JP5017867B2 - 印刷制御装置、印刷装置、印刷方法、及び、プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷装置、印刷方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、及び、プログラムに関する。
ヘッドからインクを吐出させて印刷を行う、所謂インクジェット方式の印刷装置としては、例えば、プリンタ、プロッタ、ファクシミリがある。この種の印刷装置には、印刷モードを切り替えて印刷を行うものがある(例えば、特許文献1を参照)。この印刷装置は、全体領域が有する複数の個別領域毎に主走査のパス数を定め、定めたパス数で記録を行う。
特開2001−293851号公報
この印刷装置では、パス数を多くすることでノズル毎のインクの吐出状態のばらつきが抑制される。このため、印刷画像の画質を改善することができる。しかし、印刷の高速化と高画質化を両立するためには、さらなる改善が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷の高速化と高画質化を高いレベルで両立することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
濃インクと淡インクの両方を用いて印刷を行う第1印刷モードと、
前記濃インクのみを用いて印刷を行う第2印刷モードと、
を有し、
前記第1印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量は等しく、前記第1印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量も等しく、
前記第1印刷モードで使用される大きさが異なる濃インクのドットの種類は、
前記第2印刷モードに使用される大きさが異なる濃インクのドットの種類より少ないことを特徴する印刷制御装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、(a)或る色の段階的な濃淡印刷に用いられる濃インク及び淡インクを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出するヘッドと、(b)前記濃インクと前記淡インクの両方を用い、所定数の種類のドット階調値で印刷を行う第1印刷モード、及び、前記濃インクと前記淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う第2印刷モードから、定められた印刷モードで制御を行うコントローラと、を有する印刷装置が実現できることが明らかにされる。
このような印刷装置によれば、第2印刷モードでは、使用されるインクの種類が第1印刷モードよりも少ないので、制御上の負荷が軽減されて処理の高速化が図れる。また、第2印刷モードでは、ドット階調値の種類が第1印刷モードよりも多い数に定められているので、使用されるインクの種類が少ないことに起因する画質の劣化を抑制できる。すなわち、第1印刷モードではより高い画質で印刷をすることができ、第2印刷モードでは画質の劣化を抑えつつ高速で印刷ができる。そして、これらの印刷モードを選択することで、印刷の高速化と高画質化を高いレベルで両立することができる。
かかる印刷装置であって、前記濃インクの残インク量及び前記淡インクの残インク量を検出する残インク量検出部を有し、前記コントローラは、制御を行う印刷モードとして前記第1印刷モードが定められている場合であって、前記濃インクと前記淡インクの他方について、その残インク量が判断基準量よりも少なくなった場合に、前記制御を行う印刷モードを前記第1印刷モードから前記第2印刷モードへ切り替える構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、第1印刷モードにおいて濃インクと淡インクのいずれかが少なくなったとしても、第2印刷モードにて印刷が継続できる。従って、インクを有効に使用できる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッドは、他の色の段階的な濃淡印刷に用いられる他の濃インク及び他の淡インクを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出するものであり、前記コントローラは、前記第2印刷モードにて、前記他の濃インクと前記他の淡インクの他方の残量に拘わらず、前記他の濃インクと前記他の淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う、構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、濃インクと淡インクとを用いて段階的な濃淡印刷を行う色が複数色あった場合に、或る色について第2印刷モードが指定されると、他の色についても第2印刷モードが指定される。これにより、印刷モードの違いに起因して生じる不具合、例えば、或る色と他の色との間で色のバランスが崩れてしまう不具合を防止できる。
かかる印刷装置であって、前記濃インク及び前記淡インクは、シアンの濃インク及び淡インクとマゼンタの濃インク及び淡インクの一方であり、前記他の濃インク及び前記他の淡インクは、前記シアンの濃インク及び淡インクと前記マゼンタの濃インク及び淡インクの他方である構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、シアンの濃インク及び淡インクとマゼンタの濃インク及び淡インクの一方について第2印刷モードが設定されると、他方についても第2印刷モードが設定される。これにより、第2印刷モードにてシアンとマゼンタのバランスが崩れてしまう不具合を防止できる。
かかる印刷装置であって、前記残インク量検出部は、インクの吐出回数をインクの種類毎にカウントするカウンタを有し、前記カウンタのカウント値に基づいて、前記残インク量を前記インクの種類毎に検出する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、簡単な構成で残インク量をインクの種類毎に検出することができる。
かかる印刷装置であって、前記残インク量検出部は、インクを貯留するインク貯留容器が有する不揮発性のメモリに、前記カウンタのカウント値を記憶する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、判断基準量よりも多い残インク量で取り外される等したインク貯留容器を再度装着しても、残インク量を精度良く認識させることができる。
かかる印刷装置であって、前記判断基準量は、印刷に支障を来す残インク量に基づいて定められた量である構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、印刷に支障を来す前に印刷モードを切り替えることができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッドは、インクが吐出される複数のノズルからなるノズル列をヘッドの移動方向に並べられた状態で複数列有し、かつ、複数の前記ノズル列のうち前記移動方向の端に位置するノズル列から、前記第2印刷モードにて使用されないインクを吐出する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、第2印刷モードにおけるヘッドの移動範囲を、第1印刷モードにおけるヘッドの印刷範囲よりも狭くすることができる。このため、印刷の一層の高速化が図れる。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、前記第2印刷モードにて前記濃インクを用い、或るドット階調値と次のドット階調値とにおけるインク量の差を、前記第1印刷モードでの前記或るドット階調値と前記次のドット階調値とにおけるインク量の差よりも小さくする構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、第2印刷モードにおける濃インクでの濃淡の変化度合いを、第1印刷モードにおける濃インクでの濃淡の変化度合いよりもきめ細かくできる。これにより、淡インクを使用しないことに起因する画質の劣化を抑えることができる。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、前記第2印刷モードにて前記淡インクを用い、最大ドット階調値で吐出される前記淡インクの量を、前記第1印刷モードの最大ドット階調値で吐出される前記淡インクの量よりも多くする構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、第2印刷モードにおける淡インクでの最高印刷濃度を、第1印刷モードにおける淡インクでの最高印刷濃度よりも濃くすることができる。これにより、濃インクを使用しないことに起因する画質の劣化を抑えることができる。
かかる印刷装置であって、或る期間において複数の駆動信号を生成する駆動信号生成部を有し、前記ヘッドは、インクを吐出させる動作を行う素子を有し、前記コントローラは、複数の前記駆動信号から必要部分を選択し、選択した前記必要部分を前記素子に印加させる信号印加部であって、前記定められた印刷モードに応じて前記必要部分を選択する信号印加部を有する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、第2印刷モードにてドット階調値の種類の数が増えたとしても、駆動信号の生成期間が過度に長くなってしまうことを防止でき、印刷の高速化が図れる。
かかる印刷装置であって、インクを貯留するインク貯留容器が装着される装着部を有し、前記インク貯留容器は、複数のインク貯留室が設けられたケースを有し、前記或る色の階調印刷に用いられる濃インク及び淡インクとこれら以外のインクとを含む複数種類のインクを、対応するインク貯留室に貯留する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、濃インクと淡インクの他方がなくなっても、第2印刷モードにて、濃インクと淡インクの一方を用いた印刷が行える。このため、1つのインク貯留容器を長期間に亘って使用することができる。
また、次の印刷装置を実現することもできる。
すなわち、(a)或る色の段階的な濃淡印刷に用いられる濃インク及び淡インクと、他の色の段階的な濃淡印刷に用いられる他の濃インク及び他の淡インクとを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出するヘッドであって、インクを吐出させる動作を行う素子を有するヘッドと、(b)或る期間において複数の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、(c)インクを貯留するインク貯留容器が装着される装着部と、(d)前記濃インクの残インク量及び前記淡インクの残インク量を検出する残インク量検出部であって、インクの吐出回数をインクの種類毎にカウントするカウンタを有し、前記カウンタのカウント値に基づいて、前記残インク量を前記インクの種類毎に検出し、前記インク貯留容器が有する不揮発性のメモリに、前記カウンタのカウント値を記憶する、残インク量検出部と、(e)前記濃インクと前記淡インクの両方を用い、所定数の種類のドット階調値で印刷を行う第1印刷モード、及び、前記濃インクと前記淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う第2印刷モードから、定められた印刷モードで制御を行うコントローラであって、複数の前記駆動信号から必要部分を選択し、選択した前記必要部分を前記素子に印加させる信号印加部であって、前記定められた印刷モードに応じて前記必要部分を選択する信号印加部を有し、制御を行う印刷モードとして前記第1印刷モードが定められ、かつ、前記濃インクと前記淡インクの他方についての残インク量が印刷に支障を来す残インク量に基づいて定められた判断基準量よりも少なくなった場合に、前記制御を行う印刷モードを前記第1印刷モードから前記第2印刷モードへ切り替え、前記第2印刷モードにて、前記他の濃インクと前記他の淡インクの他方の残量に拘わらず、前記他の濃インクと前記他の淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う、コントローラと、を有し、
(f)前記濃インク及び前記淡インクは、シアンの濃インク及び淡インクとマゼンタの濃インク及び淡インクの一方であり、(g)前記他の濃インク及び前記他の淡インクは、前記シアンの濃インク及び淡インクと前記マゼンタの濃インク及び淡インクの他方であり、(h)前記ヘッドは、インクが吐出される複数のノズルからなるノズル列をヘッドの移動方向に並べられた状態で複数列有し、かつ、複数の前記ノズル列のうち前記移動方向の端に位置するノズル列から、前記第2印刷モードにて使用されないインクを吐出し、(i)前記インク貯留容器は、複数のインク貯留室が設けられたケースを有し、前記或る色の階調印刷に用いられる濃インク及び淡インクとこれら以外のインクとを含む複数種類のインクを、対応するインク貯留室に貯留し、(j)前記コントローラは、前記第2印刷モードにて前記濃インクを用い、或るドット階調値と次のドット階調値とにおけるインク量の差を、前記第1印刷モードでの前記或るドット階調値と前記次のドット階調値とにおけるインク量の差よりも小さくし、又は、前記第2印刷モードにて前記淡インクを用い、最大ドット階調値で吐出される前記淡インクの量を、前記第1印刷モードの最大ドット階調値で吐出される前記淡インクの量よりも多くする、印刷装置が実現できること。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、次の印刷方法が実現できることも明らかにされる。
すなわち、(a)或る色の段階的な濃淡印刷に用いられる濃インク及び淡インクを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出する印刷方法であって、(b)前記濃インクと前記淡インクの両方を用い、所定数の種類のドット階調値で印刷を行う第1印刷モード、及び、前記濃インクと前記淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う第2印刷モードの何れかを定めること、(c)定めた印刷モードで印刷を行うこと、を行う印刷方法が実現できること。
また、次のプログラムが実現できることも明らかにされる。
すなわち、(a)或る色の段階的な濃淡印刷に用いられる濃インク及び淡インクを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出する印刷装置用のプログラムであって、(b)前記濃インクと前記淡インクの両方を用い、所定数の種類のドット階調値で印刷を行う第1印刷モード、及び、前記濃インクと前記淡インクの一方を用い、前記所定数よりも多い数の種類のドット階調値で印刷を行う第2印刷モードの何れかを定めること、(c)定めた印刷モードで印刷を行うこと、を前記印刷装置に行わせるプログラムが実現できること。
===第1実施形態===
<印刷システム100の構成について>
まず、印刷システム100の全体構成について説明する。ここで、図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100はプリンタ1とコンピュータ110とを含み、印刷装置として機能する。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やコンパクトディスクドライブ装置142である。
===コンピュータ110===
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。これらのアプリケーションプログラムやプリンタドライバは、例えば、フレキシブルディスクFDやコンパクトディスクCDを通じて提供される。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
なお、この印刷システム100において、プリンタ1は、複数の印刷モードから選択された印刷モードによって印刷をすることができる。そして、いずれの印刷モードにて印刷をするかは、プリンタドライバを実行しているホスト側コントローラ111によって定められる。このため、本実施形態において、プリンタドライバを実行しているホスト側コントローラ111は、後述するプリンタ側コントローラ70やヘッド制御部HCと共に、印刷の制御を行うコントローラを構成する。また、便宜上、本明細書では、プリンタドライバを実行しているホスト側コントローラ111の動作を、プリンタドライバの動作として説明することもある。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、ドット形成データSI(図7A,図8を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作を実行させるためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、ドット形成データSIは、印刷される画像のドットに関するデータである。ここで、ドットは、用紙Sの上に仮想的に定められた方眼状の升目(以下、単位領域ともいう。)に対応して形成される。そして、ドット形成データSIは、形成すべきドットの大きさに基づくドット階調値に相当する。
本実施形態において、ドット形成データSI(ドット階調値)は、2ビットのデータ、若しくは、3ビットのデータによって構成される。例えば、シアンに関し濃シアンインクと淡シアンインクとを用いて段階的な濃淡印刷(階調印刷ともいう。)を行い、マゼンタに関しても濃マゼンタインクと淡マゼンタインクとを用いて段階的な濃淡印刷を行う高画質モード(第1印刷モードに相当する)では、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、及び、淡マゼンタインクの6種類のインクで印刷を行う。この場合、ドット形成データSIは、2ビットのデータによって構成される。すなわち、ドット形成データSIは、ドット無し(インクの非吐出)に対応するデータ[00]と、小ドットの形成に対応するデータ[01]と、中ドットの形成に対応するデータ[10]と、大ドットの形成に対応するデータ[11]とが定められる。従って、この高画質モードでは、いずれのインクについても、1つの単位領域に対して4種類のドット形成データSIが選択できる。また、シアンに関しては濃シアンインクだけを用い、マゼンタに関しては濃マゼンタインクだけを用いて段階的な濃淡印刷を行う高速モード(第2印刷モードに相当する。)では、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクの4種類のインクで印刷を行う。そして、ブラックインク及びイエローインクについてのドット形成データSIは、2ビットのデータによって構成され、濃シアンインク及び濃マゼンタインクについてのドット形成データSIは、3ビットのデータによって構成される。この高速モードでは、ブラックインク及びイエローインクについては、高画質モードと同様に、1つの単位領域に対して4種類のドット形成データSIが選択できる。一方、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクにて、ドット形成データSIは、ドット無しに対応するデータ[000]と、第1小ドットの形成に対応するデータ[001]と、第2小ドットの形成に対応するデータ[100]と、第1中ドットの形成に対応するデータ[010]と、第2中ドットの形成に対応するデータ[101]と、大ドットの形成に対応するデータ[011]とが定められる。従って、濃シアンインク及び濃マゼンタインクについては、1つの単位領域に対して6種類のドット形成データSIが選択できる。
また、プリンタドライバ(ホスト側コントローラ111)は、インクカートリッジICに貯留されたインクの残インク量を検出する残インク量検出部としても機能する。本実施形態において、プリンタドライバはインクの吐出回数をインクの種類毎にカウントする。例えば、プリンタドライバは、メモリ114の所定領域をカウンタとして用い、このカウンタによってインクの吐出回数をインクの種類毎にカウントする。そして、プリンタドライバは、インクの初期貯留量と、このカウント値に基づく消費インク量とから残インク量を検出する。これにより、簡単な構成で残インク量をインクの種類毎に検出することができる。また、プリンタドライバは、印刷モードとして高画質モードが定められている場合において、淡シアンインクあるいは淡マゼンタインクの残インク量が判断基準量以下になったことを条件に、印刷モードを高速モードに切り替える。なお、この点については後述する。
また、カウンタによるカウント値は、インクカートリッジICが有するカートリッジ側メモリICm(後述する。)に記憶される。そして、電源がオンされる毎にカートリッジ側メモリICmからカウント値を読み出すことで、プリンタドライバは、残インク量を取得することができる。また、インクカートリッジICが交換されても、交換後のインクカートリッジICについて残インク量を取得することができる。
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成部50、検出器群60、及び、プリンタ側コントローラ70を有する。そして、駆動信号生成部50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、及び駆動信号生成部50が制御される。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、検出器群60の各検出器は、プリンタ1内の各部の状態を検出しており、検出結果をプリンタ側コントローラ70に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に搬送するためのローラである。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるための駆動源である。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有する。このため、キャリッジ移動方向は、ヘッド41の移動方向(以下、ヘッド移動方向ともいう。)に相当する。また、キャリッジ移動機構30は、ヘッド41をヘッド移動方向に移動させるヘッド移動部に相当する。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、その端部がキャリッジCRに固定された環状の部材であり、駆動プーリー34とアイドラプーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向へ移動する。これに伴い、ヘッド41もヘッド移動方向へ移動する。
<インクカートリッジICについて>
キャリッジCRには、インクを貯留するインクカートリッジICが装着される。このインクカートリッジICは、インク貯留容器に相当する。また、キャリッジCRは、インクカートリッジICが装着される装着部に相当する。
インクカートリッジICは、吐出対象となる複数種類の液体状インクを貯留する部材である。このインクカートリッジICは、複数のインク貯留室R(C)〜R(LM)が設けられたケースを有する。そして、各インク貯留室R(C)〜R(LM)に、対応するインクを貯留している。すなわち、インク貯留室R(C)には濃シアンインクが貯留され、インク貯留室R(M)には濃マゼンタインクが貯留されている。また、インク貯留室R(K)にはブラックインクが貯留され、インク貯留室R(Y)にはイエローインクが貯留されている。同様に、インク貯留室R(LC)には淡シアンインクが貯留され、インク貯留室R(LM)には淡マゼンタインクが貯留されている。
濃シアンインクはシアンの段階的な濃淡印刷に用いられる濃インクに相当し、淡シアンインクはシアンの段階的な濃淡印刷に用いられる淡インクに相当する。同様に、濃マゼンタインクはマゼンタの段階的な濃淡印刷に用いられる濃インクに相当し、淡マゼンタインクはマゼンタの段階的な濃淡印刷に用いられる淡インクに相当する。また、淡シアンインクは、その濃度が濃シアンインクの濃度に対して1/nの比率となるように調整されている。この濃度比は、例えば或る用紙Sに対して濃シアンインクをベタ印刷して得られた光学濃度と、同じ用紙Sに対して淡シアンインクをベタ印刷して得られた光学濃度とを比較することで得られる。なお、マゼンタの濃インクおよび淡インクについても同様である。
また、シアンとマゼンタの一方は、段階的な濃淡印刷が行われる「或る色」に相当し、シアンとマゼンタの他方は、段階的な濃淡印刷が行われる「他の色」に相当する。従って、このインクカートリッジICは、或る色の階調印刷に用いられる濃インク及び淡インクと、他の色の階調印刷に用いられる濃インク及び淡インクと、これら以外のインクとを含む複数種類のインクを、対応するインク貯留室に貯留したものである。
図2に示すように、このインクカートリッジICには、カートリッジ側メモリICmが設けられている。このカートリッジ側メモリICmは不揮発性のメモリによって構成されている。そして、カートリッジ側メモリICmには、貯留されたインクの種類を示すインク種類情報が記憶される。また、カートリッジ側メモリICmには他の情報、例えば、インクの消費量に関する消費量情報も記憶される。そして、カートリッジ側メモリICmには接点端子(便宜上、メモリ側接点端子TM1という。)が設けられている。このメモリ側接点端子TM1は、インクカートリッジICのキャリッジCRへの装着状態において、キャリッジ側に設けられた接点端子(便宜上、キャリッジ側接点端子TM2という。)と接触する。キャリッジ側接点端子TM2は、配線を介してプリンタ側コントローラ70(CPU72)に接続されている。このため、インクカートリッジICが装着されると、駆動信号生成部の一部を構成するプリンタ側コントローラ70は、インク種類情報や消費量情報を取得することができる。そして、消費量情報がカートリッジ側メモリICmに記憶されているので、交換時期が到来する前に(すなわち、判断基準量よりも多い残インク量で)取り外されたインクカートリッジICを再度装着した場合でも、プリンタドライバに残インク量を精度良く認識させることができる。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド制御部HCとを有している。以下、ヘッドユニット40について説明する。ここで、図4Aは、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。図4Bは、ヘッド41の主要部を拡大して示す断面図である。図5は、ノズル列の配置を説明する図である。
<ヘッド41について>
ヘッド41は、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子ユニット413と、中継基板414とを有する。ケース411は、ピエゾ素子ユニット413を収容するための収容室411aが内部に形成されたブロック状の部材である。ピエゾ素子ユニット413は、ノズル列毎に取り付けられる。図5に示すように、このヘッド41は、6つのノズル列(Nk〜Nlm)を有している。このため、ケース411には6つの収容室411aが設けられており、6つのピエゾ素子ユニット413が対応する収容室411aに収容されている。なお、図4Aには、一部の収容室411aを示している。
流路ユニット412は、流路形成板412aと、流路形成板412aの一方の表面に接合された弾性板412bと、流路形成板412aの他方の面に接合されたノズルプレート412cとを有する。流路形成板412aは、シリコンウエハーや金属板等によって作製されている。この流路形成板412aには、圧力室412dとなる溝部、ノズル連通口412eとなる貫通口、共通インク室412fとなる貫通口、インク供給路412gとなる溝部が形成されている。弾性板412bは、支持枠412hと、ピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部412jとを有する。そして、アイランド部412jの周囲には、弾性膜412iによる弾性領域が形成されている。
ピエゾ素子ユニット413は、ピエゾ素子群413aと、接着用基板413bと、素子用配線基板413cとから構成されている。ピエゾ素子群413aは櫛歯状をしており、1つ1つの櫛歯状部分がピエゾ素子PZTに相当する。このピエゾ素子群413aは、ノズルNzに対応する数のピエゾ素子PZTを有する。また、接着用基板413bは矩形状の板であり、一方の表面にピエゾ素子群413aが接着され、他方の表面がケース411に接着されている。素子用配線基板413cは、中継基板414と各ピエゾ素子PZTとの間を電気的に接続するための部材である。この素子用配線基板413cには、ヘッド制御部HCが実装されている。
中継基板414は、ヘッド制御部HC及び各ピエゾ素子PZTと、駆動信号生成部50及びプリンタ側コントローラ70とを電気的に接続するための配線基板である。前述したように、中継基板414には素子用配線基板413cが接続されている。また、この中継基板414には、図2に示すフレキシブルケーブルFCも電気的に接続されている。このフレキシブルケーブルFCは、駆動信号生成部50からの駆動信号COMやプリンタ側コントローラ70からのヘッド制御信号を送信するためのものである。
ピエゾ素子PZTは、対向する電極間に電位差を与えることにより変形する。この例では、素子の長手方向に伸縮する。この伸縮量は、ピエゾ素子PZTの電位に応じて定まる。そして、ピエゾ素子PZTの電位は、駆動信号COMにおける印加部分(図14,図15A,図15B等に実線で示す部分。)によって定められる。従って、ピエゾ素子PZTは、駆動信号COMの印加部分によって与えられる電位に応じて伸縮する。ピエゾ素子PZTが伸縮すると、アイランド部412jは圧力室412d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部周辺の弾性膜412iが変形するので、ノズルNzからインクを効率よく吐出させることができる。このようなピエゾ素子PZTは、駆動信号によって充放電される素子であって、インクを吐出するための動作を行う素子に相当する。そして、ピエゾ素子PZTをヘッド41に用いると、印加される駆動パルス(例えば第1駆動パルスPS1〜第6駆動パルスPS6。図12を参照。)の波形に応じて、吐出されるインクの量や速度を様々に制御できる。また、インクを吐出させずにメニスカス(ノズルNzで露出しているインクの自由表面)を微振動させてインクの増粘を防止することもできる。
また、前述したノズルプレート412cは、このヘッド41の用紙対向面に設けられている。そして、このノズルプレート412cには、複数のノズルNzからなるノズル列が、インクの種類に応じた複数列設けられている。例えば、用紙Sの搬送方向に並べられたn個(例えば180個)のノズルNzで1つのノズル列が構成され、このノズル列がキャリッジ移動方向(ヘッド移動方向)に並べられた状態で設けられている。前述したように、このプリンタ1では6種類のインクを吐出させることができるので、ノズル列も6列設けられている。図5に示す例では、図の左側から順に、濃シアンインクノズル列Nc、濃マゼンタインクノズル列Nm、ブラックインクノズル列Nk、イエローインクノズル列Ny、淡シアンインクノズル列Nlc、及び、淡マゼンタインクノズル列Nlmがヘッド移動方向に設けられている。
ここで、高速モードでも用いられるインクを吐出するノズル列(便宜上、高速モード用ノズル列ともいう。)は、互いに隣り合う位置に配置されている。言い換えれば、各高速モード用ノズル列の間には、高画質モードだけで用いられるインクを吐出するノズル列(便宜上、高画質モード専用ノズル列ともいう。)は配置されていない。前述したように、高速モードでは、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクが用いられる。このため、これらのインクを吐出する高速モード用ノズル列は、ヘッド移動方向の端から順に配置されている。例えば図5に示すように、図の左端には濃シアンインクノズル列Ncが配置され、その右隣には濃マゼンタインクノズル列Nmが配置されている。また、濃マゼンタインクノズル列Nmの右隣にはブラックインクノズル列Nkが配置され、その右隣にはイエローインクノズル列Nyが配置されている。一方、高画質モード専用ノズル列は、高速モード用ノズル列群の隣に配置されている。図5の例では、イエローインクノズル列Nyの右隣に淡シアンインクノズル列Nlcが配置され、その右隣には淡マゼンタインクノズル列Nlmが配置されている。
このように配置したのは、高速モードにおけるヘッド41の移動範囲をできるだけ狭めるためである。例えば、図5の例においてヘッド41が左側に移動している場合には、イエローインクノズル列Nyが印刷範囲の左端に達するまでヘッド41を移動させればよい。反対に、ヘッド41が右側に移動している場合には、濃シアンインクノズル列Ncが印刷範囲の右端に達するまでヘッド41を移動させればよい。このため、或る高速モード用ノズル列がヘッド移動方向の一端に、他の高速モード用ノズル列がヘッド移動方向の他端に配置された構成に比べて、2つのノズル列分だけ移動範囲を狭くすることができる。この観点では、高画質モード専用ノズル列を、隣り合う高速モード用ノズル列同士の間に配置しなければよい。このため高画質モード専用ノズル列を他の位置に設けてもよい。例えば、淡マゼンタインクノズル列Nlmを濃シアンインクノズル列Ncの左隣に設けてもよい。
<ヘッド制御部HCについて>
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図6は、ヘッド41が有する複数のヘッド制御部HCを説明する図である。なお、以下の説明では、図4Aも参照する。このヘッド41は複数のヘッド制御部HCを有している。例えば図4Aに示すように、ヘッド制御部HCのそれぞれは、素子用配線基板413cに実装される。つまり、ヘッド制御部HCは、ピエゾ素子ユニット413毎に設けられている。そして、このヘッド41では、ピエゾ素子ユニット413がノズル列毎に設けられている。このため、ヘッド制御部HCは、使用するインクの種類毎に設けられているといえる。具体的には、図6に示すように、このヘッド41は、濃シアンインク用のヘッド制御部HC(C)と、濃マゼンタインク用のヘッド制御部HC(M)と、ブラックインク用のヘッド制御部HC(K)と、イエローインク用のヘッド制御部HC(Y)と、淡シアンインク用のヘッド制御部HC(LC)と、淡マゼンタインク用のヘッド制御部HC(LM)とを有している。
これらのヘッド制御部HC(HC(C)〜HC(LM))は、インク毎のドット形成データSI1〜SI6に基づき、駆動信号COM(第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_B,図12を参照。)の必要部分をピエゾ素子PZTに印加させる。これにより対応するノズルNzからインクが吐出される。そして、このような動作をするヘッド制御部HCは、駆動信号COMから必要部分を選択してピエゾ素子PZTに印加させる信号印加部に相当し、印刷の制御を行うコントローラの一部を構成する。なお、これらのヘッド制御部HCの構成については、後で詳しく説明する。
<駆動信号生成部50について>
駆動信号生成部50は、駆動信号COMを生成するものである。図12に示すように、駆動信号COMは、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとから構成される。これらの第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bは、少なくともドットの形成期間に亘って同時に生成される。ここで、ドットの形成期間とは、移動中のキャリッジCRが用紙Sの印刷面に対向している期間、言い換えれば、ノズルNzから吐出されたインクが用紙Sに着弾し得る期間を意味する。そして、ドットの形成期間は、複数種類の駆動信号を同時に生成する「或る期間」に相当する。また、これらの第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bは、繰り返し周期T毎に繰り返し生成される。この繰り返し周期Tは、4つの期間T1〜T3に分けることができる。これに伴い、第1駆動信号COM_Aは、最初の期間T1で生成される第1区間信号SS11と、2番目の期間T2で生成される第2区間信号SS12と、3番目の期間T3で生成される第3区間信号SS13とから構成されているといえる。また、第2駆動信号COM_Bは、最初の期間T1で生成される第1区間信号SS21と、2番目の期間T2で生成される第2区間信号SS22と、3番目の期間T3で生成される第3区間信号SS23とから構成されているといえる。そして、ヘッド制御部HC(HC(C)〜HC(LM))は、ドット形成データSI(SI1〜SI6)の内容に応じて、各区間信号SS11〜SS23を選択し、ピエゾ素子PZTに印加する。このため、各区間信号SS11〜SS23は、ピエゾ素子PZTに印加される必要部分に相当する。なお、これらの第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bについては、後で詳しく説明する。
<検出器群60について>
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、及び紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
<プリンタ側コントローラ70について>
プリンタ側コントローラ70は、ホスト側コントローラ111から送られてきた印刷データに基づき、プリンタ1が有する各部を制御するものである。例えば、プリンタ側コントローラ70は、所定の搬送量で用紙Sを搬送させる動作と、キャリッジCR(ヘッド41)を移動させながら断続的にインクを吐出させる動作とを交互に行わせることで、用紙Sに画像を印刷させている。このため、プリンタ側コントローラ70は、搬送モータ22の回転を制御することによって用紙Sの搬送を制御する。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31の回転を制御することによってキャリッジCRの移動を制御する。さらに、ドット形成データSIをヘッド制御部HCへ出力することで、インクを吐出させるための制御を行う。これらの制御は、プリンタドライバ(ホスト側コントローラ111)で定められる印刷モードに基づいて行われる。例えば、プリンタドライバで高画質モードが定められた場合には、プリンタ側コントローラ70は、6種類のインクを4種類のドット形成データSI(ドット階調値)で吐出させるように制御信号を出力する。一方、プリンタドライバで高速モードが定められた場合には、プリンタ側コントローラ70は、ブラックインクとイエローインクについては4種類のドット形成データSIで吐出させ、濃シアンインクと濃マゼンタインクについては6種類のドット形成データSIで吐出させるように制御信号を出力する。従って、このプリンタ側コントローラ70も、印刷の制御を行うコントローラの一部を構成する。
このような動作をするプリンタ側コントローラ70は、例えば図2に示すように、インタフェース部71と、CPU72と、メモリ73と、制御ユニット74とを有する。インタフェース部71は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU72は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ73は、CPU72のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU72は、メモリ73に記憶されているコンピュータプログラムに従って各制御対象部を制御する。例えば、CPU72は、制御ユニット74を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。例えば、搬送モータ22やキャリッジモータ31に対する制御信号を出力する。また、CPU72は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号(例えば、クロックCLK,ドット形成データSI,ラッチ信号LAT,第1チェンジ信号CH_A,第2チェンジ信号CH_Bが相当する。図7A,図8を参照。)をヘッド制御部HCへ出力したり、駆動信号COMを生成させるための信号生成情報を駆動信号生成部50へ出力したりする。
===印刷システム100の概略動作===
ここで、印刷システム100の概略動作について説明する。この印刷システム100では、前述したように、6種類のインクによる高画質モード(第1印刷モードに相当する)と、4種類のインクによる高速モード(第2印刷モードに相当する。)とを選択して、印刷を行うことができる。そして、高画質モードにおいてプリンタ1は、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、及び、淡マゼンタインクを用い、これらのインクを4種類のドット形成データSI(所定数の種類のドット階調値に相当する。)で吐出させる。また、高速モードにおいてプリンタ1は、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクを用い、ブラックインクとイエローインクについては4種類のドット形成データSIで吐出させ、濃シアンインクと濃マゼンタインクについては6種類のドット形成データSI(所定数よりも多い数の種類のドット階調値に相当する。)で吐出させる。
このような構成を採ることで、高速モードにおいては、使用されるインクの種類の数が高画質モードよりも少なくなる。これに伴い、プリンタドライバ(ホスト側コントローラ111)やプリンタ側コントローラ70の制御上の負荷が軽減される。その結果、処理の高速化が図れる。また、高速モードにおいて、濃シアンインクと濃マゼンタインクについては、ドット階調値の種類の数が、高画質モードにおけるドット階調値の種類の数よりも多くなっている。この構成によって、使用されるインクの種類が少ないことに起因する画質の劣化を抑制できる。すなわち、ドット階調値の種類の数を増やすことで、濃シアンインクと濃マゼンタインクによる濃淡の変化度合いをきめ細かくできる。従って、高画質モードではより高い画質で印刷をすることができ、高速モードでは画質の劣化を抑えつつ高速で印刷ができる。そして、これらの印刷モードを選択することで、印刷の高速化と高画質化を高いレベルで両立することができる。
また、高画質モードが設定されている場合において、淡シアンインクや淡マゼンタインクの残インク量が判断基準値以下になると、プリンタドライバは、高画質モードから高速モードへと切り替える。これにより、淡シアンインクや淡マゼンタインクの少なくとも一方が残り少なくなって交換時期になった場合であっても、濃シアンインク及び濃マゼンタインクが用いられ、印刷を継続することができる。このため、インクカートリッジICの交換時期を延ばすことができ、インクを有効に使用することができる。
===ヘッド制御部HCの詳細===
以下、このような動作を実現するための構成について詳細に説明する。まず、ヘッド制御部HCについて詳細に説明する。ここで、図7Aは、ドット形成データSIが4種類であるタイプのヘッド制御部HCを説明する図である。図7Bは、淡シアンインク用及び淡マゼンタインク用のヘッド制御部HCに付設される信号選択部SSC(LC),SSC(LM)を説明する図である。図8は、ドット形成データSIが4種類と6種類とで切り替えられるタイプのヘッド制御部HCを説明する図である。なお、以下の説明では図6も参照する。また、便宜上、ドット形成データSIが4種類であるタイプのヘッド制御部HCを第1タイプのヘッド制御部HCともいい、ドット形成データSIが4種類と6種類とで切り替えられるタイプのヘッド制御部HCを第2タイプのヘッド制御部HCともいう。
<第1タイプのヘッド制御部HCについて>
まず、第1タイプのヘッド制御部HCについて説明する。この第1タイプのヘッド制御部HCは、4種類のドット形成データSIでインクの吐出を制御するヘッド制御部HCに用いられる。このヘッド41では、ブラックインク、イエローインク、淡シアンインク、及び、淡マゼンタインク吐出を制御するヘッド制御部HCに用いられる。図7Aに示すように、第1タイプのヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、制御ロジック83と、デコーダ84と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bとを有する。そして、制御ロジック83を除いた各部、すなわち、各シフトレジスタ81A,81B、各ラッチ回路82A,82B、デコーダ84、第1スイッチ85A、及び、第2スイッチ85Bは、それぞれピエゾ素子PZT毎、つまりノズルNz毎に設けられる。
第1シフトレジスタ81A及び第2シフトレジスタ81Bは、プリンタ側コントローラ70からのドット形成データSIがセットされるものである。第1シフトレジスタ81Aにはドット形成データSIの上位ビットがセットされ、第2シフトレジスタ81Bにはドット形成データSIの下位ビットがセットされる。ここで、ドット形成データSIは、インクの種類毎に送信される。図6に示すように、ブラックインク用のヘッド制御部HC(K)にはドット形成データSI3が入力され、イエローインク用のヘッド制御部HC(Y)にはドット形成データSI4が入力される。また、淡シアンインク用のヘッド制御部HC(LC)にはドット形成データSI5が入力され、淡マゼンタインク用のヘッド制御部HC(LM)にはドット形成データSI6が入力される。
第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bは、第1シフトレジスタ81A及び第2シフトレジスタ81Bにセットされたドット形成データSIをラッチするものである。すなわち、第1ラッチ回路82Aは、第1シフトレジスタ81Aにセットされたドット形成データSIの上位ビットをラッチし、第2ラッチ回路82Bは、第2シフトレジスタ81Bにセットされたドット形成データSIの下位ビットをラッチする。そして、これらの第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされることで、ドット形成データSIはノズルNz毎の組とされ、デコーダ84に入力される。
制御ロジック83は、第1スイッチ85Aの動作を定めるためのスイッチ動作情報(q0〜q3)と、第2スイッチ85Bの動作を定めるためのスイッチ動作情報(q4〜q7)とを記憶する。後述するように、第1スイッチ85Aは第1駆動信号COM_Aのピエゾ素子PZTへの印加/非印加を制御し、第2スイッチ85Bは第2駆動信号COM_Bのピエゾ素子PZTへの印加/非印加を制御するものである。これらのスイッチ動作情報q0〜q7は、選択パターンデータ(SPデータ)とも呼ばれ、ドット形成データSIと同じ信号線を通じて送信される。このため、制御ロジック83は、送信されたスイッチ動作情報q0〜q7がセットされるシフトレジスタ(便宜上、SPシフトレジスタともいう)83aと、ラッチ信号LATで規定されるタイミングで、SPシフトレジスタ83aにセットされたスイッチ動作情報q0〜q7をラッチするパターンレジスタ83bとを有する。
パターンレジスタ83bは、スイッチ動作情報を、スイッチの種類毎であってドット形成データSIの種類毎に記憶する。言い換えれば、スイッチ動作情報を、駆動信号の種類毎であってドット形成データSIの種類毎に記憶する。具体的に説明すると、パターンレジスタ83bは、第1スイッチ85Aに関して、ドットの非形成(データ[00])に対応するスイッチ動作情報q0と、小ドットの形成(データ[01])に対応するスイッチ動作情報q1と、中ドットの形成(データ[10])に対応するスイッチ動作情報q2と、大ドットの形成(データ[11])に対応するスイッチ動作情報q3とを記憶している。また、第2スイッチ85Bに関して、ドットの非形成に対応するスイッチ動作情報q4と、小ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q5と、中ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q6と、大ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q7とを記憶している。
制御ロジック83からは、これらのスイッチ動作情報q0〜q7が出力される。そして、スイッチ動作情報q0〜q7の内容は、ラッチ信号LATで規定されるタイミング、第1チェンジ信号CH_Aで規定されるタイミング、及び、第2チェンジ信号CH_Bで規定されるタイミングで更新される。
デコーダ84は、制御ロジック83から出力されるスイッチ動作情報(q0〜q7)を、ラッチ回路82でラッチされたドット形成データSIに応じて選択し、選択したスイッチ動作情報を、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bのそれぞれに出力する。例えば、ドット形成データSIがドットの非形成を示す場合、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q0が出力され、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q4が出力される。また、ドット形成データSIが小ドットの形成を示す場合、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q1が出力され、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q5が出力される。同様に、ドット形成データSIが中ドットの形成を示す場合、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q2が、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q6がそれぞれ出力され、大ドットの形成を示す場合、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q3が、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q7がそれぞれ出力される。
ここで、制御ロジック83から出力されるスイッチ動作情報は、デコーダ84で選択される前のものである。このため、選択前スイッチ動作情報と表現することもできる。一方、第1スイッチ85Aに印加されるスイッチ動作情報は、デコーダ84によって選択されたものである。このため、選択後スイッチ動作情報に相当する。従って、デコーダ84は、同時に出力される複数種類の選択前スイッチ動作情報から、ドット形成データSIに対応したものを選択後スイッチ動作情報として出力するものといえる。この構成では、複数種類の選択前スイッチ動作情報から選択されたものが選択後スイッチ動作情報として出力されるので、処理を高速化できる。
第1スイッチ85Aは、スイッチ動作情報q0〜q3によって動作するスイッチである。この第1スイッチ85Aは、第1駆動信号COM_Aの供給線とピエゾ素子PZTとの間に配置され、オン状態では第1駆動信号COM_Aをピエゾ素子PZTに印加し、オフ状態では第1駆動信号COM_Aを遮断する。第2スイッチ85Bは、スイッチ動作情報q4〜q7によって動作するスイッチである。この第2スイッチ85Bは、第2駆動信号COM_Bの供給線とピエゾ素子PZTとの間に配置され、オン状態では第2駆動信号COM_Bをピエゾ素子PZTに印加し、オフ状態では第2駆動信号COM_Bを遮断する。スイッチ動作情報q0〜q7は、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bが共にオン状態となる期間がないように定められる。これは、駆動信号生成部50における第1駆動信号COM_Aを生成する部分と第2駆動信号COM_Bを生成する部分とを保護するためである。すなわち、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bが共にオン状態になると、これらの部分の間に貫通電流が流れ、回路に悪影響を与える虞がある。この点を考慮して、スイッチ動作情報q0〜q7は、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bの何れか一方をオン状態にするか、両方をオフ状態にするように定められる。
<信号選択部について>
次に、淡シアンインク用のヘッド制御部HC(LC)に付設される信号選択部SSC(LC)、及び、マゼンタインク用のヘッド制御部HC(LM)に付設される信号選択部SSC(LM)について説明する。なお、これらの信号選択部SSC(LC),SSC(LM)はいずれも同じ構成である。
図7Bに示すように、信号選択部SSC(LC),SSC(LM)は、いずれもアンド回路86Aによって構成されている。このアンド回路86Aは、他のアンド回路に相当し、2つの入力端子と1つの出力端子を有している。そして、入力端子の一方にはドット形成データSIが入力される。すなわち、信号選択部SSC(LC)では、淡シアン用のドット形成データSI5が入力され、信号選択部SSC(LM)では、淡マゼンタ用のドット形成データSI6が入力される。入力端子の他方には指定モードデータSMの反転データが入力される。この指定モードデータSMは、指定された印刷モードを示すデータであり、高画質モードではデータ[0](Lレベル,所定レベル)となり、高速モードではデータ[1](Hレベル,他の所定レベル)となる。従って、印刷を行うモードとして高画質モードが定められた場合、アンド回路86Aからの出力はドット形成データSIと同じになる。この場合、第1シフトレジスタ81Aにはドット形成データSIの上位ビットがセットされ、第2シフトレジスタ81Bにはドット形成データSIの下位ビットがセットされる。また、SPシフトレジスタ83aにはスイッチ動作情報q0〜q7がセットされる。一方、印刷を行うモードとして高速モードが定められた場合、アンド回路86Aからの出力はドット形成データSIに拘わらずデータ[0]となる。この場合、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、及び、SPシフトレジスタ83aのそれぞれにデータ[0]がセットされる。従って、高速モードに定められた場合には、淡シアンインクノズル列Nlcを構成する各ノズルNz、及び、淡マゼンタインクノズル列Nlmを構成する各ノズルNzからは、インクが吐出されない。このような動作をするアンド回路86Aは、指定モードデータSMの内容に応じて、ドット形成データSIを無効化するデータ無効化部(詳しくは、他のデータ無効化部)に相当する。そして、このアンド回路86Aによって、高速モードにおけるヘッド制御部HC(LC),HC(LM)の誤動作を防止できる。
<第2タイプのヘッド制御部HCについて>
次に、第2タイプのヘッド制御部HCについて説明する。この第2タイプのヘッド制御部HCは、4種類と6種類とでドット形成データSIを切り替えてインクの吐出を制御するヘッド制御部HCに用いられる。このヘッド41では、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクの吐出を制御するヘッド制御部HC(C),HC(M)に用いられる。図8に示すように、第2タイプのヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第3シフトレジスタ81Cと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、第3ラッチ回路82Cと、制御ロジック83と、デコーダ84と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bとを有する。第2タイプのヘッド制御部HCでも、制御ロジック83を除いた各部、すなわち、各シフトレジスタ81A〜81C、各ラッチ回路82A〜82C、デコーダ84、第1スイッチ85A、及び、第2スイッチ85Bは、それぞれピエゾ素子PZT毎に設けられる。
第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、及び、第3シフトレジスタ81Cは、プリンタ側コントローラ70からのドット形成データSIがセットされるものである。高画質モードにおいて、第1シフトレジスタ81Aにはドット形成データSIの上位ビットがセットされ、第2シフトレジスタ81Bにはドット形成データSIの下位ビットがセットされる。すなわち、図6に示すように、濃シアンインク用のヘッド制御部HC(C)にはドット形成データSI1が入力され、濃マゼンタインク用のヘッド制御部HC(M)にはドット形成データSI2が入力される。なお、高画質モードでは、いずれのヘッド制御部HC(C),HC(M)についても、第3シフトレジスタ81Cには、ヌルデータ(null data)がセットされる。
一方、高速モードにおいて、第1シフトレジスタ81Aにはドット形成データSIの中位ビットがセットされ、第2シフトレジスタ81Bにはドット形成データSIの下位ビットがセットされる。そして、第3シフトレジスタ81Cにはドット形成データSIの上位ビットがセットされる。この場合、図6に示すように、濃シアンインク用のヘッド制御部HC(C)にはドット形成データSI1とドット形成データSI5が入力され、濃マゼンタインク用のヘッド制御部HC(M)にはドット形成データSI2とドット形成データSI6が入力される。すなわち、ドット形成データSI1とドット形成データSI5によって濃シアンインク用のドット形成データSIが構成される。具体的には、ドット形成データSI1が、濃シアンインク用のドット形成データSIにおける中位ビットと下位ビットとなり、それぞれ第1シフトレジスタ81Aと第2シフトレジスタ81Bにセットされる。また、ドット形成データSI5が、濃シアンインク用のドット形成データSIにおける上位ビットとなり、第3シフトレジスタ81Cにセットされる。一方、ドット形成データSI2とドット形成データSI6によって濃マゼンタインク用のドット形成データSIが構成される。具体的には、ドット形成データSI2が、濃マゼンタインク用のドット形成データSIにおける中位ビットと下位ビットとなり、それぞれ第1シフトレジスタ81Aと第2シフトレジスタ81Bにセットされる。また、ドット形成データSI6が、濃マゼンタインク用のドット形成データSIにおける上位ビットとなり、第3シフトレジスタ81Cにセットされる。
第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、及び、第3ラッチ回路82Cは、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、及び、第3シフトレジスタ81Cにセットされたドット形成データSIをラッチするものである。すなわち、第1ラッチ回路82Aは、第1シフトレジスタ81Aにセットされたドット形成データSIをラッチする。また、第2ラッチ回路82Bは、第2シフトレジスタ81Bにセットされたドット形成データSIを、第3ラッチ回路82Cは、第3シフトレジスタ81Cにセットされたドット形成データSIを、それぞれラッチする。そして、これらの第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cでラッチされることで、ドット形成データSIはノズルNz毎の組とされ、デコーダ84に入力される。
制御ロジック83は、第1スイッチ85Aの動作を定めるためのスイッチ動作情報と、第2スイッチ85Bの動作を定めるためのスイッチ動作情報とを記憶する。ここで、これらのスイッチ動作情報の種類は、高画質モードと高速モードとで異なる。すなわち、高画質モードでは、ドット形成データSIが4種類であるため、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q0〜q3が、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q4〜q7がそれぞれ用いられる。そして、スイッチ動作情報は合計で8種類となる。一方、高速モードでは、ドット形成データSIが6種類であるため、第1スイッチ85Aにはスイッチ動作情報q0〜q5が、第2スイッチ85Bにはスイッチ動作情報q6〜q11がそれぞれ用いられる。そして、スイッチ動作情報の合計は12種類となる。
これらのスイッチ動作情報q0〜q7或いはq0〜q11は、SPシフトレジスタ83aにセットされる。ここで、高速モードでは、高画質モードよりも多いデータ量のスイッチ動作情報q0〜q11がセットされる。このため、第2タイプのヘッド制御部HCが有するSPシフトレジスタ83aは、ドット形成データSI5,SI6と同じ信号線を通じて送信されたスイッチ動作情報を記憶する領域をも有している。そして、パターンレジスタ83bは、ラッチ信号LATで規定されるタイミングで、SPシフトレジスタ83aにセットされたスイッチ動作情報q0〜q7或いはq0〜q11をラッチする。このパターンレジスタ83bは、スイッチ動作情報を、スイッチの種類毎であってドット形成データSIの種類毎に記憶する。高画質モードにて記憶されるスイッチ動作情報q0〜q7は、第1タイプのヘッド制御部HCと同様であるので、その説明は省略する。一方、高速モードにて記憶されるスイッチ動作情報q0〜q11は、具体的には次の通りである。すなわち、パターンレジスタ83bは、第1スイッチ85Aに関して、ドットの非形成(データ[000])に対応するスイッチ動作情報q0と、第1小ドットの形成(データ[001])に対応するスイッチ動作情報q1と、第2小ドットの形成(データ[100])に対応するスイッチ動作情報q2と、第1中ドットの形成(データ[010])に対応するスイッチ動作情報q3と、第2中ドットの形成(データ[101])に対応するスイッチ動作情報q4と、大ドットの形成(データ[011])に対応するスイッチ動作情報q5とを記憶している。また、第2スイッチ85Bに関して、ドットの非形成に対応するスイッチ動作情報q6と、第1小ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q7と、第2小ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q8と、第1中ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q9と、第2中ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q10と、大ドットの形成に対応するスイッチ動作情報q11とを記憶している。
制御ロジック83からは、これらのスイッチ動作情報q0〜q7(高画質モード)或いはq0〜q11(高速モード)が出力される。そして、スイッチ動作情報q0〜q7或いはq0〜q11の内容は、ラッチ信号LATで規定されるタイミング、第1チェンジ信号CH_Aで規定されるタイミング、及び、第2チェンジ信号CH_Bで規定されるタイミングで更新される。
デコーダ84は、制御ロジック83から出力されるスイッチ動作情報(q0〜q7,q0〜q11)を、ラッチ回路82でラッチされたドット形成データSIに応じて選択し、選択したスイッチ動作情報を、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bのそれぞれに出力する。そして、第1スイッチ85Aは、スイッチ動作情報q0〜q3(高画質モード),q0〜q5(高速モード)によって動作するスイッチであり、第1駆動信号COM_Aのピエゾ素子PZTへの印加を制御する。第2スイッチ85Bは、スイッチ動作情報q4〜q7(高画質モード),q6〜q11(高速モード)によって動作するスイッチであり、第2駆動信号COM_Bのピエゾ素子PZTへの印加を制御する。
<信号選択部について>
次に、第2タイプのヘッド制御部HCに付設される信号選択部SSC(C),SSC(M)について説明する。なお、これらの信号選択部SSC(C),SSC(M)はいずれも同じ構成であり、いずれもアンド回路86Bによって構成されている。このアンド回路86Bは、2つの入力端子と1つの出力端子を有している。そして、入力端子の一方にはドット形成データSIが入力される。すなわち、信号選択部SSC(C)では、ドット形成データSI5が入力され、信号選択部SSC(M)では、ドット形成データSI6が入力される。入力端子の他方には指定モードデータSMが入力される。従って、印刷を行うモードとして高画質モードが定められた場合、指定モードデータSMがデータ[0](Lレベル)であるため、アンド回路86Bからはドット形成データSIの内容に拘わらずデータ[0]が出力される。この場合、前述したように、第3シフトレジスタ81Cには、ヌルデータ(null data)がセットされる。従って、このアンド回路86Bも、指定モードデータSMの内容に応じて、ドット形成データSIを無効化するデータ無効化部に相当する。一方、高速モードが定められた場合、指定モードデータSMはデータ[1](Hレベル)になる。このため、アンド回路86Bの出力はドット形成データSIと同じになる。その結果、第3シフトレジスタ81Cには、ドット形成データSIの上位ビットがセットされる。
従って、印刷モードが高画質モードに定められた場合には、第1シフトレジスタ81Aにセットされた上位ビットのデータと、第2シフトレジスタ81Bにセットされた下位ビットのデータとが組になってデコーダ84に入力される。この場合、第3シフトレジスタ81Cにセットされたヌルデータは使用されない。そして、2ビットのドット形成データSIに基づき、4種類のドット形成データSIによるインクの吐出制御が行われる。
一方、印刷モードが高速モードに定められた場合には、第1シフトレジスタ81Aにセットされた中位ビットのデータと、第2シフトレジスタ81Bにセットされた下位ビットのデータと、第3シフトレジスタ81Cにセットされた上位ビットのデータとが組になってデコーダ84に入力される。この場合、3ビットのドット形成データSIに基づき、6種類のドット形成データSIによるインクの吐出制御が行われる。
===印刷動作===
<印刷動作について>
例示した印刷システム100にて画像を用紙Sへ印刷する際には、印刷データを生成するための処理と、印刷データに基づいて用紙Sに印刷するための処理とが行われる。そして、印刷データを生成するための処理は、印刷システム100が有するコンピュータ110で行われる。即ち、ホスト側コントローラ111が有するCPU113は、メモリ114に記憶されたコンピュータプログラム(例えばプリンタドライバ)に従って動作し、この処理を実行する。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。また、用紙Sに印刷するための処理は、印刷システム100が有するプリンタ1で行われる。即ち、プリンタ側コントローラ70が有するCPU72は、メモリ73に記憶されたコンピュータプログラムに従って動作し、この処理を実行する。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
<印刷データを生成するための処理について>
まず、印刷データを生成するための処理について説明する。ここで、図9は、印刷データを生成するための処理を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、印刷データを生成するための処理では、解像度変換処理(S10)、色変換処理(S20)、ハーフトーン処理(S30)、ラスタライズ処理(S40)が行われる。
解像度変換処理は、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。色変換処理は、RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階の階調値(例えば256段階の印刷階調値)を有するデータに変換する処理である。この色変換処理は、例えば、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブル)を参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データから、プリンタ1で表現可能な少段階のドット階調値のデータに変換する処理である。すなわち、多段階の階調値を有するCMYK画素データからドット形成データSIを得るための処理である。このハーフトーン処理により、例えば、256段階の階調値を示すCMYK画素データから、2ビットデータ或いは3ビットデータのドット形成データSI(4種類又は6種類のドット階調値)が得られる。ここで、図10は、ハーフトーン処理の内容を説明するフローチャートである。図10に示すように、このハーフトーン処理では、まず高画質モードか否かが判断される(S31)。そして、高画質モードと判断された場合には、残インク量が十分か否かについて判断される(S32)。この判断は、残インク量が判断基準量に基づいて行われる。例えば、残インク量が判断基準量以上であれば残インク量は十分と判断され、判断基準量未満であれば残インク量は十分でない判断される。この判断基準量は、印刷に支障を来す残インク量に基づいて定められる。具体的には、印刷に支障を来す残インク量に、所定のマージンを加算した量に定められる。このように判断基準量を定めることで、印刷に支障を来す前に印刷モードを切り替えることができる。そして、残インク量が十分と判断された場合には、6種類のインクについて4種類のドット形成データSIを生成する(S33)。すなわち、2ビットのドット形成データSIが生成される。また、ステップS32で残インク量が十分でないインク(以下、不足インクともいう。)があった場合には、不足インクが淡インクか否かが判断される(S34)。ここで、不足インクが淡インクであった場合には、或いは、ステップS31で高画質モードでないと判断された場合には、高速モードに定められる。そして、4種類のインクについてドット形成データSIが生成される(S35)。具体的には、濃シアンインクと濃マゼンタインクについて、6種類のドット形成データSIが生成される。一方、ブラックインクとイエローインクについては、4種類のドット形成データSIが生成される。また、ステップS34で不足インクが淡インクでないと判断された場合、すなわち、淡シアンインクと淡マゼンタインク以外のインクに不足があった場合には、エラーメッセージが出力される(S36)。この場合には、インクカートリッジICの交換等が促される。以上の説明から判るように、ハーフトーン処理は、残インク量が判断基準量未満のインクがあった場合に、印刷モードを、判断基準量未満のインクを使用しないモードに制限する処理を行っているともいえる。この構成では、インクの空吐出を防止でき、ひいてはピエゾ素子PZTを保護できる。
ラスタライズ処理は、ハーフトーン処理で得られたドット形成データSIを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたドット形成データSIは、前述したコマンドデータとともに、印刷データとしてプリンタ1へ出力される。
<用紙Sに印刷するための処理について>
次に、用紙Sに印刷するためにプリンタ1にて行われる処理について説明する。ここで、図11は、印刷時に行われる処理を説明するフローチャートである。図11に示すように、用紙Sに印刷するための処理では、印刷命令の受信動作(S110)、給紙動作(S120)、ドット形成動作(S130)、搬送動作(S140)、排紙判断(S150)、排紙動作(S160)、及び、印刷終了判断(S170)が行われる。
印刷命令の受信動作では、プリンタ側コントローラ70は、インタフェース部71を介して、コンピュータ110からの印刷コマンドを受信する。この印刷コマンドは、コンピュータ110から送信される印刷データに含まれている。給紙動作は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする動作である。この給紙動作において、プリンタ側コントローラ70は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、プリンタ側コントローラ70は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。ドット形成動作は、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31を駆動し、キャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させる。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジCRが移動している間に、ドット形成データSIに基づいてヘッド41(ノズルNz)からインクを吐出させる。そして、ヘッド41から吐出されたインクが用紙Sの上に着弾すれば、前述したように、用紙Sの上にドットが形成される。なお、ドット形成動作については後で詳しく説明する。搬送動作は、用紙Sをヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる動作である。プリンタ側コントローラ70は、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することができる。排紙判断は、印刷中の用紙Sを排出するか否かを判断する処理である。この判断は、印刷データの有無に基づいて行われる。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、印刷中の用紙Sに対する印刷データの有無を判断し、印刷データが残っていれば排紙しないと判断する。この場合、プリンタ側コントローラ70は、印刷データがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。また、プリンタ側コントローラ70は、印刷データがなければ排紙すると判断し、排紙ローラ25を回転させることで、印刷された用紙Sを外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいて行っても良い。印刷終了判断は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断において、プリンタ側コントローラ70は、印刷データの有無を判断する。そして、次の用紙Sに印刷を行うのであれば、次の用紙Sについての給紙動作を行う。一方、次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ドット形成動作について>
次にドット形成動作(S130)について詳細に説明する。ここで、図12は、駆動信号生成部50によって生成される駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を説明する図である。図13Aは、高画質モードでピエゾ素子PZTに印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データSI毎に説明する図である。図13Bは、高速モードでピエゾ素子PZTに印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データSI毎に説明する図である。図14は、高画質モード、及び、高速モードのブラックインクとイエローインクで印加される駆動信号COMの区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。図15は、高速モードの濃シアンインク濃マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。
このドット形成動作において、ホスト側コントローラ111(プリンタドライバ)はドット形成データSIを生成する。また、ドット形成データSIの生成に伴い、ホスト側コントローラ111はインクの吐出回数をカウントする。これにより、残インク量が更新される。一方、プリンタ側コントローラ70は駆動信号生成部50へDAC値を出力し、駆動信号生成部50はDAC値に応じた電圧信号をヘッドユニット40へ出力する。すなわち、駆動信号生成部50はDAC値で規定される電圧の駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMの生成は、ラッチ信号LATがHレベルになる毎に繰り返し行われる。その結果、図12に示す駆動信号COM、すなわち、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとが繰り返し周期T毎に繰り返し生成される。前述したように、第1駆動信号COM_Aは、最初の期間T1で生成される第1区間信号SS11と、2番目の期間T2で生成される第2区間信号SS12と、3番目の期間T3で生成される第3区間信号SS13とから構成されている。また、第2駆動信号COM_Bは、最初の期間T1で生成される第1区間信号SS21と、2番目の期間T2で生成される第2区間信号SS22と、3番目の期間T3で生成される第3区間信号SS23とから構成されている。そして、第1駆動信号COM_Aが有する第1区間信号SS11は、第1駆動パルスPS1を有する。また、第2区間信号SS12は第2駆動パルスPS2を、第3区間信号SS13は第3駆動パルスPS3をそれぞれ有する。同様に、第2駆動信号COM_Bが有する第1区間信号SS21は第4駆動パルスPS4を、第2区間信号SS22は第5駆動パルスPS5を、第3区間信号SS23は第6駆動パルスPS6をそれぞれ有する。
これらの駆動パルスPS1〜PS6は、ピエゾ素子PZTを駆動して所望の動作を行わせるための波形部に相当する。本実施形態では、これらの駆動パルスPS1〜PS6が印加されることでピエゾ素子PZTは伸縮し、アイランド部412jを変位させる。また、これらの駆動パルスPS1〜PS6の中で、駆動パルスPS1,PS3,PS5は何れも同じ波形をしており、1つの駆動パルスがピエゾ素子PZTに印加されると約7pLのインクが吐出される。また、第2駆動パルスPS2がピエゾ素子PZTへ印加されると約2.5pLのインクが吐出され、第6駆動パルスPS6がピエゾ素子PZTへ印加されると約1.6pLのインクが吐出される。なお、第4駆動パルスPS4がピエゾ素子PZTに印加されると、インクが吐出されない程度の弱い圧力変動が圧力室412d内のインクに生じ、メニスカスが微振動される。
次に、スイッチ動作情報に基づく、駆動信号COMにおける必要部分のピエゾ素子PZTへの印加動作について説明する。高画質モードにおけるドット形成データSIは、ドット無し、小ドットの形成、中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する4種類となる。そして、スイッチ動作情報q0〜q7は、次のように定められる。すなわち、ドット無しのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q0はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q4はデータ[100]とされる。そして、小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q1はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q5はデータ[001]とされる。また、中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q2はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q6はデータ[010]とされる。さらに、大ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q3はデータ[101]とされ、スイッチ動作情報q7はデータ[010]とされる。
一方、高速モードにおけるドット形成データSIは、ブラックインク、及び、イエローインクについて、ドット無し、小ドットの形成、中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する4種類となる。この場合、スイッチ動作情報は高画質モードの場合と同じである。このため、説明は省略する。そして、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクについては、ドット無し、第1小ドットの形成、第2小ドットの形成、第1中ドットの形成、第2中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する6種類となる。この場合、スイッチ動作情報q0〜q11は、次のように定められる。すなわち、ドット無しのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q0はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q6はデータ[100]とされる。第1小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q1はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q7はデータ[001]とされる。第2小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q2はデータ[010]とされ、スイッチ動作情報q8はデータ[000]とされる。第1中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q3はデータ[000]とされ、スイッチ動作情報q9はデータ[010]とされる。第2中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q4はデータ[100]とされ、スイッチ動作情報q10はデータ[010]とされる。大ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q5はデータ[101]とされ、スイッチ動作情報q11はデータ[010]とされる。
これにより、高画質モード、及び、高速モードのブラックインク及びイエローインクでは、図14に示すパターンで、各区間信号SS11〜SS23がピエゾ素子PZTへ印加される。すなわち、ドット無しでは、第2駆動信号COM_Bの第1区間信号SS21がピエゾ素子PZTに印加される。そして、この第1区間信号SS21に含まれる第4駆動パルスPS4によってメニスカスの微振動がなされる。小ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第3区間信号SS23(第6駆動パルスPS6)がピエゾ素子PZTに印加され、約1.6pLのインクが吐出される。中ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS22(第5駆動パルスPS5)がピエゾ素子PZTに印加され、約7pLのインクが吐出される。大ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS11(第1駆動パルスPS1)、第3区間信号SS13(第3駆動パルスPS3)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS22(第5駆動パルスPS5)がピエゾ素子PZTに印加され、約21pLのインクが吐出される。
一方、高速モードの濃シアンインク及び濃マゼンタインクでは、図15に示すパターンで、各区間信号SS11〜SS23がピエゾ素子PZTへ印加される。すなわち、ドット無しでは、第2駆動信号COM_Bの第1区間信号SS21(第4駆動パルスPS4)がピエゾ素子PZTに印加され、メニスカスが微振動される。第1小ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第3区間信号SS23(第6駆動パルスPS6)がピエゾ素子PZTに印加され、約1.6pLのインクが吐出される。第2小ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第2区間信号SS12(第2駆動パルスPS2)がピエゾ素子PZTに印加され、約2.5pLのインクが吐出される。第1中ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS22(第5駆動パルスPS5)がピエゾ素子PZTに印加され、約7pLのインクが吐出される。第2中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS11(第1駆動パルスPS1)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS22(第5駆動パルスPS5)がピエゾ素子PZTに印加され、約14pLのインクが吐出される。大ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS11(第1駆動パルスPS1)、第3区間信号SS13(第3駆動パルスPS3)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS22(第5駆動パルスPS5)がピエゾ素子PZTに印加され、約21pLのインクが吐出される。
このように、本実施形態のプリンタ1では、濃シアンインク及び濃マゼンタインクと淡シアンインク及び淡マゼンタインクの両方を用い、4種類のドット形成データSIで印刷を行う高画質モードと、濃シアンインク及び濃マゼンタインクとを用い、6種類のドット形成データSIで印刷を行う高速モードから、定められた印刷モードで印刷を行っている。ここで、高速モードでは、使用されるインクの種類が高画質モードよりも少ないので、制御上の負荷が軽減されて処理の高速化が図れる。また、高速モードでは、濃インク(濃シアンインク、濃マゼンタインク)について、ドット形成データSIの種類の数が高解像度モードよりも多い種類の数に定められているので、使用されるインクの種類が少ないことに起因する画質の劣化を抑制できる。すなわち、高画質モードではより高い画質で印刷をすることができ、高速モードでは画質の劣化を抑えつつ高速で印刷ができる。そして、これらの印刷モードを選択することで、印刷の高速化と高画質化を高いレベルで両立することができる。
そして、この印刷システム100では、印刷モードとして高解像度モードが定められている場合に、プリンタドライバが、淡シアンインクか淡マゼンタインクの少なくとも一方について残インク量が十分でないと判断すると、印刷モードを高速モードに切り替える。この際に、濃シアンインク、濃マゼンタインク、ブラックインク、及び、イエローインクの4種類のインクを用いた印刷が行われる。これにより、淡インク(淡シアンインク,淡マゼンタインク)が不足しても、濃インクを用いることで印刷を継続でき、インクを有効に使用できる。また、この場合に、濃インクのドット形成データSIの種類の数を高画質モードよりも多くしている。特に、この印刷システム100では、高速モードにおける或るドット階調値と次のドット階調値とにおけるインク量の差を、高解像度モードにおける或るドット階調値と次のドット階調値とにおけるインク量の差よりも小さくしている。具体的に説明すると、高速モードにおける第1小ドットの形成と第2小ドットの形成とにおけるインク量の差は約0.9pLであるのに対し、高解像度モードにおける小ドットの形成と中ドットの形成とにおけるインク量の差は約5.4pLである。なお、高速モードにおける第1小ドットの形成と高解像度モードにおける小ドットの形成では、同じ量のインクを吐出させている。また、高速モードにおける第1中ドットの形成と第2中ドットの形成とにおけるインク量の差は約7pLであるのに対し、高解像度モードにおける中ドットの形成と大ドットの形成とにおけるインク量の差は約14pLである。ここでも、高速モードにおける第1中ドットの形成と高解像度モードにおける中ドットの形成は、同じ量のインクを吐出させている。さらに、大ドットの形成で吐出されるインクは、高画質モードと高速モードとで同じ量である。これにより、シアンやマゼンタに関し、高速モードにおける濃インクでの濃淡の変化度合いを、高画質モードにおける濃インクでの濃淡の変化度合いよりもきめ細かくできる。これにより、淡インクを使用しないことに起因する画質の劣化を抑えることができる。
さらに、シアンとマゼンタの一方について高速モードが指定されると、他方についても高速モードが指定される。これにより、印刷モードの違いに起因して生じる不具合、例えば、シアンとマゼンタとの間で色のバランスが崩れてしまう不具合を防止できる。
===第2実施形態===
前述した第1実施形態では、淡インク(淡シアンインク,淡マゼンタインク)が不足した場合に、濃インク(濃シアンインク,濃マゼンタインク)を用いて印刷を継続していた。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、濃インクに代えて淡インクを用い印刷を行うこともできる。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。
<第2実施形態の概要>
この第2実施形態のハードウェア構成は、第1実施形態と同じである。このため、ハードウェア構成の説明は省略し、動作の概略について説明する。第2の印刷システム100でも、6種類のインクによる高画質モード(第1印刷モードに相当する)と、4種類のインクによる高速モード(第2印刷モードに相当する。)とを選択して、印刷を行うことができる。ここで、高画質モードにて用いられるインクは第1実施形態と同じである。一方、高速モードとしては、ブラックインク、イエローインク、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクを用いる第1高速モードと、ブラックインク、イエローインク、淡シアンインク、及び、淡マゼンタインクを用いる第2高速モードとが用意されている。そして、第1高速モードにて、ブラックインクとイエローインクについては4種類のドット形成データSIで吐出させ、濃シアンインクと濃マゼンタインクについては6種類のドット形成データSI(所定数よりも多い数の種類のドット階調値に相当する。)で吐出させる。この第1高速モードは、前述した第1実施形態の高速モードと同様に、或るドット階調値と次のドット階調値とのインク量の差が、高画質モードにおける或るドット階調値と次のドット階調値とのインク量の差よりも小さくなっている。また、第2高速モードにて、ブラックインクとイエローインクについては4種類のドット形成データSIで吐出させ、淡シアンインクと淡マゼンタインクについては6種類のドット形成データSIで吐出させる。
<ハーフトーン処理について>
次に、ハーフトーン処理について説明する。ここで、図16は、第2実施形態におけるハーフトーン処理を説明するためのフローチャートである。図16に示すように、このハーフトーン処理では、まず高画質モードか否かについて判断される(S210)。そして、高画質モードと判断された場合には、残インク量が十分か否かについて判断される(S215)。ここで、残インク量が十分と判断された場合には、6種類のインクについて4種類のドット形成データSIが生成される(S220)。すなわち、2ビットのドット形成データSIが生成される。また、ステップS215で不足インクがあった場合には、その不足インクが淡インクか否かについて判断される(S225)。ここで、不足インクが淡インクであった場合には第1高速モードが設定され、濃シアンインク、濃マゼンタインク、ブラックインク、イエローインクからなる4種類のインクについて、ドット形成データSIが生成される(S240)。具体的には、濃シアンインクと濃マゼンタインクについて、6種類のドット形成データSIが生成される。一方、ブラックインクとイエローインクについては、4種類のドット形成データSIが生成される。また、ステップS210で高画質モードではないと判断された場合、第1高速モードが設定される(S230)。そして、残インク量が十分か否かについて判断される(S235)。ここでは、濃シアンインク、濃マゼンタインク、ブラックインク、イエローインクについて残インク量が判断され、残インク量が十分と判断された場合には、これらのインクについてドット形成データSIが生成される(S240)。そして、ステップS225で不足インクが淡インクではないと判断された場合、又は、ステップS235で不足インクがあると判断された場合には、不足インクが濃インク(濃シアンインク,濃マゼンタインク)であるか否かが判断される(S245)。ここで、不足インクが濃インクであった場合には第2高速モードが設定され、淡シアンインク、淡マゼンタインク、ブラックインク、イエローインクからなる4種類のインクについて、ドット形成データSIが生成される(S250)。具体的には、淡シアンインクと淡マゼンタインクについて、6種類のドット形成データSIが生成される。一方、ブラックインクとイエローインクについては、4種類のドット形成データSIが生成される。また、ステップS245で不足インクが濃インクでないと判断された場合、すなわち、ブラックインクかマゼンタインクに不足があった場合には、エラーメッセージが出力される(S255)。この場合には、インクカートリッジICの交換等が促される。
<ドット形成動作について>
次にドット形成動作について詳細に説明する。ここで、図17は、駆動信号生成部50によって生成される駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を説明する図である。図18Aは、高画質モードでピエゾ素子PZTに印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データSI毎に説明する図である。図18Bは、第1高速モードでピエゾ素子PZTに印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データSI毎に説明する図である。図18Cは、第2高速モードでピエゾ素子PZTに印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データSI毎に説明する図である。図19は、高画質モード、及び、高速モードのブラックインクとイエローインクで印加される駆動信号COMの区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。図20は、第1高速モードの濃シアンインク濃マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。図21は、第2高速モードの淡シアンインク淡マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。
このドット形成動作において、ホスト側コントローラ111(プリンタドライバ)はドット形成データSIを生成したり、残インク量を更新したりする。一方、プリンタ側コントローラ70は駆動信号生成部50を制御し、駆動信号生成部50は駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を生成する。図17に示すように、第1駆動信号COM_Aは、期間T1で生成される第1区間信号SS31と、期間T2で生成される第2区間信号SS32と、期間T3で生成される第3区間信号SS33と、期間T4で生成される第4区間信号SS34とから構成されている。また、第2駆動信号COM_Bは、期間T1で生成される第1区間信号SS41と、期間T2で生成される第2区間信号SS42と、期間T3で生成される第3区間信号SS43と、期間T4で生成される第4区間信号SS44とから構成されている。そして、第1駆動信号COM_Aが有する第1区間信号SS31は第1駆動パルスPS11を、第2区間信号SS32は第2駆動パルスPS12をそれぞれ有する。また、第3区間信号SS33は第3駆動パルスPS13を、第4区間信号SS34は第4駆動パルスPS14をそれぞれ有する。同様に、第2駆動信号COM_Bが有する第1区間信号SS41は第5駆動パルスPS15を、第2区間信号SS42は第6駆動パルスPS16をそれぞれ有する。また、第3区間信号SS43は第7駆動パルスPS17を、第4区間信号SS44は第8駆動パルスPS18をそれぞれ有する。
これらの駆動パルスPS11〜PS18の中で、駆動パルスPS11,PS13,PS16,PS18は何れも同じ波形をしており、1つの駆動パルスがピエゾ素子PZTに印加されると約6pLのインクが吐出される。また、第2駆動パルスPS12がピエゾ素子PZTへ印加されると約2.5pLのインクが吐出され、第4駆動パルスPS14がピエゾ素子PZTへ印加されると約9pLのインクが吐出される。また、第7駆動パルスPS17がピエゾ素子PZTへ印加されると約1.6pLのインクが吐出される。なお、第5駆動パルスPS15がピエゾ素子PZTに印加されると、メニスカスが微振動する。
次に、スイッチ動作情報に基づく、駆動信号COMにおける必要部分のピエゾ素子PZTへの印加動作について説明する。高画質モードにおけるドット形成データSIは、ドット無し、小ドットの形成、中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する4種類となる。そして、スイッチ動作情報q0〜q7は、次のように定められる。すなわち、図19に示すように、ドット無しのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q0はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q4はデータ[1000]とされる。そして、小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q1はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q5はデータ[0010]とされる。また、中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q2はデータ[0010]とされ、スイッチ動作情報q6はデータ[0100]とされる。さらに、大ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q3はデータ[1010]とされ、スイッチ動作情報q7はデータ[0101]とされる。
これにより、図18Aにも示すように、ドット無しでは、第2駆動信号COM_Bの第1区間信号SS41がピエゾ素子PZTに印加される。そして、この第1区間信号SS41に含まれる第5駆動パルスPS15によってメニスカスの微振動がなされる。小ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第3区間信号SS43(第7駆動パルスPS17)がピエゾ素子PZTに印加され、約1.6pLのインクが吐出される。中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)及び第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約12pLのインクが吐出される。大ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS31(第1駆動パルスPS11)、第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)、第4区間信号SS44(第8駆動パルスPS18)がピエゾ素子PZTに印加され、約24pLのインクが吐出される。
一方、第1高速モード及び第2高速モードにおけるドット形成データSIに関し、ブラックインク、及び、イエローインクについては、ドット無し、小ドットの形成、中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する4種類となる。この場合、スイッチ動作情報は高画質モードの場合と同じである。このため、説明は省略する。そして、濃シアンインク、及び、濃マゼンタインクについては、ドット無し、第1小ドットの形成、第2小ドットの形成、第1中ドットの形成、第2中ドットの形成、及び、大ドットの形成のそれぞれに対応する6種類となる。
この場合、第1高速モードにおけるスイッチ動作情報q0〜q11は、次のように定められる。すなわち、図20に示すように、ドット無しのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q0はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q6はデータ[1000]とされる。第1小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q1はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q7はデータ[0010]とされる。第2小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q2はデータ[0100]とされ、スイッチ動作情報q8はデータ[0000]とされる。第1中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q3はデータ[0010]とされ、スイッチ動作情報q9はデータ[0100]とされる。第2中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q4はデータ[1010]とされ、スイッチ動作情報q10はデータ[0100]とされる。大ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q5はデータ[1010]とされ、スイッチ動作情報q11はデータ[0101]とされる。
これにより、図18Bにも示すように、ドット無しでは、第2駆動信号COM_Bの第1区間信号SS41(第5駆動パルスPS15)がピエゾ素子PZTに印加され、メニスカスが微振動される。第1小ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第3区間信号SS43(第7駆動パルスPS17)がピエゾ素子PZTに印加され、約1.6pLのインクが吐出される。第2小ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第2区間信号SS32(第2駆動パルスPS12)がピエゾ素子PZTに印加され、約2.5pLのインクが吐出される。第1中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約12pLのインクが吐出される。第2中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS31(第1駆動パルスPS11)、第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約18pLのインクが吐出される。大ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS31(第1駆動パルスPS11)、第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)、第4区間信号SS44(第8駆動パルスPS18)がピエゾ素子PZTに印加され、約24pLのインクが吐出される。
また、第2高速モードにおけるスイッチ動作情報q0〜q11は、次のように定められる。すなわち、図21に示すように、ドット無しのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q0はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q6はデータ[1000]とされる。第1小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q1はデータ[0100]とされ、スイッチ動作情報q7はデータ[0000]とされる。第2小ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q2はデータ[0000]とされ、スイッチ動作情報q8はデータ[0100]とされる。第1中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q3はデータ[0001]とされ、スイッチ動作情報q9はデータ[0100]とされる。第2中ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q4はデータ[0011]とされ、スイッチ動作情報q10はデータ[0100]とされる。大ドットのドット形成データSIに対応するスイッチ動作情報q5はデータ[1011]とされ、スイッチ動作情報q11はデータ[0100]とされる。
これにより、図18Cにも示すように、ドット無しでは、第2駆動信号COM_Bの第1区間信号SS41(第5駆動パルスPS15)がピエゾ素子PZTに印加され、メニスカスが微振動される。第1小ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第2区間信号SS32(第2駆動パルスPS12)がピエゾ素子PZTに印加され、約2.5pLのインクが吐出される。第2小ドットの形成では、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約6pLのインクが吐出される。第1中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第4区間信号SS34(第4駆動パルスPS14)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約15pLのインクが吐出される。第2中ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第4区間信号SS34(第4駆動パルスPS14)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約21pLのインクが吐出される。大ドットの形成では、第1駆動信号COM_Aの第1区間信号SS31(第1駆動パルスPS11)、第3区間信号SS33(第3駆動パルスPS13)、第4区間信号SS34(第4駆動パルスPS14)、第2駆動信号COM_Bの第2区間信号SS42(第6駆動パルスPS16)がピエゾ素子PZTに印加され、約27pLのインクが吐出される。
このように、本実施形態のプリンタ1では、4種類のインクを用いて6種類のドット形成データSIで印刷を行う高速モードに関し、濃シアンインク、濃マゼンタインク、ブラックインク、及び、イエローインクを用いる第1高速モードと、淡シアンインク、淡マゼンタインク、ブラックインク、及び、イエローインクを用いる第2高速モードとを選択できる。このため、第1実施形態の効果に加えて次の効果をも奏する。
すなわち、この印刷システム100では、印刷モードとして高解像度モードが定められている場合に、プリンタドライバが、濃シアンインクか濃マゼンタインクの少なくとも一方について残インク量が十分でないと判断すると、印刷モードを第2高速モードに切り替える。これにより、淡シアンインク、淡マゼンタインク、ブラックインク、及び、イエローインクの4種類のインクを用いた印刷が行われる。
この第2高速モード(淡インクを用いる第2印刷モードに相当する。)において、大ドット(最大ドット階調値に相当する。)で吐出される淡シアンインク及び淡マゼンタインクの量は、高画質モードの大ドットで吐出される淡シアンインク及び淡マゼンタインクの量よりも多い。この構成により、第2高速モードにおける淡インクでの最高印刷濃度を、高画質モードにおける淡インクでの最高印刷濃度よりも濃くすることができる。その結果、濃インクを使用しないことに起因する画質の劣化を抑えることができる。
また、図18Bと図18Cの比較で判るように、第2高速モードの各ドット形成データSI(各ドット階調値)で吐出される淡インクの量は、第2高速モードの対応するドット形成データSIで吐出される濃インクの量よりも多い。例えば、第1小ドットの形成(データ[001])に関し、濃インクの吐出量は約1.6pLであるのに対し、淡インクの吐出量は約2.5pLである。第2小ドットの形成(データ[100])に関し、濃インクの吐出量は約2.5pLであるのに対し、淡インクの吐出量は約6pLである。同様に、第1中ドットの形成(データ[100])に関し、濃インクの吐出量は12pLであるのに対し、淡インクの吐出量は15pLである。第2高速モードにおいて、各ドット形成データSIに対応する淡インクの吐出量をこのように定めることで、淡インクの使用に起因する画像の濃度不足を改善することもできる。なお、各ドット形成データSIに対応する淡インクの吐出量は、濃インクに対する淡インクの濃度の比率に応じて適宜定めればよい。
===その他の実施形態について===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、印刷システム、プログラム等の開示が含まれている。また、実施形態としてのプリンタ1について説明をしたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<印刷モードの切り替えについて>
前述した各実施形態では、シアンやマゼンタの濃インク及び淡インクの残インク量に基づいて印刷モードを切り替える構成であったが、この構成に限定されない。例えば、ユーザによって印刷モードを選択できるように構成してもよい。この場合、例えば、プリンタドライバのユーザインタフェースを介して印刷モードを選択させる。
そして、このように構成しても、印刷の高速化と高画質化を高いレベルで両立することができる。
<階調値について>
前述した各実施形態では、高画質モードにおけるドット形成データSIの種類(ドット階調値の数)が「4」である印刷システム100について説明をしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、ドット形成データSIの種類を「3」や「6」にしてもよい。この場合、高速モードにおけるシアンインクやマゼンタインクのドット形成データSIの種類は、高画質モードにおけるドット形成データSIの種類よりも多く定められる。
<駆動信号について>
前述した各実施形態は、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bからなる2種類の駆動信号COMを用いていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、3種類以上の駆動信号COMを用いてもよいし、1種類の駆動信号を用いてもよい。そして、複数種類の駆動信号COMを用いることにより、限られた繰り返し期間Tであっても、多くの種類の区間信号(駆動パルス)を含ませることができる。その結果、高速モードにてドット形成データSIの種類が増えたとしても、駆動信号COMの生成期間が過度に長くなってしまうことを防止でき、印刷の高速化が図れる。すなわち、キャリッジ移動方向の速度を高速化でき、画質の向上と印刷速度の向上とを両立できる。
<インクの色について>
前述した各実施形態では、シアンの段階的な濃淡印刷を行う場合に、濃シアンインクと淡シアンインクとを用い、マゼンタの段階的な濃淡印刷を行う場合に、濃マゼンタインクと淡マゼンタインクとを用いる印刷システム100を例に挙げて説明した。しかし、段階的な濃淡印刷に用いられる濃インク及び淡インクは、シアンやマゼンタに限られるものではなく、他の色であってもよい。例えば、ブラックの階調印刷を行う場合に、ブラックインクとグレーインクとを用いてもよい。また、セピアの階調印刷を行う場合に、濃セピアインクと淡セピアインクを用いてもよい。ここで、シアンやマゼンタはカラー印刷において色合いに大きな影響を与える。このため、シアンやマゼンタについて、濃インクと淡インクとを用いた段階的な濃淡印刷を行う印刷システムに対し、前述した各印刷モードを切り替えられるようにすると、より顕著な作用効果を奏する。
<プリンタ1について>
前述の実施形態では、専ら印刷を行う単機能のプリンタ1を有する印刷システム100について説明したが、このプリンタ1に限定されるものではない。例えば、プリンタ1の機能とスキャナ装置の機能とを併せ持つ、所謂プリンタ・スキャナ複合機であってもよい。そして、プリンタドライバは、プリンタ1や複合機が有するメモリ内に記憶させてもよい。この場合、プリンタドライバは、プリンタ側コントローラが有するCPUによって実行される。また、プリンタ1に代えて、プロッタやファクシミリ装置を用いてもよい。加えて、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<ヘッド41が有する素子について>
前述した各実施形態では、ヘッド41が有する素子、すなわち、インクを吐出させるための動作を行う素子として、ピエゾ素子PZTを例示したが、ピエゾ素子PZTに限定されるものではない。例えば、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子もヘッド41が有する素子になりうる。
印刷システムの構成を説明する図である。 コンピュータ、及びプリンタの構成を説明するブロック図である。 図3Aは、プリンタの構成を示す図である。図3Bは、プリンタの構成を説明する側面図である。 図4Aは、ヘッドの構造を説明するための断面図である。図4Bは、ヘッドの主要部を拡大して示す断面図である。 ノズル列の配置を説明する図である。 ヘッドが有する複数のヘッド制御部を説明する図である。 図7Aは、ドット形成データが4種類であるタイプのヘッド制御部を説明する図である。図7Bは、淡シアンインク用及び淡マゼンタインク用のヘッド制御部に付設される信号選択部を説明する図である。 ドット形成データが4種類と6種類とで切り替えられるタイプのヘッド制御部を説明する図である。 印刷データを生成するための処理を説明するためのフローチャートである。 ハーフトーン処理の内容を説明するフローチャートである。 印刷時に行われる処理を説明するフローチャートである。 駆動信号生成部によって生成される駆動信号を説明する図である。 図13Aは、高画質モードでピエゾ素子に印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データ毎に説明する図である。図13Bは、高速モードでピエゾ素子に印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データ毎に説明する図である。 高画質モード、及び、高速モードのブラックインクとイエローインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。 高速モードの濃シアンインク濃マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。 第2実施形態におけるハーフトーン処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態において、駆動信号生成部によって生成される駆動信号を説明する図である。 図18Aは、高画質モードでピエゾ素子に印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データ毎に説明する図である。図18Bは、第1高速モードでピエゾ素子に印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データ毎に説明する図である。図18Cは、第2高速モードでピエゾ素子に印加される駆動パルスと吐出されるインクの量をインクの種類毎、及び、ドット形成データ毎に説明する図である。 高画質モード、及び、高速モードのブラックインクとイエローインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。 第1高速モードの濃シアンインク濃マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。 第2高速モードの淡シアンインク淡マゼンタインクで印加される駆動信号の区間信号を、ドットの種類毎に示す図である。
符号の説明
1 プリンタ,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 アイドラプーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,411 ケース,411a 収容室,
412 流路ユニット,412a 流路形成板,412b 弾性板,
412c ノズルプレート,412d 圧力室,412e ノズル連通口,
412f 共通インク室,412g インク供給路,412h 支持枠,
412i 弾性膜,412j アイランド部,413 ピエゾ素子ユニット,
413a ピエゾ素子群,413b 接着用基板,413c 素子用配線基板,
414 中継基板,50 駆動信号生成部,60 検出器群,
61 リニア式エンコーダ,62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,
64 紙幅検出器,70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,
72 CPU,73 メモリ,74 制御ユニット,
81A 第1シフトレジスタ,81B 第2シフトレジスタ,
81C 第3シフトレジスタ,82A 第1ラッチ回路,
82B 第2ラッチ回路,82C 第3ラッチ回路,83 制御ロジック,
83a SPシフトレジスタ,83b パターンレジスタ,84 デコーダ,
85A 第1スイッチ,85B 第2スイッチ,86A アンド回路,
86B アンド回路,100 印刷システム,110 コンピュータ,
111 ホスト側コントローラ,112 インタフェース部,
113 CPU,114 メモリ,120 表示装置,130 入力装置,
131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 コンパクトディスクドライブ装置,S 用紙,
FD フレキシブルディスク,CD コンパクトディスク,
SI ドット形成データ,IC インクカートリッジ,
R(C)〜R(LM) インク貯留室,ICm カートリッジ側メモリ,
TM1 メモリ側接点端子,TM2 キャリッジ側接点端子,
CTR コントローラ基板,CR キャリッジ,HC ヘッド制御部,
HC(C) 濃シアンインク用のヘッド制御部,
HC(M) 濃マゼンタインク用のヘッド制御部,
HC(K) ブラックインク用のヘッド制御部,
HC(Y) イエローインク用のヘッド制御部,
HC(LC) 淡シアンインク用のヘッド制御部,
HC(LM) 淡マゼンタインク用のヘッド制御部,
SSC(C)〜SSC(LM) 信号選択部,FC フレキシブルケーブル,
PZT ピエゾ素子,Nz ノズル,Nc 濃シアンインクノズル列,
Nm 濃マゼンタインクノズル列,Nk ブラックインクノズル列,
Ny イエローインクノズル列,Nlc 淡シアンインクノズル列,
Nlm 淡マゼンタインクノズル列,COM 駆動信号,
COM_A 第1駆動信号,SS11 第1区間信号,
SS12 第2区間信号,SS13 第3区間信号,SS31 第1区間信号,
SS32 第2区間信号,SS33 第3区間信号,SS34 第4区間信号,
COM_B 第2駆動信号,SS21 第1区間信号,
SS22 第2区間信号,SS23 第3区間信号,SS41 第1区間信号,
SS42 第2区間信号,SS43 第3区間信号,SS44 第4区間信号,
PS1 第1駆動パルス,PS2 第2駆動パルス,PS3 第3駆動パルス,
PS4 第4駆動パルス,PS5 第5駆動パルス,PS6 第6駆動パルス,
PS11 第1駆動パルス,PS12 第2駆動パルス,
PS13 第3駆動パルス,PS14 第4駆動パルス,
PS15 第5駆動パルス,PS16 第6駆動パルス,
PS17 第7駆動パルス,PS18 第8駆動パルス,
T1〜T4 期間,CLK クロック,SI ドット形成データ,
q0〜q11 スイッチ動作情報,LAT ラッチ信号,
CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,
SM 指定モードデータ

Claims (13)

  1. 濃インクと淡インクの両方を用いて印刷を行う第1印刷モードと、
    前記濃インクのみを用いて印刷を行う第2印刷モードと、
    を有し、
    前記第1印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量は等しく、前記第1印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量も等しく、
    前記第1印刷モードで使用される大きさが異なる濃インクのドットの種類は、
    前記第2印刷モードに使用される大きさが異なる濃インクのドットの種類より少ないことを特徴する印刷制御装置。
  2. 請求項1に記載の印刷制御装置であって、
    画質を優先する印刷においては、前記第1印刷モードを用い、
    速度を優先する印刷においては、前記第2印刷モードを用いることを特徴とする印刷制御装置。
  3. 印刷装置であって、
    駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記濃インク及び淡インクを前記駆動信号に基づいて吐出するヘッドと、
    請求項1又は2に記載の印刷制御装置であって、前記ヘッドからの前記濃インク及び前記淡インクの吐出を制御する印刷制御装置と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記駆動信号生成部は、複数の駆動パルスを出力し、
    前記印刷制御装置において、
    前記濃インクは、前記濃インクのドットの種類を規定するドット形成データに応じた前記駆動パルスが選択されることにより吐出され、
    前記淡インクは、前記淡インクのドットの種類を規定するドット形成データが論理積回路の第1入力端に入力され、出力端から出力される前記淡インクのドット形成データに応じた駆動パルスが選択されることにより吐出され、
    前記第2印刷モードを用いた印刷を行うときにおいて、前記淡インクの前記論理積回路の第2入力端にゼロが入力される、請求項3に記載の印刷装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記濃インクの残インク量及び前記淡インクの残インク量を検出する残インク量検出部を有し、
    前記印刷制御装置は、
    印刷モードとして前記第1印刷モードが定められている場合であって、前記濃インクと前記淡インクの他方について、その残インク量が判断基準量よりも少なくなった場合に、前記印刷モードを前記第1印刷モードから前記第2印刷モードへ切り替えることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、
    他の色の段階的な濃淡印刷に用いられる他の濃インク及び他の淡インクを、形成すべきドットの大きさに基づく複数種類のドット階調値の中から定められたドット階調値に応じて吐出するものであり、
    前記印刷制御装置は、
    前記第2印刷モードにて、前記他の濃インクと前記他の淡インクの他方の残量に拘わらず、前記他の濃インクと前記他の淡インクの一方を用い、前記第1印刷モードで使用される前記濃インクのドットの種類よりも多い数のドットの種類で印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記濃インク及び前記淡インクは、
    シアンの濃インク及び淡インクとマゼンタの濃インク及び淡インクの一方であり、
    前記他の濃インク及び前記他の淡インクは、
    前記シアンの濃インク及び淡インクと前記マゼンタの濃インク及び淡インクの他方であることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項3から請求項7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、
    インクが吐出される複数のノズルからなるノズル列をヘッドの移動方向に並べられた状態で複数列有し、かつ、複数の前記ノズル列のうち前記移動方向の端に位置するノズル列から、前記第2印刷モードにて使用されないインクを吐出することを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項3から請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御装置は、
    前記第2印刷モードにて前記濃インクを用い、或るドットの種類と次の大きさのドットの種類とにおけるインク量の差を、前記第1印刷モードでの前記或るドットの種類と前記次の大きさのドットの種類とにおけるインク量の差よりも小さくすることを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項3から請求項のいずれかに記載の印刷装置であって、
    或る期間において複数の駆動信号を生成する駆動信号生成部を有し、
    前記ヘッドは、
    インクを吐出させる動作を行う素子を有し、
    前記印刷制御装置は、
    複数の前記駆動信号から必要部分を選択し、選択した前記必要部分を前記素子に印加させる信号印加部であって、前記定められた印刷モードに応じて前記必要部分を選択する信号印加部を有することを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項3から請求項10のいずれかに記載の印刷装置であって、
    インクを貯留するインク貯留容器が装着される装着部を有し、
    前記インク貯留容器は、
    複数のインク貯留室が設けられたケースを有し、前記或る色の階調印刷に用いられる濃インク及び淡インクとこれら以外のインクとを含む複数種類のインクを、対応するインク貯留室に貯留することを特徴とする印刷装置。
  12. 濃インクと淡インクの両方を用いて印刷を行う第1印刷モードと、前記濃インクのみを用いて印刷を行う第2印刷モードと、のいずれかで印刷を行うことと、
    を含む印刷方法であって、
    前記第1印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量は等しく、前記第1印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量も等しく、
    前記第1印刷モードでの印刷に含まれる大きさが異なるドットの種類は、
    前記第2印刷モードでの印刷に含まれる大きさが異なるドットの種類より少ないことを特徴とする印刷方法。
  13. 濃インクと淡インクの両方を用いて印刷を行う第1印刷モードと、前記濃インクのみを用いて印刷を行う第2印刷モードと、のいずれかで印刷を行うことと、
    を印刷装置に行わせるプログラムであって、
    前記第1印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最大ドットのインク量は等しく、前記第1印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量と前記第2印刷モードで使用される濃インクの最小ドットのインク量も等しく、
    前記第1印刷モードでの印刷に含まれる大きさが異なるドットの種類は、
    前記第2印刷モードでの印刷に含まれる大きさが異なるドットの種類より少ないことを特徴とするプログラム。
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