JP5001186B2 - 乗算回路及び通信装置 - Google Patents

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本発明は、2つの発振信号を混合する乗算回路、及びこれを用いた通信装置に関する。
携帯電話機等の移動体通信で用いられる従来の高周波乗算回路として、図3に示すギルバートセル型ミキサ回路が知られている。この回路は、二重平衡型乗算回路であり、定電流源Iにそれぞれのソースが共通に接続されたトランジスタTr01,Tr02からなる差動対2と、トランジスタTr01のドレインにそれぞれのソースが共通に接続されたトランジスタTr03,Tr04からなる差動対4、及びトランジスタTr02のドレインにそれぞれのソースが共通に接続されたトランジスタTr05,Tr06からなる差動対6とを有する。例えば、差動対2はその入力端子IN1+,IN1−(トランジスタTr01,Tr02のゲート)に互いに逆相のRF信号VRF+,VRF−が入力され、差動対4,6は入力端子IN2+(トランジスタTr03,Tr06のゲート),IN2−(トランジスタTr04,Tr05のゲート)に互いに逆相の局部発振信号VLO+,VLO−が入力される。ここで、VRF+及びVRF−の周波数をf、振幅をA、またVLO+及びVLO−の周波数をf、振幅をAと表すと、出力端子OUT(定電圧源VDDに抵抗R01を介して接続されるトランジスタTr03,Tr05のドレイン)及び出力端子OUT(定電圧源VDDに抵抗R02を介して接続されるトランジスタTr04,Tr06のドレイン)には、それぞれ周波数(f±f)、振幅(A・A)で互いに逆相のベースバンド周波数の信号VBA+,VBA−が得られる。
特開2007−180634号公報
差動対2において、トランジスタTr01に流れる電流とトランジスタTr02に流れる電流との大小関係は差動対2への入力信号(VRF+,VRF−)に応じて変化するが、それらの和は定電流源Iにより定まる一定値となり、トランジスタTr01,Tr02それぞれのソース(点P01)の電位は差動対2への入力信号(VRF+,VRF−)には基本的には依存しない一定値となる。同様に、差動対4のトランジスタTr03,Tr04それぞれのソース(点P02)の電位はトランジスタTr01に流れる電流に応じた値に設定され、差動対4への入力信号(VLO+,VLO−)には基本的には依存せず、また、差動対6のトランジスタTr05,Tr06それぞれのソース(点P03)の電位はトランジスタTr02に流れる電流に応じた値に設定され、差動対6への入力信号(VLO+,VLO−)には基本的には依存しない。
しかし、例えば、差動対2への入力信号(VRF+,VRF−)の振幅が大きい場合には、点P01の電位が当該入力信号(VRF+,VRF−)の影響を受けて変動し得る。同様に、差動対4,6への入力信号(VLO+,VLO−)の振幅が大きい場合には、点P02,P03の電位が当該入力信号(VLO+,VLO−)の影響を受けて変動し得る。これらの点P01,P02,P03に本来課された束縛条件に反した電位変動は、出力信号(VBA+,VBA−)の歪みの原因となるという問題があった。
出力信号(VBA+,VBA−)における主要成分は基本的には上述の周波数(f±f)の成分であるが、実際には(mf±nf)(ここでm,nは自然数)を満たす他の周波数成分が発生する。上述の歪みは、この周波数成分の振幅強度の増加をもたらし、周波数変換特性を低下させるという問題があった。
これに対する対策として、点P01の電位変動に対しては、定電流源Iを構成するカレントミラー回路のトランジスタのゲート幅を大きくするという方法や、点P01とアースとの間に容量性素子を付加するという方法がある。しかし、前者の方法は電位変動を十分に抑制できず、後者の方法では、高周波用途では周波数特性を確保することが難しいという問題があった。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、大きな入力信号に対する出力信号のスプリアス成分の増加が抑制される乗算回路及び通信装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗算回路は、それぞれ、電流を導通可能なチャネルと印加電圧に応じて当該チャネルの導通を制御可能な制御端子とを有する第1電流制御素子及び第2電流制御素子が互いの前記チャネルを直列にして接続された第1乃至第4の電流路と、前記第1及び第2の電流路それぞれの一方端に共通に接続された第1の電流源と、前記第3及び第4の電流路それぞれの一方端に共通に接続された第2の電流源と、定電圧源と、前記第1乃至第4の電流路それぞれの他方端と前記定電圧源との間に設けられる複数のインピーダンス回路と、前記第1及び第3の電流路それぞれの前記他方端に共通に接続された第1出力端子と、前記第2及び第4の電流路それぞれの前記他方端に共通に接続された第2出力端子と、を有し、前記第1及び第2の電流路それぞれの前記第1電流制御素子の前記制御端子が第1発振信号を正相で入力され、前記第3及び第4の電流路それぞれの前記第1電流制御素子の前記制御端子が第1発振信号を逆相で入力され、前記第1及び第4の電流路それぞれの前記第2電流制御素子の前記制御端子が第2発振信号を正相で入力され、前記第2及び第3の電流路それぞれの前記第2電流制御素子の前記制御端子が第2発振信号を逆相で入力され、前記第1及び第2出力端子から、前記第1発振信号と前記第2発振信号との積に応じた混合信号を差動形式で出力するものである。
本発明における前記第1及び第2電流制御素子は、ドレイン−ソース間を前記チャネルとしゲートを前記制御端子とするMOSトランジスタ(MOS電界効果トランジスタ:MOSFET)で構成することができる。
本発明の好適な態様においては、前記各電流路の前記第1電流制御素子が互いに同じ特性を有し、前記各電流路の前記第2電流制御素子が互いに同じ特性を有するように構成される。
前記各電流路において、前記一方端側に前記第1電流制御素子を配置し、前記他方端側に前記第2電流制御素子を配置することができる。
本発明に係る通信装置は、無線周波数信号が入出力されるアンテナと、前記アンテナに接続されると共に、局部発回路、及び請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の乗算回路を有するRF信号処理回路と、前記RF信号処理回路に接続されると共に、ベースバンド信号を処理するベースバンド処理回路と、を備え、前記無線周波数信号、前記ベースバンド信号及び中間周波数信号のうちのいずれか1つである原信号から他の1つである目的信号への変換に際して、前記乗算回路が、前記第1及び第2発振信号の一方として入力された前記原信号と前記第1及び第2発振信号の他方として入力された前記局部発振回路からの発振信号とを乗算して前記目的信号を前記混合信号として出力することにより前記変換を行う。
従来のギルバートセル型ミキサ回路においては、差動対4を構成する各トランジスタTr03,Tr04に共通に接続されたトランジスタTr01が、トランジスタTr03,Tr04に対する電流源として機能している。この従来回路の構成と対比すれば、本発明の乗算回路の構成は、トランジスタTr03,Tr04それぞれにトランジスタTr01を接続したものに相当する。これにより、本発明の乗算回路は、従来の回路では存在した電位平衡点P02を有さない。同様に、本発明の乗算回路は、従来の回路では存在した電位平衡点P03も有さない。すなわち、本発明の乗算回路の各電流路の第1電流制御素子と第2電流制御素子との接続点の電位は、電位平衡という束縛条件を課されない。
また、従来のギルバートセル型ミキサ回路においては、差動対2を構成する各トランジスタTr01,Tr02に電流源が共通に接続される。この従来回路の構成と対比すれば、本発明の乗算回路は、トランジスタTr01に相当するトランジスタを含む一対の電流路(それぞれトランジスタTr03,Tr04に相当するトランジスタを含む並列な2つの電流路)と、トランジスタTr02に相当するトランジスタを含む一対の電流路(それぞれトランジスタTr05,Tr06に相当するトランジスタを含む並列な2つの電流路)とにそれぞれ電流源を接続した構成を有する。これにより、本発明の乗算回路は、従来の回路の点P01に相当する電位平衡点を有さない。すなわち、本発明の乗算回路の電流路の上記各対と電流源との接続点の電位は、電位平衡という束縛条件を課されず、変動可能に構成される。
よって、本発明の乗算回路では、第1電流制御素子や第2電流制御素子に対する入力信号の振幅が大きくなった場合に、その影響を、各接続点にもともと許容されている電位変動幅にて吸収することが可能となり、出力信号におけるスプリアス成分の増加が抑制可能となる。また、当該乗算回路を用いた本発明の通信装置においても、スプリアス成分の増加が抑制される効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係るダイレクトコンバージョン方式の通信装置20の概略のブロック構成図である。通信装置20は、受信系と送信系とを有し、受信系と送信系とはスイッチ22を介して選択的にアンテナ24に接続される。受信系は、ローノイズアンプ(LNA)26、受信RFバンドパスフィルタ(RXBPF)28、乗算回路30、バンドパスフィルタ(BPF)32、及びベースバンド信号処理部34を含んで構成される。送信系は、ベースバンド信号処理部34、乗算回路36、送信RFバンドパスフィルタ(TXBPF)38、及びパワーアンプ(PA)40を含んで構成される。また、両乗算回路30,36で使用される局部発振信号(LO信号)VLOを生成する発振回路42が設けられる。
アンテナ24で受信された無線周波数信号(RF信号)VRF0はスイッチ22を介して、LNA26に入力され、LNA26で増幅されたRF信号VRF0はRXBPF28に入力される。RXBPF28は、受信対象帯域にわたるRF信号VRF0から、目的受信信号を含む比較的狭い帯域のRF信号VRFを抽出する。RXBPF28で抽出されたRF信号VRFは乗算回路30に入力される。
乗算回路30は、入力されたRF信号VRFを、発振回路42から入力されるLO信号VLOと混合し、周波数がダウンコンバートされたベースバンド信号VBAを生成する。LO信号VLOの周波数fLOは、RF信号VRFに含まれる目的受信信号の搬送波周波数fRFが乗算回路30によるベースバンド信号VBAへの周波数変換にて所定のベースバンド周波数fBAに変換されるように調整される。
乗算回路30では、後述するように、基本的にRF信号VRFとLO信号VLOとの乗算処理が行われ、その出力信号には基本成分として、入力されたRF信号VRFとLO信号VLOとの和周波数の成分と差周波数の成分とが現れる。BPF32は、和周波数成分の通過を阻止し、一方、周波数fBA(≡fRF−fLO)を有する差周波数成分を通過して、乗算回路30の出力信号に含まれるベースバンド信号VBAを選択的にベースバンド信号処理部34に入力する。
ベースバンド信号処理部34は、入力されたベースバンド信号VBAから、伝送される音声やデータを復調する等の処理を行う。
一方、送信系では、ベースバンド信号処理部34は、伝送しようとする音声やデータに基づいて、ベースバンド周波数fBAを有するベースバンド信号VBAを生成する。生成されたベースバンド信号VBAは、乗算回路36に入力される。
乗算回路36は、ベースバンド信号VBAと発振回路42からのLO信号VLOとを乗算処理する。その出力信号であるRF信号VRFには基本成分として、入力された両信号VBA,VLOの和周波数の成分と差周波数の成分とが現れる。TXBPF38は、差周波数成分の通過を阻止し、乗算回路36の出力信号であるRF信号VRFのうち、和周波数fRF(≡fBA+fLO)を有するアップコンバート成分を選択的にパワーアンプ40に入力する。
TXBPF38にて抽出されたRF信号VRFは、パワーアンプ40にて電力増幅され、スイッチ22を介してアンテナ24に入力され、アンテナ24から送信される。
図2は、実施形態の高周波乗算回路の概略の構成を示す回路図である。本回路は、上述の通信装置20における乗算回路30に相当し、移動体通信における受信信号等の高周波信号(RF信号VRF)をVRF+,VRF−からなる差動形式で入力され、また、発振回路42が生成するLO信号VLOをVLO+,VLO−からなる差動形式で入力され、これら入力信号を混合して周波数変換されたベースバンド信号VBAをVBA+,VBA−からなる差動形式で出力する。
本回路は、定電圧源VDDと電流源I,Iとの間に4つの電流路10−1〜10−4を有する。各電流路10−1〜10−4は、RF信号VRFがゲートに印加されるMOSトランジスタ(Tr1〜Tr4)と、LO信号VLOがゲートに印加されるMOSトランジスタ(Tr5〜Tr8)とをそれぞれ1つずつ有し、VRF及びVLOにより電流路10−1〜10−4に流れる電流を制御可能に構成される。なお、ここでは、各MOSトランジスタTr1〜Tr8(なお、以下、これらを単にトランジスタという。)はnチャネルのMOSFETで構成される。トランジスタTr1〜Tr4は実質的に同じ特性を有し、またトランジスタTr5〜Tr8は実質的に同じ特性を有するように構成することができる。ここで、実質的に同じ特性とは、少なくとも、ソース−ドレイン間電圧に対するドレイン電流の変化特性、閾値電圧、及びトランスコンダクタンス(GM)の3つの特性が基本的に同じであるとみなせることを意味する。
具体的には、電流路10−1には、トランジスタTr1,Tr5が配置され、トランジスタTr1のドレインにトランジスタTr5のソースが接続される。トランジスタTr1のソースは、電流路10−2と共通の電流源Iに接続され、トランジスタTr5のドレインは、インピーダンス回路として設けられた例えば負荷として抵抗R1を介して定電圧源VDDに接続される。
電流路10−2には、トランジスタTr2,Tr6が配置され、トランジスタTr2のドレインにトランジスタTr6のソースが接続される。トランジスタTr2のソースは、電流路10−1と共通の電流源Iに接続され、トランジスタTr6のドレインは、インピーダンス回路として設けられた例えば負荷として抵抗R2を介して定電圧源VDDに接続される。
電流路10−3には、トランジスタTr3,Tr7が配置され、トランジスタTr3のドレインにトランジスタTr7のソースが接続される。トランジスタTr3のソースは、電流路10−4と共通の電流源Iに接続され、トランジスタTr7のドレインは、電流路10−1と同じく例えば負荷として抵抗R1を介して定電圧源VDDに接続される。
電流路10−4には、トランジスタTr4,Tr8が配置され、トランジスタTr4のドレインにトランジスタTr8のソースが接続される。トランジスタTr4のソースは、電流路10−3と共通の電流源Iに接続され、トランジスタTr8のドレインは、電流路10−2と同じく例えば負荷として抵抗R2を介して定電圧源VDDに接続される。
トランジスタTr1,Tr2のゲートは共に入力端子IN1+に接続され、正相のRF信号VRF+が印加される。一方、トランジスタTr3,Tr4のゲートは共に入力端子IN1−に接続され、逆相のRF信号VRF−が印加される。
トランジスタTr5,Tr8のゲートは共に入力端子IN2+に接続され、正相のLO信号VLO+が印加される。一方、トランジスタTr6,Tr7のゲートは共に入力端子IN2−に接続され、逆相のLO信号VLO−が印加される。
出力端子OUTは、電流路10−1,10−3と抵抗R1との接続点から引き出され、当該端子OUTからの出力信号が、正相のベースバンド信号VBA+とされる。一方、出力端子OUTは、電流路10−2,10−4と抵抗R2との接続点から引き出され、当該端子OUTからの出力信号が、逆相のベースバンド信号VBA−とされる。
なお、定電圧源VDDは正電圧を供給し、電流源I,Iは各電流路10−1〜10−4から電流を引き込む。電流源I,Iは基本的に同一構成とされ同じ電流供給能力を有する。
次に本乗算回路の動作について説明する。各電流路10−1〜10−4に流れる電流は、トランジスタTr1〜Tr8のゲートに印加される入力信号によって制御される。ここで、各トランジスタTr1〜Tr8の入力信号は、当該トランジスタが基本的に伝達特性(Vgs−Ids特性)の直線領域で動作するようにバイアスされる。
例えば、電流路10−1を構成するトランジスタTr1に流れる電流はVRF+の変化に応じて変調される。また、トランジスタTr5に流れる電流はVLO+の変化に応じて変調される。ここで、電流路10−1は、トランジスタTr1,Tr5それぞれのチャネル(ドレイン−ソース間)を直列に接続して構成されるので、当該電流路10−1に流れる電流の変動IC1は、トランジスタTr1,Tr5それぞれによる変調の積となる。これは、従来より知られた乗算回路と同様である。
例えば、時間をtとし、VRF+に応じたIC1の時間変化をAsin(2πft)、VLO+に応じたIC1の時間変化をAsin(2πft)と表すと、IC1はAsin(2πft)sin(2πft)となる。さらに加法定理を用いれば、IC1は、共に振幅が(A)で、周波数が(f±f)である2つの成分からなることが理解されるが、本発明の構成では、この振幅値Aが線形に乗算出来る事を特徴としている。
他の電流路10−2〜10−4も電流路10−1と同様に乗算回路を構成し、それぞれに流れる電流の変動IC2〜IC4はIC1と共に周波数(f±f)の成分を有する。さらに、上述のようにトランジスタTr1〜Tr4を同等とし、トランジスタTr5〜Tr8を同等とし、また、負荷抵抗R1,R2を同じ値とすることにより、各電流路10−1〜10−4を対称に構成すれば、IC1〜IC4の振幅も共通の(A)となる。ただし、各電流路10−2〜10−4を構成するトランジスタへの入力信号の正相と逆相との違いに応じて、極性の相違が生じうる。
具体的には、電流路10−3は、トランジスタTr3,Tr7それぞれへの入力信号がVRF−,VLO−であり、共に電流路10−1のトランジスタTr1,Tr5とは逆相、すなわち符号が逆である。この場合、乗算により符号の相違は相殺され、IC3は電流路10−1と同相となる。
一方、電流路10−2,10−4は、それぞれの2つのトランジスタの一方への入力信号のみが電流路10−1とは逆相となる。その結果、IC2,IC4は電流路10−1とは逆相となる。
負荷抵抗R1には互いに同相の電流変化IC1,IC3を生じる電流路10−1,10−3が並列に接続され、出力端子OUTにはIC1,IC3に応じて周波数(f±f)の電圧変化であるベースバンド信号VBA+が生じる。
負荷抵抗R2にも互いに同相の電流変化IC2,IC4を生じる電流路10−2,10−4が並列に接続され、出力端子OUTにはIC2,IC4に応じて周波数(f±f)の電圧変化であるベースバンド信号VBA−が生じる。ただし、IC2,IC4はIC1,IC3とは逆相であるためVBA−はVBA+とは逆相であり、また、VBA−及びVBA+の振幅は等しいので、すなわちVBA−=−VBA+となる。
これら互いに逆相のVBA+,VBA−が差動形式のベースバンド信号VBAとして取り出される。ちなみに、上述のように出力端子OUT,OUTにはRF信号とLO信号との和周波数成分と差周波数成分とが現れるが、乗算回路30を用いて行われるダウンコンバート処理では、BPF32のようなローパスフィルタ等を用いて和周波数成分を除去する等の方法により、差周波数成分を取り出すことができる。
各電流路10−1〜10−4は上述のようにそれぞれ乗算回路を構成し、この乗算回路の構成はギルバートセル型ミキサ回路でも用いられる。しかし、本乗算回路30は、上述したギルバートセル型ミキサ回路のような電位平衡点P01〜P03を有さない点で相違する。詳細に述べれば、本乗算回路30の電流路10−1,10−2が電流源Iに接続される点Pは電位平衡点となる。しかし、点Pでの平衡は、当該点に直接接続されるトランジスタTr1,Tr2の動作に関係するものではなく、VLO+,VLO−により差動動作するトランジスタTr5,Tr6の動作に関係するものである。つまり、電位平衡点Pは、ギルバートセル型ミキサ回路の電位平衡点P02に相当するものである。本乗算回路30では、このように、ギルバートセル型ミキサ回路にて電流路の途中に存在した電位平衡点P02に相当するものは電流路の端の点Pに置き換わり、電流路の途中には電位平衡点は存在しない。これは、トランジスタTr1とトランジスタTr5との接続点、及びトランジスタTr2とトランジスタTr6との接続点それぞれの電位の自由度が高いことを意味する。
同様に電流路10−3,10−4が電流源Iに接続される点Pは電位平衡点となるが、これはギルバートセル型ミキサ回路の電位平衡点P03に相当するものであり、電流路10−3,10−4の途中には点P03に相当する電位平衡点は存在しない。よって、トランジスタTr3とトランジスタTr7との接続点、及びトランジスタTr4とトランジスタTr8との接続点それぞれの電位が固定されず、歪の発生を低減出来る。
また、共にVRF+で駆動されるトランジスタTr1,Tr2のソースである点Pと、共にVRF−で駆動されるトランジスタTr3,Tr4のソースである点Pとはそれぞれ別々の電流源I,Iに接続されている。すなわち、本乗算回路には、ギルバートセル型ミキサ回路のVRF+で駆動されるトランジスタTr01のソースと,VRF−で駆動されるトランジスタTr02のソースとの間の電位平衡という束縛条件が課されない。
これら各接続点の電位の自由度によって、本発明の乗算回路は、トランジスタTr1〜Tr4に入力されるRF信号の振幅や、トランジスタTr5〜Tr8に入力されるLO信号の振幅が大きくなった場合に、信号波形が歪みにくい構成となる。その結果、出力信号において、高調波成分に起因する周波数(mf±nf)の成分が少なくなる。すなわち、出力信号におけるスプリアス成分の増加の抑制が図られ、電力効率の向上が図られる。また、高調波に起因する成分が少なくなることにより、乗算回路のイメージ抑圧性能が向上する。
以上、受信系の乗算回路30を例に本発明の乗算回路を説明したが、送信系の乗算回路36も同様に本発明の乗算回路を用いて構成される。その場合、例えば、入力端子IN1+,IN1−にVBA+,VBA−を入力し、入力端子IN2+,IN2−にVLO+,VLO−を入力して、出力端子OUT,OUTにVRF+,VRF−を得る。なお、乗算回路36を用いて行われるアップコンバート処理では、出力端子OUT,OUTに現れる和と差との2つの周波数成分のうち和周波数成分であるVRFがTXBPF38等のハイパスフィルタ等を用いて取り出される。
また、本発明の乗算回路は、RF信号とベースバンド信号との間を直接、周波数変換するダイレクトコンバージョン方式の通信装置だけでなく、中間周波数を有する中間信号(IF信号)を介するへテロダイン方式の通信装置にも用いることができ、その場合、RF信号とIF信号との間の周波数変換、IF信号とベースバンド信号との間の周波数変換に本発明の乗算回路を用いることができる。
なお、本乗算回路は、その基礎として差動増幅回路を用いて構成されており、ギルバートセル型ミキサ回路などと同様に、本回路を用いて増幅回路を構成することもできる。本発明の効果は、当該増幅回路においても享受することができる。
ちなみに、図1に示す回路を2つ並列に設け、一方の回路の入力信号をベクトル信号のI成分信号とし、他方の回路の入力信号をベクトル信号のQ成分信号とする増幅回路を構成することも出来る。
また、各トランジスタはバイポーラトランジスタなど、他の電流制御素子で構成することもできる。
さらに、互いのチャネルを直列にして接続される第1電流制御素子及び第2電流制御素子を1つのデュアルゲート型トランジスタで構成してもよく、それによって乗算回路を大幅に小型化することが可能となる。例えば、上述した実施形態において、トランジスタTr1及びトランジスタTr5を1つのデュアルゲート型トランジスタで構成し、トランジスタTr2及びトランジスタTr6を1つのデュアルゲート型トランジスタで構成し、トランジスタTr3及びトランジスタTr7を1つのデュアルゲート型トランジスタで構成し、トランジスタTr4及びトランジスタTr8を1つのデュアルゲート型トランジスタで構成しても構わない。
また、上述の実施形態では、各電流路10−1〜10−4の電流源側に、RF信号を入力されるトランジスタTr1〜Tr4を配置し、定電圧源側に、LO信号を入力されるトランジスタTr5〜Tr8を配置する構成を示した。しかし、RF信号を入力されるトランジスタとLO信号を入力されるトランジスタとの位置を全部又は一部の電流路にて逆とする構成も可能である。
本発明の実施形態である通信装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態である高周波乗算回路の概略の構成を示す回路図である。 ギルバートセル型ミキサ回路の構成を示す回路図である。
符号の説明
10−1〜10−4 電流路、20 通信装置、22 スイッチ、24 アンテナ、26 LNA、28 RXBPF、30,36 乗算回路、32 BPF、34 ベースバンド信号処理部、38 TXBPF、40 パワーアンプ、42 発振回路、Tr1〜Tr8 MOSトランジスタ、R1,R2 抵抗、I,I 電流源、IN1+,IN1−,IN2+,IN2− 入力端子、OUT,OUT 出力端子。

Claims (5)

  1. それぞれ、電流を導通可能なチャネルと印加電圧に応じて当該チャネルの導通を制御可能な制御端子とを有する第1電流制御素子及び第2電流制御素子が互いの前記チャネルを直列にして接続された第1乃至第4の電流路と、
    前記第1及び第2の電流路それぞれの一方端に共通に接続された第1の電流源と、
    前記第3及び第4の電流路それぞれの一方端に共通に接続された第2の電流源と、
    定電圧源と、
    前記第1乃至第4の電流路それぞれの他方端と前記定電圧源との間に設けられる複数のインピーダンス回路と、
    前記第1及び第3の電流路それぞれの前記他方端に共通に接続された第1出力端子と、
    前記第2及び第4の電流路それぞれの前記他方端に共通に接続された第2出力端子と、
    を有し、
    前記第1及び第2の電流路それぞれの前記第1電流制御素子の前記制御端子は、第1発振信号を正相で入力され、
    前記第3及び第4の電流路それぞれの前記第1電流制御素子の前記制御端子は、第1発振信号を逆相で入力され、
    前記第1及び第4の電流路それぞれの前記第2電流制御素子の前記制御端子は、第2発振信号を正相で入力され、
    前記第2及び第3の電流路それぞれの前記第2電流制御素子の前記制御端子は、第2発振信号を逆相で入力され、
    前記第1及び第2出力端子から、前記第1発振信号と前記第2発振信号との積に応じた混合信号を差動形式で出力することを特徴とする乗算回路。
  2. 請求項1に記載の乗算回路において、
    前記第1及び第2電流制御素子は、ドレイン−ソース間を前記チャネルとしゲートを前記制御端子とするMOSトランジスタであること、を特徴とする乗算回路。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の乗算回路において、
    前記各電流路の第1電流制御素子は、互いに同じ特性を有し、
    前記各電流路の第2電流制御素子は、互いに同じ特性を有すること、
    を特徴とする乗算回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の乗算回路において、
    前記各電流路には、前記一方端側に前記第1電流制御素子が配置され、前記他方端側に前記第2電流制御素子が配置されること、を特徴とする乗算回路。
  5. 無線周波数信号が入出力されるアンテナと、
    前記アンテナに接続されると共に、局部発回路、及び請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の乗算回路を有するRF信号処理回路と、
    前記RF信号処理回路に接続されると共に、ベースバンド信号を処理するベースバンド処理回路と、を備え、
    前記無線周波数信号、前記ベースバンド信号及び中間周波数信号のうちのいずれか1つである原信号から他の1つである目的信号への変換に際して、前記乗算回路は、前記第1及び第2発振信号の一方として入力された前記原信号と前記第1及び第2発振信号の他方として入力された前記局部発振回路からの発振信号とを乗算して前記目的信号を前記混合信号として出力することにより前記変換を行うこと、
    を特徴とする通信装置。
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