JP5026747B2 - CaO系脱硫剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鉄の脱硫処理に使用するCaO系脱硫剤の製造方法に関するものである。
近年、鋼の高純度化に対する要求が従来にも増して強くなり、これに伴って鋼中の不純物を除去する技術開発が盛んに行われている。今日の鋼の精錬プロセスにおいては、転炉での脱炭精錬工程に先立って溶銑に含有される燐及び硫黄を除去する工程、即ち溶銑予備処理工程が一般的に行われている。また、溶銑段階での脱燐処理及び脱硫処理のみでは所望する成分濃度まで安定して低下できない場合には、転炉をはじめとする製鋼炉より出湯した溶鋼においても、脱燐処理や脱硫処理が行われている。製鋼炉から出湯された溶鋼における脱燐処理及び脱硫処理を、それぞれ溶鋼脱燐、溶鋼脱硫と称している。尚、本発明では溶銑及び溶鋼をまとめて溶鉄と称している。
このうち、溶銑及び溶鋼における脱硫処理、つまり溶鉄の脱硫処理には、脱硫剤として石灰(以下、「CaO」と記す)粉を主成分とする脱硫剤、カルシウムカーバイド(CaC2 )粉、カルシウムアルミネート(mCaO・nAl23)、金属Mgなどが使用されているが、安価であることから、近年ではCaO粉を主成分とする脱硫剤が広く用いられている。このCaO系脱硫剤による脱硫反応は、「CaO+[S]→(CaS)+[O]」に示される反応式に基づいて進行する。ここで、[S]は溶鉄中の硫黄、(CaS)はスラグ中のCaS、[O]は溶鉄中の酸素を表している。
上記脱硫反応式を進める方策として、溶鉄中の酸素ポテンシャルを低下すること、及び脱硫剤の滓化を促進させることなどが挙げられており、このため、CaO系の脱硫剤には、滓化を促進する目的でフッ化カルシウム(CaF2 )などの滓化促進剤が少量添加されている。しかし、近年、フッ素の環境への影響が問題視されており、フッ素を使用しないCaO系脱硫剤の開発が望まれている。
一方、溶鉄の脱硫反応速度を高めるには、脱硫剤の種類に拘らず、溶鉄/脱硫剤間の反応界面積を増加させることが効果的であり、従って、脱硫剤の粒径は細かいほど望ましい。但し、CaO系脱硫剤の主成分であるCaO粉末は、溶鉄とは濡れ難い性質を有するため、細粒化しても溶鉄に添加されたCaO粉末は互いに凝集してしまい、溶鉄/脱硫剤間の反応界面積の増加に寄与せず、凝集内部のCaOは未反応のままであるために反応効率が向上しないといった問題が生じる。
これらのことから、CaO系脱硫剤を用いて溶鉄を効率的に脱硫処理するためには、添加したCaO粉体の凝集を抑制してCaO系脱硫剤を細かいままの状態で溶鉄中へ侵入させ、溶鉄浴内での分散を促進させて、反応界面積を増加させることが有効であると考えられる。
これを実現させる技術として、特許文献1には、CaO系脱硫剤において、CaO粒子の表面の全部または一部に、SiC粒子または黒鉛粒子を付着させ、溶鉄と脱硫剤との濡れ性を向上させ、CaO粉体の凝集を抑制して脱硫反応を促進させる技術が提案されている。そして、特許文献1では、好適なサイズのCaO粒子は、平均粒径が100〜150μmのものであり、また、好適なサイズのSiC粒子または黒鉛粒子は、平均粒径が5〜10μmのものであることを提案している。
特開2004−124120号公報
しかしながら、特許文献1では、付着の概念が曖昧であり、CaO粒子にどの程度までSiC粒子または黒鉛粒子を付着させる必要があるか記載されていない。つまり、溶鉄との濡れ性を向上させたCaO系脱硫剤を安定して製造できない恐れがあるという問題がある。
また、特許文献1では、製造コストを抑えるために、SiC粒子及び黒鉛粒子の好ましい平均粒径として5〜10μmを挙げており、この平均粒径のSiC粒子及び黒鉛粒子は、表面に付着層を形成するための粒子としては粒径が大き過ぎ、CaO粒子の表面に付着し難く、そのために、特許文献1では、樹脂系の有機溶剤を粘結剤として使用している。粘結剤を用いて強制的に付着させることから、12質量%程度のSiC粒子及び黒鉛粒子が必要になり(段落[0021]参照)、その結果、多量のSiC粒子または黒鉛粒子が必要である、粘結剤が必要である、粘結剤を添加する必要上から脱硫剤の製造工程が煩雑になるなど、脱硫剤の製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高効率の脱硫処理を可能とする、溶鉄との濡れ性を向上させたCaO系脱硫剤を、簡便に且つ安価にしかも安定して製造することのできる製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、主成分をCaO粒子とし、該CaO粒子の表面に炭素質粒子が付着したCaO系脱硫剤の製造方法であって、平均粒径が10μm以上であるCaO粒子と、平均粒径が5μm以下である、主成分を炭素とする炭素質粒子とを混合してCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることを特徴とするものである。
第2の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、主成分を、平均粒径が10μm以上であるCaO粒子とし、該CaO粒子の表面に炭素質粒子が付着したCaO系脱硫剤の製造方法であって、塊状のCaOを粉砕して平均粒径が10μm以上であるCaO粒子とする際に、平均粒径が5μm以下である、主成分を炭素とする炭素質粒子を添加し、塊状のCaOを粉砕すると同時に、粉砕して形成されるCaO粒子と炭素質粒子とを混合してCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることを特徴とするものである。
第3の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1または第2の発明において、前記炭素質粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とするものである。
第4の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記CaO粒子と前記炭素質粒子とを混合した後のCaO粒子の測色計による明度指数L* 値を30以下とすることを特徴とするものである。
の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1ないし第の発明の何れかにおいて、前記CaO系脱硫剤における前記炭素質粒子の配合率が1質量%以上であることを特徴とするものである。
の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1ないし第の発明の何れかにおいて、前記CaO系脱硫剤は、CaOと反応して低融点化合物を形成する物質を含有することを特徴とするものである。
の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1ないし第の発明の何れかにおいて、前記CaO系脱硫剤は、フッ素を含有しないことを特徴とするものである。
の発明に係るCaO系脱硫剤の製造方法は、第1ないし第の発明の何れかにおいて、前記CaO系脱硫剤は、脱酸のための金属物質を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、付着させる炭素質粒子の平均粒径が5μm以下、好ましくは1μm以下であるので、粘結剤などを使用しなくてもCaO粒子と混合するだけでCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることができる。また、粘結剤を使用していないので、粘結剤を使用した場合と比較して薄い付着層がCaO粒子の表面に均一に形成され、そのために、少ない炭素質粒子の使用量で付着層を形成でき、また、粘結剤などを使用することなく混合するだけで製造可能であり、製造方法が簡単であることから、製造コストを抑えることができる。また、CaO粒子と炭素質粒子とを混合した後のCaO粒子の測色計による明度指数L* 値を規定することにより、脱硫効率の高いCaO系脱硫剤を安定して製造することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
CaO系脱硫剤を用いて溶鉄を脱硫処理する場合、前述したように、CaO系脱硫剤の主成分であるCaO粒子と溶鉄とは濡れ難く、溶鉄に添加されたCaO粉体は互いに凝集してしまう。つまり、CaO系脱硫剤による溶鉄の脱硫反応を促進させるためには、溶鉄とCaO粉体との濡れ性を向上させ、添加するCaO粉体の凝集を抑制し、CaO粉体を細かい状態で溶鉄中に侵入させ、分散を促進して反応界面積を増加させることが有効である。溶鉄とCaO粒子との接触角は130〜137°という報告があり、この接触角を低減させることが必要である。
そこで、本発明者等は、溶鉄とCaOとの濡れ性を向上させる物質として、溶鉄との接触角が約55°であり、CaOに比べてはるかに接触角の低い炭素に着目し、この炭素を用いて比較的簡単な方法で濡れ性を向上させることについて、種々調査・検討を行った。
その結果、炭素質粒子が微粒子であれば特別な粘結剤を使用しなくても、CaO粒子と炭素質粒子とを混合するだけでCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることができ、高い脱硫性能が得られることが分かった。ここで、炭素質粒子とは、主成分が炭素である粒子であり、カーボンブラック粒子、コークス粒子、石炭粒子、木炭粒子、黒鉛粒子などである。これらの材料は工業的に製造された製品だけではなく、これら製品の製造工程で発生する副生品やダスト、及び廃棄物も使用することができる。
即ち、平均粒径が5μm以下の炭素質粒子をCaO粒子と混合するだけで、特別な粘結剤を添加しなくても、表面を炭素質粒子で被覆されたCaO粒子を製造できることが分かった。この場合、CaO粒子の表面を炭素質粒子で被覆するには、炭素質粒子の粒径がCaO粒子の粒径に比べて小さい方が望ましく、この観点から炭素質粒子の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。炭素質粒子の平均粒径が5μmを超えるとCaO粒子との粒径差が小さくなり、CaO粒子の表面を炭素質粒子で均一に覆うことができなくなる。
以下に、CaO系脱硫剤の製造方法を更に詳しく説明する。
表面に炭素質粒子が被覆されたCaO系脱硫剤を製造するに当たり、CaO粒子の表面に炭素質粒子を被覆させるためには、主成分であるCaO粒子と、平均粒径が5μm以下好ましくは1μm以下の炭素質粒子とを均一に混合する必要があり、単にそれぞれの原材料を添加するだけでは、脱硫効率の向上は期待できない。混合時には、これらの原材料以外に、CaOと反応して低融点化合物を形成する物質や、溶鉄の脱酸を目的とした金属物質を添加し混合しても構わない。
その際に使用する混合装置は、炭素質粒子が均一に分散される装置である限りどのような装置であっても構わず、特に限定する必要はないが、微粒の炭素質粒子からなる凝集体を開砕・分散させながら混合する、例えば高速回転型のミキサーのような強い対流混合、拡散混合、剪断混合を同時に行わせることのできる混合装置を用いることが好ましい。
CaO粒子と炭素質粒子との混合度合の指標は、測色計による明度測定により評価することができる。測色計は、試料の色を測定し、JISなどで定められている方法で数字として表すことのできる装置であり、明度は、例えばJIS Z 8729で定義されたL* a* b* 表色系の明度指数L* 値で表すことができ、明度指数L* 値の数値が低いほど黒色であることを示している。
炭素質粒子は黒色であることから、炭素質粒子がCaO粒子を均一に覆うほど、更には、炭素質粒子がCaO粒子を厚く覆うほど、CaO粒子は黒味を帯びるので、明度はより低い値を示すようになる。本発明者等は、炭素質粒子によるCaO粒子の被覆が十分に行われ、脱硫反応が促進されるのは、炭素質粒子とCaO粒子とを混合した後のCaO粒子の測色計により測定される明度指数L* 値が30以下の場合であることを確認している。つまり、CaO粒子の測色計により測定される明度指数L* 値が30以下となるまで、混合することが好ましい。特に、明度指数L* 値が20以下になるまで混合すると、脱硫反応がより一層促進されることを確認している。一方、明度指数L* 値が30を超えると、炭素質粒子によるCaO粒子の被覆は不十分であり、脱硫反応の効率向上は少ない。
また、このCaO系脱硫剤を製造するに当たり、主成分であるCaO粒子を得るための粉砕工程と、CaO粒子と炭素質粒子との混合工程とを同時に行うこともできる。CaO粒子は、粒径が10〜50mm程度の塊状のCaOを粉砕処理して作製するが、この粉砕工程に炭素質粒子を添加して、CaOの粉砕処理と、CaO粒子と炭素質粒子との混合処理とを同時に実施してもよい。炭素質粒子とCaO粒子との混合度合は、上記と同様に明度指数L* 値によって判定すればよい。
ここで、CaO系脱硫剤を構成するCaO粒子の粒径は、平均粒径で10μm以上であることが好ましい。CaO粒子の粒子径が小さくなり過ぎると、CaO粒子と炭素質粒子との粒径差が小さくなり、炭素質粒子の被覆が十分でなくなり、脱硫効率が向上しない。一方、CaO粒子を大きくし過ぎると、反応界面積は小さくなるので、CaO粒子の平均粒径は300μm以下であることが望ましい。
また、炭素質粒子のCaO系脱硫剤における配合率は、1質量%以上とすることが好ましい。1質量%未満の配合率ではCaO系脱硫剤が溶鉄に巻き込まれる前に、配合した炭素質粒子が大気中の酸素と反応し、結果的に炭素質粒子による濡れ性の改善効果が減少してしまう恐れがあるからである。また、炭素質粒子の配合率の上限は特に規定する必要はないが、余り多くしても、CaO粒子の表面に炭素質粒子が満遍なく付着している限り、CaO粒子と溶鉄との濡れ性の改善効果は飽和し、それ以上の炭素質粒子の配合は無駄になるので、配合率の上限は5質量%程度とすることが望ましい。また、炭素質粒子が多すぎると、CaO粒子と溶鉄とが接触しなくなり、脱硫反応が阻害されるという問題も発生する。
また更に、脱硫反応を促進させるために、CaO系脱硫剤の製造時に、主成分であるCaOと反応して低融点化合物を形成する物質を滓化促進剤として配合しても構わない。具体的には、Al23 やSiO2 を主成分とする物質を適量添加しても構わない。蛍石をはじめとするフッ素源(ハロゲン化物)も滓化促進剤として有効であるが、フッ素の環境への影響が問題視されており、また、本発明により製造されるCaO系脱硫剤では反応界面積が増大して脱硫反応が十分に促進されるので、フッ素源は添加しないことが好ましい。また、脱硫反応を促進させるために、CaO系脱硫剤の製造時に、脱酸のための金属物質を配合しても構わない。脱酸のための金属物質を添加すると、溶鉄の酸素ポテンシャルが低減し、脱硫反応が促進されるからである。脱酸のための金属物質としては、Al、Si、Mgなどの鉄よりも酸素との親和力の強い元素を金属状態で含有している物質や合金などを用いればよい。
本発明では、このようにして炭素質粒子により被覆されたCaO粒子を主成分とするCaO系脱硫剤を製造する。本発明により製造されたCaO系脱硫剤は、溶銑鍋などに収容された溶銑或いは取鍋などに収容された溶鋼に、脱硫処理を施すプロセスに適用することができる。つまり、溶銑にもまた溶鋼にも適用することができる。
以上説明したように、本発明によれば、付着させる炭素質粒子の平均粒径が5μm以下、好ましくは1μm以下であるので、粘結剤などを使用しなくてもCaO粒子と混合するだけでCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることができる。また、粘結剤を使用していないので、粘結剤を使用した場合と比較して薄い付着層がCaO粒子の表面に均一に形成され、そのために、少ない炭素質粒子の使用量で付着層を形成でき、また、粘結剤などを使用することなく混合するだけで製造可能であり、製造方法が簡単であることから、製造コストを抑えることができる。
本発明方法に基づいて製造したCaO系脱硫剤(本発明例1〜7)と、本発明方法以外の方法で製造したCaO系脱硫剤(比較例1〜3)とを準備し、これらのCaO系脱硫剤を用いて溶銑の脱硫処理を実施した。
本発明例1〜6では、CaO粒子と炭素質粒子とを予め準備し、これらを混合してCaO系脱硫剤を製造した。その際に、CaO系脱硫剤の基本構成として、炭素質粒子としては平均粒径が1μmのカーボンブラックを使用し、CaO粒子は平均粒径が40μmのものを使用した。但し、本発明例1では、平均粒径が10μmのCaO粒子を使用し、また、本発明例6では平均粒径が0.1μmのカーボンブラックを使用し、脱硫率に及ぼすこれら粒径の影響を調査した。また、本発明例3では滓化促進剤としてのAl23 粉を混合し、本発明例4では滓化促進剤としての蛍石粉を混合し、本発明例5では脱酸剤としての金属Al粉を混合した。混合後のCaO粒子の測色計により測定される明度指数L* 値は、本発明例1では25、本発明例2〜5では30、本発明例6では20であった。
また、本発明例7では、塊状のCaOの粉砕工程に平均粒径が0.1μmのカーボンブラックを混合し、CaOの粉砕工程と、生成されるCaO粒子とカーボンブラックとの混合工程とを同時に実施した。この場合、混合後のCaO粒子の測色計により測定される明度指数L* 値は20であった。
一方、比較例1はCaO粒子のみを混合したCaO系脱硫剤、比較例2は炭素質粒子の平均粒径が本発明の範囲を外れたCaO系脱硫剤、比較例3はCaO粒子とカーボンブラックとを混合せず、CaO粒子にカーボンブラックを添加しただけのCaO系脱硫剤である。
脱硫処理条件は、機械攪拌式脱硫装置を用い、処理前の溶銑温度を1300℃に調整し、処理時間を20分、脱硫剤の原単位を5kg/tとし、攪拌羽根により溶銑を攪拌して行った。表1に、各CaO系脱硫剤の組成、製造方法及び脱硫率を示す。
Figure 0005026747
表1に示すように、本発明方法に基づき製造したCaO脱硫剤では、比較例の脱硫剤に比べて脱硫効率が向上することが確認できた。この中で、本発明例2をCaO脱硫剤の基本構成としての基準とすると、滓化促進剤を混合した本発明例3,4、及び脱酸剤を混合した本発明例5は、本発明例2に比べて脱硫率が向上した。特に、蛍石を混合した本発明例4は高い脱硫率を得ることができた。本発明例1は本発明例2と比較すると脱硫率が65%から70%へと若干向上した。このことは、本発明例1のL*値が本発明例2のL*値よりも低いことから、炭素質粒子がより十分に被覆しており、且つ、本発明例1のCaO粒子の平均粒径が本発明例2よりも小さいことから反応界面積が増加し、これらにより脱硫反応が促進したためである。
また、平均粒径が0.1μmのカーボンブラックを使用した本発明例6,7では、滓化促進剤或いは脱酸剤を混合しなくても高い脱硫率が得られることが確認できた。本発明例6と本発明例7とは製造方法に違いがあるが、脱硫率には差が見られず、製造方法の影響はないことが確認できた。つまり、予め粉砕したものを混合しても、CaOの粉砕と同時に炭素質粒子を混合しても、どちらの方法で製造しても構わないことが確認できた。

Claims (8)

  1. 主成分をCaO粒子とし、該CaO粒子の表面に炭素質粒子が付着したCaO系脱硫剤の製造方法であって、平均粒径が10μm以上であるCaO粒子と、平均粒径が5μm以下である、主成分を炭素とする炭素質粒子とを混合してCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることを特徴とする、CaO系脱硫剤の製造方法。
  2. 主成分を、平均粒径が10μm以上であるCaO粒子とし、該CaO粒子の表面に炭素質粒子が付着したCaO系脱硫剤の製造方法であって、塊状のCaOを粉砕して平均粒径が10μm以上であるCaO粒子とする際に、平均粒径が5μm以下である、主成分を炭素とする炭素質粒子を添加し、塊状のCaOを粉砕すると同時に、粉砕して形成されるCaO粒子と炭素質粒子とを混合してCaO粒子の表面に炭素質粒子を付着させることを特徴とする、CaO系脱硫剤の製造方法。
  3. 前記炭素質粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
  4. 前記CaO粒子と前記炭素質粒子とを混合した後のCaO粒子の測色計による明度指数L* 値を30以下とすることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
  5. 前記CaO系脱硫剤における前記炭素質粒子の配合率が1質量%以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
  6. 前記CaO系脱硫剤は、CaOと反応して低融点化合物を形成する物質を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
  7. 前記CaO系脱硫剤は、フッ素を含有しないことを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
  8. 前記CaO系脱硫剤は、脱酸のための金属物質を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1つに記載のCaO系脱硫剤の製造方法。
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