JP4934893B2 - ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 - Google Patents
ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4934893B2 JP4934893B2 JP2000262676A JP2000262676A JP4934893B2 JP 4934893 B2 JP4934893 B2 JP 4934893B2 JP 2000262676 A JP2000262676 A JP 2000262676A JP 2000262676 A JP2000262676 A JP 2000262676A JP 4934893 B2 JP4934893 B2 JP 4934893B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- optionally substituted
- formula
- groups
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 C*=CC=CC=CC(*c1ccccc1)=C Chemical compound C*=CC=CC=CC(*c1ccccc1)=C 0.000 description 1
Landscapes
- Polyethers (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電子デバイス中の絶縁・被覆に用いられるポリエーテル樹脂とその製造方法および該樹脂を含む絶縁膜形成用塗布液に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIの高速化は、それを構成するトランジスタの微細化によって達成される。近年、この微細化により配線間隔が縮小し、伝達信号の遅延(配線遅延)や隣接配線間のクロストークが顕著となっており、これらがLSI自体の高性能化を妨げる重大な問題となっている。
この問題を解決する方法として、配線間を埋める絶縁膜の比誘電率を低下させることが検討されている。従来から絶縁膜として使用されているSOG(Spin on Glass)膜は塗布・焼成により、容易にデバイス基板上に絶縁膜を形成できるため、有効な材料であったが、その比誘電率は3.0〜3.9であり、充分に低い比誘電率とはいえない。配線間距離が0.25μm以下では、比誘電率が好ましくは3.0未満の絶縁膜が求められている。
【0003】
絶縁膜形成にポリエーテル樹脂を用いることは知られている。例えば、特開平9−246429号公報には、酸化重合により得られたポリフェニレンエーテル樹脂を絶縁材として用いる例が開示されている。しかしながら、酸化重合法によって得られたポリエーテル系樹脂は、溶媒への溶解度の点で、充分とは言えない。また、例えば特開平9−202823号および特開平9−202824号公報にはウルマン反応を用いたポリエーテル系樹脂の低誘電率材料への適用例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、層間絶縁材料として用いることができる比誘電率が低いポリエーテル樹脂とその製造方法、および該樹脂を用いた、比誘電率が低い絶縁膜を形成可能な絶縁膜形成用塗布液を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の樹脂について検討を行った結果、特定の構造をもつポリエーテル樹脂が、層間絶縁材料として良好な性質を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、[1]式(1)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂に係るものである。
【0007】
(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、F、Cl、Br、I原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、OR9基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。R9は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。
【0008】
式中、Xは、下記のいずれか1つまたは2つ以上の基から選ばれる。また、Yは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−CO―、―SO2−のいずれか1つまたは2つ以上から選ばれる。
【0009】
(Qは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。mは0以上4以下の整数を示し、nは0以上3以下の整数を示す。Xにおいて、Qが複数の場合には、Qは互いに同一でも異なってもよい。
Zは、水素原子、F、Cl、Br、I原子、―OZ1基、―N(Z2)(Z3)基から選ばれる。R10、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のエーテル基を有する基から選ばれる。)
ただし、R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭素数4〜10のアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基から選ばれる。)
【0010】
また、本発明は、[2]下記式(2)で表されるジハロゲン化化合物と、下記式(3)で表されるビスフェノールとを必須原料とし、アルカリ条件下で縮重合を行う前記[1]記載のポリエーテル樹脂の製造方法に係るものである。
【0011】
A−X−A (2)
(式中、Xは式(1)における定義と同じである。AはF、Cl、Br、I原子のいずれかである。)
【0012】
(式中、R1〜R8、Yは、それぞれ式(1)における定義と同じである。)
【0013】
さらに、本発明は、[3](a)前記[1]記載のポリエーテル樹脂、
(b)有機溶剤
を必須成分としてなる絶縁膜形成用塗布液に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエーテル樹脂は、前記式(1)で表される繰り返し単位を有することを特徴とし、該式(1)で表される異なる繰り返し単位を2つ以上有していてもよい。式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、F、Cl、Br、I原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、OR9基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。R9は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。
【0015】
置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基として、分岐または直鎖の炭素数1〜10のアルキル基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等の炭化水素基が挙げられる。これらは適宜置換基を有していてもよく、該置換基として炭化水素基に通常導入できる基が挙げられるが、その内、F原子、Cl原子、ヒドロキシ基等が好ましい。
そのような置換基を有するアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、フルオロヘキシル基、パーフルオロヘキシル基、フルオロオクチル基、パーフルオロオクチル基、フルオロデシル基、パーフルオロデシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、クロロブチル基、クロロヘキシル基、クロロクチル基、クロロデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられ、それぞれ各種異性体を含む。
【0016】
また、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基は、単環構造または複数の環を橋掛けで結合させた基でもよく、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチル基、ジメチルシクロオクチル基、エチルシクロオクチル基、ビシクロブチル基、スピロペンタン基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、キュバン基、ノルボルネン基等の基が挙げられる。これらは適宜置換基を有していてもよく、該置換基として炭化水素基に通常導入できる基が挙げられるが、その内、F原子、Cl原子、ヒドロキシ基等が好ましい。
そのような置換基を有する基としては、例えば、フルオロシクロブチル基、フルオロシクロペンチル基、フルオロシクロヘキシル基、フルオロメチルシクロヘキシル基、ジフルオロシクロブチル基、ジフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロオクチル基、クロロシクロブチル基、クロロシクロペンチル基、クロロシクロヘキシル基、クロロメチルシクロヘキシル基、ジクロロシクロブチル基、ジクロロシクロペンチル基、ジクロロシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロブチル基、ヒドロキシシクロペンチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシメチルシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロブチル基、ジヒドロキシシクロペンチル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基等が挙げられ、それぞれ各種異性体を含む。
【0017】
置換されていてもよいフェニル基としては、無置換のフェニル基であっても、アルキル基、F原子、Cl原子またはヒドロキシ基が、1個以上5個以下置換されたフェニル基であってもよい。置換されていてもよいフェニル基として、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ヘキサメチルフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ヘキサフルオロフェニル基、フルオロトルイル基、ジフルオロトルイル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ヘキサクロロフェニル基、クロロトルイル基、ジクロロトルイル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシトルイル基、ジヒドロキシトルイル基等が挙げられる。
【0018】
式(1)において、Yは、単結合、炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−CO−、−SO2−のいずれか1つまたは2つ以上から選ばれる。
該炭素数1〜20の炭化水素基としては、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)2−C6H4− C(CH3)2−(各種異性体を含む)、−CH=CH―、
等が例示されるが、これらに限られるものではない。
【0019】
Qは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。mは0以上4以下の整数を示し、nは0以上3以下の整数を示す。Xなる基において、Qが複数の場合には、Qは互いに同一でも異なってもよい。
Zは、水素原子、F、Cl、Br、I原子、―OZ1基、―N(Z2)(Z3)基から選ばれる。
R10、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のエーテル基を有する基から選ばれる。
置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基は、前記と同様に分岐または直鎖でもよく、F原子、Cl原子、ヒドロキシ基が置換されていてもよい。
置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基は前記と同様に、単環構造または複数の環を橋掛けで結合させた基でもよい。
置換されていてもよいフェニル基としては、前記と同様に無置換のフェニル基であっても、アルキル基、F原子、Cl原子またはヒドロキシ基が1個以上5個以下結合された基であってもよい。
【0020】
本発明の比誘電率が低い絶縁膜を与えるポリエーテル樹脂としては、式(1)におけるR1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭素数4〜10のアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基である。
炭素数4〜10のアルキル基としては、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、オクチル基、デシル基が挙げられる。
炭素数4〜10のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチル基、ジメチルシクロオクチル基、エチルシクロオクチル基、ビシクロブチル基、スピロペンタン基、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、キュバン基、ノルボルネン基等が挙げられる。
【0021】
更に、R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが、炭素数4〜10の分岐したアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基であることが、ポリエーテル樹脂の比誘電率が低下するため好ましい。炭素数4〜10の分岐したアルキル基としては、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基等が挙げられる。炭素数4〜10のシクロアルキル基としては前記の通りである。
【0022】
更に、工業的に入手しやすい原料であるイソブチレン、t−ブチルクロリド、シクロペンテン、クロロクシロペンテン、シクロヘキセン、クロロシクロヘキサン等を利用することでt−ブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基を容易に芳香族環に導入できるので、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく用いられる。
【0023】
本発明のポリエーテル樹脂は、式(2)で表されるジハロゲン化化合物と、下記式(3)で表されるビスフェノールとを必須原料とし、アルカリ条件下で縮重合を行うことによって得られる。
A−X−A (2)
(式中、Xは式(1)における定義と同じである。AはF、Cl、Br、I原子のいずれかである。)
【0024】
(式中、R1〜R8、Yは、それぞれ式(1)における定義と同じである。)
【0025】
これらのモノマーの中で、式(3)のR1〜R8として、炭素数4〜10のアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基を有するモノマーが工業的に入手しやすいため、更に好ましい。入手しやすいモノマーとしては例えば、ビス(t−ブチル)ビフェノール、ビスシクロヘキシルビフェノール、テトラ(t−ブチル)ビフェノール、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)イソプロピリデン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)イソプロピリデン、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)シクロヘプチリデン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)シクロヘプチリデン、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)フルオレン、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0026】
ジハロゲン化化合物とビスフェノールを必須原料として、アルカリ条件下で縮重合を行うときの溶媒は、特に限定されるものではない。沸点および反応の進行のしやすさから、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゾフェノン、ジフェニルエーテル等が好適に用いられる。
【0027】
また、使用するアルカリ物質は、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。これらは、固体または水溶液等の溶液の形で用いることができる。
【0028】
ジハロゲン化化合物の反応性が低い場合は、必要に応じて、アルカリ物質に加え触媒を用いることができる。具体的に例示すれば、銅、塩化銅(I)またはこれらの錯塩等が挙げられる。
【0029】
縮重合によって得られたポリエーテルは、ろ過または水洗等の処理により、金属、塩物質等の無機物質を除き、有機溶剤に溶解させた形で絶縁膜形成塗布液として提供される。このときの有機溶剤は、前記、縮重合反応時に用いた溶媒であってもその他の溶媒でもよい。人体への影響が少ない面から、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル類等が好ましい。
【0030】
ポリマー溶解時のポリマーの濃度は、通常5〜40重量%、更に好ましくは10〜20重量%に調整される。この濃度範囲よりも低濃度ではスピンコート時の膜厚が薄くなりすぎ、所望の膜厚を得るため、数回の塗布が必要となる。この濃度範囲よりも高濃度では粘度が増加するため、コーティング時の送液等が煩雑となる。
【0031】
本発明の絶縁膜形成塗布液は、スピンコート法または浸漬法によって、半導体デバイス基板上に塗布し、必要に応じて熱処理、光照射等の方法によって、塗布ムラ、ピンホール等が発生しない低誘電率絶縁膜を形成することができ、このようにして得られた低誘電率絶縁膜は、良好な電気特性はもちろん、良好な耐熱性、機械的強度を併せて発現することができる。
【0032】
【実施例】
本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
500mL4つ口フラスコに4,4’−ジクロロベンゾフェノン25.1g(0.10mol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデン35.3g(0.09mol)、o−アリルフェノール2.7g(0.02mol)、炭酸カリウム41.5g(0.30mol)、ジメチルスルホキシド300g、トルエン60gを仕込み、昇温した。トルエンと水の共沸による脱水を行った後、窒素気流下にて170℃/6hr保温攪拌を行った。反応終了後、メタノール600g、酢酸10gの混合溶媒中に反応マスをチャージし高分子量物を析出させた。次いで、得られた高分子量物をプロピレングルコールモノメチルエーテルアセテートで固形分15重量%になるように調整した。これを樹脂溶液Aとする。
【0033】
合成例2
500ml4ツ口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキシリデン21.6g(0.05mol),苛性ソーダ4.0g,ベンゾフェノン70.0gおよびトルエン50.0gを仕込み、還流脱水を行った。脱水が完了した後、ジブロモビフェニル15.6g(0.05mol)を添加した。更に塩化第1銅0.05gをピリジン5gに溶解させた溶液を添加し、内温約200℃で6時間反応させた。室温まで冷却させた後、メタノール600gに酢酸10gを混合した溶液に反応溶液を加え、生成物を析出させた。析出した結晶をろ過し、大量のメタノールで洗浄し、高分子量物を得た。次いで、該高分子量物をアニソールで固形分15重量%になるように調整した。これを樹脂溶液Bとする。
【0034】
実施例1〜2
合成例で得られた樹脂溶液を0.2μmフィルターでろ過した。これを4インチシリコンウェハーに回転数2000rpmでスピンコートし、150℃で1分間ベークした後、窒素雰囲気下、350℃で30分間熱処理を行った。得られた塗布膜の塗布性(外観)を光学式顕微鏡25倍観察で調べた。膜厚は光学式膜厚計(ナノメトリック社製、ナノッスペック210)で測定し、比誘電率は、水銀プローブ法で、動作周波数1MHzのC−V測定(エス・エス・エム社製、SSM495型)を行い、求めた。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明のポリエーテル樹脂は、比誘電率が低いので、層間絶縁材料として好適に用いることができる。該ポリエーテル樹脂を含む絶縁膜形成用塗布液を用いて、好適な絶縁膜を形成することができ、有用な半導体装置を得ることができる
Claims (3)
- 式(1)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル樹脂。
(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、F、Cl、Br、I原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、OR9基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。R9は水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。
式中、Xは、下記のいずれか1つまたは2つ以上の基から選ばれる。
(Qは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数4〜10のシクロアルキル基、または置換されていてもよいフェニル基から選ばれる。mは0以上4以下の整数を示し、nは0以上3以下の整数を示す。Xにおいて、Qが複数の場合には、Qは互いに同一でも異なってもよい。
Zは、水素原子、F、Cl、Br、I原子、―OZ1基、―N(Z2)(Z3)基から選ばれる。R10、Z1〜Z3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基または炭素数1〜10のエーテル基を有する基から選ばれる。)
式中、Yは、下記のいずれか1つまたは2つ以上の基から選ばれる。
ただし、R1〜R10、Qの中で少なくとも1つが炭素数4〜10のシクロアルキル基から選ばれる。) - (a)請求項1記載のポリエーテル樹脂、
(b)有機溶剤
を必須成分としてなる絶縁膜形成用塗布液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000262676A JP4934893B2 (ja) | 1999-09-09 | 2000-08-31 | ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25553699 | 1999-09-09 | ||
JP11-255536 | 1999-09-09 | ||
JP1999255536 | 1999-09-09 | ||
JP2000262676A JP4934893B2 (ja) | 1999-09-09 | 2000-08-31 | ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001146515A JP2001146515A (ja) | 2001-05-29 |
JP4934893B2 true JP4934893B2 (ja) | 2012-05-23 |
Family
ID=26542267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000262676A Expired - Fee Related JP4934893B2 (ja) | 1999-09-09 | 2000-08-31 | ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4934893B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5011600B2 (ja) * | 2000-09-13 | 2012-08-29 | 住友化学株式会社 | ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁材料 |
JP2003041184A (ja) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Sumitomo Chem Co Ltd | 耐熱性ポリエーテル、熱硬化性ポリエーテル、およびポリエーテル膜形成用塗布液。 |
JP2006176682A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Jsr Corp | アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61159420A (ja) * | 1985-01-07 | 1986-07-19 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 芳香族ポリエ−テル系共重合体 |
JPS62141024A (ja) * | 1985-12-13 | 1987-06-24 | Toray Ind Inc | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルアントラキノンおよびその製造方法 |
JPH0710913B2 (ja) * | 1985-12-26 | 1995-02-08 | 東レ株式会社 | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法 |
JPH01240522A (ja) * | 1988-03-18 | 1989-09-26 | Daicel Chem Ind Ltd | ポリエーテルケトン系共重合体およびその製造方法 |
JPH0258535A (ja) * | 1988-04-12 | 1990-02-27 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 芳香族エーテルケトン重合体、その製造法およびその精製法 |
-
2000
- 2000-08-31 JP JP2000262676A patent/JP4934893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001146515A (ja) | 2001-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101026096B1 (ko) | 가교성 함불소 방향족 프리폴리머 및 그 용도 | |
US6303733B1 (en) | Poly(arylene ether) homopolymer compositions and methods of manufacture thereof | |
EP2177545A1 (en) | Polymer for forming insulating film, composition for forming insulating film, insulating film, and electronic device having insulating film | |
JP4084597B2 (ja) | アミノ基含有フェノール誘導体 | |
US20040147710A1 (en) | Fluorinated aromatic polymer and use thereof | |
JP2004204010A (ja) | アダマンタン樹脂及びそれを用いる絶縁膜形成用塗布液 | |
JP4934893B2 (ja) | ポリエーテル樹脂、その製造方法および絶縁膜形成用塗布液 | |
JPS6390534A (ja) | アルカリ可溶性ラダ−シリコ−ン重合体 | |
JP4843870B2 (ja) | 新規ポリアリーレンエーテル、その製造方法及びその用途 | |
US6388044B1 (en) | Polyether resin and coating solution for forming insulation film | |
JP4734055B2 (ja) | アセチレン性三重結合を有するモノマーの重合体、これを用いる膜形成用組成物、絶縁膜および電子デバイス | |
KR20030011631A (ko) | 내열성 폴리에테르, 경화성 폴리에테르, 및 폴리에테르필름을 형성하기 위한 도포액 | |
JP2001220420A (ja) | 高分子化合物及びポジ型レジスト材料 | |
KR20040010341A (ko) | 아다만탄 화합물 및 절연 필름을 형성하는 코팅 용액 | |
JP2006253573A (ja) | 絶縁膜とそれを製造する方法、およびそれを用いた電子デバイス | |
JP4465288B2 (ja) | 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス | |
JP2006257212A (ja) | 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス | |
JP4542927B2 (ja) | 膜形成用組成物、該組成物から得られた絶縁膜およびそれを有する電子デバイス | |
US6815523B2 (en) | Polyether and its production method | |
JP2001151884A (ja) | 熱硬化性ポリエーテル樹脂とその製造方法および絶縁膜形成用塗布液 | |
US20030143332A1 (en) | Coating solution for forming insulating film | |
JP2006249256A (ja) | 膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜および電子デバイス | |
JP3195248B2 (ja) | 有機絶縁膜材料およびその製造方法 | |
US20110039037A1 (en) | Insulating film, process for producing the same and electronic device using the same | |
JP2000133648A (ja) | 絶縁膜形成用塗布液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070817 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100830 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110329 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120124 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120206 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |