JP5014588B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪処理剤に関し、さらに詳しくは保水性等の毛髪改善効果を向上させることができる毛髪処理剤に関する。
従来より、保水性、弾力性等の向上により傷んだ毛髪を改善する処理剤として特許文献1に記載される毛髪処理剤が知られている。かかる毛髪処理剤は傷んだ毛髪を改善する有効成分としてアンモニウム塩、アルギニン及びエタノールアミン等を含有する。
特開2001−81013号公報(第7〜11頁)
ところで、上記特許文献1記載の毛髪処理剤は、アンモニウム塩、アルギニン又はエタノールアミン等の有効成分が毛髪内部に浸透することにより、毛髪改善効果が発揮される。しかしながら、特許文献1記載の毛髪処理剤は、有効成分が毛髪に浸透することによる保水性等の毛髪改善効果が不十分であるという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、保水性等の毛髪改善効果を向上させることができる毛髪処理剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、(A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分、(B)成分:ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分を含有し、パーマネントウェーブ用処理剤、縮毛矯正用剤、くせ毛矯正用剤、染毛剤、染毛前処理剤、及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする。
請求項2に記載の毛髪処理剤は、下記の(A)成分及び(B)成分を含有するパーマネントウェーブ用処理剤、縮毛矯正用剤、くせ毛矯正用剤、染毛前処理剤、及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする毛髪処理剤。(A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。(B)成分:グアイアズレンスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
請求項に記載の毛髪処理剤は、下記の(A)成分及び(B)成分を含有し、染毛剤、染毛前処理剤及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする。(A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。(B)成分:パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明によれば、有効成分が毛髪に浸透することにより、毛髪改質処理における毛髪の矯正効果、及び染毛効果等を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、有効成分が毛髪に浸透することにより、毛髪改質処理における毛髪の矯正効果等を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、有効成分が毛髪に浸透することにより、染毛剤の浸透性の向上により染毛処理における均染性の向上効果も得ることができる。また、毛髪のしなやかさを向上させる効果も得ることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を毛髪処理剤として具体化した第1の実施形態について詳細に説明する。
第1の実施形態の毛髪処理剤は、(A)成分としてピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分、(B)成分としてヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、アミノエチルスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分を含有する。これらの(A)成分及び(B)成分は、保水性等の毛髪改善成分として含有される。
(A)成分であるピロリドンカルボン酸は、ピログルタミン酸とも呼ばれ、等量の水とともに加圧加熱することにより合成され得る。ピロリドンカルボン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩、キトサン塩、リシン・アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩等が挙げられる。毛髪処理剤中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.001〜30質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、最も好ましくは0.05〜5質量%である。この含有量が0.001質量%未満であると、保水性等の毛髪改善効果を得ることができない。一方、30質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪改善効果の向上は認められない。また、溶剤中において飽和状態となり析出する可能性がある。
(B)成分は、上述したようにスルホン酸基を有するヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グアイアズレンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分である。これらの成分の中でもヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分がより好ましい。
これらの(B)成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(B)成分は(A)成分と併用による相乗効果によって優れた保水性等の毛髪改善効果を発揮する。すなわち、ピロリドンカルボン酸又はその塩が毛髪内のタンパク質分子内の水素結合を切断するとともに、その切断された水素結合の間に(B)成分のスルホン酸基が結合することにより保水性等の毛髪改善効果が得られる。
毛髪処理剤中における(B)成分の含有量は、好ましくは0.001〜30質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、最も好ましくは0.05〜5質量%である。この含有量が0.001質量%未満であると、(A)成分との相乗効果による保水性等の毛髪改善が得られない。一方、30質量%を超えると、それ以上の毛髪改善効果の向上は認められない。また、溶剤中において飽和状態となり析出する可能性がある。
毛髪処理剤には、その他の成分として、油性成分、炭化水素、界面活性剤、pH調整剤等を配合することができる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。その他、毛髪処理剤には、上記各成分の溶媒又は分散媒として水が配合され、各成分の濃度が調整される。毛髪処理剤のpHは、1.5〜12であることが好ましい。なお、毛髪処理剤を染毛前処理剤および/または染毛後処理剤として使用する場合には、染毛処理においてアルカリ処理を伴うため染毛前処理剤の場合はpHは高め、染毛後処理剤の場合はpHは低めの方が好ましい。
更に、その他の成分としてはカルボキシビニルポリマー、カチオン化ポリマー等の水溶性ポリマー、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、キレート剤、香料、ポリペプタイド、セラミド類、ビタミン類等を配合することができる。
ポリペプタイドとしては、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等を挙げることができる。
毛髪処理剤は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の剤型にすることが可能である。この毛髪処理剤は、シャンプー、リンス、トリートメント等のヘアケア剤に適用してもよい。この毛髪処理剤は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同処理剤を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。
以上の第1の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第1の実施形態の毛髪処理剤は、(A)成分としてピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分、(B)成分としてヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、アミノエチルスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分を有効成分として含有する。ピロリドンカルボン酸又はその塩が毛髪内のタンパク質分子内の水素結合を切断するとともに、その切断された水素結合の間に(B)成分のスルホン酸基が結合することにより保水性等の毛髪改善効果を向上させることができる。また、毛髪に対する上記(A)成分及び(B)成分の結合状態は安定していると推測され、保水性等の毛髪改善効果の持続性も良好である。
(2)(B)成分としてヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分を使用することにより特に優れた保水性等の毛髪改善効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の毛髪処理剤をパーマネントウェーブ用処理剤、縮毛矯正用剤及びくせ毛矯正用剤等の毛髪改質剤に適用した第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における毛髪改質剤は上述した第1の実施形態の毛髪処理剤と同様の組成を適用することができる。毛髪改質剤は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の剤型にすることが可能である。この毛髪改質剤はくせ毛を矯正して直毛化する場合、縮毛を矯正して直毛化する場合、直毛を矯正してウェーブ状にする場合等に適用することができる。この毛髪改質剤は、くせ毛を有する毛髪等に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同改質剤を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。また、ヘアアイロン等を使用して加温処理を併用してもよい。
以上の第2の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第2の実施形態の毛髪改質剤は、(A)成分としてピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分、(B)成分としてヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、アミノエチルスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分を有効成分として含有する。ピロリドンカルボン酸又はその塩が毛髪内のタンパク質分子内の水素結合を切断するとともに、その切断された水素結合の間に(B)成分のスルホン酸基が結合することにより保水性等の毛髪改善効果と同時に毛髪矯正効果も得ることができる。
(2)(B)成分としてパンテテイン−S−スルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を使用することにより特に優れた毛髪矯正効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の毛髪処理剤を染毛処理剤に具体化した第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態における染毛処理剤は、酸化染料が配合される酸化染毛処理剤と直接染料が配合される直接染毛処理剤が挙げられる。まず、酸化染毛処理剤について説明する。
酸化染毛処理剤は第1剤としての酸化染毛剤第1剤(以下、染毛第1剤という。)と第2剤としての酸化染毛剤第2剤(以下、染毛第2剤という。)とから構成される。染毛第1剤には、アルカリ剤、染料等が含有される。染毛第2剤は酸化剤等が含有される。(A)成分であるピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分と(B)成分であるヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、アミノエチルスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分は染毛第1剤及び染毛第2剤のいずれに配合されてもよい。また、染毛第1剤及び染毛第2剤が混合された混合液に(A)成分及び(B)成分を添加するよう構成してもよい。
まず、染毛第2剤について説明する。
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色すると共に、染毛第1剤に配合される染料としての酸化染料中間体等を酸化して発色させるために配合される。酸化剤は、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムおよび過酸化水素等が挙げられる。その配合量は、染毛第2剤全量を100質量%として、好ましくは0.1〜15.0質量%である。
次に、染毛第1剤について説明する。
染毛第1剤には、アルカリ剤、染料、その他の成分が配合される。アルカリ剤は、酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させることにより毛髪に対する染料の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。
これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。このアルカリ剤の配合量は、染毛第1剤のpHが8〜12の範囲となる量に設定することが好ましい。染毛第1剤のpHが8未満では、染毛第1剤を染毛第2剤と混合したときに過酸化水素の作用を十分に促進することができない場合がある。一方、pHが12を超えると、染毛処理剤を毛髪に施したとき毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
染毛第1剤に含有される染料の具体例としては、酸化染料中間体、直接染料、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。
酸化染料中間体は、染毛第2剤中に含まれる過酸化水素等の酸化剤により酸化されることによって毛髪を染色する。酸化染料中間体の具体例としては、フェニレンジアミン類(但し、m−フェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、m−アミノフェノール及び2,4−ジアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類、それらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
酸化染料中間体の中でも、染毛力が強いことからp−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、oーアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種が好ましい。これらの酸化染料中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
染毛第1剤中における染料の含有量は、好ましくは0.01〜15.0質量%である。この含有量が0.01質量%未満では十分な染毛力は得られない。一方、15.0質量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力は得られにくい。
次に、直接染毛処理剤について説明する。直接染毛処理剤は、直接染料、上述した(A)成分及び(B)成分が配合される。
直接染料は、毛髪を染色するために配合される。この直接染料は、反応性がなく、それ自体で発色可能なものを示す。直接染料の具体例としては、ニトロ染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が挙げられる。
ニトロ染料としては、染毛力に優れることから好ましくは4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orenge No.1、HC Orenge No.2、HC Orenge No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等が挙げられる。
酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられる。
塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。
分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。
その他の直接染料としては、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、及びそれらの塩、HC Blue No.4、HC Blue No.7、HC Blue No.8、HC Blue No.14、HC Brown No.1、HC Brown No.2、HC Green No.1、HC Orenge No.5、HC Red No.8、HC Red No.9、HC Yellow No.7、HC Yellow No.8、並びに「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
直接染料の含有量は、好ましくは0.01〜0.3質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%、最も好ましくは0.1〜0.2質量%である。直接染料の含有量が0.01質量%未満であると、十分な染毛力が得られないおそれがある。一方、0.3質量%を超えて配合すると、直接染料の分散性が低下して、沈殿が生じるおそれがある。
酸は、pH調整剤として染毛力及び染色堅牢性を向上させるために配合されることが好ましい。酸の具体例としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としてはレブリン酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸等が挙げられる。これらの酸の中でも、染色堅牢性を向上させる効果が高いことから、有機酸を含有させることが好ましい。酸の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、最も好ましくは1.0〜5.0質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、染毛力及び染色堅牢性を十分に向上できないおそれがある。一方、20質量%を超えて配合しても、それ以上の染毛力及び染色堅牢性を向上する効果が得られにくい。
直接染毛処理剤のpHは、使用する直接染料の種類により適宜設定される。例えば、直接染料として酸性染料を使用する場合には、pH1.5〜5に調節することが好ましい。
芳香族アルコールは直接染料、(A)成分及び(B)成分等の有効成分の毛髪への浸透性を向上させるために配合されることが好ましい。芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
芳香族アルコールの含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、最も好ましくは1〜5質量%である。芳香族アルコールの含有量が0.1質量%未満であると、有効成分の毛髪への浸透を促進することができないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合してもそれ以上の浸透促進効果は得られにくい。
酸化染毛処理剤及び直接染毛処理剤に配合可能なその他の成分としては、第1の実施形態において例示した界面活性剤、炭化水素、油性成分、pH調整剤、防腐剤等のその他の成分が挙げられる。
これらの酸化染毛処理剤及び直接染毛処理剤の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化液状等の液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、粉末状等特に限定されない。フォーム状等の剤型とする場合は、染毛処理剤に液化石油ガス(LPG)等の噴射剤を含有させてもよい。
以上の第3の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)染毛処理は酸化剤による脱色、アルカリ剤による毛髪の膨潤等を伴うため、特に潤いの低下等の毛髪に対する損傷が生じやすい。第3の実施形態の染色剤は、上記(A)成分及び(B)成分を有効成分として含有する。したがって、保水性等の毛髪改善効果により毛髪に生じたそれらの損傷を抑制することができる。
(2)第3の実施形態の染色剤は、酸化染料及び直接染料等の染料による染毛効果の向上、特に均染性の向上も図ることができる。これは上記(A)成分、(B)成分の毛髪改善成分の毛髪中への浸透性の向上に伴い、酸化染料及び直接染料等の染料の毛髪への浸透性の向上も図られることによるものである。
尚、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1の実施形態において適用される毛髪は特に限定されるものではない。例えば、酸化・還元作用を利用したパーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤及びくせ毛矯正剤等の毛髪改質剤、染毛剤、脱色剤及び脱染剤等によって処理され損傷を受けた毛髪に適用される他、例えば紫外線及び櫛等によって損傷を受けた毛髪に適用しても、その効果を発揮することができる。
・第2の実施形態において上記(A)成分及び(B)成分を含有する毛髪処理剤を毛髪改質剤として使用した。しかしながら、毛髪ケラチンのS−S結合を還元切断する還元剤及び酸化再結合する酸化剤を含有するパーマネントウェーブ剤及び縮毛矯正剤等に上記(A)成分及び(B)成分を配合して適用してもよい。
・第3の実施形態において上記(A)成分及び(B)成分を酸化染毛処理剤及び直接染毛処理剤に配合した。しかしながら、上記(A)成分及び(B)成分を配合する毛髪処理剤を染毛前処理剤および/または染毛後処理剤として使用してもよい。かかる構成においても保水性等の毛髪改善効果を得ることができる。また、上記(A)成分及び(B)成分を配合する毛髪処理剤を染毛前処理剤として使用した場合にも染毛効果の向上、特に均染性の向上も図ることができる。
また、上記(A)成分及び(B)成分を配合する毛髪処理剤を染毛後処理剤として使用した場合には、保水性等の毛髪改善効果により毛髪の損傷を抑制するのみならずさらに毛髪のしなやかさを向上させることもできる。毛髪は染毛処理において酸化剤やアルカリ剤等により損傷を受けやすい。有効成分である(A)成分及び(B)成分が損傷を受けた毛髪によく浸透することによりしなやかさが向上する。
・第3の実施形態において上記(A)成分及び(B)成分を染毛処理剤に配合して使用した
・第3の実施形態において、酸化染毛処理剤を染毛第1剤及び染毛第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。しかしながら、さらに染毛第1剤及び染毛第2剤を構成する各成分を分離して3剤式以上に構成してもよい。例えば、酸化染料を配合する染毛第1剤、アルカリ剤を配合する染毛第2剤及び酸化剤を配合する染毛第3剤からなる染毛処理剤が挙げられる。かかる構成においても、(A)成分と(B)成分はいずれの薬剤に添加してもよく、また、さらに(A)成分と(B)成分を別剤(例えば染毛第4剤)として構成してもよい。また、染毛処理剤を構成する各成分を使用直前にすべて混合して作成する1剤式として構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(参考例1〜6及び比較例1〜6、毛髪処理剤)
表1に示す配合によって各毛髪処理剤を調製した。得られた混合物をヒト黒毛束に塗布した。混合物が塗布された毛束を10分間放置した後、水洗、2.0質量%リン酸溶液でのリンス処理、水洗及び乾燥することによって毛髪処理を完了した。この毛髪処理後の毛束について、その感触を評価した。なお、表1における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<感触(潤い感)>
各例の毛髪処理剤で処理した毛髪について、5名のパネラーが手で触れることにより、潤い感が非常に良い場合を4点、良い場合を3点、やや悪い場合を2点、及び悪い場合を1点とする4段階で採点した。5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上の場合を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下の場合を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下の場合を「やや悪い:△」、及び1.5点以下の場合を「悪い:×」とし、うるおい感の評価結果とした。それらの評価結果を表1に示す。
<保水性の持続性>
各例の毛髪処理剤で処理した毛髪について、25℃湿度50%RHに一昼夜放置後、毛髪中の水分含有率(%)をカールフィッシャー法にて水分の測定を行った。カールフィッシャー法による水分の測定はカールフィッシャー水分計MKA−510N型及び水分気化装置ADP−511型(京都電子工業株式会社製)を使用した。それらの結果を表1に示す。
表1の結果から、参考例1〜6においては、潤い感が優れていることが確認された。特に、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸又はパラフェノールスルホン酸を配合した毛髪処理剤について潤い感が優れていることが確認された。これに対して、スルホン酸基を有する化合物でもパラトルエンスルホン酸及び1−ナフタレンスルホン酸を配合する比較例1及び比較例2では、潤い感がやや悪いという評価であった。また、アルギニンとピロリドンカルボン酸とを組み合わせて使用した比較例3においては潤い感の点で良好な結果は得られなかった。また、有効成分としてピロリドンカルボン酸及びアミノエチルスルホン酸をそれぞれ単独で使用した比較例4,5においては、良好な結果は得られなかった。また、表1の結果から参考例1〜6においては、保水性の持続性が優れていることが確認された。特に、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、アミノエチルスルホン酸又はパラフェノールスルホン酸を配合した毛髪処理剤について保水性の持続性が優れていることが確認された。
(参考例10,12、実施例7〜11及び比較例7〜12、2剤式の毛髪改質剤)
表1に示される参考例1〜6及び比較例1〜6の各毛髪処理剤をそれぞれ実施例7〜9、参考例10、実施例11、参考例12及び比較例7〜12の各毛髪改質剤として使用した。各混合物を同一人同一部位のヒト黒くせ毛束に塗布した。10分間放置した後、水洗、2.0質量%リン酸溶液でのリンス処理及び水洗した後、毛髪の水分をタオルで軽く除去することによって毛髪改質処理を完了した。この毛髪改質処理後の毛束について、毛髪矯正効果を評価した。
<矯正効果>
毛髪改質処理直後の毛髪の長さを測定する。その後25℃湿度50%環境に30分間放置後、再度毛髪の長さを正確に測定する。毛髪改質処理直後の毛髪の長さ(mm)−30分間放置後の毛髪の長さ(mm)=くせ毛による毛髪変化(P)とした。また、くせ毛であるほど、乾燥するにしたがってウェーブ毛に戻るために"くせ毛による毛髪変化"が大きくなるデータが得られ、くせ毛による毛髪変化(P)が小さいほどくせ毛の矯正効果が高く、くせ毛による毛髪変化(P)が大きいほどくせ毛の矯正効果が低いものであると定義した。算出した(P)の値が0.0≦P<0.1を「矯正効果が高い:◎」、0.1≦P<0.25を「矯正効果がやや高い:○」、0.25≦P<0.45を「矯正効果が低い:△」、0.45≦Pを「矯正効果がない:×」とし、矯正効果の評価結果とした。それらの評価結果を表2に示す。
表2の結果から、各実施例においては、矯正効果が優れていることが確認された。特に、パンテテイン−S−スルホン酸又はパラフェノールスルホン酸を配合した毛髪処理剤について矯正効果が優れていることが確認された。これに対して、スルホン酸基を有する化合物でもパラトルエンスルホン酸及び1−ナフタレンスルホン酸を配合する比較例7及び比較例8では、矯正効果が低いという評価であった。また、アルギニンをピロリドンカルボン酸と組み合わせて使用した比較例9においては矯正効果は得られなかった。また、有効成分としてピロリドンカルボン酸及びアミノエチルスルホン酸をそれぞれ単独で使用した比較例10,11においては、矯正効果は低いものであった。
(参考例16,17、実施例13〜15,18及び比較例13〜18、2剤式の酸化染毛剤)
表3,4に示す配合によって各酸化染毛剤を調製した。表3に示す各染毛第1剤及び表4に示す染毛第2剤を1:1の質量比で混合し、得られた混合物を染色堅牢度試験用白布(JISL0803準拠)に塗布し、30分間放置した後、水洗、リンス処理及び乾燥することによって染毛処理を完了した。この染毛処理後の白布について、その均染性を評価した。なお、表3,4における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<均染性>
各例の酸化染毛剤で処理した白布について、均染性が向上する場合を◎、やや均染性が向上する場合を○、ややむらに染まる場合を△、及びむらに染まる場合を1×とする4段階で均染性の評価結果とした。それらの評価結果を表3に示す。
表3の結果から、実施例においては、均染性が優れていることが確認された。これに対して、スルホン酸基を有するパラトルエンスルホン酸及び1−ナフタレンスルホン酸を配合する比較例13及び比較例14では、均染性が良くないという評価であった。また、アルギニンをピロリドンカルボン酸と組み合わせて使用した比較例15においては均染性の向上は見られなかった。また、有効成分としてピロリドンカルボン酸及びアミノエチルスルホン酸をそれぞれ単独で使用した比較例16,17においては、均染性は低いものであった。
参考例19及び比較例19、染毛前処理剤)
参考例4に示されるピロリドンカルボン酸とアミノエチルスルホン酸が混合される毛髪処理剤を染毛前処理剤として使用した。その染毛前処理剤を毛束に塗布し10分間放置した後、水洗、リンス処理及び乾燥することによって染毛前処理を完了した。その後比較例18に示される染毛第1剤及び表4に示される染毛第2剤を1:1の質量比で混合し、毛髪に塗布することにより染色したものを参考例19とした。染毛前処理剤での処理を行わずに染毛処理したものを比較例19とした。染色後の毛髪について、酸化染毛剤の毛髪中における浸透性を評価した。浸透性の評価は光学顕微鏡を用い目視にて行った。染毛前処理剤を使用した場合(参考例19)における毛髪の断面写真と染毛前処理剤を使用しない場合(比較例19)における毛髪の断面写真を図1(a)(b)にそれぞれ示す。図1において毛髪の断面中における黒い点は発色した染料を示す。参考例19においては酸化染料の浸透が毛髪の中心まで確認できた。一方、比較例19においては酸化染料の浸透が毛髪の中心まで確認することができなかった。
染毛処理を施した毛髪の断面写真。(a)染毛前処理剤を使用した場合における毛髪の断面写真。(b)染毛前処理剤を使用しない場合における毛髪の断面写真。

Claims (3)

  1. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有するパーマネントウェーブ用処理剤、縮毛矯正用剤、くせ毛矯正用剤、染毛剤、染毛前処理剤、及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする毛髪処理剤。
    (A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
    (B)成分:ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、パンテテイン−S−スルホン酸、及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
  2. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有するパーマネントウェーブ用処理剤、縮毛矯正用剤、くせ毛矯正用剤、染毛前処理剤、及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする毛髪処理剤。
    (A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
    (B)成分:グアイアズレンスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
  3. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有し、染毛剤、染毛前処理剤及び染毛後処理剤から選ばれる少なくとも一種として使用されることを特徴とする毛髪処理剤。
    (A)成分:ピロリドンカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
    (B)成分:パラフェノールスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の成分。
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