JP5016272B2 - 炭素系微細繊維状物質の製造方法 - Google Patents

炭素系微細繊維状物質の製造方法 Download PDF

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本発明は、例えば冷陰極素子として用いられる炭素系微細繊維状物質の製造方法に関する。
電界を印加することによって電子を放出する冷陰極素子は、加熱することなく電子を放出することができるので、低消費電力で応答速度の速い電子源として様々な用途に応用可能である。特に最近では、この冷陰極素子を画素毎に持たせた低消費電力で高画質な電界放出型ディスプレイの研究・開発が多く行われている。中でも電子放出材料として用いられるカーボンナノチューブ(以下「CNT」)やグラファイトナノファイバ(以下「GNF」)のような炭素系微細繊維状物質は、そのナノスケールの形状から電界集中が生じやすく、低電圧で電子放出を生じるディスプレイの電界放出電子源として注目されている。
冷陰極素子として用いられる炭素系微細繊維状物質は、一般に印刷法や化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition、以下「CVD」)法によって形成される。印刷法を用いて炭素系微細繊維状物質が形成されたものは、良好な電子放出特性を得るため、バインダーを取り除く処理や、炭素系微細繊維状物質を垂直方向に配向するための処理が行われている。一方、CVD法を用いて炭素系微細繊維状物質が形成されたものでは、バインダーを取り除く処理は必要ない。以下、従来の炭素系微細繊維状物質の製造方法の概要について2つ例を挙げ、図10及び11を用いて説明する。
まず、従来の炭素系微細繊維状物質の第1の製造方法は、図10に示すようなものである。最初に例えばガラス、セラミクス等の材料を加工し、基板311を形成する(図10(a))。次いで、基板311上に陰極母線312を形成し(図10(b))、陰極母線312上に触媒金属314を形成する(図10(c))。そして、熱CVD法やプラズマCVD法によって炭素系微細繊維状物質313を形成する(図10(d))。
次に、従来の炭素系微細繊維状物質の第2の製造方法は、図11に示すようなものである。まず、例えばガラス、セラミクス等の材料を加工し、基板411を形成する(図11(a))。次いで、基板411上に、陰極母線412、絶縁層414及びゲート電極415を順次形成する(図11(b)〜(d))。さらに、ゲート電極415上にマスク層416をパターニングして形成し(図11(e))、例えばウェットエッチング法によってゲート孔415aを形成する(図11(f))。さらに、マスク層416上に触媒金属417を形成(図11(g))した後、剥離液によってマスク層416を除去する(図11(h))。そして、熱CVD法やプラズマCVD法によって炭素系微細繊維状物質413を形成する(図11(i))。
一般に、炭素系微細繊維状物質を熱CVD法で成長させる場合、成膜時の基板温度を700℃以上の高温にした方が高性能な電子放出特性が得られやすいが、通常のガラス基板を使用できる600℃以下の温度で炭素系微細繊維状物質を形成する手法もいくつか報告されている。例えば、特許文献1では、熱CVD法を用いて500℃でGNFを成長させる手法が提案されている。
特開2002−115057号公報
しかしながら、特許文献1に示された熱CVD法による炭素系微細繊維状物質の製造方法では、数cm程度の範囲に炭素系微細繊維状物質を形成する場合には良好な特性が得られるが、ディプレイのようなある程度広範な面積を持った基板に炭素系微細繊維状物質を形成しようとすると、600℃以下の基板温度で成長したものは、一部の領域では良好な特性が得られるものの、場所によって電子放出特性のむらが生じ、基板全面にわたって均一な電子放出特性を得ることが困難であるという課題があった。
また、炭素系微細繊維状物質をプラズマCVD法で成長させる場合には、広い面積にわたってプラズマを均一に生成させることが困難なため、やはり場所によって電子放出特性のむらが生じ、基板全面にわたって均一な電子放出特性を得ることが困難であるという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、電子放出特性の均一性を向上させることができる炭素系微細繊維状物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、炭素系微細繊維状物質の製造方法に係る実験及び検討を重ねた結果、化学的気相成長により炭素系微細繊維状物質を形成した後に1回以上の加熱工程を設けることによって炭素系微細繊維状物質の電子放出特性の均一性が向上することを見出した。具体的には、以下に示すような現象である。
(1)熱エネルギによって原料ガスを分解して基板上に堆積させる手法である熱CVD法により炭素系微細繊維状物質を形成する場合、通常400℃以上に基板を加熱することによって原料ガスを分解し基板上に薄膜を形成するが、基板の温度を一旦350℃以下に降下させた後、1回以上の加熱工程を経ることによって電子放出特性の均一性が向上すること。
(2)生成したプラズマ中で加速された電子によって原料分子を分解し基板上に堆積させる手法であるプラズマCVD法により炭素系微細繊維状物質を形成する場合、プラズマ放電を停止した後、1回以上の加熱工程を経ることによって電子放出特性の均一性が向上すること。
(3)炭素系微細繊維状物質を形成した後、形成した炭素系微細繊維状物質に電界を印加して電子放出を生じさせ、その後1回以上の加熱工程を経ることによって電子放出特性の均一性がさらに向上すること。
したがって、本発明の発明者らは、見出した現象に基づいて前述の従来の課題を解決することができた。
すなわち、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、化学的気相成長により炭素系微細繊維状物質を形成する微細繊維形成工程と、形成された前記炭素系微細繊維状物質を加熱する微細繊維加熱工程とを含み、前記炭素系微細繊維状物質はグラファイトナノファイバである構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、微細繊維加熱工程において炭素系微細繊維状物質を少なくとも1回加熱することができるので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
また、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維加熱工程において前記基板の温度を400℃以上にする構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、炭素系微細繊維状物質が形成される基板の温度を400℃以上に少なくとも1回加熱することができるので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として酸素を含むガスの分圧を10Pa以下とする工程を含む構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、酸素を含むガスの分圧が10Pa以下の雰囲気中で微細繊維加熱工程を行うことができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として酸素とは異なる元素を含むガスの分圧を100Pa以上とする工程を含む構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、酸素とは異なる元素を含むガスの分圧が100Pa以上の雰囲気中で微細繊維加熱工程を行うことができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として水素を含むガスの分圧を100Pa以上とする工程を含む構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、水素を含むガスの分圧が100Pa以上の雰囲気中で微細繊維加熱工程を行うことができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維形成工程と前記微細繊維加熱工程との間において前記炭素系微細繊維状物質に電界を印加して電子放出を行う電子放出工程を含む構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、微細繊維加熱工程の前に電子放出工程を行うことにより、微細繊維加熱工程のみを行う場合よりも、電子放出特性の均一性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維加熱工程の前に、前記炭素系微細繊維状物質が形成される基板の温度を350℃以下に降下させる基板温度降下工程を含む構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、炭素系微細繊維状物質が形成される基板の温度を350℃以下に一旦降下させた後、炭素系微細繊維状物質を少なくとも1回加熱することができるので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
さらに、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、前記微細繊維形成工程は、前記炭素系微細繊維状物質をプラズマ放電によって形成する工程であり、前記プラズマ放電を停止した後に前記微細繊維加熱工程を行う構成を有している。
この構成により、本発明の炭素系微細繊維状物質の製造方法は、プラズマ放電によって形成された炭素系微細繊維状物質を微細繊維加熱工程において少なくとも1回加熱することができるので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
本発明は、電子放出特性の均一性を向上させることができるという効果を有する炭素系微細繊維状物質の製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明に係る炭素系微細繊維状物質の製造方法が適用された冷陰極素子を備えたディスプレイを例に挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係るディスプレイの第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態におけるディスプレイ100の構成図であり、図1(a)はディスプレイ100が有する背面板110の平面図、図1(b)は背面板110のA−A'断面図、図1(c)はディスプレイ100の断面図である。
図1に示すように、本実施の形態におけるディスプレイ100は、電子が放出される側に設けられた背面板110と、画像が表示される側に設けられた前面板120と、背面板110と前面板120とに挟まれたスペーサ130とを備えている。
背面板110は、基板111と、基板111上に形成されたストライプ状の陰極母線112と、陰極母線112上に形成され電子を放出する炭素系微細繊維状物質113とを備えている。なお、炭素系微細繊維状物質113は、陰極母線112上の任意の位置に形成することができるが、図1においてはマトリクス状に配列された画素に相当する位置に形成した例が示されている。また、図1において、炭素系微細繊維状物質113が1画素内に円状に形成された例を示しているが、炭素系微細繊維状物質113を形成する形状はこれに限定されるものではなく、陰極母線112上に形成されていればよい。また、炭素系微細繊維状物質113が形成される領域は、1画素内で分断されていても連続していてもよい。また、図1は、列数3で行数3の9個の画素が構成されたディスプレイ100を模式的に示したものであるが、本実施の形態におけるディスプレイ100の画素数はこれに限定されるものではなく、任意に設定できるものである。
前面板120は、基板121と、基板121上に形成され電子を捕捉する陽極電極122と、陽極電極122上に形成された蛍光体層123とを備えている。
基板111は、例えばガラス、セラミクス等の絶縁性を有する材料や、表面を酸化させたシリコン基板のように表面を絶縁膜で覆った導電性を有する材料等で構成されている。
陰極母線112は、例えばクロム、アルミニウム、シリコン、ニオブ、金等の導電性を有する材料で構成され、炭素系微細繊維状物質113と電気的に接続されている。
炭素系微細繊維状物質113は、CNTやGNF等で構成され、陰極母線112と陽極電極122との間に印加される陽極電圧によって電子を放出するようになっている。
基板121は、例えばガラスのような透明性を有する基板で構成されている。陽極電極122は、例えばITO(Indium Tin Oxide:錫ドープ酸化インジウム)のような透明電極によって構成されている。蛍光体層123は、陽極電極122上に蛍光体が塗布されて形成されている。
スペーサ130は、例えばガラスやセラミクス等で構成され、背面板110と前面板120との間隔を例えば0.5mm〜2mm程度に設定するようになっている。
本実施の形態におけるディスプレイ100は、前述のように構成されており、陰極母線112と陽極電極122との間に陽極電圧が印加されると、炭素系微細繊維状物質113から電子が放出され、放出された電子は、陽極電極122の方向に進み、蛍光体層123を通過して蛍光体層123を発光させた後、陽極電極122に達する動作を行うことにより所定の画像を表示する。
次に、本実施の形態におけるディスプレイ100の製造方法について説明する。まず、熱CVD法及びプラズマCVD法による背面板110の製造方法について説明する。
最初に、熱CVD法による背面板110の製造方法について図2を用いて説明する。図2は、熱CVD法による背面板110の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図である。
まず、例えばガラス、セラミクス等の材料を加工し、基板111を形成する(図2(a))。
次いで、基板111上に陰極母線112を形成する(図2(b))。陰極母線112の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、印刷法等を用いる。
さらに、陰極母線112上に触媒金属114を形成する(図2(c))。ここでの触媒とは、CNTやGNF等で構成される炭素系微細繊維状物質113をCVD法で形成する際に炭化ガスの分解に供する材料をいい、例えば鉄やコバルト、ニッケル等の遷移金属、イットリウム等の希土類、パラジウムや白金等の貴金属、又はこれらの合金を用いる。なお、触媒金属114の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、CVD法等を用いる。また、触媒金属114が、炭素系微細繊維状物質113の形成(後述)と、陰極母線112の形成とを兼ねる構成の場合は、前述の陰極母線112の形成工程を省略することもできる。
続いて、基板111の温度を上昇させ、熱CVD法によりCNTやGNF等の炭素系微細繊維状物質113を形成する(図2(d):微細繊維形成工程)。炭素系微細繊維状物質113の形成には、例えば一酸化炭素や炭化水素等の炭化ガス、又はそれらのガスを含む混合ガスを使用する。基板111の加熱温度は、炭素系微細繊維状物質113の成長する温度とするが、基板111として例えばガラスを用いた場合は、一般には400℃以上で、ガラス軟化点(通常600℃)以下でCVDを行う。
引き続き、基板111の温度を350℃以下まで一旦下げる(図2(e):基板温度降下工程)。なお、基板111の温度を室温まで戻してもよい。この際、基板111を大気に触れさせてもよいし、大気に触れさせることなく次のステップに進んでもよい。
図2(e)の基板温度降下工程において、基板111を大気に触れさせた場合は、基板111を導入したチャンバ内の真空度を10Pa以下とするのが好ましく、より好ましくは1Paとする。一方、基板111を大気に触れさせない場合は、酸素ガスが大気中の酸素量の比率と同程度となるよう酸素ガス分圧を低下させる真空引きを行う。その後、チャンバ内に酸素以外のガスを導入して基板111の温度を400℃以上に上昇させる。導入するガスには、水素ガス、窒素ガスや、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス等の炭化ガス、又は酸素を含まない混合ガスを使用し、100Pa以上導入する(大気圧以下)。基板111として例えばガラスを用いた場合の加熱温度は、一般にはガラス軟化点(通常600℃程度)以下とする(図2(f):微細繊維加熱工程)。この微細繊維加熱工程は、微細繊維形成工程(図2(d)参照)の後に少なくとも1回行う。
次に、プラズマCVD法による背面板110の製造方法について図3を用いて説明する。図3は、プラズマCVD法による背面板110の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図であり、便宜上図2と同じ符号を用いている。
まず、例えばガラス、セラミクス等の材料を加工し、基板111を形成する(図3(a))。
次いで、前述の図2(b)及び(c)を用いて説明したように、基板111上に陰極母線112を形成し(図3(b))、陰極母線112上に触媒金属114を形成する(図3(c))。
さらに、プラズマCVD法によりCNTやGNF等の炭素系微細繊維状物質113を形成する(図3(d):微細繊維形成工程)。炭素系微細繊維状物質113の形成には、例えば一酸化炭素や炭化水素等の炭化ガス、又はそれらのガスを含む混合ガスを使用する。
そして、プラズマCVDの後、プラズマ放電を停止する(図3(e))。この際、基板111を大気に触れさせてもよいし、大気に触れさせることなく次のステップに進んでもよい。
図3(e)に示された工程において、基板111を大気に触れさせた場合は、基板111を導入したチャンバ内の真空度を10Pa以下とするのが好ましく、より好ましくは1Paとする。一方、基板111を大気に触れさせない場合は、酸素ガスが大気中の酸素量の比率と同程度となるよう酸素ガス分圧を低下させる真空引きを行う。その後、チャンバ内に酸素以外のガスを導入して基板111の温度を400℃以上に上昇させる。導入するガスには、水素ガス、窒素ガスや、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス等の炭化ガス、又は酸素を含まない混合ガスを使用し、100Pa以上導入する。基板111として例えばガラスを用いた場合の加熱温度は、一般にはガラス軟化点(通常600℃)以下とする(図3(f):微細繊維加熱工程)。この微細繊維加熱工程は、微細繊維形成工程(図3(d)参照)の後に少なくとも1回行う。
次に、本実施の形態におけるディスプレイ100の製造方法について図1を用いて説明する。
まず、スパッタリング法や蒸着法等によって、基板121上に例えばITOを堆積してストライプ状に陽極電極122を形成する。次いで、蛍光体を陽極電極122上に塗布して蛍光体層123を形成することにより、前面板120が得られる。
そして、この前面板120と、図2(a)〜(f)又は図3(a)〜(f)に示された製造工程で製造された背面板110とが一定の間隔で対向配置されるようスペーサ130を固着し、例えばフリット材を用いて封着する。その後、図示しない排気孔を通して内部の気体を排気して真空にすることによりディスプレイ100が得られる。
(実験結果)
次に、本実施の形態における炭素系微細繊維状物質の製造方法による効果を確認するために行った実験の結果について説明する。
本実験は、図4に示す構成において、ガラス基板上に陰極となるCrを形成後、触媒となるNi−Cr−Fe合金を成膜したものを熱CVD法によって炭素系微細繊維状物質を形成し、炭素系微細繊維状物質の形成後に熱処理を行わないもの(以下「試料a」という。)と、炭素系微細繊維状物質の形成後に熱処理を行ったもの(以下「試料b」という。)とについて、蛍光面を用いて電子放出の様子を観察したものである。また、図4において、炭素系微細繊維状物質を形成した基板と蛍光面とを真空中で0.5mm離した状態で、陰極と陽極との間に電圧Vを印加し、電流iを測定した。また、試料a及びbにおける熱CVDの条件は、水素と一酸化炭素とを50%ずつ混合したガス雰囲気中で基板温度を600℃とした。
試料a及びbを用いた際の蛍光面での発光の様子を図5に示す。図5(a)は、試料aに対し電圧V=2800[V]を印加した場合の発光の様子を示している。また、図5(b)は、試料bに対し電圧V=1700[V]を印加した場合の発光の様子を示している。ここで、試料bは、炭素系微細繊維状物質の形成後に基板を再度真空チャンバに入れて、チャンバ内を一旦0.5Pa程度まで真空引きして酸素濃度を低下させた後、水素と一酸化炭素とを合わせて1気圧導入して600℃で加熱したものである。
図5(a)に示すように、試料aのものは、発光点は存在するが、それらはまばらなものとなっている。これに対し、図5(b)に示すように、試料bのものは、試料aのものよりも印加した電圧Vが低いにも関わらず、発光点の密度が大幅に上昇している。
また、試料a及びbにおける電流−電圧特性を図6に示す。図6に示すように、試料bのものは、試料aのものよりも低い電圧で大きな電流を取り出せることがわかる。
前述のように、CVD法によって炭素系微細繊維状物質を形成した後、加熱することによって、電子放出の均一性及び電流量が大幅に改善されることがわかった。
以上のように、本実施の形態におけるディスプレイ100によれば、形成後に少なくとも1回の加熱工程を経た炭素系微細繊維状物質113を備える構成としたので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。したがって、本実施の形態におけるディスプレイ100は、発光面全域にわたって均一な表示特性を有し、従来のものよりも大画面化及び高画質化を図ることができる。
また、本実施の形態における炭素系微細繊維状物質の製造方法によれば、化学的気相成長により炭素系微細繊維状物質113を形成する微細繊維形成工程と、炭素系微細繊維状物質113が形成される基板111の温度を350℃以下に降下させる基板温度降下工程と、基板111の温度を400℃以上に加熱する微細繊維加熱工程とを含む構成としたので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
なお、前述の実施の形態において、微細繊維加熱工程(図2(f)、図3(f))を実施する前に、真空チャンバ内で陽極電極及び電源を別途用意し、陰極母線112と陽極電極との間に陽極電極が正となるよう電圧を印加して炭素系微細繊維状物質113から電子放出を生じさせる電子放出工程を実施することによって、電子放出特性の均一性をさらに向上させることができる。
また、前述の実施の形態において、ディスプレイ100の製造方法において、排気孔を通して内部の気体を排気して真空にする例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば真空中でディスプレイ100を製造することにより、内部の気体を排気して真空にする工程を省略することもできる。
(第2の実施の形態)
まず、本発明に係るディスプレイの第2の実施の形態について図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態におけるディスプレイ200の構成図であり、図7(a)はディスプレイ200が有する背面板210の平面図、図7(b)は背面板210のA−A'断面図、図7(c)はディスプレイ200の断面図である。
図7に示すように、本実施の形態におけるディスプレイ200は、電子が放出される側に設けられた背面板210と、画像が表示される側に設けられた前面板220と、背面板210と前面板220とに挟まれたスペーサ230とを備えている。
背面板210は、基板211と、基板211上に形成されたストライプ状の陰極母線212と、陰極母線212上に形成され電子を放出する炭素系微細繊維状物質213と、陰極母線212上に形成された絶縁層214と、絶縁層214上に形成されたストライプ状のゲート電極215とを備え、ゲート電極215には、炭素系微細繊維状物質213から放出された電子を通過させるゲート孔215aが形成されている。
前面板220は、基板221と、基板221上に形成され電子を捕捉する陽極電極222と、陽極電極222上に形成された蛍光体層223とを備えている。なお、図7は、列数3で行数3の9個の画素が構成されたディスプレイ200を模式的に示したものであるが、本発明に係るディスプレイ200の画素数はこれに限定されるものではなく、任意に設定できるものである。
基板211は、例えばガラス、セラミクス等の絶縁性を有する材料や、表面を酸化させたシリコン基板のように表面を絶縁膜で覆った導電性を有する材料等で構成されている。
陰極母線212は、例えばクロム、アルミニウム、シリコン、ニオブ、金等の導電性を有する材料で構成され、炭素系微細繊維状物質213と電気的に接続されている。
炭素系微細繊維状物質213は、CNTやGNF等で構成され、陰極母線212とゲート電極215との間に印加されるゲート電圧によって電子を放出するようになっている。
絶縁層214は、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム等により構成されている。
ゲート電極215は、例えばクロム、アルミニウム、シリコン、ニオブ、金等の導電性を有する材料で構成されている。
基板211は、例えばガラスのような透明性を有する基板で構成されている。陽極電極222は、例えばITOのような透明電極によって構成されている。蛍光体層223は、陽極電極222上に蛍光体が塗布されて形成されている。
本実施の形態におけるディスプレイ200は、前述のように構成されており、陰極母線212とゲート電極215との間にゲート電圧が印加されると、炭素系微細繊維状物質213から電子が放出され、放出された電子は、ゲート電極215と陽極電極222との間に印加される陽極電圧によって加速されて陽極電極222の方向に進み、蛍光体層223を通過して蛍光体層223を発光させた後、陽極電極222に達する動作を行うことにより所定の画像を表示する。
次に、本実施の形態におけるディスプレイ200の製造方法について説明する。まず、熱CVD法及びプラズマCVD法による背面板210の製造方法について説明する。
最初に、熱CVD法による背面板210の製造方法について図8を用いて説明する。図8は、熱CVD法による背面板210の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図である。
まず、例えばガラス、セラミクス等の材料を加工し、基板211を形成する(図8(a))。
次いで、基板211上に陰極母線212を形成する(図8(b))。陰極母線212の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、印刷法等を用いる。
さらに、陰極母線212上に絶縁層214を形成する(図8(c))。絶縁層214の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、印刷法等を用い、絶縁層214の膜厚は、概ね1μm〜20μm程度が好ましい。
続いて、絶縁層214上にゲート電極215を形成する(図8(d))。ゲート電極215の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、印刷法等を用いる。
次いで、ゲート孔215aを形成するため、ゲート電極215上にマスク層216を形成する(図8(e))。マスク層216は、ゲート孔215aの形成範囲のみを取り除くようゲート電極215上にパターニングされる。また、後述の工程においてマスク層216を剥離する際に使用する剥離液が、後述する触媒金属217が陰極母線212から剥離しないような選択性を有するレジストや金属膜等をマスク層216として用いる。例えば従来の半導体製造工程で用いられているようなフォトレジストをマスク層216として用いる。
続いて、絶縁層214及びゲート電極215をエッチングし、ゲート孔215aを形成し、陰極母線212を露出させる(図8(f))。ゲート孔215aの形成には、ウェットエッチング法やドライエッチング法等を用いる。
次いで、マスク層216上と、露出した陰極母線212上とに触媒金属217を形成する(図8(g))。触媒金属217の形成には、例えばスパッタリング法や蒸着法、CVD法等を用いる。
引き続き、リフトオフ法により、ゲート電極215上に形成された触媒金属217と共にマスク層216をゲート電極215から剥離すると、陰極母線212上に形成された触媒金属217が残る(図8(h))。
そして、熱CVD法により、CNTやGNF等の炭素系微細繊維状物質213を形成する(図8(i):微細繊維形成工程)。炭素系微細繊維状物質213の形成には、例えば一酸化炭素や炭化水素等の炭化ガス、又はそれらのガスを含む混合ガスを使用する。基板211の加熱温度は、炭素系微細繊維状物質213の成長する温度とするが、基板211として例えばガラスを用いた場合は、一般には400℃以上で、ガラス軟化点(通常600℃)以下でCVDを行う。
引き続き、基板211の温度を350℃以下まで一旦下げる(図8(j):基板温度降下工程)。なお、基板211の温度を室温まで戻してもよい。
次いで、陽極電極218及び電源を用意し、陰極母線212とゲート電極215との間にゲート電極215が正となるよう電圧を印加して炭素系微細繊維状物質213に電界を印加し、さらに陰極母線212に対して正の電圧を陽極電極218に印加することにより、炭素系微細繊維状物質213から電子放出を生じさせると共に、放出した電子を陽極電極218に導く(図8(k):電子放出工程)。
そして、陽極電極218及び電源を取り外し、基板211を導入したチャンバ内を、酸素ガスの分圧が10Pa以下となるように真空引きを行う。この工程で基板211を大気に触れさせた場合は、基板211を導入したチャンバ内の真空度を10Pa以下とするのが好ましく、より好ましくは1Paとする。一方、基板211を大気に触れさせない場合は、酸素ガスが大気中の酸素量の比率と同程度となるよう酸素ガス分圧を低下させる真空引きを行う。その後、チャンバ内に酸素以外のガスを導入して基板211の温度を400℃以上に上昇させる。導入するガスには、水素ガス、窒素ガスや、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス等の炭化ガス、又は酸素を含まない混合ガスを使用し、100Pa以上導入する。基板211として例えばガラスを用いた場合の加熱温度は、一般にはガラス軟化点(通常600℃程度)以下とする(図8(l):微細繊維加熱工程)。
次に、プラズマCVD法による背面板210の製造方法について図9を用いて説明する。図9は、プラズマCVD法による背面板210の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図であり、便宜上図8と同じ符号を用いている。なお、図9(a)〜(h)に示す製造工程は、図8(a)〜(h)に示すものと同様であるので説明を省略する。
プラズマCVD法により、CNTやGNF等の炭素系微細繊維状物質213を形成する(図9(i):微細繊維形成工程)。炭素系微細繊維状物質213の形成には、例えば一酸化炭素や炭化水素等の炭化ガス、又はそれらのガスを含む混合ガスを使用する。
そして、プラズマCVDの後、プラズマ放電を停止する(図9(j))。
次いで、陽極電極218及び電源を用意し、陰極母線212とゲート電極215との間にゲート電極215が正となるよう電圧を印加して炭素系微細繊維状物質213に電界を印加し、さらに陰極母線212に対して正の電圧を陽極電極218に印加することにより、炭素系微細繊維状物質213から電子放出を生じさせると共に、放出した電子を陽極電極218に導く(図9(k):電子放出工程)。
そして、陽極電極218及び電源を取り外し、基板211を導入したチャンバ内を、酸素ガスの分圧が10Pa以下となるように真空引きを行う。この工程で基板211を大気に触れさせた場合は、基板211を導入したチャンバ内の真空度を10Pa以下とするのが好ましく、より好ましくは1Paとする。一方、基板211を大気に触れさせない場合は、酸素ガスが大気中の酸素量の比率と同程度となるよう酸素ガス分圧を低下させる真空引きを行う。その後、チャンバ内に酸素以外のガスを導入して基板211の温度を400℃以上に上昇させる。導入するガスには、水素ガス、窒素ガスや、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス等の炭化ガス、又は酸素を含まない混合ガスを使用し、100Pa以上導入する。基板211として例えばガラスを用いた場合の加熱温度は、一般にはガラス軟化点(通常600℃程度)以下とする(図9(l):微細繊維加熱工程)。
次に、本実施の形態におけるディスプレイ200の製造方法について図7を用いて説明する。
まず、スパッタリング法や蒸着法等によって、基板221上に例えばITOを堆積してストライプ状に陽極電極222を形成する。次いで、蛍光体を陽極電極222上に塗布して蛍光体層223を形成することにより、前面板220が得られる。
そして、この前面板220と、図8(a)〜(l)又は図9(a)〜(l)に示された製造工程で製造された背面板210とが一定の間隔で対向配置されるようスペーサ230を固着し、例えばフリット材を用いて封着する。その後、図示しない排気孔を通して内部の気体を排気して真空にすることによりディスプレイ200が得られる。
以上のように、本実施の形態におけるディスプレイ200によれば、形成後に少なくとも1回の加熱工程を経た炭素系微細繊維状物質213を備える構成としたので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。したがって、本実施の形態におけるディスプレイ200は、発光面全域にわたって均一な表示特性を有し、従来のものよりも大画面化及び高画質化を図ることができる。
また、本実施の形態における炭素系微細繊維状物質の製造方法によれば、化学的気相成長により炭素系微細繊維状物質213を形成する微細繊維形成工程と、炭素系微細繊維状物質113が形成される基板211の温度を350℃以下に降下させる基板温度降下工程と、基板211の温度を400℃以上に加熱する微細繊維加熱工程とを含む構成としたので、電子放出特性の均一性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における炭素系微細繊維状物質の製造方法によれば、微細繊維形成工程と微細繊維加熱工程との間において炭素系微細繊維状物質213に電界を印加して電子放出を行う電子放出工程を含む構成としたので、微細繊維加熱工程のみを行う場合よりも、電子放出特性の均一性をさらに向上させることができる。
なお、前述の実施の形態において、背面板210が陰極母線212及びゲート電極215を備える構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばゲート電極215上にさらに絶縁層を設け、この絶縁層上に電子を集束させる集束電極を形成する構成とすれば、陽極電極222が捕捉する電子の集束性をさらに向上させることができる。
また、前述の実施の形態において、図8(h)及び図9(h)に示された工程においてリフトオフ法を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば陰極母線212上に触媒金属217を形成した後、絶縁層214及びゲート電極215を順次形成してゲート孔215aのエッチングを行う工程としても同様の形状を得ることができる。
また、前述の実施の形態において、電子放出工程(図8(k)、図9(k))を実施する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子放出工程を省略しても電子放出特性の均一性を従来のものよりも向上させることができる。
また、前述の実施の形態において、ディスプレイ200の製造方法において、排気孔を通して内部の気体を排気して真空にする例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば真空中でディスプレイ200を製造することにより、内部の気体を排気して真空にする工程を省略することもできる。
以上のように、本発明に係る炭素系微細繊維状物質の製造方法は、電子放出特性の均一性を向上させることができるという効果を有し、炭素系微細繊維状物質を備えた冷陰極素子、ディスプレイ、撮像装置、照明装置等として有用である。
本発明に係るディスプレイの第1の実施の形態における構成図 (a)背面板の平面図 (b)背面板の断面図 (c)ディスプレイの断面図 本発明に係るディスプレイの第1の実施の形態における熱CVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図 本発明に係るディスプレイの第1の実施の形態におけるプラズマCVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図 本発明に係るディスプレイの第1の実施の形態における炭素系微細繊維状物質の製造方法による効果を確認するために行った実験構成を示す図 図4に示された実験構成において、試料a及びbを用いた際の蛍光面での発光の様子を示す図 (a)試料aに対し電圧V=2800[V]を印加した場合の発光の様子を示す図 (b)試料bに対し電圧V=1700[V]を印加した場合の発光の様子を示す図 図4に示された実験構成において、試料a及びbにおける電流−電圧特性を示す図 本発明に係るディスプレイの第2の実施の形態における構成図 (a)背面板の平面図 (b)背面板の断面図 (c)ディスプレイの断面図 本発明に係るディスプレイの第2の実施の形態における熱CVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図 本発明に係るディスプレイの第2の実施の形態におけるプラズマCVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図 従来の熱CVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図 従来のプラズマCVD法による背面板の製造工程の各ステップを示す模式的な概略断面図
符号の説明
100、200 ディスプレイ
110、210 背面板
111、121、211、221 基板
112、212 陰極母線
113、213 炭素系微細繊維状物質
114、217 触媒金属
120、220 前面板
122、218、222 陽極電極
123、223 蛍光体層
130、230 スペーサ
214 絶縁層
215 ゲート電極
215a ゲート孔
216 マスク層

Claims (8)

  1. 化学的気相成長により炭素系微細繊維状物質を形成する微細繊維形成工程と、形成された前記炭素系微細繊維状物質を加熱する微細繊維加熱工程とを含み、前記炭素系微細繊維状物質はグラファイトナノファイバであることを特徴とする炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  2. 前記微細繊維加熱工程において前記炭素系微細繊維状物質が形成される基板の温度を400℃以上にすることを特徴とする請求項1に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  3. 前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として酸素を含むガスの分圧を10Pa以下とする工程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  4. 前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として酸素とは異なる元素を含むガスの分圧を100Pa以上とする工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  5. 前記微細繊維加熱工程は、前記炭素系微細繊維状物質の周囲の雰囲気として水素を含むガスの分圧を100Pa以上とする工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  6. 前記微細繊維形成工程と前記微細繊維加熱工程との間において前記炭素系微細繊維状物質に電界を印加して電子放出を行う電子放出工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  7. 前記微細繊維加熱工程の前に前記基板の温度を350℃以下に降下させる基板温度降下工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
  8. 前記微細繊維形成工程は、前記炭素系微細繊維状物質をプラズマ放電によって形成する工程であり、前記プラズマ放電を停止した後に前記微細繊維加熱工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の炭素系微細繊維状物質の製造方法。
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