより3つの巻線12a,12b,12cを互いに密着させる事で結合を上げられ変換効率を良くすることができる。また、巻芯部17に装着された巻線12a,12b,12cの各巻き始め部及び巻き終わり部は、それぞれ端子部19に半田等により固定される。
前記コア14は、円柱状の中脚部22aと、この中脚部22aの両側に適宜の間隔をおいて平行に設けられた1対の外脚部22b,22bとを有して、E字状に形成された1対のコア半体(通称、「ERコア」という)14a,14bにより構成されている。
そして、下側のコア半体14aは、円柱状の中脚部22a及び外脚部22b,22bをそれぞれ上側に向けた状態で、端子台部16aの下側からコア収容用凹部20内に挿入させることによって端子台16aに取り付けられる。なお、コア半体14aのコア収容用凹部20への挿入時、図4に示すように、中脚部22aはコア中脚挿入孔15a内に挿入され、外脚部22b,22bはコア外脚挿入孔15b,15b内に挿入される。
一方、上側のコア半体14bは、円柱状の中脚部22a及び外脚部22b,22bをそれぞれ下側に向けた状態で、下側のコア半体14aの上側から臨ませる。そして、中脚部22aをコア中脚挿入孔21a内に挿入して下側コア半体14aの中脚部22aに突き合わせるとともに、外脚部22b,22bを下側コア半体14aの外脚部22b,22bにそれぞれ突き合わせ配置する。
これにより、コア半体14aとコア半体14bは、中脚部22a,22a同士が巻芯部17内で突き合わされると同時に、それぞれの外脚部22b,22b同士が巻芯部17の外側で突き合わされ、前記装着されたコイル12の内外周を取り囲んでなるコア14を構成する。なお、コア半体14aとコア半体14bの突き合わせ時、下側コア半体14aと上側コア半体14bの中脚部22a及び外脚部22b,22bの各突き合わせ面がそれぞれ接着されて固定される。
以上説明したように、本実施の形態によるトランス11によれば、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bをそれぞれ互いに内側方向にスライドさせると、下側鍔部(端子台部16a)と上側鍔部16b間の距離が変化し、筒状をした巻芯部17の高さ寸法を自由に変えることができる。したがって、巻線のターン数や沿面距離が異なっても、巻芯部17に装着した3つの巻線12a,12b,12cとでなるコイル12を下側鍔部(端子台部16a)と上側鍔部16bで押さえ込んで加圧し、巻線12a,12b,12cとの間を常に密着し結合を上げることができる。これにより、巻線のターン数や沿面距離が異なる複数種類のトランスに対して1種類のコイルボビンで対応することができることになる。また、その調整量も大きく確保することができる。
なお、上記の例では、1対のER型コア14a,14bを突き合わせた構成であるが、この他、EE型、EI型、ポットコア、UU型等の何れにも適用できるものである。
また、上記の例では、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bを合成樹脂等を成形して形成しているが、第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bの一方を硬度の高い樹脂で形成し、他方を硬度の低い樹脂で形成してもよい。一例としては、端子台部16aを有する第1のボビン半体13aを熱硬化性樹脂で形成し、第2のボビン半体13bを熱可塑性樹脂で形成する。
このように形成すると、交互に組み合わさる第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aの両側面18aと第2のボビン半体13bにおける巻芯片17bの両側面18bがスライドによって互いに擦れ合うとき、硬度の高い巻芯片(17aまたは17b)の面(18aまたは18b)に硬度の低い巻芯片 (17bまたは17a)の面(18bまたは18a)が擦れることで、巻芯片17a,17bとの間に、押し込み調整されたボビン半体13a,13b同士が押し込み前の方向に戻るのを抑えるストッパの作用が働き、押し込み調整されたボビン半体13a,13bをその位置で保持しておくことができる。これにより、コイル12の最適な結合状態を維持し続けることが可能となる。
また、巻芯片17aの両側面18aと巻芯片17bの両側面18bが擦れ合わない程度のものであっても、端子19が設けられている第1ボビン半体13aを熱硬化性樹脂で成形することにより、各端子19と巻線12a,12b,12cの各端末との半田付け作業、溶接作業等の際に発生する熱に耐え得ることが可能となる。
さらに、上記の例では、巻芯部17が端子台部16aに対して垂直になるようにしたコイルボビン形状を示したが、巻芯部17が水平に配置され、この巻芯部17の両端にそれぞれ鍔部を兼ねる端子台を配置してなるコイルボビン形状であってもよい。
さらに、図7に示すように、交互に組み合わさる第1のボビン半体13aにおける巻芯片17aの両側面18a,18aと第2のボビン半体13bにおける巻芯片17bの両側面18b,18bに、水平歯面24aと傾斜歯面24bとでなる鋸状歯25a,25bを互いに噛合可能に設けることも可能である。この構造では、両ボビン半体13a,13bを互いに押し込む時には、鋸状歯25a,25bとの間が滑って比較的スムーズに押し込むことができるが、反対に引き抜こうとしたときには鋸状歯25a,25b同士が互いに係合し合い、押し込み調整されたボビン半体13a,13b同士がスライドして押し込み前の方向に戻るのを抑えるようにストッパ機能として働く。
したがって、このようなストッパ機能を第1のボビン半体13aと第2のボビン半体13bとの間に設けた場合では、ボビン半体13a,13b同士が互いに内側にスライドされて鍔部間(端子台16aと上部鍔部16bとの間)にコイル12を一度押さえ込むと、その後はストッパ機能の働きによってボビン半体13a,13b同士が戻るのを抑え、ボビン半体13a,13bをその位置で保持しておくことができるので、コイル12の最適な結合状態を維持し続けることができる。
なお、第1のボビン半体13aは熱硬化性樹脂、第2のボビン半体は熱可塑性樹脂とした場合、鋸状歯25a,25bは、第2のボビンの鋸状歯25bの数N1に比べて、第1の鋸状歯25aの数N2を少なくする、すなわち(N1>N2)とすることで、鋸状歯25a,25bの摩耗による耐久性を良くすることが可能となる。
また、図7に示す変形例では、巻芯片17a,17bの各両側面18a,18bの全てに鋸状歯25a,25bを設けた構造を開示したが、巻芯片17a,17bの一部や全ての巻芯片17a,17bのうち、鋸状歯を設けた巻芯片と鋸状歯を設けない巻芯片を組み合わせて各ボビン半体を形成してもよい。
図8は、その一変形例、すなわち図7をさらに変形した一例を示すものである。図8の巻芯片17a,17bは、各一方の側面18a,18b(図中、矢印Aで示す)に鋸状歯25a,25bを設けるとともに、各他方の側面18a,18b(図中、矢印Bで示す)には鋸状歯を設けていない構造にして形成している。また、鋸状歯25a,25bを設けた側において、巻芯片17b側の側面18bのほぼ全ての範囲(先端部から基端部までの範囲)には鋸状歯25bを設け、巻芯片17aの側面18aには先端部から基端部に向かう途中の位置まで鋸状歯25aを設けるとともに、鋸状歯25aから基端部までの間に切欠部26を設けた構造として形成している。
さらに、図7及び図8に示すように、巻芯片17a,17bに鋸状歯25a,25bを設けた場合は、成形の際における成形用金型を形成し易く割るのに、例えば図9に示すように4個の巻芯片17aと4個の巻芯片17bの割れ位置をそれぞれ、図中矢印Cで示す位置では垂直、図中矢印Dで示す位置では水平となるように形成するとよい。これにより、ボビン半体13a,13bを樹脂成形する際、成形用金型を水平方向と垂直方向にそれぞれ移動させて成形できるように割ることが可能となり、成形金型装置の構造を簡略化することができる。
また、図9に示すように、図中矢印Cで示す垂直位置に配置される巻芯片17a,17aの幅寸法W1よりも図中矢印Dで示す水平位置に配置される巻芯片17a,17aの幅寸法W2を大きくする、すなわち(W1<W2)となるように幅寸法を変えて形成した場合では、第2のボビン半体13bを第1のボビン半体13aに対して90°ずれた状態で組み込もうとしても組み込むことができないので、組み立てミスを無くすことができる。これは、巻芯片17a,17bに鋸状歯25a,25bを設けていないコイルボビンに対しても同様に適用できる。なお、図9は、コイルを装着してない状態でコイルボビン13を水平断面して見た図である。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、上記以外の多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
上記実施の形態では、コイルボビンはトランスに適用した場合について説明したが、トランス以外にインダクタ等の巻線部品にも応用できる。
11 トランス
12 コイル
12a 一次巻線
12b 二次巻線
13 コイルボビン
13a 第1のボビン半体
13b 第2のボビン半体
14 コア
14a,14b コア半体
15a コア中脚挿入孔
15b コア外脚挿入孔
16a 端子台部(下側鍔部)
16b 上側鍔部
17 巻芯部
17a 巻芯片
17b 巻芯片
18a 両側面
18b 両側面
19 端子
19a 上端部
19b 下端部
20 コア収容用凹部
21a コア中脚挿入孔
22a 中脚部
22b 外脚部
24a 水平歯面
24b 傾斜歯面
25a 鋸状歯
26 切欠部

Claims (4)

  1. 巻芯部の外周にコイルを装着するコイルボビンにおいて、
    第1のボビン半体と第2のボビン半体とで構成され、
    各ボビン本体は、それぞれ鍔部と該鍔部から直角に突出している少なくとも2つの巻芯片を一体に備えるとともに、各巻芯片が両ボビン半体同士で交互に、かつ、鍔部が互いに近づく方向にスライド可能に組み込まれて筒状の巻芯部を形成し、
    前記巻芯片は、各ボビン半体のそれぞれの巻芯片にて互いに噛み合う鋸状歯が形成され、これら鋸状歯は前記鍔部が互いに近づく方向にスライド配置された位置から反対の離れる方向にスライドして戻るのを止めるストッパ機能を有し、
    前記2つのボビン半体は、それぞれ硬度の異なる材質で形成され、一方のボビン半体は熱硬化性樹脂からなり、他方のボビン本体は熱可塑性樹脂からなり、
    前記鋸状歯は、前記他方のボビン半体の鋸状歯の数N1と比べ、前記一方のボビン半体の鋸状歯の数N2が少なくなるように形成されてなることを特徴とするコイルボビン。
  2. 前記各ボビン本体の巻芯片の幅は、決められた位置以外では互いに組み込みできないように、少なくとも一方の巻芯片の幅を他方の幅よりも大きく形成してなることを特徴とする請求項1に記載のコイルボビン。
  3. 前記巻芯片の割れ面の方向を、垂直または水平方向にして形成してなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコイルボビン。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載のコイルボビンを用いたことを特徴とするトランス。
JP2010248400A 2010-01-07 2010-11-05 コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス Expired - Fee Related JP5046141B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010248400A JP5046141B2 (ja) 2010-01-07 2010-11-05 コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス
CN 201110002840 CN102136352B (zh) 2010-01-07 2011-01-07 线圈骨架和使用该线圈骨架的变压器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010001611 2010-01-07
JP2010001611 2010-01-07
JP2010248400A JP5046141B2 (ja) 2010-01-07 2010-11-05 コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011159957A JP2011159957A (ja) 2011-08-18
JP5046141B2 true JP5046141B2 (ja) 2012-10-10

Family

ID=44591619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010248400A Expired - Fee Related JP5046141B2 (ja) 2010-01-07 2010-11-05 コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5046141B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014207140A1 (de) * 2014-04-14 2015-10-15 Würth Elektronik iBE GmbH Induktionsbauteil
US20170004920A1 (en) * 2015-06-30 2017-01-05 Cyntec Co., Ltd. Magnetic component and method of manufacturing magnetic component
JP6641236B2 (ja) * 2016-06-16 2020-02-05 株式会社トーキン コイル部品
CN109216011B (zh) * 2018-11-28 2023-09-12 天津维可特电力科技有限公司 一种多功能变压器绕制线圈用组合式胎具及组装方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4975012U (ja) * 1972-10-19 1974-06-28
JPH0831666A (ja) * 1994-07-15 1996-02-02 Tokin Corp トランス
JPH0917681A (ja) * 1995-06-29 1997-01-17 Toshiba Mec Kk モールドコイルの製造方法
JP2000114025A (ja) * 1998-10-07 2000-04-21 Tdk Corp コイル部品
JP2007184468A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Funai Electric Co Ltd トランス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011159957A (ja) 2011-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8570133B2 (en) Transformer
JP5046141B2 (ja) コイルボビン及びこのコイルボビンを用いたトランス
JP6079225B2 (ja) トランス
US20140176291A1 (en) Choke coil
JP6048789B2 (ja) リアクトルおよび電源装置
JP6497521B2 (ja) トランス
JP2010232390A (ja) トランス
KR101995737B1 (ko) 트랜스포머 및 트랜스포머의 제조방법
JP2008041721A (ja) リアクトル用コア
JP5622784B2 (ja) 磁性コア及びインダクタ
JP2011146649A (ja) トランス
US20200075218A1 (en) Magnetic core, coil component, and electronic component including same
US20160211067A1 (en) Reactor device and method for manufacturing reactor device
JP2016115864A (ja) コイル部品
EP2814045A1 (en) Compact low-loss triangular transformer and method for producing the same
JP2012109296A (ja) コイル装置
JP2015065405A (ja) トランス
KR20160002420U (ko) E형 코어철심 및 e형 코어
US10763030B2 (en) Transformer and transformer core
JP6484068B2 (ja) インダクタンス素子用樹脂ケースおよびインダクタンス素子
JP2019009277A (ja) コア、コア積層体及び静止誘導器
JP5616928B2 (ja) コイル装置
JP2018133499A (ja) リアクトルおよびその製造方法
JP6337463B2 (ja) コイル部品およびコイル部品セット
JP2009252833A (ja) コイル部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5046141

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees