JP5036254B2 - 乳濁型液体柔軟剤組成物 - Google Patents

乳濁型液体柔軟剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5036254B2
JP5036254B2 JP2006241154A JP2006241154A JP5036254B2 JP 5036254 B2 JP5036254 B2 JP 5036254B2 JP 2006241154 A JP2006241154 A JP 2006241154A JP 2006241154 A JP2006241154 A JP 2006241154A JP 5036254 B2 JP5036254 B2 JP 5036254B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
mass
acid
component
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006241154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008063681A (ja
Inventor
克也 永安
直 川口
日和 藤井
直行 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2006241154A priority Critical patent/JP5036254B2/ja
Publication of JP2008063681A publication Critical patent/JP2008063681A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5036254B2 publication Critical patent/JP5036254B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

本発明は、乳濁型液体柔軟剤組成物に関する。詳しくは、衣料等の繊維製品を洗濯する際に用いることにより、繊維製品に対して柔軟性や滑らかさといった風合いを付与すると同時に、安息香酸ベンジルを用いることで、汗臭、タバコ臭などの臭気の付着を防止することができる乳濁型液体柔軟剤組成物に関する。
繊維製品を洗濯する際に、繊維製品に対して柔軟性や滑らかさ、さらには冬季乾燥期においては静電気防止性をも付与するために、長鎖炭化水素基を分子内に有する第4級アンモニウム塩を主基剤とする柔軟仕上げ剤が従来から用いられている。しかも、使用後環境中に廃棄された後、自然環境中で生分解し易くさせることを目的に、第4級アンモニウム塩分子中にエステル基やアミド基を導入することも公知技術である。(特許文献1,3,4)
しかしながら、特許文献3では、不飽和のエステル型カチオン性界面活性剤に不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを併用した組成に対して、安息香酸ベンジルを香料の保留剤として柔軟剤組成物中に僅か0.01〜0.04質量%程度含むだけであり、本願とは明らかに安息香酸ベンジルを添加する課題効果が異なる。
一方、柔軟剤の付加機能の一つとして、繊維製品に対して食べ物臭やタバコ臭といった不快臭の付着防止を狙って、柔軟化基剤以外の特定成分を柔軟仕上げ剤中に含有させる試みが最近なされている。(特許文献4,5)
前者では、特定の香料成分を含有する香料組成物をエステル基含有第4級アンモニウム塩に対して併用しており、一方後者では、主として金属酸化物微粒子がその防臭効果を発現している。特に、前者の実施例においては、特定の香料成分の他に、本願(B)成分である安息香酸ベンジルを香料の保留剤として1質量%含む香料組成物を液体柔軟剤組成物中に0.5〜1.0質量%配合しており、よって安息香酸ベンジルは組成物中に僅か0.005〜0.01質量%しか含まれていない。これに対して、本願では上記の特定香料成分を含まず、しかも安息香酸ベンジルをより高濃度に組成物中に含有するので、防臭効果は特許文献4より明らかに強力である。
一方、特許文献1では、エステルアミド型3級アミン、その中和物、もしくはその第4級化物と高級脂肪酸からなる組合せの柔軟化基剤に対して、安息香酸ベンジルなどの特定香料成分2種以上を組成物中に0.02〜1.0質量%配合して、経日保存しても組成物の香りの変化がしにくい組成物を提案している。この場合も、防臭性付与を狙った本願案とは課題効果が異なり、しかも該特許文献ではエステル基とアミド基を含有する長鎖炭化水素基を含むカチオン性柔軟化基剤を用い、且つ高級脂肪酸を一定比率範囲内で併用しているので、本願発明組成物より自然環境中での生分解性が劣る。
さらに、特許文献2では、布巾柔軟活性剤に対して、一定範囲のClogP値である主溶媒と、安息香酸ベンジルなどの極性疎水性物質から選択される主溶媒エキステンダーとを併用して、「濃縮された安定な半透明又は透明の布巾柔軟化組成物」が提案されている。しかし、該特許文献はあくまで低溶媒量且つ低香料添加量レベルで半透明乃至透明な組成物を狙ったものであり、それに対して本願は溶媒量が低く、しかも乳濁型液体柔軟剤組成物を目的としたものであり、明らかに安息香酸ベンジルの添加量と課題効果、及び組成物の外観は全く異なるものである。
特開平8−013335号公報(花王) 特表2002−505391号公報(P&G) 特開2003−105668号公報(ライオン) 特開2005−232637号公報(ライオン) 特開2006−063499号公報(ライオン)
本発明の課題は、洗濯時に処理した衣類等の繊維製品に柔軟性などの良好な風合いを付与すると共に、繊維製品の使用時に汗臭、タバコ臭などの臭気の付着を防止可能な乳濁型液体柔軟剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のカチオン性界面活性剤と特定量以上の安息香酸ベンジルと併用することにより前記課題を達成できることを見出した。すなわち、本発明により、下記(A)成分と(B)成分とを含有することを特徴とする乳濁型液体柔軟剤組成物を含有することを特徴とする乳濁型液体柔軟剤組成物を提供する:
(A)分断基も含めて炭素数が10〜22の、エステル基で分断された長鎖炭化水素基を含む3級アミン、該3級アミンの中和物及び該3級アミンの4級化物から成る群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤
(B)安息香酸ベンジル:0.1質量%以上。
本発明によれば、繊維製品に柔軟性などの良好な風合いを付与すると共に、繊維製品の使用時に汗臭、タバコ臭などの臭気の付着を防止可能で、且つ使用後環境中で生分解し易い乳濁型液体柔軟剤組成物を提供できる。本発明の組成物はまた、長期保存しても粘度上昇が小さいという点で乳化分散安定性が良好である。
本発明において、「乳濁」とは、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた際に、試料の可視光線透過率(波長660nm)が30%未満であることを意味する。
[(A)成分:カチオン性界面活性剤]
本発明で用いる(A)成分は、分断基も含めて炭素数が10〜22、好ましくは18〜20の、エステル基で分断された長鎖炭化水素基を1つ以上有する3級アミン、その有機または無機酸による中和物又は4級化物、或いはこれらの混合物である。これらは、いずれも1種または2種以上の混合物として用いることができる。長鎖炭化水素基としては、直鎖又は分岐アルキル基又はアルケニル基があげられる。該長鎖炭化水素基がエステル基を有することにより、良好な生分解性を発揮するため、本発明の液体洗浄剤組成物が自然環境中へ廃棄された後、環境に与える負荷が小さいので好ましい。
(A)成分が、上記3級アミン、又はその中和物若しくは4級化物を含有するカチオン界面活性剤混合物であって、該カチオン界面活性剤混合物の全量を基準として、長鎖炭化水素基を2又は3つ有するカチオン界面活性剤の含有率が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であると、処理した繊維製品の柔軟性がより良好になるので好ましい。
本発明で用いることのできるカチオン界面活性剤としては、市販品を用いても良いし、公知の方法により製造することができるものを用いてもよい。公知の方法により製造する場合には、未反応原料等を分離せずにそのまま使用することができる。具体的には、下記の(I)〜(V)式で表される3級アミン、もしくはその有機または無機酸による中和物又は4級化物、或いはこれらの混合物を使用することができる。本発明においては、一般式(III)、(IV)、(V)の4級化物の混合物を使用するのが好ましい。
Figure 0005036254
(A)成分を構成するR1COOは炭素数8〜20の脂肪酸の残基であり、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれから誘導される長鎖炭化水素基である。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比率はシス/トランス=25/75〜100/0が好ましく、40/60〜80/20が特に好ましい。R1COOの基となる脂肪酸は以下のものが例示できる。ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも好ましいのは、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸を所定量組み合わせ、飽和/不飽和の質量比が95/5〜50/50、シス/トランス体質量比が40/60〜80/20、ヨウ素価が10〜50、炭素数18の比率が70質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が多くて2質量%、炭素数22の脂肪酸が多くて1質量%となるように調整した脂肪酸組成を用いることが好ましい。ここで、式中に存在するR1はすべて同一であっても、またはそれぞれ異なっていても構わない。
上記3級アミンの中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸などが挙げられる。本発明で用いる3級アミンは塩酸、硫酸、メチル硫酸によって中和されたアミン塩の形で用いることが好ましい。その中和工程は3級アミンを予め中和したものを水に分散してもよいし、酸水溶液中に3級アミン を液状又は固体状で投入してもよい。もちろん3級アミンと酸成分を同時に投入してもよい。また、上記3級アミンの4級化に用いる4級化剤としては塩化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などが挙げられる。
一般式(I)、(II)の化合物は上記脂肪酸組成物、または脂肪酸メチルエステル組成物とメチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中での乳化分散安定性を良好にする観点から、(I)と(II)の化合物の存在比率は質量比で99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いる。その際、(I)と(II)で示されるエステルアミンの4級化物の存在比率も、分散安定性の観点から質量比で99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。また、(I)、(II)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、4級化物/4級化されていないエステルアミンの比率は、エステル基の加水分解安定性の観点から、質量比で99/1〜70/30の質量比率であることが好ましい。
一般式(III)、(IV)、(V)の化合物は上記脂肪酸組成物、または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中での乳化分散安定性を良好にする観点から、[(III)+(IV)]と(V)の化合物の存在比率は質量比で好ましくは99/1〜50/50、より好ましくは70/30〜80/20となる様に合成することが好ましい。更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いるが、反応性の観点からジメチル硫酸がより好ましい。その際、[(III)+(IV)]と(V)で示されるエステルアミンの4級化物の存在比率も、分散安定性の観点から質量比で99/1〜50/50、より好ましくは70/30〜80/20となる様に合成することが好ましい。また、(III)、(IV)、(V)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、4級化物/4級化されていないエステルアミンの比率は、エステル基の加水分解安定性の観点から、質量比で99/1〜70/30の質量比率であることが好ましい。
本発明の組成物中における(A)成分の配合量は1〜50質量%であり、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%である。(A)成分の配合量が多すぎると組成物の粘度が高くなりすぎて粘度コントロ−ルが極めて難しくなるため、好ましくない。一方、配合量が少ないと、柔軟性や防臭効果を付与するには組成物を多めに使用する必要があるので、その点で使用性が低下する。また、製品の輸送から保管段階で余分なスペースを必要とするので、効率が低下し、好ましくない。
[(B)成分:安息香酸ベンジル]
本発明における必須成分(B)は安息香酸ベンジルである。一般に、安息香酸ベンジルはベンズアルデヒドからCannizaro反応によって合成するか、またはベンジルアルコールを安息香酸でエステル化して工業的に製造されるので、極めて容易に入手可能である。
前記した通り、該化合物は香料成分の溶剤もしくは保留剤として汎用され、大抵の場合(特許文献3〜5)、香料組成物中に約1質量%、柔軟剤組成物中に換算しておよそ0.05質量%を上限量として配合される。本発明の課題の一つである防臭効果を付与するために、柔軟剤組成物に対して安息香酸ベンジルは0.1質量%以上、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%、配合することが必要である。前記の下限量より少ないと防臭効果が不充分であり、一方上限量より多いと高コストになり、しかも香料組成物を添加してもそれ自体の基剤臭が目立ちマスキングできない程度になり、且つ乳化分散安定性も劣化する傾向がある。
[任意成分(C):ノニオン性界面活性剤]
長期保存しても乳化分散状態が分離せず、しかも著しい粘度上昇もなく、安定な液体柔軟剤組成物とするためには、上記の(A)、(B)成分の他に、ノニオン性界面活性剤を配合することが好ましく、それらの中でも、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸のアルキレンオキシド付加物を用いることができるが、特に、高級アルコールのアルキレンオキシド付加物が好ましい。高級アルコールは一級でも二級でもよく、その長鎖炭化水素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよく、炭素鎖長に分布があってもよい。炭素鎖長は好ましくは8〜20、より好ましくは10〜18である。炭化水素鎖が不飽和基を含む場合には、炭素数は16〜18であるものが好ましく、不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよい。
ノニオン性界面活性剤として好適な高級アルコールアルキレンオキシド付加物の原料アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ブチルオクタノール、イソトリデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクタデカノール、2−ドデシルヘキサデカノールなどの天然系もしくは合成系の高級アルコールを使用することができる。
一方、高級アルコールに付加するアルキレンオキシドはエチレンオキシド(EO)単独が好ましいが、エチレンオキシドにプロピレンオキシド(PO)又はブチレンオキシド(BO)を併用してもよく、これらアルキレンオキシドの平均付加モル数は30〜100が好ましく、より好ましくは30〜80モルである。
アルキレンオキシド付加型のノニオン性界面活性剤として、より具体的には、ラウリルアルコールの平均EO30モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO30モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO45又は60モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60モル付加物、ラウリン酸の平均EO30モル付加物などが挙げられる。それらの具体例として、日本エマルジョン株式会社のエマレックスシリーズ、三洋化成株式会社のエマルミンシリーズ、ライオン株式会社のTAシリーズ、及びライオンアクゾ株式会社のエソミンシリーズ、(株)日本触媒のソフタノールシリーズ、BASF社製Lutensolシリーズなどを使用することができる。また、上記化合物には、原料であるアルコールやアミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが未反応分として非イオン界面活性剤中に10質量%以下で含まれてもよい。それらは、1種単独でも又は2種以上の混合物としても使用することができる。
前記ノニオン性界面活性剤の添加量は、組成物全量に対し好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。添加量がこれより多すぎると初期粘度が上がりすぎるし、しかもコスト的に無駄である。一方、添加量が少なすぎると、得られる乳濁型液体柔軟剤組成物の乳化分散安定性が劣化する。
本発明の組成物はさらに、通常、繊維製品用液体柔軟剤組成物に含まれるその他の成分を含有することができる。具体的には水、溶剤、無機又は有機の水溶性塩類、シリコーン化合物、高分子化合物、染料、香料、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤、スキンケア成分などを含有することができる。
[任意成分(D)]
本発明組成物は、好ましくは水性組成物であり、使用水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができるが、イオン交換水が好適である。
溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の水性溶剤である。具体的にはエタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び一般式(VI)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R2−O−(C2H4O)y−(C3H6O)z−H (VI)
〔式中、R2は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。〕
中でも好ましい例としてはエタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は、組成物中に0〜30質量%、好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.1〜20質量%配合される。
[任意成分(E)]
無機又は有機の水溶性塩類は、組成物の粘度をコントロールする目的で用いることができる。無機又は有機の水溶性塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、などの他、硫酸もしくは硝酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、やp−トルエンスルホン酸、グリコール酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。好ましくは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムである。無機又は有機の水溶性塩類の配合量は組成物全量に対し0〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。無機又は有機の水溶性塩類の添加は組成物製造のどの工程で入れてもよい。
[任意成分:シリコーン化合物]
洗濯工程における防しわ性、繊維の吸水性向上、アイロンすべり性、などを改善する目的で、ジメチルポリシロキサン及び各種有機官能基を有する変性ジメチルポリシロキサンから選ばれるシリコーンを、1種単独で又は2種以上の混合物として任意の割合で使用することができる。
特に、下記一般式(1)で表わされる分子内にポリオキシアルキレン基を含有するポリエーテル変性シリコーン類が好適である。
Figure 0005036254
式中、−Z1、−Z2は、それぞれ独立に−R、−O−R、−OH、−O−X−R、−O−X−Hである。Rは互いに同一でも異なっていてもよく、いずれも飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭素数1〜4の炭化水素基であり、Xはポリオキシアルキレン基である。−Yは、−R4−O−X−R5又は−O−X−R5であり、R4は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基であり、R5は水素原子又は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。Lは0〜50、Mは1〜1000、Nは10〜10000である。但し、X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10%以上60%未満である。
上記一般式(1)において、−Z1、−Z2は、それぞれ独立に−R、−OHであることが好ましい。Rは、炭素数1〜4の短鎖飽和炭化水素基が好ましく、メチル基が特に好ましい。R4は、炭素数1〜4の短鎖飽和炭化水素基が好ましく、プロピレン基が特に好ましい。R5が炭化水素基である場合には、炭素数1〜4の短鎖飽和炭化水素基が好ましい。特に好ましいR5は、水素原子又はメチル基である。
また、上記一般式(1)において、Xはポリオキシアルキレン基を表わすが、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、又はオキシブチレン単位などが、ブロック状あるいはランダムに配列したものであってもよい。但し、X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10%以上60%未満であり、好ましくは20%〜35%である。また、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、50%〜100%であるのが好ましい。
更に、上記一般式(1)において、L、M及びNは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、Lは0〜50、好ましくは0〜3であり、Mは1〜1000、好ましくは1〜50であり、Nは10〜10000、好ましくは20〜500である。なお、上記一般式(1)で表わされるポリエーテル変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、各繰返し単位がランダムに配列している構造を有するものであってもよい。
シリコーンの25℃における動粘度は100〜10万mm2/sの範囲が好ましく、更に好ましくはは100〜1万mm2/sである。各種シリコーンはオイルとして用いても、エマルジョンとして用いてもよく、分散液として用いてもよい。これらのシリコーン化合物は液体柔軟剤組成物全量に対し、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%配合することができる。
[任意成分;高分子化合物]
本発明組成物中には、処理した繊維製品の風合いを変化させることを目的として、高分子化合物、好ましくはカチオン性の高分子化合物を併用することができる。カチオン性高分子は、MERQUAT100(Nalco社)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業)、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、MERQUAT550 JL5(Nalco社)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、MERQUAT280(Nalco社)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードKGP(ライオン)等のカチオン化セルロース、LUVIQUAT−FC905(BASF)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、LUGALVAN−G15000(BASF)等のポリエチレンイミン、ポバールCM318(クラレ)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられるが、水に溶解時にカチオン性を有する高分子化合物であればよい。
[任意成分;金属イオン封鎖剤及び/又は酸化防止剤]
液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上することを目的として、金属イオン封鎖剤及び/又は酸化防止剤を含有することができる。本発明組成物に配合し得る金属イオン封鎖剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸塩やジエチレントリアミン五酢酸塩などに代表されるアミノカルボン酸塩、クエン酸、コハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、トリポリリン酸塩に代表される無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩に代表される有機リン化合物などが挙げられる。金属イオン封鎖剤の内、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩が特に好ましい。尚、金属イオン封鎖剤を液体柔軟剤に配合する場合、遊離の酸として配合してもよく、塩として配合してもよい。
金属イオン封鎖剤の配合量は、組成物全量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.5質量%である。配合量が少なすぎるとその効果が弱くなる場合があり、多すぎると相分離を生じたりする場合がある。
一方、酸化防止剤の例としては、没食子酸プロピル、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、p−ヒドロキシアニソール、茶エキスなどが挙げられる。これらの内、BHTが特に好ましい。
酸化防止剤の配合量は、組成物全量に対し0〜1質量%、好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.001〜0.1質量%である。配合量が少なすぎるとその効果が弱くなる場合があり、多すぎると製造コストが高くなる。
[任意成分;抗菌剤又は殺菌剤]
液体柔軟剤組成物の防腐力、殺菌力を強化する目的で、以下1)〜4)に記載の化合物を1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1)イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、3−イソチアゾロン基を含む化合物が好ましい。これらの化合物は、1981年5月5日発行のLewisらの米国特許第4,265,899号明細書に開示されている。その例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましい防腐・殺菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、更に好ましくは約77質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド5などジュンサイドシリーズなど市販されているものを使用することができる。
2)ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。このような化合物としては、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)など〕、デニサイドBIT/NIPAなどの市販品を用いることができる。
3)5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、5−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、又は2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどを用いることができる。Henkel社製BronidoxL、Inolex社製Bronopol、吉富製薬社製ブロノポール、ブーツ社製マイアサイドBT、BASF社製マイアサイドファーマBPなどの市販品を用いることができる。
4)安息香酸類又はフェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸誘導体、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどを使用することができる。
1)〜3)の化合物の配合量は、好適には組成物全量に対して0〜0.1質量%、好ましくは0.00001〜0.05質量%、より好ましくは0.0001〜0.01質量%である。4)の化合物の配合量は、好適には組成物全量に対して0〜3質量%、好ましくは0.01〜1.5質量%である。また、上記1)〜4)の化合物の2種以上を併用することにより防腐力、殺菌力を強化することができ、高価な上記化合物の使用量を削減することもできる。この中で、ケーソンCG/ICP、プロキセルシリーズBDN、マイアサイドBT、安息香酸の2種以上を併用することが特に好ましい。
上記1)〜3)の化合物は、安定化のために、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと共存させるか、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール溶液として組成物に添加されることが好ましい。
[任意成分;色素]
染料及び/又は顔料である任意の色素は、液体柔軟剤組成物の外観を向上する目的で配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の液体柔軟剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報、特開2001−348784号公報、に記載されている染料を用いることもできる。
[任意成分;香料]
本発明組成物に香料組成物としては、脂肪族及び芳香族のエーテル類、脂肪族やテルペン類のオキサイド類、アセタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸や芳香族カルボン酸などの酸類、アマイド類、ニトリル、アミン、キノリン類、ピロールやインドールなどの含窒素化合物等々の、合成及び/又は天然系香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合し、使用することができる。
上記香料に含まれる香料成分としては特に限定されるものではなく、使用される香料成分のリストは、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」Vol.IandII,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)などに記載される香料成分を使用することができる。
[任意成分;pH調整剤]
本発明の液体柔軟剤組成物には、下記のpH調整剤を含むことができる。即ち、本発明の液体柔軟剤組成物はエステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1.0〜6.0の範囲にすることが好ましく、特に、pH2.0〜4.0の範囲が好ましい。pH調整には、任意の無機又は有機の酸及びアルカリを使用することができ、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、リング酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸などのカルボン酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示できる。この中でも、塩酸、メチル硫酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
[任意成分;機能向上剤他]
前記の化合物以外に、機能向上剤として、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、ポリビニルピロリドンやアルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位からなる非イオン性高分子化合物などの移染防止剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)などの蛍光増白剤、染料固定剤、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなどの退色防止剤、染み抜き剤、繊維表面改質剤としてセルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ケラチナーゼなどの酵素、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与できるものとしてシルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液などを配合することができる。
[pH,粘度]
前記した通り、本発明組成物のpHは、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。(A)成分のカチオン界面活性剤が分子内にエステル基を有するので、該カチオン界面活性剤の加水分解を抑制するために、組成物のpHがこの範囲にあることが好ましい。
一方、本発明組成物の初期粘度は特に限定されないが、洗濯のすすぎ工程ですすぎ水に添加する製品の場合、5〜100mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)であることが好ましく、より好ましくは20〜50mPa・sである。このような範囲にあると、保存経日しても増粘度合いが小さいので好ましい。
[乳濁型液体柔軟剤組成物の調製方法]
液体柔軟剤の調製方法としては特に限定されず、種々の方法を用いることができるが、特に特開平2−68137号、特開平5−32788号、特開平5−32789号、及び特開平10−237762号公報に記載されている方法が好ましい。即ち、(A)成分と(B)成分、及び任意に香料組成物を含む油相に、水相の一部を添加するか、あるいは水相の一部に該油相を添加して、高濃度のカチオン性界面活性剤を含む液晶相を形成させ、次いで該液晶相に残りの水相を添加して液晶相をO/W型エマルションへ転相する方法により、本発明の水性液体柔軟剤組成物を調製することができる。
一方、乳濁型液体柔軟剤組成物の乳化分散安定性を向上する目的で配合する高級アルコールアルキレンオキシド付加物などのノニオン性界面活性剤は水相、油相どちらに添加してもよい。粘度コントロール剤である有機もしくは無機の塩類は、製造時に何回かに分割して添加することもできる。任意成分は、水相もしくは油相への溶け易さやハンドリング性の観点から、水相と油相のいずれに添加するか選択される。但し、溶解性が劣るものも乳化剤や溶剤との併用によりいずれの相に添加することも可能である。一般的には、水溶性の高いものは水相、水難溶性のものは油相に添加することが好ましい。
[包装形態]
本発明の液体柔軟剤組成物を収める容器は、特に限定されないが、ポリエチレンあるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製のボトル容器や、ポリエチレンや、ナイロン製のパウチ容器に収めるのが一般的である。近年は組成物の水分蒸発の抑制や、粘度や色調、香気などの性状変化を抑制するため、パウチの材質として、アルミやアルミナを蒸着させたポリエチレンやポリエチレンテレフタレートのフィルムを用いることがあり、これらを2層以上貼り合わせた多層フィルムを用いることができる。この中でも特に、ナイロン、ポリエチレンあるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの内から2種以上を組合せて使用することが望ましい。またさらに、これらには顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含んでいてもよい。
[繊維製品への使用方法]
本発明の柔軟剤組成物は、通常の洗濯において洗浄終了後の濯ぎの際に使用される。但し、洗浄工程なしに柔軟剤組成物単独で使用してもよい。洗濯工程における洗剤は、アニオン性主体の洗剤でも、ノニオン性主体の洗剤でもよく、その他界面活性剤、機能向上剤を含んでいてもよく、国内外で市販されている洗剤すべての濯ぎ工程において使用することができる。繊維製品の仕上げを行う際の使用濃度は、繊維製品への柔軟性付与の観点から、濯ぎ工程で洗濯浴に満たされる繊維製品の仕上げを行う際の水量に対し、(A)成分の濃度が10〜300ppmとなるような量で使用するのが望ましい。より好ましくは30〜100ppmである。但し、使用者が洗濯機種、繊維製品の量、水量などを考慮して、好みの量に調整するのがもっとも好ましい。
本発明の柔軟剤組成物は、二槽式洗濯機、全自動洗濯機、及び乾燥機能付洗濯機等の市販されている全ての洗濯機に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[液体乳濁系柔軟剤組成物の調製方法]
[実施例1〜6、比較例1〜2]
予め55℃に加温して溶融させた(A)成分と(B)成分を内径120mmのガラス容器に取り、スリーワンモーター(新東科学(株)社製)を用いて1000rpmで攪拌した。実施例3〜6では、(C)成分を溶解させてから、(A)成分と(B)成分との混合物に(C)成分を加え、油相とした。予め50℃に加温しておいたイオン交換水を該油相に加えて(A)成分の濃度が35質量%の状態で3分間攪拌した。その後、さらに(A)成分の濃度が所定濃度となるようにイオン交換水を加えて2分間攪拌して液体乳濁系柔軟剤組成物を得た。攪拌羽としては、長さが100mmの羽を30mm間隔で3本有するパドル羽を用いた。
[実施例7〜12]
予め55℃に加温して溶融させた(A)成分、(B)成分および共通成分の(4)〜(6)を内径120mmのガラス容器に取り、スリーワンモーター(新東科学(株)社製)を用いて1000rpmで攪拌した。次に、(C)成分を溶解させて、(A)成分、(B)成分および共通成分(4)〜(6)との混合物に加えて混合し、油相とした。さらに、共通成分(1)〜(3)(共通成分1〜3の中の無機塩を除く)をイオン交換水に溶解させ、50℃に加温しておいた水相を該油相に加えて(A)成分の濃度が35質量%の状態で3分間攪拌した。その後、さらに(A)成分の濃度が所定濃度となるように該水相を加えて2分間攪拌した。最後にイオン交換水を用いて予め15%の濃度に調製しておいた、共通成分(1)〜(3)中の無機塩を加えて(100rpmで攪拌しながら)液体乳濁系柔軟剤組成物を得た。攪拌羽としては、長さが100mmの羽を30mm間隔で3本有するパドル羽を用いた。
[柔軟処理方法]
市販の綿タオル(モラルテックス、(財)日本タオル検査協会製)を12枚、および市販のT−シャツ(B.V.D 丸首半袖T−シャツ M 品番GNO132 富士紡績(株)社製)を10枚用いた。試験用衣類は、家庭用洗濯機(NA−F80SD1、松下電器産業(株)製)を用いて前処理洗浄を施してから試験に供した。ここで、前処理洗浄には洗剤として市販洗剤(トップ、ライオン(株)製)を50g使用し、家庭用洗濯機はゴシゴシコースを設定し、水量57Lで洗浄を2回繰り返した。前処理洗浄した綿タオル12枚とT−シャツ10枚は、市販洗剤(トップ、ライオン(株)製)25g、および本発明の液体乳濁系柔軟剤組成物を20mL用い、洗浄および柔軟処理を施した。処理には家庭用洗濯機(NA−F80SD1、松下電器産業(株)製)を用い、ゴシゴシコース、水量57Lを設定した。市販洗剤および本発明の液体柔軟剤は、それぞれ洗濯機に搭載されている洗剤投入口および柔軟剤(ソフト仕上剤)投入口に収納し、洗濯機により自動的に洗濯浴中に添加された。処理後、試験用繊維製品は20℃、45%RHの条件下で16時間乾燥させ、下記に示す性能評価試験に供した。
[柔軟性の評価]
前記の条件で洗浄、柔軟処理、乾燥を施した綿タオルの柔軟性を、次の方法で評価した。比較例1に記載の組成物で処理した綿タオルを対照として、専門パネル10名による官能一対比較で、以下に示す基準により評価をおこない、結果を10名の平均値で示した。
〔評価基準〕
+2:対照よりはっきり柔らかい
+1:対照よりやや柔らかい
0:対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや柔らかい
−2:対照の方がはっきり柔らかい
尚、評価結果一覧表には、上記評点の平均値を以下の基準で表わす。
+2.0以下、+0.0以上:◎
+0.0未満、−0.5以上:○
−0.5未満、−2.0以上:×
[タバコ臭に対する防臭効果の評価]
上記のような条件で洗浄、柔軟処理、乾燥を施した綿タオルのタバコ臭に対する防臭性能を、次の方法で評価した。
評価布を(1m×2m×2m)の小部屋にハンガーにかけてつるし、その中で、市販のタバコ「マイルドセブン」を1分間吸い、評価布にタバコ臭をつけた。
評価布を回収後、直ちに専門パネラー5名で、評価布についているタバコ臭の強度を評価した。対照は比較例1に記載の柔軟剤組成物で処理した布を用いた。評価は以下の基準に従って行った。
対照と比べて、かなりタバコ臭を感じない:+2
ややタバコ臭を感じない:+1
同等:0
ややタバコ臭を感じる:−1
かなりタバコ臭を感じる:−2
専門パネラー5名の評価結果の平均点として、
+1.0以上、+2以下の場合:◎
+0.2以上、+1.0未満の場合:○
−0.5以上、+0.2未満の場合:△
−2.0以上、−0.5未満の場合:×
との基準に従って、評価結果に記載した。
[汗臭に対する防臭効果の評価]
上記のような条件で洗浄、柔軟処理、乾燥を施したT−シャツの汗臭に対する防臭性能を、次の方法で評価した。
T−シャツを30代の男性5名に着用させ、40℃の恒温室にて30分間汗をかいた。30分間25℃の恒温室で汗を乾かした後、T−シャツの汗臭の有無を下記の基準で評価した。
対照と比べて、かなり汗臭を感じない:+2
やや汗臭を感じない:+1
同等:0
やや汗臭を感じる:−1
かなり汗臭を感じる:−2
5名の評価結果の平均点として、
+1.0以上、+2以下の場合:◎
+0.2以上、+1.0未満の場合:○
−0.5以上、+0.2未満の場合:△
−2.0以上、−0.5未満の場合:×
との基準に従って、評価結果に記載した。
[乳化分散安定性の評価]
調製した液体乳濁柔軟剤組成物を100mLのガラス瓶に入れ、密栓後、40度で4ヶ月間放置した。4ヵ月後の粘度を測定し、実施例には下記の基準で評価した結果を示す。使用性の点から、○以上であることが好ましい。
<判定基準>
粘度が200mPa・s以下:◎
粘度が200mPa・s超で500mPa・s以下:○
粘度が500mPa・s超で1,000mPa・s以下:△
粘度が1,000mPa・s超:×
[試料性状と評価結果]
別紙の表1〜4に、(A)、(B)、(C)各成分など、供試試料の性状を示す。
別紙の表5に、液体柔軟剤組成物に関する評価結果を示す。
比較例1を対照として比較評価した実施例1〜12の柔軟性並びにタバコ臭、汗臭の抑制効果はいずれも比較例1より優れている。
また、乳化分散安定性は、(C)が配合されていると向上し、さらに、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、或いは塩化マグネシウムなどの無機電解質も併用すると、一層改善される。




















Figure 0005036254



Figure 0005036254
Figure 0005036254
Figure 0005036254





Figure 0005036254

Claims (3)

  1. 下記(A)成分と(B)成分とを含有し、pHが2〜4であることを特徴とする乳濁型液体柔軟剤組成物。
    (A)分断基も含めて炭素数が10〜22の、エステル基で分断された長鎖炭化水素基を含む3級アミン、該3級アミンの中和物及び該3級アミンの4級化物から成る群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤
    (B)安息香酸ベンジル:0.1質量%以上
  2. さらに、(C)成分としてノニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の乳濁型液体柔軟剤組成物。
  3. (C)成分のノニオン性界面活性剤がアルキレンオキシド(AO)付加型であり、AOの平均付加モル数が30〜100である請求項1又は2記載の乳濁型液体柔軟剤組成物。
JP2006241154A 2006-09-06 2006-09-06 乳濁型液体柔軟剤組成物 Active JP5036254B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006241154A JP5036254B2 (ja) 2006-09-06 2006-09-06 乳濁型液体柔軟剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006241154A JP5036254B2 (ja) 2006-09-06 2006-09-06 乳濁型液体柔軟剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008063681A JP2008063681A (ja) 2008-03-21
JP5036254B2 true JP5036254B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=39286632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006241154A Active JP5036254B2 (ja) 2006-09-06 2006-09-06 乳濁型液体柔軟剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5036254B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5058569B2 (ja) * 2006-11-27 2012-10-24 ライオン株式会社 ダニ駆除用水性液体組成物およびこれを使用したダニ駆除方法
JP5557986B2 (ja) * 2008-04-14 2014-07-23 花王株式会社 繊維製品処理剤組成物
JP5671715B2 (ja) * 2009-05-12 2015-02-18 ライオン株式会社 香料の乳化分散物
JP5227945B2 (ja) * 2009-12-28 2013-07-03 ライオン株式会社 繊維製品処理用物品
JP6207898B2 (ja) * 2013-07-02 2017-10-04 花王株式会社 液体柔軟剤組成物
JP6824812B2 (ja) * 2017-05-09 2021-02-03 花王株式会社 印刷紙用処理剤組成物
JP7055597B2 (ja) * 2017-05-24 2022-04-18 花王株式会社 柔軟剤組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8923285D0 (en) * 1989-10-16 1989-12-06 Unilever Plc Fabric conditioning article
JP3121101B2 (ja) * 1992-03-25 2000-12-25 松下電工株式会社 消臭剤
JP3745559B2 (ja) * 1999-06-03 2006-02-15 花王株式会社 消臭組成物
JP4451159B2 (ja) * 2004-02-20 2010-04-14 ライオン株式会社 液体柔軟剤組成物
JP2006161229A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Kao Corp 透明又は半透明の液体柔軟剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008063681A (ja) 2008-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5036254B2 (ja) 乳濁型液体柔軟剤組成物
JP4055574B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
KR101988072B1 (ko) 액체 유연제 조성물
WO2013176288A1 (ja) 繊維製品用処理剤組成物
JP2008094980A (ja) 水中油型エマルションの製造方法
JP5594775B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2012202000A (ja) 繊維処理剤組成物
JP5953580B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP5396642B2 (ja) 繊維製品用液体仕上げ剤組成物
JP4055575B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2008169534A (ja) 繊維製品用液体仕上げ剤組成物
JP4956822B2 (ja) 液体仕上げ剤組成物
JP7437894B2 (ja) 繊維処理用製品と香料含有製品からなる繊維処理用物品
JP4773188B2 (ja) 新規エーテル型化合物及び該化合物を含有する液体柔軟剤組成物
JP4055544B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP4451159B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP4706816B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2017025422A (ja) 繊維処理剤組成物
JP2018178329A (ja) 液体柔軟剤組成物
JP4841275B2 (ja) 仕上げ剤組成物
KR101025570B1 (ko) 액체 유연제 조성물
JP5853337B2 (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2007169840A (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2003105677A (ja) 液体柔軟剤組成物
JP2007169839A (ja) 液体柔軟剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5036254

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350