JP5012629B2 - 窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents
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前記窒化物半導体基板はn型不純物がドープされていることを特徴とする。
前記n型不純物はSi、Ge、Sn、Sから成る群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
前記窒化物半導体基板は、2軸結晶法によるX線ロッキングカーブの半値幅が5分以下であることを特徴とする。
前記窒化物半導体基板は、2軸結晶法によるX線ロッキングカーブの半値幅が3分以下であることを特徴とする。
前記レーザ素子はリッジ形状であって、リッジ最表面にNiとAuよりなるp電極をストライプ状に有し、前記n電極は、TiとAlよりなることを特徴とする。
前記レーザ素子は、基板上にバッファ層、n側コンタクト層、クラック防止層、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層、キャップ層、p側光ガイド層、p側クラッド層、p側コンタクト層の順で形成されていることを特徴とする。
前記窒化物半導体と異なる材料よりなる基板の上に、バッファ層を形成し、その後、前記窒化物半導体を成長させる工程を備えることを特徴とする。
前記窒化物半導体基板の研磨された前記表面上に成長させた窒化物半導体は、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を順に積層したものであって、前記p型窒化物半導体層には超格子層を有する。
前記窒化物半導体基板の研磨された前記表面上に成長させた窒化物半導体は、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を順に積層したものであって、前記n型窒化物半導体層にはn型超格子層を有することを特徴とする。
前記ハイドライド気相成長法は石英反応容器を用いる。
前記窒化物半導体基板は、Si及びOを含有することを特徴とする。基板としては、サファイア(Al2O3)若しくはスピネル(MgAl2O4)を用いることが最も望ましい。また成長させる窒化物半導体はn型不純物をドープしない(ノンドープ)GaNか、若しくはn型不純物を1×1019/cm3以下の範囲で含むGaNを成長させることが最も望ましい。基板の厚さは1mm以上のものを使用する必要があり、1mmよりも薄いと、成長中に高温のため基板が反って厚膜の窒化物半導体基板を成長できない。
[実施例1](HVPE)
石英よりなる反応容器管の内部にGaメタルを入れた石英ボートを設置する。さらに石英ボートから離れた位置に、斜めに傾けた厚さ1.2mm、2インチφのサファイア基板を設置する。なお、反応容器内のGaメタルに接近した位置にはハロゲンガス供給管が設けられ、ハロゲンガス供給間とは別に、サファイア基板に接近した位置にはN源供給管が設けられている。
特開平4−164895号公報、第2図に示すMOVPE装置を用い、厚さ1.0mm、2インチφのサファイア(C面)基板を、この装置の反応容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。
実施例1において、厚さ900μmのサファイア基板を用いる他は、同様にしてGaNを成長させたところ、研磨側のGaN層のX線ロッキングカーブの半値幅が8分であり、実施例1に比較して、GaN基板の結晶性が倍以上劣っていることが判明した。さらに、800μmのものは成長中に基板が割れてしまった。
[実施例3]
実施例1で得られたGaN基板を特開平4−164895号公報、第2図に示すMOVPE装置を用い、この装置の反応容器内にセットし、1050℃にて、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaN層を5μmの膜厚で成長させる。なお、n型GaNの成長面は、基板研磨面であることは言うまでもない。
実施例1で得られたGaN基板の研磨面の凹凸が±1.5μmのものを用いる他は実施例3と同様にしてLED素子を作製したところ、同じくIf20mAにおいて、Vf3.2Vであったが、出力が3mWでしかなかった。これは基板凹凸が直接窒化物半導体の結晶性に影響したものであると推定する。
図1は実施例4により得られたレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直な方向で素子を切断した際の図を示している。以下、この図面を元に本発明のレーザ素子について説明する。
バッファ層22成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、TMAとアンモニア、シランガスを用い、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなるn側コンタクト層4μmの膜厚で成長させる。
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニア、不純物ガスにシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.1Ga0.9Nよりなるクラック防止層24を500オングストロームの膜厚で成長させる。このクラック防止層24はInを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで成長させることにより、Alを含む窒化物半導体層中にクラックが入るのを防止することができる。なおこのクラック防止層は100オングストローム以上、0.5μm以下の膜厚で成長させることが好ましい。100オングストロームよりも薄いと前記のようにクラック防止として作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層24は、省略することもできる。
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、NH3、SiH4を用い、Siを1×1019/cm3ドープしたn型Al0.2Ga0.8Nよりなる第1層を20オングストロームの膜厚で成長させ、続いてシランガス、TMAを止め、ノンドープのGaNよりなる第2層を20オングストロームの膜厚で成長させる。そして第1層+第2層+第1層+第2層+・・・というように超格子層を構成し、それぞれ第1層を100層、第2層を100層交互に積層し、総膜厚0.4μmの超格子よりなるn側クラッド層25を形成する。このように単一膜厚が100オングストローム以下、さらに好ましくは70オングストローム以下、最も好ましくは40オングストローム以下の互いに組
成が異なる窒化物半導体を積層した超格子層は、その単一層が弾性臨界膜厚以下となっているため、結晶性が非常に良くなる。そのためクラックの入っていない非常に結晶性の良い膜が成長できるためレーザ素子の、n型窒化物半導体層側及びp型窒化物半導体層側の少なくとも一方の層側に形成することによりレーザ素子の寿命が飛躍的に良くなる。なお、超格子層はキャリア閉じ込め、若しくは光閉じ込め層として作用する層に形成することが最も望ましい。
続いて、1050℃でSiを5×1018/cm3ドープしたn型GaNよりなるn側光ガイド層26を0.1μmの膜厚で成長させる。このn側光ガイド層26は、活性層の光ガイド層として作用し、GaN、InGaNを成長させることが望ましく、通常100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましい。なお、この光ガイド層26も超格子層にすることができる。n側光ガイド層15、n側クラッド層14を超格子層にする場合、超格子層を構成する窒化物半導体層の平均的なバンドギャップエネルギーは活性層よりも大きくする。超格子層とする場合には、第1の層及び第2の層の少なくとも一方にn型不純物をドープしてもよいし、またノンドープでも良い。
次に、原料ガスにTMG、TMI、アンモニア、シランガスを用いて活性層16を成長させる。活性層16は温度を800℃に保持して、まずSiを8×1018/cm3でドープしたIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させる。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度で、Siを8×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に井戸層を積層した総膜厚175オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層27を成長させる。活性層にドープする不純物は本実施例のように井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なおn型不純物をドープすると閾値が低下する傾向にある。なお活性層を多重量子井戸構造とする場合には必ずバンドギャップエネルギーの小さい井戸層と、井戸層よりもバンドギャップエネルギーが小さい障壁層とを積層するため、超格子層とは区別する。
次に、温度を1050℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、活性層27よりもバンドギャップエネルギーが大きく、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.1Ga0.9Nよりなるキャップ層28を300オングストロームの膜厚で成長させる。このキャップ層28はp型不純物をドープしたが、膜厚が薄いため、n型不純物をドープしてキャリアが補償されたi型としても良く、最も好ましくはp型不純物をドープした層とする。キャップ層28の膜厚は0.1μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以下、最も好ましくは300オングストローム以下に調整する。0.1μmより厚い膜厚で成長させると、キャップ層28中にクラックが入りやすくなり、結晶性の良い窒化物半導体層が成長しにくいからである。またキャリアがこのエネルギーバリアをトンネル効果により通過できなくなる。また、Alの組成比が大きいAlGaN程薄く形成するとLD素子は発振しやすくなる。例えば、Y値が0.2以上のAlYGa1-YNであれば500オングストローム以下に調整することが望ましい。キャップ層28の膜厚の下限は特に限定しないが、10オングストローム以上の膜厚で形成することが望ましい。
続いて1050℃で、バンドギャップエネルギーがキャップ層28よりも小さい、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側光ガイド層29を0.1μmの膜厚で成長させる。この層は、活性層の光ガイド層として作用し、n側光ガイド層15と同じくGaN、InGaNで成長させることが望ましい。また、この層はp側クラッド層を成長させる際のバッファ層としても作用し、100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは200オングストローム〜1μmの膜厚で成長させることにより、好ましい光ガイド層として作用する。このp側光ガイド層は通常はMg等のp型不純物をドープしてp型の導電型とするが、特に不純物をドープしなくても良い。なお、このp側光ガイド層を超格子層とすることもできる。超格子層とする場合には第1の層及び第2の層の少なくとも一方にp型不純物をドープしてもよいし、またp型不純物をドープしないノンドープでも良い。
続いて、1050℃でMgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第1の層を20オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAのみを止め、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなる第2の層を20オングストロームの膜厚で成長させる。そしてこの操作をそれぞれ100回繰り返し、総膜厚0.4μmの超格子層よりなるp側クラッド層30を形成する。この層はn側クラッド層25と同じくキャリア閉じ込め層として作用し、特にp型層の抵抗率を低下させるための層として作用する。このp側クラッド層の膜厚も特に限定しないが、100オングストローム以上、2μm以下、さらに好ましくは500オングストローム以上、1μm以下で成長させることが望ましい。
最後に、1050℃℃で、p側クラッド層30の上に、Mgを2×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層31を150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コンタクト層31はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極32と最も好ましいオーミック接触が得られる。なお、p側コンタクト層31も超格子層とすることもできる。超格子層とする場合には、特にバンドギャップエネルギーが異なる第1の層と第2の層とを積層し、第1+第2+第1+第2+・・・というように積層していき、最後にバンドギャップエネルギーが小さい方の層が露出するようにすると、p電極32と好ましいオーミック接触が得られる。p電極32の材料としては、例えばNi、Pd、Ni/Au等を挙げることができる。また本発明の素子ではp型AlYGa1-YNを含むp側クラッド層30に接して、バンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体をp側コンタクト層31として、その膜厚を400オングストローム以下と薄くしているために、実質的にp側コンタクト層30のキャリア濃度が高くなりp電極32と好ましいオーミックが得られて、素子の閾値電流、電圧が低下する。
22・・・・バッファ層
23・・・・n側コンタクト層
24・・・・クラック防止層
25・・・・n側クラッド層(超格子層)
26・・・・n側光ガイド層
27・・・・活性層
28・・・・キャップ層
29・・・・p側光ガイド層
30・・・・p側クラッド層(超格子層)
31・・・・p側コンタクト層
32・・・・p電極
33・・・・n電極
Claims (12)
- 窒化物半導体と異なる材料よりなる基板の上に、ハイドライド気相成長法により、窒化物半導体を100μm以上の膜厚で成長させ、前記窒化物半導体と異なる材料よりなる基板を除去することによって得た窒化物半導体基板の表面のうち、前記窒化物半導体と異なる材料よりなる基板が形成されていた側の表面を研磨する工程と、
前記窒化物半導体基板の研磨された前記表面上に窒化物半導体を成長させる工程と、を含み、
前記窒化物半導体基板の裏面の80%以上の面積にn電極を有することを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法であって、
前記窒化物半導体素子はレーザ素子であり、共振器面が窒化物半導体のM面であることを特徴とする窒化物半導体素子の製造方法。 - 前記窒化物半導体基板はn型不純物がドープされていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記n型不純物はSi、Ge、Sn、Sから成る群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体基板は、2軸結晶法によるX線ロッキングカーブの半値幅が5分以下であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体基板は、2軸結晶法によるX線ロッキングカーブの半値幅が3分以下であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記レーザ素子はリッジ形状であって、リッジ最表面にNiとAuよりなるp電極をストライプ状に有し、前記n電極は、TiとAlよりなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記レーザ素子は、基板上にバッファ層、n側コンタクト層、クラック防止層、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層、キャップ層、p側光ガイド層、p側クラッド層、p側コンタクト層の順で形成されていることを特徴とする請求項1又は6に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体と異なる材料よりなる基板の上に、バッファ層を形成し、その後、前記窒化物半導体を成長させる工程を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体基板の研磨された前記表面上に成長させた窒化物半導体は、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を順に積層したものであって、前記p型窒化物半導体層には超格子層を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体基板の研磨された前記表面上に成長させた窒化物半導体は、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を順に積層したものであって、前記n型窒化物半導体層にはn型超格子層を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記ハイドライド気相成長法は石英反応容器を用いる請求項1乃至10のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
- 前記窒化物半導体基板は、Si及びOを含有する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
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