JP5023936B2 - 正極用触媒及びリチウム空気二次電池 - Google Patents

正極用触媒及びリチウム空気二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池用の正極用触媒及び該正極用触媒を用いたリチウム空気二次電池に関する。
空気電池は、空気中の酸素を活物質として用いた正極を有する電池である。空気電池は、正極において、酸素の酸化還元を行うことにより電池の充放電を行うことができる。
具体的な空気電池としては、正極に酸素の酸化還元を行うことができる例えば多孔性の炭素材料を含有し、金属からなる負極を有する電池が提案されている(特許文献1参照)。かかる空気電池においては、酸素の酸化還元を促進するために、水溶液電解液を含有する空気電池の正極にペロブスカイト型化合物を触媒として用いることが提案されている(特許文献1参照)。また、La1-xCaxCoO3(0.05≦x≦0.9)を触媒として用いることも提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これら従来の空気電池は、水溶液電解液を用いた電池であった。このような水溶液電解液を用いた空気二次電池においては、放電後に生成する金属水酸化物を充電時に再び金属に戻すことが非常に困難であった。特に負極にリチウム等のアルカリやアルカリ土類金属を用いた場合には、これらが水溶液電解液と反応して負極が失活してしまうおそれがあった。そのため、空気電池は、実際にはZnやAl等の金属を負極に用いた一次電池としての利用にとどまっていた。
一方、非水溶媒を用いた空気二次電池も提案されている。具体的には、正極に触媒としてコバルトを含有し、負極に金属リチウムを含有するリチウム空気二次電池が提案されている(非特許文献1参照)。
また、空気二次電池としては、例えばリチウム過酸化物、並びにリチウム酸化物を正極に含み、電解質として、固体電解質層を有する空気リチウム二次電池も提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、有機溶媒等の非水溶媒は、その多くが例えば4.3〜4.6V以上の電位をかけると分解してしまうおそれがある。そのため、安定した充電特性を得るためには、充電時の過電圧の低下が要求されている。また、同時に過電圧の低下によって放電電圧を上昇させることが要求されている。従来のリチウム空気二次電池においては、充電時の過電圧の低下が不十分であり、また放電時の電圧も不十分であった。
また、固体電解質層を用いた従来の空気二次電池においても、過電圧の低下という問題は避けられない。よって、放電電圧が不十分になり、充電時に電圧が急激に上昇するおそれがあった。
特開2005−190833号公報 特開平2−257577号公報 特開2005−166685号公報 ケイ・エム・アブラハム(K. M. Abraham)、ズィ・ジャン(Z. Jiang)、「エレクトロケミカル・サイエンス・アンド・テクノロジ−(ELECTROCHEMICAL SCIENCE AND TECHNOLOGY)」、ジャーナル オブ ジ エレクトロケミカル ソサイアティ(Journal of The Electrochemical Society)、(米国)、1996年1月発行、143巻(Vol.143)、1号(No.1)p.1−5
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、充電時に低電圧での充電を可能にすると共に、放電時には高電圧での放電を可能にするリチウム空気二次電池用の正極用触媒及びリチウム空気二次電池を提供しようとするものである。
第1の発明は、電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池の正極に用いられる正極用触媒であって、
該正極用触媒は、酸素の吸放出能を有する金属酸化物を含有し、
該金属酸化物は、少なくともCeO2を含有する固溶体、又はCeO 2 とAl 2 3 との複合材料であることを特徴とする正極用触媒にある(請求項1)。
第1の発明の正極用触媒は、酸素の吸放出能を有する金属酸化物として、少なくともCeO2を含有する
そのため、上記正極活物質を上記リチウム空気二次電池の正極に用いた場合に、上記正極用触媒は、酸素の酸化還元を促進することができる。それ故、リチウム空気二次電池の過電圧を小さくすることができる。その結果、上記リチウム空気二次電池を、より高電圧で放電させることができると共に、低電圧で充電することができる。
即ち、リチウム空気二次電池は、負極ではLi金属を、正極では空気中の酸素を活物質に用いた電池である。放電時には、正極で酸素が還元され、この還元された酸素と負極からのLiイオンとが反応してLi酸化物を生成する。このとき、酸素の還元に費やされるエネルギーによる過電圧相当分が理論上の放電電圧から差し引かれるため、実際の放電電圧は理論上の放電電圧よりも低くなる。本発明の正極用触媒は、過電圧を小さくすることができるため、上記のごとく放電電圧を向上させることができる。
一方、充電時には、Li酸化物が還元され酸素を発生する。このとき、上記正極用触媒は、酸素の発生を促進することができる。そのため、過電圧を小さくすることができ、低電圧での充電が可能になる。また、上記正極用触媒は、非水電解液が分解する電位(例えば約4.5V前後)よりも充分に低い電圧での充電を可能にする。そのため、上記正極用触媒を用いることにより、非水電解液を有するリチウム空気二次電池を実現することができる。
上記正極用触媒が、上述のごとく充放電を促進する理由について説明する。
即ち、リチウム空気二次電池においては、放電時には、酸素の還元が起こり、充電時には酸素の放出が起こる。そのため、電池内において、放電時には酸素が供給され、充電時には酸素が回収されることが要求される。上記正極用触媒は、酸素の吸放出能を有する。そのため、放電時における酸素の供給及び充電時における酸素の回収を促進することができる。
したがって、上記正極用触媒は、リチウム空気二次電池において、充電時には低電圧での充電を可能にし、放電時には高電圧での放電を可能にする。
の発明は、電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池において、
該リチウム空気二次電池は、上記正極用触媒を正極に含有することを特徴とするリチウム空気二次電池にある(請求項)。
上記リチウム空気二次電池において最も注目すべき点は、上記正極用触媒を正極に含有している点にある。
そのため、上記リチウム空気二次電池においては、上記正極用触媒が充放電反応を促進することができる。それ故、上記リチウム空気二次電池は、充電時には低電圧で充電を行うことができると共に、放電時には高電圧で放電を行うことができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
上記正極用触媒は、酸素の吸放出能を有する金属酸化物として、少なくともCeO2を含有する固溶体又は複合材料を含有する
上述の金属酸化物は、金属元素の価数を変化させることにより酸素の吸放出を行うことができる。例えば4価の金属元素Mの酸化物の場合、2MO2→M23+1/2O2及びM23+1/2O2→2MO2という吸放出反応が進行し、触媒活性点での雰囲気に応じて酸化物が変化することにより、反応が促進されると考えられる。
また、上記第1の発明において、上記正極用触媒は、CeO2の固溶体を含有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記正極用触媒の酸素の吸放出能をより向上させることができる。
上記固溶体としては、CeO2と、Zr、Y、Nd等の酸化物との組み合わせを採用することができる。
好ましくは、上記正極用触媒は、CeO2とZrO2との固溶体を含有することがよい(請求項3)。
この場合には、上記正極用触媒の酸素の吸放出能をより一層向上させることができる。
また、上記正極用触媒は、CeO2とAl23との複合材料を含有することが好ましい(請求項4)。
この場合にも、上記正極用触媒の酸素の吸放出能をより一層向上させることができる。
上記複合材料は、セリウム塩とアルミニウム塩とを水に溶解してなる水溶液にアルカリを加えて水酸化セリウム及び水酸化アルミニウムを含有する沈殿物を生じさせ、該沈殿物を焼成してなることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記正極用触媒の酸素の吸放出能をさらにより一層向上させることができる。
上記セリウム塩、及び上記アルミニウム塩としては、それぞれセリウム及びアルミニウムの硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩等を用いることができる。アルカリとしては、アンモニア、炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を用いることができる。
また、上記沈殿物の焼成の前には、上記沈殿物を温度100℃〜200℃で熟成することが好ましい。この場合には、水酸化セリウム及び水酸化アルミニウムの生成を促進させ、上記沈殿物中の水酸化セリウム及び水酸化アルミニウムの含有量を増大させることができる。
熟成温度が100℃未満の場合には、水酸化セリウム及び水酸化アルミニウムの生成を充分に促進させることができなくなるおそれがある。一方200℃を越える場合には、水蒸気圧が高くなり、高圧に耐える装置が必要となり、製造コストが増大するおそれがある。より好ましくは、100℃〜150℃がよい。
また、上記沈殿物の焼成は、温度500℃〜900℃で行うことが好ましい。
温度500℃未満の場合には、CeO2とAl23との複合材料がアモルファス状態になり、触媒性能の安定性が悪くなるおそれがある。一方、900℃を越える場合には、上記複合材料の表面積が小さくなり、酸素の吸放出能の向上効果が小さくなるおそれがある。
また、上記沈殿物の焼成は、2段階以上の温度に分けて行うことができるが、最終的な焼成温度を上述の500℃〜900℃にすることができる。
また上記正極用触媒は、上記金属酸化物として、ABO3で表されるペロブスカイト型複合酸化物を含有し、該ペロブスカイト型複合酸化物は、Aサイト元素としてLa、Sr、及びCaから選ばれる少なくとも2種を含有し、Bサイト元素としてMn、Fe、Cr、及びCoから選ばれる少なくとも1種を含有することもできる
具体的には、例えばAサイト元素にLa及びCaを含有し、Bサイト元素にCoを含有するペロブスカイト型複合酸化物等を用いることができる。
上記金属酸化物には、貴金属が担持されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、酸素分子の還元及び発生を大きく促進させることができる。
貴金属としては、具体的には、例えばPt、Rh、Pd、Ag、Ru等から選ばれる1種以上の金属を用いることができる。
上記正極用触媒は、平均電圧3.5V〜4.3Vで充電する上記リチウム空気二次電池に用いられることが好ましい(請求項)。
この場合には、室温で比較的低い電圧で充電できるという上記正極用触媒の特徴を充分に生かすことができる。
次に、上記リチウム空気二次電池は、電解液として非水電解液を含有する。
上記非水電解液は、例えば有機溶媒に電解質を溶解することにより作製することができる。
上記電解質としては、例えばリチウム塩を用いることができる。この場合には、リチウム塩は有機溶媒に溶解することによって解離し、リチウムイオンとなって電解液中に存在する。使用できるリチウム塩としては、例えばLiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22等が挙げられる。これらのリチウム塩は、それぞれ単独でもよく、又はこれらのうちから2種以上を併用することもできる。
リチウム塩を溶解させる有機溶媒としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等から選ばれる1種又は2種以上からなる混合溶媒を用いることができる。
ここで、上記環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。上記鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。上位環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。上記環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。上記鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。上記有機溶媒としては、これらのもののうちいずれか1種を単独で用いることもできるし、2種以上を混合させて用いることもできる。
上記リチウム空気電池の上記正極は、上記正極用触媒と炭素材料と有機バインダーとを含有する正極材料を集電体に圧着してなることが好ましい(請求項)。
この場合には、簡単に上記リチウム空気電池用の正極を作製することができる。
上記炭素材料としては、表面積が大きい多孔質の炭素材料を用いることが好ましい。
この場合には、酸素との接触面積が大きくなり、上記リチウム空気電極の充放電容量を向上させることができる。具体的には、例えば、活性炭、黒鉛、カーボンブラック、コークス、及び炭素繊維等を用いることができる。
また、上記有機バインダーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、及び炭素繊維等を用いることができる。
上記集電体としては、例えばNiメッシュ、Auメッシュ、及びステンレスメッシュ等を用いることができる。
上記正極用触媒は、上記正極において、上記正極用触媒と上記炭素材料と上記有機バインダーとの合計量中の0.01〜50質量%を占めることが好ましい(請求項10)。
上記正極用触媒の占める割合が0.01質量%未満の場合には、触媒による本発明の効果が不十分になるおそれがある。一方、50質量%を越える場合には、正極の導電性が低下し、電池から取り出せる電流が不十分になるおそれがある。より好ましくは、2〜30質量%がよい。
また、上記負極としては、金属リチウムを用いることができる。上記負極としては、金属リチウムを例えば板状等の所望の形状に成形して用いることができる。
上記リチウム空気二次電池の詳細な構成は、現段階で知られている空気電池の様々な構成を採用することできる。
具体的には、上記リチウム空気二次電池は、上記正極と上記負極との間に、これらを分離するセパレータと上記非水電解液とを有し、上記正極は、上記セパレータと反対側に空気との接触部を有していることが好ましい(請求項11)。
この場合には、本発明の効果を示すリチウム空気二次電池を簡単に構成することができる。
上記正極用触媒中に含まれる上記金属酸化物は、空気との上記接触部において酸化還元反応により酸素の吸収及び放出を行うことができる(請求項12)。
上記セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質のセパレータを用いることができる。
また、上記非水電解液は、上記セパレータに含浸させることができる。そして、この場合には、上記非水電解液を含浸させた上記セパレータを上記正極と上記負極との間に狭装させることができる。
また、上記正極上の上記接触部側には酸素透過膜を配置することができる。
この場合には、上記リチウム空気二次電池の正極に酸素を供給しつつ、水分の進入を防止することができる。
上記酸素透過膜としては、空気中の酸素を透過させ、かつ水分の進入を防止できる撥水性の多孔質膜等を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエステルやポリフェニレンサルファイド等からなる多孔質膜を用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1〜図5を用いて説明する。本例においは、リチウム空気二次電池用の正極用触媒を作製し、該正極用触媒を用いてリチウム空気二次電池を作製する。
図2及び図3に示すごとく、本例の正極用触媒23は、電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極3を有するリチウム空気二次電池1の正極2に用いられる触媒である。正極用触媒23は、酸素の吸放出能を有する金属酸化物を含有する。本例の正極用触媒23は、金属酸化物としてCeO2−ZrO2固溶体を含有し、この固溶体には貴金属が担持されている。
図1〜図3に示すごとく、本例のリチウム空気二次電池1は、電解液として非水電解液を有すると共に、酸素を酸化還元する正極2と金属Liよりなる負極3とを有する。正極2は、図3に示すごとく、正極用触媒23と炭素材料22と有機バインダー(図示略)とを含有する正極材料25を集電体21に圧着してなる。
図2に示すごとく、リチウム空気二次電池1において、正極2、負極3、及び電解液は電池ケース6内に配置されている。正極2と負極3との間には、これらを分離するセパレータ4が配置され、非水電解液は多孔質のセパレータ4に含浸されている。また、正極2は、セパレータ4と反対側に空気との接触部27を有している。接触部27側の正極2の表面には、酸素透過膜5が配置されている。
また、図1及び図2に示すごとく電池ケース6は、本体部61と蓋部62と絶縁部63とからなり、蓋部62には電池内に空気を導入するための貫通孔625が設けられている。この貫通孔625からリチウム空気二次電池1内に酸素が進入し、この酸素は酸素透過膜5を通過して、正極2に供給される。また、電池ケース6の本体部61と蓋部62とは、絶縁材料からなる絶縁部63を介してかしめ加工や溶着等により接合される。
次に、本例のリチウム空気二次電池の製造方法につき説明する。まず、以下のようにして正極用触媒を作製した。
即ち、まず水中で硝酸セリウムと硝酸ジルコニルとを混合し、混合水溶液を作製した。このとき、硝酸セリウムと硝酸ジルコニルとは、目的物であるCeO2−ZrO2固溶体におけるCeO2とZrO2との混合比が重量比で5:1となるように混合した。次いで、混合水溶液をビーカ内で撹拌しながら、混合水溶液にアンモニア水を滴下して中和し、沈殿物を生成させた。得られた沈殿物を大気中で温度400℃で5時間加熱することにより、共存する硝酸アンモニウムを蒸発及び分解させた。さらに大気中で温度600℃で5時間焼成することにより、CeO2−ZrO2固溶体粉末を得た。
次に、ジニトロジアンミン白金硝酸を、これに含まれる白金量が5gとなるように150mlの水に溶解して水溶液を作製し、この水溶液中に、CeO2−ZrO2固溶体粉末90gを添加して混合した後、温度500℃で3時間加熱することにより、白金が担持されたCeO2−ZrO2固溶体からなる正極用触媒を得た。これを試料E1とする。
次に、上記試料E1を用いて、図1及び図2に示すようなリチウム空気二次電池1を作製する。
具体的には、まず、以下のようにして正極2を作製した。
即ち、まず、14.6重量部の正極用触媒(試料E1)23と、83重量部の活性炭22とをエタノール中で混合して混合液を作製した。この混合液に、ポリテトラフルオロエチレン2.4重量部を混合することにより薄膜状の正極材料25を得た。次いで、5mgの活性炭22が含まれる量の正極材料25をNiからなる金属メッシュ(集電体)21に圧着し、真空乾燥させて板状の正極2を得た(図3参照)。
次に、図2に示すごとく、負極3として、板状のLi金属を準備した。また、非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)30重量部とジエチルカーボネート(DEC)70重量部とを混合した溶媒に電解質としてのLiPF6を1M溶解させることにより作製した。また、セパレータ4としては多孔性のポリエチレンシートを準備した。
次に、図2に示すごとく、上記のようにして作製した正極2と負極3とを、予め非水電解液を含浸させたセパレータ4により隔てる形で電池ケース6の本体部61内に配置した。このとき、図2及び図3に示すごとく、正極2は、正極材料25を塗布した側の面がセパレータ4側になるように電池ケース6内に配置した。続いて、正極2上のセパレータ4とは反対側の面である酸素との接触部27に酸素透過膜5を配置した。次いで、電池ケース6の本体部61の開口部分に、複数の貫通孔625が形成された蓋部62を配置し、蓋部62と本体部61とを接合させた。このようにして、図1及び図2に示すようなリチウム空気二次電池1を作製した。これを電池E1とする。なお、本例においては明確に示していないが、正極2及び負極3からは、電池ケース6外に電気的に導通する端子部(図示略)が設けられており、これらの端子部から電池の充電及び放電を行うことができる。
また、本例においては、白金が担持されたCeO2−ZrO2固溶体からなる正極用触媒(試料E1)の代わりに、La0.6Ca0.4CoO3からなる参考例用の正極用触媒(試料E2)を用いてリチウム空気二次電池(電池E2)を作製した。
具体的には、まず、水中で、硝酸カルシウム、硝酸ランタン、及び硝酸コバルトをモル比でLa:Ca:Co=3:2:5となる混合比で混合し、混合水溶液を作製した。次いで、この混合液中に、La、Ca、及びCoの総モル数と同量のクエン酸を含む溶液を添加して撹拌した。その後、減圧蒸留することにより乾燥させ、原料粉末を得た。この原料粉末を大気中で温度200℃で2時間仮焼し、さらに温度700℃で2時間本焼成することにより、La0.6Ca0.4CoO3からなる正極用触媒を得た。これを試料E2とする。
次に、上記試料E2を用いて参考例用のリチウム空気二次電池(電池E2)を作製した。この電池E2は、正極用触媒として上記試料E1の代わりに上記試料E2を用いた点を除いては、上記電池E1と同様にして作製した。
また、本例においては、電池E1と電池E2との比較用として、正極用触媒を含有していないリチウム空気二次電池(電池C1)を作製した。
具体的には、まず、活性炭97.4重量部をエタノール中に分散させて分散液を作製した。この分散液に、ポリテトラフルオロエチレン2.6重量部を混合することにより薄膜状の正極材料を得た。次いで、5mgの活性炭が含まれる量の正極材料をNiからなる金属メッシュに圧着し、真空乾燥させて板状の正極を得た。この正極を用いてリチウム空気二次電池を作製した。これを電池C1とする。
電池C1は、正極用触媒を含有していない正極を用いた点を除いては、上記電池E1と同様にして作製した。
次に、上記のようにして作製した3種類のリチウム空気二次電池(電池E1、電池E2、及び電池C1)を用いて下記の充放電試験を行い、各電池の充電電圧及び放電電圧を調べた。
(充放電試験)
各電池(電池E1、電池E2、及び電池C1)について、その正極のカーボン1g当りに50.5mAの電流を流して放電下限電圧2.0Vまで放電を行った。次いで、正極のカーボン1g当りに20.2mAの電流を流して充電上限電圧4.2Vまで充電を行った。そして、このときの各電池の電圧及び放電容量をそれぞれ測定した。なお、放電容量は、放電電流値(mA)を測定し、この放電電流値に放電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内のカーボンの重量(g)で除することにより算出した。放電容量と同様に、充電容量は、充電電流値(mA)を測定し、この充電電流値に充電に要した時間(hr)を乗じて得られた値を、電池内のカーボンの重量(g)で除することにより算出した。その結果を図4、図5に示す。図4には、放電時における各電池の放電容量と電池電圧との関係を示す。また、図5には、充電時における各電池の充電容量と電池電圧との関係を示す。また、表1に、各電池について、放電時及び充電時における平均電圧をそれぞれ示す。
Figure 0005023936
図4及び表1より知られるごとく、正極用触媒(試料E1及び試料E2)を含有する電池E1及び電池E2は、正極用触媒を含有していない電池C1に比べてより高い電圧で放電を行うことができた。これは、電池E1及び電池E2においては、正極用触媒によって過電圧分が減少したためであると考えられる。
また、図5及び表1より知られるごとく、正極用触媒(試料E1及び試料E2)を含有する電池E1及び電池E2は、3.5〜3.7Vという低い電圧で、かつ比較的一定の電圧で充電を行うことができた。一方、正極用触媒を含有していない電池C1は、充電を開始してから電池電圧が急激に上昇し、短時間で充電上限電圧の4.2Vにまで達していた。また、電池C1においては、充放電容量が50mAh/g以下という非常に小さかったが、電池E1及び電池E3においては、試料C1比べて充放電容量が向上していた。
以上のように、本例によれば、正極用触媒を正極に用いることにより、リチウム空気二次電池の充電を低電圧で行うことができると共に、高電圧での放電が可能になることがわかる。
(実施例2)
実施例1においては、酸素透過膜を用いたリチウム空気二次電池を作製したが、本例においては、酸素透過膜を用いずに、正極に種々の正極用触媒をそれぞれ含有する複数のリチウム空気二次電池を作製し、その特性の評価を行う。
図6に示すごとく、本例のリチウム空気二次電池7は、電解液として非水電解液を有すると共に、酸素を酸化還元する正極71と金属Liよりなる負極72とを有する。正極71は、実施例1と同様に、正極用触媒と炭素材料と有機バインダーとを含有する正極材料を集電体に圧着してなる。
図6に示すごとく、リチウム空気二次電池7において、正極71、負極72、及び電解液は電池ケース74内に配置されている。正極71と負極72との間には、これらを分離するセパレータ73が配置され、非水電解液は多孔質のセパレータ73に含浸されている。また、正極71は、セパレータ73と反対側に空気との接触部715を有している。
また、図1及び図2に示すごとく電池ケース74は、本体部741と蓋部742と絶縁部743とからなり、蓋部742には電池内に空気を導入するための貫通孔745が設けられている。この貫通孔745からリチウム空気二次電池7内に酸素が進入し、正極71に供給される。また、電池ケース74の本体部741と蓋部742とは、絶縁材料よりなる絶縁部743を介して、かしめ加工や溶着等により接合される。このように、本例のリチウム空気二次電池7は、酸素透過膜を有していない点を除いては、実施例1のリチウム空気二次電池と同様の構造を有している。
次に、本例のリチウム空気二次電池の製造方法につき説明する。
まず、実施例1と同様に、CeO2−ZrO2固溶体に白金触媒を担持してなる正極用触媒(試料E1)を作製した。
次に、実施例1と同様に、14.6重量部の正極用触媒(試料E1)と、83重量部の活性炭とをエタノール中で混合して混合液を作製し、この混合液にポリテトラフルオロエチレン2.4重量部を混合することにより薄膜状の正極材料を得た。次いで、5mgの活性炭が含まれる量の正極材料をNiからなる金属メッシュ(集電体)に圧着し、真空乾燥させて板状の正極71を得た(図6参照)。
また、実施例1と同様にして、板状のLi金属からなる負極、及びEC30重量部とDEC70重量部との混合溶媒に電解質(LiPF6)を1M溶解してなる非水電解液を作製した。
さらに実施例1と同様にして、正極71と負極72とを、予め非水電解液を含浸させた多孔性のポリエチレンシートからなるセパレータ73により隔てる形で電池ケース6の本体部61内に配置した(図6参照)。次いで、電池ケース74の本体部741の開口部分に、複数の貫通孔745が形成された蓋部742を配置し、蓋部742と本体部741とを接合させた。このようにして、図6に示すようなリチウム空気二次電池1を作製した。これを電池E3とする。
電池E3は、酸素透過膜を有していない点を除いては実施例1の上記電池E1と同様の電池である。
なお、本例においては明確に示していないが、実施例1と同様に、正極71及び負極72からは、電池ケース74外に電気的に導通する端子部(図示略)が設けられており、これらの端子部から電池の充電及び放電を行うことができる。
また、本例においては、上記電池E3で用いた正極用触媒(試料E1)とは異なる正極用触媒を用いてさらに5種類のリチウム空気二次電池(電池E4〜電池E8)を作製した。
電池E4は、La0.6Ca0.4CoO3からなる正極用触媒(実施例1の上記試料E2)を正極に含有する参考例用のリチウム空気二次電池である。
電池E4の作製にあたっては、まず、実施例1と同様に、La0.6Ca0.4CoO3からなる正極用触媒(試料E2)を作製した。
次に、この正極用触媒(試料E2)を用いて、空気リチウム二次電池(電池E4)を作製した。電池E4は、正極用触媒として上記試料E2を用いた点を除いては、上記電池E3と同様にして作製した。
したがって、電池E4は、正極用触媒としてLa0.6Ca0.4CoO3を含有する点を除いては上記電池E3と同様のリチウム空気二次電池であり、酸素透過膜を有していない点を除いては、実施例1の上記電池E2と同様のリチウム空気二次電池である。
また、電池E5は、CeO2とAl23との複合材料からなる正極用触媒(試料E3)を正極に含有するリチウム空気二次電池である。
電池E5の作製にあたっては、まず、CeO2とAl23との複合材料からなる正極用触媒(試料E3)を作製した。
具体的には、まず、硝酸セリウムと硝酸アルミニウムとを水中に混合し、混合水溶液を作製した。このとき、硝酸セリウムと硝酸アルミニウムとは、目的物であるCeO2とAl23とが重量比で89:11で生成するような混合比で混合した。次いで、混合水溶液をビーカ内で撹拌しながら、混合水溶液にアンモニア水を滴下して中和し、沈殿物(水酸化セリウム、水酸化アルミニウム)を生成させた。得られた沈殿物を2気圧の加圧下で、温度120℃で2時間加熱することにより、熟成処理を行った。次いで、大気中で温度400℃で5時間加熱することにより、CeO2とAl23とを生成させると共に、共存する硝酸アンモニウムを蒸発及び分解させた。ここで生成するCeO2及びAl23は、アモルファス状であるため、これを結晶粒子にするために、さらに大気中で温度550℃で5時間焼成することにより、CeO2とAl23との複合材料粉末からなる正極用触媒を得た。これを試料E3とする。
次に、この正極用触媒(試料E3)を用いて、空気リチウム二次電池(電池E5)を作製した。電池E5は、正極用触媒として上記試料E3を用いた点を除いては、上記電池E3と同様にして作製した。
また、電池E6は、上記電池E5の上記試料E3と同様に、CeO2とAl23との複合材料からなる正極用触媒(試料E4)を正極に含有するリチウム空気二次電池である。試料E4は、上記試料E3よりも高い温度で焼成して得られる複合材料からなり、試料E3よりも若干表面積が小さなCeO2とAl23との複合材料からなる。
試料E4の作製にあたっては、まず、上記試料E3と同様にして、硝酸セリウムと硝酸アルミニウムとを水中に混合し、混合水溶液を作製し、混合水溶液にアンモニア水を滴下して中和し、沈殿物(水酸化セリウム、水酸化アルミニウム)を生成させた。さらに上記試料E3と同様にして、沈殿物の熟成処理を行い、大気中で温度400℃で5時間加熱することにより、CeO2とAl23とを生成させた。次いで、これをさらに大気中で温度750℃で5時間焼成することにより、CeO2とAl23との複合材料粉末からなる正極用触媒を得た。これを試料E4とする。即ち、試料E4は、焼成温度を変更した点を除いては、上記試料E3と同様にして作製した正極用触媒である。
次に、この正極用触媒(試料E4)を用いて、空気リチウム二次電池(電池E6)を作製した。電池E6は、正極用触媒として上記試料E4を用いた点を除いては、上記電池E3と同様にして作製した。
また、電池E7は、CeO2とAl23との複合材料(上記試料E3)に白金を担持させてなる正極用触媒(試料E5)を正極に含有するリチウム空気二次電池である。
試料E5の作製にあたっては、まず、上記試料E3と同様のCeO2とAl23との複合材料粉末を作製した。
次に、ジニトロジアンミン白金硝酸を、これに含まれる白金量が5gとなる量で、水150mlに溶解して水溶液を作製した。この水溶液中に、複合材料粉末95gを添加して混合した後、温度500℃で3時間加熱することにより、CeO2とAl23との複合材料粉末に白金が5wt%担持された正極用触媒を得た。これを試料E5とする。即ち、試料E5は、試料E3と同様の複合材料に白金を担持させてなる正極用触媒である。
次に、この正極用触媒(試料E5)を用いて、空気リチウム二次電池(電池E7)を作製した。電池E7は、正極用触媒として上記試料E5を用いた点を除いては、上記電池E3と同様にして作製した。
また、電池E8は、MnO2からなる正極用触媒を正極に含有する参考例用のリチウム空気二次電池である。
電池E8の作製にあたっては、まず、MnO2からなる正極用触媒(試料E6)を準備した。MnO2としては市販のものを用いた。
次いで、この正極用触媒(試料E6)を用いて、空気リチウム二次電池(電池E8)を作製した。電池E8は、正極用触媒として上記試料E6を用いた点を除いては、上記電池E3と同様にして作製した。
また、本例においては、上記電池E3〜電池E8の比較用として、正極用触媒を含有していないリチウム空気二次電池(電池C2)を作製した。
具体的には、まず、実施例1の電池C1の場合と同様に、活性炭97.4重量部をエタノール中に分散させて分散液を作製し、この分散液に、ポリテトラフルオロエチレン2.6重量部を混合することにより薄膜状の正極材料を得た。次いで、5mgの活性炭が含まれる量の正極材料をNiからなる金属メッシュに圧着し、真空乾燥させて板状の正極を得た。この正極を用いて、その他は上記電池E3と同様にしてリチウム空気二次電池を作製した。これを電池C2とする。
電池C2は、正極に正極用触媒を含有していない点を除いては上記電池E3と同様のリチウム空気二次電池であり、酸素透過膜を有していない点を除いては実施例1の上記電池C1と同様のリチウム空気二次電池である。
次に、上記のようにして作製した7種類のリチウム空気二次電池(電池E3〜電池E8、及び電池C2)を用いて、室温条件下(温度30℃又は温度25℃)で実施例1と同様の充放電試験を行い、各電池の充電電圧及び放電電圧を調べた。
温度30℃条件下で充放電試験を行った結果を表2に示す。また、このときの放電時における各電池の放電電圧と電池電圧との関係を図7に示す。また、充電時における各電池の充電電圧と電池電圧との関係を図8に示す。
また、温度25℃の条件下で充放電試験を行った結果を表3に示す。
Figure 0005023936
Figure 0005023936
図7及び表2より知られるごとく、温度30℃の条件下で充放電試験を行った場合において、正極用触媒(試料E1〜試料E6)を含有する電池E3〜電池E8は、正極用触媒を含有していない電池C2に比べてより高い電圧で放電を行うことができた。これは、電池E3〜電池E8においては、実施例1と同様に、正極用触媒によって過電圧分が減少したためであると考えられる。
また、図8及び表2より知られるごとく、正極用触媒(試料E1〜試料E6)を含有する電池E3〜電池E8は、3.5〜3.8Vという低い電圧で、かつ比較的一定の電圧で充電を行うことができた。一方、正極用触媒を含有していない電池C2は、充電を開始してから電池電圧が急激に上昇し、短時間で充電上限電圧の4.2Vにまで達し、さらには4.5Vを越えるまでに到った。また、電池C2においては、充放電容量は50mAh/g以下という非常に小さな値を示したが、電池E3〜電池E8においては、試料C1比べて充放電容量が向上していた。
また、温度25℃の条件下で充放電試験を行った場合においてもほぼ同様の結果が得られた。
即ち、表3より知られるごとく、電池E3〜電池E8は、電池C2に比べてより高い電圧で放電を行うことができた。
また、電池E3〜電池E8は、温度25℃の条件下でも4〜4.3Vという比較的低い電圧で、かつ比較的一定の電圧で充電を行うことができた。一方、電池C2は、充電を開始してから電池電圧が急激に上昇した。そして、電池電圧は、短時間で放電上限電圧の4.2Vにまで達し、さらには4.5Vを越えるまでに到った。
このように、本例のリチウム空気二次電池(電池E3〜電池E8)においては、室温で3.5V〜4.3Vという非水電解液の分解電位(約4.5V)よりも低い電圧で充電を行うことができる。そのため、非水電解液を用いたリチウム空気二次電池において、安定に充電を行うことができる。また、本例のリチウム空気二次電池(電池E3〜田地E8)は、比較的高い電圧で放電を行うことができる。
実施例1にかかる、リチウム空気二次電池の全体を示す斜視図。 実施例1にかかる、リチウム空気二次電池の断面図。 実施例1にかかる、リチウム空気二次電池の正極の断面図。 実施例1にかかる、放電時における3種類のリチウム空気二次電池(電池E1、電池E2及び電池C1)の放電容量と電池電圧との関係を示す線図。 実施例1にかかる、充電時における3種類のリチウム空気二次電池(電池E1、電池E2及び電池C1)の充電容量と電池電圧との関係を示す線図。 実施例2にかかる、リチウム空気二次電池の断面図。 実施例2にかかる、放電時における7種類のリチウム空気二次電池(電池E3〜電池E8及び電池C2)の放電容量と電池電圧との関係を示す線図。 実施例2にかかる、充電時における7種類のリチウム空気二次電池(電池E3〜電池E8及び電池C2)の充電容量と電池電圧との関係を示す線図。
符号の説明
1 リチウム空気二次電池
2 正極
21 集電体
22 炭素材料
23 正極用触媒
3 負極
4 セパレータ

Claims (12)

  1. 電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池の正極に用いられる正極用触媒であって、
    該正極用触媒は、酸素の吸放出能を有する金属酸化物を含有し、
    該金属酸化物は、少なくともCeO2を含有する固溶体、又はCeO 2 とAl 2 3 との複合材料であることを特徴とする正極用触媒。
  2. 請求項1において、上記正極用触媒は、上記金属酸化物としてCeO2の固溶体を含有することを特徴とする正極用触媒。
  3. 請求項2において、上記正極用触媒は、上記金属酸化物としてCeO2とZrO2との固溶体を含有することを特徴とする正極用触媒。
  4. 請求項1において、上記正極用触媒は、上記金属酸化物としてCeO2とAl23との複合材料を含有することを特徴とする正極用触媒。
  5. 請求項4において、上記複合材料は、セリウム塩とアルミニウム塩とを水に溶解してなる水溶液にアルカリを加えて水酸化セリウム及び水酸化アルミニウムを含有する沈殿物を生じさせ、該沈殿物を焼成してなることを特徴とする正極用触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記金属酸化物には、貴金属が担持されていることを特徴とする正極用触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記正極用触媒は、平均電圧3.5V〜4.3Vで充電する上記リチウム空気二次電池に用いられることを特徴とする正極用触媒。
  8. 電解液として非水電解液を有すると共に、金属Liよりなる負極を有するリチウム空気二次電池において、
    該リチウム空気二次電池は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の正極用触媒を正極に含有することを特徴とするリチウム空気二次電池。
  9. 請求項8において、上記正極は、上記正極用触媒と炭素材料と有機バインダーとを含有する正極材料を集電体に圧着してなることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  10. 請求項9において、上記正極用触媒は、上記正極において、上記正極用触媒と上記炭素材料と上記有機バインダーとの合計量中の0.01〜50質量%を占めることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項において、上記リチウム空気二次電池は、上記正極と上記負極との間に、これらを分離するセパレータと上記非水電解液とを有し、上記正極は、上記セパレータと反対側に空気との接触部を有していることを特徴とするリチウム空気二次電池。
  12. 請求項11において、上記正極用触媒中に含まれる上記金属酸化物は、上記接触部において酸化還元反応により酸素の吸収及び放出を行うことを特徴とするリチウム空気二次電池。
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