JP5027046B2 - 木質板 - Google Patents

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Description

本発明は、床材やカウンター、扉等の住宅用建材に用いられる木質板に関するものである。
近年の本物志向、自然志向、健康志向の高まりから、自然感や素材感のある住宅用建材が求められている。木材は木目の美しさや手触りの良さ、適度な強度、加工性の良さ等から突き板貼りや無垢材として建具や家具用に古来から広く使われてきた。しかし、汚れがつきやすい、傷がつきやすい、割れやすい、磨耗しやすい等といった問題があるため、これらを解消するために表面に厚い塗膜を作ることが考えられるが、この場合には木質感が損なわれる等、外観が犠牲になるという問題があった。
木質感を損なう原因となる表面の厚い塗膜の形成を避けるためには、従来から、木材に樹脂を含浸させることが広く一般に行われてきている。古くでは、密閉容器の中に木材を入れ、減圧状態にした後、樹脂を注入し、加圧することにより木材内部に樹脂を含浸させることが行われてきたが、このような方式では、下記に示すような問題があった。
(1)密閉可能な含浸設備で、減圧・加圧により樹脂を含浸させるために処理方法がバッチ式となり、連続生産方式と比べて処理時間がかかる。
(2)長さ2〜4m程度の床材やカウンタ材を処理するために直径2m、長さ5m程度の容量の大型設備が必要であり、小ロットの生産には不向きである。
(3)木材を樹脂に浸漬させて含浸処理を行うため、樹脂が木材内部で硬化するときに、木材表面に付着した樹脂も硬化して樹脂硬化物ができて、その除去に時間がかかる。
(4)木材の組織は均一でないため、木材全体を浸漬処理すると樹脂の含浸ばらつきが生じやすい。樹脂の含浸ばらつきがあると、樹脂は硬化収縮するために木材に反りや割れ等が発生する。また樹脂が内部まで多量に入り込むと、樹脂感が生じて木質感が損なわれる。
そこで近年では、このような点に鑑みて、現行の塗装設備を活用した連続生産方式での樹脂含浸も見られる。例えば、樹脂を低粘度化、低分子化して、もっとも性能が求められる表層部分のみを含浸処理しようとする狙いであり、表面に厚い塗膜を作らずに、木質感と耐薬品性や耐汚染性性等の塗膜性能を両立させるこのような手法は有効であると考えられる(例えば特許文献1〜2参照)。
しかしながら、このように樹脂を低粘度化、低分子化して木材表層に含浸させるだけでは、木材細胞を完全に覆うことはできず、実際上、バスやキッチン用に使用されるアルカリ性の漂白剤を木材表面に垂らして耐薬品性の試験をすると、特に道管部分において、樹脂で完全に覆われていない木材細胞の部分が変色、白化してしまうという問題点があった。そこで木材細胞が完全に覆われるようにするために上記樹脂を多量に含浸、塗布すると、木材表面の道管部分等の凹部内に樹脂が充填され、木質感が損なわれてしまうという問題点があった。
ところで、特許文献3では平均分子量1600以上15000以下の紫外線硬化型樹脂を用いた水性着色塗料を開示している。このような平均分子量の紫外線硬化型樹脂を用いるのはタックフリーで乾燥硬化させるためであり、木材表面の道管部分を保護することは記載されておらず、むしろ木材表面の道管部分の凹部内に充填することが記載されている。この水性着色塗料は着色層とクリヤ層との密着性を向上させることを目的とするものであり、良質な木質感を現出する塗膜を形成する本発明とは本質的に異なるものである。
特開2006−152142号公報 特開2002−146270号公報 特開2004−339500号公報
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、良質な木質感を現出する塗膜が形成され、しかも良好な塗膜物性を有する木質板を提供することを課題としている。
本発明の木質板は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴とする。
第1には、木質基材表面に、平均分子量1万以上の高分子樹脂の、厚さ5〜50μmの薄膜保護層が形成され、その上に低粘度の樹脂が塗布されて硬化されてなる塗膜層が形成されている。
第2には、第1の発明において、低粘度の樹脂が、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含む。
第3には、第1の発明または第2の発明において、薄膜保護層に着色顔料が含有されている。
第4には、第1の発明から第3の発明のいずれかの発明において、木質基材表面にうづくり加工が施されている。
第1の発明によれば、木質基材表面に、平均分子量1万以上の高分子樹脂の、厚さ5〜50μmの薄膜保護層が形成され、その上に低粘度の樹脂が塗布されて硬化されてなる塗膜層が形成されていることにより、従来の問題点を解消し、自然感や素材感のある良質な木質感の現出が可能とされ、しかも、良好な耐薬品性および耐汚染性を実現することができる。
低粘度の樹脂がフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含む第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂の撥水効果により、薬品や汚れ物質をはじくような現象がみられ、より一層汚れにくさや拭き取り除去容易性等の効果が期待できる。
薄膜保護層に着色顔料が含有されている第3の発明によれば、上記第1の発明および第2の発明の効果に加え、木質板の意匠性をより効果的に高めることができる。
木質基材表面にうづくり加工が施されている第4の発明によれば、上記第1の発明から第3の発明の効果に加え、木質基材表面の凹凸感が強調されるため、木質感をさらに高めることができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る木質板の断面概要図である。
本実施形態に係る木質板は、図1に示すように、表面に道管8による凹部が形成された木質基材1表面に高分子樹脂の薄膜保護層3が形成され、その上に低粘度の樹脂が塗布されて硬化されてなる塗膜層4が形成されている。
上記木質基材1の表面に形成される薄膜保護層3は、平均分子量1万以上、望ましくは10万〜100万の高分子樹脂が硬化して形成され、厚さ5〜50μm、望ましくは10〜30μmの範囲の樹脂の皮膜である。このような高分子樹脂は木質基材1にほとんど含浸されずに皮膜として薄膜保護層3が形成される。この薄膜保護層3の形成に際しては、前記高分子樹脂を水やトルエン、キシレン、アルコール等の有機溶剤等の溶媒に希釈したものを用いることが望ましい。特に、溶媒として水を用いた場合、木材細胞を膨潤させることができ、これにより高分子樹脂が木質基材1に浸透しにくくなって薄膜が形成されやすくなるので好ましい。水や有機溶剤等の溶媒で希釈された高分子樹脂液を木質基材1表面に塗布すると、水や有機溶剤の揮発により皮膜の乾燥速度が適宜に調整される。このため、皮膜の即時乾燥を抑え、これにより肉持ち感(こってりと厚く塗装した感じ)がなく、かつ欠損が少なく厚みが略均一な安定した皮膜をつくることができる。このようにして木質基材1の表面に薄膜保護層3が形成されることで、この上から塗布される低粘度の樹脂が木質基材1に浸透しにくくなり、薄くても安定した塗膜が形成される。これにより、良質な木質感が現出され、しかも、耐薬品性や耐汚染性が向上したものとすることができる。
このような高分子樹脂液としては、例えば、固形分濃度10〜50%程度の水性ウレタン系やアクリル系等のエマルジョンやディスパージョンを挙げることができ、これを塗布量3〜8g/尺程度を目安として塗布することができる。水性のエマルジョンやディスパージョンとすることで、平均分子量が大きくなっても粘度があまり上がらないため、塗布しにくくなることはない。このような水性のエマルジョンやディスパージョンは1液型のものでも2液型のものでもよい。1液型の場合には、水が蒸発することで分子同士が融着して硬化する。2液型の場合にはイソシアネートを硬化剤として用い、このイソシアネートが高分子の間を埋めるように架橋して硬化する。2液化により、ポットライフの問題は生じるが、より薬品性に優れた強靭な皮膜を形成することができる。またイソシアネートがあることで木材の水酸基と結びついて密着性が向上し、さらにこの皮膜の上に塗布される低粘度の樹脂中に水酸基があれば、これと結びついて密着性が向上する。木質基材1への塗布方法については、生産性を考慮するとロールコーター、木質基材1表面の凹部(道管8部)にも効果的に塗布することを考慮するとスポンジロールコーターを用いることが好ましい。高分子樹脂液における溶媒としては、水の方が木材細胞を膨潤させるため樹脂が浸透しにくく皮膜を形成しやすいので望ましい。さらに、環境面の見地からも水の方が望ましい。
本実施形態では、この水性ウレタン系やアクリル系等のエマルジョンやディスパージョンに着色顔料を添加してもよい。通常、木質建材は意匠性を高めるために着色が行われているが、本実施形態において、薄膜保護層3となる高分子樹脂液に着色顔料を添加することで、薄膜保護層3の形成と着色処理の両方を一工程で済ませることができ、生産性を向上させることができる。
本実施形態では、この薄膜保護層3の上に低粘度の樹脂が塗布されて塗膜層4が形成されている。薄膜保護層3が存在することで、薄膜保護層3の上に塗布される低粘度の樹脂が木質基材1に浸透しにくくなり、樹脂の塗布量が少なくても安定した塗膜層4を薄膜保護層3の上につくることができる。薄膜保護層3の上に塗布される低粘度の樹脂における「低粘度」とは、塗工時の粘度で、例えば、25℃で2000mPa・s以下のものを指す。下限値は特に制限されないが、樹脂であることを考慮すると実際上、10mPa・s程度である。粘度が2000mPa・sより高いと木質基材1表面の凹部を埋めてしまうことになり、木質感が損なわれてしまう場合があるので好ましくない。なお、粘度2000mPa・s以下(25℃)とするために、一般的には溶剤等で希釈された樹脂液が調製されてもよい。また木質基材1や樹脂を加温することにより、粘度を下げることもできる。
ここで用いられる低粘度の樹脂としては、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含むものが望ましい。薄膜保護層3の上にこのような樹脂を塗布することで、撥水効果を示すパーフルオロアルキル基やアルコキシル基が表面に傾斜配向し、より高度な耐薬品性や耐汚染性を発現することができる。逆に薄膜保護層3がなければ、木質基材1は多孔質な構造のため、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂が木質基材1に浸透してしまい、パーフルオロアルキル基やアルコキシル基が傾斜配向できないため、耐薬品性や耐汚染性が不十分になる。このような樹脂は、例えば、固形分濃度10〜40%でロールコーターやスプレーコーター等で、3〜10g/尺程度塗布することができる。薄膜保護層3との密着性を高めるためにイソシアネートを例えば重量比で1〜10%、好ましくは3〜5%の範囲で添加することもできる。
この他に用いられる樹脂としては、生産性を考慮すると、紫外線(UV)で硬化する樹脂が挙げられる。例えば、ウレタン系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ポリエーテル系アクリレート等のオリゴマーを主体とした樹脂が挙げられる。3〜5官能の多官能タイプとすることで高架橋の緻密な塗膜を形成できる。このような樹脂は、例えば、固形分濃度50〜100%で、塗布量1〜3g/尺程度を目安としてロールコーター等で塗布することができる。薄膜保護層3が形成されていない場合、木質基材1の表面に安定した塗膜層4を形成するためには、例えば、固形分濃度50〜100%で、少なくとも塗布量6g/尺程度以上が必要であった。この場合、塗膜層4が厚くなり肉持ち感が出てしまい、木質感が損なわれてしまう。本実施形態は、薄膜保護層3が形成されていることで、上記した固形分濃度50〜100%で塗布量1〜3g/尺のように、樹脂の塗布量が従来よりも少なくても、安定した塗膜層4を形成することができるのである。しかも、このような塗布量の範囲では木質感が損なわれることはない。さらに、UV硬化の緻密な塗膜であるため、耐引っ掻き性の物性も向上させることができる。
本実施形態では、さらにこの塗膜層4の上に、ロールコーター等で上塗り塗装を施すことができる。これにより、塗膜層4の表面に上塗り塗料の塗膜5が形成される。上塗り塗装に用いる上塗り塗料としては、上記塗膜層4の形成に用いた樹脂と同様の低粘度のものが好ましいが、特に制限されるものではない。例えば、耐薬品性や耐汚染性を向上させるために、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含む樹脂を塗布してもよい。さらには環境面や生産性を考慮して、無溶剤のUV硬化型塗料を用いてもよい。低粘度の樹脂として、高架橋の緻密なUV硬化型の樹脂を用い、上塗り塗料として、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含む樹脂を塗布することで、耐引っ掻き性に加えて耐薬品性、耐汚染性を向上させることができる。上塗り塗料の塗布に際しては、道管8部を埋めてしまうことなく、艶消し仕上げをすることで自然感のある木質板が得られる。さらに、上塗り塗装を施すことにより防汚染の効果も期待できる。
本実施形態における木質基材1は、MDFや合板あるいはその表面に突き板を貼り合わせたものを例示することができる。例えば、厚さ12mmの合板表面に、厚さ0.2mmのオーク突き板2を接着剤にて貼り合わせ、砥粒粉の入ったナイロンブラシにてうづくり加工をする。ここで、うづくり加工とは以下のとおりのものである。すなわち、ススキの根を乾燥させて束ね、ひもで固く巻いた用具を「うづくり」というが、これで木材の表面を擦ると、比重の小さい早材部は削られるが、比重の大きな晩材部はほとんど削られないため、表面に凹凸が形成される。このような加工法をうづくり加工といい、実際には上記のようにポリアミド系樹脂(ナイロン)ブラシ、ワイヤブラシ等でブラッシングをする方法で行われる。合板に貼り合わされる突き板としては、広葉樹や針葉樹の種類を問わないが、オーク、ナラ、タモ、ケヤキ等の道管の際立った環孔材が望ましい。うづくり加工により、道管部が深く削られるため、より凹凸が鮮明になり、0.2mm厚さ程度の突き板でも立体感が出てくる。また、突き板の割れ防止やキャスター等による凹み防止のために、合板をクロス合板にしたり、MDFのような強化層を挿入してもよい。
図2は、別の実施形態に係る木質板の断面概要図である。なお、図1に示した部分と同一の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態では、薄膜保護層3を形成する水性ウレタン系やアクリル系等のエマルジョンやディスパージョンを塗布する前に、木質基材1の機械的強度(引っ掻き性や磨耗性)を上げるために、木質基材1の表面近傍に低粘度の樹脂を含浸、硬化させることが望ましい。例えば、木質基材1が、合板とその表面に突き板を貼り合わせたものを用いた場合、突き板の表面から低粘度の樹脂を含浸させ、硬化させることにより、その表面近傍に樹脂の含浸硬化層6が形成されて木質基材1の突き板部分の機械的強度を上げることができる。ここで用いられる樹脂としては、薄膜保護層3を形成した後に塗布する、塗膜層形成のために用いた樹脂よりもさらに低粘度、例えば100mPa・s(25℃)以下の樹脂または低分子量の樹脂を含浸させることで、表面に厚い塗膜を形成しなくても、機械的強度を向上させることができる。
<実施例1>
厚さ12mmの合板表面に、厚さ0.2mmのオーク突き板を酢酸ビニル系接着剤を用いて、熱圧プレスにて貼り合わせて木質基材を得た。木質感を強調するために、木質基材の表面を砥粒粉の入ったナイロンブラシでブラッシングして、うづくり加工をした。
次いで、木質基材表面に、水で希釈した2液型の水性高分子系ウレタン樹脂(フレッシュアクア SP100 2K、キャピタルペイント(株)製、固形分28%、平均分子量50万〜60万)に着色剤を添加し、ロールコーターを用いて、6g/尺塗布した後、IR乾燥により水分を揮発させた。
さらに、溶剤希釈したUV硬化型樹脂(UVサンディングA、キャピタルペイント(株)製、固形分83%、溶剤希釈した状態で約150mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、2g/尺塗布し、溶剤を揮発させた後、UV照射により塗膜を硬化させ、表面を#400研磨紙にて研磨した。
次いで、上塗り塗料として、無溶剤のUV硬化型塗料(オーレックス450FCつや消し、中国塗料(株)、約1500mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、0.7g/尺塗布し、木質板を作製した。
<実施例2>
実施例1において、水性高分子樹脂からなる薄膜保護層を、2液型の水性高分子系ウレタン樹脂から1液型のウレタン樹脂(平均分子量50万〜60万)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<実施例3>
実施例1において、水性高分子樹脂からなる薄膜保護層を、2液型の水性高分子系ウレタン樹脂から2液型のアクリル樹脂(ワンダーハイブリッド ロール用、キャピタルペイント(株)製、固形分37%、平均分子量20万〜30万)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<実施例4>
実施例1において、溶剤希釈したUV硬化型樹脂に代えて、イソシアネートを5%配合したフッ素系樹脂(固形分20%、溶剤希釈した状態で約15mPa・s(25℃))を5g/尺塗布して常温で乾燥硬化させることと#400研磨紙での表面研磨や上塗り塗料を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<実施例5>
実施例1において、溶剤希釈したUV硬化型樹脂に代えて、イソシアネートを5%配合したシリコーン系樹脂(固形分20%、溶剤希釈した状態で約15mPa・s(25℃))を5g/尺塗布して常温で乾燥硬化させることと#400研磨紙での表面研磨や上塗り塗料を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<実施例6>
実施例1において、上塗り塗料を、イソシアネートを5%配合したフッ素系樹脂(固形分20%、溶剤希釈した状態で約15mPa・s(25℃))にして5g/尺塗布し、常温で乾燥硬化させること以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<実施例7>
実施例1において、水性高分子樹脂からなる薄膜保護層を形成する前に、突き板部を強化する目的で、溶剤で希釈した含浸性のシーラー(UVシーラー、キャピタルペイント(株)製、固形分67%、溶剤希釈した状態で約90mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、2g/尺塗布し、溶剤を揮発させた後、UV照射により塗膜を硬化させ、#320研磨紙で研磨すること以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<比較例1>
実施例1において、2液型の水性高分子系ウレタン樹脂を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして、木質板を作製した。
<比較例2>
実施例1と同様にしてうづくり加工した木質基材を作製した。
次いで、溶剤で希釈した含浸性のシーラー(UVシーラー、キャピタルペイント(株)製、固形分67%、溶剤希釈した状態で約90mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、2g/尺塗布し、溶剤を揮発させた後、UV照射により塗膜を硬化させ、表面を#320研磨紙で研磨した。
次いで、溶剤で希釈したUV硬化型樹脂(UVサンディングA、キャピタルペイント(株)製、固形分83%、溶剤希釈した状態で約150mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、4g/尺塗布し、溶剤を揮発させた後、UV照射により塗膜を硬化させ、表面を#400研磨紙にて研磨した。
次いで、上塗り塗料として、無溶剤のUV硬化型塗料(オーレックス450FCつや消し、中国塗料(株)、約1500mPa・s(25℃))をロールコーターを用いて、0.7g/尺塗布し、木質板を作製した。
<評価>
実施例1〜7、比較例1〜2で製造した木質板について、外観評価、耐汚染性試験、耐引っ掻き性試験、耐薬品性試験を行った。なお、実施例4〜5の耐引っ掻き性試験は未実施である。
外観評価:各木質板の表面を目視で観察し、道管が残り、木質感があるものを「○」、道管が埋まってしまい、木質感が喪失されているものを「×」として評価した。
耐汚染性試験:家庭用の調味料(醤油、ソース、マヨネーズ、サラダ油、ケチャップ)や飲料(コーヒー、紅茶)およびインク等の汚染物質を脱脂綿に染み込ませ、それを各木質板の表面に置き、時計皿をかぶせて24時間後の表面状態を観察した。評価に用いた全ての汚染物質で変色や着色、膨れ、割れ等の異常がなく、さらに一部の汚染物質をはじく効果がみられ、拭き取りが容易な場合には「◎」、評価に用いた全ての汚染物質で変色や着色、膨れ、割れ等の異常がない場合には「○」、一部の汚染物質で異常がみられた場合には「△」として評価した。
耐引っ掻き性試験:コイン(新品の10円玉)を2枚傾けて取り付けた専用治具を用い、この専用治具に荷重をかけてコインのエッジ部分で各木質板の表面を引っ掻き、表面に傷や白化が出たときの荷重を測定し、その測定荷重が5.5kg以上のものを「○」、5.5kg未満のものを「×」として評価した。なお、測定荷重が大きければ大きいほど耐引っ掻き性が優れる。
耐薬品性試験:酸性、アルカリ性、中性等の各種家庭用洗剤を脱脂綿に染み込ませ、それを各木質板の表面に置き、時計皿をかぶせて24時間後の表面状態を観察した。評価に用いた全ての家庭用洗剤について、変色や着色、膨れ、割れ等の異常がない場合には「○」、一部の家庭用洗剤について異常が見られたり、表面状態の一部に異常が見られる場合には「△」、全てに異常がある場合には「×」として評価した。
その結果を表1に示した。
Figure 0005027046
実施例1〜7で作製した木質板の断面を観察したところ、図1のように、木質基材1におけるオーク突き板2の表面には高分子樹脂による皮膜が観察され、薄膜保護層3が形成されていることが確認できた。薄膜保護層3の表面にはUV硬化型樹脂の塗膜層4が形成され、さらにその上には上塗り塗料の塗膜5が形成されていることも確認できた。また、実施例7で製造した木質板は、実施例1〜3、6と同様に薄膜保護層3、UV硬化型樹脂の塗膜層4、上塗り塗料の塗膜5が形成され、加えてオーク突き板2の表面近傍には、図2のように、樹脂の含浸硬化層6が形成されていることも確認できた。実施例1〜7の木質板はいずれもオーク突き板2表面に道管8が形成されているが、その道管8上の薄膜保護層3、UV硬化型樹脂の塗膜層4の厚みが薄いことから、良好な木質感が現出されていることが確認できるとともに、耐引っ掻き性、耐薬品性が良好であることも確認できた。さらに実施例4〜5ではフッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂の塗膜層4が形成され、また実施例6ではフッ素系樹脂の上塗り塗料の塗膜5が形成されていることにより、耐汚染性が向上していることが確認できた。
比較例1で製造した木質板は、木質基材1におけるオーク突き板2表面に直接UV硬化型樹脂を塗布していることから、図3(a)に示すように、その表面近傍にUV硬化型樹脂が含浸してUV硬化型樹脂の含浸硬化層7が形成され、オーク突き板2表面を覆う安定したUV硬化型樹脂の塗膜層4が形成されていないことが確認できた。これにより、耐汚染性、耐引っ掻き性、耐薬品性が劣ることが確認できた。比較例2では、図3(b)に示すように、木質基材1におけるオーク突き板2表面にUV硬化型樹脂の塗膜層4が形成されているが、オーク突き板2表面に塗布するUV硬化型樹脂の塗布量が多いことから、オーク突き板2表面の道管8の大部分がUV硬化型樹脂で埋まってしまい、木質感が損なわれることが確認できた。
本発明の実施形態に係る木質板の断面概要図である。 本発明の別の実施形態に係る木質板の断面概要図である。 比較例における木質板の断面概要図である。
符号の説明
1 木質基材
2 オーク突き板
3 薄膜保護層
4 塗膜層
5 上塗り塗料の塗膜
6 樹脂の含浸硬化層
7 UV硬化型樹脂の含浸硬化層
8 道管

Claims (4)

  1. 木質基材表面に、平均分子量1万以上の高分子樹脂の、厚さ5〜50μmの薄膜保護層が形成され、その上に低粘度の樹脂が塗布されて硬化されてなる塗膜層が形成されていることを特徴とする木質板。
  2. 低粘度の樹脂が、フッ素系樹脂またはシリコーン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の木質板。
  3. 薄膜保護層に着色顔料が含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の木質板。
  4. 木質基材表面にうづくり加工が施されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の木質板。
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