JP5044186B2 - 握持停止機構を具えるチャック - Google Patents
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Description
ハウジング及びベアリング・ガスケットは、それぞれボディに固く取付けられる。ジョーは、ボディ内に均等に配置された傾斜孔に取付けられる。ナットはボディの周りを囲み、ナットの内側にある溝は、ジョーと協動してねじ駆動ギアを構成する。ナットの周りをハウジングが覆う。(ナットの周りを、さらにナット・スリーブが覆う例もある。)ハウジングにはキーがあり、ナットには当該キーに対応するキー溝があるので、当該キーを通して、前記ハウジングをナット・スリーブ(又はナット)に連結することができる。
その結果、ナットを回転ツールの締め方向に回転させる場合には、まず、使用時の不便さや、さらに、時には、故障等の問題を起こす、前記摩擦の発生を抑制する必要がある。前記摩擦は、さらに、ねじの消耗を早め、その結果、締付チャックの使用可能期間にも影響を及ぼす。
図49に示すように、ナット2'上には、ナットとともに回転させることが可能な停止部2’aがあり、当該停止部2'aは、本体の軸方向に延びている。
ナット2'の緩め方向への回転に伴い、握持ジョー3'が傾斜孔内の所定の位置まで達すると、停止部2'aは、回転する握持ジョー3'に近づき、ナット2'が 緩め方向に、さらに回転するのを阻止する。
a.前記ドライバの駆動軸と連結されるための後方部、及び前方部を有し、前記前方部は、軸方向孔と、該軸方向孔と交差する複数の角度に配置された通路を有するボディ;
b.前記通路に位置し、回転ツールと係合する一面と溝が形成された反対面とを有する複数のジョー;
c.前記ボディの周りに回転可能に取付けられ、その内周面には、前記ジョーの溝と螺合されるための溝が設けられているナット;
d.前記ボディに対して回転させられると前記ジョーが移動するように、前記ナットと駆動回転係合するスリーブ;
e.少なくとも部分的に前記ボディを囲み、前記ナットとともに回転する停止機構;及び、
f.前記停止機構に具えられ、前記ナットが前記ジョーの緩め方向に回転し、前記ジョーが前記通路の所定の位置に達すると、前記ジョーの側面を支持して前記ナットのさらなる回転を停止させる停止部を有する、少なくとも1つの弾性停止爪;を有してなる。
本発明のチャックは、その後端部が駆動軸に連結されるボディを含む。このボディには、円周上に均等に配置された傾斜孔が設けられており、外面に溝が形成されたジョーが、1つ1つ装入される。
ナットは、ジョー上の溝と螺合するように、回転可能にボディに取付けられている。ボディの周囲をスリーブで覆うこともでき、その場合のスリーブは、ナットと連結され、ナットを駆動する。
前記停止機構は、ジョーの側面と接触する、少なくとも1つの弾性停止爪を具える。他にも、弾性停止爪と接触するジョーの側面が、停止のための平面部を具える実施形態もある。
ナットの下部には当該凸キーに対応する凹溝が設けられており、前記凸キー及び凹溝のそれぞれの噛合により、停止ホルダ及びナットが連結されるようになっている。
或る実施形態においては、前記弾性停止爪は、停止ホルダの一部として一体的に形成される。停止ホルダは、ナットに固く締付けることができる。
停止部は、前記連結部から見て第1方向の、前記弾性停止爪上に位置し、握持ジョーの側面をブロックするために用いられる。
てこ部は、前記連結部から見て、前記第1方向とは反対の第2方向の、前記弾性停止爪上に位置する。
弾性停止爪には、さらに、前記連結部の位置に対応する中間地点上に、突出部を設けることもできる。当該突出部は、上方に突出しており、ナットねじの環状末端面と接触する。停止ホルダは開放形でもよい。てこ部の端は、上方に向けて屈曲し、斜面を形成する。
ボディには、それぞれ別個に、対応するジョーを装入するための傾斜孔が均等に配置されている。ナットは前記ボディの周りに回転可能に取付けられ、そして、ナットの内面には、ジョーの溝と螺合される溝が設けられている。スリーブは前記ボディの周りに取付けられ、前記ナットに連結され、ナットを駆動する。
停止機構は、ナットとともに回転するように取付けられている。当該停止機構の上部には、少なくとも1つの弾性停止爪が設けられており、ジョーが所定の位置まで後退すると、前記弾性停止爪が、前記握持ジョーの側面をブロックするようになっている。
ボディには、それぞれ別個に、外面にねじ溝が設けられたジョーを装入するための傾斜孔が均等に配置されている。ナットは前記ボディの周りに回転可能に取付けられており、その内面には、前記ジョーの溝と螺合される溝が形成されている。スリーブは、前記ナットに連結され、ナットを駆動する。少なくとも1つの弾性停止爪を有する停止機構も具えられている。
ハウジングが前記第1方向に回転することで、ジョーが所定の位置まで後退すると、前記弾性停止爪はジョーの側面をブロックする。停止機構は、ディスク形でよい。
前記弾性停止爪の自由端は、前記第1方向に延び、前方に向って傾斜する停止部を画定する。前記停止部の端部は、ジョーの側面と合致する凹んだ弓状面である。
この場合の弾性停止爪は、連結部、停止部、てこ部を有する。連結部は、中間に位置し、停止スリーブに固定されて一体となっている。停止部は、前記連結部に相対して第1の方向側に位置し、ジョーの側面をブロックするために用いられる。てこ部は、前記連結部に対して第2の方向、すなわち、前記停止部の位置する第1の方向側の反対の方向側に位置する。
弾性停止爪の一端には前記上面に接続されている連結部があり、他端には前記第1方向に延び、且つ、前方に傾斜する停止部がある。前記弾性停止爪は、停止スリーブと一体的に形成されることができる。前記停止スリーブは、ナットに固定してよい。前記弾性停止爪には、また、外側支持部を設けることができる。
弾性停止爪の停止部は、幅方向内側に向けて弓なりに屈曲し、突出した構造を有し、その下部は、隣接する停止スリーブの側壁面に向けられている。
てこ部は、弾性停止爪本体に対して、前記第1方向に向って傾斜面を形成する。当該てこ部の一端は、弾性停止爪本体に連結されている。一方、もう一端は自由端であり、ジョーの後端部と接触させるために用いられる。
弾性停止爪の連結部はピボット軸受を有し、当該連結部は、ピボットの支承により、停止スリーブ本体に連結されている。
前記ピボットに、停止スリーブを囲む金属環を具えることもできる。当該金属環は、開放リングでよい。
てこ部は、弾性停止爪本体に対して、前記第1方向に向って傾斜面を形成する。当該てこ部の一端は、弾性停止爪のボディに連結されている。一方、もう一端は自由端であり、その中間部は、ジョーの後端部と接触させるために、下方に突出している。
停止スリーブの後端部は、弾性停止爪のてこ部の前記自由端に相対して径方向内側に延びて、停止部を形成する。当該停止部は、前記自由端を停止させるために用いられる。
前記スリーブは、ナット・スリーブ及び停止ディスクを具えることができる。弾性停止爪は、停止ディスク上に設けられる。
ナット・スリーブは、ナットに固定され、ナット上を摺動する。ナット・スリーブには、又、複数の凸キーを具えた後端部がある。
停止ディスクは、前記凸キーと組合されてナット・スリーブと停止ディスクを連結するための、前記凸キーに対応する複数の溝を具える。
チャックは、後方カバー(又は、後方スリーブ)を具えることもある。当該後方カバーは、後方カバーを通って停止ディスクをナット・スリーブに固定するための、前記凸キーに適合する溝を有する。
後方カバーは、ナット・スリーブ及び停止ディスクの軸方向の位置を決めるための、外側スリーブと連結するフランジを具えることも可能である。
前記外側スリーブ、ナット、ナット・スリーブ、停止ディスク及び後方カバーは、ボディとともに回転する。
前記停止スリーブは、開放形である。弾性停止爪は、下方のジョーの溝末端面に向け突出している。停止スリーブは、また、径方向外側へ延びる凸キーを有する。 ナットの下端は前記凸キーに対応する凹溝を具え、前記凸キーと凹溝との組合せにより、停止スリーブとナットが連結される。停止スリーブの後端を、頂面を含んでもよい。
連結部は、弾性停止爪の中間に位置し、停止スリーブに固定されて一体的に、すなわち、モノリシックに形成されている。
停止部は、弾性停止爪上の、連結部に対して第1方向側に位置し、ジョーの側面をブロックするために用いられる。
てこ部は、弾性停止爪上の、連結部に対して第2方向側、すなわち、前記停止部のある第1方向と反対の方向に位置する。
弾性停止爪には、さらに、前記連結部の位置に対応する中間地点上に、突出部を設けることもできる。当該突出部は、上方に突出しており、ナットの溝の環状末端面と接触する。
従って、外側スリーブが停止位置から締め方向に回転したときは、弾性停止爪が自身の弾性変形力でもって、元の位置に回復することができる。このように、効果的にジョーの停止機能を果たし、ジョーの溝末端面とナットの溝末端面が、摩擦によってくっついてしまう危険を防止、又は最小限に抑え、そして又、過剰な圧迫によって、前記2つの面が擦れ合い、不動化してしまうことを防止する。
なお、チャック自体との相対的な関係において、シャンクの方向を「前」、電気駆動軸の方向を「後」と定義する。
「前」は、また、「下」と言うこともあり、そして「後」を「後方」ということもある。
しかし、特別な意味を有する場合や、明らかに上記の定義の下での理解が不可能な場合には、上記定義を用いない。
チャックは、ボディ1、ナット2、複数のジョー(例えば、3個)、ベアリング4、前方スリーブ(又は、ハウジング)5、後方カバー(すなわち、後方スリーブ)6、位置決めジャンプリング7、及び停止機構18を含む。
前記後方スリーブ(又は、後方カバー)6は、ボディ1の外周面に固く取付けられている。
3つのジョー3は、ボディ1の円周に沿って均等に配置され、それぞれに対応する3つの傾斜孔(通路)に装入される。
1つ1つのジョーの前端は握持部を画定し、その反対端部は、溝を設けた面を有する。
前記溝は、溝末端面32で終わり、当該溝末端面32より前方には、溝は設けられていない。
ナット2は、停止スリーブ18に単に連結されている実施形態もあれば、停止スリーブ18に固定されている実施形態もある。
ナット2に切欠21を設けて、前方スリーブ上のキー51と対応させ、係合させるようにしてもよい。
前方スリーブ5が回転すると、ナット2がジョー3を駆動してボディ1の傾斜孔内を前後に動かし、シャンクを囲むジョーを締めたり緩めたりする、ということが理解されよう。
図1は3つの弾性停止爪181を例示するが、弾性停止爪の数は任意であり、適当な如何なる数でもよい。一般的には、ジョーと同じ数だけの弾性停止爪がある。
弾性停止爪181は、各々前方に向けて傾斜し、また、停止スリーブの内側に向けて曲げられ、第1方向(緩め方向)に沿って延びる。弾性停止爪181の一端は、停止スリーブの後端部とつながる連結部を画定する。もう一方の対向する端は、停止部182を形成する自由端である。
弾性停止爪181が層状である形態もある。
この時、対応するジョー3の溝末端面32は、ナット2の溝の環状末端面23の近くに位置する。
この時に、又、弾性停止爪181の停止部182は、ジョー3の後端部の側面31(ボディ1の円周面に相対する面)と接触する。その結果、ナット2(そして、停止スリーブ18)、及びジョー3間の相対的な回転を防止するのみでなく、ジョー3の溝末端面32がナット2の溝の環状末端面23と接触して、極度に大きい摩擦による引摺りトルクを生じてしまうことを防ぐ。
ジョー3の後端側面31及び弾性停止爪の停止部182の接触面積が極端に小さいときには、弾性停止爪181は、後方へ僅かに撓み(弾性変形)、その撓みにより第1の弾性停止爪181との接触点では、効果的に(ジョーの)移動や滑動を止めることができないこともある。
この時点では、ジョー3は隣接する次の弾性停止爪181と接触する地点(第2の弾性停止爪との接触点)まで、ナット2に対して回転し続ける。
この時、ジョー3の後端は、前記第2の弾性停止爪と接触するまでに、第1の弾性停止爪181との接触点に相対的にねじピッチ(ねじ1周分の高さ)の3分の1分の移動をするのに対し、弾性停止爪は、ボディの軸方向に沿った位置移動をしない。この種のジョー3の側面31及び弾性停止爪の停止部182の重なり合う部分の共通高は、ねじピッチの3分の1より大きいため、握持ジョーがさらに回転し続けるのを確実に阻止することができる。
本実施形態では、停止スリーブ18は、停止スリーブ38に取って替わられる。本実施形態では、後端部に、少なくとも1つ、そして、全体として2つ以上の弾性停止爪が、径方向に沿って設けられている。弾性停止爪381の数は、ジョー3の数と同様であるのが一般的である。
連結部389は、弾性停止爪381を停止スリーブ18に連結する。弾性停止爪は、停止スリーブ38と一体的に、又は、モノリシックに停止スリーブに固定連結してよい。
停止部382は、自由端(連結部から見て第1方向。)に位置して、ジョー3の側面を受止めるために用いられる。
支持部388は、停止部382の外側の停止スリーブの外側面に位置する。そして、停止部382がジョーの圧力を支える際に、停止スリーブ38の内面にあって、圧力を支持するために用いられる。
突出部385は、弾性停止爪381上の、連結部389に対応する地点に位置する。当該突出部は上方に突出て、後方スリーブ6後部の末端面と接触する。
てこ部386は、停止部382の正反対(連結部から見て第2方向。第1方向と反対。)に位置する。当該てこ部は、ジョー3の後端と接触し、対応するジョーの支持を受けて上方へ移動する。
図中”U”は、ナットと相対的に回転するジョーの回転方向を、”V”は移動方向を示す。
図6は、ジョー3が後退して、停止部382及びてこ部386の端部と接触する僅か手前にある状態を示す。この時、3つの握持ジョー3と停止部382の端間、及び握持ジョー3とてこ部386の端間のスペースは、ねじピッチの3分の1に満たない。図6は、第1(#1)及び第3(#3)のジョー3を示す。
図7は、第1(#1)のジョー3が120度(図6の段階からの移動距離は、ジョー1本の幅径とほぼ等しい。)回転した状態を示す。この時、ジョー3の端部は、停止部382及びてこ部386の端部を越えて、“h”の長さ分移動する。
図8は、後方に移動し続ける第1(#1)及び第2(#2)のジョー3を示す。このジョーの後退に伴い、第2(#2)のジョーの後端と、弾性停止爪381のてこ部386が接触する。
その結果、握持ジョー3が、ナット2(そして、停止ホルダ38)と相対的に回転し続けることを、より効果的に阻止する。
停止スリーブ38上の弾性停止爪381の外側面388の機能は、ジョー3が停止部382と接触して、当部に大きな圧力をかけて、停止スリーブ38の内壁面の方向に僅かに位置を変化させた際に、一種の補助的な支持体となることである。
標準状態では、停止部382の長手方向の最下点は、てこ部386のそれと同じであり、そして、弾性停止爪381の中間点より低い。
てこ部386の端部は、上方へ向けて屈曲し、傾斜面を形成している。そのため、外側スリーブが締め方向に回転したときに、ジョー3の端部がてこ部386下に容易に滑り込むことが可能となる。突出部385は、上向きの弓型、すなわち、円弧形であることが望ましい。
本実施形態は、停止リング78を具える。リング78は、外側スリーブ5と結合する。ハウジング(外側スリーブ)5の内表面には、溝51が設けられている。図9及び10に示すように、停止リング78は、停止スリーブ38と類似している。停止リング78は、少なくとも1つの、望ましくはジョーの数に等しい数の弾性停止爪781を具える。弾性停止爪781は、各々、連結部789、停止部782、外側支持部788、突出部785、及びてこ部786を有する。
停止リング78には、径方向外側に延びる、少なくとも1つ、そして望ましくは複数のキー787が形成されている。キー787は、ハウジング(外側スリーブ)5の溝51と連結する。キー787は、停止リング78の底端部に位置していて、下方へ延びる突出部として一体的に形成される。
本実施形態では、停止リング48が、停止スリーブ18の替わりに用いられる。停止リング48の内側面には、少なくとも1つ、そして望ましくは複数の弾性停止爪481が設けられている。弾性停止爪には、それぞれ、停止部482、弾性支軸アーム485、及びてこ部486がある。
停止部482は、弾性停止爪481の下部に位置し、径方向内側へ向けて突出した、弓形状を有する。停止部482の端部側面は、ジョー3の側面を停止する。停止部482の下部は、停止リング48の内周面に十分に支持され、ジョー3の側面の停止機能も確実に働く。
弾性支軸アーム485は、弾性停止爪481の上部に位置している。当該弾性支軸アーム485は停止リング48本体との接合部材であり、弾性停止爪481が停止リング48を支点にして、元の位置を回復するための弾性変形力を生み出すことができるような方法で、接合されている。
てこ部486は弾性停止爪481の上部に位置している。そして、弾性停止爪481本体に相対して第1方面(緩め方向)のみに設けられている。てこ部486の一端は、弾性停止爪481本体と結合し、もう一端は自由端であり、ジョーの後端部と接触するようになっている。そして、ジョーの後退に伴い上方に移動し、弾性停止爪が揺動するようにする。
停止リングには、そして、望ましくはフランジには、スリーブの内周面に設けられたキー53と対応する溝487が設けられており、スリーブ5の回転に伴い、停止リング48が駆動されるようになっている。
停止リング48及びハウジング5は、他の適切な方法で連結することもできるのは当然である。
図19は、標準状態の、ジョー及び停止リングの相対位置を示す概略図である。この時、弾性停止爪481のてこ部486と接触するまで、ジョー3は後方に移動する。
図20は、停止状態の、ジョー及び停止リングの相対位置を示す概略図である。この時、ジョーの後端部に押されて、てこ部486は上方へ移動するため、弾性停止爪481は、弾性支軸アーム485を支点に動き、弾性停止爪481の下部に位置する停止部482が径方向内側へ向けて揺動する。そして、停止部の側面(内周面)は、ジョー3の側面を捉える。その時点で、弾性停止爪481は径方向内側へ向けてさらに揺動するのを抑制される。
図21は図20のF−F線で切断した部分断面図であり、標準状態での、ジョー3及び停止ホルダ48の、径方向の相対位置を示す。スリーブ5が逆回転すると、ジョー3の後端及びてこ部486は離れ、弾性支軸アームの弾性変形力により、停止部482は、図19に示すような、元の、標準位置に戻る。
本実施形態には、停止リング60と、少なくとも1つ、望ましくは複数の、別々の弾性停止爪88がある。弾性停止爪88は、各々、上部に連結部885、下部に停止部882、及び上面の一端にのみてこ部886を具える。
連結部885は、バックリングにより設けたピボット孔を含む。当該ピボット孔は、ピボット59と合致し、停止リング60上に弾性停止爪88を連結する。
てこ部886の中央には、下方へ延びる突出部886aがある。当該突出部は、ジョー3の後端部と接触し、そして、停止部882が径方向内側へ軸を支点に揺動する際の弾性変形力を生み出す。
金属リングは非開放リングでも、開放リングでも、何でも選択可能である。
停止ホルダ60の上部には、また、径方向内側に延びる環状のフランジが設けられている。そして、当該フランジは、ブロック部608を形成して、てこ部886の自由端886bをブロックするために、てこ部886の自由端と相対的に形成することができる。後方スリーブ6の後端部の内面が、てこ部886の自由端886bをブロックする役目を果たす場合には、前記ブロック部608は必要でないことに留意されたい。
図27は、標準状態の、ジョー及び停止ホルダの相対位置を示す概略図である。この時、ジョー3は、突出部886aと接触し、また、自由端886bがブロック部608の底面と接触するまで、後退を続ける。
図28は、停止状態の、ジョー及び停止ホルダの相対位置を示す概略図である。この時、てこ部886が上方に向けて屈撓するように、ジョー3の後端は突出部886bを支持する。
図中の886’の符号を付した細かい点線は、てこ部886及びその突出部886bが、まだ、ジョー3の後端面によって持上げられていない状態を示す。
図29は、停止状態の、ジョー3及び停止リング60の径方向の相対位置を示す、図28のJ−J線で切断した、部分断面図である。
弾性停止爪88の停止部が、軸を中心に、径方向内側に向って移動しているのが分かる。このように移動することで、停止部の側面は、握持ジョー3の側面をブロックする。
てこ部886及び停止ホルダ60のブロック部608の接点で生み出される弾性変形力は、弾性停止爪88の位置を回復させることができる。
本実施形態では、停止機構は、ナット・スリーブ9及び停止ディスク28を含む。 ナット・スリーブ9はナット2に取付けられ、その後端は少なくとも1つ、望ましくは複数の軸方向凸キー91を含む。
停止ディスク28の外周面には、少なくとも1つ、望ましくは複数の、前記凸キー91に対応する凹溝283が設けられており、当該停止ディスク28及びナット・スリーブ9を結合させる。
ボディ1の後端の外周面とともに回転できるように、カバー10の中央には孔が開けられている。
本実施形態では、ハウジング5、ナット2、ナット・スリーブ9、停止ディスク28及び後方カバー10は、ボディ1に対して、同時に回転する。
本実施形態では、停止ホルダ98が、ナット22の内周面223及びジョー3の溝末端面32の間に、そして、固定スリーブ12が、前記ナット22及び停止ホルダ98の軸方向位置を確定するために組込まれる。
ナット22の底端部には、停止ホルダ98の対応する凸キー587に合致するように、径方向外側に延びる凹溝227がある。当該凹溝227は、前記凸キー587と連結されて、停止ホルダ98とナット22を連結する。
図34及び図35に示すように、前記停止ホルダ98は、上述した第3実施形態における停止ホルダ78と類似している。
停止ホルダ98の上部には、複数の弾性停止爪981がある。弾性停止爪981は、各々、連結部989、停止部982、外側支持部988、突出部985及びてこ部986を有する。
図中、”U”は、ナット22に対して回転するジョー3の回転方向、そして、”V”は移動方向を表す。
図36は、ジョー3が後退して、停止部982及びてこ部986の端と接触する直前の状態を示す。この時、3つのジョー3の溝末端面32と停止部982の端部間、及び溝末端面とてこ部986の端部間のスペースは、ねじピッチの3分の1未満である。図36は、第3(#3)と第1(#1)の握持ジョー3を示す。
図37は、第1の握持(#1)ジョー3が、約120度回転した状態(移動距離は、およそ握持ジョー1本の幅径。)を示す。この時、ジョー3の溝末端面32は、図中”h”の距離だけ、停止部982及びてこ部986の端より後方へ下がる。
図38は、ナットが更に回転してジョー3を移動させ、ジョーの後端部が、弾性停止爪98のてこ部986の端と接触した状態を示す。図38は、第1(#1)及び第2(#2)の握持ジョー3を示す。
てこ部986の端部は、第1(#1)の握持ジョー3の端部の支持を受けて、後方に”h”の距離だけ移動する。停止部982は、そのとき、突出部985を中心とするてこの原理により、W=(L/l)×hの距離分、前方へ移動する。 この時、停止部982及びジョーの側面31の重なり合う部分の距離は、H=h+Wであり、てこ部986の動作がない場合と比較して、”W”の分だけ増加した。
その結果、ナット22(及び、停止ホルダ98)に相対するジョー3の継続的な回転が、より効果的に妨げられる。
本実施形態では、停止リング58は径方向外側に延びる凸キーを587を有し、その上面には弾性停止爪581が形成されている。
本実施形態における弾性停止爪は、上述した第1実施形態のそれと類似している。本実施形態では、弾性停止爪の一端は、停止リング58の内周面と連結する連結端であり、そして、他端は停止部582を形成する自由端である。
本実施形態では、停止リング68は、開放形である。
停止リング68は、径方向外側に延びる凸キー687を有する。停止リング68は、また、停止部682を具えた弾性停止爪681を有する。当該停止リング68の構造は、組立の便宜のため、スプリット形状のナット2 とともに用いるのが望ましい。
図42は、停止機構の弾性停止爪981によって、ジョー3が停止された状態を示す。図43、44及び45は、それぞれ順に、(ジョー3の)正面図、側面図、図42のP−P線での断面図である。
ジョー3が限界位置まで後退し、ナット22の端部(又は溝の環状末端面)が、ジョー3の溝末端面32と接触するかしないかという状態のとき、停止リング98の弾性停止爪981の停止部982は、ジョー3の側面がずれてしまわないように、ジョー3の停止部33を押え付ける。
図47は、図46のM−M線での断面図である。
図48は、図46及び47の、停止ディスク28の斜視図である。
停止ディスク28の形態の停止機構は、ボディを囲み、ドライバの前方端に位置する部品D2の前方端に固定することができる。停止ディスク28には、ねじS1を通せるように空孔282を設けることができる。
弾性停止爪281の自由端には、前方に傾斜し、第1方向に延びる停止部282がある。停止部282の端部は、握持ジョー3の側面に係合する、凹んだ面になっている。
握持ジョー3が限界位置へ後退するときに、停止ディスク28上の弾性停止爪281の停止部282は、ボディ1がさらに回転し続けるのを阻止し、握持ジョー3及びナット2間の摩擦や不動化を防ぐために、握持ジョーの側面を押さえ付ける。
2:ナット
23:環状末端面
3:ジョー
31:(ジョー)側面
32:溝末端面
5:前方スリーブ
6:後方スリーブ
9:ナット・スリーブ
18,28,38,48,58,68,78,88,98:停止機構(スリーブ,リング,ホルダ、ディスク)
82,182,382,482,582,682,782,882,982:停止部
181,282,381,481,581,
681,781,881,981:弾性停止爪
386,486,786,886,986:てこ部
227,283:凹溝
587,687:凸キー
Claims (36)
- 回転可能な駆動軸を有する手動、又は電動のドライバ用チャックであって、
a.前記ドライバの駆動軸と連結されるための後方部、及び前方部を有し、前記前方部は、軸方向孔と、該軸方向孔と交差する複数の角度に配置された通路を有するボディ;
b.前記通路に位置し、回転ツールと係合する一面と溝が形成された反対面とを有する複数のジョー;
c.前記ボディの周りに回転可能に取付けられ、その内周面には、前記ジョーの溝と螺合されるための溝が設けられているナット;
d.前記ボディに対して回転させられると前記ジョーが移動するように、前記ナットと駆動回転係合するスリーブ;
e.少なくとも部分的に前記ボディを囲み、前記ナットとともに回転する停止機構;及び、
f.前記停止機構に具えられ、前記ナットが前記ジョーの緩め方向に回転し、前記ジョーが前記通路の所定の位置に達すると、前記ジョーの側面を支持して前記ナットのさらなる回転を停止させる停止部を有する、少なくとも1つの弾性停止爪;を有してなる、
チャック。 - 前記停止機構が前記ナットに回転可能に固定された停止スリーブを有する、請求項1のチャック。
- 前記停止スリーブが、前記弾性停止爪が形成された上面を有する、請求項2のチャック。
- 前記弾性停止爪を複数具える、請求項1のチャック。
- 前記停止機構が径方向外側に延びる凸キーを有し、前記ナットが対応する凹溝を有する、請求項1のチャック。
- 前記弾性停止爪が、前記停止機構の内表面との連結部を有し、
前記停止部が、前方向に傾斜し、前記ジョーを後退させる回転方向に沿って延びている、請求項1のチャック。 - 前記停止機構と連結部が一体構造である、請求項6のチャック。
- 前記ジョーが所定の位置で少なくとも1つの前記弾性停止爪の一部と接触する後端部を有する、請求項1のチャック。
- 少なくとも1つの前記弾性停止爪が、
その中間に位置し、前記停止機構と連結された連結部、
第1の側に位置する停止部、及び、
前記第1の側の反対側に位置するてこ部を具える、
請求項8のチャック。 - 前記弾性停止爪の外側に、さらに、前記停止部がジョーと接触する際の支持となる外側支持部が設けられた、請求項9のチャック。
- 前記てこ部が傾斜面である、請求項9のチャック。
- 前記停止機構が停止ディスクを含む、請求項1のチャック。
- 前記ナットに回転可能に取付けられ、前記停止ディスクの1以上の溝と対応する、1つ以上のキーがその後部に設けられたナット・スリーブを具える、請求項12のチャック。
- 前記停止部が凹面を有する、請求項13のチャック。
- 前記ボディの後方部に連結する後方スリーブを有し、1以上の前記弾性停止爪が前記後方部方向に突出した部分を有し、前記後方スリーブの内面と接触する、請求項9のチャック。
- 前記停止スリーブ及び外側スリーブのうちの少なくとも一方がキーを有し、他方が両スリーブを連結するための対応する溝を有する、請求項2のチャック。
- 前記弾性停止爪の少なくとも一つが、
a.前記ジョーの後端部の側面と接触する停止部;
b.前記停止スリーブとの連結部;及び
c.前記ジョーが所定の位置に達したときに、その一部が前記ジョーの後端部と接触し、前記弾性停止爪を回動させる、径方向内側に延びるてこ部;を含む、
請求項2のチャック。 - 前記停止部が前記弾性停止爪の内方向に屈曲する弓形状である、請求項17のチャック。
- 1以上の前記弾性停止爪が別個に設けられ、それぞれが前記停止スリーブに枢設されている、請求項17のチャック。
- 前記連結部が、前記停止スリーブへの連結部を形成するピボット孔を含む、請求項19のチャック。
- 1つ以上の前記弾性停止爪のピボット穴を通過し、前記停止スリーブに前記弾性停止爪を取付ける停止リングを含む、請求項20のチャック。
- 前記停止リングが開放形である、請求項21のチャック。
- 前記停止スリーブの後端部が径方向内側に延び、前記停止部の一部を形成する、請求項17のチャック。
- 前記停止スリーブが開放形である、請求項2のチャック。
- 前記弾性停止爪と接触する前記ジョーの接触面が平面である、請求項2のチャック。
- 前記停止機構が、前記ナットの底端部に位置する停止スリーブであり、前記弾性停止爪が前記ジョーの溝端面の底部の側面を支持する、請求項1のチャック。
- 前記停止スリーブの後端部には上面があり、前記弾性停止爪の一端には前記上面との連結部が設けられ、前記弾性停止爪の他端は前方向へ傾斜している停止部である、請求項25のチャック。
- 前記弾性停止爪が、前記停止スリーブと一体形成されている、請求項27のチャック。
- 前記弾性停止爪が前記停止スリーブの後端部に形成されており、さらに、
前記弾性停止爪の中間に位置し、前記停止スリーブと一体的に、又は固定的に連結されている連結部;
前記連結部に対して開放方向に位置する停止部;及び
前記連結部に対して前記方向と逆方向に位置するてこ部;を有してなる、
請求項25のチャック。 - 前記弾性停止爪が、さらに、前記弾性停止爪の停止部に対して側面に位置し、前記停止部が加圧された場合に、前記停止スリーブの内表面に対して前記停止部を支持するための外側支持部を有する、請求項29のチャック。
- 前記弾性停止爪が、さらに、前記連結部と対応する前記弾性停止爪の中間に位置し、上方に突出し、前記ナットの溝の環状末端面と接触する突出部を有する、請求項30のチャック。
- 前記てこ部の端部が上方へ向けて屈曲し、傾斜面を形成する、請求項29のチャック。
- 請求項1のチャックを具える、電気ドリル。
- 前記停止機構が前記電気ドリルの取付け部の底端面に固定された停止ディスクである、請求項33の電気ドリル。
- 前記弾性停止爪の自由端が前方向に傾斜して延びる停止部を形成する、請求項34の電気ドリル。
- 前記停止部が前記ジョーの側面と協動する弓形状の凹面である、請求項35の電気ドリル。
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