JP5017981B2 - 燃料電池用触媒電極形成用ワニスおよびその製造方法ならびにそれを用いた触媒電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用、家庭据え置き用、携帯機器用の電源として用いる燃料電池の触媒電極形成用ワニス、それを用いた触媒電極、それを用いた膜電極接合体、それを用いた燃料電池に関する。
燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり環境への悪影響がほとんどない発電システムとして注目されている。
近年、燃料電池のなかでも、水素イオン伝導性を有するイオン交換膜を電解質として使用する固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、出力密度が高く、かつ、小型化が容易にできるため、車載用、家庭据え置き用、携帯機器用の電源として有望視されている。
固体高分子型燃料電池は、多数の単電池セルが積層されて構成されている。
単電池セルは、図1に示すように、アノード側のセパレータ1、アノード側触媒電極2、水素イオン伝導性高分子電解質膜3、カソード側の触媒電極4及びカソード側のセパレータ5を、この順に積層して構成されている。
アノード側の触媒電極2は、電極基材21と、この表面に積層された電極触媒層22とで構成されている。
また、カソード側の触媒電極4は、電極基材41と、この表面に積層された電極触媒層42とで構成されている。
アノード側電極基材21とカソード側電極基材41とは、いずれも、ガス拡散性と導電性とを有する材質から構成されており、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロス等が利用されている。
また、アノード側電極触媒層22とカソード側電極触媒層42とは、いずれも、カーボン粒子に貴金属触媒を担持させて粒子状とし、これを水素イオン伝導性高分子電解質で電極基材21、41に固定して構成されている。
アノード側のセパレータ1には反応ガス流路1aが設けられており、これにより、水素イオン伝導性高分子電解質膜および触媒電極からなる膜電極接合体(MEA)に燃料ガスを供給する。
他方、カソード側のセパレータ5にも反応ガス流路5aが設けられており、これにより、MEAに酸素ガスを供給する。
上記燃料ガス中の水素と酸素ガスとを、貴金属触媒の存在下で反応させることにより、両電極2、4の間に起電力を生じる。
アノードに送られる燃料ガスとしては、メタンやメタノール等を水蒸気改質して得られる水素ガスリッチな改質ガスを使用することが検討されている。
メタノールの水蒸気改質は、250〜300℃の温度下においてCu−Zn系等の触媒を使用して、以下のように2段階の反応を用いて行われる。
まず、改質装置を用いてメタノールを水蒸気と反応させ、水素と一酸化炭素(CO)に転化する。
CHOH=2H+CO−90kJ/mol・・・(1)
次に、シフトコンバータを用いて、COを水蒸気とシフト反応させて、水素ガスリッチな改質ガスを得る。
CO+HO=H+CO+40kJ/mol・・・(2)
固体高分子型燃料電池が実用的に普及するうえで、製造コストの低減が求められている。
貴金属触媒担持カーボン、プロトン伝導性高分子電解質、溶媒からなる燃料電池用触媒電極形成用ワニスは、貴金属触媒担持カーボンの凝集が起こりやすいので、燃料電池用触媒電極形成用ワニスを製造するに際しては、予め貴金属触媒担持カーボンを溶媒に分散させ、次いでプロトン伝導性高分子電解質を混合して燃料電池用触媒電極形成用ワニスを調製しなければならない。
これを怠ると、燃料電池用触媒電極形成用ワニス中において、貴金属触媒担持カーボンの分散性は著しく悪くなる。
従って、燃料電池用触媒電極形成用ワニス生成に際しては、分散工程を複数段階で行わなければならず工程数が多くなり、且つ、時間を要するという問題があった。
また、そのようにして分散させた燃料電池用触媒電極形成用ワニス中においても、貴金属触媒担持カーボンの凝集が生じやすい。
貴金属触媒担持カーボンが凝集し易い燃料電池用触媒電極形成用ワニスを用いて触媒電極を形成すると、プロトン供給経路の形成が妨げられ、貴金属触媒担持カーボンが有効に利用されないという問題も起きてしまう。
その結果、単位貴金属触媒量あたりで得られる電池性能が低下し、その分、高価であり限られた資源である貴金属触媒を多く使用しなければならないという問題が生じていた。
この問題を解決する方法として、燃料電池用触媒電極形成用ワニスに界面活性剤を添加する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平10−284086号公報
しかしながら、燃料電池用触媒電極形成用ワニスに界面活性剤を添加した場合、燃料電池用触媒電極形成用ワニス中での貴金属触媒担持カーボンの分散性は改善するものの、分散工程を少なくすることはできない。
また、触媒電極内に界面活性剤が残留することによって、安定した電池性能が得られないという新たな問題が生じてしまう。
本発明の第1の課題は、従来よりも燃料電池用触媒電極形成用ワニス中の貴金属触媒担持カーボンの分散工程が少ない燃料電池用触媒電極形成用ワニス生成時間を短縮させた燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法を提供することである。
また、本発明の第2の課題は、貴金属触媒利用率を改善させ出力特性の高い燃料電池用触媒電極を提供することである。
また、本発明の第3の課題は、前記燃料電池用触媒電極を用いた膜電極接合体および燃料電池を提供することである。
請求項1に記載の発明は、貴金属触媒担持電子伝導性物質と、プロトン伝導性高分子電解質と、スルホン酸基が導入され、貴金属触媒を担持していない無定形炭素、溶媒を有する燃料電池用触媒電極形成用ワニスである。
スルホン酸基が導入された無定形炭素は、スルホン酸基を持ち、無定形炭素としての性質を示す物質であればどのようなものでもよい。
ここで「無定形炭素」とは、炭素からなる物質であって、ダイヤモンドや黒鉛のような明確な結晶構造を持たない物質をいい、より具体的には、粉末X線回折において、明確なピークが検出されないか、あるいは幅の広いピークが検出される物質を意味する。
スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン伝導度は特に限定されないが、0.01S/cm以上であることが好ましい。
無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01S/cm以上であれば、電子伝導性物質に発生したプロトンを効率良く伝導できる。
0.01S/cm以下であれば、プロトン伝導性が低すぎて白金触媒量を減らすことができない。
(前記プロトン伝導度は、温度80℃、湿度100%条件下、交流インピーダンス法によって測定される値である。)
スルホン酸基が導入された無定形炭素をフッ素化等の化学処理を施したものを用いても良い。
電子伝導性物質としては、電子伝導性と比表面積の大きいオイルファーブスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。
プロトン伝導性高分子電解質は、プロトンを伝導させる高分子電解質であれば好適に用いられる。
その中でもスルホン化されたプロトン伝導性高分子電解質は特にプロトン伝導性が良い。特に、パーフルオロカーボンスルホン酸等のフッ素系陽イオン交換樹脂であることが好ましい。
溶媒は特に限定されないが、貴金属触媒担持電子伝導性物質、プロトン伝導性高分子電解質、および、スルホン酸基が導入された無定形炭素と反応することがない揮発性の液体有機溶媒を用いることが望ましい。
請求項2に記載の発明は、前記貴金属触媒が、Au、Pt、Pd、Rh、Ru、OsおよびIrから選ばれた1種または2種以上の金属、または、Moであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスである。
また、貴金属触媒にはW、Sn、ReなどがPt合金に添加物として含まれていてもよい。
上記添加物が含まれていると耐CO被毒性が高まる。
また、上記添加金属は、Pt合金の金蔵間化合物として存在してもよいし、合金を形成してもよい。
請求項3に記載の発明は、前記プロトン伝導性高分子電解質が、パーフルオロカーボンスルホン酸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法であって、
貴金属触媒担持電子伝導性物質と、プロトン伝導性高分子電解質と、スルホン酸基が導入され、貴金属触媒を担持していない無定形炭素を混合し、分散機を用いて分散する一段階処理工程を有することを特徴とする燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記分散機が、遊星ボールミル、ホモジナイザー、または、ナノマイザーであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスを導電性多孔性基材上にコーティングしたことを特徴とする触媒電極の製造方法である。
本発明により、燃料電池用触媒電極形成用ワニス生成工程数削減、および、燃料電池用触媒電極形成用ワニス生成時間の短縮による製造コスト低減が可能となる。
また、本発明により燃料電池の貴金属触媒利用率を改善させることができる。
本発明の燃料電池用触媒電極形成用ワニス、それを用いた触媒電極、それを用いた膜電極接合体、それを用いた燃料電池の製造方法について説明する。
(貴金属触媒担持電子伝導性物質の作製)
まず、電子伝導性物質を酸化処理して、電子伝導性物質の表面に酸性基を形成する。
電子伝導性物質としては、比表面積が240〜700m/gのアセチレンブラックを用いることができる。
比表面積が240m/g以上の場合、高い放電特性(電池電圧)を得ることができる。
また、比表面積が700m/gを超えても放電特性(電池電圧)は変わらないが表面積を大きくする分コストが高くなる。
酸性基としては、カルボキシル基を用いることができる。
電子伝導性物質の表面にカルボキシル基を形成することにより、触媒が電子伝導性物質表面に容易に均一に担持し易くなる。
酸性基を形成する方法としては、70〜80℃下において、電子伝導性物質を、濃度が0.4〜0.6mol/リットルの過マンガン酸カリウム水溶液と反応させる方法を用いることができる。
次に、電子伝導性物質表面の酸性基に含まれるイオンを、触媒を有する錯体陽イオンとイオン交換し、その後、還元する。
触媒としては、白金を用いることができる。
白金は、酸素還元能力、水素酸化能力が高いので、白金を用いることにより出力が高い固体高分子型燃料電池を作製することができる。
白金(触媒)の平均粒径(体積平均粒径(Dv))は1nm以上5nm以下であることが望ましい。
白金(触媒)の平均粒径(体積平均粒径(Dv))を1nm以上5nm以下にすることにより、触媒の単位重量当たりの表面積が非常に大きい、触媒効率の良い出力特性に優れた燃料電池を作製することができる。
白金(触媒)の平均粒径(体積平均粒径(Dv))を1nm未満にするのは困難で、コストが高くなってしまう。
また、白金(触媒)の平均粒径(体積平均粒径(Dv))が5nmを超えると、触媒の単位重量当たりの表面積が小さくなり、触媒効率が悪くなり、燃料電池の起電力が低くなってしまう。
錯体陽イオンとしては、ヘキサアンミン白金(IV)塩化物([Pt(IV)(NH]Cl)を用いるのが好ましい。
イオン交換する方法としては、表面に酸性基を形成した電子伝導性物質を、触媒を有する錯体陽イオンを溶存種として含有する溶液に浸漬する方法を用いることができる。
触媒と電子伝導性物質は、重量比で1:2〜2:1の範囲にすることが好ましい。
この範囲よりも触媒重量比が小さいと十分な放電特性(電池電圧)が得られない。
また、この範囲よりも触媒重量比が大きいと触媒粒子を分散性よく電子伝導性物質粉末に担持させることができない。
還元する方法としては、水素気流中180℃にて還元する方法を用いることができる。
(スルホン酸基が導入された無定形炭素の作製)
まず、温度240〜260℃下において、芳香族化合物をスルホン酸に溶解する。
芳香族化合物としては、アントラセンまたはその誘導体を用いることができる。
アントラセンは多くのポリエン構造を持ち、芳香族化合物の中で最もスルホン酸基を置換し易い。
スルホン酸としては、硫酸を用いることができる。
スルホン酸として硫酸を用いることにより、芳香族化合物に対し親電子置換反応でスルホ基を導入することができる。
温度が240℃未満では、反応速度が遅く、温度が260℃を超えるとスルホン基が分解することが懸念されるため、温度は、240〜260℃が好ましい。
次に、スルホン酸を濾別除去し、その後、残留物を水洗することにより、スルホン酸基が置換された芳香族化合物を得る。
スルホン酸基はプロトン伝導に寄与し、スルホン酸基密度が高い方が、プロトン伝導度が高い。
(燃料電池用触媒電極の作製)
まず、貴金属触媒担持電子伝導性物質、プロトン伝導性高分子電解質、および、スルホン酸基が導入された無定形炭素を、溶媒に溶解し、ボールミルやホモジナイザー、もしくはナノマイザーなどの加圧ノズル式乳化機などを用いて分散処理を施すことにより燃料電池用触媒電極形成用ワニスを生成する。
プロトン伝導性高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸を用いることができる。
パーフルオロカーボンスルホン酸は、燃料電池の運転環境に耐えうる、耐熱性、耐酸化劣化性、耐還元劣化性、寸法安定性、耐衝撃性、プロトン伝導性に優れ、プロトン伝導性高分子電解質としては最適である。
溶媒としては、N−メチル−1−ピロリドン、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等を用いることができる。
次に、燃料電池用触媒電極形成用ワニスを導電性多孔性基材上に積層することにより、燃料電池用触媒電極を得る。
導電性多孔性基材としては、65〜85%の気孔率を有するカーボンペーパーまたはカーボンクロスを用いることができる。
カーボンペーパーまたはカーボンクロスは、反応ガス通気性が良く、かつ、電気伝導度が高く、燃料電池用触媒電極の電極基材としては最適である。
気孔率が65%未満であると、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給が十分にできず、気孔率が85%を超えると、強度が不足することが懸念される。
積層する方法としては、刷毛塗り法、筆塗り法、バーコータ塗工法、ナイフコータ塗工法、ダイコータ塗工法、スクリーン印刷法、スプレー塗工法などを用いることができる。
(膜電極接合体(MEA)の作製)
まず、2枚の触媒電極の触媒層どうしを向かい合わせにして水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟み、熱圧着する。
加熱温度としては、触媒層および水素イオン伝導性高分子電解質膜の樹脂の軟化温度やガラス転位温度を超える温度を用いることができる。
触媒層および水素イオン伝導性高分子電解質膜の樹脂がパーフルオロカーボンスルホン酸の場合は、温度100℃〜300℃、圧力20〜50kgf/cm、時間5秒〜700秒の熱圧着条件を用いることができる。
最後に、2個のセパレータのガス流路どうしを向かい合わせにして膜電極接合体(MEA)挟み、ボルトとナットで締結して燃料電池を得る。
ボルトとナットで締結する際の圧力は、膜電極接合体(MEA)の厚さ方向に対して、面圧1〜2kg/cmとすることが好ましい。
まず、アセチレンブラック(比表面積257m/g)(Cabot社製、Vulcan XC−72R)25gを、0.5mol/リットル過マンガン酸カリウム水溶液10リットルに入れ、75℃下において、5時間反応させた。
次に、反応生成物を濾別し、75℃の蒸留水を用いて洗浄し、105℃下において乾燥した後、白金含有量10g/リットルのヘキサアンミン白金(IV)塩化物([Pt(IV)(NH]Cl)水溶液に室温で浸漬してイオン交換した。
次に、反応液から反応生成物を濾別し、その後、反応生成物を75℃の蒸留水を用いて洗浄し、その後、105℃下において乾燥させた後、気温180℃の水素気流中において還元することにより白金担持カーボン(Pt:45質量%担持)を得た。
次に、アントラセン40gを濃硫酸(96%)600mlに溶解し、240℃において15時間加熱し、その後、濃硫酸を濾別除去し、その後、残留物を水洗し、スルホン酸基が導入された無定形炭素(スルホン酸基密度=4.4mmol/g)を得た。
スルホン酸基が導入された無定形炭素を、金型を用いて一軸成形し、その後、静水圧プレス(CIP)を用いて2000kg/cmの圧力にて、円柱状(直径10mm×高さ0.7mm)ディスクに成形し、その後、円柱状ディスクの両面にPtを蒸着して測定用電極を形成し、その後、測定用電極を、導線を介してインピーダンスアナライザの端子に接続し、その後、円柱状ディスクの状態を100℃、湿度0%(カールフィッシャー法にて測定)にした後、公知の交流インピーダンス法を用いて、測定周波数20kHzの条件にて、円柱状ディスクのオーミック抵抗値を測定し、その後、該オーミック抵抗値(測定装置中のリード抵抗成分は補正した)と円柱状ディスクの寸法からスルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン導電率を算出したところ、スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン導電率は1.44×10−1S・cm−1であった。
次に、スルホン酸基が導入された無定形炭素0.1g、白金担持カーボン(Pt:45質量%担持)1.5g、水4g、2−プロパノール6g、パーフルオロカーボンスルホン酸20w%溶液(溶剤;プロパノール)(デュポン社製、ナフィオン溶液(登録商標))3.5gの順に混合し、遊星ボールミルにて200rpmで1時間処理することにより、燃料電池用触媒電極形成用ワニスを生成した。
燃料電池用触媒電極形成用ワニスの粘度を、粘度計(山一電機社製、ビスコメイトVM−1A−MH((登録商標))で測定したところ、63cPs(25℃)であった。
次に、気孔率80%、厚さ110μmのカーボンペーパー(東レ社製、TGP−H−030)を110mm×110mmのサイズにカットした。
次に、カットしたカーボンペーパーに付着したゴミを、エアーガンを用いて除去した後、
スクリーン印刷機にセットした。
次に、前記調整した触媒インクを#250SUSメッシュ×乳剤厚20μm×線径0.05mmのスクリーン上に載せた。
次に、スキージ圧5kgf/cm、スキージ速度100mm/秒、スクリーンと前記カーボンペーパーのクリアランスが2.5mmの条件にて触媒インクをカーボンペーパー上に押し出し(スクリーン印刷し)、その後、窒素雰囲気中において80℃下で10分間の熱処理を施し、その後、30分間放冷し、触媒電極を形成した。
触媒電極の白金触媒担持量は、0.4mg/cmであった。
次に、2枚の燃料電池用触媒電極の触媒層を向かい合わせ、その間に厚さ50μmのパーフルオロカーボンスルホン酸膜(水素イオン伝導性高分子電解質膜)(デュポン社製(登録商標)ナフィオン117)を挟み、温度140℃、圧力40kgf/cm、時間10分の条件で熱圧着することにより、膜電極接合体(MEA)を作製した。
次に、膜電極接合体(MEA)を、2個のカーボン製セパレータで挟持し、更に、2枚のチタン製集電体で挟み、更に、2枚のヒーターで挟持することにより、有効面積5cmの燃料電池を組み立てた。
燃料電池の温度を80℃に保ち、湿度100%RHで水素および酸素を供給し、0.7Vにおける電流密度(A/cm )を測定した。また、0.9V(IR抵抗補正後)における電流密度を用いて触媒質量活性(Ag −1 )を算出した。
(触媒質量活性は使用触媒質量あたりの比活性であり、触媒利用率の尺度となる。)
触媒質量活性(Ag −1 )算出値を表1に示す。
Figure 0005017981
<比較例1>
スルホン酸基が導入された無定形炭素を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、燃料電池を製造し、評価を行った。
<比較例2>
スルホン酸基が導入された無定形炭素を加えず、パーフルオロカーボンスルホン酸を混合する前に遊星ボールミルにて150rpmで0.5時間処理した以外は、実施例1と同様にして、燃料電池を製造し、評価を行った。
(燃料電池用触媒電極形成用ワニスの粘度は、粘度計(山一電機社製、ビスコメイトVM−1A−MH((登録商標))で測定したところ、700cPs(25℃)であった。)
<比較例3>
スルホン酸基が導入された無定形炭素を0.1g加えるかわりに、高分子分散剤(花王社製)(ディモールN(登録商標))を0.2g加えた以外は、実施例1と同様にして、燃料電池を製造し、評価を行った。
(燃料電池用触媒電極形成用ワニスの粘度は、粘度計(山一電機社製、ビスコメイトVM−1A−MH((登録商標))で測定したところ、80cPs(25℃)であった。)
表1より、スルホン酸基が導入された無定形炭素を加えることによって、分散処理時間を大幅に短縮できた。
また、スルホン酸基が導入された無定形炭素を加えた燃料電池は、0.7Vにおける電流密度は1.0A/cmであり、触媒質量活性は13.0(Ag−1)となり、スルホン酸基が導入された無定形炭素を加えなかった燃料電池よりも優れた特性を示した。
従来の燃料電池の断面図である。
符号の説明
1・・・・アノード側のセパレータ
2・・・・アノード側触媒電極
3・・・・水素イオン伝導性高分子電解質膜
4・・・・カソード側触媒電極
5・・・・カソード側のセパレータ
21・・・アノード側電極基材
22・・・アノード側電極触媒層
41・・・カソード側電極基材
42・・・カソード側電極触媒層

Claims (6)

  1. 貴金属触媒担持電子伝導性物質と、プロトン伝導性高分子電解質と、スルホン酸基が導入され、貴金属触媒を担持していない無定形炭素、溶媒を有する燃料電池用触媒電極形成用ワニス。
  2. 前記貴金属触媒が、Au、Pt、Pd、Rh、Ru、OsおよびIrから選ばれた1種または2種以上の金属、または、Moであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニス。
  3. 前記プロトン伝導性高分子電解質が、パーフルオロカーボンスルホン酸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニス。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法であって、
    貴金属触媒担持電子伝導性物質と、プロトン伝導性高分子電解質と、スルホン酸基が導入され、貴金属触媒を担持していない無定形炭素を混合し、分散機を用いて分散する一段階処理工程を有することを特徴とする燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法。
  5. 前記分散機が、遊星ボールミル、ホモジナイザー、または、ナノマイザーであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスの製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒電極形成用ワニスを導電性多孔性基材上にコーティングしたことを特徴とする触媒電極の製造方法。
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