JP5017790B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
前記絵柄模様層が、カーボネート系ウレタン樹脂を含む水性組成物により形成されていることを特徴とし、
前記カーボネート系ウレタン樹脂の平均分子量が、5万〜30万であり、
前記カーボネート系ウレタン樹脂が、
当該カーボネート系ウレタン15重量部、ピグメントNo.PY128の縮合アゾ顔料10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すものである、または
当該カーボネート系ウレタン15重量部、ピグメントNo.PV19のキナクリドン系顔料10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すものである、
ことを特徴とする化粧シート。
2.基材シートと絵柄模様層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている、上記項1に記載の化粧シート。
3.着色隠蔽層が水性組成物から形成されている、上記項2に記載の化粧シート。
4.透明性接着剤層及び表面保護層の少なくとも1種が水性組成物から形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を被着剤に貼着してなる化粧板。
基材シートとしては、例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート又はこれらの複合材料等が使用される。
紙としては、例えば薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が挙げられる。
また、不織布としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラス等の繊維からなる不織布が挙げられる。紙又は不織布の坪量は、通常20〜100g/m2程度とすればよい。また、紙又は不織布は、その繊維間乃至は他層との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、例えばアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。なお、基材シートに紙(或いは不織布)を用いた化粧シートは、化粧紙となる。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
基材シートの上(被着材貼着面とは逆面、以下各層において同じ側を指す)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
また、中和剤としては中和あるいはイオン化できるものであれば特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類、アンモニア等の揮発性塩基;塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;蟻酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸;塩化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化ベンジル、p-ニトロベンジルクロライド、臭化ベンジル、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、エピクロルヒドリン、ブロムブタン等の4級化剤が挙げられる。
当該カーボネート系ウレタン15重量部、縮合アゾ顔料(ピグメントNo.PY128)10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すもの、
であることが好ましい。より好ましくは当該結果が0〜40%である。
1)当該カーボネート系ウレタン15重量部、縮合アゾ顔料(ピグメントNo.PY128)10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量からなる組成物を作製し、2)得られた組成物から、厚さが1μmとなるように乾燥薄膜を形成した後、3)その乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示す。
より好ましくは、上記3)において測定結果が0〜40%である。
当該カーボネート系ウレタン15重量部、キナクリドン系顔料(ピグメントNo.PV19)10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すもの、
であることが好ましい。より好ましくは当該結果が0〜40%である。
1)当該カーボネート系ウレタン15重量部、キナクリドン系顔料(ピグメントNo.PV19)10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量からなる組成物を作製し、2)得られた組成物から、厚さが1μmとなるように乾燥薄膜を形成した後、3)その乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示す。
より好ましくは、上記3)において測定結果が0〜40%である。
本発明のカーボネート系ウレタン樹脂を含む水性組成物は、カーボネート系ウレタン樹脂が溶解、エマルション化、マイクロカプセル化またはその他の方法で水性化されているものであればよい。なお、本発明における「水性組成物」とは、後述する水性インキ及び水系塗工剤の両方を指す。
本発明の化粧シートでは、基材シートと絵柄模様層との間にさらに着色隠蔽層が形成されていてもよい。
絵柄模様層の上には、必要に応じて、透明性樹脂層を形成しても良い。その透明性樹脂層と絵柄模様層との間に、層間の密着性を高めるため、透明性接着剤層を形成しても良い。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
透明性接着剤層の上には、必要に応じて、透明性樹脂層が形成されていても良い。
また、必要に応じて、表面にプライマー層(後述する表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
透明性樹脂層の上には、必要に応じて、表面保護層が形成されていても良い。
表面保護層は、床材用化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が適当である
熱硬化型樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加される。
れる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で効率良く硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
本発明化粧シートが適用される被着材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
本発明の化粧シートは、各種の被着材等に積層され、化粧板として使用される。積層方法は限定的でなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
(1)着色隠蔽層用の水系塗工剤Aの調製
水性ウレタンーアクリル共重合体系白色インキ(ザ・インクテック(株)製、オーデKEX白)100重量部、水分散性イソシアヌレート結合含有イソシアネート架橋剤10重量部(日華化学(株)製 NKアシストIS−100N)、水20重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合して、着色隠蔽層用の塗工剤Aを調製した。
縮合アゾ顔料(ピグメントNo.PY128)10重量部、カーボネート系ウレタン樹脂15重量部、水55重量部及びイソプロピルアルコール20重量部からなる水性インキに、さらに水20重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合し、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを調製した。
水性ウレタン樹脂含有接着剤100重量部(東洋紡績(株)製 バイロナールMD1480)、イソシアネート架橋剤(日華化学(株)製 NKアシストIS−100N)10重量部及び水10重量部を混合し、透明性接着剤層用の塗工剤Cを調製した。
水性ウレタン樹脂系インク100重量部((株)昭和インク工業所製 No.135)、水分散性イソシアヌレート結合含有イソシアネート架橋剤10重量部、水10重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合し、表面保護層用の塗工剤Dを調製した。
基材シートとして、ポリプロピレンを主成分とする60μmの着色シートを用い、その表裏両表面にコロナ放電処理を施した。その後、着色隠蔽層用の水系塗工剤A、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを順次グラビア印刷法にてそれぞれシートの表面全体に均一に塗布・乾燥し、3g/m2の着色隠蔽層(厚さ3μm)及び1g/m2の絵柄模様層(厚さ1μm)を順次形成した。
次いで、その上に、接着剤層用水系塗工剤Cをグラビア印刷法にて塗布・乾燥し、3g/m2の透明性接着剤層を形成させた。
その接着剤層上に、厚み80μmの透明なポリプロピレン系フィルムをドライラミネート方式で積層して透明性樹脂層を形成させた。
次いで、その透明樹脂層の表面にエンボス加工により凹凸を形成させた後、上記に示す配合の表面保護層用の水系塗工剤Dをグラビア印刷法により塗布・乾燥し、5g/m2の表面保護層を形成させた。
絵柄模様層用の塗工剤Bの調製において、キナクリドン系顔料(ピグメントNo.PY19)10重量部、カーボネート系ウレタン樹脂15重量部、水55重量部及びイソプロピルアルコール20重量部からなる水性インキに、さらに水20重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合して、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを調製した以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
絵柄模様層用の塗工剤Bの調製において、縮合アゾ顔料(ピグメントNo.PY128)10重量部、水性ウレタン樹脂15重量部、水55重量部及びイソプロピルアルコール20重量部からなるインキに、さらに水20重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合し、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを調製した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
絵柄模様層用の塗工剤Bの調製において、キナクリドン系顔料(ピグメントNo.PY19)10重量部、水性ウレタン樹脂15重量部、水55重量部及びイソプロピルアルコール20重量部からなるインキに、さらに水20重量部及びイソプロピルアルコール20重量部を混合して、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを調製した以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
1.ヘイズ値の測定
基材シートとして厚さ75μmの透明PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、「HS74」)を用いた。その基材シート上に実施例1〜2及び比較例1〜2における絵柄模様層用水系塗工剤Bをそれぞれグラビア印刷法にて均一に塗布、乾燥し、1g/m2の絵柄模様層(厚さ1μm)を形成させた。
得られた絵柄模様層形成シートのヘイズ値を直読ヘイズメーター((株)東洋精機製作所製)により、測定した。その結果を下記の表1に示す。
実施例1〜2及び比較例1〜2において作製した化粧シートのくすみを目視により観察した。「くすみが認められなかった」を「○」と、「くすみが認められた」を「×」と評価した。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- 基材シート上に絵柄模様層が形成されており、前記絵柄模様層上に透明性接着剤層、透明性樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
前記絵柄模様層が、カーボネート系ウレタン樹脂を含む水性組成物により形成されていることを特徴とし、
前記カーボネート系ウレタン樹脂の平均分子量が、5万〜30万であり、
前記カーボネート系ウレタン樹脂が、
当該カーボネート系ウレタン15重量部、ピグメントNo.PY128の縮合アゾ顔料10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すものである、または
当該カーボネート系ウレタン15重量部、ピグメントNo.PV19のキナクリドン系顔料10重量部、水75重量部及びイソプロピルアルコール40重量部からなる組成物から形成される厚さが1μmの乾燥薄膜のヘイズ値を測定した結果が45%以下を示すものである、
ことを特徴とする化粧シート。 - 基材シートと絵柄模様層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている、請求項1に記載の化粧シート。
- 着色隠蔽層が水性組成物から形成されている、請求項2に記載の化粧シート。
- 透明性接着剤層及び表面保護層の少なくとも1種が水性組成物から形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を被着剤に貼着してなる化粧板。
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