JP5024257B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方に向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、同他の座席に着座し、かつ衝撃に応じて衝撃箇所側へ移動する乗員をエアバッグで受け止めて衝撃から保護するようにしたエアバッグ装置に関するものである。
車幅方向に一対の座席が並設された車両では、側突によりドア等のボディサイド部に衝撃が加わった場合に、その衝撃箇所(ボディサイド部)に近い側の座席に着座した乗員をサイドエアバッグ装置によって保護することが一般的に行われている。このサイドエアバッグ装置では、座席の背もたれ部において衝撃箇所(ボディサイド部)側となる側部内に、エアバッグとこれに膨張用ガスを供給するインフレータとが収容されている。インフレータは、エアバッグが膨張状態となったときに、同エアバッグ内の後端部に位置するように配置されている。そして、インフレータが、エアバッグの後端部を通じ背もたれ部内のシートフレームに締結されることにより、エアバッグがシートフレームに固定されている。
上記サイドエアバッグ装置では、ボディサイド部に衝撃が加わると、インフレータから膨張用ガスがエアバッグに供給される。この膨張用ガスによりエアバッグが膨張を開始し、その一部を背もたれ部内に残した状態で、同エアバッグが背もたれ部から前方へ飛び出す。その後は、エアバッグは、乗員とボディサイド部との間を通って前方へ膨張する。そのため、衝撃に応じて乗員が衝撃箇所(ボディサイド部)側へ移動しようとしても、この乗員は膨張したエアバッグによって受け止められる。この受け止めに際し、エアバッグに対し乗員による衝撃箇所側へ向かう押圧力が加わる。この押圧力により、エアバッグがその固定箇所である後端部を支点として衝撃箇所側へ回転しようとするが、その回転はボディサイド部との当接によって規制される。
さらに、近年では、衝撃箇所(ボディサイド部)から遠い側の座席に着座した乗員をエアバッグ装置によって保護することも考えられるようになってきている。とはいえ、このタイプのエアバッグ装置は、上記サイドエアバッグ装置ほど開発が進んでいないのが実情である。そのため、サイドエアバッグ装置の構成をエアバッグ装置に適用することが考えられる。図8に示すように、このエアバッグ装置80は、ボディサイド部に衝撃が加わった場合、同図8の実線で示すようにエアバッグ81を、乗員Pの側方となる箇所の前方へ向けて膨張させ、前記衝撃に伴い衝撃箇所(ボディサイド部)側へ移動する乗員Pを受け止めて衝撃から保護しようとするものである。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、下記特許文献1が挙げられる。これについては後述する。
特開2007−230310号公報
ところが、衝撃箇所(ボディサイド部)から遠い側の座席85を基準とし、それよりも衝撃箇所側(図8の右側)には、上記サイドエアバッグ装置とは異なり、ボディサイド部のようなエアバッグ81の回転を規制する部材が存在しない。そのため、側突による衝撃に応じ乗員Pが衝撃箇所側へ移動しようとした場合、エアバッグ81に対し乗員Pによる衝撃箇所側へ向かう押圧力Fが加わる。エアバッグ81は、その後端部82に配置されたインフレータアセンブリ83とともにシートフレーム84に固定されているが、上記押圧力Fによって、エアバッグ81の固定箇所である後端部82の近傍部分が伸張させられる。そして、この伸張により、エアバッグ81が後端部82を支点として同図8において二点鎖線で示すように衝撃箇所側へ回転するおそれがある。この回転が生ずると、エアバッグ81は、乗員Pを受け止める機能を充分に発揮することが困難となる。
なお、こうした問題は、3つ以上の座席が並設された車両においても同様に起こり得る。この場合、座席の並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席が、エアバッグ装置の適用対象となる。また、上記の問題は、乗員が着座したときに、車両の前後方向とは異なる方向、例えば車幅方向を向くように複数の座席が並設された車両においても同様に起こり得る。この場合、車両に対し前方又は後方から衝撃が加わると、その衝撃が並設方向の一方から他方へ向かう衝撃となる。
一方、特許文献1には、衝撃箇所(ボディサイド部)から遠い側の座席の背もたれ部において衝撃箇所側となる側部内に収納ケースを設け、折り畳んだ状態のエアバッグとインフレータとを収納ケース内に収納したエアバッグ装置が記載されている。収納ケースの一部(前壁部、車外側側部)は、残部(車内側側部)との境界部を支点として回動可能に構成されている。こうした構成を有する特許文献1に記載のエアバッグ装置は、膨張するエアバッグによって収納ケースの上記一部を押して回転させ、エアバッグが衝撃箇所側へ回転するのを収納ケースの一部によって規制しようとするものである。
しかしながら、上記特許文献1には、収納ケースの残部との境界部を支点とした同収納ケースの上記一部(前壁部、車外側側部)の回転を、適切な角度で止めたり、その角度に保持したりする手段についての記載がなされていない。そのため、エアバッグが衝撃箇所へ回転するのを確実に規制できるかどうか不明である。結局、エアバッグの回転を、エアバッグとは別の部材によって規制しようとする以上、その規制効果を確実に得るにも限度がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、衝撃に応じ乗員が衝撃箇所側へ移動しても、その乗員を確実に受け止めて衝撃から保護することのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、前記他の座席の背もたれ部内にエアバッグを非膨張状態で収容しておき、前記衝撃に応じ前記エアバッグを前記背もたれ部の少なくとも内部で膨張させることにより、前記背もたれ部の前記衝撃箇所側の側部を前記エアバッグの膨張前よりも前方へ膨出させ、前記他の座席に着座し、かつ前記衝撃に応じて前記衝撃箇所側へ移動する乗員を、膨出させられた前記側部で受け止めるようにしたエアバッグ装置であって、前記背もたれ部の両側部間の中間部内について、同背もたれ部の幅方向へ互いに離間した複数箇所に固定部を設け、これらの固定部に前記エアバッグを固定することを要旨とする。
ここで、上記「前方」は、座席に着座している乗員が向いている方向であり、車両の進行方向とは限らない。
なお、エアバッグは、背もたれ部の衝撃箇所側の側部を前方へ膨出させた後も同側部内に留まるものであってもよいし、膨出後に、自身の一部を背もたれ部内に残した状態で上記側部から飛び出すものであってもよい。
また、背もたれ部における衝撃箇所側の側部は、その前面がエアバッグの膨張前に平坦な面によって構成されるものであってもよいし、同前面が前方へ張り出した面によって構成されるものであってもよい。乗員の上半身を背もたれ部の幅方向両側から支える目的でサイドサポート部が設けられている座席では、このサイドサポート部が後者の面を有する側部に相当する。
上記の構成によれば、車両に対し、座席に並設方向の一方から他方に向けて衝撃が加わると、エアバッグが装備された他の座席では、その背もたれ部の少なくとも内部でエアバッグが膨張させられる。この膨張するエアバッグにより、少なくとも背もたれ部の衝撃箇所側の側部がエアバッグの膨張前よりも前方へ膨出させられる。
一方、上記衝撃に応じて乗員が衝撃箇所側へ移動すると、背もたれ部の衝撃箇所側の側部に対し、乗員による衝撃箇所側へ向かう押圧力が加わる。この押圧力は、上記衝撃箇所側の側部を通じ、その内部で膨張しているエアバッグにも加わる。この際、仮に、膨張状態のエアバッグが1箇所(例えば後端部)においてのみ固定されていると、エアバッグは固定箇所を支点として衝撃箇所側へ回転するおそれがある。そして、この回転が生ずると、上記側部の膨出度合いが小さくなって、乗員を受け止める機能が損なわれる。
しかし、請求項1に記載の発明では、背もたれ部の中間部内において背もたれ部の幅方向へ互いに離間した複数箇所(固定部)でエアバッグが固定されている。こうした複数箇所での固定により、エアバッグの固定箇所を支点とした上記回転が規制される。このため、乗員による上記押圧力が衝撃箇所側の側部を通じてエアバッグに加わっても、同エアバッグの回転が起こりにくくなる。これに伴い、背もたれ部の衝撃箇所側の側部は前方へ膨出した状態を維持し、乗員を確実に受け止めて衝撃から保護する。
なお、複数箇所で固定することによりエアバッグの回転を規制する上記効果は、固定箇所間の間隔が広くなるほど大きなものとなる。従って、エアバッグの回転を抑制する観点からは、同エアバッグを、互いに背もたれ部の幅方向へ大きく離れた箇所に固定することが望ましい。
こうした観点から、前記複数の固定部は、例えば請求項2に記載の発明によるように、前記背もたれ部の幅方向についての中央部を基準とし、前記中間部において前記中央部に対し衝撃箇所側となる1つ以上の箇所と、同衝撃箇所とは反対側となる1つ以上の箇所とにそれぞれ設けられてもよい。
このようにすると、背もたれ部の中間部において、上記中央部よりも衝撃箇所側の領域と、同衝撃箇所とは反対側の領域とを有効に利用し、複数の固定部を背もたれ部内の幅方向に互いに大きく離間した箇所に配置することが可能となる。そして、こうした複数箇所の固定部をエアバッグの固定される箇所とすることで、同エアバッグの固定箇所間の間隔が広くなり、もってエアバッグの回転を規制する大きな効果が得られるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記背もたれ部の幅方向について前記中央部の両側には、同背もたれ部よりも上側のヘッドレストを支持するためのヘッドレストサポートが設けられており、前記エアバッグは、前記両ヘッドレストサポートを前記固定部として、同ヘッドレストサポートに固定されていることを要旨とする。
車両に搭載された座席では、通常、背もたれ部の上側に別体のヘッドレストが配置される。このヘッドレストは、背もたれ部の幅方向について中央部の両側に設けられたヘッドレストサポートによって支持されている。請求項3に記載の発明では、これらのヘッドレストサポートが固定部とされて、エアバッグが同ヘッドレストサポートに固定されている。従って、ヘッドレストサポートは、ヘッドレストが支持される箇所として機能するほか、エアバッグが固定される箇所として機能することとなる。このため、エアバッグの背もたれ部内での固定のために、新たに固定部を設けたり、その固定部の配置のためのスペースを確保したりしなくてすむ。
また、一対のヘッドレストサポートは、ヘッドレストを安定した状態で背もたれ部に取付けるために、通常、同背もたれ部の幅方向に比較的大きな間隔をおいて配置される。そのため、これらのヘッドレストサポートにエアバッグが固定されることで、同エアバッグの固定箇所間の間隔が広くなり、同エアバッグの回転が好適に規制される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記背もたれ部内に非膨張状態で収容された前記エアバッグは、前後方向の膨張厚みが、前記衝撃箇所側の前記側部内において前記中間部内におけるよりも大きくなるように膨張することを要旨とする。
エアバッグが上記の態様で膨張すると、衝撃箇所側の側部が中間部よりも多く前方へ膨出し、中間部と側部との間に段差が生ずる、又は段差が増大することとなり、衝撃に応じ衝撃箇所側へ移動する乗員が側部によって受け止められやすくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記背もたれ部の内部には同背もたれ部の骨格をなすシートフレームが配設されており、前記シートフレームは、前記背もたれ部の前記側部内となる箇所にサイドフレーム部を有しており、前記エアバッグは、前記衝撃箇所側の前記サイドフレーム部に接触するように膨張するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、膨張状態となったエアバッグが衝撃箇所側のサイドフレーム部に接触することにより、両者の間に摩擦が生じ、エアバッグの固定箇所を支点とした回転がさらに生じにくくなる。
本発明のエアバッグ装置によれば、衝撃に応じ乗員が衝撃箇所側へ移動しても、その乗員を確実に受け止めて衝撃から保護することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1〜図3の少なくとも1つに示すように、車両における車室11内の前部には、車幅方向に一対の座席(前席)12,13が所定の間隔をおいて並設されている。両座席12,13は、乗員P1,P2が着座したときに、車両の前方を向くように車室内に配置されている。従って、座席12,13の前後方向は、車両の前後方向と合致していることになる。座席12,13の各々は、略水平状に配置された座部14と、その座部14の後側に配置された背もたれ部15と、その背もたれ部15の上に配置されたヘッドレスト16とを備えている。
ここで、背もたれ部15の幅方向の各部を区別するために、同方向の両側に位置する箇所を「側部」といい、両側部によって挟まれた箇所を「中間部19」というものとする。本実施形態では、両側部がサイドサポート部17,18によって構成されている。各サイドサポート部17,18の前面は、中間部19よりも多く前方へ膨出しており、座席12,13に着座して背もたれ部15にもたれた乗員P1,P2を車幅方向両側から支える。このように、背もたれ部15の両側部(サイドサポート部17,18)の前面が、前方へ張り出した面によって構成されていることから、中間部19とサイドサポート部17,18の頂部との間に段差Bが生じている。
図4は、一方(図2の左方)の座席13の背もたれ部15内に設けられて、その背もたれ部15の骨格をなすシートフレーム20等を示している。シートフレーム20は、一対のサイドフレーム部21,22及びアッパフレーム部23を備えている。一方(図4の左方)のサイドフレーム部21は、最寄りのボディサイド部25に近い側のサイドサポート部17内に配置されて略上下方向に延びている。他方(図4の右方)のサイドフレーム部22は、最寄りのボディサイド部25から遠い側のサイドサポート部18内に配置されて略上下方向に延びている。ここで、ボディサイド部25とは、車両の車幅方向についての両側部に配置された部材を指し、例えば、本実施形態のような前席に対応するボディサイド部24,25は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。
各サイドフレーム部21,22は、金属板を曲げ加工することによって形成されており、少なくとも最寄りのボディサイド部25から遠い側のサイドフレーム部22は、前後方向に所定の幅をもって上下方向に延びる平らな面22Aを自身の内側に有している。各サイドフレーム部21,22は、それらの下端部においてシートクッションフレーム(図示略)に対し、軸によりそれぞれ回動可能に支持されており、この軸を支点として前後方向へ傾動可能である。
アッパフレーム部23は背もたれ部15内の上部に配置されている。アッパフレーム部23は、その多くの部分が背もたれ部15の幅方向に延びており、両端部分において略下方へ曲げられている。こうした構成により、アッパフレーム部23は、全体として倒立略U字状をなしている。アッパフレーム部23は、下方へ曲げ形成された両端部23Aにおいて、上記両サイドフレーム部21,22の上端部に溶接等によって固定されている。
背もたれ部15の上側に配置された別体の上記ヘッドレスト16は、背もたれ部15の幅方向についての中央部Cの両側に設けられたヘッドレストサポート26によって支持されている。より詳しくは、上記中央部Cを基準とし、その中央部Cに対し背もたれ部15の幅方向両側へ一定距離ずつ隔てた箇所、すなわち中央部Cを通る線を対称軸として幅方向に線対称の関係となる2箇所には、ヘッドレスト16を支持するための一対のヘッドレストサポート26が設けられている。両ヘッドレストサポート26は、ヘッドレスト16を安定した状態で背もたれ部15に取付けるために、同背もたれ部15の幅方向に比較的大きな間隔をおいて設けられている。
両ヘッドレストサポート26は、上下方向へ延びる金属製の管材によって構成されており、それ自体高い強度を有している。さらに、両ヘッドレストサポート26は、アッパフレーム部23に対し溶接等の手段によって固定されている。本実施形態のヘッドレストサポート26としては、一般的な車両用座席におけるものよりも下方へ長いものが用いられている。一方、ヘッドレスト16の下面について、背もたれ部15の幅方向へ互いに離間した箇所からは、金属製の棒材からなる一対のヘッドレストステー27が下方へ延びており、これらのヘッドレストステー27が対応する上記ヘッドレストサポート26内に上下位置調整可能に挿通されている。
アッパフレーム部23の両端部23A間には、棒材からなる水平フレーム部28が架け渡されている。水平フレーム部28には、略U字状をなす補助フレーム部29が吊り下げられている。補助フレーム部29の両垂直部29A間、又は両サイドフレーム部21,22間には、複数本のワイヤフレーム部31が上下方向に互いに離間した状態で架け渡されている。
上記シートフレーム20の周囲には、ウレタンフォーム等の弾性材からなり、かつ表皮によって被覆されたシートパッド(図示略)が配置されている。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、車室11の前部であって車幅方向についての中央部には、車両前後方向へ延びるセンターコンソール32が設けられている。センターコンソール32にはシフトレバー、サイドブレーキレバー等の操作部が設けられるほか、カップホルダ、灰皿、小物入れ等の収納スペースが設けられている。センターコンソール32の後部32Rは上記両座席12,13間に位置している。この後部32Rは、各座席12,13の座部14よりも若干高くなっている(図2参照)。
上記のように一対の座席12,13が並設された車両に対し、側突により、図1及び図2において実線の矢印及び二点鎖線の矢印で示すように、座席12,13の並設方向(車幅方向)の一方から他方へ向けて衝撃が加わる場合がある。こうした衝撃が加わった場合、その衝撃を受けたボディサイド部24,25が車室11の内方(センターコンソール32側)へ変形する。また、上記衝撃により、座席12に着座した乗員P1、及び座席13に着座した乗員P2に対し衝撃箇所(ボディサイド部24,25)側へ向かう慣性力が作用する。この慣性力により、いずれの座席12,13に着座した乗員P1,P2も同衝撃箇所側へ相対移動(以下、単に「移動」という)しようとする。例えば、図1及び図2において実線の矢印で示す方向(右方)から衝撃が加わった場合、乗員P1,P2は右方へ移動しようとし、これとは反対に二点鎖線の矢印で示す方向(左方)から衝撃が加わった場合、乗員P1,P2は左方へ移動しようとする。
なお、車室11内には、乗員P1,P2を座席12,13に拘束するためのシートベルト装置が座席12,13毎に装備されているが、図1〜図3では、このシートベルト装置の図示が省略されている。
衝撃箇所に近い側の座席12,13に着座し、かつ衝撃により衝撃箇所側へ移動する上記乗員P1,P2は、側突により車室11内へ変形したボディサイド部24,25等と接触するおそれがあるが、この乗員P1,P2については、いわゆるサイドエアバッグ装置40によって保護される。車両に対しては、座席12,13の並設方向の両方から衝撃が加わる可能性があることから、上記サイドエアバッグ装置40は、一対の座席12,13の各々に装備されている。例えば、図1及び図2において実線の矢印で示す方向(右方)から衝撃が加わった場合には、右側の座席12に着座している乗員P1が、実線で示すサイドエアバッグ装置40によって保護される。
図5は、図1及び図2における右側の座席12に装備されたサイドエアバッグ装置40を示している。このサイドエアバッグ装置40は、エアバッグ41及びインフレータアセンブリ42を備えている。エアバッグ41は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸によって形成した織布等を基布として用い、この基布の周縁部を縫製糸で縫着すること等によって所定の袋状に形成されている。非膨張状態のエアバッグ41は、背もたれ部15における最寄りのボディサイド部24側のサイドサポート部17内に折り畳まれて収容されている。
インフレータアセンブリ42は、ガス発生源としてのインフレータ43と、そのインフレータ43に外側から装着されたリテーナ44とを備えて構成されている。インフレータ43は略円柱状をなしており、その内部にはガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ43は、リテーナ44内において、略上下方向に延びるように配設されている。インフレータ43には、膨張用ガスの生成態様の違いから複数のタイプがあるが、ここでは、パイロタイプと呼ばれるものが用いられている。インフレータ43には、同インフレータ43への制御信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ43として、上記パイロタイプとは異なるタイプが用いられてもよい。こうしたタイプとしては、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるストアードガスタイプや、パイロタイプとストアードガスタイプの両者を組み合わせた形態のハイブリッドタイプ等が挙げられる。
リテーナ44は、ディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ43をエアバッグ41と一緒にサイドサポート部17内のサイドフレーム部21に締結する機能を有する部材である。リテーナ44は、その大部分が金属板等の板材を曲げ加工等することによって上下方向に細長い略筒状に形成されている。
そして、上記エアバッグ41及びインフレータアセンブリ42は、座席12の背もたれ部15について最寄りのボディサイド部24に近い側のサイドサポート部17内に収容されている。なお、図1及び図2において左側のボディサイド部25を最寄りのボディサイド部とする左側の座席13では、左側のサイドサポート部17内に上記エアバッグ41及びインフレータアセンブリ42が収容されている。
図5に示すように、インフレータアセンブリ42は、膨張状態のエアバッグ41内の後端部41Rに配置されている。リテーナ44からは、ボルト45がインフレータ43の軸線に直交する方向(図5では左方)へ延びており、このボルト45がエアバッグ41の後端部41Rに挿通され、さらに上記サイドフレーム部21に挿通されている。そして、ボルト45にナット46が螺合されることにより、インフレータアセンブリ42がエアバッグ41の後端部41Rと一緒にサイドフレーム部21に締結されている。
また、図1及び図2の少なくとも一方に示すように、衝撃箇所から遠い側の座席12,13に着座し、かつ上記衝撃箇所側へ移動する乗員P1,P2は、エアバッグ装置50によって保護される。ここで、衝撃箇所から遠い側の座席12,13に着座した乗員P1,P2も、慣性力により衝撃箇所側へ移動しようとすることについては上述したが、センターコンソール32の後部32Rは、この乗員P1,P2の腰部の上記移動を規制する。これに対し、着座姿勢を採った乗員P1,P2の腰部よりも上側部分(上半身Pu)及び頭部Phについては、衝撃箇所側への移動を規制するものが特段ない。なお、以降の記載では、これらの上半身Pu及び頭部Phをまとめて上半身Pu等という。そのため、乗員P1,P2の腰部がセンターコンソール32に当った後は、同乗員P1,P2の上半身Pu等が上側ほど上記衝撃箇所に近づくように傾斜する。この傾斜により上半身Pu等が上記衝撃箇所に近づき、隣(衝撃箇所側)の座席12,13や、衝撃により車室11内へ変形したボディサイド部24,25等と接触するおそれが出てくる。
本実施形態のエアバッグ装置50は、この衝撃箇所側へ変位する上半身Pu等を受け止めて、上記隣(衝撃箇所側)の座席12,13等との接触から保護する。車両に対しては、座席12,13の並設方向の両方から衝撃が加わる可能性があることから、上記エアバッグ装置50は、一対の座席12,13の各々に装備されている。そして、例えば、図1及び図2において実線の矢印で示す方向(右方)から衝撃が加わった場合には、同両図の左側の座席13に着座している乗員P2が、破線で示すエアバッグ装置50及びサイドサポート部18によって保護される。
図6及び図7の少なくとも一方に示すように、各エアバッグ装置50は、エアバッグ51及びインフレータアセンブリ52を備えている。インフレータアセンブリ52が、インフレータ53と、そのインフレータ53に外側から装着されたリテーナ54とを備えている点は、上述したサイドエアバッグ装置40と同様である。また、インフレータ53及びリテーナ54の各詳細(タイプ等)、及びエアバッグ51の詳細(素材等)については、基本的には、上述したサイドエアバッグ装置40におけるものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
各エアバッグ装置50のサイドエアバッグ装置40との主な相違点は、エアバッグ51の役割、エアバッグ51の収容箇所、エアバッグ51の膨張時の大きさ・形状、エアバッグ51の固定態様等である。次に、これらの相違点について説明する。
<エアバッグ51の役割について>
エアバッグ51は、背もたれ部15内でのみ膨張することで、衝撃箇所側の側部(サイドサポート部18)を、エアバッグ51の膨張前よりも前方へ膨出させるために設けられている。このようにサイドサポート部18が前方へ膨出させられることで、衝撃に応じて衝撃箇所側へ移動する乗員P1,P2が受け止められる。
<エアバッグ51の収容箇所について>
サイドエアバッグ装置40のエアバッグ41が、最寄りのボディサイド部24,25に近い側の側部(サイドサポート部17)の内部に収容されているのに対し、エアバッグ装置50のエアバッグ51は、背もたれ部15の中間部19の上部であって、ワイヤフレーム部31(図4参照)等の前側に収容されている。また、この収容は、エアバッグ51が蛇腹状、ロール状等に折り畳まれた状態でなされている。図6は、蛇腹状に折り畳まれた例を示している。
<エアバッグ51の膨張時の大きさ・形状について>
図1〜図3は、膨張用ガスが充填されて展開膨張させられた状態のエアバッグ51を模式的に示している。これらの図1〜図3に示すように、エアバッグ51は、背もたれ部15の中間部19の上部と、最寄りのボディサイド部24,25から遠い側のサイドサポート部18の上部とにおいて膨張し得る大きさを有している。この大きさは、乗員P1,P2の少なくとも肩部Psを保護し得る大きさである。
図7に示すように、エアバッグ51は、前後方向の膨張厚みT(図7参照)が、衝撃箇所側のサイドサポート部18において中間部19よりも大きくなるように膨張し得る形状・大きさを有している。より詳しくは、膨張状態のエアバッグ51の後面51Rは、複数の固定部(一対のヘッドレストサポート26、これについては後述する)の中心を通る面Sに対し略平行となる。また、エアバッグ51の前面51Fは、衝撃箇所に近づくほど前記後面51Rから前方へ遠ざかるよう同後面51Rに対し傾斜している。こうした形状で確実に膨張させるために、エアバッグ51の内部において、エアバッグ51の前側部分と後側部分との間にテザー55が架け渡されている。このテザー55によってエアバッグ51の前後方向の膨張厚みTが規制されるようになっている。なお、図6では、テザー55の図示が省略されている。
エアバッグ51は、膨張したときに自身の下端がサイドフレーム部22の側方近傍に位置する上下長さを有している(図4参照)。また、エアバッグ51は、膨張展開したときに、前後方向の膨張厚みTの最も大きな箇所(衝撃箇所に最も近い箇所)でサイドフレーム部22の上記平らな面22Aに面接触する大きさを有している(図7参照)。
<エアバッグ51の固定態様について>
図4、図6及び図7の少なくとも1つに示すように、背もたれ部15の中間部19内について、背もたれ部15の幅方向へ互いに離間した複数箇所に固定部が設けられており、これらの固定部にエアバッグ51の後部が固定されている。詳しくは、前記複数の固定部は、前記背もたれ部15の幅方向についての中央部Cを基準とし、中間部19において中央部Cに対し衝撃箇所側となる1つ以上の箇所と、同衝撃箇所とは反対側となる1つ以上の箇所とにそれぞれ設けられている。背もたれ部15の幅方向について中央部Cの両側に一対のヘッドレストサポート26が設けられていることについては前述したが、本実施形態では両ヘッドレストサポート26を固定部として利用している。従って、ヘッドレストサポート26は、ヘッドレスト16が支持される箇所として機能するほか、エアバッグ51が固定される箇所として機能することとなる。なお、エアバッグ51の背もたれ部15内での固定のために、ヘッドレストサポート26とは別に新たに固定部は設けられていない。これに伴い、背もたれ部15内には固定部の配置のためのスペースは特段確保されていない。
エアバッグ51の後部を両ヘッドレストサポート26に固定するために、膨張状態のエアバッグ51の後面51Rにおいて、背もたれ部15の幅方向及び上下方向に互いに離間した複数箇所(本実施形態では4箇所)には、布帛等からなる帯部56の一端部がそれぞれ縫着されている。そして、各帯部56がヘッドレストサポート26に後側から巻付けられたうえで、同帯部56の他端部がクリップ等の締結部材57によってエアバッグ51の後部に締結されている。
なお、上述したインフレータアセンブリ52はエアバッグ51内に配置されている。ここでは、インフレータアセンブリ52は、膨張状態のエアバッグ51内のうち、最寄りのボディサイド部24,25に近い箇所(図4、図6及び図7では左端)に配置されているが、この箇所とは異なる箇所に配置されてもよい。そして、このインフレータアセンブリ52は、上述したサイドエアバッグ装置40におけるインフレータアセンブリ42と同様に、エアバッグ51を通じボルト、ナット等(図示略)によって、シートフレーム20等に固定されている。
上述したサイドエアバッグ装置40及びエアバッグ装置50は、共通の構成要素として、加速度センサ等からなる衝撃センサ61,62及び制御装置63をさらに備えている(図3参照)。一方の衝撃センサ61は、一方のボディサイド部24(図1及び図2参照)等に設けられており、同ボディサイド部24に側方から加えられる衝撃を検出する。他方の衝撃センサ62は、他方のボディサイド部25(図1及び図2参照)等に設けられており、同ボディサイド部25に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置63は、衝撃センサ61,62からの検出信号に基づき、サイドエアバッグ装置40のインフレータ43、及びエアバッグ装置50のインフレータ53の各作動を制御する。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
両座席12,13にそれぞれ乗員P1,P2が着座している状況のもと、側突により、車両に対し、座席12,13の並設方向(車幅方向)の一方から他方へ向けて衝撃が加わる場合がある。ここでは、一方のボディサイド部24に対し、図1及び図2において実線の矢印で示す方向から衝撃が加わった場合を想定している。このように、一方のボディサイド部24に対し側突による衝撃が加わると、そのボディサイド部24が車室11の内方(センターコンソール32側)へ変形しようとする。
また、上記衝撃により、各座席12,13に着座した乗員P1,P2に対して衝撃箇所側(ボディサイド部24側)へ向かう慣性力が作用する。この慣性力により、各乗員P1,P2は、衝撃箇所側(ボディサイド部24側)へ移動しようとする。
一方、ボディサイド部24に所定値以上の衝撃が加わったことが衝撃センサ61によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置63から、サイドエアバッグ装置40のインフレータ43、及びエアバッグ装置50のインフレータ53に対し、これらを作動させるための指令信号が出力される(図3参照)。この指令信号に応じてインフレータ43,53から膨張用ガスが、対応するエアバッグ41,51に供給され、同エアバッグ41,51が膨張展開する。
図5に示すように、衝撃箇所側の座席12に着座し、かつ上記衝撃箇所側へ移動する乗員P1は、サイドエアバッグ装置40によって次のように保護される。サイドエアバッグ装置40では、インフレータ43から膨張用ガスがエアバッグ41内に供給される。この膨張用ガスによりエアバッグ41が膨張を開始し、その一部(後端部41R及びその近傍部分)を背もたれ部15内に残した状態で、同エアバッグ41がサイドサポート部17から前方へ飛び出す。その後は、エアバッグ41は、乗員P1とボディサイド部24との間を通って前方へ膨張する。このため、衝撃に伴い乗員P1が衝撃箇所(ボディサイド部24)側へ移動しようとしても、この乗員P1は膨張したエアバッグ41によって受け止められる。この受け止めに際し、エアバッグ41には乗員P1による衝撃箇所側へ向かう押圧力F1が加わる。この押圧力F1により、エアバッグ41の固定箇所である後端部41Rの近傍部分が伸張させられることで、エアバッグ41がその後端部41Rを支点として衝撃箇所側へ回転しようとする。しかし、その回転は、エアバッグ41がボディサイド部24に当ることで規制される。
また、側突により車室11内へ変形したボディサイド部24と乗員P1との間に、上記のように膨張した状態のエアバッグ41が介在することとなり、同乗員P1のボディサイド部24との接触がエアバッグ41によって抑制される。
これに対し、衝撃箇所から遠い側の座席13に着座し、かつ上記衝撃箇所側へ移動する乗員P2は、エアバッグ装置50によって次のように保護される。エアバッグ装置50では、図6及び図7の少なくとも一方に示すように、インフレータ53から膨張用ガスがエアバッグ51内に供給される。この膨張用ガスによりエアバッグ51が膨張を開始する。エアバッグ51は、背もたれ部15の中間部19内と、衝撃箇所側のサイドサポート部18内とにおいて膨張展開する。これに伴い、中間部19においてエアバッグ51よりも前側に位置するシートパッド及び表皮が前方へ若干押し出される。また、衝撃箇所側のサイドサポート部18においてエアバッグ51よりも前側に位置するシートパッド及び表皮が前方へ押し出される。これらの押し出しにより、中間部19が前方へ若干膨出させられるとともに、衝撃箇所側のサイドサポート部18が上記中間部19よりも前方へ多く膨出させられる。図7において、(I)は、エアバッグ51が膨張する前のサイドサポート部18を示し、(II)は、エアバッグ51が膨張したときのサイドサポート部18を示している。また、エアバッグ51は、膨張の過程で、膨張厚みTの最も大きな箇所において、衝撃箇所側のサイドフレーム部22、より詳しくは、同サイドフレーム部22の前後方向及び上下方向に延びる平らな面22Aに面接触する。
一方、上記衝撃に伴い乗員P2の上半身Pu等が上述したように衝撃箇所側へ移動する。乗員P2の上半身Pu等がサイドサポート部18に当接した後も同方向へ移動し続けようとすると、同サイドサポート部18に対し、上半身Pu等による衝撃箇所側へ向かう押圧力F2(図7参照)が加わる。この押圧力F2は、サイドサポート部18の内部で膨張しているエアバッグ51にも加わる。
この際、仮に、膨張状態のエアバッグ51が、エアバッグ41と同様の形状をなしていて、自身の1箇所(例えば後端部)においてのみ固定されているとすると、背景技術の欄で説明したようにエアバッグ51が、固定箇所を支点として衝撃箇所側へ回転するおそれがある。この回転が生ずると、上記サイドサポート部18の前方への膨出度合いが小さくなって、同サイドサポート部18の乗員P2を受け止める機能が損なわれてしまう。
しかし、本実施形態では、背もたれ部15の中間部19内について背もたれ部15の幅方向へ互いに離間した2箇所の固定部(ヘッドレストサポート26)でエアバッグ51の後部が固定されている。こうした2箇所での固定により、エアバッグ51の固定箇所を支点とした上記回転が規制される。このため、乗員P2による上記押圧力F2が衝撃箇所側のサイドサポート部18を通じてエアバッグ51に加わっても、固定箇所を支点としたエアバッグ51の上記回転は、1箇所で固定した場合よりも起こりにくくなる。これに伴い、背もたれ部15の衝撃箇所側のサイドサポート部18は前方へ膨出した状態を維持する。
ここで、エアバッグ51を2箇所で固定することにより同エアバッグ51の回転を規制する効果は、固定箇所間の間隔が広くなるほど大きなものとなる。従って、エアバッグ51の回転を抑制する観点からは、エアバッグ51の後部を、互いに背もたれ部15の幅方向へ大きく離れた箇所に固定することが望ましい。
この点、本実施形態では、前記複数の固定部は、背もたれ部15の幅方向についての中央部Cを基準とし、中間部19において中央部Cに対し衝撃箇所側となる1箇所と、同衝撃箇所とは反対側となる1箇所とにそれぞれ設けられている。表現を変えると、背もたれ部15の中間部19において、上記中央部Cよりも衝撃箇所側の領域と、同衝撃箇所とは反対側の領域とが有効に利用され、2つの固定部が背もたれ部15内の幅方向に互いに大きく離間した箇所に配置されている。そして、こうした2箇所の固定部がエアバッグ51の固定対象箇所とされることで、同エアバッグ51の固定箇所間の間隔が広くなり、エアバッグ51の回転を規制する大きな効果が得られる。
特に、本実施形態では、一対のヘッドレストサポート26が固定部とされている。前述したように、これらのヘッドレストサポート26は、ヘッドレスト16を安定した状態で背もたれ部15に取付けるために、同背もたれ部15の幅方向に比較的大きな間隔をおいて設けられている。そのため、これらのヘッドレストサポート26にエアバッグ51が固定されることで、同エアバッグ51の固定箇所間の間隔が確実に広くなって、エアバッグ51の回転が好適に規制される。
また、膨張状態となったエアバッグ51は、膨張厚みTが最大となった箇所において衝撃箇所側のサイドフレーム部22の平らな面22Aに面接触する。この面接触により、エアバッグ51とサイドフレーム部22との間に大きな摩擦が生じ、エアバッグ51の回転を妨げようとする。
その結果、上半身Puの衝撃箇所側への上記移動は、回転が生じにくくなった上記エアバッグ51を内包したサイドサポート部18によって受け止められる。上半身Puが、側突により車室11内へ変形したボディサイド部24に近づくことが規制される。
特に、本実施形態では、エアバッグ51は、サイドサポート部18内において中間部19内よりも多く前方へ膨張する。この膨張により、サイドサポート部18が中間部19よりも多く前方へ膨出し、中間部19とサイドサポート部18との間の段差Bが増大する。衝撃に応じ衝撃箇所側へ移動する乗員P2の上半身Pu等がサイドサポート部18によって受け止められやすくなる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)背もたれ部15の中間部19内について、同背もたれ部15の幅方向へ互いに離間した2箇所に固定部(ヘッドレストサポート26)を設け、これらの固定部にエアバッグ51を固定するようにしている。このため、乗員P1,P2による押圧力F2が、エアバッグ51によって前方へ膨出させられた衝撃箇所側のサイドサポート部18に加わっても、その膨出した状態を維持し、乗員P1,P2を確実に受け止めて衝撃から保護することができるようになる。
(2)背もたれ部15の幅方向についての中央部Cを基準とし、一方の固定部(ヘッドレストサポート26)を、背もたれ部15の中間部19において中央部Cに対し衝撃箇所側となる箇所に設け、他方の固定部を、衝撃箇所とは反対側となる箇所に設けている。
このため、中間部19において、一対の固定部を背もたれ部15内の幅方向に互いに大きく離間した箇所に配置することが可能となり、エアバッグ51の固定箇所間の間隔を広くし、もってエアバッグ51の回転を規制する大きな効果を得ることができるようになる。
(3)両ヘッドレストサポート26を固定部とし、エアバッグ51の後部を両ヘッドレストサポート26に固定している。そのため、エアバッグ51の両固定箇所間の間隔を広くし、同エアバッグ51の回転を確実に規制することができる。
また、エアバッグ51を背もたれ部15内に固定するために、新たに固定部を設けたり、その固定部の配置のためのスペースを確保したりしなくてすむ。
(4)背もたれ部15の衝撃箇所側のサイドサポート部18内における前後方向の膨張厚みTが、中間部19内における前後方向の膨張厚みTよりも大きくなるように、エアバッグ51を膨張させている。そのため、中間部19とサイドサポート部18との間の段差Bをエアバッグ51の膨張によって増大させて、衝撃に応じ衝撃箇所側へ移動する乗員P1,P2を受け止めやすくすることができる。
(5)エアバッグ51を、その膨張の過程で、衝撃箇所側のサイドフレーム部22に面接触させることで、エアバッグ51とサイドフレーム部22との間に摩擦を生じさせるようにしている。そのため、エアバッグ51の回転をより確実に抑制することができる。
特に、エアバッグ51においてサイドフレーム部22と接触する箇所が、膨張厚みTの最も大きな箇所である。これに加え、サイドフレーム部22においてエアバッグ51と面接触する箇所が、前後方向にも上下方向にも平らな面22Aである。これらのことから、エアバッグ51とサイドフレーム部22とを大きな面積で接触させることができる。その結果、エアバッグ51とサイドフレーム部22との間で大きな摩擦を発生させ、エアバッグ51の回転を効果的に抑制することができる。
(6)背もたれ部15内の両サイドフレーム部21,22間にエアバッグ51及びインフレータアセンブリ52を配置している。この箇所は、サイドフレーム部21,22の外側となる箇所よりも乗員P1,P2に近い。そのため、乗員P1,P2により近い箇所でエアバッグ51を膨張させることとなり、乗員P1,P2を早い時期から拘束して衝撃から保護することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<エアバッグ51について>
・エアバッグ51は、背もたれ部15の衝撃箇所側のサイドサポート部18を前方へ膨出させた後、同サイドサポート部18を破断させて、自身の一部を背もたれ部15の外へ飛び出させるものであってもよい。この場合であっても、エアバッグ51の回転を規制することができ、サイドサポート部18を前方へ膨出した状態に維持することができるため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
・エアバッグ51の形状・大きさを、衝撃箇所側のサイドフレーム部22に接触しないものに変更してもよい。例えば、エアバッグ51の上下長を短くし、同エアバッグ51をサイドフレーム部22よりも高い箇所で膨張させるようにしてもよい。
・エアバッグ51を折り畳まない状態で背もたれ部15内に収容してもよい。この場合、エアバッグ51の全体を中間部19内に収容してもよいし、中間部19内及びサイドサポート部18の両方にまたがって収容してもよい。
・エアバッグ51を、その後部とは異なる箇所において固定部に固定するようにしてもよい。
<背もたれ部15の側部について>
・背もたれ部15における衝撃箇所側の側部は、サイドサポート部17,18によって構成されず、エアバッグ51の非膨張時に、同側部の前面が平坦な面によって構成されるものであってもよい。すなわち、側部の前面が中間部19の前面と同一面上に位置するものであってもよい。
<固定部について>
・背もたれ部15の幅方向に互いに離間した3箇所以上に固定部を設けてもよい。この場合、両端の固定部間の間隔を広くとって、エアバッグ51の回転を確実に規制する観点からは、中間部19において、中央部Cに対し衝撃箇所側となる1つ以上の箇所と、同衝撃箇所とは反対側となる1つ以上の箇所とに固定部をそれぞれ設けることが望ましい。
・既設のヘッドレストサポート26とは別に、背もたれ部15内の幅方向に互いに離間した複数箇所に固定部を新たに設けてもよい。
・インフレータアセンブリ52がエアバッグ51と一緒に固定される箇所(例えばシートフレーム20)も、上記固定部に含めることができる。この場合、インフレータアセンブリ52の位置によっては、エアバッグ51の一方のヘッドレストサポート26への固定を省略することも可能である。ただし、その場合には、エアバッグ51の他方のヘッドレストサポート26への固定箇所と、インフレータアセンブリ52の固定箇所とを、背もたれ部15の幅方向にある程度以上離間させる必要がある。
<エアバッグ装置50の適用対象について>
・エアバッグ装置50を車両の後席に適用してもよいし、前席及び後席の両者に適用してもよい。後席に適用した場合、その後席に対応するボディサイド部24,25は、サイドドア(リアドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等となる。
・本発明のエアバッグ装置50は、車幅方向に3つ以上の座席が並設された車両にも適用可能である。この場合、エアバッグ装置50が適用される座席は、衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席である。
・本発明のエアバッグ装置50は、乗員P1,P2が着座したときに、車両の前後方向とは異なる方向、例えば直交する方向(車幅方向)を向くように座席12,13の配置された車両にも適用可能である。この場合、車両に対し前方又は後方から衝撃が加わると、その衝撃が並設方向の一方から他方へ向かう衝撃となる。
本発明を具体化した一実施形態において、並設された一対の座席と、座席毎に装備されたサイドエアバッグ装置及びエアバッグ装置とを示す部分平断面図。 同じく、一対の座席と、座席毎のサイドエアバッグ装置及びエアバッグ装置とを示す正断面図。 一実施形態において、座席と、その座席に装備されたエアバッグ装置とを示す側面図。 シートフレームと膨張状態のエアバッグとの位置関係を示す正面図。 サイドエアバッグ装置のエアバッグが膨張した状態を示す部分平断面図。 エアバッグ装置におけるエアバッグ及びインフレータアセンブリの背もたれ部内での収容状態を示す部分平断面図。 図6の状態からエアバッグが膨張して衝撃箇所側のサイドサポート部が前方へ膨出させられる様子を示す部分平断面図。 エアバッグを、その後端部において固定した従来のエアバッグ装置において、衝撃箇所側へ移動する乗員によりエアバッグが押圧されて回転する様子を説明する部分平面図。
符号の説明
12,13…座席、15…背もたれ部、16…ヘッドレスト、17,18…サイドサポート部、19…中間部、20…シートフレーム、21,22…サイドフレーム部、26…ヘッドレストサポート(固定部)、50…エアバッグ装置、51…エアバッグ、C…中央部、P1,P2…乗員、T…膨張厚み。

Claims (5)

  1. 複数の座席が並設された車両に対し、その並設方向の一方から他方へ向けて衝撃が加わるときの同車両の衝撃箇所に最も近い座席を除く他の座席に適用され、前記他の座席の背もたれ部内にエアバッグを非膨張状態で収容しておき、前記衝撃に応じ前記エアバッグを前記背もたれ部の少なくとも内部で膨張させることにより、前記背もたれ部の前記衝撃箇所側の側部を前記エアバッグの膨張前よりも前方へ膨出させ、前記他の座席に着座し、かつ前記衝撃に応じて前記衝撃箇所側へ移動する乗員を、膨出させられた前記側部で受け止めるようにしたエアバッグ装置であって、
    前記背もたれ部の両側部間の中間部内について、同背もたれ部の幅方向へ互いに離間した複数箇所に固定部を設け、これらの固定部に前記エアバッグを固定することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記複数の固定部は、前記背もたれ部の幅方向についての中央部を基準とし、前記中間部において前記中央部に対し衝撃箇所側となる1つ以上の箇所と、同衝撃箇所とは反対側となる1つ以上の箇所とにそれぞれ設けられている請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記背もたれ部の幅方向について前記中央部の両側には、同背もたれ部よりも上側のヘッドレストを支持するためのヘッドレストサポートが設けられており、前記エアバッグは、前記両ヘッドレストサポートを前記固定部として、同ヘッドレストサポートに固定されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記背もたれ部内に非膨張状態で収容された前記エアバッグは、前後方向の膨張厚みが、前記衝撃箇所側の前記側部内において前記中間部内におけるよりも大きくなるように膨張する請求項1〜3のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  5. 前記背もたれ部の内部には同背もたれ部の骨格をなすシートフレームが配設されており、
    前記シートフレームは、前記背もたれ部の前記側部内となる箇所にサイドフレーム部を有しており、
    前記エアバッグは、前記衝撃箇所側の前記サイドフレーム部に接触するように膨張するものである請求項1〜4のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
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