JP5011600B2 - ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁材料 - Google Patents

ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性官能基を有するポリエーテル樹脂とその製造方法および該ポリエーテル樹脂を用いてなる絶縁材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
側鎖として熱硬化性官能基を有する樹脂にはこれまでにいくつかの例がある。具体的に例を挙げれば、特公平5−8932号公報、特公平5−8933号公報に、酸化重合により得られたポリエーテル樹脂にアリル基、プロパルギル基を導入した例が記載されている。また、側鎖としてビニル基を有する樹脂についても公知の例がある。具体的には、ポリエーテルスルホンあるいはポリオキシフェニレン樹脂をクロロメチル化したものを経由しビニル基が導入した例がMacromol.Chem.185,2319(1984)に記載されている。しかしながら、これらの方法は、それぞれ、低温での硬化反応が困難であるか、あるいは反応操作が比較的複雑であるなどの問題点を有している。
【0003】
また、電子デバイスの絶縁膜では、配線間が微細化することによって、絶縁膜自体の誘電率が問題視されてきた。これまで絶縁膜として使用されてきたシリカ系絶縁膜では、伝達速度低下を抑制することが難しい。この解決案として、有機ポリマーがその優れた電気特性から注目されてきた。また、絶縁膜としては、電気特性のみならず、優れた耐熱性が求められることから、芳香族環を主鎖に有するポリマー、特に、耐薬品性に優れた特徴を持つ熱硬化性官能基を側鎖に有する芳香族ポリマーが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱硬化性官能基をもつポリエーテル樹脂およびその製造方法を提供することにある。また、これを用いて得られる耐薬品性に優れる電子絶縁材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、〔1〕下式(1)の繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂に係るものである。
Figure 0005011600
(式中、R1〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、もしくは置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、もしくは置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示す。また、式中Xは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−CO−のいずれかを示す。)
【0006】
また、本発明は、〔2〕下式(2)の繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂に係るものである。
Figure 0005011600
(式中、R1〜R11、Xは式(1)における定義と同じである。)
【0007】
また、本発明は、〔3〕下式(3)の繰り返し単位を有する熱硬化性ポリエーテル樹脂に係るものである。
Figure 0005011600
(式中、R1〜R11、Xは式(1)における定義と同じである。)
【0008】
さらに、本発明は、〔4〕ジハロゲン化アセトフェノンとビスフェノール類との縮合反応工程を含む〔1〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法に係るものである。
また、本発明は、〔5〕前記〔1〕に記載のポリエーテル樹脂のアセチル基を還元反応し、CH3CHOH基に変換する工程を含むことを特徴とする〔2〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法に係るものである。
また、本発明は、〔6〕前記〔2〕に記載のポリエーテル樹脂のCH3CHOH基を脱水反応し、ビニル基に変換する工程を含む〔3〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法に係るものである。
【0009】
さらに、本発明は、〔7〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリエーテル樹脂を用いてなる絶縁材料に係るものである。
また、本発明は、〔8〕(A)前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のポリエーテル樹脂、(B)有機溶媒を必須成分としてなる絶縁膜形成用塗布液に係るものである。
また、本発明は、〔9〕前記〔8〕に記載の絶縁膜形成用塗布液を用いて得られる絶縁膜に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の式(1)〜(3)において、R1〜R11はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、もしくは置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、もしくは置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示す。
【0011】
炭素数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
炭素数6〜10のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
炭素数2〜10のアルケニル基として、ビニル基、アリル基、プロペニル基等が挙げられる。
炭素数2〜10のアルキニル基として、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
カルボニル基を持つ置換基としてアセチル基等が挙げられ、アルコール基を持つ置換基としてCH3CHOH基が挙げられる。
また、ここで、置換基を有してもよいとされる置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族環等が挙げられる。
【0012】
また、本発明における式(1)〜(3)において、式中Xは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−CO−のいずれかを示す。炭素数1〜20の炭化水素基の具体例を示せば、−CH2−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH(CH32)−、などの直鎖もしくは分岐したものが挙げられ、また、
Figure 0005011600
などが挙げられ、
Xとして、単結合、または下式(4)のいずれかが好ましい。さらにこれらは置換基を有することもできる。
Figure 0005011600
【0013】
1〜R11およびXは、該ポリエーテルに対する要求性能に応じて選択することが好ましい。例えば、誘電率を低下させたい場合には、R1〜R11およびXは、誘電率低下に効果のある嵩高い置換基を用いることが好ましい。また、耐熱性を高めたい場合には、これらは耐熱性の高い置換基を用いることが好ましい。
【0014】
本発明の〔1〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法は、ジハロゲン化アセトフェノンとビスフェノール類との縮合反応工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法におけるジハロゲン化アセトフェノンは、ベンゼン環にハロゲン原子が2個以上、アセチル基が1個以上置換しているものを示す。この例を具体的に示せば、ジフルオロアセトフェノン、ジクロロアセトフェノン、ジブロモアセトフェノン、ジヨードアセトフェノン、ジフルオロメチルアセトフェノン、ジクロロメチルアセトフェノン、ジブロモメチルアセトフェノン、ジヨードメチルアセトフェノン(各々各種異性体を含む)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明におけるビスフェノール類とは1分子中に2個のフェノール性OH基をもつものであれば、特に限定されない。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、シクロヘキシリデンビスフェノール、ビス(ヒドロキシフェニル)メタノン、(1−メチル−エチリデン)ビス[2−シクロヘキシルフェノール]、シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシルフェノール]等の例が挙げられる。これらビスフェノール類を2種類以上混合して用いることも可能である。
【0016】
本発明において、ジハロゲン化アセトフェノンとビスフェノール類との縮合反応はアルカリ条件下で行うことができる。このときの溶媒は、特に限定されるものではないが、沸点および反応の進行のしやすさから、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゾフェノンなどが好適に用いられる。
【0017】
また、該縮合反応において使用されるアルカリ物質は特に限定されないが、具体的に例示すれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。これらは、固体、または水溶液などの溶液の形で用いることができる。
【0018】
縮合反応は、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気下で行われることが好ましい。また、反応温度は特に限定されないが、反応速度などの点から見て、好ましくは50℃以上300℃未満、さらに好ましくは100℃以上200℃未満である。
【0019】
また、本発明の〔2〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法は、前記〔1〕に記載のポリエーテル樹脂のアセチル基を還元反応し、CH3CHOH基に変換する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、アセチル基の還元反応は、溶媒中で還元剤と共存せしめることによって行うことができる。この時の溶媒は、特に限定されない。
【0020】
還元反応に用いられる還元剤は特に限定されないが、具体例を示せば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、トリ第二ブチル水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられる。
【0021】
また、本発明の〔3〕に記載のポリエーテル樹脂の製造方法は、前記〔2〕に記載のポリエーテル樹脂のCH3CHOH基を脱水反応し、ビニル基に変換する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、CH3CHOH基の脱水反応は、溶媒中で行われる。この場合の溶媒は、特に限定されない。脱水反応は、脱水剤と共存せしめることによってより効率的に行うことができる。
【0022】
脱水反応に用いられる脱水剤の具体例を示せば、硫酸、りん酸、硫酸水素カリウム、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体、ヨウ素、無水硫酸銅などが挙げられる。
【0023】
本発明における式(3)の単位構造を有するポリエーテルは、任意の方法で硬化させることができる。具体的には、加熱による方法の他に、電子線、光などによって硬化することが可能である。
【0024】
また、本発明における式(2)の単位構造を有するポリエーテルも、加熱により脱水反応を起こし、ビニル基を含有するポリエーテルを経由して硬化させることができる。
【0025】
本発明の絶縁材料は、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリエーテル樹脂を用いてなることを特徴とする。
本発明におけるポリエーテル樹脂を用いてなる絶縁材料としては、層間絶縁膜などの半導体またはLCD用絶縁材料、銅張積層板などのプリント配線材料が挙げられる。
【0026】
本発明の絶縁膜形成用塗布液は、(A)前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリエーテル樹脂、(B)有機溶媒を必須成分としてなることを特徴とする。本発明の絶縁膜は、前記の絶縁膜形成用塗布液を用いて得られる。
本発明において絶縁膜形成用塗布液を構成するにあたり必須成分となる有機溶媒は、有機溶媒であれば、特に限定はされない。具体的に例示すれば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロパノール等のアルコール系溶剤;アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン系溶剤;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤が工業的に入手可能な溶剤として用いることができる。また、界面活性剤、シランカップリング剤等の他の添加剤を混合することもできる。
【0027】
本発明によれば、芳香族環に直接結合した形のビニル基を含有したポリマーが得られることから、熱硬化反応を比較的低温にて行うことのできるポリエーテル樹脂を得ることができる。
【0028】
また、本発明によれば、加熱などの方法による硬化反応を行わしめることにより、耐熱性、耐薬品性、絶縁性などの点で優れた特性を示す熱硬化性ポリエーテル樹脂を得ることができる。
【0029】
さらに、本発明によれば、使用するビスフェノールを適当に選択することができ、この選択の自由度により、耐熱性、誘電率、熱硬化前の溶媒への溶解度などの点で要求性能に応じた形のポリエーテル樹脂を得ることができる。
【0030】
【実施例】
本発明を更に詳細に説明するために以下に実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
窒素気流下にて、500mL4ツ口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデン43.2g、炭酸カリウム43.2g、2’,4’−ジクロロアセトフェノン18.9g、ジメチルスルホキシド600g、およびトルエン120.0gを仕込み、170℃/8時間保温攪拌を行った。メタノール/酢酸溶液に反応生成物を加え、析出させた。析出した結晶をろ過し、大量のメタノールで洗浄し、減圧乾燥させ、55.5gの製品を得た。これを樹脂Aと呼ぶ。
【0031】
実施例2
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデンの代わりに4,4’−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール35.0gを仕込んだ以外は実施例1と同様にして55.9gの製品を得た。これを樹脂Bと呼ぶ。
【0032】
実施例3
樹脂Aを21.3g、N,N−ジメチルホルムアミド300gを500mL4つ口フラスコに仕込み、室温にて水素化ホウ素ナトリウム5.0gを加えた。80℃/6時間保温攪拌を行った。水に反応生成物を加え、析出させた。析出した結晶をろ過し、水洗、減圧乾燥させ、17.0gの製品を得た。これを樹脂Cと呼ぶ。
【0033】
実施例4
樹脂Bを23.3g、N,N−ジメチルホルムアミド300gを500mL4つ口フラスコに仕込み、室温にて水素化ホウ素ナトリウム3.8gを加えた。80℃/6時間保温攪拌を行った。メタノールに反応生成物を加え、析出させた。析出した結晶をろ過し、水洗、減圧乾燥させ、20.2gの製品を得た。これを樹脂Dと呼ぶ。
【0034】
実施例5
樹脂C5.1g、トルエン100g、メチルヒドロキノン0.2gを200mL4つ口フラスコに仕込み、120℃まで昇温した。りん酸1.2gを仕込み120℃/4hr保温・攪拌を行った。反応マスをメタノールに注入し、結晶を析出させた。乾燥後得量4.6gであった。これを樹脂Eと呼ぶ。
【0035】
実施例6
樹脂D9.4g、トルエン100g、ジメチルスルホキシド200g、メチルヒドロキノン0.6gを200mL4つ口フラスコに仕込み、120℃まで昇温した。りん酸1.2gを仕込み120℃/4hr保温・攪拌を行った。反応マスをメタノールに注入し、結晶を析出させた。乾燥後得量4.6gであった。これを樹脂Fと呼ぶ。
【0036】
プロトンNMR測定により、表1のような置換基を有するポリエーテル樹脂が得られたことが確認された。各樹脂の内容を下表にまとめておく。
【表1】
Figure 0005011600
【0037】
参考例1
500mLの4つ口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデン21.6g、苛性ソーダ4.0g、ベンゾフェノン70.0gおよびトルエン50.0gを仕込み、還流脱水を行った。脱水が完了した後、ジブロモビフェニル15.6gを添加した。さらに塩化第1銅0.05gをピリジン5gに溶解させた溶液を添加し、内温185℃で6時間反応させた。室温まで冷却させた後、メタノール600gに酢酸10gを混合した溶液に反応溶液を加え、生成物を析出させた。析出した結晶をろ過し、大量のメタノールで洗浄し、ポリエーテル樹脂を得た。この樹脂を樹脂Gと呼ぶ。
【0038】
参考例2
窒素置換した300mLの4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100mL仕込み、樹脂G4gを溶解させた。n−ブチルリチウム(1.6M、n−ヘキサン溶液)を21.5mL加え、窒素気流下1時間攪拌した後、アリルブロミド4.0gを加えさらに1時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール650g、酢酸20gの混合溶媒中に反応溶液を加え、高分子量物を析出させた。ろ過後、メタノール洗浄、水洗を行い、白色粉末状の樹脂を得た。この樹脂を樹脂Hと呼ぶ。
【0039】
実施例7、8、比較例1
樹脂E、Fをそれぞれ、固形分が20重量%になるように2−ヘプタノンに溶解させた。樹脂Gを固形分が20重量%になるようにアニソールに溶解させた。調製した各々の溶液を0.2μmフィルターでろ過し、4インチシリコンウェハーに回転数2000rpmでスピンコートし、150℃で1分間ベークした後、窒素雰囲気下、250℃で40分間熱処理を行った。
各々の塗布膜を塗布液に用いた溶媒に 分間浸漬し、耐溶剤性を調べた。この結果を表2に示す。膜厚に変化がなかったものに○、膜厚の減少が見られたものに×を付した。
【表2】
Figure 0005011600
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、熱硬化性官能基を有するポリエーテル樹脂が容易な操作で提供され、該ポリエーテル樹脂を用いて、電子デバイスの絶縁材料が得られる。本発明の絶縁材料は、誘電率が低く、耐薬品性に優れる。

Claims (10)

  1. 下式(1)の繰り返し単位を有することを特徴とするポリエーテル樹脂。
    Figure 0005011600
    (式中、R1〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示し、Xは、単結合を示す。)
  2. 下式(2)の繰り返し単位を有することを特徴とするポリエーテル樹脂。
    Figure 0005011600
    (式中、R1〜R11 それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示し、Xは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、または−CO−のいずれかを示す。)
  3. 下式(3)の繰り返し単位を有することを特徴とする熱硬化性ポリエーテル樹脂。
    Figure 0005011600
    (式中、R1〜R11 それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示し、Xは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、または−CO−のいずれかを示す。)
  4. Xが単結合、または下式(4)のいずれかであることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のポリエーテル樹脂。
    Figure 0005011600
  5. ジハロゲン化アセトフェノンとビスフェノール類との縮合反応工程を含むことを特徴とする下式(1)の繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂の製造方法。
    Figure 0005011600
    (式中、R1〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示し、Xは、単結合、−CH 2 −、−C(CH 3 2 −、−CH(CH 3 )−、−C(CH 3 )(CH 2 CH 3 )−、−C(CH 3 )(CH 2 CH(CH 3 2 )−、−O−、または−CO−のいずれかを示す。)
  6. 下式(1)の繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂のアセチル基を還元反応し、CH3CHOH基に変換する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のポリエーテル樹脂の製造方法。
    Figure 0005011600
    (式中、R 1 〜R 11 は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10の芳香族環、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボニル基を持つ置換基、またはアルコール基を持つ置換基のいずれかを示し、Xは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、または−CO−のいずれかを示す。)
  7. 請求項2に記載のポリエーテル樹脂のCH3CHOH基を脱水反応し、ビニル基に変換する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のポリエーテル樹脂の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテル樹脂を用いてなる絶縁材料。
  9. (A)請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテル樹脂、(B)有機溶媒の2種類を必須成分としてなる絶縁膜形成用塗布液。
  10. 請求項9に記載の絶縁膜形成用塗布液を用いて得られる絶縁膜。
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