JP5037724B2 - 振動発生装置 - Google Patents
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Description
本発明は、振動発生装置に関するものである。
電気信号の入力により振動を発生させる振動発生装置は、例えば後述するスピーカ装置のように、振動部材(例えば振動板)の振動方向と、該振動部材に振動を与える振動発生部材(例えばボイスコイル)の振動方向が同方向になっているものが多い。
図1は、従来のスピーカ装置を示した説明図である。一般的なスピーカ装置として、ダイナミック型スピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、フレーム3Jと、コーン形状の振動板21Jと、振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jと、振動板21Jの内周部に接合されたボイスコイルボビン610Jと、ボイスコイルボビン610Jをフレーム3Jに支持するダンパ7Jと、ボイスコイルボビン610Jに巻き回されたボイスコイル611Jと、ヨーク51J,磁石52J,プレート53Jを備えると共に、ボイスコイル611Jが配置される磁気ギャップが形成された磁気回路とを有する。このスピーカ装置では、音声信号がボイスコイル611Jに入力されると、磁気ギャップ内のボイスコイル611Jに生じたローレンツ力によりボイスコイルボビン610Jが振動し、その振動によって振動板21Jが駆動される。
図1は、従来のスピーカ装置を示した説明図である。一般的なスピーカ装置として、ダイナミック型スピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、フレーム3Jと、コーン形状の振動板21Jと、振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jと、振動板21Jの内周部に接合されたボイスコイルボビン610Jと、ボイスコイルボビン610Jをフレーム3Jに支持するダンパ7Jと、ボイスコイルボビン610Jに巻き回されたボイスコイル611Jと、ヨーク51J,磁石52J,プレート53Jを備えると共に、ボイスコイル611Jが配置される磁気ギャップが形成された磁気回路とを有する。このスピーカ装置では、音声信号がボイスコイル611Jに入力されると、磁気ギャップ内のボイスコイル611Jに生じたローレンツ力によりボイスコイルボビン610Jが振動し、その振動によって振動板21Jが駆動される。
前述したように、振動部材の振動方向と振動発生部材の振動方向が同方向になっている振動発生装置は、その振動方向の全高が大きくならざるを得ない問題がある。特に、前述した一般的なダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、振動板21Jの音響放射側に対して反対側にボイスコイル611Jが配設され、ボイスコイル611J及びボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向が同じ方向になるように構成されているので、振動板21Jが振動するための領域、ボイスコイルボビン610Jが振動するための領域、磁気回路が配置される領域等が振動板21Jの振動方向(音響放射方向)に沿って形成されることになり、スピーカ装置の全高が比較的大きく成らざるを得ない構造になっている。
詳細には、図1に示すように、スピーカ装置の振動板21Jの振動方向に沿った大きさは、コーン形状の振動板21Jの振動方向に沿った大きさ及び振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jの全高(a)、振動板21Jとボイスコイルボビン610Jとの接合部からボイスコイル611Jの上端までのボイスコイルボビン高さ(b)、ボイスコイル高さ(c)、磁気回路の主に磁石高さ(d)、磁気回路の主にヨーク51Jの厚さ(e)等からなる。このようなスピーカ装置においては、充分な振動板21Jの振動ストロークを確保するためには、前述したa,b,c,dの高さを充分に確保する必要があり、また充分な駆動力を得るためには前述したc,d,eの高さを充分に確保する必要があるので、特に、大音量対応型スピーカ装置では、スピーカ装置の全高が大きく成らざるを得ない。
このように、従来の振動発生装置では、振動発生部材の振動方向と振動部材の振動方向とが同方向になっているので、振動部材の振幅を大きくしようとすると振動ストロークを確保するために装置の全高が大きくなってしまい、装置の薄型化を達成し難い。すなわち、装置の薄型化と大振幅化を両立し難い問題がある。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、振動部材の大きな振動を得ながらその振動方向に沿った装置の厚さを抑え、装置の薄型化を可能にすること、振動部材から音を発生するものにおいて、高域遮断特性を改善すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明による振動発生装置は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]静止部と、振動自在に前記静止部に支持される振動部材と、前記静止部に支持されて該振動部材に振動を与える駆動部とを備え、前記駆動部は、前記振動部材とは異なる方向に振動する振動発生部材と、前記振動発生部材の振動を方向変換して前記振動部材に伝える振動伝達部を備え、前記振動伝達部は、一端が前記振動発生部材に固定されて該振動発生部材の振動方向に沿って前記振動部材の振動方向に立ち上がる被移動面を有する剛性の方向変換部と、一端部又は一端部の近傍に配置される一部が前記被移動面を移動するように前記方向変換部に連結され、他端部が前記振動部材に固定される剛性の移動連結部を備えることを特徴とする振動発生装置。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
[振動発生装置の全体構成;図2,図3]
本発明の実施形態に係る振動発生装置1は、静止部100と、一軸方向(例えば、Z軸方向)に向けて振動自在に静止部100に支持される振動部材10と、静止部100に支持されて振動部材10に振動を与える駆動部14とを備え、駆動部14は、振動部材10とは異なる一軸方向(例えばX軸方向)に振動する振動発生部材13と、振動発生部材13の振動を方向変換して振動部材10に伝える振動伝達部50を備え、振動伝達部50は、一端が振動発生部材13に固定されて振動発生部材13の振動方向(例えばX軸方向)に沿って徐々に振動部材10の振動方向(例えばZ軸方向)に立ち上がる被移動面51Aを有する剛性の方向変換部51と、一端部又は一端部の近傍に配置される一部が被移動面上51Aを移動するように方向変換部51に連結され、他端部が振動部材10に固定される剛性の移動連結部52を備える。
本発明の実施形態に係る振動発生装置1は、静止部100と、一軸方向(例えば、Z軸方向)に向けて振動自在に静止部100に支持される振動部材10と、静止部100に支持されて振動部材10に振動を与える駆動部14とを備え、駆動部14は、振動部材10とは異なる一軸方向(例えばX軸方向)に振動する振動発生部材13と、振動発生部材13の振動を方向変換して振動部材10に伝える振動伝達部50を備え、振動伝達部50は、一端が振動発生部材13に固定されて振動発生部材13の振動方向(例えばX軸方向)に沿って徐々に振動部材10の振動方向(例えばZ軸方向)に立ち上がる被移動面51Aを有する剛性の方向変換部51と、一端部又は一端部の近傍に配置される一部が被移動面上51Aを移動するように方向変換部51に連結され、他端部が振動部材10に固定される剛性の移動連結部52を備える。
振動部材10は、図に示した例では、平面状断面のものを示しているが、これに限らず、V字状(コーン状の形状)又はU字状(ドーム状の形状)の断面等であってもよい。平面視形状は略矩形状,略円形状,略楕円形状等、どのような形状であってもよい。
静止部100は、振動部材10等の振動を支持する部位の総称であって、ここでは、フレーム12が静止部100にあたる。静止部100は駆動部14を支持するが、駆動部14自体が静止部100にもなりうる。静止部100は、それ自体が完全に静止していることを意図するわけではなく、それ全体が後述する駆動部14の振動の影響を受けて、或いは他の力を受けて、振動するものであってもよい。振動部材10の外周部はエッジ11を介して静止部100であるフレーム12に支持されている。
駆動部14は、振動発生部材13と振動伝達部50を備えている。図示の例では振動発生部材13に振動を発生させるための磁気回路20を備えている。図示の例では、X軸方向に沿って振動発生部材13が振動し、それと直交するZ軸方向に振動部材10が振動自在に支持されており、振動伝達部50は、振動発生部材13のX軸方向の振動を方向変換して、振動部材10をZ軸方向に振動させる。
振動伝達部50は、一端が振動発生部材13に固定された方向変換部51がX軸方向に沿って徐々にZ軸方向に立ち上がる被移動面51Aを有する。また、被移動面51A上を移動する移動体52Aを備えて、一端部が被移動面51A上を移動するように方向変換部51に連結される移動連結部52の他端が振動部材10に連結されている。また、方向変換部51の先端(他端)は開放されており、組み付け時には開放された先端から移動体51Aを挿入する。
振動発生部材13がX軸方向に振動すると、方向変換部51がそれに伴って平行移動し、方向変換部51の平行移動によって被移動面51A上を移動すると共に振動部材10との連結でX軸方向への移動が規制されている移動体51Aは、Z軸方向にその位置がシフトする。この移動体51AのZ軸方向への位置のシフトが移動連結部52を介して振動部材10に伝わり、振動部材10がZ軸方向に振動する。
また、方向変換部51は、振動発生部材13に対して複数設けられ、互いに略平行になるように配置されている。これによって、振動部材10は複数箇所で支持されることになり、振動発生部材13の振動を安定して振動部材10に伝えることができる。また、振動部材10全体を略同位相で振動させることができる。
図2(a)に示した振動発生装置1Aでは、方向変換部51の被移動面51Aは振動発生部材13の振動方向(X軸方向)に対して一定の角度で延設されており、また、方向変換部51は、直線状の被移動面51Aを有する。これによると、振動発生部材13のX軸方向の振動との線形性を確保しながら振動部材10をZ軸方向に振動させることができる。
図2(b)に示した振動発生装置1Bでは、方向変換部51は振動部材10側に凸状に湾曲する被移動面51Aを有する。これによると、振動発生部材13のX軸方向の振動を振動部材10のZ軸方向の振動に非線形変換することができる。湾曲状態を任意に設定することで、振動部材10における振動の挙動を任意に設定することができる。
詳細には、振動発生部材13の振幅に対する振動部材10の振幅を任意に設定することが可能になる。特に、方向変換部51が有する凸状に湾曲する被移動面51Aは、振動発生部材13側から振動部材10にかけて、その傾きが徐々に小さくなって形成されている。そのため、被移動面の所定位置を振動発生部材13の静止位置(振動開始位置)として、振動発生部材13が例えば図面上右側へ振動する際、上方へ振動する振動部材10の振幅は比較的小さくなる。また、振動発生部材13が左側へ振動する際、下方へ振動する振動部材10の振幅は比較的大きくなる。
図2(c)に示した振動発生装置1Cでは、方向変換部51は振動部材10側に凹状に湾曲する被移動面51Aを有する。
これによると、振動発生部材13のX軸方向の振動を振動部材10のZ軸方向の振動に非線形変換することができる。湾曲状態を任意に設定することで、振動部材10における振動の挙動を任意に設定することができる。
これによると、振動発生部材13のX軸方向の振動を振動部材10のZ軸方向の振動に非線形変換することができる。湾曲状態を任意に設定することで、振動部材10における振動の挙動を任意に設定することができる。
詳細には、振動発生部材13の振幅に対する振動部材10の振幅を任意に設定することが可能になる。特に、方向変換部51が有する凹状に湾曲する被移動面51Aは、振動発生部材13側から振動部材10にかけて、その傾きが徐々に大きくなって形成されている。そのため、被移動面の所定位置を振動発生部材13の静止位置(振動開始位置)として、振動発生部材13が例えば図面上右側へ振動する際、上方へ振動する振動部材10の振幅は比較的大きくなる。また、振動発生部材13が左側へ振動する際、下方へ振動する振動部材10の振幅は比較的小さくなる。
ところで、振動発生部材13が振動するに伴って、振動部材10は振動し、振動部材10とフレーム12との間にある空気の体積も変化し、膨張及び圧縮を繰り返す。この時、空気の体積の変化量は、振動部材が上方へ振動する場合と下方へ振動する場合とで異なる。特に、空気の体積(フレーム12と振動部材10とで囲まれた領域の体積)が比較的小さい場合には、膨張した場合と圧縮した場合における、空気の変化量の違いがより顕著になる傾向がある。例えば、振動発生部材13が静止時における空気の体積に対して、振動発生部材13の振動時における空気の変化量がほぼ等しい場合を考える。この時、振動発生部材13が右側へ振動する(“押す“)時における振動部材10の振幅に対し、振動発生部材13が左側へ振動する(”引く“)時の振動部材10の振幅が数倍になる場合がある。この要因として、空気が膨張した時の変化量より、空気が圧縮した時の変化量が小さい、言い換えれば空気の抵抗力が振動部材10に作用することが挙げられる。
そこで、図2(b)、(c)に示される振動発生装置1B、振動発生装置1Cのような、振動発生部材13の振幅を振動する方向(左側又は右側の方向)で異ならせることで、上方及び下方の振動方向における振動部材10の振幅を略同じにすることができる。
そこで、図2(b)、(c)に示される振動発生装置1B、振動発生装置1Cのような、振動発生部材13の振幅を振動する方向(左側又は右側の方向)で異ならせることで、上方及び下方の振動方向における振動部材10の振幅を略同じにすることができる。
図2(a)〜(c)に示した例は、被移動面51Aに対して移動体51Aを摺動させるものであるが、これに限らず、図3(a)〜(c)に示すように、被移動面51Aに当接して回転する移動体51Aを設けることもできる。
このような振動発生装置1(1A〜1F)によると、振動発生部材13の振動を振動伝達部50によって方向変換して振動部材10に伝えるので、振動発生部材13の振幅を大きくすることで振動部材10の振動を大きくしても、振動発生装置1の厚さ(全高)は厚くならない。これによって、大きな振幅で振動を発生できる薄型の振動発生装置1を得ることができる。
[駆動部の構成例;図4,図5]
駆動部14は、前述した振動伝達部50に加えて、振動発生部材13とそれを振動させる磁気回路20を備える。図4及び図5は、振動発生部材13と磁気回路20の構成例を示している。
駆動部14は、前述した振動伝達部50に加えて、振動発生部材13とそれを振動させる磁気回路20を備える。図4及び図5は、振動発生部材13と磁気回路20の構成例を示している。
振動発生部材13は振動発生コイル30を備えている。振動発生コイル30は、例えば振動信号が入力される導線を巻き回して形成されるか、又は環状の導電部材を用いて形成される。また、例えば巻き回された導線或いは環状の導電部材が振動発生部材13になって、静止部100に振動自在に支持されるか、或いはコイル支持部40を介して静止部100に振動自在に支持される。コイル支持部40は、例えば平板状の絶縁部材41で形成することができ、その表面上又は内部に振動発生コイル30が支持される。絶縁部材41は軽量化のために、振動発生コイル30の内側に開口部41bが形成されるよう、環状に形成されている。また、振動発生コイル30自体に剛性を持たせて平板状に形成する際には、コイル支持部40を省くことができる。
振動発生コイル30を振動させるための磁気回路20は、振動発生コイル30の振動方向に沿った磁気ギャップ20Gを形成しているだけでなく、振動発生コイル30を流れる電流(音声電流)に対して同方向のローレンツ力を与えるために、磁気ギャップ20Gが逆向きで一対の磁場を形成している。これによって、振動発生コイル30に電流が流れると、振動発生コイル30は一対の磁場が形成された磁気ギャップ20Gの配置方向に沿って振動する。
磁気回路20は、磁石21とヨーク部22によって形成されており、Z軸方向で互いに逆向きの磁場を形成する一対の磁気ギャップ20GをX軸方向に所定間隔で並べて形成し、各磁気ギャップ20Gを流れる電流がY軸方向で互いに逆方向になるように振動発生コイル30を巻き回すことで、振動発生コイル30にX軸方向に沿ったローレンツ力が働くようにしている。磁石21とヨーク部22の配置はいくつかの異なる形態にして前述と同様な機能を有する磁気回路20を形成することができる。
図4及び図5に示した例では、磁気回路20は、複数の磁石21(21A〜21D)を有する。この磁気回路20では、磁石21が、磁気ギャップ20Gの磁場の方向に沿った両側に設けられている。図示の例では、ヨーク部22は、下側のヨーク部22A、上側のヨーク部22B、および支柱部22Cを有する。ヨーク部22A,22Bは規定間隔をあけて略平行に配置されており、中央部には、支柱部22Cがヨーク部22A,22Bに対して略直交する方向へ延在するように形成されている。
ヨーク部22A,22Bには磁石21A〜21Dが配置され、磁石21Aと磁石21Cとで一つの磁気ギャップ20G2が形成され、磁石21Bと磁石21Dとでもう一つの磁気ギャップ20G1が形成されている。この一対の磁気ギャップ20G1と磁気ギャップ20G2は、平面的に並べて形成され、互いに逆方向の磁場が形成されるようになっている。
一方、振動発生コイル30は、平面形状が略矩形状に形成されており、Y軸方向に沿って形成された直線部30A,30Cと、X軸方向に沿って形成された直線部30B,30Dにより構成されている。振動発生コイル30の直線部30A,30Cは、磁気回路20の各磁気ギャップ20G内に配置され、磁場の方向がZ軸方向に沿うように規定されている。振動発生コイル30の直線部30B,30Dには磁場を印加しないほうが好ましい。また、直線部30B,30Dに磁場が印加されている場合でも、その直線部30B,30Dに生じるローレンツ力が互いに相殺するように構成されている。振動発生コイル30は、巻き数を比較的多くすることで、磁気ギャップ20G中の部分を比較的大きくすることができ、駆動時、比較的大きな駆動力を得ることができる。
なお、図示の例では、振動発生コイル30を絶縁部材41からなるコイル支持部40で支持している例を示しており、この絶縁部材41に開孔部41bを形成した例を示しているが、振動発生コイル30に剛性を付与して全体を板状に形成することもできる。振動発生コイル30が剛性を有する場合にはコイル支持部40を用いなくても構わない。
[振動発生部材の支持構造;図6]
図6は、振動発生部材13の支持構造の例を示した説明図である。振動発生部材13は、静止部100に設けられた案内部60に支持されて一軸方向に振動する。また、必要に応じて、振動発生部13はX軸方向に弾性を有する保持部15を介して静止部100に保持されている。
図6は、振動発生部材13の支持構造の例を示した説明図である。振動発生部材13は、静止部100に設けられた案内部60に支持されて一軸方向に振動する。また、必要に応じて、振動発生部13はX軸方向に弾性を有する保持部15を介して静止部100に保持されている。
図6(a)に示した案内部60の例は、スライド式の案内部60である。これは、振動発生部材13の振動方向(X軸方向)に沿って延設される被摺動体61に摺動体62が摺動自在に支持されており、この摺動体62が連結部63によって振動発生部材13に接続されている。同図(b),(c)に示した案内部60の例は、ローラ式の案内部60である。これは、振動発生部材13の振動方向(X軸方向)に沿って複数配置された支持ローラ65が静止部100の底面から立設された軸64に軸支されている。支持ローラ65には振動発生部材13の側縁が嵌り込む案内溝65Aが設けられており、左右一対の支持ローラ65によって振動発生部材13をXY平面に平行に支持し、X軸方向のみに振動自在に支持している。
[スピーカ装置としての利点及び適用例]
本発明の実施形態に係る振動発生装置1は、これをスピーカ装置として用いる場合、振動発生コイル(以下ボイスコイルという)30の振動を振動伝達部50によって方向変換して振動部材(以下振動板という)10に伝えるので、ボイスコイル30の振幅を大きくすることで、振動板10の振幅を大きくしても、スピーカ装置の音響放射方向の厚さ(スピーカ装置の全高)は厚くならない。これによって、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を得ることができる。
本発明の実施形態に係る振動発生装置1は、これをスピーカ装置として用いる場合、振動発生コイル(以下ボイスコイルという)30の振動を振動伝達部50によって方向変換して振動部材(以下振動板という)10に伝えるので、ボイスコイル30の振幅を大きくすることで、振動板10の振幅を大きくしても、スピーカ装置の音響放射方向の厚さ(スピーカ装置の全高)は厚くならない。これによって、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を得ることができる。
また、振動伝達部50は、比較的構造が簡単な機械的な方向変換機構によってボイスコイル30の振動を確実に振動板10に伝えるので、薄型化を実現しながら再生効率の高いスピーカ装置を得ることができ、比較的簡単な構造で高品位な再生音を放射することができる。
振動板10の背面を異なる位置で複数の移動連結部52によって支持することができるので、振動板10を大面積にしても振動板10を一体的に振動させることが可能になり、振動板10の分割振動を抑制した高品位な再生音を放射することができる。特に、振動板10の面積を大きくして低音再生を行う際に有効であり、スピーカ装置の薄型化を達成しながら、高品位な低音再生が可能である。また、振動板10を複数の箇所で支持して平行振動させることができるので、比較的大面積の振動板であっても全面を同位相で振動させることが可能になる。
振動伝達部50が被移動面51A上を移動体52Aが移動する機構を採用しており、屈折を可能とする関節部を持たない方向変換機構になっているので、高域再生限界を比較的高域側に広げることができる。これによって、高音再生を高品位に行うことが可能になる。
以上のように、本発明の実施形態に係る振動発生装置を活用したスピーカ装置は薄型化が可能であり、且つ大音量化の実現も可能である。このようなスピーカ装置は各種電子機器や車載用として効果的に用いることができる。図7は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。同図(a)に示した携帯電話或いは携帯情報端末のような電子機器2、或いは同図(b)に示したフラットパネルディスプレイのような電子機器3は、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、電子機器全体の薄型化が可能になる。また、薄型化された電子機器においても充分な音声出力を得ることができる。図8は、本発明の実施形態に係る振動発生装置を用いたスピーカ装置を備えた自動車を示した説明図である。同図に示した自動車4は、スピーカ装置の薄型化によって車内スペースの拡大が可能になる。特にドアパネルに本発明の実施形態に係るスピーカ装置を内装したものでは、ドアパネルの出っ張りを無くし運転者の操作スペースの拡大が可能になる。また、充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。また、体感音響装置(ボディーソニック)やゲーム機、携帯電話に用いる振動機器(バイブレーション)、エキサイターなどの電子機器にも用いることが可能である。
また、このようなスピーカ装置を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)にスピーカ装置1を設置した場合、このようなスピーカ装置の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、不要なスペースを削除でき、スペースを有効に活用することができる。また、近年、プロジェクターや大画面テレビ等の普及に伴い、音響・映像設備を備える居室を設ける例が見られるようになっており、一方で音響・映像設備を備える居室を設けずに、リビングルーム等をシアタールームとして使用するケースも見られる。このようなケースにおいても、このようなスピーカ装置を用いることで、簡易にリビングルーム等をシアタールーム化でき、さらにリビングルーム内の空間を有効に活用することが可能である。なお、このようなスピーカ装置の配置場所は、例えば、居室内の天井や壁等が挙げられる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
また、上述の各実施形態における技術を、必要に応じ、平板状のボイスコイルを用いるダイナミック型のスピーカ装置(例:リッフェル型のスピーカ装置、リボン型スピーカ装置、平板状のボイスコイルの音響放射側及び音響放射側とは逆側に磁極部を配置するスピーカ装置)に適用することができ、スピーカ装置を薄型化することができる。
また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
また、上述の各実施形態における技術を、必要に応じ、平板状のボイスコイルを用いるダイナミック型のスピーカ装置(例:リッフェル型のスピーカ装置、リボン型スピーカ装置、平板状のボイスコイルの音響放射側及び音響放射側とは逆側に磁極部を配置するスピーカ装置)に適用することができ、スピーカ装置を薄型化することができる。
Claims (14)
- 静止部と、振動自在に前記静止部に支持される振動部材と、前記静止部に支持されて該振動部材に振動を与える駆動部とを備え、
前記駆動部は、前記振動部材とは異なる方向に振動する振動発生部材と、前記振動発生部材の振動を方向変換して前記振動部材に伝える振動伝達部を備え、
前記振動伝達部は、一端が前記振動発生部材に固定されて該振動発生部材の振動方向に沿って前記振動部材の振動方向に立ち上がる被移動面を有する剛性の方向変換部と、一端部又は一端部の近傍に配置される一部が前記被移動面上を移動するように前記方向変換部に連結され、他端部が前記振動部材に固定される剛性の移動連結部を備えることを特徴とする振動発生装置。 - 前記方向変換部の被移動面は前記振動発生部材の振動方向に対して一定の角度で延設されることを特徴とする請求項1記載の振動発生装置。
- 前記方向変換部の他端は開放されていることを特徴とする請求項2記載の振動発生装置。
- 前記方向変換部は、前記振動発生部材に対して複数設けられ、互いに略平行になるように配置されていることを特徴とする請求項3記載の振動発生装置。
- 前記方向変換部は、直線状の前記被移動面を有することを特徴とする請求項1記載の振動発生装置。
- 前記方向変換部は、前記振動部材側に凸状又は凹状に湾曲する前記被移動面を有することを特徴とする請求項1記載の振動発生装置。
- 前記振動発生部材は、前記静止部に設けられた案内部に支持されて、前記駆動部が振動する一軸方向にて振動することを特徴とする請求項1記載の振動発生装置。
- 前記振動部材が音波を発生することを特徴とする請求項1記載の振動発生装置。
- 前記振動部材はエッジを介して前記静止部に支持されていることを特徴とする請求項8記載の振動発生装置。
- 前記駆動部は、前記振動発生部材がボイスコイルであり、該ボイスコイルの振動方向と交差する部分を通過する、互いに逆方向の磁場を形成する磁気回路を備えることを特徴とする請求項9記載の振動発生装置。
- 前記磁気回路は、少なくともヨークと磁石とを備えることを特徴とする請求項10に記載の振動発生装置。
- 請求項1に記載の振動発生装置を備えることを特徴とする自動車。
- 請求項1に記載の振動発生装置を備えることを特徴とする電子機器。
- 請求項1に記載の振動発生装置を備えることを特徴とする建築物。
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JPS6454899A (en) * | 1987-08-25 | 1989-03-02 | Foster Electric Co Ltd | Speaker |
JP2005159409A (ja) * | 2003-11-20 | 2005-06-16 | Minebea Co Ltd | スピーカ用振動板およびこの振動板を使用したスピーカ |
-
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Patent Citations (3)
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---|---|---|---|---|
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JPS6454899A (en) * | 1987-08-25 | 1989-03-02 | Foster Electric Co Ltd | Speaker |
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