JP5044439B2 - エアバック装置 - Google Patents
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Description
このようなエアバック装置の従来技術としては、例えば特許文献1の図1に開示されているように、リング状の側壁を有するリテーナ(エアバックの基部を固定する部材)が、インフレータを囲むようにして取り付けられており、インフレータ横側面のガス噴出口から噴出したガスが、先ず、リテーナの側壁に当り、その後、その側壁のガイドにより乗員方向に流れるようにすることで、エアバックを効率良く展開することができるエアバック装置が知られている。
即ち、上記従来のエアバック装置においては、リテーナの側壁を設置するスペースが必要となるため、エアバック(特にその基部付近)を、インフレータのすぐ横側方の外周部に折り畳んで収納することが困難であり、エアバックを装置内によりコンパクトに折り畳むという点で改善の余地があった。
ガス噴出口を横側面に有するインフレータと、前記インフレータの横外側に配設されるリテーナと、前記リテーナによって基部が固定されているエアバックとを備えるエアバック装置において、
前記インフレータから供給される膨張用ガスの流れを規制し得るガイド部が、前記リテーナから延設されており、
前記ガイド部は、前記ガス噴出口と相対し得る第1壁と、その第1壁に連設されて前記インフレータのエアバック展開側面に沿う第2壁とを備えており、
前記ガイド部の第1壁が、前記ガス噴出口から噴出した膨張用ガスの圧力を受けて、前記ガイド部が前記インフレータの横外方に回動し、この回動により前記第2壁が前記エアバックの展開方向に沿う状態に立設し、前記膨張用ガスをエアバック展開方向に案内し得るように構成されていることを特徴とする。
本発明の非作動時においては、例えば、図2(a)及び図3に示されるように、ガイド部9の第1壁9a及び第2壁9bが、インフレータ5の横側面5a及びエアバック展開側面5bをそれぞれ覆うように近接した状態で設定され得るため、従来のエアバック装置と比べてガイド(リテーナの側壁)を設置するスペースが少なくて済み、結果、エアバック(特にその基部付近)を、インフレータ5のすぐ横側方の外周部に折り畳んで収納し易く、よりコンパクトに装置内に折り畳むことができる。
そして、図2(c)に示されるように、ガイド部9がインフレータ5の横外方に回動することによって、ガイド部9の第1壁9aがインフレータ5の横外方に倒れると共に、ガイド部9の第2壁9bが、インフレータ5のガス噴出口6との間に適当な距離(例えば、第1壁9aの高さに相当する距離)を空けた状態でエアバック2の展開方向に沿う状態に立設し得るように構成されている。
従って、本発明においては、上記従来のエアバック装置と同様に、膨張用ガスをインフレータの横側面から噴出させるため、エアバックの急激な膨張展開が抑えられ、乗員に対して強い衝撃が加えられる虞がない。さらに、ガイド部の回動により立設した第2壁によって、上記従来のエアバック装置におけるリテーナの側壁と同様に、膨張用ガスがエアバック展開方向に案内されるため、エアバックを効率良く展開することができる。
〔実施形態〕
本発明に係るエアバック装置1の実施形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。
図1には、助手席側に適用したエアバック装置1の(a)非作動時(エアバック2が装置内に収容されている状態)、及び(b)作動時(エアバック2が膨張展開して乗員を受け止めた状態)の全体側面が概略的に示されている。尚、図1中の記号F及びRは、それぞれ車両前方及び車両後方を示す。
図2には、エアバック装置1のエアバック2が、装置内に折り畳まれた状態(a)から、膨張展開するときの状態(b)及び(c)が縦断面図にて示されており、(a)(b)(c)の順に推移する。尚、図2(b)及び(c)中の矢印は、膨張用ガスの流出方向を示す。
図3には、エアバック2の基部を装置に固定するリテーナ8が、斜視図にて示されている。
また、以下の説明において、車両前方、車両後方、車両上方、及び車両下方をそれぞれ前方、後方、上方、及び下方と表示する。
図1(a)及び図2(a)に示されるように、エアバック装置1は、助手席の前方で、前部ガラス3(フロントガラス)の後方に位置するインストルメントパネル4(以下、インパネ4と略称する)の上部の内側に配設され、折り畳まれたエアバック2と、エアバック2に供給する膨張用ガスを発生させるインフレータ5と、インフレータ5の横外側に配設されるリテーナ8と、エアバック2、インフレータ5及びリテーナ8を収容するケース12とを備えて構成されている。
エアバック2の基部は、リテーナ8によってケース12底部に固定されており、インフレータ5のガス噴出口6は、リテーナ8から延設されるガイド部9の第1壁9a、及びエアバック2によって囲まれている。
次に、上述のように構成されたエアバック装置1の作用について説明する。
図2(a)に示されるように、エアバック装置1の非作動時においては、エアバック2がケース12内部に折り畳まれた状態で収容されている。このとき、ガイド部9の第1壁9a及び第2壁9bが、インフレータ5の横側面5a及びエアバック展開側面5bをそれぞれ覆うように近接した状態で設定され得るため、従来のエアバック装置と比べてガイドを設置するスペースが非常に少なくて済み、結果、エアバック(特にその基部付近)を、インフレータのすぐ横側方の外周部に折り畳んで収納し易く、よりコンパクトに装置内に折り畳むことができる。
図2(b)に示されるように、発生した膨張用ガスは、インフレータ5のガス噴出口6から、軸線Aと直行する方向に噴出して、ガイド部9の第1壁9aに当たる。
ガイド部9の第1壁9aが、インフレータ5のガス噴出口6から噴出した膨張用ガスの圧力を受けることによって、その根元で折れ曲がり(第1壁9aの根元には長孔10による脆弱部分11が設けられているため、折れ曲がり易く構成されている)、ガイド部9が、第1壁9aの根元を支点としてインフレータ5の横外方に回動しようとする。このとき、インフレータ5の横側面5aから噴出した膨張用ガスは、ガイド部9の第1壁9aと第2壁9bにガイドされてインフレータ5上方の軸線A(この軸線Aに沿う上向きの方向は、エアバック装置1の作動初期段階におけるエアバック2の展開方向と一致する)上に集中するため、エアバック装置1の作動初期段階(即ち、エアバック2の展開初期)には、エアバック2を乗員方向に早めに展開させる。
〔1〕前述の実施形態におけるエアバック装置1を、運転席側のステアリングホイール内、あるいは助手席又は運転席のシートバック背面等に設ける構成としても良い。
〔2〕前述の実施形態における第1壁9aの脆弱部分11を、第1壁9aの根元にビード部を設けて構成しても良いし、あるいは、第1壁9aの根元を薄肉にして構成しても良い。
〔3〕前述の実施形態(非作動時)における第2壁9bを、インフレータ5の軸線A付近まで延設する構成としても良い。
〔4〕前述の実施形態におけるガイド部9を、インフレータ5の全てのガス噴出口6に対して設ける構成としなくとも良く、一部のガス噴出口6に対して設ける構成であっても良い。
〔5〕前述の実施形態(図1(b)参照)においては、エアバック2が、初めに車室天井側に展開した後、乗員側に展開する構成が記載されているが、この構成に限定されるものではなく、エアバック2を乗員側に直接展開させる構成としても良い。
2 エアバック
3 前部ガラス
4 インストルメントパネル
5 インフレータ
5a 横側面
5b エアバック展開側面
6 ガス噴出口
7 フランジ
8 リテーナ
8a 開口
9 ガイド部
9a 第1壁
9b 第2壁
10 長孔
11 脆弱部分
12 ケース
12a インフレータ取付穴
13 ボルト
14 ナット
15 インパネの開口部
Claims (1)
- ガス噴出口を横側面に有するインフレータと、前記インフレータの横外側に配設されるリテーナと、前記リテーナによって基部が固定されているエアバックとを備えるエアバック装置において、
前記インフレータから供給される膨張用ガスの流れを規制し得るガイド部が、前記リテーナから延設されており、
前記ガイド部は、前記ガス噴出口と相対し得る第1壁と、その第1壁に連設されて前記インフレータのエアバック展開側面に沿う第2壁とを備えており、
前記ガイド部の第1壁が、前記ガス噴出口から噴出した膨張用ガスの圧力を受けて、前記ガイド部が前記インフレータの横外方に回動し、この回動により前記第2壁が前記エアバックの展開方向に沿う状態に立設し、前記膨張用ガスをエアバック展開方向に案内し得るように構成されているエアバック装置。
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Family Applications (1)
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