JP5024152B2 - 張り剛性測定用圧子、張り剛性測定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、張り剛性測定用圧子および張り剛性測定方法に関し、詳しくは、金属パネル、特に金属製のドア、フードなど自動車アウター部品パネルの張り剛性評価に際し、荷重‐変位カーブを高精度で測定するための、張り剛性測定用圧子、張り剛性測定方法および装置に関する。
近年、特に自動車など車両の軽量化を実現するため、ドアやフードなど自動車アウター部品においても薄肉軽量化のニーズが高まっている。しかしながら、パネル部品の薄肉化は部品剛性の低下を招き、人が触れたときにパネルが容易に変形したり、パネルがベコベコと音を立てるなどの現象が発生しやすくなる。これにより、自動車の品質感が大きく損なわれることから、自動車メーカにとって張り剛性の確保と部品軽量化の両立が大きな課題となっている。
また、車体設計コンピュータシミュレーション技術を用いて実験をせずに張り剛性を予測評価する技術も確立されつつあるが、予測結果と実験結果は必ずしも一致せず、依然として実験による測定評価は不可欠であり、コンピュータシミュレーションの予測精度向上のためにも精度の高い測定・解析技術が必要となっている。
これまで張り剛性の評価方法として以下の方法が用いられてきた。
製造現場においては、簡便的に手押しによる官能評価が行われている。これは、検査員がパネルを手で押してそのときの反力を定性的に判断して合否を判定するものである。
しかし、このような官能評価は熟練を要し、熟練者の確保に難がある。熟練者でない人が検査するとばらつきが大きく信頼性に乏しい。
そのため、機械的に張り剛性を評価するための方法がいくつか提案されている。
特許文献1に開示されている方法は、被測定物に圧子を押し付けて測定点の部位を変形させながら、その荷重と変位との関係を電気信号に変換して記録するものである。このとき、荷重は圧子上部に設置されたロードセルで測定し、変位は圧子に取り付けられた加速度計の信号を積分することで変位に換算して算出する方法である。
特許文献2に開示されている方法は、荷重計と変位計とを一体に備えた張り剛性測定ヘッドを用いて、予め決められた荷重を被測定物に加え、その状態から荷重が除去するまでの圧子変位量を測定することにより、張り剛性の測定を正確に行おうとするものである。
特許文献3に開示されている方法は、手動油圧ポンプで駆動される押圧試験ユニットをロボットに持たせて自動車車体の外板の張り剛性を測定するものである。押圧試験ユニットには、荷重測定用のロードセルを介してアルミ材よりなる略円柱状の圧子が取り付けられており、ダイアルゲージによりその変位を測定して張り剛性を評価するものである。
特許文献4に開示されている方法は、自動車ルーフパネルの張り剛性測定を目的に、圧子に荷重を加えるためのシャフトとシャフトの移動量を検出する変位計、シャフトの端部に対向する荷重計が設けられた装置を遠隔操作することにより張り剛性を評価するものである。
特開昭59−9542号公報 特開昭62−70730号公報 実開平6−18947号公報 実公平7−14857号公報
しかし、上述の従来技術は、手押しによる官能評価を必ずしも再現していないことが発明者らの調査で分かった。これまで一般的に用いられていた金属製、硬質ゴム製の圧子は、荷重負荷開始からパネル面との接触面積が小さく、特に、比較的変位の小さい領域において手押しの場合よりも荷重が低くなる傾向が認められた。
また、これらの圧子では荷重の増大とともに、パネル面が塑性変形を起こす場合があり、測定精度の低下につながる問題もあった。
また、これらの測定装置において、変位測定計は荷重軸と連動するように設置されているが、圧子が軟らかいものになると、圧子自身の変形も測定してしまい、正確なパネルのたわみ挙動を測定できないことが考えられた。
さらに上述した従来の技術は、圧子の位置の変位量と圧子に加わる荷重の関係を精度よく記録し、その荷重‐変位曲線から張り剛性の良否を評価することに主眼を置いたものである。一般に荷重‐変位曲線は、図1に示すように初期に急激に立ち上がり、パネルの変形とともに荷重増加が緩やかになり、ベコツキが発生する場合には、荷重の急激な低下を伴う変化を示す。このような荷重の変化は、圧子負荷に伴うパネルの変形状態と密接な関係があることが知られている。特に、ベコツキ挙動は、パネル飛び移り座屈現象による、不連続なパネル変形が原因と考えられている。
製造現場、品質保証の現場では、単純な荷重‐変位曲線による合否判定で十分であるが、設計段階における張り剛性向上方策検討のためには、荷重‐変位曲線のみならず、パネル全体の変形状態を把握して、張り剛性特性を左右している部位の特定が重要となる。また、コンピュータシミュレーションの予測精度を検証する上でも、荷重‐変位曲線と同時にパネルの変形状態が実験と一致しているかどうかの確認が必要である。しかしながら、従来の技術では、圧子部の変形状態を測定するのみで、パネル全体の変形状態を連続的に測定・解析することは不可能であった。
本発明の目的は、これら従来技術の問題点に鑑み、より精度の高い張り剛性評価を可能にする、張り剛性測定用圧子、張り剛性測定方法および装置を提供することにある。
発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ね、その結果、熟練者の手押しによる官能評価を高精度に再現し、さらに張り剛性を左右する部位を特定するため、パネル変形状態を可視化し、高速で同時に連続的に測定する測定方法を開発した。すなわち、本発明は次のとおりである。
1. 曲率半径Rの金属パネルの張り剛性を測定するための圧子であって、前記金属パネルに押し付ける底面の直径Dが35〜55mm、高さがD/6〜D/2の円柱形状の弾性体からなり、該弾性体の硬さIRHDが下記式(1)を満足し、該弾性体の頂面を金属板で押されて前記金属パネルと当接することを特徴とする張り剛性測定用圧子。

30≦IRHD≦0.283×D/R−9.063×D/R+103.2 …(1)
2. 前項1に記載の張り剛性測定用圧子を使用して前記金属パネルの張り剛性を測定する方法であって、押圧装置により前記金属板を介した前記圧子から前記金属パネルの被測定面への押圧荷重を連続的かつ静的に負荷しつつ、前記金属パネルの被測定面の裏面側から該被測定面の変位量を連続的に測定することを特徴とする張り剛性測定方法。
3. 測定材である前記金属パネルとして、前記被測定面の裏面が類鏡面であるものを用い、該裏面側から前記被測定面の変位量を連続的に測定するに併せて、該裏面に明暗パターンを反射投影して該明暗パターンの鏡像を得、該鏡像により、前記測定材全体の変形状態を、同時かつ連続的に、可視化することを特徴とする前項2に記載の張り剛性測定方法。
ここで、類鏡面とは、鏡面または半鏡面を意味する。
4. 前項3に記載の張り剛性測定方法の実施に用いる装置であって、前記測定材に荷重を加える負荷手段と、該加えた荷重およびそれによる変位量を測定する手段と、これら荷重‐変位データを記録する手段と、複数の明暗パターンを切替えて出力する演算手段と、前記出力された明暗パターンを投影する投影手段と、該投影手段からの投影像を表示する表示手段と、前記表示された投影像を前記測定材中の所定の類鏡面部に映してなる鏡像を撮影および記録する手段とを有することを特徴とする張り剛性測定装置。
本発明によれば、手押しによる官能評価を再現でき、また、高荷重域での塑性変形発生を抑制できるので、張り剛性の高精度な定量評価が可能である。また、張り剛性評価時の荷重‐変位特性と同時に、光学的手法を用いてパネル全体の変形状態および三次元形状を可視化することで、圧子への荷重増加に伴うパネル形状の変化を連続的に把握すること、また張り剛性特性を左右している部位の特定、張り剛性のメカニズムを把握することが可能となる。
金属パネル例えば自動車アウター部品のプレスパネルは、比較的曲率半径の大きい緩曲面をもち、曲率半径が大きいことから、張り剛性の低下が懸念される。張り剛性の評価はこのような緩曲面を対象とすることが多く、手押し官能評価を再現する精度の高い評価を行う場合は、その曲面に合った測定方法の検討が必要である。
荷重‐変位挙動には、圧子と測定対象パネルとの接触面積が影響することが発明者らの調査により明確になった。
板厚0.7mmの冷延鋼板(引張強さ340MPa級)を350mm角のカマボコ形状(曲率半径R1200)の金型でプレス成形したモデルパネルを測定対象とし、これのパネル凸面側中央部を、手のひらで押す条件、および硬質ゴム、軟質ゴム、鋼(先端R50)、ボール(ゴム製)の各圧子で押す条件で、押し込んだ際の荷重‐変位曲線を測定し、手押しでのデータとの荷重差ΔXを求めた。このΔXは、前記荷重‐変位曲線に基づき、各圧子で押し込む条件について、変位0.05mm毎の手押し条件との荷重差分を所定の変位のところまでとってそれらを積算したものである。一方、手のひらまたは前記各圧子の、パネル(測定対象パネル)との接触面積を感圧紙で実測した。
パネルとの接触面積とΔXの関係を図2に示す。同図より、バラツキはあるが接触面積の増加によりΔXが増大することが分かる。
手のひらの接触面積をAとして、圧子の形状は押し込みの荷重負荷中の安定性の点で好ましい円柱形状とし、その圧子底面の直径Dは、D=2×√(A/π)で表される。なお、Dの値としては、一般的な大きさの手の接触面積を調査した結果、35〜55mmが必要であることも分かった。
硬度の異なる16種類の弾性体(ここではゴムを用いた)で直径D=55mm、高さ(厚さ)15mmの円柱形状の圧子を作製し、鋼板(引張強さ340MPa級、板厚0.8mm)を曲率半径R800、R1200のカマボコ形状の金型でプレス成形したパネルの張り剛性を測定した結果を図3に示す。なおゴムの硬度は国際ゴム硬さIRHDを使用した。
圧子の円柱底面積=パネルとの接触面積、となるには、圧子が荷重負荷後パネルに完全に馴染む必要がある。それはパネルの曲率半径Rと関係があると考え、調査した結果、パネルと馴染むには以下の条件を満たす必要があることを見出した。
IRHD≦0.283×D/R−9.063×D/R+103.2 …(1A)
式(1A)の導出方法について以下に述べる。
硬さを10水準違えた弾性体(ここではゴムを用いた)製円柱形状の圧子の底面を、曲率半径R1200の前記パネル上に置き、圧子の頂面に当て板(鋼製)を当ててその上からパネル面に対し荷重550gfで垂直に押込んだ時のパネルとの圧子底面側のたわみ量(凹み量)δを実測し、そのデータから最小二乗法により以下の曲線近似式(2)を求めた。なお、この際、パネルの変形およびゴムのせん断変形は無いことを確認している。
IRHD=18.1×δ−72.5×δ+103.2 …(2)
(ただし、δ>0のときである。δ=0のときは、IRHD=100とする)
また、パネル変形の無い状態で、圧子底面がパネルに完全に接触する(馴染む)ために必要な圧子のたわみ量dは、図4に示すように幾何学的な方法により以下のように求められる。
d=D/(8R) …(3)
一方、荷重負荷を受けた圧子がたわみ、底面がパネルに完全に馴染むためには、式(2)において、δ=dを満たすことが必要である。
式(2)にδ=dを代入し、さらに式(3)より以下の式
IRHDMAX=0.283×D/R−9.063×D/R+103.2
(ただし、R=∞のときは、IRHD=100とする)
が求まり、この硬度IRHDMAX以下であれば圧子がパネル面に馴染むので、前記式(1A)の関係が求められた。
さらに、IRHD<30では、圧子底面はパネルと馴染むが、圧子自体の潰れが大きく正確な測定ができないため、圧子硬度IRHDは、前記式(1)すなわち、
30≦IRHD≦0.283×D/R−9.063×D/R+103.2 …(1)
を満たすものとした。
板厚0.8mmの引張強さ340MPa級ハイテン鋼板を350mm角のカマボコ形状(曲率半径R1200)の金型でプレス成形したモデルパネルについて、底面直径Dが35〜55mm、厚さ(高さ)がD/18〜D×(9/10)の円柱形状で、硬度が30〜100IRHDであるゴム圧子にてパネル中央部を押下し、荷重‐変位曲線を測定した。
圧子厚さ(円柱高さ)とΔXの関係を図5に示した。圧子硬さ(圧子とした弾性体の硬さ)IRHDが、式(1)を満たす場合(発明範囲の場合)は圧子厚さD/6〜D/2の広い範囲でΔX=0を満たし良好な結果を示すが、IRHDMAXを超えた場合はΔX=0となる領域が狭まることが分かる。
この圧子を使用した本発明の実施の形態(その1)を図6に示す。定盤5上に配置した測定材8の被測定面(凸面側、荷重負荷面)に圧子1の底面を当て、圧子1の頂面に当て板とした配置した金属板(例えば鋼板)4を、図示しない押圧装置(例えば油圧装置あるいは電動モータ装置など)により連続的かつ静的に押下しながら、この押下の荷重をロードセル7で検出する。それと同時に測定材8の被測定面の裏面側(凹面側)から変位計6により被測定面の下方への変位を検出する。ここで、押圧装置にて静的に押下する際の速度(単位時間あたりの押下量)は、手の押下速度に合わせて、0.05〜100mm/sとするのが好ましい。この押し速度範囲内であれば、荷重‐変位曲線への押し速度の影響は極めて小さい。
なお、荷重負荷中における円柱形状の圧子支持のため、および、圧子頂面に均等に荷重がかかることを目的として、圧子の頂面側に当て板として前記金属板4を当接配置することが必要である。この金属板は、荷重負荷中にたわみが発生しないものならば特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、チタンなどが適しており、厚みについてもたわみが発生しないものならば、特に限定されない。
このようにして測定した荷重‐変位曲線を用いて測定材8の張り剛性を評価することにより、手押しの張り剛性官能評価を高精度に再現することができ、高精度な張り剛性の評価が可能となる。
特に、荷重負荷面の裏側から変位を検出するようにしたことで、圧子の弾性変形の影響を受けることなく、パネルのたわみ量を正確に測定することができる。
また、測定材全体の変形状態を評価する手法として、本発明の実施の形態(その2)を図7に示す。測定材8の被測定面(凸面側、荷重負荷面)に圧子1の底面を当て、圧子1の頂面に当て板とした配置した金属板(例えば鋼板)4を、図示しない押圧装置(測定材に荷重を加える負荷手段、例えば油圧装置あるいは電動モータ装置など)により連続的かつ静的に押下しながら、この押下の荷重をロードセル(荷重を測定する手段)7で検出する。それと同時に測定材8の被測定面の変位を裏面側(凹面側)から変位計(変位量を測定する手段)6により検出する。変位計6およびロードセル7は、レコーダ(荷重‐変位データを記録する手段)10と接続されている。
パターン表示機構は、複数の明暗パターンを切替えて出力する演算装置(演算手段)14から出力された明暗パターンが、演算装置14に接続されたプロジェクタ(投影手段)13に送られ、送られた明暗パターンをプロジェクタ13がスクリーン(表示手段)11へ投影するよう構成されている。明暗パターンは特に限定されない。例えば、図7に示すようなストライプ状の明暗パターンでもよく、これ以外にも格子状、波形状など各種パターンが適応できる。測定材8の所定の表面(ここでは、変位計6配置側の面)は、類鏡面(鏡面または半鏡面)状とされている。スクリーン11で表示された投影像(明暗パターン)は、そこから発して測定材8の所定の類鏡面状の表面で正反射することによって、その鏡像が前記類鏡面状の表面に映る。この鏡像は、これを観察可能に配置・配向されたカメラ(鏡像を撮影する手段)9で撮影される。プロジェクタ13およびカメラ9は、レコーダ10と接続されている。レコーダ10は、前記荷重‐変位データを記録するとともに、プロジェクタ13が投影した明暗パターン、およびカメラ9が撮影した鏡像の、画像データを記録する。
このようにして測定された変位‐荷重曲線および測定材8に映った反射投影パターン12を撮影した画像より、手押しの張り剛性官能評価を高精度に再現しつつ、パネル飛び移り座屈現象による、不連続なパネル全体の変形挙動を連続的に把握することが可能である。
図6に示した測定方法により、測定対象パネルの荷重と変位を測定した。測定対象パネル(引張強さ340,440MPa級、板厚0.7mmの鋼板を金型でカマボコ形にプレス成形したもの)の曲率半径、および圧子(ゴム製円柱形状のもの)の底面直径(圧子径)、硬さ、厚さを種々変えて測定し、手押しの荷重‐変位曲線との差をΔXとした。ΔXの算出方法は、図8に示すように、手押しの荷重‐変位曲線(例えば図8中の曲線A)を基準にとり、飛び移り変位(座屈変位)まで、または飛び移りのない場合は変位5mmまで、変位0.05mmごとの荷重差の積算値で表し、ΔX=0の場合(例えば図8中の曲線A’)は適、ΔX≠0の場合(例えば図8中の曲線B,C)は不適とした。なお、圧子径は手のひらの接触面積Aに合わせ、2×√(A/π)の径にて実施している。手押しにおける測定では、測定対象パネルを支持する台(図6中の定盤5)の下にロードセルを、測定対象パネル裏面に変位計を配置することで、変位と荷重を同時に測定した。押圧装置(ここでは電動モータで構成)の押し速度は前記好適範囲内の0.1mm/sとした。
ΔXの算出結果を表1に示す。本発明範囲内ではΔX=0となり、手押しによる評価結果を再現していることがわかる。
引張強さ340MPa級で板厚0.7mmの鋼板を1200mmR円筒面のポンチでプレス成形し、得られた600mm角、パネル曲率半径1200mmのカマボコ形状のパネル(略してカマボコパネル)の凹側を塗油により半鏡面状態とした上で、図7に示した本発明実施形態の例と同様に測定装置を組んだ。明暗パターンは幅20mmの明るいラインと幅20mmの暗いラインとが交互に配列されたストライプ状のパターンとした。圧子には圧子径45mm、圧子硬さ50IRHD、圧子厚16mmのものを用い、この圧子でカマボコパネル中央部を、押し速度0.1mm/sで押し込み量4.5mmまで押し込んで、張り剛性を測定した。図9は、説明用として、圧子を押込む一連の過程におけるカマボコパネルの変形挙動を示した図である。これよりカマボコパネルに映った反射投影パターンの変化からカマボコパネル全体の変形状態が一目瞭然であり、押し込み量2.0mmでは押し込み部にたわみが発生しているが、押し込み量4.5mmでは、飛び移り座屈現象により、図9中の点線で囲った箇所に大きなたわみが発生しており、荷重負荷時のベコツキ挙動を容易に捉えうることがわかる。
また、図10は、説明用として、パネル曲率半径を800mmRにした場合と比較し、荷重‐変位曲線と対応するパネル変形状態を示した図である。これより通常の荷重‐変位曲線からパネル曲率半径を800mmRにした方が同じたわみ量に対して、大きな荷重を必要とするため、張り剛性が向上していることが分かるが、パネル全体の変形挙動を見ることで、さらにたわみが発生する箇所(図10中の点線で囲った箇所)が明瞭に特定でき、例えばたわみ発生箇所に形状(たわみ抵抗が増すような形状)を付与するなどの対策をとることが容易に可能となることが分かる。
なお、本実施例では、たわみ発生箇所の特定は、その場観察によるマーキングにて実施したが、例えば測定材そのものあるいはその周囲に縮尺として目盛りを設置することでたわみ発生箇所の特定を行ってもよい。
荷重‐変位曲線を示すグラフである。 パネルとの接触面積とΔXの関係を示すグラフである。 圧子硬度IRHDとΔXの関係を示すグラフである。 圧子凹み量δとパネル曲率半径R、圧子底面直径Dの関係算出方法を示す説明図である。 圧子厚さ(円柱高さ)とΔXの関係を示すグラフである。 本発明の圧子を用いた張り剛性測定方法の概要を示す模式図である。 測定材全体の変形状態を同時にかつ連続的に可視化可能とする本発明実施形態の1例を示す模式図である。 ΔXの算出方法を示す説明図である。 測定材全体の一連の変形挙動を示す説明図である。 荷重‐変位曲線とこれに対応するパネル変形状態を示す説明図である。
符号の説明
1 圧子
2 底面(圧子底面)
3 金属パネル(略してパネル)
4 金属板(例えば鋼板)
5 定盤
6 変位計(変位量を測定する手段)
7 ロードセル(荷重を測定する手段)
8 測定材(測定対象パネル、モデルパネルまたは金属パネルともいう)
9 カメラ(鏡像を撮影する手段)
10 レコーダ(荷重‐変位データ、投影明暗パターンおよび鏡像の画像データを記録する手段)
11 スクリーン(表示手段)
12 反射投影パターン(鏡像)
13 プロジェクタ(投影手段)
14 演算手段

Claims (4)

  1. 曲率半径Rの金属パネルの張り剛性を測定するための圧子であって、前記金属パネルに押し付ける底面の直径Dが35〜55mm、高さがD/6〜D/2の円柱形状の弾性体からなり、該弾性体の硬さIRHDが下記式(1)を満足し、該弾性体の頂面を金属板で押されて前記金属パネルと当接することを特徴とする張り剛性測定用圧子。

    30≦IRHD≦0.283×D/R−9.063×D/R+103.2 …(1)
  2. 請求項1に記載の張り剛性測定用圧子を使用して前記金属パネルの張り剛性を測定する方法であって、押圧装置により前記金属板を介した前記圧子から前記金属パネルの被測定面への押圧荷重を連続的かつ静的に負荷しつつ、前記金属パネルの被測定面の裏面側から該被測定面の変位量を連続的に測定することを特徴とする張り剛性測定方法。
  3. 測定材である前記金属パネルとして、前記被測定面の裏面が類鏡面であるものを用い、該裏面側から前記被測定面の変位量を連続的に測定するに併せて、該裏面に明暗パターンを反射投影して該明暗パターンの鏡像を得、該鏡像により、前記測定材全体の変形状態を、同時かつ連続的に、可視化することを特徴とする請求項2に記載の張り剛性測定方法。
  4. 請求項3に記載の張り剛性測定方法の実施に用いる装置であって、前記測定材に荷重を加える負荷手段と、該加えた荷重およびそれによる変位量を測定する手段と、これら荷重‐変位データを記録する手段と、複数の明暗パターンを切替えて出力する演算手段と、前記出力された明暗パターンを投影する投影手段と、該投影手段からの投影像を表示する表示手段と、前記表示された投影像を前記測定材中の所定の類鏡面部に映してなる鏡像を撮影および記録する手段とを有することを特徴とする張り剛性測定装置。
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