JP5030035B2 - ギアドモータ及び減速機 - Google Patents

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Description

本発明は、ギアドモータ、特に、ヘリカルピニオンを有するモータを用いたギアドモータ、及びヘリカルピニオンを有するモータに連結される減速機に関する。
従来、図4及び図5に示したハイポイド減速装置GM1が知られている(特許文献1参照)。図4は、ハイポイド減速装置GM1の一部断面図であり、図5は、図4における矢示V−V線に沿う断面のうち、継軸24及びモータ軸20のみを示す断面図である。
このハイポイド減速装置GM1は、モータ2とハイポイド減速機3とが連結された構成とされている。モータ2のモータ軸20先端部には、ヘリカル状の外歯22が形成されている。
ハイポイド減速機3は、ケーシング32の内部に、継軸24と、該継軸24に形成されたハイポイドピニオン24Pと、このハイポイドピニオン24Pが噛合するハイポイドギア25を備え、更に、第1、第2の減速機構28、29を介して出力軸50へと動力が伝達される構成とされている。
ケーシング32には、二重となった円筒部32A、32Bがモータ軸20方向へと延在しており、外側の円筒部32Aが、モータ2のケーシングと連結している。一方、内側の円筒部32Bの更にその内側には、2つの軸受34、35が備わっている。この2つの軸受34、35によって、継軸24が、ケーシング32に対して回転可能に支持されている。
継軸24の第1、第2の減速機構28、29側には、ハイポイドピニオン24Pが形成されている。又、継軸24のモータ2側には、モータ軸20の先端部、即ち、ヘリカル形状の外歯22が挿入可能な凹部24Hが形成されている。又、当該凹部24Hの内側から外側へと貫通する態様で軸方向に沿ってスリットSが形成されており(図5参照)、当該スリットSが形成された部分の継軸24を覆うようにクランプリング50が設置されている。即ち、当該クランプリング50及びスリットによって、凹部24Hに挿入されるモータ軸20の先端部(ヘリカル状の外歯22が形成されている部分)を摩擦締結により連結することによって、モータ軸20の動力をハイポイドギア25の方へと伝達することが可能となっている。
特開2005−201428号公報
前述したハイポイド減速装置GM1においては、「クランプリング50を用いた摩擦締結」を採用しているので、凹部24Hに挿入されるモータ軸20の径が多少異なる場合でもスリットの存在によって動力伝達可能な程度に連結することが可能である。
しかしながら、その反面、クランプリング50による締結部の管理、例えば締結の際に必要となる脱脂作業は煩雑である。又、クランプリング50を設置する設置スペースが必要不可欠となり、特にモータ軸の軸方向に、必要となるスペースが肥大化してしまうという問題点もある。更に、摩擦締結であるが故に、使用時に滑りが生じる可能性があり、大きなトルクを伝達することが出来ない。
出願人は、かかる問題点を解消したギアドモータ及びギアドモータ用軸部材を既に提案済みである(特願2005−176296号)。この既出願の発明は、モータ軸の先端にヘリカルピニオンが形成されたモータと、一端に、該ヘリカルピニオンと連結され該ヘリカルピニオンと一体的に回転可能な係合部を有し、他端に、ハイポイドピニオンが形成されている軸部材と、該ハイポイドピニオンと噛合するハイポイドギアと、を備えている。その結果、摩擦締結ではなくヘリカルピニオンの噛合により動力伝達可能とされており、コンパクト且つ滑りが生じない構造を実現している。
しかしながら、ヘリカルピニオンが噛合して動力を伝達する場合には、当該噛合に起因する音(例えば歯打ち音)が必然的に発生してしまう。当該既出願の発明では、ヘリカルピニオンの噛合により生じるスラスト力とハイポイドピニオンの噛合により生じるスラスト力とを、使用目的に合わせて一致又は逆とすることで合理的に処理しており、騒音対策という観点からも相応の効果を得ている。
本発明は、このような背景の下で、更なる低騒音化という課題を解決するために、先の発明とは異なる観点からなされたものである。
本発明は、第1のヘリカルピニオンが直切りされたモータ軸を有するモータと、減速機とが連結されたギアドモータであって、前記減速機に、前記第1のヘリカルピニオンと噛合する第2のヘリカルピニオン及び該第2のヘリカルピニオンと同一の軸心とされた直交型の歯車が一体的に形成された継軸と、前記継軸を回転可能に支持する一対の軸受と、前記第1のヘリカルピニオンと前記第2のヘリカルピニオンとの軸方向の相対移動を抑制する抑制手段と、を備え、前記抑制手段は、前記継軸の外周面に形成された凸部と、該凸部の軸方向両側面に当接する前記一対の軸受の内輪と、前記減速機のケーシングに、止め輪、前記ケーシングの段部および接着剤によって固定された前記一対の軸受の外輪とから、少なくとも構成されていることにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、第1のヘリカルピニオンと第2のヘリカルピニオンとが相対移動しないように抑制手段を設けることで、かかる移動に起因する歯打ち音が低減することに着目している。歯打ち音は、噛合する歯車の歯面同士の衝突により生じるのであり、この衝突を噛合する歯車の軸方向の相対移動を抑制することで低減しようとするものである。この抑制手段は、具体的には、継軸の外周面にリング状の凸部を形成し、該凸部の軸方向両側面に当接するように一対の軸受の内輪を配置し、更に、減速機のケーシングに対して軸受の外輪を、止め輪、前記ケーシングの段部および接着剤によって固定して構成される。これにより、両ヘリカルピニオンの軸方向の相対移動を抑制することができ、かかる移動に起因する歯打ち音を低減することができる。あるいは、第2のヘリカルピニオンを凹部の内周に形成した雌ヘリカルとした上で、単独で又は上記の構成に加えて、第1のヘリカルピニオンと第2のヘリカルピニオンとの噛合部にグリスを塗布したり、噛合部の表面をコーティング処理することによって抑制手段を構成してもよい。これらの抑制手段によって、歯打ち音そのものの大きさを低減することができると共に、不快感の少ない音色(音質)に調整するという効果も期待できる。加えて、グリスの塗布やコーティング処理を行った場合には、装置の使用によるフレッチングを防止することもでき、使用目的の変更により生じる「モータの取替え」にも機動的に対応することができるというメリットがある。
なお、本発明は、ヘリカルピニオンと直交型の歯車とが同一の軸心となるように一体的に形成された継軸と、前記継軸を回転可能に支持する一対の軸受と、前記継軸の軸方向及び径方向の移動を抑制する抑制手段と、を備えた減速機であって、前記抑制手段は、前記継軸の外周面に形成された凸部と、該凸部の軸方向両側面に当接する前記一対の軸受の内輪と、前記減速機のケーシングに、止め輪、前記ケーシングの段部および接着剤によって固定された前記一対の軸受の外輪とから、少なくとも構成されていることを特徴とする減速機、として捉えることも可能である。
歯打ち音を低減することにより低騒音のギアドモータを得ることができる。
以下、本発明の実施形態の例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係るギアドモータ(減速装置)の正断面図であり、図2は、図1における矢示II部周辺の拡大図である。
このギアドモータGM1のモータM(フロントカバー18、モータ軸20のみ図示)は、そのモータ軸20の先端に雄ヘリカルピニオン(第1のヘリカルピニオン)22を一体的に備える。
雄ヘリカルピニオン22は、継軸24と連結されている。即ち、継軸24には軸方向に凹部24Cが形成されており、該凹部24Cの内周に雌ヘリカルピニオン(第2のヘリカルピニオン)24Hが形成されている。この雌ヘリカルピニオン24Hが雄ヘリカルピニオン22の外周に螺合(ヘリカルスプライン連結)することにより、両者22、24が一体的に(等速で)回転できるようになっている。継軸24には、雌ヘリカルピニオン24Hと同一の軸心となるように、直交型の歯車であるハイポイドピニオン28が一体的に形成されている。ハイポイドピニオン28は、ハイポイドギア30と噛合し、該ハイポイドギア30と共に減速部G1の初段に相当するハイポイド減速機構32を形成している。
ハイポイド減速機構32の後段には、第1、第2平行軸歯車減速機構34、36が配置され、最終的に出力軸40から取り出される構成とされている。
なお、図1での描写では恰もハイポイドギア30とピニオン33が噛合しているように見えるが、ハイポイドギア30とほぼ同径のスパー(又はヘリカル)ギア35が該ピニオン33と噛合することにより増速目的の第1平行軸歯車減速機構34を形成しているものである。
モータ軸20と出力軸40は、直交しており、ギアドモータGM1は「直交ギアドモータ」を構成している。なお、モータ軸20の軸心20Aと出力軸40の軸心40Aは、同一平面上では交差していないが、この明細書においては、このような交差をも含めて「直交」の用語を用いるものとする。
減速部G1のケーシング42には2重の円筒部42A、42Bが形成されている。外側円筒部42Aは、モータMのフロントカバー18と連結固定されている。一方、内側円等部42Bの更に内側には一対の軸受(第1軸受46、第2軸受48)が配置されており、当該第1、第2の軸受46、48が継軸24を回転自在に支持している。又、この内側円筒部42Bの内側基部には、第2軸受48の軸方向(図1における右方向)の移動規制を行うための段部42Cが形成されている。継軸24の外周面には、第1、第2軸受46、48に対する軸方向の位置を規定するために、自身の軸方向の略中央(雌ヘリカルピニオン24Hとハイポイドピニオン28との間)に、円周方向に一周するリング状の凸部24Tが形成されている。なお、当該凸部24Tは必ずしもリング状である必要ななく、断続的な凸部を形成してもよい。更に、内側円筒部42BのモータM側には、止め輪52が配置されており、第1軸受46の軸方向(図1における左方向)の移動規制を行っている。符号54は、三者(第1軸受46、継軸24、第2軸受48)のケーシング42(の内側円筒部42B)に対する位置を微調整するためのシムである。
又、本実施形態のギアドモータGM1においては、雄ヘリカルピニオン22と雌ヘリカルピニオン24Hとの軸方向の相対移動を抑制するための抑制手段が備わっている。この抑制手段は、運転時の歯打ち音を低減することを主な目的として採用されている。ギアドモータGM1では以下で説明する3つの抑制手段が重畳的に採用されているが、単独で又は2つの組み合わせを採用しても良い。又、各抑制手段の効果については後述する。
第1の抑制手段は、継軸24の外周面に形成されたリング状の凸部24Tと、該凸部24Tの軸方向両側面24A、24Bに当接するように配置された軸受の内輪46B、48Bと、減速機のケーシング42の内側円筒部42Bに接着剤によって固定(接着部70)された軸受の外輪46A、48Aとで構成されている。ここで使用される接着剤には、例えばシリコーン系無溶剤型のものを用いると好適である。又、軸受の内輪46B、48Bと外輪46A、48Aとはそれぞれ金属で構成されているが、相当程度に硬度を有する材料であれば金属であることが必須の要件とはならない。
第2の抑制手段は、雄ヘリカルピニオン22と雌ヘリカルピニオン24Hとの噛合部(以下単に「ヘリカル噛合部」という場合がある。)にグリスを塗布(グリス塗布部72)することで実現される。ここで使用されるグリスには、例えば、二硫化モリブデンが含有されたグリス(ちょう度No2(270))を用いると好適である。
第3の抑制手段は、ヘリカル噛合部の表面(雄ヘリカルピニオン22と雌ヘリカルピニオン24Hの少なくとも一方)にフッ素コーティングを施す(コーティング部74)ことで実現されている。
なお、グリスの塗布やコーティングにより抑制手段を構成するということは一見不可能にも思えるが、ヘリカル噛合部に存在する隙間はもともと極僅かであり、薄いグリスの皮膜やコーティングの皮膜であっても十分に抑制手段として機能し得る。
次に、この実施形態に係るギアドモータGM1の作用を説明する。
モータ軸20の雄ヘリカルピニオン22が特定の方向に回転すると、該雄ヘリカルピニオン22とヘリカルスプライン連結されている雌ヘリカルピニオン24Hを介して継軸24が一体的に(等速で)回転する。この結果、該継軸24に形成されているハイポイドピニオン28が回転し、該ハイポイドピニオン28と噛合しているハイポイドギア30が回転する。ハイポイドギア30の回転は、同じ回転軸31に組み込まれている第1平行軸歯車減速機構34のスパーギア35からピニオン33に増速伝達された後、第2平行軸歯車減速機構36を介して再び減速され、出力軸40から取り出される。なお、動力伝達経路の途中で一度増速しているのは、種々の減速比(低減速比から高減速比まで)を同一段数で実現しようとしたためである。増速段を挿入することにより、低減速比(例えば総減速比5)を実現することができる。
又、出力軸40の軸心40Aは、モータ軸20の軸心20Aに対して直交(広義)しており、モータ軸20の回転は、その軸心20Aが90度回転された状態で出力軸40から取り出されることになる。
又、この実施形態においては、モータ軸20の雄ヘリカルピニオン22の歯切り方向、及びハイポイドピニオン28の歯切り方向を適宜に選定することにより、雄ヘリカルピニオン22と雌ヘリカルピニオン24Hとの噛合によって継軸24に発生するスラスト力の方向と、ハイポイドピニオン28とハイポイドギア30との噛合によって継軸24に発生するスラスト力の方向とを一致させる構成とすることもできるし、逆にする構成とすることもできる。
スラスト力の方向を一致させた場合には、モータMのモータ軸20が特定の方向に回転するときには、継軸24には、モータ軸20側から特定の方向(例えば矢印A方向)にスラスト力が掛かると共に、ハイポイドギア30側からは該ハイポイド側に引き込まれるような(同じ矢印A方向の)スラスト力が掛かる。そのため、モータ軸20が特定の方向に回転するときには、結果として継軸24には特定の方向(矢印A方向)のみに強めのスラスト力が掛かる。なお、モータ軸20が逆の方向に回転するときには、矢印Aと反対の方向(この場合矢印B方向)に強めのスラスト力が掛かる。そのため、継軸24は常にいずれかの方向に移動をしようとするような強めのスラスト力が掛かった状態で回転することになる。
継軸24がいずれの方向にスラスト力を受ける場合であっても、継軸24に掛かるスラスト力は、継軸24の凸部24T(の側面24A)、第2軸受48、及び段部42Cを介して矢印A方向の移動が抑制されており、又、継軸24の凸部24T(の側面24B)、第1軸受46、シム54及び止め輪52を介して矢印B方向の移動が抑制されている。更に、各軸受46、48の外輪46A、48A及び内輪46B、48Bはいずれも相当の硬度を有する金属で形成され、且つ、外輪46A、48Aはケーシング42の内側円筒部42Bに接着剤によって強固に固定されているために、継軸24の軸方向の移動が精密に抑制されている。これに伴い、継軸24の雌ヘリカルピニオン24Hに噛合する雄ヘリカルピニオン22の軸方向の移動も抑制され、結果として雄ヘリカルピニオン(第1のヘリカルピニオン)と雌ヘリカルピニオン(第2のヘリカルピニオン)との軸方向の相対移動が抑制される。又、ヘリカル噛合部にグリス塗布及び/又はフッ素コーティングを施すことによって、これらグリスやコーティングの皮膜による緩衝作用により、継軸24とモータ軸20との相対的な移動が抑制されている。又、当該グリス塗布やフッ素コーティングを施しておくことにより、使用によるヘリカル噛合部のフレッチングが防止され、将来的に発生する可能性のあるモータの取り替えの際にも作業性が向上する。又、歯打ち音の大きさを低減させるだけでなく、音色(音質)を改善することによって、同じ音圧レベルであっても不快感の少ない音色へと調整することも可能である。
これらの抑制手段の採用によって、結果的に、運転時の歯打ち音が飛躍的に低減した(後述の実験結果参照)。更に、回転軸31を支持している図示せぬ軸受は、それぞれの側にもともと発生する噛合反力分のみを受け持つだけでよく、モータ軸20の側、ハイポイドギア30の側とも既存の(あるいは標準の)モータ、あるいは歯車箱をそのまま使用することができ、特に設計変更の必要はない。
一方、発生するスラスト力の方向を逆に設定した場合には、例えば、モータ軸20が特定の方向に回転するときには、継軸24には、モータ軸20側から特定の方向(例えば矢印A方向)にスラスト力が掛かると共に、ハイポイドギア30側からは逆方向(この場合は矢印B方向)のスラスト力が掛かる。そのため、スラスト力が継軸24内で相互に対向・相殺され、継軸24に発生するスラスト力は、ハイポイドギア30側、或いはモータ軸20側からのみスラスト力を受ける場合よりも小さくなる。また、モータ軸20が逆の方向に回転するときも、今度はスラスト力が継軸24内で相互に離反・相殺され、やはり継軸24に発生するスラスト力は、ハイポイドギア30側、或いはモータ軸20側からのみスラスト力を受ける場合よりも小さくなる。ここでも継軸24に掛かるスラスト力は、継軸24の凸部24T(の側面24A)、第2軸受48、及び段部42Cを介して矢印A方向の移動が抑制されており、又、継軸24の凸部24T(の側面24B)、第1軸受46、シム54及び止め輪52を介して矢印B方向の移動が抑制されている。更に、各軸受46、48の外輪46A、48A及び内輪46B、48Bはいずれも相当の硬度を有する金属で形成され、且つ、外輪46A、48Aはケーシング42の内側円筒部42Bに接着剤によって強固に固定されているために、継軸24の軸方向の移動が精密に抑制されている。これに伴い、継軸24の雌ヘリカルピニオン24Hに噛合する雄ヘリカルピニオン22の軸方向の移動も抑制され、結果として雄ヘリカルピニオン(第1のヘリカルピニオン)と雌ヘリカルピニオン(第2のヘリカルピニオン)との軸方向の相対移動が抑制される。又、ヘリカル噛合部にグリス塗布及び/又はフッ素コーティングを施すことによって、これらグリスやコーティング皮膜による緩衝作用により、継軸24とモータ軸20との相対的な移動が抑制されている。又、当該グリス塗布やフッ素コーティングを施しておくことにより、使用によるヘリカル噛合部のフレッチングを防止でき、将来的に発生する可能性のあるモータの取り替えの際にも作業性が向上する。又、歯打ち音の大きさを低減させるだけでなく、音色(音質)を改善することによって、同じ音圧レベルであっても不快感の少ない音色へと調整することも可能である。加えて各軸受46、48に掛かるスラスト力は相殺により絶対値が小さいため、各軸受46、48を小型化でき、或いは低コスト化、高寿命化が図れる。
また、この場合(各スラスト力の方向を逆に設定した場合)も、回転軸31を支持している軸受は、それぞれの側にもともと発生する噛合反力分のみを受け持つだけでよく、モータ軸20の側、ハイポイドギア30の側とも既存の(あるいは標準の)モータ、あるいは歯車箱をそのまま使用することができ、特に設計変更の必要はない。
次に、抑制手段に関する効果について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、上記のギアドモータGM1を用いた実験の結果を示すグラフであり、抑制手段としての対策をしない場合(1)、ヘリカル噛合部にグリスを塗布した場合(2)、ヘリカル噛合部にフッ素コーティングを施した場合(3)、第1、第2軸受46、48の外輪(46A、48A)をケーシング42の内側円筒部42Bに接着剤で固定した場合(4)、及びこれらを組み合わせた場合(5)〜(7)の歯打ち音を測定したものである。
なお、当該実験においては、ヘリカル噛合部の歯打ち音だけを測定するために、継軸のハイポイドピニオン28はハイポイドギア30と噛合させない状態で測定した。又、当該測定はモータ軸下100mmの位置で行った。又、それぞれモータ軸を右回転させた場合と左回転させた場合を測定し、各測定値の平均値(AVE)を示した。
グラフからは以下の事項が読み取れる。
第1に、何れの抑制手段を単独適用した場合(2)〜(4)でも対策なしの場合(1)に比べて明確に歯打ち音の低減効果は確認できた。即ち、ヘリカル噛合部の各ヘリカルピニオンの軸方向の相対移動が効果的に抑制されていると考えることが出来る。その中でも特に軸受を接着剤で固定した場合(4)の低減効果が著しい。
第2に、グリス塗布とコーティングを重畳的に適用しても、歯打ち音の低減に関しては目立った相乗効果は確認できない。
第3に、軸受を固定した上で、重畳的にコーティングやグリス塗布を行っても目立った相乗効果は確認できない。但し、音色の改善効果が存在した。
これらの事実から、歯打ち音の低減を最優先とする場合には軸受を接着剤で固定する抑制手段を用いるのが望ましい。又、加えてヘリカル噛合部のフレッチングの発生防止や、音色の改善をしたい場合には、グリス塗布やコーティングといった抑制手段を採用する効果は高い。
なお、実施形態の一例として説明した継軸には、直交型の歯車としてハイポイドピニオンを示しているが、これに限定されるものではなく、ウォームやベベル等他の直交型の歯車が形成されていても、相応の効果を得ることが出来る。
本発明により歯打ち音が飛躍的に低減するため、人や動物の近傍に配置されるギアドモータ(例えば、自動ドア用ギアドモータ、電動車椅子用ギアドモータ、自動車室内に配置されるギアドモータなど)や減速機に特に好適である。
本発明の実施形態の例に係るハイポイドギアドモータの正断面図 図1における矢示II部周辺拡大図 実験結果を示すグラフ 特許文献1記載のハイポイド減速装置GM1の一部断面図 図4における矢示V−V線に沿う断面のうち、継軸及びモータ軸のみを示す断面図
符号の説明
GM1…ギアドモータ
G1…減速部
M…モータ
18…フロントカバー
20…モータ軸
22…雄ヘリカルピニオン(第1のヘリカルピニオン)
24…継軸
24A、24B…凸部側面
24C…凹部
24H…雌ヘリカルピニオン(第2のヘリカルピニオン)
24T…凸部
28…ハイポイドピニオン
30…ハイポイドギア
34、36…第1、第2平行軸歯車減速機構
35…スパーギア
40…出力軸
42…ケーシング
42A…外側円筒部
42B…内側円筒部
42C…段部
46…第1軸受
48…第2軸受
46A、48A…(軸受)外輪
46B、48B…(軸受)内輪
50…突起
52…止め輪
54…シム
60…オイルシール
70…接着部
72…グリス塗布部
74…コーティング部

Claims (3)

  1. 第1のヘリカルピニオンが直切りされたモータ軸を有するモータと、減速機とが連結されたギアドモータであって、
    前記減速機には、前記第1のヘリカルピニオンと噛合する第2のヘリカルピニオン及び該第2のヘリカルピニオンと同一の軸心とされた直交型の歯車が一体的に形成された継軸と、
    前記継軸を回転可能に支持する一対の軸受と、
    前記第1のヘリカルピニオンと前記第2のヘリカルピニオンとの軸方向の相対移動を抑制する抑制手段と、を備え、
    前記抑制手段は、前記継軸の外周面に形成された凸部と、該凸部の軸方向両側面に当接する前記一対の軸受の内輪と、前記減速機のケーシングに、止め輪、前記ケーシングの段部および接着剤によって固定された前記一対の軸受の外輪とから、少なくとも構成されている
    ことを特徴とするギアドモータ。
  2. 請求項1において、
    前記抑制手段は、更に、前記第1のヘリカルピニオンと前記第2のヘリカルピニオンとの噛合部の表面に処理されたコーティングを含む構成とされている
    ことを特徴とするギアドモータ。
  3. ヘリカルピニオンと直交型の歯車とが同一の軸心となるように一体的に形成された継軸と、前記継軸を回転可能に支持する一対の軸受と、前記継軸の軸方向の移動を抑制する抑制手段と、を備えた減速機であって、
    前記抑制手段は、前記継軸の外周面に形成された凸部と、該凸部の軸方向両側面に当接する前記一対の軸受の内輪と、前記減速機のケーシングに、止め輪、前記ケーシングの段部および接着剤によって固定された前記一対の軸受の外輪とから、少なくとも構成されている
    ことを特徴とする減速機。
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