本発明の目的は、画像形成装置本体内への像形成構造体の着脱を容易にすることができる画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る本発明は、開閉部材が設けられた画像形成装置本体と、現像剤像を保持する像保持体を少なくとも有し、前記開閉部材を開くことにより前記画像形成装置本体に着脱自在な複数の像形成構造体と、前記像形成構造体を前記画像形成装置本体に着脱しようとした際に、前記複数の像形成構造体を、前記複数の像形成構造体の1つと隣接する前記複数の像形成構造体の他の1つと干渉する第1の位置から、前記複数の像形成構造体の姿勢を相対的に変更させることにより、前記複数の像形成構造体の1つと隣接する前記複数の像形成構造体の他の1つと干渉しない第2の位置へと移動させる移動機構と、を有する画像形成装置である。
請求項2に係る本発明は、前記移動機構は、前記開閉部材が開かれることに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に係る本発明は、前記移動機構は、前記開閉部材が閉じられることに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる請求項1又は2記載の画像形成装置である。
請求項4に係る本発明は、前記像保持体に形成された現像剤像が一次転写される中間転写体と、この中間転写体に転写された現像剤像を記録媒体に転写する二次転写する転写部材と、前記画像形成装置本体内に装着された装着位置と前記画像形成装置本体を開放する開放位置との間を移動するように、前記中間転写体を案内する案内機構と、をさらに有し、前記移動機構は、前記中間転写体が前記装着位置から前記開放位置へ移動することに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
請求項5に係る本発明は、前記移動機構は、前記中間転写体が前記開放位置から前記装着位置へ移動することに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる請求項4記載の画像形成装置である。
請求項6に係る本発明は、記録媒体を搬送する搬送部材と、この搬送部材が搬送する記録媒体に、前記像保持体が保持する現像剤像を転写する転写部材と、前記画像形成装置本体内に装着された装着位置と前記画像形成装置本体を開放する開放位置との間を移動するように、前記搬送部材を案内する案内機構と、をさらに有し、前記移動機構は、前記搬送部材が前記装着位置から前記開放位置へ移動することに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
請求項7に係る本発明は、前記移動機構は、前記搬送部材が前記開放位置から前記装着位置へ移動することに応じて、前記複数の像形成構造体を前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる請求項6記載の画像形成装置である。
請求項8に係る本発明は、前記画像形成装置本体側に設けられた駆動源と、前記駆動源と前記像保持体とを連結する連結機構と、前記移動機構が前記像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる前に、前記連結機構による前記駆動源と前記像保持体との連結を解除する解除機構と、をさらに有する請求項1記載の画像形成装置である。
請求項9に係る本発明は、前記解除機構は、前記開閉部材が開かれることに応じて、前記駆動源と前記回転部材との連結を解除する請求項8記載の画像形成装置である。
請求項10に係る本発明は、前記連結機構は、前記開閉部材が閉じられることに応じて、前記駆動源と前記回転部材とを連結する請求項8又は9記載の画像形成装置である。
請求項11に係る本発明は、前記像保持体に形成された現像剤像が一次転写される中間転写体と、この中間転写体に転写された現像剤像を記録媒体に転写する二次転写する転写部材と、前記画像形成装置本体内に装着された装着位置と前記画像形成装置本体を開放する開放位置との間を移動するように、前記中間転写体を案内する案内機構と、をさらに有し、前記解除機構は、前記中間転写体が前記装着位置から前記開放位置へ移動することに応じて、前記駆動源と前記像保持体との連結と解除する請求項8乃至10いずれか記載の画像形成装置である。
請求項12に係る本発明は、前記連結機構は、前記中間転写体が前記開放位置から前記装着位置へ移動することに応じて、前記駆動源と前記回転部材とを連結する請求項11記載の画像形成装置である。
請求項13に係る本発明は、記録媒体を搬送する搬送部材と、この搬送部材が搬送する記録媒体に、前記像保持体が保持する現像剤像を転写する転写部材と、前記画像形成装置本体内に装着された装着位置と前記画像形成装置本体を開放する開放位置との間を移動するように、前記搬送部材を案内する案内機構と、をさらに有し、前記解除機構は、前記搬送部材が前記装着位置から前記開放位置へ移動することに応じて、前記駆動源と前記像保持体との連結と解除する請求項8乃至10いずれか記載の画像形成装置である。
請求項14に係る本発明は、前記連結機構は、前記搬送部材が前記開放位置から前記装着位置へ移動することに応じて、前記駆動源と前記像保持体とを連結する請求項13記載の画像形成装置である。
請求項15に係る本発明は、前記像形成構造体は、前記像形保持体と回転中心が略同じ位置に配置され、回転するように移動する請求項1乃至14いずれか記載の画像形成装置である。
請求項1に係る本発明によれば、画像形成装置本体内への像形成構造体の着脱操作を容易にすることができる画像形成装置を提供することができる。
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、開閉部材が開かれることに応じて、複数の像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる移動機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明の効果に加えて、開閉部材が閉じられることに応じて、複数の像形成構造体を前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる移動機構を有しない装置と画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内に像形成構造体を装着することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明の効果に加えて、中間転写体が装着位置から開放位置へ移動することに応じて、複数の像形成構造体を第1の位置から第2の位置へ移動させる移動機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項5に係る本発明によれば、請求項4記載に係る本発明の効果に加えて、中間転写体が開放位置から装着位置へ移動することに応じて、複数の像形成構造体を第2の位置から第1の位置へ移動させる移動機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内に像形成構造体を装着することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項6に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明の効果に加えて、搬送部材が装着位置から開放位置へ移動することに応じて、複数の像形成構造体を第1の位置から第2の位置へ移動させる移動機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項7に係る本発明によれば、請求項6に係る本発明の効果に加えて、搬送部材が開放位置から装着位置へ移動することに応じて、複数の像形成構造体を第2の位置から第1の位置へ移動させる移動機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内に像形成構造体を装着することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項8に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、移動機構が像形成構造体を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させる前に、連結機構による前記駆動源と前記像保持体との連結を解除する解除機構を有していない画像形成装置と比較して、画像形成装置本体からの像形成構造体の取り出しを容易にすることができる画像形成装置を提供することができる。
請求項9に係る本発明によれば、請求項8に係る本発明の効果に加えて、開閉部材が開かれることに応じて、駆動源と回転部材との連結を解除する解除機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で、画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項10に係る本発明によれば、請求項8又は9に係る本発明の効果に加えて、開閉部材が閉じられることに応じて、駆動源と回転部材とを連結する転結機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体内に像形成構造体を装着することができるが像形成装置を提供することができる。
請求項11に係る本発明によれば、請求項8乃至10いずれかに係る本発明の効果に加えて、中間転写体が装着位置から開放位置へ移動することに応じて駆動源と像保持体との連結と解除する解除機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で、画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項12に係る本発明によれば、請求項11に係る本発明の効果に加えて、中間転写体が開放位置から装着位置へ移動することに応じて、駆動源と回転部材とを連結する連結機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体に像形成構造体を装着することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項13に係る本発明によれば、請求項8乃至10いずれかに係る本発明の効果に加えて、搬送部材が装着位置から開放位置へ移動することに応じて駆動源と像保持体との連結と解除する解除機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で、画像形成装置本体内から像形成構造体を取り出すことができる画像形成装置を提供することができる。
請求項14に係る本発明によれば、請求項13に係る本発明の効果に加えて、搬送部材が開放位置から装着位置へ移動することに応じて、駆動源と回転部材とを連結する連結機構を有しない画像形成装置と比較して、少ない操作工程で画像形成装置本体に像形成構造体を装着することができる画像形成装置を提供することができる。
請求項15に係る本発明によれば、請求項1乃至14いずれかに係る本発明の効果に加えて、像形成構造体の回転中心が、像形保持体と回転中心が略同じ位置に配置されていない画像形成装置と比較して、像保持体の位置精度を維持しやすい画像形成装置を提供することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は画像形成装置本体12を有し、図1中における左側が、画像形成装置10の前側であり、操作者が位置し、操作者による画像形成装置10の操作がなされる操作側となっている。画像形成装置10は、操作側から操作がなされ、保守作業がなされることを想定して設計されているものの、操作側以外の位置に操作者が位置して操作し、保守作業を行うこともできる。
画像形成装置本体12には、上部から前部に渡り開放部13が形成されていて、開放部13を開閉するように開閉部材として用いられる上部開閉カバー14と、開閉部材として用いられる前部開閉カバー15とが装着されている。上部開閉カバー14は、図中矢印aで示す方向に開閉することができ、上部開閉カバー14の上部は、記録媒体として用いられ、画像形成がなされた用紙が排出される排出部16として用いられている。前部開閉カバー15は図中矢印bで示す方向に開閉することができるようになっている。また、前部開閉カバー15は、上部開閉カバー14を開いた状態で開くことができるようになり、上部開閉カバー14が閉じられた状態では、開くことができないようになっている。
画像形成装置本体12内には、転写ユニット18と、像保持体として用いられる感光体20をそれぞれが備えた4個の像形成構造体22と、4個の感光体20に潜像を形成する潜像形成手段をとして用いられる光書き込み装置24と、定着装置26と、給紙装置28が装着されている。
転写ユニット18は、中間転写体として用いられる中間転写ベルト30を有する。中間転写ベルト30は、像形成構造体22でそれぞれ形成された現像剤像が一次転写されるとともに、転写された現像剤像を搬送する。また、中間転写ベルト30は、例えば5個の支持ロール32によって回転することができるように張架されている。5個の支持ロールのうちの少なくとも1個が駆動ロールとして用いられ、駆動ロールとして用いられる支持ロール32が中間転写ベルト30に駆動を伝達して、中間転写ベルト30を図1中に矢印cで示す方向に回転駆動される。支持ロール32のうち、駆動ロールとして用いられないものは従動ロールとして用いられ、中間転写ベルト30に従動して回転する。
また、転写ユニット18は、4個の転写ロール34を有し、転写ロール34に転写バイアスが印加されることで、感光体20に形成された現像剤像が、それぞれ中間転写ベルト30に一次転写される。転写ユニット18の詳細については後述する。
像形成構造体22は、それぞれが、開放部13を介して画像形成装置本体12内から取り出すことが可能であり、先述のように感光体20を有し、それぞれが有する感光体20に現像剤像を形成する。像形成構造体22は、例えば図1中における左側から順にイエロー現像剤像形成用、マゼンタ現像剤像形成用、シアン現像剤像形成用、黒現像剤像形成用となっている。像形成構造体22の詳細については後述する。
また、4個の像形成構造体22のうち、後述する搬送路46に最も近い位置に配置された像形成構造体22と中間転写ベルト30の搬送路46側の端部との間の長さをL1、4個の像形成構造体22のうち、搬送路46から最も遠い位置に配置された像形成構造体22と中間転写ベルト30の搬送路46と逆側の端部との間の長さをL2とすると、L1はL2よりも長くなっている(L1>L2)。
光書き込み装置24は、走査型のレーザー露光装置が用いられ、感光体20にレーザーを照射することで感光体20にそれぞれ潜像を形成する。光書き込み装置24として、レーザー露光装置を用いることに替えて、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード )を用いても良い。
定着装置26は、画像形成のために用いられるとともに、用紙の搬送に用いられ、画像形成装置本体12に固定されている。定着装置26は、画像形成や用紙の搬送に用いられる他の部材と比較して重量が大きくなることが多く、例えば、上部開閉カバー14等の開閉部材の移動にともなって移動するようにすると、開閉部材や開閉部材を支持する支持部に大きな荷重が加わって、装置が破損しやすくなったり、開閉部材を開閉する操作に力を要したりすることがある。また、定着装置26は後述するように熱源を有するため、移動させない方がより安全である。そこで、この第1の実施形態では、定着装置26を画像形成装置本体12に固定している。
定着装置26は、加熱ロール36と、加熱ロール36に圧接される加圧ロール38とを有し、用紙に保持される未定着の現像剤を加熱ロール36及び加圧ロール38で加熱し、加圧することで用紙に定着させつつ、用紙を搬送方向上流側から下流側へと搬送する。
給紙装置28は、用紙が積層して収納される収納容器40を有する。収納容器40は、画像形成装置本体12内から、図1中矢印dで示すように前側(図1における左側)に引き出すことができるようになっている。収納容器40が前側に引き出すようになっているため、操作者による用紙の補給は、前側に引き出された収納容器40に画像形成装置本体12の前側からなされる。収納容器40を、画像形成装置本体12の前側に引き出すことができるようにすることとあわせて、画像形成装置本体12の前側に引き抜くことができるようにしても良い。
また、給紙装置28は、ピックアップロール42及び捌きロール44を有し、捌きロール44で捌くことにより用紙の重送を防止しつつ、ピックアップロール42で収納容器40に収納された最上位の用紙をピックアップし、ピックアップした用紙を搬送方向下流へ向けて供給する。
給紙装置28を起点として、画像形成装置本体12内には搬送路46が設けられている。搬送路46は、中間転写ベルト30が搬送する現像剤像が転写される用紙を搬送するために用いられ、例えば用紙をガイドする2枚のガイド板(不図示)を有し、2枚のガイド板の間を用紙が通過し、用紙が搬送されるようになっている。
搬送路46に沿って、画像形成装置本体12内には、用紙の搬送方向上流である重力方向下方から順に、先述のピックアップロール42及び捌きロール44、レジストロール48、50、二次転写ロール52、定着装置26、そして排出ロール54が設けられている。レジストロール48、50は、互いに接触し、接触部でシートを搬送する。レジストロール48、50は、搬送される用紙の先端部を一旦、停止させ、停止させた用紙の先端部を所定のタイミングで二次転写ロール52と中間転写ベルト30との接触部に供給する。二次転写ロール52は転写部材として用いられ、二次転写バイアスが印加され、中間転写ベルト30に保持された現像剤像を用紙へと二次転写する。排出ロール54は、定着装置26によって現像剤像の定着がなされた用紙を排出部16へと排出する。
図2及び3には、像形成構造体22の詳細が示されている。4個の像形成構造体22は、用いる現像剤の色及び形成される現像剤像の色が異なるものの、構造は同じである。像形成構造体22は、像形成構造体本体60を有し、像形成構造体本体60内に、先述の感光体20とあわせて、帯電装置62、現像装置64、及び清掃装置66が設けられている。帯電装置62は、例えば帯電ロールを有し、感光体20の表面を均一に帯電させる。現像装置64は、現像剤保持体として用いられる現像ロール65を有し、現像ロール65を用いて感光体20に現像剤を供給することで、光書き込み装置24(図1参照)によって、感光体20に形成された潜像を現像して、感光体20の表面に現像剤像を形成する。清掃装置66は、例えばブレードからなる清掃部材68を有し、先述の転写ロール34によって感光体20から中間転写ベルト30への現像剤像の一次転写がなされた後に、感光体20の表面に残留する現像剤を、清掃部材68を用いて除去し、感光体20を清掃する。
図3に示されるように、像形成構造体本体60の外側の面には、被連結手段として用いられ、例えば、凹部からなる被連結部63が設けられている。また、像形成構造体本体60の図2及び3における裏側の位置にも、被連結部(不図示)が形成されている。被連結部63は、画像形成装置本体12内に設けられた移動機構74に設けられ、連結手段として用いられる連結部75に連結することができるようになっている。被連結部63が連結部75に連結するようにして、像形成構造体22は、画像形成装置本体12内に装着される。一方、像形成構造体22を画像形成装置本体12から取り出す際には、被連結部63と連結部75との連結が解除される。
移動機構74は、像形成構造体22を図2に示す位置から、図中に示す矢印方向に回転させるために用いられ、また、矢印方向に回転した像形成構造体22を矢印と反対方向に回転させて、図2に示す位置に回転させ移動するために用いられる。移動機構74の詳細は、後述する。
また、像形成構造体22には、連結機構76を介して、画像形成装置本体12側に設けられ、例えばモータからなる駆動源77が連結されている。駆動源77は、連結機構76を介して、像形成構造体22が有する感光体20に連結されていて、画像形成を行う際に、感光体20に駆動を伝達し感光体20を回転させる。駆動源77によって現像ロール65も駆動させるように構成してもよい。連結機構76には、解除機構78が設けられている。解除機構78は、感光体20と駆動源77との連結機構76による連結を解除するために用いられる。連結機構76及び解除機構78の詳細は後述する。
以上のように構成された画像形成装置10では、帯電装置62によって均一に帯電された感光体20の表面に光書き込み装置24によってそれぞれ潜像が書き込まれ、感光体20に書き込まれた潜像が現像装置64によって現像され、現像により感光体20の表面に形成された現像剤像が、転写ロール34によって中間転写ベルト30へと一次転写される。そして、4個の感光体20から現像剤像の転写がなされることで、中間転写ベルト30の表面には、イエロー現像剤像、マゼンタ現像剤像、シアン現像剤像、及び黒現像剤像が重ね合わされた多色の現像剤像が形成され、この多色の現像剤像が、給紙装置28から供給され、レジストロール50によって所定のタイミングで二次転写ロール52と中間転写ベルト30との接触部に供給された用紙へと二次転写される。用紙に転写された現像剤像は、定着装置26によって用紙に定着され、現像剤像が定着された用紙は、排出ロール54によって排出部16へと排出される。
図4及び5には、転写ユニット18の詳細と、案内機構79とが示されている。案内機構79は、先述の上部開閉カバー14の開閉に応じて、像形成構造体22と中間転写ベルト30との間、及び中間転写ベルト30と二次転写ロール52との間を開閉させるように、中間転写ベルト30を回転するように案内する機構である。案内機構79によって、中間転写ベルト30は、像形成構造体22及び二次転写ロール52と中間転写ベルト30との間を閉塞する閉塞位置と、像形成構造体22及び二次転写ロール52と中間転写ベルト30との間を開放する開放位置との間を移動するように案内される。図4には中間転写ベルト30が閉塞位置に配置された状態が、図5には中間転写ベルト30が開放位置に配置された状態が示されている。
転写ユニット18は、上部開閉カバー14と連結されていて、画像形成装置本体12に対して、上部開閉カバー14と一体として移動するようになっている。転写ユニット18は、互いに向かい合うように配置された一対の転写側板80を有し、2個の転写側板の間に形成される空間に、先述の5個の支持ロール32が回転することができるように支持されていて、これらの支持ロール32に中間転写ベルト30が回転することができるように支持されている。図4においては、2枚の転写側板80のうち4中において手前側に位置するもののみが示されているが、手前側に配置された転写側板80と同形状の転写側板が図4中の奥側にあり、これら2つの転写側板80が連結されている。
案内機構79は、転写側板80の外側の面であって、図4及び5における右端部側、すなわち、画像形成装置10の操作側と逆側であって、二次転写ロール52が設けられた側に、転写側板80の外側の面から突出するように例えば2つが設けられた突起82、84を有している。突起82、84は、それぞれが、転写ユニット18が他の部材に支持されるために用いられる被支持部として用いられ、例えば、略円柱形状を有している。
また、案内機構79は、後述する本体側板を有していて、本体側板には、中間転写ベルト30を回転可能に支持する複数の円弧状の支持部として用いられる案内溝86と案内溝88とが形成されていて、案内溝86に先述の突起82の先端部側が、案内溝88に先述の突起84の先端部側がが挿入されている。案内溝86は突起82の外径よりも若干幅が広い溝であり、案内溝86内を案内溝86に沿って突起82が移動することができるようになっている。また、案内溝88は、突起84の外径よりも若干幅が広い溝であり、案内溝88内を案内溝86に沿って突起84が移動することができるようになっている。
案内溝86と案内溝88とは、共に略円弧形状を有していて、共に中心をOとする同心円上に配置されている。中心Oは、画像形成装置本体12の右側、すなわち、画像形成装置本体12の奥側の側面の側であって、画像形成装置本体12が占有する空間の上方外側に位置されている。
また、案内機構79は、支持部材90を有している。支持部材90は、転写側板80の外側の面であって、突起82、84よりも前側であり、転写ユニット18の長手方向における略中央部に一端側が回転することができるように装着されている。また、支持部材90他端側には、突起92が画像形成装置10の外側に突出する方向に形成されている。突起92は、例えば略円柱形状を有し、先端部側が案内溝94に挿入されている。
案内溝94は、中間転写ベルト30を回転可能に支持する複数の円弧状の支持部として用いられる案内溝86、88と同様に、後述する本体側板に形成されている。案内溝94は突起92の外径よりも若干幅が広い溝であり、案内溝94内を案内溝94に沿って突起92が移動することができるようになっている。また、案内溝94は略円弧形状であって、先述の案内溝86、88と共に中心をOとする同心円上に配置されている。すなわち、案内溝86、案内溝88、及び案内溝94は、共に中心をOとする同心円上に配置されている。
また、案内機構79は、弾性体96を有している。弾性体96は、付勢手段として用いられていて、支持部材90の例えば突起92が形成された部分に装着され、例えばコイルスプリングからなる。弾性体96の他端部は画像形成装置本体12に、画像形成装置本体12の内側に向けて突出するように固定された突起98に装着されている。そして、弾性体96は、支持部材90の突起92が設けられた側の端部を、図4中において左上方に向けて、図5中において略上方に向けて付勢する。
以上のように、転写ユニット18は、案内機構79によって、突起82、突起84、及び支持部材90を介して、案内溝86、案内溝88、及び案内溝94の3点で支持されていて、案内溝86、案内溝88、及び案内溝94は、中心が中心Oで共通する略円弧上に設けられている。よって、図4に示される閉じられた位置にある上部開閉カバー14の前側が持ち上げられると、上部開閉カバー14、転写ユニット18、及び中間転写ベルト30は、突起82、84、92がそれぞれ案内溝86、88、94に案内されるようにして、中心Oを回転中心として時計回り方向に回転し、図5に示されるように、中間転写ベルト30は、像形成構造体22及び二次転写ロール52との間を開く開放位置へと移動する。
転写ユニット18は、移動の際に、支持部材90を介して、弾性体96から時計回り方向に回転する方向の力を受ける。このため、転写ユニット18等を移動させるためには、転写ユニット18等を上方に持ち上げる方向に回転させる必要があるものの、操作者は、重力の負荷が軽減された状態で転写ユニット18等を移動させることができる。また、図5に示される、像形成構造体22及び二次転写ロール52と中間転写ベルト30との間が開かれた位置においても、転写ユニット18は、支持部材90を介して弾性体96から時計回り方向の力を受ける。このため、転写ユニット18は、開放部13を開放する位置で安定した状態で静止する。場合によってはロック機構を設け、開放部13が開放された位置でロックさせてもよい。
図6には、画像形成装置本体12に装着されている本体側板100が示されている。本体側板100の内側の面には、先述の案内溝86、案内溝88、及び案内溝94が形成されている。
以上で説明をした、突起82、突起84、案内溝86、案内溝88、支持部材90、突起92、案内溝94、弾性体96、及び本体側板100は、図4乃至6においては手前側に位置するものだけが示されているが、転写側板80と同様に、それぞれが、図4及び5における手前側と奥側とに各1つ、合計2つが設けられている。
画像形成装置10においては、図5に示されるように、転写ユニット18が開放位置に移動することにより開放される画像形成装置本体12の開放部13を介して、画像形成装置本体12内への像形成構造体22の着脱がなされる。また、開放部13を介して、搬送路46(図1参照)から、例えば搬送不良が生じた用紙の除去がなされる。すなわち、転写ユニット18及び中間転写ベルト30が開放位置に移動することにより、搬送路46の二次転写ロール52が配置された位置の前方に空間が形成され、この空間を介して搬送路46から用紙の除去がなされ、除去された用紙が画像形成装置本体12から取り出される。
図7乃至9には、前部開閉カバー15と移動機構74が示されている。前部開閉カバー15は、画像形成装置本体12に装着される装着位置と、画像形成装置本体12に形成された開放部13を開放する開放位置との間で移動可能であり、図7には前部開閉カバー15が装着位置に配置された状態が、図8及び9には前部開閉カバー15が開放位置に配置された状態が示されている。
移動機構74は、前述のように連結部75(図3参照)を有し、連結部75に像形成構造体22が連結されている。連結部75は、画像形成装置10に装着される像形成構造体22と同数の4個が設けられた連結部材110の一端側に、それぞれが突起として形成されている。連結部材110の他端側は、それぞれ第1のリンク部材112に回転可能に装着されている。第1のリンク部材112は、第2のリンク部材114の一端側に回転可能に連結され、第2のリンク部材114の他端側は、前部開閉カバー15に回転可能に連結されている。
移動機構74は、先述のように像形成構造体22を移動させる機構であり、像形成構造体22を図7に示される第1の位置と、図8及び9に示される第2の位置との間で移動させる。第1の位置においては、像形成構造体22は、図7に矢印で示す像形成構造体22の画像形成装置本体12に対する着脱方向において、図7中にEで示す位置で互いに隣り合うも像形成構造体22との間で重なるように配置されている。このため、第1の位置に配置された状態においては、像形成構造体22を画像形成装置本体12から取り出そうとすると、前側(図7において左側)隣に配置された像形成構造体22と干渉する。また、第1の位置に配置された状態で、像形成構造体22は画像形成に用いられる。
像形成構造体22が第2の位置に配置された状態では、図8に示されるように、像形成構造体22は、図8中に矢印で示される像形成構造体22の着脱方向において、重ならずに配置されている。このため、図9に示されるように、像形成構造体22は、隣り合う像形成構造体22と干渉することなしに画像形成装置本体12に対して着脱される。
移動機構74では、前部開閉カバー15が装着位置にあり、像形成構造体22が第1の位置にある状態から、図7に矢印で示すように前部開閉カバー15を画像形成装置本体12の前側に開き、前部開閉カバー15を開放位置へと移動させると、この移動動作が、第2のリンク部材114、第1のリンク部材112、及び4個の連結部材110を介して、4個の像形成構造体22にそれぞれ伝達される。そして、4個の像形成構造体22は前部開閉カバー15の移動動作に応じて回転移動して、図8に示すように、第2の位置へと移動する。そして、この第2の位置に配置された状態で、像形成構造体22は、図9に矢印で示すように重力方向略上方に持ち上げられることにより画像形成装置本体12から引き出される。
画像形成装置本体12に像形成構造体22を装着する際には、以上で説明をした動作が逆の順序でなされる。すなわち、図8及び9に示される前部開閉カバー15が開放位置に配置された状態で、像形成構造体22が、被連結部63が連結部75に連結されるようにして移動機構74に連結される。そして、前部開閉カバー15を閉じ、前部開閉カバー15を開放位置から装着位置へと移動させると、この移動に応じて、像形成構造体22は、図8及び9に示される第2の位置から図7に示される第2の位置へと移動する。
この第1の実施形態では、前部開閉カバー15の開閉によって、像形成構造体22が第1及び第2の位置の間を移動するようになっているが、上部開閉カバー14の開閉と連動して、像形成構造体22が第1及び第2の位置の間を移動するようにしても良い。
また、この第1の実施形態では、前部開閉カバー15の開閉によって、像形成構造体22が第1及び第2の位置の間を移動するようになっているが、中間転写ベルト30及び転写ユニット18の移動に連動して像形成構造体22が第1及び第2の位置の間を移動するようにしても良い。すなわち、移動機構を、中間転写ベルト30及び転写ユニット18が、図4に示される装着位置から図5に示される開放位置に移動することに応じて、像形成構造体22を図7に示される第1の位置から図8及び9に示される第2の位置へと移動させるとともに、中間転写ベルト30及び転写ユニット18が、図5に示される開放位置から図4に示される装着位置に移動することに応じて、像形成構造体22を図8及び9に示される第2の位置から図7に示される第1の位置へと移動させるように構成すればよい。
図10及び11には、連結機構76及び解除機構78の構成及び動作が示されている。連結機構76は、先述のように駆動源77と像形成構造体22が有する感光体20とを連結し、駆動源77から感光体20に駆動を伝達する機構である。連結機構76は、駆動源77に連結された第1のギア120と、ギア120と噛み合う第2のギア122とを有する。第2のギア122には、第2のギア122の回転中心を通るように軸124が固定されている。軸124の先端部には、感光体20に設けられた被係合部21と係合可能な係合部126が設けられている。また、第2のギア122には、付勢手段として用いられ、例えばコイルスプリングからなる弾性体128の一端側が接触している。弾性体128の他端部は、画像形成装置本体12に接触している。
解除機構78は、先述のように、連結機構76による駆動源77と感光体20との連結を解除する機構であり、一端側が第2のギア122に接触する被押圧部材130と、被押圧部材130を押圧する押圧部材132を有する。押圧部材132には、被押圧部材130に接触するようにカム面134が形成されているとともに、押圧部材132を回転させるために用いられるアーム部136を有している。
連結機構76及び解除機構78は、像形成構造体22の数と同数であり、感光体20の数と同数である4個が設けられている。駆動源77は、感光体20の数と同数である4個を設け、感光体20ごとに専用の駆動源77を用いても良いし、1つの駆動源77からの駆動を4個の感光体20に伝達するようにしても良い。
4個のアーム部136は、カム面134側と逆側が、それぞれリンク部材140に、回転することができるように連結されている。リンク部材140には、後ろ側(図11における右側)に第1の被押圧部142が、前側(図11における左側)に第2の被押圧部144が、それぞれ上方に突出するように形成されている。第1の被押圧部142と第2の被押圧部144とは、転写側板80(図4参照)に突出するように形成された突起からなる押圧部150によって押圧されるようになっている。
押圧部150は、転写側板80に形成されているので、転写側板80が移動することに伴い、すなわち、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が移動することに伴って移動する。図11(a)乃至図11(d)における2点鎖線は、押圧部150の移動の軌跡を示している。中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び転写ユニット18が、画像形成装置本体12装着された装着位置にある場合には(図4参照)、押圧部150は図11(a)に示す位置に配置され、図11(a)に示す位置で第1の被押圧部142を後ろ側(図11中の右側)に向けて押圧する。
中間転写ベルト30及び転写ユニット18を、画像形成装置本体12に装着された装着位置から、画像形成装置本体12に形成された開放部13を開放する開放位置へと移動させると、これに伴って、押圧部150は、図11(a)に示される位置から、図11(b)、図11(c)に示される位置を経て、図11(d)に示される位置へと移動する。そして、押圧部150は、図11(a)に示される位置から図11(d)に示される位置へと移動する間に、第2の被押圧部144を前方(図11中の左側)に押圧し、リンク部材140を前方へと移動させる。
一方、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び転写ユニット18を、開放部13を開放する位置から、画像形成装置本体12に装着された装着位置へと移動させると、押圧部150は図11(d)に示される位置から、図11(c)に示される位置、図11(b)に示される位置を経て、図11(a)に示される位置へと移動する。そして、移動の過程で、押圧部150は第1の被押圧部142を後方(図11における右側)に押圧し、リンク部材140を後方に移動させる。
以上のように構成された連結機構76及び解除機構78において、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が、画像形成装置本体12に装着された状態にある場合、アーム部136は、先述のように図11(a)に示される位置にある。そして、アーム部136が図11(a)に示す位置にある状態における連結機構76及び解除機構78の断面を示した図が図10(b)であり、図10(b)に示されるように中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が、画像形成装置本体12に装着された状態においては、連結機構76によって、駆動源77と感光体20との連結がなされている。すなわち、第2のギア122、軸124、及び被押圧部材130が、弾性体128によって、一体として図10中における左側へと押圧されることによって、第2のギア122、軸124、及び被押圧部材130が一体として図中左側に移動して、軸124に設けられた係合部126と感光体20の被係合部21とが係合し、軸124に設けられた係合部126と感光体20に設けられた被係合部21とが係合することで、駆動源77の回転駆動が、第1のギア120、第2のギア122、及び軸124を介して感光体20に伝達される状態となっている。
中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14を、画像形成装置本体12に装着された状態から、画像形成装置本体12に形成された開放部13を開放する位置へと移動させると、先述のように、第2の被押圧部144が押圧部150に押圧され、リンク部材140が前方へと移動する。そして、リンク部材140が前方へと移動することで、アーム部136は、図11中、反時計回り方向に回転する。そして、アーム部136が図11中において反時計回りに回転すると、図10(b)に示される位置から図10(a)に示される位置へと押圧部材132が回転移動する。そして、押圧部材132が回転移動することで、押圧部材132のカム面134が、弾性体128の付勢に抗して、被押圧部材130、第2のギア122、及び軸124を図10中右側に押圧し、被押圧部材130、第2のギア122、及び軸124を図10中右側に移動させる。そして、軸124が図10中右側に移動することで、軸124の係合部126と感光体20の被係合部21とが離間し、駆動源77と感光体20との連係が解除される。すなわち、解除機構78は、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が装着位置から開放位置に移動することに連係して、駆動源77と感光体20との連結を解除する。
また、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が、開放部13を開放する開放位置にある場合、アーム部136は、先述のように図11(d)に示される位置にある。そして、アーム部136が図11(d)に示す位置にある状態における連結機構76及び解除機構78の断面を示した図が前述の図10(a)であり、図10(a)に示されるように、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が、開放位置にある状態においては、駆動源77と感光体20との連結が解除されている。
中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14を、開放部13を開放する開放位置から、画像形成装置本体12に装着される装着位置へと移動させると、先述のように、第1の被押圧部142が押圧部150に押圧され、リンク部材140が後方(図11における右側)へと移動する。そして、リンク部材140が後方へと移動することで、アーム部材136は、図11中、時計回り方向に回転する。そして、アーム部136が図11中において時計回りに回転すると、図10(a)に示される位置から図10(b)に示される位置へと押圧部材132が回転移動する。そして、押圧部材132が回転移動することで、押圧部材132のカム面134が移動し、カム面134が移動することで、弾性体128に付勢されて、被押圧部材130、第2のギア122、及び軸124が図10中、左側へと移動する。そして、軸124が図10中左側に移動することで、軸124の係合部126と感光体20の被係合部21とが係合し、駆動源77と感光体20とが連係される。すなわち、連結機構76は、中間転写ベルト30、転写ユニット18、及び上部開閉カバー14が開放位置から装着位置へと移動することに連係して、駆動源77と感光体20とを連結させる。
この第1の実施形態では、先述のように、上部開閉カバー14、中間転写ベルト30、及び転写ユニット18が装着位置から開放位置に移動することで、前部開閉カバー15が装着位置から開放位置へと移動することができるようになる。すなわち、上部開閉カバー14及び前部開閉カバー15がとも装着位置にある画像形成がなされる状態から、上部開閉カバー14及び前部開閉カバー15を開放位置へと移動させようとした場合、まず、上部開閉カバー14、中間転写ベルト30、及び転写ユニット18を一体として開放位置に移動させた後に、前部開閉カバー15を開放位置へと移動させることを要する。このため、前部開閉カバー15を開放位置に移動し、これに応じて像形成構造体22が着脱方向において重ならない第2の位置へと移動(図8参照)する前に、上部開閉カバー14等が開放位置に移動することに応じて、解除機構78による駆動源77と感光体20との連結の解除がなされる。
以上で説明をした第1の実施形態においては、像形成構造体22は、被連結部63が設けられた位置を回転中心として回転するよう移動するが、像形成構造体22が回転して移動する際の回転中心と感光体20の回転中心が略一致するように、像形成構造体22が回転するようにしても良い。
図12乃至14には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。
先述の第1の実施形態に係る画像形成装置10では、転写ユニット18は、現像剤像を担持する中間転写ベルト30を有していた。これに対して、この実施形態では、転写ユニット18は、用紙を搬送する搬送ベルト158を有している。搬送ベルト158は、搬送部材として用いられ、給紙装置28から、レジストロール48、50を経て供給される用紙を、定着装置26へと搬送する。搬送ベルト158によって搬送される間に、転写ロール34によって、用紙には像形成構造体22がそれぞれ有する感光体20から現像剤像の転写がなされ、これらの現像剤像が定着装置26によって用紙へと定着される。
また、先述の第1の実施形態では、転写ユニット18は上部開閉カバー14と連結され、上部開閉カバー14とともに、画像形成装置本体12に対して装着された装着位置と開放部13を開放する開放する位置との間を移動することができるようになっていた。これに対して、この第2の実施形態では、転写ユニット18は、前部開閉カバー15と連結されていて、前部開閉カバー15の開閉動作に応じて、図12に示される装着位置と、図13に示される開放位置との間を移動することができるようになっている。
また、先述の第1の実施形態では、像形成構造体22は、画像形成装置本体12に対して、それぞれ略重力方向上方に着脱されるようになっていた(図9参照)。これに対して、この第2の実施形態では、図14に示されるように、像形成構造体22は、画像形成装置本体12に対して、それぞれ略水平方向に着脱されるようになっている。
また、前述の第1の実施形態では、移動機構74の第1のリンク部材112は、連結部材110を介して、それぞれの像形成構造体22に連結されていた。これに対して、この第2の実施形態では、第1のリンク部材112は、像形成構造体22に形成された突起116に、回転することができるように連結されている。また、第1のリンク部材112の下端側には、付勢部材として用いられ、例えばコイルスプリングからなる弾性体162が接続されていて、弾性体162によって下方に付勢されている。
また、この第2の実施形態では、画像形成装置本体12には、像形成構造体22及び像形成構造体22が有する感光体20を位置決めする位置決め手段として用いられる位置決め部材166が設けられている。位置決め部材166は、後ろ側(図12における右側)から、例えば感光体20に設けられた軸受に接触するようにして、像形成構造体22及び感光体20を位置決めしている。
また、この第2の実施形態においては、上部開閉カバー14が図13に示される装着位置に配置された状態から図14に示される開放位置へと移動すること応じて、像形成構造体22が図13着脱方向において重なって配置された第1の位置から、図14に示される着脱方向において重なっていない第2の位置へと移動する。また、上部開閉カバー14が開放位置から装着位置へ移動することによって、像形成構造体22は第2の位置から第1の位置へと移動する。
また、この第2の実施形態では、第1及び第2の位置の間を移動する際に、像形成構造体22は、感光体20を中心として回転する。すなわち、感光体20の回転中心と像形成構造体22の回転中心とがほぼ一致している。このため、感光体20が位置決め部材166によって位置決めされ状態を保持しつつ、像形成構造体22は、第1及び第2の位置の間を移動する。
この第2の実施形態においては、上部開閉カバー14の開閉に応じて、像形成構造体22が第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成されているが、前部開閉カバー15、搬送ベルト158、及び転写ユニット18が画像形成装置本体12に対して開閉されることに応じて、像形成構造体22が第1の位置と第2の位置との間を移動するようにしても良い。また、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、感光体20と駆動源(不図示)とを連結する連結機構(不図示)を有するとともに、像形成構造体22を第1の位置から第2の位置へ移動させる前に、感光体20と駆動源と連結を解除する解除機構(不図示)が設けられている。