JP5028404B2 - 神経刺激および心臓再同期併用治療 - Google Patents

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Description

関連出願
(優先権の主張)
2005年3月11日に出願された米国特許出願第11/077,970号、および2005年3月11日に出願された米国特許出願第11/078,460号に対して、優先権の利益が、本明細書によって主張され、これらの出願が参照によって本明細書に組み込まれる。
本特許出願は、心臓疾患の治療のための方法と装置に関する。特に、本出願は、電気刺激治療によって心臓機能を改善するための方法と装置に関する。
心筋梗塞(MI)などの心拍出量減少の原因の後、構造的、生化学的、神経ホルモン的、電気生理学的因子を含む、心室の複合リモデリング・プロセスが生じる。心室の拡張期の充満圧を増加させ、かつそれによっていわゆる前負荷(すなわち、拡張終期に心室が心室内の血液の体積によって伸展される程度)を増加させる、いわゆる後方不全による心拍出量を増加させるように作用する生理的な補償機構によって、心室リモデリングがトリガ起動される。前負荷の増加は、収縮期中のストローク体積の増加、フランク・スターリングの法則として公知の現象を生じさせる。しかし、長期間にわたって増加した前負荷によって心室が伸展されると、心室が拡張する。心室体積の拡大は、所与の拡張期圧力での心室壁圧の増加を生じさせる。心室によって行われる圧力体積作用の増加とともに、これは、心室心筋の肥大のための刺激として作用する。拡張の欠点は、正常な残りの心筋にかかる過度の負荷と、肥大に対する刺激を表す壁張力(ラプラスの法則)の増加である。肥大が、増加した張力に適合するのに十分でない場合、さらなる、かつ進膨張の悪循環が、結果として起こる。
心臓が膨張を始めると、求心性の圧受容体と心肺受容体の信号が、血管運動中枢神経系制御中枢に送られ、制御中枢が、ホルモン分泌と交感神経放電によって応答する。心房リモデリングに伴う細胞構造内の有害な変動の最終的な原因となるのは、血流力学、交感神経系、ホルモン変動(アンギオテンシン変換酵素(ACE)の活性の存在または不在など)の組合せである。肥大を生じさせるストレスの持続は、心筋細胞のアポトーシス(すなわち、プログラム細胞死)や心臓機能のさらなる劣化を生じさせる、結果としての薄壁化を誘発させる。したがって、心室拡張と肥大は、最初は補償的であり、心拍出量を増加させるかもしれないが、プロセスは最終的に収縮と拡張の両方の機能障害を結果として生じさせる。心室リモデリングの程度は、MI後や心不全患者における死亡率の増加と正に相関することが示されてきた。
心筋線維が収縮する前に心筋線維が伸展される程度が、前負荷と称される。心筋線維の最大張力および短縮速度が、前負荷の増加とともに増加する。心筋領域が他の領域と比較して遅れて収縮するとき、これらの対向する領域の収縮が、遅れて収縮する領域を伸展させ前負荷を増加させる。
心筋線維が収縮するときの心筋線維への張力または応力の程度が、後負荷と称される。血液が大動脈と肺動脈へ拍出されるとき、心房内の圧力が拡張値から収縮値へ急速に上昇するため、興奮性刺激によって最初に収縮する心室の部分が、遅れて収縮する心室の部分よりも低い後負荷に対して収縮する。
全体として、他の領域よりも遅れて収縮する心筋領域は、前負荷と後負荷の増加の両方を受け、心室壁への不均一な応力を生じさせる。前負荷と後負荷の増加の結果として生じる不均一な応力に対する心臓の最初の生理学的応答は、心筋のこれらの遅れて収縮する領域の補償的な肥大である。リモデリングのその後の段階では、領域が、ストレスの増加による菲薄化で萎縮性の変化を受ける可能性があり、リモデリングの程度は、心不全患者の死亡率と正に相関する。
リモデリングの一態様は、心不全や心室機能障害に付随する心室伝導遅延によって生じる。この状態は、自律神経失調によって生じる。自動的な(すなわち自律)神経系が、「不随意」器官を調整するが、一方、随意(骨格)筋は体性運動神経によって制御される。不随意器官の例は、呼吸や消化の器官、血管、心臓を含む。しばしば、自律神経系は、腺、皮膚内の筋肉、眼、胃、腸、膀胱などの器官を調整するために不随意の、反射性の方式で機能する。これらの記述は、網羅的または排他的なものではなく、例示として提供される。
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系を含むが、それに限定されない。交感神経系は、ストレスや患者への刺激に対する「闘争・逃避反応」に関係する。影響の中でも、「闘争・逃避反応」は、骨格筋血流を上昇させるように血圧と心拍数を上昇させ、「闘争または逃避」のためのエネルギーを提供するように消化を減少させる。副交感神経系は、休養と「休息・消化反応」に関係し、これらは、影響の中でも、血圧と心拍数を減少させ、エネルギーを保存するように消化を増加させる。自律神経系は、正常な内部機能を維持し、かつ体性神経系とともに働く。
交感神経と副交感神経は、心拍数と心筋収縮性の両方に影響を与えるように、それぞれ、βアドレナリン作用受容体とムスカリン受容体を介して心臓に作用する。心臓の副交感神経刺激に対する交感神経刺激の優越は、たとえば、固有心拍数(洞房結節の受容体を介して)と心室収縮強度の両方を増加させる。心臓副交感神経の刺激は、他方では、心筋の収縮性を減少させ、したがって心室壁圧を減少させる。交感神経抑制や副交感活動化もまた、おそらく、急激に虚血する心筋の付随的な灌流を増加させることによって、および心筋の損傷を減少させることによって、心筋梗塞後の不整脈の脆弱性の減少と関連付けられてきた。
また、心拍数に与える影響に加えて、自律神経系は心臓筋細胞の健全性に影響を与える。虚血に続く交感神経系活動の増加はしばしば、エピネフリンやノルエピネフリンに対する心筋の曝露の増加を結果として生じさせる。これらのカテコールアミンの例は、筋細胞内の細胞内通路を活動化させ、このことが心筋死や線維症をもたらす。迷走神経を含む副交感神経の刺激が、この影響を阻止する。
心室同期不全と自律神経失調が、心臓リモデリングの原因となる。これらの領域に向けられる治療が有用である。たとえば、心室同期性を改善することが、心臓リモデリングを治療するための一方法である。
サイクル中により早く収縮する心筋は、より小さい応力を受け、かつ肥大性のリモデリングをより受けにくい。この現象が、特定のパルス出力シークエンスによって、心臓サイクル中に1つまたは複数の興奮性刺激パルスによって心臓室内の1つまたは複数の部位(サイト)をペーシングすることによってリモデリングの反転を生じさせるために使用される。刺激は、前に応力をかけられ、リモデリングされた心筋の領域を、より小さい前負荷と後負荷を受けるように、収縮期中により早く興奮させるようにして送付される。リモデリングされた領域の、他の領域と比べて前の興奮が、機械的応力から領域を解放し、かつリモデリングの反転が起こることを可能にする。
マルチ・サイト・ペーシングは、様々な実施形態では、1つの室に賦与されるが、多くの実施形態では2つの心臓室を含む。たとえば、ペーシング部位から発散する脱分極化の複数の波を作るために、室が興奮性刺激パルスによって複数の部位でペーシングされる。このことは、心室のより調整された収縮を作り、それによって心室内伝導欠陥を補償する。両心室ペーシングは、両方の心室が一緒にペーシングされる再同期治療の例である。いくつかの両心室ペーシング適用例は、同時パルスによって心室をペーシングし、他の例は、右パルスと左パルスとの間に短い遅延を含む。
このようにして、患者は、より調整された収縮によって心拍出量を改善するため、および心室壁の応力を減少させるために、マルチ・サイト心室ペーシングの利益を得ることができる。マルチ・サイト・ペーシングはまた、心拍出量の減少などの副交感神経応答刺激の影響を補償する。たとえば、患者の代謝が、副交感神経応答ペーシング・モード下で可能であるよりも高い出力を要求することがあり、マルチ・サイト・ペーシングがこの要求に対して調節することができる。
臨床データは、同期された両心室ペーシングを通じて達成される心臓再同期治療(CRT)が、心臓機能の顕著な改善を結果として生じさせることを示している。CRTが、MI後および心不全患者でしばしば起こる心室リモデリングを防止すること、および/または反転させることに有用であることも報告されている。以下で詳細に説明されるように、本主題は、心室再同期ペーシングにより心室活動化を制御することによって、および交感神経活動を抑制するために圧反射を刺激することにより反リモデリング治療(ART)を提供することによって、リモデリング制御治療(RCT)を提供することが可能である埋込み可能な心臓機器に関する。これら2つの治療の適用例の組合せは、それらのいずれか個別でよりも大きな治療の利益を提供する。機器は、左右心室の同期されたペーシングを通じて心室活動化を制御する。また、機器は、副交感神経刺激と交感神経抑制の組合せを提供してもよい。副交感神経刺激は、頸部迷走神経束の周囲に配置された神経カフ電極を通じて達成できるが、一方、交感神経抑制は、大動脈または頸動脈洞神経の周囲に配置された神経カフ電極を通じてか、または肺動脈の圧受容体を刺激するように設計された刺激導線を通じてのいずれかで、圧反射刺激を通じて達成される。機器は、開ループまたは閉ループのいずれかの方式で、RCTとARTの実施を独立して制御する。閉ループは、機器によって行われる心臓機能評価に基づいている。
1.心臓再同期ペーシングによるリモデング制御治療
心臓の選択された室に電気的刺激を提供する埋込み可能な心臓機器が、いくつかの心臓疾患を治療するために開発されてきた。たとえば、ペースメーカーは、最も一般的には心室心拍数が遅すぎる徐脈の治療のために、時間調整されたペーシング・パルスによって心臓をペーシングする機器である。房室伝導欠陥(すなわち房室ブロック)と洞不全症候群は、恒久的なペーシングが必要とされることがある徐脈の最も一般的な原因を表している。適切に機能している場合、ペースメーカーは、最小心拍数を強化することによって代謝要求を満たすために、心臓が適切なリズムでそれ自体を制御することができないことを補償する。埋込み可能な機器はまた、抗頻脈ペーシングの送付か、心房もしくは心室細動を終了させるための電気ショックの送付のいずれかによって、速すぎる心臓律動を治療するために使用されてもよい。
血液の効果的な拍出を促進するために、心臓サイクル中に心臓室が収縮する方式と程度に影響を与える埋込み可能な機器が、開発されてきた。室が調整された方式で収縮するとき、心臓が、より効率的に拍出し、心筋全体を通じて、興奮(すなわち、脱分極化)の迅速な伝導を可能にする心房と心室の両方での特殊伝導経路によって結果が正常に提供される。これらの経路は、洞房結節から心房心筋へ、房室結節へ、そこから心室心筋へ、興奮インパルスを伝導して、両心房と両心室の調整された収縮を結果として生じさせる。このことは、各室の筋肉線維の収縮を同期させることと、各心房または心室の収縮を対側の心房または心室と同期させることの両方を行う。通常に機能している特殊伝導通路によって与えられる同期がないと、心臓の拍出効率が大いに減少する。これらの伝導経路や他の心室内または心室間の伝導欠損の病理学は、心不全の原因因子となる可能性があり、これは、心臓機能の異常が心拍出量を末梢組織の代謝要求を満たすのに十分なレベル以下に低下させる、臨床的な症候群と称される。これらの問題を処理するために、心臓再同期治療(CRT)と定義される、心房と/または心室収縮の調整を改善しようという試みで、1つまたは複数の心臓室に適切に時間調整された電気的刺激を供給する埋込み可能な心臓機器が、開発されてきた。心室再同期は、再同期が、直接的に筋変力性ではないが、拍出効率の改善と心拍出量の増加によって心室のより調整された収縮を結果として生じさせることができるため、心不全を治療する際に有用である。現在、CRTの一般的な形態は、同時にか、または固有心房収縮の検知または心房ペーシングの送付に対して特定された両心室オフセット間隔と次に特定された房室遅延間隔とによって分離されてかのいずれかで、両心室に刺激パルスを付加する。
CRTが、MI後や心不全患者で生じる可能性がある、有害な心室リモデリングの減少に有益である可能性があることもまた見出される。おそらく、このことは、CRTが付加されるときに心臓拍出サイクル中に心室によって経験される壁応力の分布の変化の結果として生じる。心筋線維が、収縮する前に伸展される程度は前負荷と定義され、筋肉線維の最大張力と短縮速度は、前負荷が増加するとともに増加する。心筋領域が他の領域よりも遅れて収縮するとき、これに対向する領域の収縮が、遅れて収縮する領域を伸展させ、前負荷を増加させる。心筋線維が収縮するときの心筋線維上の張力または応力は後負荷と定義される。血液が大動脈や肺動脈内へ拍出されるとき、心室内の圧力が拡張値から収縮値へ急速に増加するため、興奮性刺激パルスによって最初に収縮する心室の部分が、遅れて収縮する心室の部分が収縮するよりも低い後負荷に対して収縮する。したがって、他の領域よりも遅れて収縮する心筋領域は、前負荷と後負荷の両方が増加する。この状況は、心不全やMIによる心室障害に付随する心室伝導遅延によって、しばしば生じる。遅れて活動化される心筋領域への壁応力の増加は、心室リモデリングのための一番可能性の高いトリガである。より調整された収縮を生じさせるようにして心室内の1つまたは複数の部位をペーシングすることによって、CRTは、収縮期中、そうでない場合は遅れて活動化され、増加した壁応力を受ける心筋領域の前興奮を提供する。リモデリングされた領域の他の領域に対する前興奮は、領域を機械的応力から解放し、かつリモデリングの反転または防止が起こることを可能にする。
2.自律神経活動を調整することによる抗リモデリング治療
上記で述べたように、自律神経系活動は、MIの結果としてまたは心不全によって起こる心室リモデリングに対して少なくとも部分的に責任がある。リモデリングが、たとえば、ACE抑制剤やベータ・ブロッカなどの使用による薬理学的な介入によって影響を受けることがあることが、示されてきた。薬理学的な治療は、しかし、副作用のリスクがあり、薬剤の効果を厳密な方式で調整することもまた困難である。本主題は、抗リモデリング治療すなわちARTと称される、自律神経活動を調整するための電気的刺激手段を採用する。心室再同期ペーシングと合わせて行われたとき、自律神経活動のこのような調整は、心臓リモデリングを反転させるまたは防止するために相乗して作用する。
3.機器実施形態
図1A〜1Cは、いくつかの機器実施形態を示している。図1Aは、埋込み可能な心臓機器によって行われるCRTと、サテライト・ユニットによって行われる神経刺激を示している。図1Bは、心臓の右心房、右心室、冠状静脈洞へ供給される、点線によって表された導線と「X」によって表された電極を使用した、CRTと神経刺激治療の両方を行うための埋込み可能な医療機器を示している。図1Cは、CRTと神経刺激治療の両方を行うように心外膜上に配置された、点線によって表された導線おと「X」によって表された電極を使用している、埋込み可能な医療機器を示している。図1B、1Cを参照すると、CRT導線は、いくつかの実施形態では神経刺激導線から分離されており、他の実施形態では神経刺激導線とすることができる。図1B、1Cに示されている実施形態では、右心房導線、右心室導線、左心室導線が、CRT機能を行うために使用され、かつ左心室導線が、冠状動脈洞内か冠状動脈洞の近くに配置されるか、または脂肪パッドの近くの心外膜上に配置された電極などの神経刺激器をさらに備える。
図1Aに示されているように、CRTを実施するための埋込み可能な埋込み可能な心臓機器100は、心房と/または心室を感知し、ペーシングするために使用される電極300と機器を接続するために、心臓内に経静脈的に通された導線200によって、患者の胸内の皮下または筋肉下に通常配置される。電極もまた、様々な手段によって心外膜上に配置される。プログラム可能な電子コントローラが、経過した時間と感知された電気的活動(すなわち、ペーシング・パルスの結果としてではない固有心拍数)に応答して、ペーシング・パルスを出力させる。機器が、感知される予定の室の近くに配置された内部電極を組み込んでいる感知チャネルを通じて、固有の心臓の電気的活動を感知する。機器によって検知される心房と心室の固有の収縮に関連する脱分極波が、それぞれ心房感知または心室感知と称される。固有心拍数がないときにこのような収縮を生じさせるために、ある閾値を超えるエネルギーを有するペーシング・パルスが、ペーシングされる予定の室の近くに配置された内部電極を組み込んでいるペーシング・チャネルを通じて室に送られる。また、図1Aは、神経刺激のための電極を組み込んでおり、かつ無線リンクを介して機器100と通信するサテライト・ユニット110である。本明細書で開示されているように、サテライト・ユニット110は、所望の神経刺激を供給するために、血管内や心外膜を含むいくつかの位置に配置されることが可能である。
図2は、例示的なマイクロプロセッサ・ベースの心臓機器のシステム図を示している。機器は、心房または心室内の複数の部位を感知しおよび/またはペーシングするように物理的に構成されている複数の感知チャネルとぺーシング・チャネルを装備している。図1に示されている機器は、心房または心室の心臓再同期ペーシングのために構成されることができる。複数の感知/ペーシング・チャネルが、たとえば、両心室再同期治療を行うための一心房と二心室の感知/ペーシング・チャネルを備え、必要に応じて、心房を同様にペーシングするために、心房トラッキング・モードでの両心室再同期治療を行うように使用される心房感知/ペーシング・チャネルを備えるように構成されてもよい。機器のコントローラ10は、双方向データ・バスを介してメモリ12と通信するマイクロプロセッサである。コントローラは、状態機械タイプの設計を使用して他のタイプの論理回路(たとえば、離散型構成要素またはプログラム可能な論理アレイ)によって実施されることができるが、マイクロプロセッサ・ペースのシステムが好ましい。本明細書で使用されるとき、「回路」という用語は、離散型論理回路またはマイクロプロセッサのプログラミングのいずれかを称するものとされるべきである。
図1B、1C、1D、1Eは、心臓を示している。図1Bと1Cに示されているように、心臓201は、上大静脈202、大動脈弓203、肺動脈204を備える。CRM導線が、本主題によって刺激される神経の部位を通過する。たとえば、CRM導線は、末梢静脈を通って冠状動脈洞内へ脈管内挿入され、かつ心臓ペースメーカー導線と同様に、末梢静脈を通り、三尖弁を通って心臓の右心室(図中では明白には示されていない)内へ脈管内挿入され、右心室から肺弁を通って肺動脈内へ続くことが可能である。冠状静脈洞と肺動脈が、脈間構造内のまたはその近傍の神経を刺激するために、導線が、脈管内挿入される心臓の近傍の脈間構造の例として提供されている。したがって、本主題の様々な態様によると、副交換神経が、脈管内挿入された少なくとも1つの電極によって、心臓の近傍に配置された脈管構造の中または周囲で刺激される。別法として、無線刺激機器が、カテーテルを介して、心臓の近傍に配置された脈管構造内に配置されている。刺激および/または刺激のためのエネルギーの制御が、超音波、電磁またはそれらの組合せを介して、別の埋込み可能なまたは外部機器によって供給されてもよい。
図1Dと1Eは、それぞれ、心臓の右側と左側を示しており、圧受容器部位として機能する神経終端を有する心臓脂肪パッドをさらに示している。図1Dは、右心房267、右心室268、洞房結節269、上大静脈202、下大静脈270、大動脈271、右肺静脈272、右肺動脈273を示している。図1Dはまた、上大静脈と大動脈との間の心臓脂肪パッド274を示している。いくつかの実施形態では、心臓脂肪パッド274内の神経終端が、脂肪パッド内に通されまたは配置された電極を使用していくつかの実施形態では刺激され、かつ、たとえば、右肺動脈または上大静脈などの脈管内の脂肪パッドに近接して配置された静脈内供給導線を使用して刺激される。図1Eは、左心房275、左心室276、右心房267、右心室268、上大静脈202、下大静脈270、大動脈271、右肺静脈272、左肺静脈277、右肺動脈273、冠状静脈洞278を示している。図1Eはまた、右心臓静脈と近接して配置された心臓脂肪パッド279、および下大静脈と左心房に近接して配置された心臓脂肪パッド280を示している。心臓脂肪パッド279内の神経終端が、いくつかの実施形態では、脂肪パッド279内に通された電極を使用して刺激され、かつ、いくつかの実施形態では、たとえば、右肺動脈273または右肺静脈272などの脈管内の脂肪パッドに近接して配置された静脈内供給導線を使用して刺激される。心臓脂肪パッド280内の神経終端が、いくつかの実施形態では、該脂肪パッド内に通された電極を使用して刺激され、かつ、いくつかの実施形態では、たとえば、下大静脈270または冠状静脈洞などの脈管内の脂肪パッドに近接して配置された静脈内供給導線、または左心房275内の導線を使用して刺激される。
図2に、リング電極34A〜Cとチップ電極33A〜Cを備える双極導線、感知増幅器31A〜C、パルス発生器32A〜C、チャネル・インターフェイス30A〜Cを備える「A」から「C」で示された3つの例示的な感知チャネルとぺーシング・チャネルが示されている。したがって、各チャネルは、電極と接続されたパルス発生器で構成されたペーシング・チャネル、および電極と接続された感知増幅器で構成された感知チャネルを備える。チャネル・インターフェイス30A〜Cは、マイクロプロセッサ10と双方向に通信し、かつ各インターフェイスは、感知増幅器からの感知信号入力をデジタル化するためのアナログ・デジタル変換器を備え、かつペーシング・パルスを出力し、ペーシング・パルス振幅を変更し、感知増幅器のためのゲインと閾値を調節するためにマイクロプロセッサによって書き込まれるレジスタを備えてもよい。ペースメーカーの感知回路が、特定のチャネルによって発生された心電図信号(すなわち、心臓の電気的活動を表す電極によって感知された電圧)が、指定された検知閾値を超えたとき、心房感知または心室感知のいずれかである室感知を検知する。特定のペーシング・モードで使用されるペーシング・アルゴリズムは、ペーシングをトリガ起動する、または阻止するためにこのような感知を採用し、かつ、固有心房と/または心室心拍数が、それぞれ、心房検知と心室検知の間の時間間隔を測定することによって検知される。
各双極導線の電極が、導線内のコンダクタを介して、マイクロプロセッサによって制御されるMOSスイッチング・ネットワーク70に接続されている。スイッチング・ネットワークは、固有心臓活動を検知するために感知増幅器の入力へおよび、ペーシング・パルスを送るためにパルス発生器の出力へ電極を切り替えるために使用される。また、スイッチング・ネットワークは、機器が、導線のリングとチップ電極の両方を使用する双極モードか、または導線の電極の一方のみを使用する単極モードのいずれかで感知またはペーシングすることを可能にし、機器ハウジングまたはカン80が接地電極の働きをする。ショック・パルス発生器60もまた、ショック可能な頻脈の検知の際、心房または心室に一対のショック電極61を介して徐細動ショックを送付するためのコントローラと接合されている。
コントローラ10は、ペーシング・チャネルを介したペーシングの送付を制御すること、感知チャネルから受信された感知信号を解釈すること、補充収縮間隔と感知不応期を定義するためのタイマを実装することを含み、メモリ内に格納されたプログラムされた指示に従って、機器の全体的な動作を制御する。コントローラは、感知された事象と時間の間隔の終了に応答して、どのようにしてパルスが出力されるかを定義する、いくつかのプログラムされたペーシング・モードで機器を動作させることが可能である。徐脈を治療するための大部分のペースメーカーは、定義された間隔で生じる感知された心臓事象がペーシング・パルスをトリガ起動または阻止するいわゆるディマンド・モードで、同期して動作するようにプログラムされている。抑制されたディマンド・ペーシング・モードは、その間に室による固有心拍数が検知されない定義された補充収縮間隔の満了後のみの心臓サイクル中に、ペーシング・パルスが心臓室へ送付されるように、感知された固有活動に従ってペーシングを制御するために補充収縮間隔を利用する。心室ペーシングに対する補充収縮間隔が、心室事象または心房事象によって再開され、心房事象は、ペーシングが固有心房心拍数をトラッキングすることを可能にする。たとえば、除脈ペーシング・モードで心臓をペーシングするためや選択された部位の前興奮を提供するための両方で、心臓サイクル中に複数の興奮性刺激パルスが複数の部位へ送られる、除脈ペーシング・モードと一緒に最も便利にCRTが実施される。運動レベル・センサ330が(たとえば、加速度計、毎分換気量センサ、または代謝要求に関するパラメータを測定する他のセンサ)が、コントローラを、患者の身体的活動の変化に従って、ペーシング心拍数に適応させ、かつ以下で説明されるように、コントローラが、神経刺激および/または心臓再同期ペーシングの送付を制御することができる。コントローラが、外部プログラマまたは遠隔モニタと通信することを可能にする遠隔通信インターフェイス82もまた設けられている。
神経刺激チャネルが、副交感神経刺激を与えるおよび/または交感神経抑制を実施するために機器内に組み込まれている。ここで、一方のチャネルは、リング電極44とチップ電極43を備える双極導線、パルス発生器42、チャネル・インターフェイス40を備え、他方のチャネルは、リング電極54とチップ電極53を備える双極導線、パルス発生器52、チャネル・インターフェイス50を備える。他の実施形態では、神経刺激パルスが、カンまたは別の電極を参照する単極導線を使用してもよい。各チャネルのためのパルス発生器は、振幅、周波数、デューティ・サイクルがコントローラによって変えられる一連の神経刺激パルスを出力する。
4.CRTと神経刺激のための部位
様々な実施形態では、神経刺激チャネルが、たとえば、交感神経抑制チャネルの場合、圧受容器の近くで、または副交感神経刺激チャネルの場合、副交感神経の近くで、適切な神経を経脈間刺激するために脈管内に配置されるように構成された導線を使用する。いくつかのCRT機器は、図1Bおよび1Cに示されているものなどの、右心房をペーシングおよび/または感知するための心房導線、右心室をペーシングおよび/または感知するための右心室導線、および左心室をペーシングおよび/または感知するための位置へ冠状静脈洞を通って送り出される左心室導線を備える。冠状静脈洞内の導線は、隣接する神経の脱分極化を誘導するのに十分な強度で、冠状静脈洞の脈管外表面上に解剖学的に配置された目標副交感神経を経脈管刺激するために使用されることが可能であり、かつたとえば左心室に近接する部位に適切に時間調整されたペーシング・パルスで心臓再同期治療を行うために使用されることが可能である。
様々な実施形態によると、機器は、不応期を感知するように、および、心臓組織を不随意に捕捉し、心房細動などの不整脈を誘発することを回避するために、不応期中に冠状静脈洞内の電極または複数の電極から神経刺激を与えるように設計されている。
様々な導線実施形態は、所定の血管の壁と当接するような寸法にされたメッシュ表面を備える伸展可能なステント様電極、コイル電極(単数または複数)、固定されたねじタイプの電極(単数または複数)などを含む、いくつかの設計を実装している。様々な実施形態は、電極(単数または複数)を血管内や血管の壁内に配置し、または少なくとも1つの電極を血管内におよび少なくとも1つの電極を血管の壁内に組み合わせて配置する。神経刺激電極(単数または複数)を、CRTのために使用される同じ導線内に、またはCRT銅線(単数または複数)に加えて別の導線に一体化することができる。様々な実施形態では、神経刺激が、脈管内に配置され、かつCRT機能を行う埋込み可能な医療機器などのプラネットによって制御されるサテライト刺激器によって行われる。
経脈管導線が、他の神経の部位を刺激するために使用されてもよい。たとえば、ある実施形態は、迷走神経を刺激するために経脈管刺激導線を右奇静脈内へ供給し、またある実施形態は、迷走神経を刺激するために経脈間刺激導線を頸静脈内へ供給する。様々な実施形態は、神経刺激を経脈管で与え、かつ、CRTの一部としての心室ペーシングなど、心臓筋肉を電気的に刺激するために、導線経路に沿って脈管内に供給される少なくとも1つの導線を使用する。
他の経脈管配置が、図1D、1Eを参照にして述べられてきた。神経刺激電極の脈管内位置に応じて、右迷走神経枝、左迷走神経枝、または左右の迷走神経枝の組合せが、刺激されてもよい。左右の迷走神経枝は、心臓の異なる領域を刺激し、したがって刺激されたとき異なる結果をもたらす。現在の知識によると、右迷走神経は、右心房と右心室を含む心臓の右側を刺激するように見え、左迷走神経は、左心房と左心室を含む心臓の左側を刺激するように見える。右迷走神経の刺激は、洞結節が心臓の右側にあるため、より周的に変わる影響を有する。したがって、様々な実施形態が、心臓の右側および/または左側での収縮性応答、興奮性応答、炎症性応答を選択的に制御するために、右迷走神経および/または左迷走神経を選択的に刺激する。静脈系は大部分が対称的であるため、導線は、右または左の迷走神経を経脈管刺激するために適切な血管内へ供給される。たとえば、右内頸静脈内の導線が、右迷走神経を刺激するために使用され、かつ左内頸静脈内の導線が、左迷走神経を刺激するために使用される。
刺激電極は(単数または複数)、末梢神経刺激への経脈管手法が使用されるとき、副交感神経と直接神経接触していない。したがって、直接接触電極に一般的に関連する神経炎症と損傷に関連する問題が、低減される。
様々な実施形態は、導線経路に沿って供給され、かつ迷走神経に対する適切な神経刺激部位の近くの心外膜や、CRTの一部としての心室ペーシングなどの電気的に刺激する心筋に対する適切な部位の近くの心外膜に配置されるように構成された、少なくとも1つの導線を使用している。様々な実施形態では、神経刺激を供給するためのサテライト・ユニットが、適切な神経刺激部位の近くの心外膜に配置されている。このようなサテライト・ユニットは、心外膜導線または経脈管供給導線を使用してCRT機能を行っている埋込み可能なCRM機器と一体化されてもよい。
様々な実施形態によると、機器は、不応期を感知するように構成され、および心臓組織を不随意に捕捉し、心房細動などの不整脈を誘発することを回避するために不応期中に冠状静脈洞内の電極または複数の電極から神経刺激を与えるように構成されている。副交感神経系の有髄迷走神経線維は、心筋組織の有髄迷走神経線維よりもずっと低い。したがって、これらの有髄迷走神経線維を刺激するとき、副交感神経刺激を、心筋刺激なしで与えることができる。
様々な実施形態では、神経刺激電極の導線が、無線リンクによって代替され、かつ副交感神経刺激および/または交感神経刺激抑制が、サテライト・ユニット内に組み込まれる。無線リンクは、たとえば、無線周波数(RF)リンクまたは音響リンクであってよい。図1Aは、埋込み可能な機器100が、コントローラと接合された無線送信機を介してこのようなサテライト・ユニット110と通信する無線の実施形態を示している。サテライト・ユニット110は、目標神経(たとえば、迷走、頸動脈洞、または大動脈神経)へ神経刺激パルスを出力するための、バッテリや回路を含むハウジングを備える、外科的埋込みのために構成された一体型の組立体である。図3は、この実施形態に関連する埋込み可能な機器100やサテライト・ユニット110の機能的な構成要素を示している。埋込み可能な機器は、命令を送信するためにコントローラ10に接合された無線送信機101(たとえば、RF送信機または音響トランスデューサのいずれか)を備え、かつサテライト・ユニット110は、命令を受信するために制御回路112に接合された無線受信機111(たとえば、RF受信機または音響信号を受信するためのマイクロフォンのいずれか)を備える。制御回路112は、受信された命令を翻訳し、かつ、パルス発生回路113に、適切な刺激パルスを外部電極120へ出力させる。
虚血に続く交感神経系活動の増加はしばしば、心筋のエピネフリンやノルエピネフリンに対する心筋の曝露の増加を結果として生じさせる。これらのカテコールアミンは、筋細胞内の細胞内通路を活動化させ、このことが心筋死や線維症をもたらす。副交感神経(迷走神経)の刺激が、この影響を阻止する。様々な実施形態によると、本主題は、心筋がさらにリモデリングや不整脈を発生させることを防止するために、心不全患者でのCRTに加えて、迷走心臓神経を選択的に活動化させる。CRTに加えて迷走心臓神経を刺激することの他の潜在的な利益は、心筋梗塞に続く炎症反応を低減させること、および除細動のための電気的刺激閾値を低下させることである。たとえば、心室性頻脈が感知されたとき、迷走神経刺激が付加され、次に除細動ショックが付加される。迷走神経刺激は、除細動ショックがより低いエネルギーで付加されることを可能にする。
5.心臓機能の評価
本発明の一実施形態では、RCTおよび/またはARTの実施が、埋込み可能な機器によって行われる、心臓機能の評価に従って調整される。心臓機能が評価される一手段は、心拍出量を測定し、それを患者の測定された運動レベルと比較することである。心拍出量は、経胸腔インピーダンスが測定されるインピーダンス技術によって測定され、かつ1回拍出量を計算するために使用される。一実施形態では、運動レベル・センサが、興奮器やインピーダンス測定回路を備える毎分換気量センサである。興奮器は、胸腔内に配置された興奮電極へ特定の振幅の興奮電流を(たとえば、一定振幅のパルス波形として)供給する。電圧感知電極が、興奮電流が供給されている間の電極間の電位差が電圧感知電極間の経胸腔インピーダンスを表すように、胸腔内の選択された領域内に配置されている。導電性のハウジングまたはカンが、電圧感知電極の1つとして使用されてもよい。インピーダンス測定回路が、インピーダンス信号を導出するために電圧感知電極からの電圧信号を処理する。インピーダンス信号をさらに処理することが、電圧感知電極の胸腔内での位置に応じて呼吸活動および/または心臓血液量を表す信号の導出を可能にする。(たとえば、本発明の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,190,035号および同第6,161,042号参照)。呼吸成分を除去するためにインピーダンス信号がフィルタリングされる場合、結果は、いずれかの時点の心臓内の血液量を表す信号であり、このようにして1回拍出量の計算を可能とし、心拍数と組み合わせられるとき、心拍出量の計算を可能にする。時間で積分された(または平均され、かつ心拍数を乗じられた)1回拍出量は、患者の心拍出量を表す。ルックアップ・テーブルまたは他の関数を、どんな心拍出量が所与の運動レベルのために十分であると考慮されるかを計算するために使用することができる。心拍出量の測定または心拍出量の十分性の決定が、RCTおよび/またはARTの実施を調整するために機器によって使用されてもよい。
心臓機能を評価するための別の手段は、患者の自律神経バランスを決定することである。交感神経系の活動の増加が、代謝ストレスや心拍出量の増加を示すことは公知である。交感神経活動の増加が検知される可能性がある1つの手段は、心拍数変動のスペクトル解析を介してである。心拍数変動は、洞律動中の連続する心拍間の時間間隔の変動を指し、主に自律神経系の交感神経腕と副交感神経腕との間の相互作用による。心拍数変動のスペクトル解析は、連続する心拍間の間隔を表す信号を、異なる振動周波数での信号の振幅を表す別々の成分に分解することを含む。0.04から0.15Hzの範囲の低周波数(LF)帯域での信号パワーの量は、交感神経系と副交感神経系の両方の活動レベルによって影響されるが、一方、0.15から0.40Hzの範囲の高周波数(HF)帯域での信号パワーの量は、主に副交感神経活動の関数であることが見出された。したがって、LF/HF比として示される信号パワーの比は、自律神経バランスの状態の良い指標であり、高いLF/HF比は交感神経活動の増加を示す。特定の閾値を超えるLF/HF比が、心臓機能が十分でないことの指標として取得されてもよい。心臓律動管理機器は、その心房心室感知チャネルから受信されたデータを解析することによって、LF/HF比を決定するようにプログラムされてもよい。心拍間すなわちBB間隔と称される、連続する心房感知または心室感知の間の間隔が、ある時間または指定された数の心拍の間に測定され、収集される。結果としての一連のBB間隔値が、次に、離散信号として保存され、かつ、上記で説明されたような高周波数帯域または低周波数帯域内でそのエネルギーを決定するために解析される。間隔データに基づいてLF/HF比を算定するための技術が、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、同一出願人による、2003年5月12日に出願された米国特許出願第10/436,876号および2003年9月23日に出願された米国特許出願第10/669,170号に記載されている。
また、心臓機能を評価する他の手段が、ARTおよび/またはRCTの実施を調整するために採用されてもよい。上記で議論された心拍出量を測定するためのインピーダンス技術はまた、拡張終期容積と収縮終期容積などの心臓サイクルの様々な段階での心室容積を測定するために使用されてもよく、および駆出率などの心臓機能を反映するパラメータを計算するために使用されてもよい。埋込み可能な機器はまた、圧力トランスデューサなどの他の感知モーダリティを備えてもよい。このような圧力トランスデューサは、脈管内導線に取り付けられ、かつ拡張終期圧および/または収縮終期圧を測定するように適切に配置されてもよい。
6.実装例
本発明の実施形態では、MI後患者に心臓治療を行うための埋込み可能な機器は、1つまたは複数の心室の部位にペーシング・パルスを送るための1つまたは複数のペーシング・チャネル、および交感神経活動を抑制する、神経を刺激するための交感神経抑制チャネルを備える。コントローラが、収縮期中に心室心筋の領域を機械的に解放するように、その領域を事前に興奮させる心臓再同期モードでの心室ペーシングを送ることによって、リモデリング制御治療(RCT)を行うようにプログラムされている。プログラムされた両心室オフセット間隔によって定義されたように、心室の一方が、他方に対して前興奮される両心室ペーシングとして心臓再同期治療が行われてもよい。別法として、左心室の活動化の遅延を被っている患者では、左心室のみの再同期ペーシング・モードが採用されてもよい。別の実施形態では、ペーシング治療は、部位の1つまたは複数を他の部位に対して前興奮させるように、複数の部位で心室の少なくとも一方がペーシングされるマルチ・サイト心室ペーシングとしておこなわれてもよい。いずれの場合でも、心室ペーシングは、心房感知に続く定義された心室補充収縮間隔が心室ペーシング間で定義される非心房トラッキング・モードで、または心室ペーシングが心房感知に続く定義された心房心室補充収縮間隔の後に送付される心房トラッキング・モードで送付されてもよい。同様に、周期変動的な機能不全の患者では、心房ペーシング・チャネルが、心房をペーシングするために設けられてもよく、心房ペーシングに続く心房心室補充収縮間隔の終了の際に心室ペーシングが送付される。
コントローラは、交感神経抑制チャネルを介して交感神経活動を抑制することによってRCTと一緒に抗リモデリング治療(ART)を行うように、さらにプログラムされている。交感神経抑制チャネルは、神経刺激パルスを出力するためのパルス発生器、および心房圧受容体または圧反射弓の求心神経の近くへの配置のために構成された電極を組み込んでいる導線を備えている。圧反射弓の刺激は、次に交感神経活動の抑制を引き起こす。交感神経抑制チャネルの電極は、血管内、または肺動脈または心臓脂肪パッドなどの圧受容体にまたは求心神経に近接する他の場所に経脈管配置されてもよい。別の実施形態では、機器は、コントローラによって実施される抗リモデリング治療が、副交感神経活動の刺激をさらに含む、副交感神経刺激チャネルをさらに備えてもよく、副交感神経刺激チャネルは、神経刺激パルスを出力するためのパルス発生器、および副交換神経を刺激するための電極を備える。電極は、副交感神経の周囲への配置のために構成された神経カフ電極、または血管に隣接する副交感神経を経脈管刺激するための脈管内電極であってよい。上記で説明されたように、交感神経抑制チャネルまたは副交感神経刺激チャネルのいずれかに対して、電極とパルス発生器がRF受信機を備えるサテライト・ユニット内に組み込まれてもよい。次に、埋込み可能な機器が、RFリンクを介してサテライト・ユニットの動作を制御するためのコントローラに接合されたRF送信機をさらに備える。
機器は、RCTとARTが同時にまたはプログラムされた間隔で別々に行われる開ループ方式でRCTとARTを実施するようにプログラムされてもよい。RCTとARTは、一定のまたは時間変化する強度で実施されてもよい。ここで、ARTの強度は、神経刺激パルスの振幅、周波数またはデューティ・サイクルを変化させることによって調節されてもよく、RCTの強度は、両心室オフセット間隔や房室補充収縮間隔などの、心室に送付される前興奮の量に影響を与える1つまたは複数のパラメータを変化させることによって調節されてもよい。図4Aから4Dは、RCTとARTのレベルを時間に対して変化させる方法の例を示している。図4Aでは、RCTとARTの両方が同時に実施され、各タイプの治療が一定の強度で維持される。図4Bでは、RCTとARTの両方が一定の強度で実施されるが、ARTは時間T1で開始する一方、RCTは時間T2で開始する。図4C、4Dでは、各タイプの治療が時間に対して調整される。図4Cは、RCTとARTの両方の強度が時間に関して増加するが、図4Dは、RCTの強度が増加するが一方、ARTの強度が減少することを示している。交感神経抑制と副交感神経刺激の相対強度もまた、別々に調節されてもよい。
別の実施形態では、機器はまた、閉ループ方式でRCTとARTを実施するようにプログラムされている。ここで、RCTとARTの強度は、コントローラによって行われる心臓機能の評価に従って調整される。機器はまた、心臓機能の評価に従ってARTの一部として実施される副交感神経刺激と交感神経抑制の強度を別々に調整してもよい。心臓機能は、単独でまたは組合せで、いくつかの異なるモダリティを使用する機器によって評価されてもよい。一実施形態では、機器は、心拍出量を測定するためのセンサを組み込んでおり、コントローラは、測定された心拍出量に従ってRCTとARTの実施を調整するようにプログラムされている。上述の通り、そのような心拍出量センサは、経胸腔インピーダンス測定用回路であってもよい。心臓機能を評価するための別の手段は、心房血圧センサであり、ここでコントローラは、測定された血圧に従ってRCTとARTの実施を調節するようにプログラムされている。血圧センサは、動脈内への配置用に構成された圧力トランスデューサと導線の形態をとってもよい。別法として、毎分換気量センサによって取得された患者の呼吸活動の測定が、血圧に代わるものとして使用されてもよい。心臓機能は、心拍出量および/または血圧の測定とともに患者運動レベルを測定することによって(たとえば、毎分換気量センサまたは加速度計のいずれかを使用して)評価されてもよい。ここで、コントローラは次に、結合された測定値に従ってRCTとARTの実施を調整するようにプログラムされる。
別の実施形態では、心臓機能評価は、患者の自律神経バランスの評価を含む。自律神経バランスは、適切に配置された感知電極によって、または患者が周期変動的な機能適格の場合に固有心拍数を測定することによって、交感神経と副交感神経内の電気的活動を測定するための感知チャネルによって直接評価されてもよい。上記で説明されたように、心拍数変動を測定することは、自律神経バランスを評価するための1つの手段を提供する。このようにして、機器は、BB間隔と称される、連続する固有心拍の間の間隔を測定し、収集するための回路構成を備える。ここで、BB間隔は連続する心房感知または心室感知の間の間隔であってもよい。機器は、収集された間隔を離散BB間隔信号として保存し、BB間隔信号を定義された高周波数帯域と低周波数帯域にフィルタリングし、かつ、それぞれLFおよびHFと称される、低周波数帯域と高低周波数帯域のそれぞれでのBB間隔信号の信号パワーを決定する。機器は次に、LF/HF比を計算し、LF/HF比を指定された閾値と比較することによって自律神経バランスを評価する。
ある実施形態では、実行された心臓機能の評価が行われる際に機器によって集められたデータが、RF遠隔通信リンクを介して遠隔モニタへ送信される。遠隔モニタは、臨床医による後の解析のためにデータを記録してもよく、かつ/またはインターネットなどのネットワーク上でそれを別の場所へ送信してもよい。また、ネットワーク通信に応答して、遠隔モニタは、RCTとARTの実施を修正するためにRF遠隔通信リンクを介して埋込み可能な機器をプログラムしてもよい。
6.CRTとNS治療を適用するための導線実施形態
本主題は、心室壁圧を減少させるための機器と方法に関し、かつ心臓再同期治療と、副交感神経応答を誘発するための神経刺激とを結合する治療を提供する。本主題の様々な態様は、副交感神経応答を誘発するために神経線維を刺激することが可能である、心臓の左側への配置のための単一の、一体化された導線によって有効化される、結合された治療の適用例を含む。導線は、右心室の刺激のために心臓の右側での配置のために構成された導線と結合されたときなど、心臓再同期治療を提供するために使用される。代替となる実施形態は、導線を他の場所に配置する。
以下は、様々な形態の治療を実行するために使用される埋込み可能な心臓機器の説明である。埋込み可能な心臓機器は通常、患者の胸の中に皮下にまたは筋肉下に配置され、導線は、機器を感知および刺激のために使用される電極と接続するために静脈内で心臓内へ走っている。導線はまた、様々な手段によって心外膜上に配置されることができる。プログラム可能な電子コントローラが、経過時間間隔および感知された電気的活動(すなわち、刺激パルスの結果としてでなない固有心拍数)に応答して刺激パルスを出力させる。機器は感知される予定の室の近くに配置された電極を用いて、固有の心臓の電気的活動を感知する。機器によって検知される心房と心室の固有の収縮に関連する脱分極波が、それぞれ心房感知または心室感知と称される。固有心拍がないときにこのような収縮を生じさせるために、ある閾値を超えるエネルギーを有する刺激パルス(心臓律動を強化するために実施されるとき、ペースまたはペーシング・パルスと称される)が、室に実施される。
様々な実施形態では、電気的刺激は中央機器から発し、導電性のチャネル上を進行して、意図された位置へ到着する。たとえば、複数の実施形態は、心臓律動機器と、その機器から心臓へ走る1つまたは複数の導線を備える。一実施形態では、機器が、患者情報を感知するために使用されるハウジングを備え、かついくつかの場合ではハウジングが電気的刺激を与えるために使用される。また、様々な実施形態は、電気的信号を感知し、送るために、1つまたは複数の導線上に存在する電極を使用する。
したがって、様々な実施形態では、機器が、心臓機能を推論するために、センサから集められた情報を使用する。様々な実施形態は、機器からの刺激によって誘導される心拍数変化、または固有心拍数変化などの、生理学的パラメータに応答して閉ループで付加される、心臓再同期治療と神経刺激との組合せを備える。
たとえば、心臓脂肪パッド内の心外膜自律神経節の選択的な刺激、下大静脈−左心房分岐(「IVC−LA」)の近傍に配置された脂肪パッドが、本明細書で述べられた利点のいくつかを生じさせるために副交換神経系を活動化させる。様々な実施形態では、この刺激が、導線内に組み込まれた電極を介して埋込み可能な心臓機器によって与えられる。様々な実施形態では、電極が、心臓への心臓律動管理治療に使用される導線内に組み込まれている。パルス発生器が、電極を介して電気的刺激を与え、かつ電極の近傍に延びる副交感神経を刺激する。副交感神経系の電気的刺激は、たとえば、5から50Hzの間の周波数での方形波または台形の指数パルス列であってよい。このような電気的刺激の結果は、洞房結節に作用する副交感活動の増加による洞律動の減速、ならびに収縮期中の心室壁ストレスを減少させる負の変力性の影響である。
これらのシステムの例は、心拍出量に対する患者の要求と実際の心拍出量を反映する、感知されたパラメータに従って副交感神経刺激の実施を調整するようにプログラムされた機器を含む。いくつかの実施形態では、機器は、毎分換気量センサと加速度計のうちの一方または両方によって、患者の運動レベルを測定し、測定された運動レベルが指定された制限値を下回る場合のみに副交感神経刺激を与える。
追加の例では、副交感神経刺激の程度が、測定された運動と逆に変動する。たとえば、一実施形態では、機器が、患者の心拍出量を測定し、測定された心拍出量に比例して、または心拍出量が指定された制限値を超えたときのみのいずれかで、副交感神経刺激を与える。別の実施形態では、心拍出量と運動レベルの測定が、測定された心拍出量の十分性を示す複合パラメータを提供するために結合される。様々な実施形態では、ルックアップ・テーブルが、特定の運動レベルを、十分であると考慮される最小心拍出量と適合させるために使用される。機器は、心拍出量が代謝要求を満たすのに十分であると考慮されるレベルにある場合にのみ、副交感神経刺激を与えるようにプログラムされている。
図5〜10は、神経刺激や心室刺激を与えるように構成された導線と導線組立体の様々な実施形態を示している。図示された導線は、患者に電気パルスを送ることが可能である少なくとも1つの電極を備え、かつ様々な実施形態は、患者の生理学的パラメータを測定することが可能であるセンサを備える。いくつかの実施形態は、たとえば、生理学的データを集めるためにマイクロ電子機械システム(MEMS)技術を採用することができる。これらの図は同一縮尺で描かれていないことに注意されたく、また、本主題の他の態様および実施形態を限定するものとして読むべきではない。
心臓再同期治療を提供するための様々な例によると、少なくとも1つの電極が、左心室を刺激するために配置されている。様々な実施形態では、心臓再同期治療のための導線が、冠状静脈洞、副交感神経節の近傍にある領域内に配置される。副交感神経節は、左心房と下大静脈によって仕切られた脂肪パッドを含む、心外膜脂肪パッド内にある。
図5〜10に示されている導線は、冠状静脈洞の近傍の脂肪パッド内の神経節の刺激のために構成された電極を備える。特に、図5〜7は、下大静脈と左心房で仕切られた脂肪パッド(IVC−LA脂肪パッド)の近傍の迷走神経への様々な経路を通しての、冠状静脈洞の壁を通じた刺激のための経脈管電極を備える。
本主題の様々な実施形態は、通常の導線を使用する心室内での心臓再同期治療に加えて神経刺激を与える。以下の例は、この範囲内での実施形態を含む。これらの導線の図は、本主題の他の態様および実施形態を限定するものとして読まれるべきではない。
図5は、本主題による心臓の左側の冠状静脈内への1つまたは複数の電極の埋込みのための導線組立体の一実施形態を示している。導線は、様々な実施形態では、電気的に絶縁性の材料で作製された主導線本体502を備える。一実施形態では、導線組立体は可撓性の円筒様の形状にされている。主導線本体502は、近位の部分501と遠位の部分520を備える。様々な実施形態では、1つまたは複数の内腔が、ほぼ近位の部分501からほぼ遠位の部分520へ、主導線本体を通って延びている。一実施形態は、主導線本体内腔が、近位の部分501から遠位の部分へ延び、遠位端部の開口を終点としている。
様々な実施形態では主導線本体502は、補強材料を包囲しているポリマーで構成される。様々な実施形態は、シリコン・ゴムなどの生体適合性ポリマーを含むが、他の材料も本主題の範囲内にある。一実施形態では、補強材料がコイル状のワイヤであり、可撓性の本体に軸方向圧縮での剛性を与えるが、導線本体の中心線を決める軸に対してほぼ直交して応力を加えられたとき可撓性を与える。ある実施形態では、コイル状のワイヤが、補強材料としてのその使用に加えて導体として使用される。様々な実施形態では、内腔がコイル状のワイヤを通過する。いくつかの実施形態では、コイル状のワイヤは、所定の屈曲部を備え、機械的なバイアスを結果として生じさせる。たとえば、一実施形態では、コイル状のワイヤは、冠状静脈洞内で、およびいくつかの例では、他の冠状静脈内で主導線本体502の配置を補助するように構成された1組の屈曲部を備える。いくつかの例では、遠位の部分520に配置された補強材料は、遠位の部分がガイド・ワイヤなしで曲がり、主導線本体502を通って走る内腔内にガイド・ワイヤが配置されるとき真直ぐになるように、曲線部を結果として生じさせるバイアスを有する。
様々な実施形態によると、主導線本体502は、心臓を刺激する神経を刺激するように構成された第1の電極504を備える。様々な電極実施形態は、主導線本体502に少なくとも部分的に外接する、少なくとも1つの導電性バンドを備える。いくつかの実施形態では、第1の電極が主導線本体502内に組み込まれている。たとえば、いくつかの実施形態は、主導線本体502に軸方向剛性を追加するために使用されるコイルの露出された部分を電極として使用する。他の電極設計を使用することができる。
様々な実施形態では、導線は、主導線本体の内腔内に滑動自在に配置された第2の導線本体を備える。刺激要素506などの第2の導線本体は、主導線本体502の内腔を通って滑動自在に配置されている。様々な実施形態では、刺激要素が、ほぼ近位の部分501からほぼ遠位の部分520へ延びており、かつ一実施形態では、ほぼ近位の部分からほぼ遠位端部の開口へ、開口を通って延びている。一実施形態では、刺激要素が、心臓の捕捉を確立した後で配置され、次に定位置に固定される。
様々な実施形態では、刺激要素506は、患者の脈管構造を通過するように構成された実質上可撓性の構造である。たとえば、刺激要素506のいくつかの実施形態は、絶縁性材料によって包囲された金属製の芯を備える。1つの例では、刺激要素506は、チタニウム合金を含む生体適合性の金属構造であり、構造は、ポリマー内で少なくとも部分的に絶縁、たとえば被覆またはカバーされている。追加の例では、可撓性の構造は、様々な数の断面の勾配を示し、徐々に変化する直径を結果として生じさせる。
本主題のいくつかの例は、心臓静脈内に配置された電極によって左心室を刺激する。様々な実施形態では、例示された機器は、左心室の近傍での配置のために構成され、かつ左心室の刺激のために構成された第2の電極508を備える。いくつかの実施形態では、電極は、刺激要素506の一部分を備え、かつ一実施形態では、刺激要素は絶縁されたワイヤであり、露出された部分は第2の電極508を備える。
第1の電極504を第2の電極508から電気的に絶縁するように意図された様々な設計が本主題の範囲内にあることに注意されたい。たとえば、一実施形態では、第1の電極が、コイル状のワイヤの一部分から構成され、かつこのコイル状のワイヤが、他の内腔(単数または複数)と主導線本体502の外部の領域の両方から、主導線本体502内で電気的に絶縁されている。本主題の追加の実施形態は、追加された利点と特徴を与える。たとえば、内腔の壁は、ガイド・ワイヤと内腔の壁との間で摩擦を低減させるために低い摩擦係数を有する潤滑性の被覆またはポリマーで被覆されている。追加の内腔を設けることができ、いくつかは、ガイド・ワイヤまたは他の装置のための追加のチャネルを備える。
本主題に準拠して作製された導線は、いくつかの異なる方式で挿入される。たとえば、ガイド・カテーテルが挿入され、次に導線が、それが正確に配置されるまでガイド・カテーテルを通過する。導線は、ガイド・カテーテル内での摩擦を低減させるために潤滑性の被覆で被覆される。次に、ガイド・カテーテルを引っ込めることができる。また、ガイド・ワイヤが、単独でまたはガイド・カテーテルに沿って埋込み部位へ進められる。
内腔を使用して、導線が、導線が適切に配置されるまでガイド・ワイヤ上を滑動させられる。たとえば、導線が、第1の電極が刺激中に迷走神経を捕捉するための所望の位置に配置されるまで滑動させられる。次に、ガイド・ワイヤまたはガイド・カテーテルを引っ込めることができる。刺激要素506を使用する実施形態では、刺激要素506がガイド・ワイヤに代替することができ、左心室のための刺激機器として使用するための位置に残される。
また、導線が、ガイド・カテーテルに一時的に固定される。固定するものは体液内で溶解するように設計されている。次に、ガイド・カテーテルに沿って導線を挿入することができる。電極が定位置になり、固定が溶解した後、ガイド・カテーテルが引っ込められる。現代の血管造影技術を含む現代の技術は、本主題の範囲内にあることに注意されたい。
図6は、心臓の左側の冠状静脈内への電極の埋込みのための導線の一実施形態を示している。様々な実施形態では、導線は、主導線本体602、近位の部分601、遠位の部分620を備える。導線はまた、第1の電極604と第2の電極608を備える。第1の電極604は、様々な実施形態では、主導線本体602に一体化されており、追加の実施形態では、IVC−LA脂肪パッド内に位置する副交感神経節の経脈管刺激のための特徴を備える。1つの例では、第1の電極604が、主導線本体602に少なくとも部分的に外接する導電性のバンドである。
また、第2の電極608は、様々な実施形態では、主導線本体602に一体化されている。様々な実施形態では、第2の電極608は、左心室を刺激するように構成された特徴を備える。いくつかの例では、第2の電極608が、組織成長に適合する特徴を有するチップを備える。たとえば、一実施形態では、第2の電極は、孔内への心筋組織の線維成長を通じて接続を強化するように構成された有孔スクリーンを備える。一実施形態では、有孔スクリーンは、プラチナ・イリジウムから作製されているが、他の材料は、ダイヤモンド、酸化イリジウム、窒化チタニウム、酸化チタニウム、プラチナ、チタニウム、タンタルを含む。
様々な実施形態では、第1の電極と第2の電極が、互いから電気的に絶縁されている。いくつかの例では、第1の一体化電極604が、主導線本体602の長さを走る導電性コイルの露出された部分を備える。これらの例では、第2の電極は、第2の同軸コイルまたは導体のいずれかよって接続されている。しかし、様々な実施形態が、電極と近位の部分601との間に電気通信経路を提供する、主導線本体602の部分を通って走る複数の導体を備えることに注意されたい。一実施形態では、一対のケーブルが、主導線本体602の部分を通って延びており、第1の電極と第2の電極を、主導線本体602の近位の部分に配置された端子と接続することが可能な回路を提供する。追加の実施形態では、ケーブルが、主導線本体602内に配置された内腔の部分を通って延びている。一実施形態では、導体通過のための内腔が、生体適合性の電気的抵抗性潤滑剤を含む潤滑剤で被覆されている。
様々な実施形態では、主導線本体602が、スタイレット、ガイド・ワイヤまたはプッシュ・ワイヤなどのワイヤのための内腔を備える。様々な実施形態では、ガイド・ワイヤが、主導線本体の長さと同軸な中心線と直交する軸に沿って曲がるとき、主導線本体602に剛性を追加するように構成されている。様々なレベルの剛性を追加する、様々なガイド・ワイヤが使用されている。また、主導線本体内に配置された1つまたは複数のコイルは、機械的バイアスを含みることができ、内腔内でのガイド・ワイヤの滑動自在な配置が、埋込みステップのための機械的バイアスを一時的に除去することができる。埋込みの成功の際、ガイド・ワイヤが取り外され、機械的バイアスが復元される。様々な実施形態では、1つまたは複数の導体を患者の生理学の態様に対して改善された電気的連通状態にすることを含む、機械的バイアスが、導線を患者の生理学に適応させるために有用である。
主導線本体602の遠端部620が内腔終端のための開口を特徴とすることにも注意されたい。これらの例では、導線は、スタイレット技術ではなく、オーバー・ザ・ワイヤ技術を使用して埋め込まれる。しかし、各実施形態は本主題の範囲内にあり、本明細書で列挙されていない追加の実施形態もまた本範囲内にある。現代の導線展開手法はますます変化しており、本主題は、これらの方法を使用する埋込みに適している。
図7は、心臓の左側の冠状静脈内への電極の埋込みのための導線の一実施形態を示している。様々な実施形態では、導線は主導線本体702を備え、主導線本体702は、近位の部分701と遠位の部分720を備える。様々な実施形態では、導線は、図5〜6の図に関連する議論でのものなどの材料から構成されている。
導線は、様々な実施形態では、主導線本体702を通って延びる内腔を備える。様々な実施形態では、内腔は遠端部の開口を終点としている。本主題の様々な態様は、第2の導線本体706を滑動自在に受けるようなサイズにされた直径を有する内腔を備えるが、それに限定されない。様々な実施形態では、第2の導線本体は、左心室の刺激のために構成された、一体型の第2の電極708を備える。また、第2の導線本体は、ガイド・ワイヤなどの様々な装置を滑動自在に含むように構成された1つまたは複数の内腔を含む。
様々な実施形態では、主導線本体702は、第2の導線本体に加えてガイド・ワイヤを滑動自在に受けるように構成された内腔を備える。しかし、本主題の様々な実施形態は、ガイド・ワイヤとして作用することができる第2の導線本体706から利益を得ている。様々な実施形態では、第2の導線本体706は、補強材料で強化されたポリマー材料である。1つの例では、第2の導線本体706は、コイル型の金属構造で補強されたシリコン・ゴムの円筒形の細長部分である。いくつかの実施形態では、第2の導線本体706は、軸方向圧縮で強化されていて曲がらないが、他の実施形態も本主題の範囲内にある。第2の導線本体706の様々な実施形態はまた、機械的バイアスを含みる。
様々な実施形態では、第2の導線本体は、ガイド・ワイヤを滑動自在に受けるように構成された内腔を備える。患者体内への導線の挿入中、第2の導線本体706と結合されたガイド・ワイヤは、主導線本体702のための補強材料の設計に組み込まれた機械的バイアスを操作するのに十分な剛性を備えている。たとえば、最初にガイド・ワイヤを主導線本体702内に挿入し、次にガイド・ワイヤと第2の導線本体の組合せを主導線本体702内へ挿入することによって、脈管構造を通って移動するときの遠位の部分のアプローチ角度を調整するために、主導線本体702の遠位の部分720に配置された曲線状の形状にされた機械的バイアスを使用することができる。
いったん第1の電極704が、IVC−LA脂肪パッド内の心外膜神経節を経脈管刺激するために十分な位置に配置された後、第2の導線本体706が心臓脈管構造内へ延長され、左心室の刺激のために配置される。第2の導線本体706のアプローチ角度が、第2の導線本体706のチップの近傍に配置された機械的バイアスの様々な角度を可能にする、または減少させるために、ガイド・ワイヤの追加または取外しによって調節される。第2の導線本体706が位置決めされた後、ガイド・ワイヤが、刺激要素として、生理学的情報センサとして、または生理学的情報送受信機として使用するために、第2の導線本体のチップを超えて延長される。しかし、追加の実施形態では、ガイド・ワイヤが引っ込められる。いくつかの実施形態では、第2の導線本体706が、それを通ってガイド・ワイヤが延びることができる遠位の部分での開口を備えない。
様々な方法が、主導線本体702を第2の導線本体706に永久に固定するために有用である。いくつかの実施形態では、主導線本体702と第2の導線本体706が、主導線組立体の近位の部分の端子内に形成される。
冠状静脈洞との心外膜神経節の近接のため、図8〜10に示されている導線は、脈管構造に孔を空けて、IVC−LA脂肪パッドに入るように構成された電極を備える。電極は、IVC−LA脂肪パッド内に位置する副交感神経節を刺激するように構成されている。本主題の様々な実施形態は、一般的な導線を使用して、心房内の心臓再同期治療に加えてIVC−LA脂肪パッドにまたはその近くで神経刺激を与える。以下の例は、この範囲内の実施形態を含む。しかし、これらの導線の図が、本主題の他の態様および実施形態を限定するものとして読まれるべきでないことに注意されたい。
図8は、本主題の一実施形態による、埋込みに適合され、かつ神経刺激や心臓再同期治療の実施のために構成された導線を示している。様々な実施形態では、少なくとも2つの内腔が、ほぼ近位の部分801からほぼ遠位の部分820へ、主導線本体を通って延びている。
一実施形態では、第1の内腔が遠位の部分へ延び、遠位端部の開口を終点としている。様々な実施形態では、導線は、主導線本体802内で第1の内腔を通って滑動自在に配置されている。様々な実施形態では、刺激要素が、主導線本体802のほぼ近位の部分801から主導線本体802のほぼ遠位の部分820へ、かつ一実施形態では、主導線本体802のほぼ近位の部分から遠位の部分の開口内へ、開口を通って走っている。様々な実施形態では刺激要素806が、第2の電極808と一体化されており、図5の教示で議論された態様を含むが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。刺激要素806が、様々な実施形態では、冠状静脈洞内へ注ぐ静脈枝内に配置され、かつ左心室を刺激するように構成されている。
また、様々な実施形態では、主導線本体802が、操縦可能な脈管外導線本体805を受けるように構成された穿孔本体内腔を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体805が、電極804を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体805と電極804は、組織を穿孔し、かつIVC−LA脂肪パッドのまたはその近傍の自律神経節との電気的連通状態に電極804を配置するように構成されている。操縦可能な脈管外導線本体805と電極804の様々な態様が、図15に関連する教示で議論されているが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
図9は、本主題の一実施形態による、埋込みに適合され、かつ神経刺激や心臓再同期治療の実施のために構成された導線を示している。様々な実施形態では、導線は、近端部901と遠端部910を備える主導線本体902を備える。一実施形態では、主導線本体902は第2の電極908と一体化され、図6の教示で議論された構造的な態様を含むが、図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
また、様々な実施形態では、主導線本体902は、IVC−LA脂肪パッドへのまたはその近くへの電極の配置のために構成された特徴を備える。たとえば、一実施形態では、主導線本体902は、操縦可能な脈管外導線本体905を受けるように構成された内腔を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体905は、電極904を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体905と電極904は、組織を穿孔するように構成されている。操縦可能な脈管外導線本体905と電極904の様々な態様、組織を穿孔するように構成された組合せが、図15に関連する教示で議論されるが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
図10は、本主題の一実施形態による、埋込みならびに神経刺激と心臓再同期治療の実施のために構成された導線を示している。様々な実施形態では、少なくとも2つの内腔が、ほぼ近位の部分1001からほぼ遠位の部分1020へ、主導線本体を通って延びている。
一実施形態では、第1の内腔が、遠位の部分へ延びており、遠端部の開口を終点としている。様々な実施形態では、導線は、主導線本体1002の第1の内腔内に滑動自在に配置された第2の導線本体1006を備える。たとえば、第2の導線本体は、補強材料で強化されたポリマー、たとえば、コイル型の金属構造を含むシリコン・ゴムから成る。また、第2の導線本体1006は、様々な実施形態では、ガイド・ワイヤを滑動自在に受けるように構成された第3の内腔を備える。
様々な実施形態では、第2の導線本体1006は、主導線本体1002のほぼ近位の部分1001からほぼ遠位の部分1020へ、かつ一実施形態では、主導線本体1002のほぼ近位の部分から遠位端部の開口内へ、開口を通って走っている。様々な実施形態では第2の導線本体1006が、第2の電極1008と一体化されており、図7の教示で議論された態様を含むが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。第2の導線本体1006が、様々な実施形態では、冠状静脈洞内へ注ぐ静脈枝内に配置され、かつ左心室の刺激のために第2の電極1008を配置するように構成されている。
また、様々な実施形態では、主導線本体1002が、操縦可能な脈管外導線本体1005を受けるように構成された内腔を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1005が、電極1004を備える。様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1005と電極1004は、組織を穿孔するように構成されており、かつIVC−LA脂肪パッドの自律神経節との電気的連通状態に電極1004を配置するように構成されている。操縦可能な脈管外導線本体1005および電極1004の様々な態様が、図15に関連する教示で議論されているが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
図11は、本主題の様々な実施形態による、リング電極によって神経刺激を与え、かつチップ電極によって心室刺激を与えるように構成された導線組立体を示している。図示された導線の様々な実施形態は、図6で議論された導線の態様を備えるが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
様々な実施形態では、導線は、生体適合性の材料から構成された主導線本体1104を備え、かつ脈管構造内への配置のために構成された剛性を備える。様々な実施形態では、導線はリング電極1102を備える。様々な実施形態では、リング電極構造は、主導線本体に少なくとも部分的に外接する少なくとも1つの導電性のバンドを備える。様々な実施形態では、リング電極は、埋込み可能な心臓律動管理機器との接続のために適している端子へ主導線本体1104を通って走る1つまたは複数の導体と電気的連通状態で配置された、1つまたは複数の領域を備える。
様々な実施形態では、リング電極1102は、主導線本体1104の長さを走る金属製のコイルと接続された露出された金属表面を備える。また、導線は、患者への電気パルスを供給するように構成されたチップ1106を備える。特に、主導線本体1104は、IVC−LA脂肪パッドの近傍に電極1102を配置するようなサイズにされ、さらにそれに加えて、心室刺激を与えるために、電極1106を、左心室の近傍に、典型的には心臓静脈内に配置するようなサイズにされている。
図12は、本主題の一実施形態による、機械的バイアスを含みる導線と組み合わされた、神経刺激を与えるように構成された一連のリング電極と、心室刺激を与えるように構成されたチップ電極を示している。図示された機械的バイアスは螺旋状の形状であるが、他の形状も本主題の範囲内にある。図示された導線の様々な実施形態は、図6で議論された導線の態様を含むが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
様々な実施形態では、導線は、螺旋状の形状の結果となる機械的バイアス1210を与えられている。バイアスは、本主題の様々な実施形態では、ガイド・ワイヤの挿入によって解放される。バイアスは、脈管構造内に導線を配置するために有用である。たとえば、一実施形態では、螺旋状形状の外直径は、IVC−LA脂肪パッドの近傍の冠状静脈洞の内直径に適合するようなサイズにされており、かつバイアスは、1つまたは複数の電極1202を患者の脈管構造と電気的に連通させることを助ける。
いくつかの実施形態に存在する1つの特徴は、電極のアレイである。様々な実施形態では、電極は、電気パルスを個々に送信することが可能である個々に配線された要素を備える。様々な実施形態では、各個々の要素は、個々の端子と電気的に連通しており、近位の部分の近くに通常配置され、埋込み可能なパルス発生器との接続に適している。単一の電極ではなく、電極のアレイを使用することにより、経脈管刺激はより効果的である。たとえば、医師は、電極1202へいくつかの領域に移送されるエネルギーを調節することによって、改善された形態の神経刺激を与えるように、バイアス1210を調整することができる。
また、導線は、患者へ電気パルスを供給するように構成されたチップ1206を備える。特に、主導線本体1204は、IVC−LA脂肪パッドの近傍に電極1202を配置するようなサイズ、およびそれに加えて、左心室の近傍に、心臓静脈内などに電極1206を配置するようなサイズにされている。電極1206は心室刺激を与えるために配置されている。
本主題の範囲内の螺旋状電極は、参照によって本明細書に関連付けられ、かつ組み込まれる以下の同一出願人による米国特許で教示されたものを含む:2000年8月30日に出願され、2003年6月24日に交付された、「Lead for Pacing and/or Sensing the Heart from Within the Coronary Veins,」米国特許第6,584,362号。
図13は、本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された少なくとも1つのリング電極1302、および心室刺激を与えるように構成されたチップ電極を備える導線を示している。様々な実施形態は、図12で議論された導線の態様を含む。
導線は、IVC−LA脂肪パッド内の副交感神経節の刺激のための1つまたは複数の電極部位1302を備える導線の一例を示している。また、例は、主導線本体1304と一体化された電極部位1302を示しており、また、機械的バイアスのない導線の一実施形態も示している。
導線は、さらに、患者に電気パルスを供給するように構成されたチップ1306を備えている。特に、主導線本体1304は、IVC−LA脂肪パッドの近傍に電極1302を配置するようなサイズ、およびそれに加えて、左心室の近傍、典型的には心臓静脈内に電極1306を配置するようなサイズにされている。電極1306は心室刺激を与えるために配置されている。
図14は、本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された少なくとも1つのリング電極、および心室刺激を与えるように構成されたチップ電極を備える導線を示している。図示された導線の様々な実施形態は、図6で議論された導線の態様を含むが、その図面に関連する教示で議論されていない本主題の態様もまた、本主題の範囲内にある。
導線は、IVC−LA脂肪パッド内に位置する副交感神経節に電気的刺激を提供するように構成されたリング電極1416を含む。また、導線は、左心室の近傍への埋込みに適したチップを備える。特に、導線は、心臓静脈内に埋め込まれるために変形されるように構成された強化要素1406を備える。導線は、機械的バイアスを含みることができ、様々な実施形態は、脈管構造内への導線の配置を補助する曲線を備える。
たとえば、一実施形態では、導線は、厚肉部分1412、薄肉部分1414、それら2つの部分の間に配置されたテーパを有する、様々な直径のガイド・ワイヤ1402を含んでいる。様々な実施形態では、強化要素1406に関連する様々な場所にガイド・ワイヤを配置することによって、脈管埋込みのために導線を操作することができる。
様々な実施形態では、導線は、さらに、組織を成長させるのに適合するように構成された歯1404とチップ1408を備え、成長した新しい組織は、導線をその位置に固定する働きをする。
図15は、本主題の一実施形態による、脈管構造を穿孔するために少なくとも1つの電極を使用して神経刺激を与えるように構成された導線の断面を含む透視図である。
様々な実施形態では、導線は、主導線本体1506を備える。主導線本体1506は、様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体の通過のために構成された穿孔本体内腔1504、およびガイド・ワイヤ、スタイレットまたは心臓再同期治療導線の通過のために構成された第2の内腔1502を備える。様々な実施形態では、主導線本体1506は、いくつかの例では、剛性の補強材料を有するシリコン・ゴムなどの弾力性の材料から作製されている。
操縦可能な脈管外導線本体1512は、様々な実施形態では、組織、および特に脈管構造を穿孔するために有用ないくつかの態様を備える。一実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体は、ある角度で切られた細長い円筒形部分を備え、組織を穿孔するように構成された尖った縁部とされている。
操縦可能な脈管外導線本体は、自律神経節、特に、IVC−LA脂肪パッド内に存在する神経節と、電気的に連通させて導線と接続された埋込み可能なパルス発生器を配置するために有用である態様を備える。たとえば、いくつかの実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1512は、穿孔本体内腔1504内に配置されている。操縦可能な脈管外導線本体1512は、様々な実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1512が、穿孔本体内腔1504を形成する壁を通って、主導線本体1506の外部へ突破することを可能にするのに十分剛性であるか、または強化されているかのいずれかであるポリマー材料である。たとえば、一実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1512は、操縦可能な脈管外導線本体1512を曲線にし、穿孔本体内腔1504との軸方向配置から外す、機械的バイアスを含みる補強材料を備える。一実施形態では、機械的バイアスの強度が、操縦可能な脈管外導線本体1512が穿孔本体内腔1504の壁を通って突破することを可能にするように選択される。また、機械的バイアスが、脈管構造を主本体をガイドするのに適したガイド・ワイヤまたは他の要素と組み合わせられたときに真直ぐにすることを可能にするように操作される。別法として、導線本体1506は、脈管外導線1512がそれを通って、内腔1504を追従せずにその内腔から出る隅部を作成するために、内腔1502内のバイアスおよびガイド・ワイヤを使用して操作されることもできる。
たとえば、一実施形態では、脈管外導線本体1512が内腔を備える。脈管外導線本体1512を真直ぐにすることは、様々な実施形態では、1つまたは複数の構成要素を内腔内へ挿入することによって達成される。一実施形態では、プローブ1508が挿入される。プローブは、様々な実施形態では、IVC−LA脂肪パッド内に位置する副交感神経節と電気的に連通するように構成された導電性の部材である。プローブ1508は、組織を穿孔するように構成された、尖った頂点を備えるテーパ付きの先端を備える。プローブは、それ自体、操縦可能な脈管外導線本体1512が穿孔本体内腔1504を穿孔した後に組織を穿孔するために有用である。
言い換えれば、一実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体1512は、曲率を形成するバイアスを含む。埋込み中、プローブ1508がバイアスを真直ぐにするために挿入される。操縦可能な脈管外導線本体1512が次に、第1の位置に配置され、組織を穿孔し、かつIVC−LA脂肪パッド内に位置する副交感神経節と電気的に連通させて電極を配置するために望ましい、主導線本体1506内に配置される。第2の位置では、プローブが取り外され、バイアスを操縦可能な脈管外導線本体1512内に復元する。バイアスは、主導線本体1506内の穿孔本体内腔1504の壁を穿孔するのに十分な強度のものである。次にプローブ1508が、再挿入され、かつIVC−LA脂肪パッド内の副交感神経節と電気的に連通される。
しかし、プローブを配置することが、様々な実施形態では、第2のバイアスを含みることができる第2の本体1510を使用することによってさらに改善される。様々な実施形態では、いったん操縦可能な脈管外導線本体1512が穿孔本体内腔1504の壁を穿孔した後、操縦可能な脈管外導線本体1512の内部の要素の再挿入が、操縦可能な脈管外導線本体1512を穿孔本体内腔1504と同軸な配置に押し戻す力を導入する傾向がある。この傾向の影響を低減させる一方法は、プローブ1508と第2の本体1510を使用することである。たとえば、一実施形態では、高い剛性のガイド・ワイヤが、最初に主本体を定位置へ延長するために、次に主本体バイアスを解放するために使用さる。様々な実施形態では、主本体が、主導線本体1506の穿孔本体内腔1504を穿孔する。様々な実施形態では、ガイド・ワイヤが通過した内腔が、プローブ1508とび第2の本体1510の組合せで充填される。1つの例では、プローブと第2の本体の組合せは、ガイド・ワイヤよりも剛性が低い。
様々な実施形態では、第2の本体がバイアスを含み、かつプローブが、埋込み中にバイアスをなくす働きをする。第2の本体内でのプローブの位置を変更することによって、組織への様々なアプローチ角度が達成され、第2の本体が組織を通って方向付けられる結果となる。いくつかの実施形態では、主本体と第2の本体のバイアスを結合することは、プローブ1508の最終的な位置に対する改善された操縦性を得ることを可能にする。
様々な実施形態では、導線は、穿孔後の脈管の治癒を促進する態様を備える。たとえば、一実施形態では、操縦可能な脈管外導線本体の一部分が、細胞外基質(ECM)を含む。ECMは、脱細胞化された異種のまたは同種の隔離されたECM、たとえば、小腸の粘膜下組織から隔離されたECMを含む。ECMに関連して使用される「隔離された」という用語は、その自然源では普通に付随する少なくとも1つの生物学的汚染成分から識別および/または分離された分子の複合体を称する。隔離されたECMは、自然に発見されるものとは異なる形態である形態または設定で存在する。
隔離されたECMは、独自の特性を有する独自の生体材料であり、たとえば、隔離されたECMは生体適合性であり、たとえば、低い免疫原性、生体分解性、抗血栓性、抗興奮性および/または抗細菌性を有し、かつオプションで、線維症の調整、細胞浸潤の促進、または宿主由来のネオ・基質の堆積の促進などの機械的特性を有し、かつ再生特性を有する。したがって、ECMが埋込み機器とともに使用されるとき、その機器の性能が改善される。たとえば、ECMが、患者と導線などの埋込み機器との間の外部インターフェイス層として使用されるとき、これらの機器の性能と患者耐性が長期にわたって改善される。
ECMは、様々な細胞集団、組織および/または器官の内皮層から隔離されもよい。一実施形態では、ECMは、温血脊椎動物の皮膚の真皮、肝臓、消化器、呼吸器、腸、泌尿器または性器を含む、いずれかの器官または組織源から隔離される。本発明で採用されるECMは、発生源の組合せに由来している。隔離されたECMは、シートとして、粒子形態、ゲル形態などで設けられてもよい。
一実施形態では、ECMが小腸から隔離される。本発明での使用のための小腸の粘膜下組織は通常粘膜下組織を含み、筋層と粘膜の少なくとも管腔部分の両方から剥離される。一実施形態では、粘膜下組織が、粘膜下組織、および粘膜筋板および細胞層を含む粘膜の基底部分を備える。粘膜下組織の準備は、米国特許第4,902,508号、およびBell,In:「Tissue Engineering:Current Perspectives」,ケンブリッジ、MA,Burkhauser Publishers,pp.179〜189(1993)に記載されており、その開示が参照によって特に本明細書に組み込まれる。たとえば、豚、羊もしくは牛種、またはその他の温血脊椎動物から好ましくは採取された脊椎腸の部画が、内容物なしで洗浄された後、シートまたは薄層を形成するために長手方向に分割される。特に、粘膜の表皮層が、機械的な剥離によって除去される。組織が次に、反対側に向けられ、外側筋層と漿層が、粘膜下組織と粘膜の基底層を残して機械的に除去される。残りの組織は、隔離されたECMを表し、かつ少数の無傷の細胞を含む場合もある。
一実施形態では、ECMが膀胱から隔離される。膀胱の壁は、以下の層、すなわち、内腔側から外側へ断面図で列挙された、粘膜(移行上皮層および粘膜筋板)、粘膜下組織、3層以下の筋肉、外膜(疎性接続組織層)から成る。膀胱粘膜下組織は、たとえば、豚、羊もしくは牛種または他の温血脊椎動物の食肉製造のために飼育された動物から採取された膀胱組織から準備されてもよい。たとえば、膀胱が採取され、その内容物を除去するために水道水で完全に洗浄される。膀胱は、頂点を通って開いて分割され、別個に準備されるほぼ等しいサイズの半体になるように二分される。膀胱の内腔側が表を下にして配置され、外部の筋肉層、すなわち外側筋層(平滑筋細胞層と漿層)が、機械的剥離によって除去される。膀胱の移行上皮が、機械的またはイオン的な(たとえば、1.0NNaCL処理)方法のいずれかによって、隔離されたECMに対応する後の組織、たとえば、膀胱の移行上皮と平滑筋層との間に元から存在する約50μMから80μMの厚さのECMのシート、すなわち移行上皮の粘膜下組織および基底膜を残して除去される。
別の実施形態では、膀胱壁セグメントまたは小腸からのECMが、Meezan他(Life Sci,17:1721(1975))での技術の修正を使用して準備される。Meezan他の方法は、0.1%アジ化ナトリウムを含む大容積(100:1)の上流水に組織片を配置し、細胞を溶解させ、かつ細胞間内容物を解放するために、1〜2時間の間混合物を磁気的に攪拌することを含む。溶解した組織懸濁液が次に、固いペレットを生じるように遠心分離され、上澄みが廃棄される。ペレットは、40mlの1M NaClで懸濁され、2000Kunitz単位のDNAase(シグマ、デオキリシボ核酸1)が、追加され、懸濁液が1〜2時間攪拌される。混合物が、固いペレットに至るように再び遠心分離され、上澄みが廃棄される。ペレットが次に、0.1%アジ化ナトリウムを含む40mlの4%デオキシクロール酸ナトリウムで懸濁され、室温で2〜4時間攪拌される。混合物が遠心分離され、上澄みが廃棄され、かつペレットが、遠心分離と再懸濁によってか、44ミクロン・ナイロン篩(Kressilk Produsts,Inc;モンテレー・パーク、カリフォルニア)上での大規模な加水によってのいずれかで、水で何回か洗浄される。修正された方法では、デオキシクロール酸ナトリウムとアジ化ナトリウムによる培養の時間が増加され、追加の洗浄手順が組み込まれる。したがって、最初に、粘膜が機械的に擦り取られる。次に、残りの組織のすべての細胞構造が、無細胞化された粘膜筋板層を残して化学的に除去されかつ酵素的に除去される。このことは、次の、結晶質の低浸透圧や高浸透圧溶液への曝露によって達成される。また、デオキシクロール酸ナトリウムによる最終的な処理は、残りの細胞構造を破壊する。洗浄手順の後、残りの粘膜筋板コラーゲン・エラスチン枠体と粘膜下組織のクロス・リンクされた線維を提供する結果として生じた材料が、たとえば、4℃で数カ月間抗生剤とともにPBS溶液内に保存される。隔離されたECMが切断され、巻き取られ、または折り畳まれる。
流動性の形態にされた粘膜下組織が、採取された粘膜下組織を引裂き、切断、粉砕、またはせん断することによって粘膜下組織を粉砕して準備される。このようにして、粘膜下組織の部片が、その後で、液体、ゲル、またはペースト様の濃度の粘膜下組織流体を形成するために水または緩衝生理食塩水液で水和される粉末を作成するために、高速ブレンダー内でせん断することによって、または冷凍または冷凍乾燥状態で粘膜下組織を粉砕することによって、粉砕される。
粉砕された粘膜下組織調合物が、部分的に溶解された粘膜下組織の同質な溶液を提供するために、酵素組成物によってさらに処理される。酵素組成物は、粘膜下組織の構造的な成分の共有結合を破壊することが可能である、1つまたは複数の酵素を含んでもよい。たとえば、粉砕された粘膜下組織が、粘膜下組織蛋白質成分のすべてまたは一部が可溶性にされるのに十分な時間の間、コラーゲナーゼ、グリコサミノクリカナーゼ、または酸性pHでのトリプシンまたはペプシンなどの蛋白質分解酵素によって処理される。粉砕された粘膜下組織調合物が、酵素組成物で処理された後、組織が、同質な溶液を供給するためにオプションでフィルタリングされる。本発明に従って使用するための流体化された粘膜下組織の粘度が、粘膜下組織成分の濃度と水和の程度を制御することによって操作される。粘度は、25℃で約2から約300,000cpsの範囲に調節される。より高い粘度の調合物、たとえばゲルが、このような溶液のpHを約6.0から約7.0に調節することによって粘膜下組織消化溶液から準備される。
本発明はまた、粉末形態の粘膜下組織の使用を企図している。一実施形態では、粉末形態の粘膜下組織が、それらの最大寸法で0.01から1mm2までのサイズの範囲の粒子を作成するために腸の粘膜下組織を液体窒素下で粉末化することによって準備される。粒子化合物が次に、実質上無水の粒子状合成物を形成するために、一晩凍結乾燥され、再び粉末化され、かつオプションで滅菌される。別法として、粒子形態の粘膜下組織が、粉砕された粘膜下組織の懸濁液または溶液を乾燥させることによって流体化された粘膜下組織から形成される。
粘膜下組織は、粘膜下組織の粘弾性特性を変更するために「状態調整」されてもよい。粘膜下組織は、伸展させること、化学的に処理すること、酵素的に処理すること、または組織を他の環境因子に曝露することによって状態調整される。粘膜下組織の状態調整は、その開示が参照によって特に本明細書に組み込まれる、米国特許第5,275,826号に記載されている。一実施形態によると、脊椎由来の粘膜下組織が、わずか約20%のひずみに状態調整される。
一実施形態では、粘膜下組織は、組織を長手方向に伸展させることによって状態調整される。伸展させることによって組織を「状態調整」する一方法は、3から5サイクルの間に粘膜下組織に所与の荷重を付加することを含む。各サイクルは、5秒間組織に荷重を付加し、それに続いて10秒間解放段階を与えることから成る。3から5サイクルが、伸展状態にされた材料を作成する。たとえば、粘膜下組織が、組織セグメントの約10から20%またはそれ以上の伸展を可能にするのに十分な時間の間、組織から錘を懸下することによって状態調整される。オプションで、材料が、横方向寸法の伸展によって事前状態調整される。
一実施形態では、粘膜下組織が、予想される終極荷重の50%を使用して伸展させられる。「終極荷重」は、組織の破壊を結果として生じさせることなく、粘膜下組織に加えられる最大荷重である(すなわち、組織の破断点)。終極荷重は、材料の源と厚さに基づいて粘膜下組織の所与のストリップに対して予測される。したがって、伸展によって組織を「状態調整する」一方法は、3から10サイクル間で粘膜下組織に予想される終極荷重の50%を付加することを含む。各サイクルは、5秒間組織に荷重を付加し、それに続いて10秒間解放段階を与えることから成る。結果としての状態調整された粘膜下組織は、30%未満のひずみ、より典型的には約20%から約28%のひずみを有する。一実施形態では、状態調整された粘膜下組織は、20%のひずみしか有さない。本明細書で使用されるときのひずみという用語は、組織が付加された荷重下で伸展されたときの組織の破壊前の組織伸展の最大量を称する。ひずみは、荷重前の組織の長さでの割合として表現される。
通常、状態調整された粘膜下組織は、組織を締め付ける、縫合する、止める、糊着すること(またはその他の組織固定技術)によって支持体に固定され、ここで、組織は、少なくとも1つの寸法でその事前状態調整された長さで保持される。一実施形態では、剥離された粘膜下組織が、元の剥離された組織よりも長い幅と長さを有するように状態調整され、かつ状態調整された組織の長さと幅が、粘膜下組織を支持体上で固定することによって維持される。支持体で保持された、状態調整された粘膜下組織が、包装される前または後に滅菌される。
好ましくは、隔離されたECMが、保存および/または使用の前に、脱細胞化され、オプションで滅菌される。一実施形態では、隔離されたECMは、約50から250マイクロメートル、たとえば100から200マイクロメートルの厚さ、および98%を超える無細胞を有する。いくつかの方法が、隔離されたECMを脱細胞化するために使用されてもよい(たとえば、Courtman他、「J.Biomed.Materi.Res.」18:655(1994);Curtil他、「Cryobiology」34:13(1997);Livesey他、「Workshop on Prosthetic Heart Valves」,Georgia Inst.Tech.(1998);Bader他、「Eur.J.Cardiothorac.surg.」14:279(1998)参照。)たとえば、過酢酸希釈(0.1%)液による隔離されたECMの処理と、緩衝生理食塩水(pH7.0から7.4)や脱イオン水による洗浄が、材料を中性pHで無細胞にする。別法として、隔離されたECMが、残りの残留細胞を溶解させるために流水下で全体的に洗浄され、エタノール内の0.1%過酢酸を使用して殺菌され、かつそのpHを約7.0に戻すようリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.4)や蒸留水内で洗浄される。脱細胞化は、ヘマトキシリン・エオシン染色法によって確認されてもよい。
隔離され、かつオプションで脱細胞化されたECMは、コラーゲンタイプI、III、IV、V、VI、プロテログリカン、グリコプロテイン、グリコサミノグリカン、それらの天然の3次元マイクロ構造での、細胞接着、遺伝子表現パターン、細胞の区別に影響を与える蛋白質を含む成長因子などの構造的および機能的な分子の混合物を含む。隔離されたECMは、オプションで滅菌され、かつ水和状態または脱水状態で保存されてもよい。
隔離されたECMは、グルタルアルデヒドによるタンニング、酸性pHでのホルムアルデヒド・タンニング、エチレン・オキシド処理、酸化プロピレン処理、ガス・プラズマ滅菌、ガンマ線照射、電子線照射、過酢酸滅菌を含む従来の滅菌技術を使用して滅菌されてもよい。隔離されたECMの機械的強度、構造、生物学的特性に悪影響を与えない滅菌技術が好ましい。たとえば、強いガンマ線照射は、粘膜下組織のシートの強度の損失を生じさせる。好ましい滅菌技術は、隔離されたECMを、過酢酸、たとえば、1〜4mRadsガンマ線照射またはより好ましくは1〜2.5mRadsガンマ線照射などの低量ガンマ線照射、またはガス・プラズマ滅菌に曝露させることを含む。一実施形態では、過酢酸処理は、体積当たり約0.03から約0.5%の過酢酸濃度で、エタノール水溶液(体積当たり約2から約10%のエタノール)内で約2から約5のpHで通常行われる。隔離されたECMが滅菌された後、有孔プラスチック・ラップまたはフォイルで包装され、電子線またはガンマ線照射滅菌技術を使用して、再び滅菌される。埋込みのために隔離されたECMは一般に、2つ以上の滅菌プロセスを受ける。たとえば、2.5mRads(10kGy)ガンマ線照射での最終滅菌が、無菌の、化膿のない生体材料を結果としてもたらす。隔離されたECMまたは、隔離、脱細胞化されたECMが、次に、たとえば4℃で、使用まで保存される。凍結乾燥されたまたは空気乾燥されたECMが、その特性の顕著な損失なしで、本発明に従って再水和され、かつ使用される。脱細胞化されたおよび/または滅菌され、隔離されたECMは、実質上非免疫原性であり、高い引張強度を有する。隔離されたECMは、埋込みの際、リモデリング(自生の区別された組織による吸収と交替)を受けることがあり、新しい組織の支持と成長のための急速に脈管化される基質として働き、機能的な組織を含む、埋込み部位でそれが関連付けられた組織の特徴を引き継ぐ。
いくつかの実施形態では、隔離されたECMが、自然派生のECMの物理的、機械的または免疫原的な特性を修正するために、化学的または非化学的な架橋手段を受けてもよい(Bellamkondra他、「J.Biomed.Mater.Res.」29:633(1995))。化学的な架橋方法は、アルデヒドまたはカルボジイミドを一般に含む。蛋白質架橋の光化学手段もまた採用されてよい(Bouhadir他、「Ann.NY Acad.Sci.」842:188(1998))。架橋は一般に、宿主による骨格材料による線維接続性の組織応答を誘発し、骨格の劣化を抑制し、かつ/または骨格内への細胞の侵入を抑制する、比較的不活性の生体骨格材料を結果として生じさせる。架橋されていないECM骨格は、Dacronまたはポリテトラフルオロエチレンなどの非吸収性の架橋材料または合成骨格とは逆に、急速に吸収される傾向がある(Bell,「Tissue Engin」1:163(1995);Bell,In:「Tissue Engineering:Current Perspectives」,Burhauser Pub.pp.179−189(1993);Badylak他、「Tissue Engineering」4:379(1998);Gleeson他、「J.Urol.」148:1377(1992))。
本発明によると、隔離されたECMが、温血脊椎動物内への機器埋込みの部位での望ましくない後遺症を減少させるために有利に使用される。隔離されたECMの固体のシート、ストリップもしくはループ、または流体化されたまたは粉状の形態の隔離されたECMが、機器に付着および/または固定されてもよい。隔離されたECMのシートが、埋込み可能な機器に付着(接触)または接着(固定)される。粒子状の隔離されたECMが、埋込み可能な機器上に被覆されてもよく、かつ/またはゲル形態のECMが、埋込み可能な機器に付着され、次に被覆を形成するために凍結乾燥されてもよい。一実施形態では、シート形態のECMが、被覆された埋込み可能な機器を形成するために使用される。隔離されたECMが、機器にまたは他の隔離されたECM材料、他の生体骨格またはその他の材料に、固定突起(プラスチックまたは金属製のピンまたは縫合針)、接着剤、または当業者に公知の他の固定手段によって、付着または固定されてもよい。一実施形態では、隔離されたECMシートが、機器に縫合、またはそうでない場合は固定される。たとえば、隔離されたECMが、機器の周囲に巻き付けられ、残りの組織が縫合を介して集められ、かつ固定される。組織セグメントまたはシートが、たとえば、縫合、糊着、ステープリングまたは圧縮などの外科的に受け入れられている技術によって、機器の取付け前または取付け中に互いに取り付けられる。多層構造が、隔離されたECMの個々のストリップを重ね、かつストリップを互いに溶着させるために重なった部分に圧力を付加することによって形成されてもよい。一実施形態では、隔離されたECMの脱水を可能にする条件下で、重なったストリップに圧力が付加される。
細胞外基質の実施形態は、参照によって組み込まれる以下の同一出願人による関連出願に存在する主題を備える:2004年12月20日に出願された、第11/017,238号「Lead Electrode Incorporation Extracellular Matrix」、2004年12月20日に出願された、第11/017,432号「Implantable Medical Devices Comprising Isolated Extracellular Matrix」、2004年12月20日に出願された、第11/017,237号「Use of Extracellular Matrix and Electrical Therapy」、および2004年12月20日に出願された、第11/017,627号「Epicardial Patch Including Isolated Extracellular Matrix with Pacing Electrodes」。
細胞外基質による実施形態の一例は、第2の本体1510の外部の周囲に配置された細胞外基質を含む。様々な実施形態では、可変脈管外導線本体1512が、主導線本体1506を穿孔する。穿孔の後、組織を穿孔することが可能な組立体が、主本体を通って進められる。一例では、組立体は、プローブ1508と第2の本体1510を備える。様々な実施形態では、プローブ1508と第2の本体1510が脈管構造を穿孔し、かつ第2の本体を被覆している細胞外基質が、穿孔によって作成された組織開口と接触するまで進行する。様々な実施形態では、プローブがさらに進められ、IVC−LA脂肪パッド内へ電極を配置する。一例では、プローブ1508が、生理学的データを監視することが可能であり、かつIVC−LA脂肪パッド内に配置された神経細胞を電気的に刺激することがさらに可能な電極を備える。
様々な実施形態では、導線が、穿孔本体内腔1504の壁の他の部分と異なる強度の部分を備え、弱くされた弾性材料領域1514を作成する。弱くされた弾性材料領域1514は、操縦可能な脈管外導線本体1512が、主導線本体1506の穿孔本体内腔1504を通り抜けようとする試みを助けることができる。様々な実施形態では、弱くされた弾性材料の領域は、弱くされた弾性材料の領域の近傍の領域よりも少ない材料を有する、主導線本体1506の特殊な部分である。また、弱くされた弾性材料の領域は、様々な実施形態では、放射線不透過性のマーカーで描線されている。様々な放射線不透過性のマーカーは、本主題の範囲内にあり、導線内に含浸された蛍光透視材料を含む。放射線不透過性のマーカーは、様々な実施形態では、蛍光透視中に弱くされた弾性材料領域1514を見つけることを助ける。
図16Aは、本主題を実行するために適したマイクロプロセッサ・ベースの心臓機器のシステム図を示している。機器1602は、様々な心筋事象を感知するように構成され、かつ心房または心室の、または両方の複数の部位をペーシングすることができる、複数の感知チャネルとペーシング・チャネルを備える。たとえば、機器は、本主題の様々な実施形態での心房または心室の心臓再同期ペーシング用に構成されており、かつ追加の実施形態では、自律神経系に影響を与えるように、特に、副交感神経応答を誘発するように意図された、神経刺激を与えるための構成を備えている。また、機器は、心筋応力減少ペーシングのために有用である。たとえば、一実施形態では、1つまたは複数の心臓部位が、心筋の少なくとも1つの領域を前興奮させる方式で、感知されペーシングされる。
1つの例では、システムは、右心室を刺激するように構成された、第1の電極1610が一体化された第1の導線1611を備える。また、システムは、第2の電極1606と第3の電極1608が一体化された第2の導線1607を備え、第2の電極1606が、IVC−LA脂肪パッド1604内の神経線維を経脈管刺激するように構成されている。様々な実施形態では、第2の導線1607が、冠状静脈洞1605内に配置されている。いくつかの例では、第1の電極1610と第3の電極1608は、心臓再同期治療を行うのと一緒に使用される。
図16Bは、左心房1675、左心室1676、右心房1667、右心室1668、上大静脈1699、下大静脈1670、大動脈1671、右肺静脈1672、左肺静脈1677、右肺動脈1673、冠状静脈洞1605を示している。図16Bはまた、右心臓静脈の近傍に位置する心臓脂肪パッド1679を示し、かつ下大静脈と左心房の近くに位置する心臓脂肪パッド1604を示している。
図は、図16Aに関連する教示で議論されたような、第3の電極1608と第2の電極1606を備える、一体化された導線1607を示している。様々な実施形態では、導線は、心臓静脈1609内へ第3の電極1608を配置するようになっている。
図17Aは、本主題を実行するのに適したマイクロプロセッサ・ベースの心臓機器のシステム図を示している。機器1702は、様々な心筋事象を感知するように物理的に構成され、かつ心房または心室の、または両方の複数の部位をペーシングすることができる、複数の感知チャネルとペーシング・チャネルを備える。たとえば、機器は、本主題の様々な実施形態での心房または心室の心臓再同期ペーシングのために構成されており、かつ追加の実施形態では、自律神経系に影響を与えるように、特に、副交感神経応答を誘発するように意図された、神経刺激を与えるための構成を備えることができる。また、機器は、心筋応力減少ペーシングに対して有用である。たとえば、一実施形態では、1つまたは複数の心臓部位が、心筋の少なくとも1つの領域を前興奮させる方式で、感知され、ぺーシングされる。
1つの例では、システムは、右心室を刺激するように構成された、第1の電極1710が一体化された第1の導線1711を備える。また、システムは、第2の電極1706と第3の電極1708が一体化された第2の導線1707を備え、第2の電極1706が、脈管構造を穿孔し、かつIVC−LA脂肪パッド1704内の自立神経節を刺激するように構成されている。様々な実施形態では、第2の導線1707が、冠状静脈洞1705内に配置されている。いくつかの例では、第1の電極1710と第3の電極1708は、心臓再同期治療を行うのと一緒に使用される。
図17Bは、左心房1775、左心室1776、右心房1767、右心室1768、上大静脈1799、下大静脈1770、大動脈1771、右肺静脈1772、左肺静脈1777、右肺動脈1773、冠状静脈洞1705を示している。図17Bはまた、右心臓静脈の近傍に位置する心臓脂肪パッド1779を示し、かつ下大静脈と左心房の近くに位置する心臓脂肪パッド1704を示している。
図は、図17Aに関連する教示で議論されたような、第3の電極1708と第2の電極1706を備える、一体化された導線1707を追加的に示している。図の追加の教示は、心臓静脈内1709への第3の電極1708の配置を示している。
図18は、本主題の様々な実施形態による、神経刺激構成要素1837と心臓律動管理構成要素1838を有する図16Aで1602で示されているものなどの埋込み可能な医療機器1821を示している。図示された機器1821は、コントローラ1823とメモリ1824を備える。様々な実施形態によると、コントローラ1823は脂肪パッド刺激と心臓律動管理機能を行うための、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを備える。たとえば、本開示で議論されるプログラムされた治療適用例は、メモリ内で具現化され、かつプロセッサによって実行される、コンピュータ読取可能な指令として保存される。様々な実施形態によると、コントローラ1823は、迷走神経刺激を実施し、心臓再同期治療を含む心臓律動管理機能を実施し、さらに心筋ストレスの減少を促進することが可能な機能を実施するためにメモリ内に埋め込まれた指令を実行するプロセッサを備える。図示された機器1821は、プログラマまたは別の外部または内部機器との通信のための使用のための、トランシーバ1825やそれに付随する回路をさらに備える。
心臓律動管理治療セクション1838は、コントローラの制御下で、1つまたは複数の電極を使用して心臓を刺激するおよび/または心臓信号を感知するための構成要素を備える。機器は、心房または心室内の複数の部位を感知および/またはペーシングするように物理的に構成された複数の感知チャネルとペーシング・チャネルを備える。複数の感知/ペーシング・チャネルが、たとえば、両心室再同期治療を行い、神経刺激を与えるための1つの心房と2つの心室の感知/刺激チャネルを備えて構成されている。
心臓律動管理治療セクションは、心臓を刺激するために電極を介して電気信号を供給するための使用に供するパルス発生器1839を備え、かつ感知された心臓信号を検知し、処理するための感知回路1840をさらに備える。インターフェイス1841が、コントローラ1823とパルス発生器1839の間およびコントローラ1823と感知回路1840の間の通信に使用するために図示されている。3つの電極が、心臓律動管理治療の使用のための例として示されている。しかし、本主題は、特定の数の電極部位に限定されない。各電極は、それ自体のパルス発生器や感知回路を備えることができる。しかし、本主題はそれに限定されていない。パスル発生機能や感知機能は、複数の電極によって機能を多重化される。
神経刺激(「NS」)治療セクション1837は、コントローラの制御下で、心臓脂肪パッドを刺激するため、および/または神経活動に関連する自律神経系パラメータまたは血圧や呼吸などの自律神経系パラメータの代替物を感知するための構成要素を備える。インターフェイス1842が、自律神経系治療の使用のために図示されている。しかし、本主題は、特定の数のインターフェイスに、またはいかなる特定の刺激機能または感知機能にも限定されない。パルス発生器1843が、心臓脂肪パッドを刺激するために使用する電極に電気パルスを供給するために使用される。様々な実施形態によると、パルス発生器は、刺激パルスの振幅、刺激パルスの周波数、パルスのバースト周波数、パルスの形態を設定するための、およびいくつかの実施形態では変更するための回路を備える。パルスの形態は、方形波、三角波、正弦波、さらにはノイズまたは他の信号を模倣するための所望の同期成分を備える波などである。
感知回路1844は、神経活動、血圧、呼吸のセンサなどのセンサからの信号を検知し、処理するために使用される。インターフェイス1842は、コントローラ1823とパルス発生器1843の間およびコントローラ1823と感知回路1844の間の通信の使用のために示されている。各インターフェイスは、たとえば、別個の導線を制御するために使用される。神経刺激治療セクションの様々な実施形態は、心臓脂肪パッドを刺激するためのパルス発生器を備えるのみである。たとえば、神経刺激治療セクションは、治療を促進する副交感神経応答を供給する。
本主題の一態様は、自律神経反射を活動化するために副交感神経節を刺激することによって、心臓の不具合を最小化するように特に設計された永久的に埋め込まれる刺激システムに関する。副交感神経節は、たとえば、下大静脈や左心室の近傍に位置する脂肪パッド内に位置している。様々な実施形態では、システムはペースメーカー/除細動器または他の電気刺激システムに一体化されている。システムの構成要素は、高周波数パルス発生器、血圧または他の関連する生理学的パラメータを監視するためのセンサ、心臓脂肪パッドへ電気的刺激を付加するための導線、刺激を与える適切な時間を決定するためのアルゴリズム、表示や患者管理のためのデータを操作するためのアルゴリズムを備える。
様々な実施形態は、患者へ、副交換応答を促進する治療など、電気的に仲介された神経刺激治療を行うことを求めるシステムに関する。様々な実施形態は、「独立型」のパルス発生器を、IVC−LA脂肪パッドなどの心臓の近傍の迷走神経を直接刺激する最小侵襲性の単極導線に結合させる。この実施形態は、専門家のスキルがない一般的な医師が、それを埋込むことができるようになっている。様々な実施形態は、血圧を示すパラメータを感知することができる単純な埋込型システムを組み込んでいる。このシステムは、所望の生活の質を維持できるように治療出力(波形振幅、周波数など)を調節する。様々な実施形態では、埋込み型システムは、パルス発生機器を備え、かつ、刺激電極が経静脈埋込み技術(単数または複数)を使用して心外迷走神経組織の近くに配置される、導線システムを備える。
別の実施形態は、神経刺激治療を、心臓再同期治療などの他の治療と結合するシステムを備える。いくつかの実施形態は、機器ヘッダから発し、かつ修正された伝統的なパルス発生システムからペーシングされる追加の「脂肪パッド導線」を使用する。
図19は、本主題の一実施形態による、神経刺激治療と心臓再同期治療を実施するための方法1900を示している。様々な実施形態では、左心室電極を左心室の近傍に、および脂肪パッド電極を、下大静脈と左心房によって仕切られた脂肪パッドの近位に配置する1902。また、方法のいくつかの例は、右心室電極を右心室の近傍に配置するステップ1904を含む。また、様々な実施形態は、プログラム可能なコントローラを埋め込み、電極と接続するステップ1906を含む。追加の実施形態では、方法は、副交感神経応答刺激と一緒に心臓再同期治療を行うステップ1908を含む。
図20は、本主題の一実施形態による、本主題を実行するために適したマイクロプロセッサ・ベースの心臓機器のシステム図を示している。1つまたは複数の導線2004に接続された機器2002が、心臓再同期治療を行い、同時に、IVC−LA脂肪パッド内の副交換神経節の刺激を通じて副交感神経応答治療を行うために、従来の脈管方式で配置されずに、経剣状突起(transxiphoidal)プロセスで挿入されている刺激要素を使用して、患者の解剖学的構造の様々な箇所に接続される。たとえば、様々な実施形態は、第1の電極2012を右心室の近傍に配置し、経剣状突起プロセスを使用して埋め込まれる。追加の実施形態は、第2の電極2006を、経剣状突起プロセスを使用してIVC−LA脂肪パッドの近くに配置する。一実施形態は、経剣状突起プロセスを使用して、IVC−LA脂肪パッド内に部分的に第2の電極2006を配置した。また、様々な実施形態は、第3の電極2008を、経剣状突起プロセス配置手法を使用して患者の左心室の近傍配置する。
様々な実施形態では、経剣状突起プロセスによって、胸郭下、かつ横隔膜2010の上に電極を挿入して患者体内に電極を配置する。様々な実施形態では、1つまたは複数の電極が、目標部位の近傍に配置され、ねじ状の電極、または人体の部分を把持する電極を含む様々な方法を使用して、心筋と直接接続されるか、または心外膜と接続されるかのいずれかである。
これらの教示で議論された電極の配置に対する経剣状突起アプローチが、いくつかのサイズの制約を除去する。たとえば、経剣状突起導線が、組織を通る導線を方向付けるために有用である、1つまたは複数の可変ケーブルを備えることができる。また、経剣状突起アプローチが、経静脈アプローチによって展開されることが通常できない様々なタイプの電極の使用を可能にする。
経胸腔アプローチも使用される。たとえば、図21Aから21Bは、本主題の様々な実施形態に従って、経胸腔プロセスで1つまたは複数の電極を展開するために有用な様々な装置を示している。
図21Aは、本主題の一実施形態に従って、経胸腔プロセスで1つまたは複数の電極を展開するために使用されるツールを示している。ツールは、様々な実施形態では、てこ作用を提供するように構成された把持可能な部分2102を備える。様々な実施形態では、把持可能な部分2102を保持することによって、細長いロッド2104を経胸腔方式で患者に挿入することができる。様々な実施形態では、ツールは、電極を操作し、展開するように構成されたチップ2106を備える。
図21Bは、本主題の一実施形態による、電極を操作し、展開するように構成されたチップの実施形態上に示している。様々な実施形態では、チップ2106は、1つまたは複数の電極2116を担持し、かつ1つまたは複数の電極2116を、患者生理学の様々な態様に対して選択的な方式で展開するように構成されている。様々な実施形態では、1つまたは複数の電極2116が、埋込み可能なプログラム可能なパルス発生器との接続のための導線2110と接続される。たとえば、一実施形態では、1つまたは複数の電極2116電極が、展開され、IVC−LA脂肪パッドと固定される。
チップ2106と基板2114が、様々な実施形態では、1つまたは複数の電極を配置するように構成されている。一実施形態では、チップ2106が、機械的バイアスを制御するために、基板2114を担持するように構成されている。たとえば、一実施形態では、チップ2106が、基板2114が対合される開口2112を備える。基板2114が開口2112から送り出されるとき、機械的バイアスが、様々な実施形態で、基板2114をカールさせる。基板2114がカールし始めると、IVC−LA脂肪パッドなどの患者の生理機能に固定する。
他の電極実施形態や電極固定具も、経胸腔展開に適しており、かつ本主題の範囲内にあることに注意されたい。
様々な実施形態では、基板2114が、複数の電極のための担体である。たとえば、一実施形態は、3つの電極を備える。この例では、様々な電極2116が、神経刺激の効率を改善するための機器動作を調節するために有用である。たとえば、電極2116に送られる様々なエネルギーレベルの組合せが、神経捕捉を改善し、エネルギー要求を減少させる。
また、様々な実施形態では、ツールが、患者に電気導線2110を配置するように構成されている。一例では、ツールは、導線を保持し、かつ患者の人体の所望の部分へ導線を展開するように構成された、担持装置2108を備える。
図21Cは、展開された導線2110と展開された電極基板2114の一例を示している。様々な実施形態では、電極基板が患者の人体の面を把持してもよい。ある例は、静脈2120を把持するが、患者生理学の他の態様も本主題の教示に適合し、本議論は、排他的なものの網羅的なものとして解釈されるべきではない。
これらの実施形態によるシステムは、部分的に成功する処理戦略を議論するために使用される。一例として、望ましくない副作用が、いくつかの薬剤の使用を制限することがある。これらの実施形態によるシステムの薬剤実施量の減少との組合せは特に有益である。
図22は、本主題の一実施形態による、神経刺激治療と心臓再同期治療を提供するための方法2200を示している。様々な実施形態では、方法は、左心室の近傍に左心室電極を配置するステップ2202を含む。また、方法は、冠状静脈洞2204によって形成された空間の外側へ脂肪パッド電極を方向付けるステップを含む。また、方法は、下大静脈と左心房によって仕切られた脂肪パッドの近くに脂肪パッド電極を配置するステップを含む2206。また、方法のいくつかの例は、右心室の近傍に右心房電極を配置するステップ2208を含む。また、様々な実施形態は、プログラム可能なコントローラによって電気パルスの送信を制御するステップを含む2210。追加の実施形態では、方法は、副交換応答刺激と一緒に心臓再同期治療を行うステップ2212を含む。
このようにして、様々な実施形態によると、導線(単数または複数)と導線上の電極(単数または複数)が、電極が、パルス、および心臓からの感知信号を正確に送信することを可能にする方式で心臓に対して、および副交感神経応答を刺激するために迷走神経に対して物理的に配置される。いくつかの導線、および導線ごとにいくつかの電極があるため、構成は、特定の電極または複数の電極を使用するようにプログラムされる。様々な実施形態によると、副交感神経応答が、IVC−LA脂肪パッド内に位置する自律神経節を刺激することによって刺激される。
本主題は、選択的な神経刺激と、選択的な心臓律動管理機能のうちの一方または両方を実施するのに適している。いくつかの実施形態では、神経刺激治療が、副交感神経応答を促進する治療を提供する。これらのプロセスは、たとえば、メモリ内に埋め込まれたコンピュータ読取可能な指令を実行するプロセッサによって行われる。これらの治療は、いくつかの適用例を含み、これらの適用例は、そのうちのいくつかがこれらの教示で特定され、議論される様々なプロセスや機能を有する。これらの治療のプロセスと機能は、本主題のいくつかの実施形態が、特定されたプロセスと機能の2つ以上の組合せを含むため、必ずしも相互に排他的ではない。
本明細書で示され、かつ説明されたモジュールおよび他の回路が、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアの組合せを使用して実装されることを、当業者なら理解されよう。このようにして、モジュールという用語は、ソフトウェア実装、ハードウェア実装、ソフトウェア・ハードウェア実装を包含するように意図されている。
本開示に示された方法は、本主題の範囲内の他の方法に対して排他的であるように意図されていない。他の方法が本主題の範囲内にあることは、本開示を読みかつ理解すれば、当業者なら理解されよう。上記で特定された実施形態、および例示された実施形態の一部分は、必ずしも相互に排他的ではない。これらの実施形態、またはそれらの一部分は、様々な実施形態と組み合わせられる。たとえば、様々な実施形態は、例示されたプロセスの2つ以上を組み合わせている。2つ以上の感知されたパラメータが、所望の神経刺激、およびいくつかの実施形態では、副交感神経応答を促進する治療を提供するために使用される複合パラメータに結合される。
様々な実施形態では、上記で提供された方法が、プロセッサによって実行されるときにプロセッサに各方法を行わせる一連の指示を表す、搬送波または伝搬される信号内に埋め込まれたコンピュータ・データ信号として実施される。様々な実施形態では、上記で提供された方法は、各方法を行うようにプロセッサに命令することが可能なコンピュータ・アクセス可能な媒体上に含まれる1組の指示として実施される。様々な実施形態では、媒体は磁気媒体、電子媒体、または光媒体である。
特定の実施形態が、本明細書で図示および説明されてきたが、同じ目的を達成するために計算されるいずれかの構成が、ここに示された特定の実施形態を代替することができることを、当業者なら理解されよう。この適用例は、本主題の適応または変形をカバーするように意図されている。上記の説明は例示的であることを意図されており、限定的ではないことを理解されたい。上記の実施形態の組合せならびに他の実施形態での上記の実施形態の部分の組合せは、上記の説明を読めば当業者なら理解されよう。本主題の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、このような特許請求の範囲が権利を与えられた等価物の全範囲とともに定義されるべきである。
心臓に関する本主題の実施形態を示す図である。 心臓に関する本主題の実施形態を示す図である。 心臓に関する本主題の実施形態を示す図である。 心臓に関する本主題の実施形態を示す図である。 心臓に関する本主題の実施形態を示す図である。 マルチ・サイト刺激と感知用に構成された心臓機器のシステム図である。 神経刺激のためのRF制御されたサテライト・ユニットを備える埋込み可能な機器の実施形態である。 ARTおよびRCTの強度が、個別に時間変化する可能性のある方法の例を示す図である。 ARTおよびRCTの強度が、個別に時間変化する可能性のある方法の例を示す図である。 ARTおよびRCTの強度が、個別に時間変化する可能性のある方法の例を示す図である。 ARTおよびRCTの強度が、個別に時間変化する可能性のある方法の例を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激および心室刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激および心室刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激および心室刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、経脈管刺激のための導線を備える導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、経脈管刺激のための導線を備える導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された少なくとも1つのリング電極と、心室刺激を与えるように構成されたチップ電極とを備える導線を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与えるように構成された少なくとも1つのリング電極と、心室刺激を与えるように構成されたチップ電極とを備える導線を示す図である。 本主題の一実施形態による、導線の部分断面を含む透視図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激および心臓再同期治療を行うように構成された機器を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激および心臓再同期治療を行うように構成された機器の部分的に隠された図である。 本主題の様々な実施形態による、脈管構造を穿孔するように構成された機器を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、神経刺激を与え、脈管構造を穿孔するように構成された機器の部分的に隠された図である。 本主題の一実施形態による、埋込み可能な医療機器のブロック図である。 本主題の一実施形態による、神経刺激治療および心臓再同期治療を提供するための方法を示す図である。 本主題の一実施形態による、経剣状突起で配置された導線を備えるシステムを示す図である。 本主題の様々な実施形態による、経胸腔プロセスで1つまたは複数の電極を展開するために有用な装置を示す図である。 本主題の様々な実施形態による、経胸腔プロセスで1つまたは複数の電極を展開するために有用な装置を示す図である。 本主題の一実施形態による、血管の近傍に配置された電極を示す図である。 本主題の一実施形態による、心室壁応力の減少のために副交感神経応答治療と一緒に心臓再同期治療を行うための方法を示す図である。

Claims (20)

  1. 機器との接続のために構成された近位の部分と、冠状静脈洞内への配置のために構成された遠位の部分とを有する主導線組立体であって、前記遠位の部分が、左心室の近傍への配置のための遠端部を終点とする、主導線組立体と、
    前記遠端部に配置された左心室電極であって、心室壁応力を減少させるために心臓再同期治療を行うように構成されている左心室電極と、
    下大静脈と左心房によって仕切られた脂肪パッド内に位置する副交感神経節の近傍に配置するために、前記遠端部からある距離で前記主導線組立体に沿って配置された脂肪パッド電極であって、心室壁応力を減少させるために前記副交感神経節を刺激するように構成されている脂肪パッド電極と
    を備える装置。
  2. 前記主導線組立体が、前記主導線組立体の近位の部分から、前記主導線組立体の遠端部に向かって延びる主導線本体を備え、前記主導線本体が、少なくとも2つの内腔を設けており、前記少なくとも2つの内腔のうちの一方が第2の導線本体を受けるように構成されている請求項1に記載の装置。
  3. 前記主導線組立体が、前記主導線組立体の近位の部分から、前記主導線組立体の遠端部に向かって延びる主導線本体を備え、前記主導線本体が、少なくとも2つの内腔を設けており、前記少なくとも2つの内腔のうちの一方がスタイレットを受けるように構成されている請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記主導線組立体が、前記主導線組立体の近位の部分から、前記主導線組立体の遠端部に向かって延びる主導線本体を備え、前記主導線本体が、少なくとも2つの内腔を設けており、前記少なくとも2つの内腔のうちの一方がガイド・ワイヤを受けるように構成されている請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記主導線組立体が、
    前記主導線組立体の近位の部分から、前記主導線組立体の遠端部に向かって前記脂肪パッド電極を超える位置まで延び、かつ前記脂肪パッド電極と接続された主導線本体であって、近位の部分から延びて開口内を終点とする主導線本体内腔を設けており、前記開口が、前記脂肪パッド電極に対して遠位の位置に配置されている主導線本体と、
    前記左心室電極と接続され、かつ近い部分と遠い部分を有する第2の導線本体であって、前記主導線本体内腔内に配置され、前記近い部分が、前記主導線本体の前記近位の部分に配置され、前記遠い部分が、前記脂肪パッド電極に対して遠位の位置に配置された前記開口を過ぎて延びている第2の導線本体と
    を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記第2の導線本体が、第2の導線本体内腔を前記第2の導線本体内に設けている請求項5に記載の装置。
  7. 前記第2の導線本体内腔が、滑動自在なワイヤの通路とされている請求項6に記載の装置。
  8. 前記脂肪パッド電極が、前記主導線本体と少なくとも部分的に外接する少なくとも1つの導電性のバンドを備える請求項5から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 各導電性のバンドに対して、絶縁された導体が、前記主導線本体内に配置され、かつ前記導電性のバンドと接続されており、前記絶縁された導体が、前記主導線本体の近位の部分へ延びている請求項8に記載の装置。
  10. 前記主導線組立体が、前記脂肪パッド電極に近接する螺旋形状のバイアスに当接する脈管壁を備える請求項9に記載の装置。
  11. 前記螺旋形状のバイアスに当接する脈管壁が、前記主導線本体内のワイヤ・コイル内に所定の屈曲部を備える請求項10に記載の装置。
  12. 前記螺旋形状のバイアスに当接する脈管壁が、前記主導線本体内の絶縁体内に所定の屈曲部を備える請求項9から11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 心臓治療システムと接続され、前記心臓治療システムが、前記近位の部分で前記主導線組立体と接続されたプログラム可能なパルス発生器を備え、前記心臓治療システムが、前記プログラム可能なパルス発生器と接続された第2の導線を備え、前記第2の導線が、右心房を通って右心室内へ配置されるようなサイズにされており、前記第2の導線が、心室壁応力を減少させるために心臓再同期治療を行うように構成されている請求項1に記載の装置。
  14. 前記主導線組立体は、近位の部分と遠位の部分を有し、かつ前記主導線組立体に沿って延びる穿孔本体内腔を設けており、
    装置は、更に、前記穿孔本体内腔内に滑動自在に配置された、操縦可能な脈管外導線本体を有し、前記操縦可能な脈管外導線本体は、前記主導線組立体の前記近位の部分に配置された近い部分と、下大静脈と左心房によって仕切られた脂肪パッドの近傍に配置されるように前記穿孔本体内腔に沿ってある距離だけ延びる遠い部分とを有し、前記主導線組立体を穿孔するように構成され、
    前記脂肪パッド電極は、前記遠い部分で前記操縦可能な脈管外導線本体に接続され、前記下大静脈と前記左心房によって仕切られた前記脂肪パッド内に位置する副交感神経節を刺激するように構成される、請求項1に記載の装置。
  15. 前記主導線組立体が、弾性材料で構成された領域と弱くされた弾性材料の領域を備え、前記弱くされた弾性材料の領域が、前記操縦可能な脈管外導線本体の前記遠い部分に隣接して配置される請求項14に記載の装置。
  16. 前記操縦可能な脈管外導線本体の前記遠い部分が、前記穿孔本体内腔内に配置される第1の位置、および前記操縦可能な脈管外導線の前記遠い部分が、前記弱くされた弾性材料の領域の近傍の穿孔された部分を通って配置される第2の位置を有する請求項15に記載の装置。
  17. 前記弱くされた弾性材料の領域が、少なくとも1つの放射線不透過性のマーキングを有する請求項15又は16に記載の装置。
  18. 前記操縦可能な脈管外導線本体が、細胞外基質を備える請求項14から17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記細胞外基質が、前記細胞外基質を穿孔された脈管壁の近傍に配置するために、前記遠い部分で前記操縦可能な脈管外導線本体に沿って配置されている請求項18に記載の装置。
  20. 前記脂肪パッド電極が、導電性の組織穿刺チップを備える請求項14から19のいずれか1項に記載の装置。
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