JP5011810B2 - 凍結保存容器及び凍結保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体試料の凍結保存容器に関する。さらに、本発明は前記凍結保存容器を用いた凍結保存方法に関する。
近年、再生医療、細胞含有医薬及び不妊治療などの細胞医療分野がめざましい発展を遂げている。これらの細胞医療分野において、生物試料を凍結保存する技術は全ての当業者が実施する必要不可欠な技術である。
細胞を凍結保存するための容器として、本出願人は超高分子量ポリエチレン層と低密度ポリエチレン層との積層フィルムにより形成したバッグの発明が開示されている(特許文献1)。この発明の実施品は、近年のわが国における臍帯血バンクの発展に貢献している。また、前記凍結保存バッグ以外にも、ポリイミドフィルムとフッ素化エチレンプロピレン重合体フィルムとの積層フィルムからなるもの(特許文献2)や、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体フィルムからなるもの(特許文献3)等が提案されている。さらに、特許文献4には、電子線照射し2軸延伸されたエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルムで成形された凍結保存バイアルが開示されている。特許文献5には、2軸延伸された架橋ポリエチレンフィルムで成形された凍結保存バイアルが開示されている。
係るバッグを用いて浮遊系細胞を凍結保存するには、まず細胞を懸濁した液を調製し、バッグに備えたポート又はポートに結合されたチューブから前記懸濁液を注入する。次に、バッグに備えたポート又はポートに結合されたチューブを溶着することにより封をする。そして、浮遊系細胞を収容したバッグを液体窒素内に浸漬させる。
ところで、実験室レベルにおける生物試料の凍結保存には、ポリプロピレン製のクライオバイアルが一般的に使用されている。クライオバイアルは、図3に示すようにバイアル開口に蓋を螺合する典型的なバイアルである。係るクライオバイアルの使用方法は、容器内に生物試料を収容後、開口に蓋を螺合・装着し、そのまま液体窒素に浸漬して保存する。
しかしながら、生物試料を収容したクライオバイアルを液体窒素内で保存する際、クライオバイアルの容器本体と蓋との隙間から液体窒素又は当該液体窒素に存在する雑菌(主にマイコプラズマ)が容器内部に侵入するおそれがある。隙間は、容器本体と蓋の成形の際における樹脂の熱収縮に起因して生じるものである。係る隙間が生じないように成形すると、製造コストが非常に高価となるばかりではなく、蓋と容器本体との摩擦により樹脂が削れるおれもある。
さらに、容器内に液体窒素が侵入した状態でバイアルを液体窒素タンクから取り出すと、容器内の温度の上昇により液体窒素が急激に膨張する。その結果、バイアルが破裂する又は蓋が発射され、作業者が怪我をするという事故が発生するおそれがある。もし、このような事故で作業者が怪我をしてしまえば、作業者の傷口から液体窒素の雑菌が侵入し、バイオハザードに発展するおそれがある。
さらに、前記液体窒素内の雑菌に限らず、ヒト由来の生体試料中に肝炎やエイズウイルスなどを含む場合も、凍結中にウイルスを持った細胞を凍結した容器から、他の生体試料へ感染するおそれもある。
係る課題を解決する手段として、前記特許文献1〜5のバッグを用いることが考えられる。しかしながら、特許文献1〜5のバッグは容量が大きいために、小容量の生物試料を保存するのには必ずしも適していない。何故ならば、当該バッグには生体試料の分散液を導入するためのポートを備える必要があり、その分バッグの内容積を大きくする必要があるためである。すると、バッグに十分収容する程度の容量にするために、保存液などにより生物試料を希釈する必要がある。この結果、凍結保存後に当該試料を使用する際に、濃縮という煩雑な作業を行う必要がある。
また、他の解決手段として、市販の熱可塑性チューブを用いる方法がある。具体的には、当該熱可塑性チューブにクライオバイアルを挿入した後、熱により収縮することにより、液体窒素の混入を防止するものである。しかしながら、熱収縮チューブをヒートガンなどで100℃近くまでチューブを加熱することから、容器内の細胞が熱により死滅する恐れがある。またチューブの開口部はヒートガンで加熱したピンセットでチューブをつまんで封止するが、この際にチューブが破損するケースが多い。このため、これらの製品はあまり普及していない。
さらに、他の解決手段として、液体窒素の気層中や超低温フリーザーで保存する方法も考えられる。しかし、長期間に細胞を保存する場合には、気層でフリーザーやタンクの蓋を開閉するたびに、温度変化が発生するため、信頼性に問題がある。
特許第2876588号公報 特公昭49−8079号公報 実公昭55−55069号公報 特公昭55−44977号公報 特公昭62−57351号公報
本発明の課題は、液体窒素、雑菌又はウイルスが容器内部に侵入することがなく、少容量の生物試料の注入、保存及び取り出しに適した凍結保存容器を提供することである。
本発明は、
[1] 生物試料を凍結保存するための容器であって、
容器本体と、
前記容器本体内部と連通し、溶着により封止可能な開口部と、
開封することにより前記容器本体内部と連通する開封部
とを備えた凍結保存容器、
[2] 前記開口部は、注入用具と接続が可能であり、且つ、容器本体内部の空気を排気可能な構造である[1]に記載の凍結保存容器、
[3] 開封部が、ねじりにより破断するくびれ部構造である[1]に記載の凍結保存容器、
[4] 凍結保存容器を用いて生物試料を凍結保存するための方法であって、
前記凍結保存容器は、容器本体と、
前記容器本体内部と連通し、溶着により封止することが可能な開口部と、
開封することにより前記容器本体内部と連通する開封部を備え、
前記開口部から生物試料を導入し、前記生物試料を容器本体内に収容するステップと、
前記開口部を溶着により封止するステップと、
前記容器に収容された生体試料を極低温下で保存するステップ
とを含む凍結保存方法、並びに、
[5] さらに、収容した生物試料を解凍するステップと、
開封部を開封することにより生体試料を取り出すステップと、
及び、前記収容した生物試料を取り出すステップ
とを含む[4]に記載の凍結保存方法に関する。
本発明の凍結保存容器によれば、稀少な生物試料の保存を安全且つ容易に行うことができる。より詳しくは、凍結保存容器は、液体窒素、雑菌又はウイルスが容器内部に侵入しにくいために、容器内部に保存した生物試料が汚染されることがない。そして、液体窒素による自己を防止することができるため、作業者が怪我をするおそれがない。
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は本発明の凍結保存容器を示す図である。「凍結保存容器」とは、生物試料を収容しうる容器をいい、少なくとも0度以下の環境下に物理的強度に耐えうる材料で構成された容器をいう。さらに、凍結保存時に液体窒素、雑菌又はウイルスが容器内部に侵入しにくい容器をいう。本発明の凍結保存容器の構成は、可撓性樹脂からなる容器本体1と、前記容器本体内部と連通し、封止可能な開口部2、及び、開封することにより前記容器本体内部と連通可能な開封部3を備える。
「生物試料」とは、生体由来のものであれば、特に限定されるものではなく、動物組織や微生物が含まれる。例えば、
i)全血、赤血球、白血球、血漿、血小板及び多血小板血漿などの血液成分
ii)骨骸単核細胞、造血幹細胞、ES細胞、間葉系幹細胞、***細胞及び卵子細胞などの希少な細胞、
iii)薬剤耐性結核菌などの微生物変異体などを含む微生物
iv)***及び卵子
などが挙げられる。これら生物試料の中でも、保存する量が少量である観点から、ii)希少な細胞、並びに、iv)***及び卵子であり、特に好ましくは、iv)***及び卵子である。
「凍結保存」とは、0度以下での環境下で保存することをいうが、長期にわたって保存できる観点から、好ましくは−20度以下(極低温下)、さらに好ましくは−80度以下、特に好ましくは−196度(液体窒素温度)の環境下で保存することをいう。凍結保存を行う方法としては、例えば、市販のディープフリーザーなどの装置を用いて行う方法、及び、ドライアイス、液体窒素及び液体ヘリウムなどの冷却物質を用いて行う方法などが挙げられる。これらの凍結保存方法の中でも長期にわたって保存できる観点から、液体窒素が好ましい。
「容器本体」とは、生物試料を収容するための空間(ハウジング)を備えた汎用的な容器の形状を有するものをいう。
容器本体1には、開口部2を設ける。「開口部」とは、容器本体1の内部と連通する構造であって、生体試料を容器本体1の内部に導入することができ、溶着による封止作業により容器本体1の内部の密封を達成できる部分をいう。その上面図は、例えば、図2のような扁平的な瞳形状を有する。つまり、本発明の開口部2は、凍結保存容器における封止用の蓋の役割を果たす。開口部2は溶着することで封止するため、液体窒素などが容器本体内部に侵入することがない。
開口部2は、容器本体内への生物試料の導入が容易となる様に、シリンジやピペットなどの注入用具と接続が可能であり、さらには、生物試料の注入と同時に容器本体内部の空気を排気する構造であることが好ましい。例えば、図3に示すような略円形状でシリンジの先端が接続可能な構造(注入用具接続構造21)とし、当該注入用具接続構造の周囲に設けた連通構造22により、容器本体内部の空気を排気することができる。
生体試料を収納した容器本体1は注入用具を抜き出した後、開口部2を封止する。封止する方法に関しては後述する。
さらに、容器本体1には、開封部3を設ける。本発明における「開封部」とは、破断、剪断、溶断及び切断、好ましくは人的な力による破断により除去しうる部分をいう。さらに、除去することにより容器本体1の内部を開放し、容器本体1の内部に収容された生体試料を取り出すことができる部分をいう。開封部3は、容器本体内に収容した生体試料を使用する際に取り出すための開封用の蓋の役割を果たす。例えば、ねじりにより破断するくびれ部31(図4)、切り欠きにより破断する切欠部33(図5)などが挙げられる。特に人的な力により容易に破断できる観点から、図4のような取手部32などを設けることが好ましい。
また、開封部3を設ける位置は、開口部2から容器本体1の内部への生物試料の導入の妨げとならなければ特に限定されないが、容器本体1を隔てて開口部2と対をなす位置に設けることが好ましい。
容器本体1、開口部2及び開封部3は、可撓性樹脂で一体的に構成される。言い換えれば、本発明の凍結保存容器を構成する素材は可撓性樹脂で構成される。本発明における「可撓性樹脂」は、少なくとも開口部の熱溶着による封止が可能な程度に可撓性を有するものをいう。このような樹脂としては例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
さらに、
・極低温下での物理的強度に優れるもの
・凍結保存時に容器本体内部への熱伝導を阻害しない断熱性の低いもの
・ねじりよる応力集中により破断が可能もの
の少なくとも1の要件を満足する材料であることが好ましい。これらの要件を満足する材料としては、例えば、ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などがあるが、これらに限定するものではない。
本発明の凍結保存容器の形状などは、凍結保存の容易性や可撓性樹脂の性質などにより当業者が適宜設定できるものであり特に限定されるものではない。例えば、容器本体1の形状は、円柱状、角柱状、円錐状及び角錐状などが挙げられる。さらには、ハンドリング性を向上させるために、例えば、容器本体1の周囲に滑り止めの効果を奏する凹凸構造を設けてもよい。これらの形状の中でも製造が容易であり、クライオバイアルと形状が類似し、当該クライオバイアルを取り付けるためのケーンなどの付属品に適応できる観点から円柱状であることが好ましい。この時の容器本体1の外径は約1〜50mm、好ましくは約10〜15mmであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、容器本体1の内容積も特に限定されるものではないが、当業者が取り扱いに慣れているクライオバイアルと形状が類似し、当該クライオバイアルを取り付けるためのケーンなどの付属品に適応できる観点から、約0.5〜5.0ml、好ましくは約1.0〜2.0mlであるが、これに限定されるものではない。また、容器本体1の厚さも凍結保存における熱伝導を阻害しない程度の厚さであれば特に限定されるものではなく、例えば、約0.3〜2mm、好ましくは約0.4〜1mmである。
加えて、開封部3を破断することにより開封した際、容器本体1の内部に収容した生体試料が飛散せず、残液が残らないように、容器本体内部の形状は、開封部3に向かってテーパー状に収束するテーパー部11を設けることが好ましい。ここで収束した端部の幅は、容器本体内部に収容した生体試料が飛散することなく、安全に取り出す点を考慮すると、約0.1〜5mm、好ましくは約1〜3mmであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の凍結保存容器の製造方法は、容器本体1、開口部2及び開封部3が、可撓性樹脂で一体的に構成されるために、非常に容易に実施できる。例えば、射出成形、押出成型、ブロー成型などが挙げられる、これらの製造方法の中でも、製造が容易であり、コストも安価である観点からブロー成型が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はさらに本発明の凍結保存容器を用いた生物試料の凍結保存方法にまで及ぶ。具体的には、
1)開口部2から生物試料を導入し、前記生物試料を容器本体1の内部に収容するステップ
2)開口部2を溶着により封止するステップ
3)容器本体1の内部に収容された生体試料を極低温下で保存するステップ
を含む。
まず、1)開口部2から生物試料を導入し、前記生物試料を容器本体1の内部に収容する。生物試料を容器本体1の内部に収容するための方法は、保存する生物試料の種類により当業者が適宜選択して行うことができる。例えば、卵子、***及びES細胞などの細胞若しくは薬剤耐性変異結核菌などの微生物を保存する場合、凍結保存を可能とする培地又は細胞保存液に細胞を懸濁することで細胞懸濁液を調製した後、容器本体1の内部に収容することができる。ここで、収容は、シリンジ及びピペットなどの注入用具を用いて行うことができる。また、図3に示すような開口部2の構造がシリンジと接続が可能であり、且つ、容器本体内部の空気を排気な構造である場合、その作業が容易となるため好ましい。
ここで、細胞懸濁溶液中の細胞濃度は、細胞の種類によって当業者が適宜決定することができ、特に限定されるものではないが、例えば細胞が***である場合約2×10〜2×10cells/mlであり、卵子である場合は1〜10cells/mlである。また、細胞懸濁液には凍害保護成分として、例えば、10%程度のジメチルスルホキシド(DMSO)及び5〜10%のアルブミンを添加してもよい。
次に、2)開口部2を熱溶着により封止する。溶着は、例えば、インパルス式のシーラーなどを用いて熱溶着を行う。溶着の温度は、可撓性樹脂の種類により当業者が適宜設定できる。例えば、可撓性樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合、溶着強度の観点から約150〜300℃、好ましくは約190〜250℃である。また、例えば、可撓性樹脂がポリエチレンである場合、溶着強度の観点から約100〜250℃、好ましくは約150〜200℃である。このように熱溶着によって封止した開口部2は、もはや液体窒素、雑菌又はウイルスが容器本体内に侵入することがない。
そして、3)容器本体1の内部に収容された生体試料を凍結保存する。凍結保存の際の温度条件は上述したとおり、0度以下での環境下で保存することをいうが、長期にわたって保存できる観点から、好ましくは−20度以下(極低温下)、さらに好ましくは−80度以下、特に好ましくは−196度(液体窒素温度)の環境下である。凍結保存を行う方法としては、市販のディープフリーザーなどの装置を用いて行う方法、並びに、ドライアイス、液体窒素及び液体ヘリウムなどの冷却物質を用いて行う方法などが挙げられる。これらの凍結保存方法の中でも長期にわたって保存できる観点から、液体窒素が好ましい。
さらに本発明の凍結保存方法は、
4)収容した生物試料を解凍するステップ
5)開封部3を開封することにより、内部の生物試料を取り出すステップ
6)前記収容した生物試料を取り出すステップ
を含む。
凍結保存した生体試料を用いる際、まず4)収容した生物試料を解凍する。解凍の方法は、当業者が適宜選択することができるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、約37℃の温浴により解凍することができる。この際、開口部が十分に封止されていることにより、容器本体内に液体窒素が存在しないため、急激な液体窒素の膨張による容器の破損がなく、それに伴い作業者が怪我をするおそれがない。さらに、生体試料によるバイオハザードの危険もない。
次に、細胞の取りだした容器は37℃の温浴で、生体試料を解凍する。この時クライオバイアルと異なり、当該発明品は完全に密閉状態であるため、温浴中の水が容器内に入ることなく、解凍できる。生物試料を解凍した後、容器の周囲を消毒液で清拭した後、5)開封部3を開封することにより細胞を取り出すことができる。開封は、開封部3の構造により当業者が適宜選択することができる。例えば、開封部3がねじ切りにより破断可能な構造31である場合は、ねじ切ることによる破断より開封が達成される。また、開封部3が切欠部33を備えた構造である場合は、切欠きによる破断により開封が達成される。このように人的な力による破断により容易に開封することが好ましいが、補助的に、鋏による剪断、熱やレーザーによる溶断により開封してもよい。
最後に6)解凍された生物試料を取り出す。取り出す作業は当業者により適宜選択できるものであり特に限定されるものではないが、例えば、容器本体が可撓性を有するので、容器本体を押圧することにより、スポイトのように収容した生物試料を取り出すことができる。また、例えば、容器本体2における開封部3を設けた箇所に対する他端付近を鋏などにより剪断することで空気孔を設けてもよい。
以下に本発明の実施例についてが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に本発明の凍結保存容器を示す。図1の凍結保存容器は、容器本体1と、前記容器本体1の内部と連通し、熱溶着により封止することが可能な開口部2、及び、開封することにより前記容器本体1の内部と連通する開封部3を備える。容器本体1、開口部2及び開封部3は、全てエチレン−酢酸ビニル共重合体のブロー成型により製造される。ここで、容器本体1の内部の形状は、開封部3に向かってテーパー状に収束するテーパー部11を設けている。また、開口部2の断面図は、瞳形を有する(図2)する。さらに、開封部3は、図5に示すようにくびれ部31であり、作業者は取手部32をねじることにより、開封部3(くびれ部31及び取手部32)を破断・除去することができる。
図3は、開口部2上面の変形例である。図3の開口部2は、注入用具接続構造21及び連通構造22を設けている。破線は、注入用具接続構造21を示している。
図5は、開封部3の変形例である。図5の開封部3は切欠部33を有し、切欠により破断・除去することができる。
本発明の凍結保存容器によれは、稀少な生物試料の保存を安全且つ容易に行うことができる。より詳しくは、凍結保存容器は、液体窒素、雑菌又はウイルスが容器本体1の内部に侵入しにくいために、保存した生物試料が汚染されることがない。また、液体窒素が容器内部に侵入した状態で、解凍作業などを行った場合、液体窒素が急激に膨張し、容器の破損などを防止し、作業者が怪我をするおそれがない。したがって、微生物又は細胞を保存するためのバンク、例えば、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターなどで用いることができる。
本発明の凍結保存容器を示す図である。 図1の開口部2の上面拡大図である。 開口部2の変形例を示す上面拡大図である。破線は、注入用具接続構造21を示している。 図1の開封部3の拡大図である。破線は、容器本体内部のテーパー部11を示している。 開封部3の変形例を示す図である。破線は、容器本体内部のテーパー部11を示している。 従来の凍結保存容器を示す図である
符号の説明
1 容器本体
11 テーパー部
2 開口部
21 注入用具接続構造
22 連通構造
3 開封部
31 くびれ部
32 取手部
33 切欠部
4 螺合構造

Claims (4)

  1. 生物試料を凍結保存するための容器であって、
    可撓性の容器本体と、
    前記容器本体内部と連通し、溶着により封止可能な開口部と、
    開封することにより前記容器本体内部と連通する開封部
    とを備え
    前記開口部は、注入用具と接続が可能な略円形状の注入用具接続構造を有し、且つ、容器本体内部の空気を排気可能な連通構造を有する
    凍結保存容器。
  2. 開封部が、ねじりにより破断するくびれ部構造である請求項1に記載の凍結保存容器。
  3. 凍結保存容器を用いて生物試料を凍結保存するための方法であって、
    前記凍結保存容器は、可撓性の容器本体と、
    前記容器本体内部と連通し、溶着により封止することが可能な開口部と、
    開封することにより前記容器本体内部と連通する開封部を備え、
    前記開口部は、注入用具と接続が可能な略円形状の注入用具接続構造を有し、且つ、容器本体内部の空気を排気可能な連通構造を有し、
    前記開口部から生物試料を導入し、前記生物試料を容器本体内に収容するステップと、
    前記開口部を溶着により封止するステップと、
    前記容器に収容された生体試料を極低温下で保存するステップ
    とを含む凍結保存方法。
  4. さらに、収容した生物試料を解凍するステップと、
    開封部を開封することにより生体試料を取り出すステップと、
    及び、前記収容した生物試料を取り出すステップ
    とを含む請求項に記載の凍結保存方法。
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