JP5018799B2 - 定着ヒータ制御装置及び画像形成装置 - Google Patents
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また、ヒータ点灯信号は、ゼロクロス信号の立下り時から所定の待機時間(T1〜T40)を経過した後にLレベルとなり、ゼロクロス信号の次の立下り時にHレベルに復帰する信号である。ヒータ電流はヒータ点灯信号がLレベルである期間中、ヒータランプに供給される。
また、スルーダウン期間には、待機時間をT40からT1へと漸増させることによって、ヒータランプへの通電時間と通電電圧が漸減する。このようにして、ヒータランプに大電流が突入することによる問題が回避される。
図12に示されるように、電源周波数が想定された周波数(破線)より高い周波数(実線)の交流電力が供給される場合を考える。例えば、電源周波数が50Hzである地域で使用されることを想定された画像形成装置を電源周波数が60Hzである地域で使用される場合に該当する。
電源周波数が高い状態が継続すると、いつまでたってもヒータ点灯信号がLレベルに切り替わらず、ヒータランプにヒータ電流が供給されない。しかしながら、電源周波数を検出してからヒータランプへ給電したのでは、定着器のウォーミングアップ時間が長くなり、画像形成を開始するまでに時間を要してしまう。
このため、電源周波数が不安定で定格から外れがちな場合には、通常モードと省エネモードとの間の遷移時にスルーアップ制御やスルーダウン制御が正しく行えないおそれがある。すなわち、画像形成装置の起動時に検出した値から電源周波数が外れている場合には、ヒータランプへの通電を開始することができなくなったり、終了することができなくなったりするおそれがある。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、電源周波数が頻繁に変動する場合でも、定着ヒータへの通電制御を正常に実行することができる定着ヒータ制御装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着ヒータ制御装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、上述のような効果を有する画像形成装置を得ることができる。
[1] 画像形成装置の構成
先ず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を表わす図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、タンデム方式のカラー画像形成装置であって、電源装置100、制御部101、画像読取部110、画像形成部120、用紙格納部130及び用紙搬送部140を備えている。
画像読取部110は載荷台111や搬送部112、原稿台ガラス113、スキャナ114、排出台115を備えており、ユーザの指示に従って、載荷台111に載置された原稿を搬送部112にて1枚ずつ取り出して、原稿台ガラス113上へ搬送する。
なお、スキャナ114は、CCDラインセンサを静止させたまま通紙して原稿を読み取るシートスルー方式であっても良い。また、原稿台ガラス113に平行に移動する露光ランプと反射ミラーとを用いて、原稿台ガラス113上に載置された原稿を露光し、その反射光を複数の反射ミラーにてCCDラインセンサへ導くことによって画像データを生成しても良い。
中間転写ベルト121はローラ122〜124に張架されている。作像部125Y〜125Kは中間転写ベルト121に沿ってイエロー(Y)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びブラック(K)の順に列設されており、スキャナ114が生成した画像データに基づいてYMCK各色のトナー像を形成する。
用紙格納部130は給紙カセット131を備えている。給紙カセット131内に記録シートが格納されている。なお、用紙格納部130は、格納する記録シートのサイズが相異なる複数の給紙カセットを備え、ユーザが指定したサイズの記録シートを給紙しても良い。
ローラ143は所謂2次転写ローラであって、中間転写ベルト121上のトナー像を記録シート上に静電転写する。その後、中間転写ベルト121上に残留するトナーはクリーニング装置127にて掻き取られて、廃棄される。
次に、制御部101の構成について説明する。
図2は、制御部101の主要な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部101はプリンタ部210、システムコントローラ部220及び操作パネル部221を備えている。
操作パネル部221は、タッチパネルやハードキーを備えており、ユーザへ情報を表示したり指示入力を受け付けたりする。システムコントローラ部220は、プリンタ部210と操作パネル部221とを統括する。
電源装置100は、外部電源150から給電される交流電力のゼロクロス点を検出するゼロクロス信号生成回路200を備えており、CPU211は当該ゼロクロス信号を用いて電源周波数を検出する。また、CPU211は、タイマ215に所定時間を設定し、そのタイムアウトと共にトリガパルスを出力させることによってスルーアップ制御やスルーダウン制御を行う。
ゼロクロス信号生成回路200について説明する。
図3は、ゼロクロス信号生成回路200の主要な構成を例示する回路図である。図3に示されるように、ゼロクロス信号生成回路200は、抵抗R301〜R304、キャパシタC311、ダイオードブリッジBR321、フォトカプラPC331及びヒステリシスインバータIC341を備えている。
フォトカプラPC331は入力信号と出力信号とを電気的に絶縁した状態で伝達する。フォトカプラPC331の出力信号はヒステリシスインバータIC341に入力され、矩形波(ゼロクロス信号)が生成される。なお、抵抗R303、R304は正電圧を印加するためのプルアップ抵抗である。生成されたゼロクロス信号は、CPU211の2つの割込み端子に入力される。一方の割込み端子(以下、「検出用端子」という。)は電源周波数を検出するために用いられ、もう一方の割込み端子(以下、「制御用端子」という。)はスルーアップ制御やスルーダウン制御に用いられる。
次に、プリンタ部210は電源周波数を検出するために以下の処理を定期的に実行する。
図4は、電源周波数の検出処理の主要なステップを示すフローチャートである。図4に示されるように、プリンタ部210は、電源周波数の検出処理として、先ず、割込みカウンタをクリアする(S401)。本実施の形態において割込みカウンタとは、RAM213上の所定領域をいい、正の整数値を指標する。ステップS401の処理によって割込みカウンタの値がゼロに初期化される。
次に、検出用端子の割込みマスクを解除する(S403)。この割込みマスクは検出用端子に入力されるゼロクロス信号の立下りタイミングによって発生する割り込みをマスクするものである。このマスクが解除されることによって、ゼロクロス信号の立下り毎に検出用端子に対応する割込み処理プログラムが起動される。
その後、タイムアウトが発生したら(S404:YES)、割込みをマスクすると共に(S405)、割込みカウンタを参照する。割込みカウンタの値が45未満であるか、または64を超える場合には、電源周波数が45Hz未満であるか、または64Hzを超えるので、電源周波数が異常であると判定し、さもなければ正常と判定する。
図5は、検出した電源周波数と周波数状態とを不揮発性メモリ214に記録するデータ構造を示す図である。図5に示されるように、本実施の形態においては、16ビットの領域中、8ビットに電源周波数を記録し、次の1ビットに周波数状態を記録する。周波数状態は格納値が1ならば正常であることを示し、0ならば異常であることを示す。
検出した電源周波数が異常であると判定された場合は(S406:YES)、電源周波数が異常である旨を不揮発性メモリ214に記録するが(S408)、電源周波数は変更せず、そのままにして処理を終了する。これは、異常な電源周波数を記録してしまうと、次のスルーアップ制御やスルーダウン制御が正常に実行できないからである。
次に、ヒータ電流の周波数制御、すなわち、スルーアップ制御並びにスルーダウン制御について説明する。
図6は、プリンタ部210が実行する周波数制御の主要なステップを示すフローチャートである。図6に示されるように、プリンタ部210は、先ず、不揮発性メモリ214に記録されている周波数状態を参照する(S601)。
周波数状態が正常である場合であって(S602:NO)、ヒートランプに通電を開始する場合には(S603:YES)、スルーアップ制御処理を実行する(S604)。また、ヒートランプへの通電を停止する場合には(S605:YES)、スルーダウン制御処理を実行する(S606)。ステップS604やステップS606の処理を完了したら、ステップS601へ進み、上記の処理を繰り返す。
次に、スルーアップ制御処理(S604)とスルーダウン制御処理(S606)について説明する。
プリンタ部210は、上述の制御用端子に入力されるゼロクロス信号の立下りを契機に起動される割込み処理プログラムと、タイマのタイムアウトを契機に起動される割込み処理プログラムとを用いてスルーアップ制御やスルーダウン制御を行う。このため、スルーアップ制御処理(S604)やスルーダウン制御処理(S606)においては当該割込み処理プログラムを起動するために必要な処理のみを行う。
図8は、スルーアップ制御やスルーダウン制御を行うための割込み処理プログラムの主要なステップを示すフローチャートである。図8に示されるように、制御端子に割り込みが入ったら、先ず、ヒータ点灯信号をHレベルにする(S801)。これによって、ヒータランプへの電力供給が停止される。ヒータ点灯信号は、CPU211によって入出力インタフェース216を介して電源装置100へ制御信号を送ることによって制御される。
図9に示されるように、1から40までの待機時間番号を割り当てられた待機時間が50Hzと60Hzとの2つの電源周波数に対応して記録されている。本実施の形態においては、電源周波数が45Hzから54Hzの範囲内にある場合には50Hzの欄の待機時間が用いられ、55Hzから64Hzの範囲内にある場合には60Hzの欄の待機時間が用いられる。
図10は、タイマ割込み処理プログラムの主要なステップを示すフローチャートである。図10に示されるように、タイマ割込み処理プログラムは、起動されると先ず、ヒータ点灯信号をLレベルにする(S1001)。これによって、ヒータランプへの電力供給が開始される。
また、更新した待機時間番号が40を超える場合には(S1005:YES)、スルーアップ制御を終了するために、制御用端子の割り込みをマスクする(S1006)。
[7] まとめ
以上説明したように、本実施の形態に係る画像形成装置は、定期的に電源周波数を検出し、これを不揮発性メモリに記録しておき、不揮発性メモリから読み出した電源周波数に応じてスルーアップ制御やスルーダウン制御を行うので、電源周波数が頻繁に変動する場合であっても、適切にスルーアップ制御やスルーダウン制御を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、専らゼロクロス点を計数することによって電源周波数を検出する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしても良い。
画像形成装置の設置地域は、電源投入ごとにGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を用いて決定しても良いし、設置場所が変更されるごとに操作パネル部221にてユーザに入力させた設置地域を不揮発性メモリ214に記録しておいても良い。また、ネットワークを介して画像形成装置に接続された他の装置を用いて、ユーザに画像形成装置の設置地域を入力させても良い。
このようにすれば、画像形成装置の電源投入後により早く定着器のウォーミングアップを開始することができるので、ユーザの待ち時間を低減して、その利便性を向上させることができる。
特に、スルーアップ制御等を開始する直前ごとに電源周波数を検出すれば、精度良くこれら制御を実行できるし、その開始後も定期的に電源周波数を検出すれば、これら制御の実行中に電源周波数が変動しても、変動に追随してスルーアップ制御等を正常に実行することができる。
(3) 上記実施の形態においては、検出された電源周波数が45Hz未満であるか、または64Hzを超える場合に電源周波数が異常であると判定する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、異常であると判定される電源周波数の範囲が異なっていても同様の効果を得ることができる。
(4) 上記実施の形態においては、500ミリ秒の期間中におけるゼロクロス点の数を計数することによって電源周波数を検出する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、他の長さの期間中のゼロクロス点を計数しても良いし、また、ゼロクロス点を計数する以外の方法で電源周波数を検出しても良い。電源周波数を検出する方法の如何に関わらず、本発明は効果を奏することができる。
例えば、図9においては、待機時間番号ごとに、電源周波数と対応する待機時間とを乗じて得られる値が、電源周波数に関わらずほぼ等しくなっている。このため、待機時間番号ごとに電源周波数と対応する待機時間とを乗じて得られる値を示す表を不揮発性メモリ214上に記録しておき、検出された電源周波数にて当該乗算値を除することによって待機時間を決定しても良い。
このようにすれば、電源周波数の変動に起因する、供給電流量の変動を抑えることができるので、供給電流量の変動に起因する諸問題、すなわち、電源系統を同じくする他負荷への影響や、自機部品の破損を抑えることができる。
(8) 上記実施の形態においては、プリンタ部210にて電源装置100を制御することによって、電源周波数を検出したり、スルーアップ制御等を行ったりする場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、 電源装置100自身がこれらの処理を行っても良いし、定着器128が行っても良い。また、これらの装置が処理を分担しても良い。
すなわち、検出された電源周波数のうち最新の複数個を履歴情報として記録しても良い。また、新たに検出された電源周波数が前回検出された電源周波数と異なる場合のみ不揮発性メモリ214に記録しても良いし、前回検出された電源周波数と異なる新たな電源周波数のうち最新の複数個を記録しても良い。何れも場合も本発明の効果は同じである。
100…………………電源装置
101…………………制御部
110…………………画像読取部
120…………………画像形成部
128…………………定着器
130…………………用紙格納部
140…………………用紙搬送部
150…………………外部電源
200…………………ゼロクロス信号生成回路
210…………………プリンタ部
220…………………システムコントローラ部
221…………………操作パネル部
214…………………不揮発性メモリ
215…………………タイマ
216…………………入出力インタフェース
Claims (5)
- 外部電源から交流電力を受電して、定着ヒータへの電力供給を開始するに際し前記交流電力の半周期ごとに通電時間を漸増するスルーアップ制御と、定着ヒータへの電力供給を停止するに際し前記交流電力の周期ごとに通電時間を漸減するスルーダウン制御と、の少なくとも一方を実行する定着ヒータ制御装置であって、
電源投入後、電源周波数を繰り返し検出する周波数検出手段と、
少なくとも新たに検出された電源周波数が直前に検出された電源周波数から変動した場合には、当該新たに検出された電源周波数を記憶する周波数記憶手段と、
検出された電源周波数が最後に変動した後に記憶された電源周波数を用いて、前記通電時間を決定する通電時間決定手段と、
自機の設置地域を記憶する記憶手段と、
設置地域から電源周波数を特定する特定手段と、を備え、
前記通電時間決定手段は、電源投入後、電源周波数を検出するまでの間、前記設置地域から特定された電源周波数を用いて前記通電時間を決定する
ことを特徴とする定着ヒータ制御装置。 - ユーザから自機の設置地域の指定を受け付ける受付手段を備え、
前記記憶手段は、受付手段にて受け付けた設置地域を記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の定着ヒータ制御装置。 - 前記受付手段は、前記指定を受け付ける操作パネルを備える
ことを特徴とする請求項2に記載の定着ヒータ制御装置。 - 前記受付手段は、ネットワークを介して他の装置から前記指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項2に記載の定着ヒータ制御装置。 - 請求項1から4の何れかに記載の定着ヒータ制御装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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