JP2921392B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

高炉の操業方法

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JP2921392B2
JP2921392B2 JP9469694A JP9469694A JP2921392B2 JP 2921392 B2 JP2921392 B2 JP 2921392B2 JP 9469694 A JP9469694 A JP 9469694A JP 9469694 A JP9469694 A JP 9469694A JP 2921392 B2 JP2921392 B2 JP 2921392B2
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隆信 稲田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉の操業方法に関
し、特に高炉下部および炉底部における原料の充填・堆
積状態を制御して、炉底部耐火物の溶銑流動による損耗
を抑制する原料装入方法を特徴とする高炉操業方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】銑鉄を製造する高炉は近年大型化が進
み、それに伴って改修費用も莫大なものになっている。
このため、最近の高炉操業においては、銑鉄の安定製造
とともに、炉寿命の延長が重要な課題になっている。
【0003】高炉の寿命判断は、生産計画に沿った吹き
止めを除けば、炉本体の損傷程度に基づいて下されるこ
とになるが、そのポイントは、一時的な休風による補修
では対処できないほど炉内面の損傷が甚だしくなってい
るか否かにある。
【0004】近年の高炉操業においては、稼動開始以
降、定期的にあるいは必要に応じて休風し、炉内面から
の補修が行われる。この補修技術の進歩により高炉炉体
の中で羽口より上部の側壁部については、ある程度の炉
体維持が可能となっている。しかし、羽口より下方の炉
体側壁部および底部(以下、それぞれ「炉底側壁」およ
び「炉底底部」という)は、溶銑滓が存在する部位であ
り、また、羽口より下部の内容物の排出が容易でないた
め、同部の損傷に対する抜本的な補修は不可能である。
従って、炉底側壁および炉底底部の損傷状況が高炉の寿
命を決すると言ってよく、炉寿命延長の主眼点は同部の
損傷抑止にある。
【0005】なお、高炉炉体は、外壁を構成する鉄皮
と、その中側に設置されたステーブ、冷却盤、冷却パイ
プ等の炉体冷却手段、さらにその内側に敷設された耐火
レンガからなるが、前記の炉底底部、炉底側壁の損傷抑
止とは、具体的には炉内面にある耐火レンガの損耗を抑
制することを意味する。
【0006】さて、炉底底部、炉底側壁のレンガ損耗の
機構は複雑であるが、損耗の主たる要因はレンガ表面に
接触する溶銑の流動による溶損にあり、炉底底部、炉底
側壁近傍の溶銑が強く流動するほどレンガ損耗は進行す
る。従って、炉底底部、炉底側壁のレンガ損耗を抑制す
るには、炉底部の通液性を制御して炉底底部、炉底側壁
近傍における溶銑流速を低下させる必要がある。
【0007】従来、炉底側壁あるいは炉底底部のレンガ
損耗を抑制するために行われている高炉への含Ti鉄源原
料の装入あるいは含Ti鉱石の羽口吹き込みは、Ti濃度を
高めて溶銑の粘度を上昇させ、これによって同部近傍の
溶銑流速を低下させようとするものである。しかし、含
Ti鉱石は高価なものであり、これを常用することは製銑
コストを上げることになる。さらに、含Ti鉱石を多量に
使用すれば、出銑・出滓状況が悪化する危険がある。
【0008】ところで、高炉内の装入物の降下挙動は次
のとおりである(例えば、日本鉄鋼協会、鉄鋼基礎共同
研究会の高炉反応部会最終報告書(昭和57年7月)『高
炉内現象とその解析』の中の「解体調査の総合検討結
果」参照)。
【0009】図5は従来の高炉解体調査で判明した炉内
状態を説明する断面模式図である。図示の高炉1の上半
部の塊状部28は、交互に積層されたコークス層と鉱石層
とが層状を維持しながら降下する領域である。その下部
の軟化融着帯29は、鉱石層が軟化融着し、最終的には溶
解する領域である。鉱石層が溶解して消失するとコーク
スの降下が促進され、軟化融着帯29の下部と炉芯部31の
コークス堆積層との間にコークス帯30が形成されてい
る。このコークス帯30は、大部分が羽口21の先端の燃焼
帯24へのコークス供給源となり、一部が炉芯部31へのコ
ークス供給源となる領域である。
【0010】炉芯部31は円錐状のコークス堆積層(以
下、「炉芯コークス堆積層」という)であり、この領域
のコークスは溶鉄中への炭素溶解に消費される以外はほ
とんど反応に関与せず、長時間炉内に滞留する。そし
て、炉底底部19近傍は炉芯コークス堆積層により完全に
占められているのではなく、コークスが存在しない溶銑
だけで占められる空間(以下、「コークフリー層(27)
」という)が存在し得ることが確認されている。
【0011】上記のコークフリー層27は溶銑流動にとっ
て自由空間であるため、その通液性は、炉芯コークス堆
積層の通液性に比べて著しく高い。このため、コークフ
リー層の存在の有無あるいはその層厚が溶銑流動を大き
く支配する因子となる。すなわち、このコークフリー層
を無くすることができれば、炉底底部19近傍の溶銑流速
を低下させることができ、同部のレンガ損耗の進行を抑
制できることになる。さて、コークフリー層27は、炉芯
コークス堆積層に作用する溶銑の浮力およびガスによる
上向きの抗力が、炉芯コークス堆積層の自重および炉芯
コークス堆積層にかかる荷重を上回ることによって生じ
ると考えられる。従って、炉芯コークス堆積層の自重を
増すか、あるいはこれにかかる上部荷重を増加させるこ
とによって、炉芯コークス堆積層の浮上を阻止し、コー
クフリー層を無くすることができる。この後者の観点か
ら、炉中心部の鉄源原料/コークス重量比(以下、「O
/C比」という)を上昇させて、炉中心部の装入物荷重
を上げることにより、炉底底部近傍のコークス堆積層の
浮上を抑止する方法が、特公平5−7443号公報に開示さ
れている。しかし、炉中心部のO/C比を上昇させるこ
とは、上述の効果を炉底部に与える一方で、羽口より上
部の半径方向ガス流れ分布にも影響を与えることから、
高炉内製銑反応の効率的な進行を妨げ、さらには高炉の
安定操業を阻害する恐れがある。
【0012】一方、炉頂部からコークスと鉄源原料(以
下、「鉱石」ともいう)を交互に装入する際に、鉱石層
あるいはコークス層の炉中心部にコークスあるいは通気
性、通液性の向上に適した固体還元剤を装入して、炉芯
コークス堆積層の通気性、通液性の半径方向分布を均一
化する方法が、特公平5−8245号公報に開示されてい
る。この方法によれば、炉内の軟化融着帯形状が改善さ
れて操業の効率化、安定化が期待でき、また、出銑時に
溶銑が炉底上を均一な流速で流動するので、炉芯コーク
ス堆積層の通液性低下による溶銑流の周辺流化に基因す
る炉底周辺壁のレンガ浸食速度が抑えられるとしてい
る。しかし、前述のように、高炉炉底と炉芯コークス堆
積層との間にはコークフリー層が存在する。このため、
炉底上を流動する溶銑の流速は、炉芯コークス堆積層の
通液性よりコークフリー層の通液性、即ち、コークフリ
ー層の厚さによって支配される。従って、この方法は炉
底側壁レンガの浸食軽減には有効であろうと思われる
が、コークフリー層厚さの制御による炉底底部レンガの
浸食軽減を意図してなされたものではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、炉芯
コークス堆積層の自重を増加させ、溶銑の浮力による炉
芯コークス堆積層の浮上を阻止することによって、高炉
の効率的かつ安定な銑鉄製造を阻害することなく、炉底
底部および炉底側壁のレンガ損耗を抑制できる高炉の操
業方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
高炉操業方法にある。
【0015】高炉炉頂部からコークスと鉄源原料を交互
に炉内に装入するに際し、上記コークスの装入量の一部
を、見掛比重が 1.3以上、固定炭素含有率が80重量%以
上、揮発分含有率が1重量%以下で、かつ、粒径が30〜
200mm の塊状物で代替し、この塊状物を層頂部の炉中心
領域に重点的に装入することを特徴とする高炉の操業方
法。
【0016】上記の塊状物とは、後の実施例に示すよう
な炭素系または黒鉛系のもので、還元剤として作用する
ものである。この塊状物による代替量は、装入コークス
のおよそ2〜15重量%が目安である。この程度の塊状物
を同量のコークスに置換して層頂部の炉中心領域に重点
的に装入することになる。
【0017】通常、高炉操業では、炉頂部に設けたベル
式装入装置またはベルレス式装入装置を用いる。この通
常装入装置を用いてコークスと鉄源原料を交互に装入
し、炉内に層状に堆積させる。鉄源原料の主体は、鉄鉱
石および焼結鉱であるが、本明細書ではこれらをまとめ
て「鉱石」と記すことがある。本発明方法では、装入す
べきコークスの一部として、コークス代替塊状物(以
下、「代替塊状物」と記す)を層頂部の炉中心領域に重
点的に装入する。
【0018】図は、本発明方法の代替塊状物単味を
頂部の炉中心領域に装入する実施態様例と原料堆積状態
を説明する高炉上部の模式的断面図で、(a)はベルレ
ス式高炉、(b)はベル式高炉である。
【0019】同図(a)、(b)に示すように、代替塊
状物12は通常装入装置とは別ルートの装入装置9を用
い、装入シュート10を介して層頂部の炉中心領域に充填
装入される。一方、鉱石およびコークス13は、ベルレス
式装入装置2またはベル式装入装置5から炉内に装入さ
れる。このとき、同図(a)、(b)に示すように1サ
イクルの原料装入順序を、「代替塊状物」→「コーク
ス」→「鉱石」の順とすることにより、炉中心領域への
コークス層16の浸入を抑制し、層頂部の炉中心領域に
入された代替塊状物層17がコークス層16内に埋没されな
いようにして、炉中心領域の代替塊状物存在比率を高め
るのが望ましい。
【0020】図示は省略するが、原料装入順序を「コー
クス」→「代替塊状物」→「鉱石」の順として、鉱石層
15の炉中心領域を置き換える形で代替塊状物を堆積させ
てもよい。ただしこの場合は、炉中心部の通気性を抑制
し、同部の生産性低下を最小限に抑えるため、代替塊状
物層を適度に鉱石層15内に埋没させるのがよい。なお、
同図(a)において、代替塊状物の層頂部の炉中心領域
装入を別ルート装入装置9によらず、ベルレス式装入
装置2を用い、分配シュート3の傾動角度を小さく一定
にして実施してもよい。
【0021】
【作用】上記の代替塊状物は、コークスよりも緻密で強
度が大きく、炉内における劣化がコークスより少ないも
のでなければならない。このような代替塊状物を用いれ
ば、炉芯コークス堆積層25の通液性は、同一装入粒径の
コークスだけで構成される炉芯コークス堆積層の通液性
よりも良好になる。このため、コークスだけを装入した
場合に見られる炉芯コークス堆積層の通液性悪化による
炉底側壁20の近傍の溶銑流速の増加、それに伴う炉底側
壁20のレンガ損耗の進行も同時に抑止することができ
る。
【0022】ここで、本発明方法で用いるコークス代替
塊状物の具備すべき特性について具体的に説明する。そ
の見掛比重が 1.3以上でなければならないのは、コーク
スの比重より大きいものを装入して、炉芯コークス堆積
層の自重を上げ、コークフリー層の生成を抑止するため
である。また、固定炭素含有率を80重量%以上とするの
は、代替塊状物が高炉用還元剤としてコークスと同様の
燃焼性、還元性を有するものでなければならないからで
ある。代替塊状物の揮発分が1重量%以下というのは、
炉内においてガス発生等により自壊して粉化しないため
に必要な条件である。
【0023】上記条件を満足する代替塊状物としては、
表1に性状を示すA(炭素系耐火物)、B(炭素電
極)、C(黒鉛電極)が例示できる。
【0024】
【表1】
【0025】さらに、代替塊状物の粒径は30〜200mm の
範囲内とするのであるが、その下限値は、高炉装入コー
クスの下限粒径から決定されたもので、装入コークスの
一部を代替塊状物で代替しても炉内通気性を悪化させる
ことがない値である。一方、上限値は、代替塊状物が通
常コークスを想定して設計された搬送、貯蔵、装入等の
設備の制約を受けず、また代替塊状物が炉内のコークス
燃焼帯に流入した際に、円滑な燃焼消失を可能にするた
めに設定されたものである。
【0026】図は、代替塊状物をコークスとは別に
頂部の炉中心領域に重点的に装入する場合を示すもので
ある。
【0027】図示のように、通常装入装置から鉱石を装
入して鉱石層15を形成し、次に別ルート装入装置または
ベルレス式装入装置を用いて代替塊状物12を層頂部の
中心領域に装入し、代替塊状物層17を形成させた後、コ
ークス13を通常装入装置から装入してコークス層16を形
成する。
【0028】前述のように、層頂部の炉中心領域に装入
された代替塊状物12は炉芯コークス堆積層25に供給さ
れ、炉芯コークス堆積層25の代替塊状物 (見掛比重 1.3
以上)構成比率が、コークス代替比率の3〜5倍まで高
められる。従って、炉芯コークス堆積層25の自重25Wの
増加により炉芯コークス堆積層25の浮上を阻止し、コー
クフリー層をなくすことができる。これにより、炉底底
部19近傍の溶銑流速は低下し、炉底底部19および炉底側
壁20のレンガ損耗抑止効果を発揮することができる。
【0029】なお、図示は省略するが、原料装入順序を
「コークス」→「代替塊状物を層頂部の中心領域に
入」→「鉱石」の順として、鉱石層の中心領域に代替塊
状物層を形成させてもよい。この場合、炉中心領域に鉱
石は殆ど存在せず、代替塊状物とコークス層のコークス
とが存在することになる。従って、炉中心領域の代替塊
状物とコークスは、鉱石還元で生成する CO2ガスによる
反応劣化を受けることがないので、炉芯コークス堆積層
の通気性、通液性を高める効果が得られる。しかし、炉
芯コークス堆積層は、代替塊状物とコークスとで構成さ
れることになるので、コークフリー層の生成抑止効果
は、上述の図の場合より劣ることになる。
【0030】
【実施例1】炉容が4800m3でベルレス式装入装置を備え
た高炉 (前記図1(a))を用いて本発明方法を実施した。
コークス代替塊状物としては粒径を50mmに調整した前記
表1に示すA(炭素系耐火物)を使用し、表2に示す操
業条件および表3に示すベルレス方式装入条件で操業を
行った。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】次に、効果の評価方法について述べる。炉
底底部および炉底側壁近傍の溶銑流速が変化すると、炉
底部溶銑と炉底耐火物との間の熱移動もそれに応じて変
化するので、炉底耐火物中の熱流束から溶銑流速を推定
することができる。そこで、炉底底部および炉底側壁の
耐火レンガ内に複数箇所埋設した温度計のデータから得
られる炉底底部および炉底側壁の耐火物内の温度勾配に
基づいて計算される炉底底部および炉底側壁部の熱流束
値(以下、それぞれ「炉底底部貫流熱量」、「炉底側壁
貫流熱量」という)を炉底底部および炉底側壁近傍の溶
銑流速の評価指標とした。
【0034】代替塊状物をコークスとは別に装入して
頂部の炉中心領域に堆積させた(前記図(a))。炉
内への原料装入順序は「代替塊状物を層頂部の炉中心
域に装入」→「コークス」→「鉱石」の順とし、鉱石お
よびコークスの装入は、前記表3に示すベルレス方式装
入条件で行った。代替塊状物の層頂部の炉中心領域への
装入は、Case〜Caseでは、分配シュートの傾動角度
を小さい一定角度としたベルレス方式装入条件で行い、
Case〜Caseでは、別ルート装入装置を用いて行っ
た。
【0035】実炉試験は表に示すように、分配シュー
トによる中心装入では、分配シュート傾動角度を変え
て、前記表2に示す操業条件で行った。そして、各Case
について炉底底部および炉底側壁の貫流熱量と送風圧変
動とを調査した。さらに、各Caseについてプロフィル計
により炉中心領域における代替塊状物の堆積範囲も併せ
て実測した。結果は、表に併示した。
【0036】
【表4】
【0037】図は、本発明の代替塊状物をコークスと
は別に装入して層頂部の炉中心領域に装入した実施例の
効果および操業の安定度を示す図であり、(a)は炉底
底部貫流熱量、(b)は炉底側壁貫流熱量、(c)は送
風圧変動指数である。
【0038】各Caseでの操業期間を30日間とし、その最
後の5日間の炉底底部および炉底側壁の貫流熱量値を評
価指標とした。また、この時の送風圧変動指数(送風圧
の連続記録チャート上の送風圧記録曲線の長さをチャー
ト送り長さで割った値)を、操業の安定度を示す指数と
して用いた。なお、本発明法を適用する前の状態(以
下、「Base」という)を比較に用いた。
【0039】ベルレス方式中心装入において、代替塊状
物の堆積範囲を炉中心軸寄りに集中化していくと (Case
→Case→Case) 、羽口先端のコークス燃焼帯への
代替塊状物の流入量が減少することに基因すると推定さ
れる送風圧変動の低下効果が見られる。同時に、炉芯コ
ークス堆積層内の代替塊状物の構成比率が増加して、コ
ークフリー層の消失および炉芯コークス堆積層の通液性
改善による炉底底部および側壁の貫流熱量低減効果の増
加が認められる。特に、炉中心軸からの無次元距離、即
ち、炉中心軸からの距離/炉口半径、を 0.3以内の堆積
範囲にすると、上述の効果を大きくすることができる。
【0040】一方、代替塊状物の代替比率(換言すれ
ば、装入量)をCase→Case→Caseのように大きく
していくと、それに従って代替塊状物の堆積範囲は拡大
していき、概ね15重量%が上記最適堆積範囲内に代替塊
状物を納める上限となる。
【0041】これに対し、同じ代替比率でも別ルートの
装入装置により層頂部の炉中心領域に装入した場合 (Ca
se→Case、Case→Case) には確実に炉芯中心部
に堆積させるとができる。また、炉芯コークスサンプリ
ング結果 (Case:18重量%、Case:33重量%) から
も、代替還元剤の炉芯構成比率は堆積範囲が小さいほど
大きくなる。従って、別ルートの装入装置により確実に
炉中心領域へ装入するのが効率的に炉芯コークス堆積層
の自重増加を図る上で望ましい。ただし、堆積範囲が
0.3以下であるが、代替比率が20重量%と高いCase
は、炉中心領域の代替塊状物堆積層が厚くなることによ
るO/Cの低下、それにともなう炉芯部通気抵抗の低下
のため、炉頂部中心温度が通常操業時に対して大幅に上
昇した。これは炉頂部各設備にとって好ましくないの
で、別ルート中心装入方式でも代替比率の上限は15重量
%程度とするのがよい。
【0042】
【実施例2】炉容が2700m3でベル式装入装置を備えた高
炉を用いて本発明方法を実施した。使用した代替塊状物
は、コークスと同時装入する方法と、コークスとは別に
別ルートの装入装置から層頂部の炉中心領域に装入する
方法(前記図(b))の2方法で装入して比較した。
代替還元剤としては表1のAを用い、その粒径は50mmと
した。評価方法は前記実施例1と同様におこなった。
【0043】代替塊状物を層頂部の炉中心領域に装入す
るときの、炉内への原料装入順序は、「代替塊状物を層
頂部の炉中心領域に装入」→「コークス」→「鉱石」の
順とし、鉱石およびコークスの装入はベル式装入装置を
用いて行った。実炉試験は表に示すように、代替塊状
物のコークス代替比率を変えて、表に示す操業条件で
行った。なお、本発明方法を適用する前の状態(以下、
「Base」という)を比較に用いた。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】図4に示すように、いずれの条件において
も、Baseに比較して炉底底部、炉底側壁部ともに貫流熱
量が低下しているが、特に別ルートの装入装置を用いて
層頂部の炉中心領域に装入した場合 (Case1114) にお
いて低下が顕著である。ベル式装入装置ではムーバブル
・アーマーを用いて装入物分布を制御するが、炉中心領
域だけに選択的に原料を装入することは一般的に不可能
である。
【0047】以上のことから、本発明の要件を満たす代
替塊状物を層頂部の炉中心領域に集中させて堆積させる
ことにより、コークスとともに代替塊状物を炉内に同時
装入する場合よりも高い効果が得られることがわかっ
た。
【0048】さらに、層頂部の炉中心領域への装入では
代替塊状物の代替比率を2〜15重量%の範囲にすること
により、通常操業下での送風圧変動レベルを大きく悪化
させることなく炉底貫流熱量の効果的な低減ができるこ
とがわかった。
【0049】
【発明の効果】本発明方法によれば、炉芯コークス堆積
層の自重が増し、その結果コークフリー層を消失させて
炉底底部の溶銑流速を低下させることができる。また、
炉芯コークス堆積層の通液性も改善されて炉底側壁周辺
の溶銑流速が低下する。これにより炉底底部および炉底
側壁のレンガ損耗の進行が抑止され、高炉寿命を大幅に
延長することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の代替塊状物単味を層頂部の炉中心
領域に装入する実施態様例と原料堆積状態を説明する高
炉上部の模式的断面図である。
【図2】図の装入方法による場合の高炉の炉内状態を
説明する模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例における炉底底部貫流熱量、
炉底側壁貫流熱量および送風圧変動指数の測定結果を示
す図である。
【図4】本発明の実施例における炉底底部貫流熱量、
炉底側壁貫流熱量および送風圧変動指数の測定結果を示
す図である。
【図5】一般的な高炉の炉内状態を説明する模式的断面
図である。
【符号の説明】
1:高炉、2:ベルレス式装入装置、3:旋回シュート
4:固定ホッパー、5:ベル式装入装置、6:大ベル
7:ベルカップ、8:ムーバブルアーマー、9:別ルー
ト装入装置10:装入シュート、11:ホッパー、12:代替
塊状物13:コークス、14:代替塊状物混合コークス層、
15:鉱石層16:コークス層、17:代替塊状物層、18:原
料落下軌跡19:炉底底部、20:炉底側壁、21:羽口22:
軟化融着層、23:すり鉢状領域、24:コークス燃焼帯2
5:炉芯コークス堆積層、25W:重力、26:溶銑26F:
浮力、27:コークフリー層、28:塊状部29:軟化融着
帯、30:コークス帯、31:炉芯部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−63206(JP,A) 特開 平2−240205(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉炉頂部からコークスと鉄源原料を交互
    に炉内に装入するに際し、上記コークスの装入量の一部
    を、見掛比重が 1.3以上、固定炭素含有率が80重量%以
    上、揮発分含有率が1重量%以下で、かつ、粒径が30〜
    200mm の塊状物で代替し、この塊状物を層頂部の炉中心
    領域に重点的に装入することを特徴とする高炉の操業方
    法。
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