JP5001046B2 - 移載装置、および保持方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、一対の短辺部および一対の長辺部は前記長方形の面方向内方に突出する平坦なフランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有するフレームの移載装置、および保持方法に関する。
近年、低電圧の電力によって駆動される液晶ディスプレイが実用化され、より大形のディスプレイの需要が高まっている。液晶表示装置に使用される液晶モジュールの構造は、フレームの上にパネルを置き、ベゼルを装着してフレームにねじ止めする構造が知られている。液晶モジュールを組立てる方法として従来の組立て方法では、人の手による組立てが行われる。フレームおよびベゼルは液晶モジュールの組立てに先立って組立てられ、ハンガーに吊り下げられた状態で組立て工程に複数供給され、人が一つずつ取り出して組立てを行う。
しかし液晶モジュールが大形化し、液晶モジュールのフレームも大形になり、人の手によって組立てることが困難になってきた。段積みされたつば付きのケースを一段ずつ取り出す装置としては、ケースの段積み段ばらし装置、整列および払出し装置として、昇降アームの上昇に伴ってつば付きケースの把持動作を行う機構が知られている(たとえば特許文献1参照)。またチャック爪によって部品を保持および搬送する装置としては、部品の筒状ボス部を部品供給装置のチャック爪によって把持し、部品の凹部を押圧部材によって押圧して把持および搬送する装置が知られている(たとえば特許文献2)。
特開平10−338352号公報 特開2000−326278号公報
しかし特許文献1のケースを一段ずつ取り出す従来技術のつば部は、ケースに取付けられたつば部であって、つばが撓むことも、それによって把持が難しくなることもない。つばの撓みに対応した保持方法は、これまで知られていない。また特許文献2のチャック爪によって部品を保持および搬送する装置では、筒状ボス部を有する部品を把持することはできるけれども、可撓性を有するフレームを保持することはできない。
図17は、従来技術に係るチャック爪で可撓性を有するフレームの短辺部を保持したときの、長辺部保持用のチャック爪1と長辺部2とを表した側面図である。フレームの短辺部を短辺部保持用のチャック爪で保持した状態において、フレームに可撓性があると、長辺部2は短辺部よりも長いので、長辺部2には、短辺部に生じる撓みよりも大きな撓みが生じる。これによって、長辺部2の長辺方向の中央部は、短辺部よりも鉛直下方に変位する。したがって、短辺部保持用のチャック爪と長辺部保持用のチャック爪1とが同様の機構によって同時に作動しても、短辺部を保持すると同時に長辺部2を保持することができない。図17に示すように、長辺部保持用のチャック爪1が長辺部2に衝突したり(図17(a))、長辺部保持用のチャック爪が長辺部2に接触できなかったり(図17(b))するという問題がある。
本発明の目的は、長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、一対の短辺部および一対の長辺部は前記長方形の面方向内方に突出する平坦なフランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有するフレームを、確実に保持して搬送し、高い位置精度でフレームを載置する移載装置、および保持方法を提供することである。
本発明は、長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、前記一対の短辺部および前記一対の長辺部は、前記長方形の面方向内方に突出する平坦なフランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有し、略水平となるように予め定める第1の載置面上に載置されたフレームを、前記第1の載置面のさらに上方へ変位させて、予め定める第2の載置面上に載置する移載装置であって、
基体と、
基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、それぞれ鉛直下方から支持する短辺側支持部と、
基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する短辺側押圧部と、
基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、それぞれ鉛直下方から支持する長辺側支持部とを含むことを特徴とする移載装置である。
また本発明は、基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する長辺側押圧部と、
基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、鉛直上方から押圧する短辺側上方押さえ部材および
基体に接続され、前記短辺部を、面方向外方から押圧する短辺側外方押さえ部材のうち少なくともいずれか一方と、
基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、鉛直上方から押圧する長辺側上方押さえ部材および
基体に接続され、前記長辺部を、面方向外方から押圧する長辺側外方押さえ部材のうち少なくともいずれか一方とを、さらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前記短辺側支持部および短辺側押圧部を、外方および内方へ変位させる短辺側水平動作機構と、
前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、外方および内方へ変位させる長辺側水平動作機構と、
前記短辺側支持部、短辺側押圧部、長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して鉛直方向に変位させる鉛直移動機構と、
前記短辺側支持部、短辺側押圧部、長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して水平方向に変位させる水平移動機構とを、さらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、短辺側支持部および短辺側押圧部に対して鉛直方向に変位させる長辺側垂直動作機構をさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、短辺側水平動作機構と、長辺側水平動作機構とに電気的に接続される制御部をさらに含み、
制御部は、
前記短辺側水平動作機構が、前記短辺側支持部および短辺側押圧部を、基体に対して、同時に同じ変位量、変位させるように短辺側水平動作機構を制御し、
前記長辺側水平動作機構が、前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して、同時に同じ変位量、変位させるように長辺側水平動作機構を制御することを特徴とする。
また本発明は、前記短辺側支持部は、2つの短辺部のフランジ部分のそれぞれに対して複数あり、
前記長辺側支持部は、2つの長辺部のフランジ部分のそれぞれに対して複数あることを特徴とする。
また本発明は、前記短辺側支持部は、2つの短辺部のフランジ部分のそれぞれに対して2つあり、
前記長辺側支持部は、2つの長辺部のフランジ部分のそれぞれに対して2つあり、
4つの短辺側支持部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線と、4つの長辺側支持部および長辺側押圧部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線とは、一致することを特徴とする。
また本発明は、前記鉛直移動機構によって短辺側支持部と共に鉛直方向に変位するセンサをさらに含み、
センサは、センサから予め定める向きの、予め定める範囲に物体が存在するか否かを検知して、その情報を制御部に対して出力し、
制御部は、センサの出力に応じて鉛直移動機構を制御することを特徴とする。
また本発明は、前記長辺側支持部には、前記長辺部に当接する面として、傾斜面が形成され、
傾斜面は、前記長方形の長辺方向に延びる直線を含み、水平な仮想平面に対して角度を成し、外方から内方へ向かうにつれて鉛直上方に向かうことを特徴とする。
また本発明は、長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、前記一対の短辺部および前記一対の長辺部は、前記長方形の面方向内方に突出する平坦な各フランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有し、略水平となるように予め定める載置面上に載置されたフレームを上方へ変位させるために保持する保持方法であって、
前記一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺側支持部によって、それぞれ鉛直下方から支持する短辺支持工程と、一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺側押圧部によって、それぞれ長方形の面方向内方から面方向外方へ押圧する短辺押圧工程と、
短辺押圧工程の後、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、長辺側支持部によって、それぞれ鉛直下方から支持する長辺支持工程とを含むことを特徴とする保持方法である。
また本発明は、短辺押圧工程の後、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、長辺側押圧部によって、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する長辺押圧工程を、さらに含み、
短辺押圧工程では、一対の短辺部の各フランジ部分が、第1載置面に載置された状態における長さよりも、短辺方向に長く伸長されることを特徴とする。
本発明によれば、移載装置は、短辺側支持部および長辺側支持部を含んで構成されるので、フレームを保持することができる。長辺部の少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレームを保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレームを保持することは困難である。またフレームに凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレームを保持することは困難であるけれども、移載装置は、一対の短辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持する短辺側支持部と、一対の長辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持する長辺側支持部とを含むので、吸着パッドを用いる従来技術よりも確実にフレームを保持することができる。
また移載装置は、短辺側押圧部を含んで構成され、短辺側押圧部は一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ向けて押圧するので、各長辺部に張力を発生させることができる。これによって、各長辺部の撓みを小さくすることができる。また長辺側支持部を含むので、各長辺部の撓みを低減させて保持することができる。
また長辺部の長辺方向の少なくとも一部が可撓性を有するので、短辺側押圧部で一対の短辺部の各フランジ部分を押圧することによって、長辺部を長辺部の自然長よりも長くすることができる。これによって、フレームを載置する第2載置面上のパレットがフレームよりも小さい場合に、フレームを第2載置面上のパレットに載置することが容易になる。また長辺側支持部によって長辺の撓みを小さくして保持するので、高い位置精度でパレットにフレームを載置することができる。
また本発明によれば、移載装置は長辺側押圧部を含むので、各長辺部を、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させることができる。これによって、フレームを載置する第2載置面上のパレットがフレームよりも小さい場合に、フレームを第2載置面上のパレットに載置することが容易になる。
また移載装置は、短辺側上方押さえ部材および短辺側外方押さえ部材のうちの少なくともいずれか一方を含み、また長辺側上方押さえ部材および長辺側外方押さえ部材のうちの少なくともいずれか一方を含むので、短辺側支持部および長辺側支持部からフレームが外れて落下することを防止し、移載装置によるフレームの保持を確実にすることができる。
またパレットに載置するときにフレームおよびパレット間に摩擦力が生じても、フレームおよびパレット間の摩擦力に抗してパレットにフレームを載置することができる。フレームの撓み方が各フレーム毎に異なり、各フレーム毎に形状が異なっていても、短辺側上方押さえ部材および短辺側外方押さえ部材のうちの少なくともいずれか一方と、長辺側上方押さえ部材および長辺側外方押さえ部材のうちの少なくともいずれか一方とによって、フレームの形状を是正することができる。したがってフレームのパレットへの載置を容易にすることができ、高い位置精度でフレームを載置することができる。
また本発明によれば、鉛直移動機構を駆動することによって、短辺側支持部および長辺側支持部を、それぞれ一対の短辺部および一対の長辺部の各フランジ部分よりも低く位置させることができる。短辺側水平動作機構を駆動することによって、各短辺側支持部を一対の短辺部の各フランジ部分の鉛直下方に変位させることができる。また短辺側水平動作機構の駆動によって各短辺側押圧部を、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させ、各短辺部を押圧して、各長辺部に張力を発生させることができる。したがって、移載装置によってフレームを保持した状態において、各長辺部の撓みを低減させることができる。
また長辺側水平動作機構を駆動することによって、各長辺側支持部を一対の長辺部の各フランジ部分の鉛直下方に変位させることができる。各短辺側支持部および各長辺側支持部をそれぞれ一対の短辺部および一対の長辺部の各フランジ部分の鉛直下方に位置させた状態で鉛直移動機構を駆動することによって、フレームを保持し、第1載置面のさらに上方に変位させることができる。また移載装置は水平移動機構を含んでいるので、フレームを保持した状態でフレームを水平方向に搬送することができる。またフレームが第2載置面の上方に位置する状態から鉛直移動機構を駆動することによって、フレームを第2載置面上に載置することができる。
また本発明によれば、長辺側垂直動作機構を駆動することによって、短辺側支持部によってフレームを支持した状態において、長辺側支持部が一対の長辺部の各フランジ部分よりも低い位置に位置するように、移載装置は、長辺側支持部の位置を調整する。短辺側支持部によってフレームを支持した状態で、各長辺部の撓み量以上、鉛直下方に長辺部支持部を変位させることができるので、一対の長辺部の各フランジ部分を長辺側支持部によって支持することができる。また一対の長辺部の各フランジ部分を長辺側支持部によって鉛直下方から支持するので、長辺部の撓みを低減してフレームを保持することができる。短辺側押圧部によって各長辺部に張力を発生させて長辺部の撓みを低減した状態において、長辺部が依然として撓んでいる場合においても、各長辺部をその撓み量以上、鉛直下方から各長辺部支持部によって支持することができるので、フレームを確実に保持することができ、かつ長辺部の撓みを低減することができる。
また本発明によれば、各短辺側支持部および各短辺側押圧部は、基体に対して同時に同じ変位量、変位するので、一対の短辺部に対して鉛直下方から同時に支持することが可能になり、一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方に向けて同時に均等に押圧することが可能になる。したがって、短辺側支持部に対する各フランジ部分のぐらつぎを防止し、安定して一対の短辺部を支持することができる。
また長辺側支持部および長辺側押圧部も、基体に対して同時に同じ変位量、変位するので、一対の長辺部に対して鉛直下方から均等に支持することが可能になり、一対の長辺部の各フランジ部分を、長方形の面方向内方から面方向外方に向けて同時に均等に押圧することが可能になる。したがって、長辺側支持部に対する各フランジ部分のぐらつぎを防止し、安定して一対の長辺部を支持することができる。
一対の短辺部のそれぞれを支持する各短辺側支持部に、フレームの重量が均等にかかるので、フレームが短辺側支持部からずれ落ちる可能性を低減することができる。一対の長辺部のそれぞれを支持する各長辺側支持部においても、フレームの重量が均等にかかるので、フレームが長辺側支持部からずれ落ちる可能性を低減することができる。
また本発明によれば、一対の短辺部の各フランジ部分のそれぞれを、複数の短辺側支持部によって支持することで、フレームを保持する。これによって、短辺側支持部の短辺方向の長さを短くすることができる。したがって、短辺側支持部の一部分が短辺部に、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から接触する可能性を低減することができる。また一対の短辺部の各フランジ部分が短辺側支持部によって支持された状態において、フレームが、長辺方向に延びる軸線まわりに回転することを防止することができる。
また一対の長辺部の各フランジ部分のそれぞれを、複数の長辺側支持部によって支持することで、長辺部の撓みを低減してフレームを保持することができる。これによって、長辺側支持部の長辺方向の長さを短くすることができる。長辺部には撓みが生じるので、長辺側支持部の長辺方向の長さが長い場合には、長辺側支持部の一部分が長辺部に、前記長方形の面方向内方から接触する可能性がある。長辺側支持部の長辺方向の長さを短くすることができるので、長辺側支持部の一部分が、前記長方形の面方向内方から長辺部に接触する可能性を低減することができる。
また一対の長辺部の各フランジ部分が長辺側支持部によって支持された状態において、フレームが、短辺方向に延びる軸線まわりに回転することを防止することができる。したがって、フレーム全体を安定して保持することができる。
また本発明によれば、短辺部のフランジ部分のそれぞれは、2つの短辺側支持部によって支持されるので、短辺部のフランジ部分に湾曲または凹凸のある場合においても、フレームが長辺方向に延びる軸線まわりに角変位することを防止することができ、安定して支持することができる。長辺部のフランジ部分のそれぞれは、2つの長辺側支持部によって支持されるので、長辺部のフランジ部分に湾曲または凹凸のある場合においても、長辺部のフランジ部分のそれぞれを2つの長辺側支持部によって安定して支持することができ、フレームが短辺方向に延びる軸線まわりに角変位することを防止することができる。
また、4つの短辺側支持部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線が、短辺部および長辺部が成す長方形の中心を通る鉛直方向の仮想直線と一致するように、短辺側支持部が一対の短辺部を支持することによって、各短辺側支持部にかかるフレームの重量を均等にすることができる。したがって、短辺側支持部によって安定に一対の短辺部を支持することができる。また、4つの長辺側支持部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線が、前記長方形の中心を通る鉛直方向の仮想直線と一致するように、長辺側支持部が一対の長辺部を支持することによって、各長辺側支持部にかかるフレームの重量を均等にすることができる。したがって、長辺側支持部によって安定に一対の長辺部を支持することができる。
また本発明によれば、センサからの出力に応じて制御部が鉛直移動機構を制御し、鉛直移動機構が駆動されるので、移載装置によって保持しようとするフレームの、一対の短辺部の各フランジ部分よりも低い位置に、短辺側支持部を位置させることができる。また移載装置によって保持しようとするフレームの、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方に、短辺側押圧部を位置させることができる。したがって、移載装置が保持しようとするフレームの、一対の短辺部の各フレームを、確実に短辺側支持部および短辺側押圧部によって保持することができる。
またセンサが複数あり、予め定める複数の範囲に物体があるか否かをセンサによって検知する場合、複数のセンサの互いの情報を比較することにより、第1載置面上に載置されたフレームが傾いることおよび移載装置が保持しようとするフレームの上にフレーム以外の物体が存在することを検知することができる。したがって、短辺側支持部および短辺側押圧部によってフレームを保持できない可能性を、センサを含むことによって予知することができる。したがって、短辺側支持部および短辺側押圧部によるフレームの保持の失敗を、未然に防止することができる。
また本発明によれば、長辺側支持部には傾斜面が形成されるので、長辺側支持部が一対の長辺部に対して内方から外方へ変位することによって、長辺部を傾斜面によって押し上げることができる。長辺側支持部が長辺部に対して、内方から外方に変位すると、長辺側支持部が長辺部のフランジ部分を内方から外方へ押圧する力が、長辺部を鉛直上方へ変位させる力に変換される。したがって、長辺側支持部は、長辺部に当接して、長辺部の鉛直下方に円滑に変位することができる。長辺側支持部を内方から外方に変位させることで、長辺側支持部は各長辺部を支持することができるので、長辺側支持部を各長辺部よりも低い位置に変位させる必要がない。したがって、長辺垂直動作機構を設ける構成に比べて、移載装置の構造を簡単化することが可能になる。
また本発明によれば、保持方法は、短辺支持工程および長辺支持工程を含んで構成される。短辺支持工程では、短辺側支持部によって一対の短辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持し、長辺支持工程では、長辺側支持部によって一対の長辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持するので、フレームを支持することができる。長辺部の長辺方向の少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレームを保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレームを保持することは困難である。またフレームに凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレームを保持することは困難であるけれども、本保持方法は、一対の短辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持する短辺支持工程と、一対の長辺部の各フランジ部分を鉛直下方から支持する長辺支持工程とを含むので、吸着パッドを用いる従来の方法よりも確実にフレームを保持することができる。
また本保持方法では、短辺支持工程で一対の短辺部の各フランジ部分を支持し、短辺押圧工程で一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ向けて押圧するので、各長辺部に張力を発生させることができる。したがって、長辺部の撓み量を小さくすることができる。したがって、長辺支持工程において長辺部のフランジ部分を確実に支持することができる。また長辺支持工程において長辺部を鉛直下方から支持するので、フレームの撓み量をさらに小さくしてフレームを保持することができる。
長辺部の長辺方向の少なくとも一部には可撓性があるので、短辺押圧工程において長辺部の長辺方向の長さを長辺部の自然長よりも長くすることができる。これによって本保持方法によって保持したフレームをパレットに載置するときに、パレットがフレームよりも小さい場合には、フレームをパレットに載置することが容易になる。また長辺支持工程において長辺部の撓みを小さくして保持するので、高い位置精度でフレームをパレットに載置することが可能になる。
また本発明によれば、保持方法は、長辺押圧工程をさらに含んでいるので、短辺側支持部および長辺側支持部によってフレームを保持した状態において、フレームが短辺側支持部および長辺側支持部から外れて落下することを防止することができる。
また長辺押圧工程において長辺側押圧部は、短辺部および長辺部が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ、一対の長辺部の各フランジ部分を押圧するので、長辺部を前記長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させることができる。したがって、本保持方法によって保持したフレームをパレットに載置するときに、パレットがフレームよりも小さい場合には、フレームをパレットに載置することが容易になる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。以下の説明は、移載装置10、保持方法および移載方法についての説明をも含む。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る移載装置10の斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態において、移載装置10の移載の対象となるフレーム11が積層された状態の、フレーム11の斜視図である。本発明の第1実施形態にかかる移載装置10は、長方形を成す一対の短辺部12と一対の長辺部13とを有し、前記長方形が略水平となるように予め定める第1の載置面上に載置されたフレーム11を前記第1の載置面のさらに上方へ変位させて、予め定める第2の載置面上に載置する装置である。本発明において、「略水平」は「水平」を含む。フレーム11は、前記一対の短辺部12および前記一対の長辺部13が、前記長方形の面方向内方に突出する平坦な部分をそれぞれ有し、長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部分が可撓性を有するフレーム11である。
本発明において、長手方向を有し、長手方向に垂直な断面形状が長手方向におよそ一様である部材を、略水平に載置して、長手方向の両端のみを鉛直上方Z1に支持したときに、長手方向の全体を鉛直上方Z1に支持したときに比べて、自重によって曲がる性質を「可撓性」と称する。移載装置10による移載の対象となるフレーム11では、短辺部12のみを鉛直上方Z1に支持したとき、長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部分が撓み、あるいは屈曲し、長辺部13の全体を鉛直上方Z1に支持したときに比べて、長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部が5mm以上鉛直下方Z2に変位するものとする。たとえば長辺部13に、長辺方向Yの一部として蝶番47によって接合された部分が形成されており、短辺部12のみを鉛直上方Z1に支持したとき、蝶番47部分の屈曲によって長辺部13の一部が5mm以上、鉛直下方Z2に変位する場合を含む。
短辺部12の、短辺方向Xに垂直な断面の形状は、短辺方向Xに関しておよそ一様であり、長辺部13の長辺方向Yに垂直な断面の形状は、長辺方向Yに関しておよそ一様である。短辺部12の重さは、短辺方向Xにおよそ一様に分布しており、長辺部13の重さは、長辺方向Yにおよそ一様に分布している。
本発明において、予め定める第1の載置面上に載置されたフレーム11を、載置された状態におけるフレーム11の位置よりもさらに上方に変位させて、予め定める第2の載置面上に載置することを「移載」と称する。移載の対象となるフレーム11の、一対の短辺部12および一対の長辺部13が成す長方形の面方向内方を「面方向内方」と称し、移載を行おうとするフレーム11の、一対の短辺部12および一対の長辺部13が成す長方形の面方向外方を「面方向外方」と称する。
移載の対象となるフレーム11が、移載装置10による保持に先立って、予め定める載置面上に載置されるとき、この載置面を「第1載置面」と称する。移載の対象となるフレーム11が、移載装置10によって搬送された後、予め定める載置面上に載置されるとき、この載置面を「第2載置面」と称する。フレーム11が第2載置面16に載置されるとき、フレーム11は第2載置面16に接触しなくてもよい。第2載置面16上へのフレーム11の載置は、第2載置面16上に設けられた部材にフレーム11が接触して載置される場合も含む。
略水平に載置されたフレーム11に関して、このフレーム11を鉛直方向Zに変位させたときに、短辺部12および長辺部13が描く軌跡によって形成される仮想的な四角柱の、外部から内部へ向かう向きを「内方」と称し、内部から外部へ向かう向きを「外方」と称する。フレーム11の、一対の短辺部12が有する、面方向内方に突出する平坦な部分を「短辺側フランジ部分」と称し、フレーム11の、一対の長辺部13が有する、面方向内方に突出する平坦な部分を「長辺側フランジ部分」と称し、短辺側フランジ部分17と長辺側フランジ部分18とを合わせて「フランジ部分」と称する。
移載装置10は、基体19と、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、長辺側支持部23とを含んで構成される。短辺側支持部21は、短辺側フランジ部分17を、短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2から支持し、長辺側支持部23は長辺側フランジ部分18を、長辺側フランジ部分18の鉛直下方Z2から支持する。短辺側押圧部22は、短辺側フランジ部分17に面方向内方から当接し、短辺側フランジ部分17を面方向外方へ向けて押圧する。基体19は、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、長辺側支持部23とに機械的に接続され、これらを支持する部分である。
移載装置10は、長辺側押圧部24と、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27のうち少なくともいずれか一方と、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうち少なくともいずれか一方とをさらに含む。長辺側押圧部24は、長辺側フランジ部分18に面方向内方から当接し、長辺側フランジ部分18を面方向外方へ向けて押圧する。短辺側上方押さえ部材26は、短辺側支持部21によって支持されたフレーム11の短辺側フランジ部分17を、鉛直上方Z1から押さえ、フレーム11が短辺側支持部21から外れることを防止する。短辺側外方押さえ部材27は、短辺側支持部21によって支持されたフレーム11の短辺部12を、面方向外方から押さえ、フレーム11が短辺側支持部21から外れることを防止する。
長辺側上方押さえ部材28は、長辺側支持部23によって支持されたフレーム11の長辺側フランジ部分18を、鉛直上方Z1から押さえ、フレーム11が長辺側支持部23から外れることを防止する。長辺側外方押さえ部材29は、長辺側支持部23によって支持されたフレーム11の長辺部13を、面方向外方から押さえ、フレーム11が長辺側支持部23から外れることを防止する。長辺側押圧部24、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は、基体19に接続される。
移載装置10は、短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32と、鉛直移動機構33と、水平移動機構34とをさらに含む。短辺側水平動作機構31は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22を、外方および内方に変位させることができる。短辺側水平動作機構31は、短辺側支持部21をフレーム11に対して面方向内方から面方向外方に変位させることによって、短辺側支持部21を短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位させる。また短辺側水平動作機構31が、短辺側押圧部22をフレーム11に対して面方向内方から面方向外方へ変位させることによって、短辺側押圧部22は、短辺側フランジ部分17を面方向内方から押圧する。
長辺側水平動作機構32は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、外方および内方に変位させることができる。長辺側水平動作機構32は、長辺側支持部23をフレーム11に対して面方向内方から面方向外方に変位させることによって、長辺側支持部23を長辺側フランジ部分18の鉛直下方Z2に変位させる。また長辺側水平動作機構32が、長辺側押圧部24をフレーム11に対して面方向内方から面方向外方へ変位させることによって、長辺側押圧部24は、長辺側フランジ部分18を面方向内方から押圧する。
鉛直移動機構33は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を基体19に対して鉛直方向Zに変位させる。鉛直移動機構33は、短辺側水平動作機構31が駆動することによって、移載の対象とするフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に短辺側支持部21が位置するように、短辺側支持部21および短辺側押圧部22の鉛直方向Zの位置を調整する。鉛直移動機構33が駆動すると、短辺側支持部21および短辺側押圧部22と同時に、かつ同じ向きに、長辺側支持部23および長辺側押圧部24も鉛直方向Zに変位する。
水平移動機構34は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を基体19に対して水平方向に変位させる。短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24がフレーム11を保持した状態で、これらを水平移動機構34が水平に変位することによって、保持されたフレーム11は水平に変位する。
移載装置10は、長辺側垂直動作機構36をさらに含む。長辺側垂直動作機構36は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、短辺側支持部21および短辺側押圧部22に対して鉛直方向Zに変位させる。短辺側支持部21および短辺側押圧部22がフレーム11を保持した状態において、長辺側支持部23および長辺側押圧部24が短辺側支持部21および短辺側押圧部22よりも鉛直下方Z2に位置するように、長辺側垂直動作機構36は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を変位させる。この状態において、長辺側水平動作機構32の駆動によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24が内方から外方に変位し、長辺側支持部23は長辺側フランジ部分18の鉛直下方Z2に位置する。その後、長辺側垂直動作機構36を駆動して長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、短辺側支持部21および短辺側押圧部22と同じ高さにまで変位させると、フレーム11の短辺部12および長辺部13は水平に保持される。
移載装置10は、制御部37をさらに含む。制御部37は、短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32とに電気的に接続され、短辺側水平動作機構31および長辺側水平動作機構32を制御する。制御部37の制御によって、短辺側水平動作機構31は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22を、基体19に対して同時に同じ変位量、変位させる。また制御部37の制御によって、長辺側水平動作機構32は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を基体19に対して同時に同じ変位量、変位させる。
短辺側支持部21は、2つの短辺側フランジ部分17のそれぞれに対して複数あり、長辺側支持部23は2つの長辺側フランジ部分18のそれぞれに対して複数ある。さらに具体的には、短辺側支持部21は、2つの短辺側フランジ部分17のそれぞれに対して2つあり、長辺側支持部23は2つの長辺側フランジ部分18のそれぞれに対して2つある。
移載装置10は、センサ38をさらに含む。センサ38は、鉛直移動機構33によって短辺側支持部21と共に鉛直方向Zに変位し、予め定める範囲の向きおよび予め定める範囲の距離に物体が存在するか否かを検知して、その情報を制御部37に対して出力する。センサ38が検知する対象はフレーム11である。センサ38がフレーム11の存在を検知した状態においては、短辺側水平動作機構31が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を内方から外方に変位させることによって、短辺側支持部21が移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位し、短辺側押圧部22が短辺側フランジ部分17を面方向内方から面方向外方に押圧する。その後鉛直移動機構33が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を鉛直上方Z1に変位させると、フレーム11は短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって保持される。
センサ38がフレーム11の存在を検知しない状態においては、短辺側水平動作機構31が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を内方から外方に変位させても、短辺側押圧部22は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を押圧することができず、その後鉛直移動機構33が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を鉛直上方Z1に変位させても、短辺側支持部21は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を支持することはできない。センサ38は制御部37に電気的に接続され、センサ38から出力された情報は、制御部37による鉛直移動機構33の制御に利用される。
移載装置10によるフレーム11の移載に先立って、フレーム11を受取るためのパレットが、第2載置面16上に設けられる。パレットはフレーム11よりも小さい。パレットはフレーム11が第2載置面16上に載置されたときに、第2載置面16上において、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合する。
移載装置10は、短辺側支持部21および長辺側支持部23を含んで構成され、フレーム11を保持する。長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレーム11を保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレーム11を保持することは困難である。またフレーム11に凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレーム11を保持することは困難である。これに対し、移載装置10は、一対の短辺部12の各フランジ部分を鉛直下方Z2から支持する短辺側支持部21と、一対の長辺部13の各フランジ部分を鉛直下方Z2から支持する長辺側支持部23とを含み、吸着パッドを用いる従来技術よりも確実にフレーム11を保持する。
また移載装置10は、短辺側押圧部22を含んで構成される。短辺側押圧部22は一対の短辺部12の各フランジ部分を、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ向けて押圧し、各長辺部13に張力を発生させる。これによって、各長辺部13の撓みを小さくする。また長辺側支持部23によって、各長辺部13の撓みを低減させて保持する。
また長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部が可撓性を有するので、短辺側押圧部22が一対の短辺部12の各フランジ部分を押圧することによって、長辺部13は自然長よりも長くなる。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が自然長よりも長くなることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
また移載装置10は長辺側押圧部24を含み、各長辺部13を、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させる。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が面方向外方へ変位されることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
また移載装置10は、また長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方を含む。移載装置10が短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって短辺側を保持した状態において、短辺部12は、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27のうちの一方または両方によって、押圧される。短辺側上方押さえ部材26は、短辺側支持部21と協働して短辺部12を挟持し、短辺側外方押さえ部材27は、短辺側押圧部22と協働して短辺部12を挟持する。短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27は、短辺側支持部21からフレーム11が外れて落下することを防止する。
また移載装置10は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方を含む。移載装置10が長辺側支持部23および長辺側押圧部24によって長辺側を保持した状態において、長辺部13は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの一方または両方によって、押圧される。長辺側上方押さえ部材28は、長辺側支持部23と協働して長辺部13を挟持し、長辺側外方押さえ部材29は、長辺側押圧部24と協働して長辺部13を挟持する。長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は、長辺側支持部23からフレーム11が外れて落下することを防止する。
移載装置10は、第2載置面16上のパレットに対して、フレーム11を鉛直上方Z1から嵌合させる。このときにパレットとフレーム11がとの間に摩擦力が生じても、移載装置10はパレットおよびフレーム11間の摩擦力に抗して、フレーム11を第2載置面16上のパレットに載置する。またフレーム11の撓み方が各フレーム11毎に異なり、各フレーム11毎に形状が異なっていても、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27のうちの少なくともいずれか一方と、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方とによって、フレーム11の形状を是正する。
また移載装置10は鉛直移動機構33と短辺側水平動作機構31と水平移動機構34を含んで構成される。移載装置10は、短辺側支持部21による短辺側フランジ部分17の支持に先立って、鉛直移動機構33を駆動することによって、短辺側支持部21および長辺側支持部23を、それぞれ一対の短辺側フランジ部分17および一対の長辺側フランジ部分18よりも低く位置させる。この状態において短辺側押圧部22は、面方向内方に位置する。次に短辺側水平動作機構31を駆動することによって、各短辺側支持部21を一対の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位させ、短辺側押圧部22によって、各短辺側フランジ部分17を面方向外方へ変位させる。これによって短辺側押圧部22は、一対の長辺部13に張力を発生させ、長辺部の撓み量d1を低減し、長辺部13の長さを自然長よりも長くする。
次に移載装置10は、鉛直移動機構33を駆動し、短辺側支持部21および短辺側押圧部22を第1載置面14のさらに上方に変位させることによって、短辺部12を保持する。この後、長辺側水平動作機構32を駆動することによって、各長辺側支持部23を一対の長辺部13の各フランジ部分の鉛直下方Z2に変位させる。移載装置10は、フレーム11を保持した状態で、水平移動機構34を駆動し、短辺部12側支持部、短辺側押圧部22および長辺側支持部23を水平に変位することによって、フレーム11を水平に搬送する。またフレーム11が第2載置面16の上方に位置させた状態で、鉛直移動機構33を駆動する。これによって、移載装置10は、保持および搬送したフレーム11を、第2載置面16上に載置する。
また移載装置10は、長辺側垂直動作機構36を含んで構成される。長辺側垂直動作機構36を駆動することによって、短辺側支持部21によってフレーム11を支持した状態において、長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18よりも低い位置に位置するように、長辺側支持部23の位置を調整する。長辺側垂直動作機構36は短辺側支持部21および短辺側押圧部22を変位させることはなく、長辺側支持部23は、支持されたフレーム11よりも低い位置に変位される。この状態から、長辺側水平動作機構32を駆動することによって、長辺側支持部23を長辺側フランジ部分18よりも鉛直下方Z2に位置させる。その後、長辺側垂直動作機構36を駆動し、長辺側支持部23を鉛直上方Z1に変位させ、長辺側フランジ部分18を長辺側支持部23によって支持する。長辺側支持部23は、長辺部の撓み量を低減して、長辺側フランジ部分18を支持する。
また移載装置10は、制御部37を含んで構成され、制御部37は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24が、基体19に対して同時に同じ変位量、変位するように制御を行う。これによって、短辺側支持部21は、短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から同時に支持し、短辺側押圧部22は、短辺側フランジ部分17を、面方向内方から面方向外方へ同時に押圧する。長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から同時に支持し、長辺側押圧部24は長辺側フランジ部分18を面方向内方から面方向外方へ同時に押圧する。これによって、一対の短辺部12のそれぞれを支持する各短辺側支持部21には、フレーム11の重量が均等にかかり、一対の長辺部13のそれぞれを支持する各長辺側支持部23においても、フレーム11の重量が均等にかかる。
また移載装置10は、短辺側フランジ部分17のそれぞれを、複数の短辺側支持部21によって支持し、短辺部12側フランジ部分が短辺側支持部21によって支持された状態において、フレーム11が、長辺方向Yに延びる軸線まわりに回転することを防止する。長辺側フランジ部分18のそれぞれを、複数の長辺側支持部23によって支持し、長辺側フランジ部分18が長辺側支持部23によって支持された状態において、フレーム11が、短辺方向Xに延びる軸線まわりに回転することを防止する。
さらに具体的には、短辺側フランジ部分17のそれぞれは、2つの短辺側支持部21によって支持され、フレーム11が長辺方向Yに延びる軸線まわりに角変位することは防止される。長辺側フランジ部分18のそれぞれは、2つの長辺側支持部23によって支持され、フレーム11が短辺方向Xに延びる軸線まわりに角変位することは防止される。
また、4つの短辺側支持部21が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線が、短辺部12および長辺部13が成す長方形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線と一致するように、短辺側支持部21は短辺側フランジ部分17を支持し、各短辺側支持部21にかかるフレーム11の重量を、各短辺側支持部21によって、均等に分担する。
また4つの長辺側支持部23が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線が、前記長方形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線と一致するように、長辺側支持部23は一対の長辺部13を支持し、各長辺側支持部23にかかるフレーム11の重量を、各長辺側支持部23によって、均等に分担する。
また移載装置10は、センサ38を含んで構成される。短辺側支持部21が短辺側フランジ部分17を支持するとき、短辺側支持部21は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位し、短辺側押圧部22は短辺側フランジ部分17を面方向内方から面方向外方に押圧する。これらが可能となるような、フレーム11との相対位置に短辺側支持部21が位置するとき、センサ38はフレーム11を検出する。短辺側支持部21の、フレーム11に対する相対位置がこのような位置にないとき、短辺側水平動作機構31が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を内方から外方に変位させても、短辺側押圧部22は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を押圧することができず、その後鉛直移動機構33が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を鉛直上方Z1に変位させても、短辺側支持部21は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を支持することはできない。このようなとき、センサ38はフレーム11を検出しない。
制御部37は、センサ38からの出力に応じて鉛直移動機構33を制御し、移載装置10によって保持しようとするフレーム11の、一対の短辺部12の各フランジ部分よりも低い位置に、短辺側支持部21を位置させる。また移載装置10によって保持しようとするフレーム11の、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方に、短辺側押圧部22を位置させる。
またセンサ38が複数あり、予め定める複数の範囲に物体があるか否かをセンサ38によって検知する場合、複数のセンサ38の互いの情報を比較することにより、第1載置面14上に載置されたフレーム11が傾いることおよび移載装置10が保持しようとするフレーム11の上にフレーム11以外の物体が存在することを検知する。これによってセンサ38は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によってフレーム11を保持できない可能性を予知し、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によるフレーム11の保持の失敗を、未然に防止する。
保持方法は、短辺支持工程および長辺支持工程を含んで構成される。短辺支持工程では、短辺側支持部21によって短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から支持し、長辺支持工程では、長辺側支持部23によって長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持する。長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレーム11を保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレーム11を保持することは困難である。またフレーム11に凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレーム11を保持することは困難である。これに対し本保持方法は、短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から支持する短辺支持工程と、長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持する長辺支持工程とを含むことによって、フレーム11を保持する。
また本保持方法では、短辺支持工程で短辺側フランジ部分17を支持し、短辺押圧工程で短辺側フランジ部分17を、面方向内方から面方向外方へ向けて押圧し、各長辺部13に張力を発生させ、長辺部の撓み量を小さくする。また長辺支持工程において長辺部13を鉛直下方Z2から支持し、フレーム11の撓み量をさらに小さくしてフレーム11を保持する。
長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には可撓性があり、短辺押圧工程において長辺部13の長辺方向Yの長さを長辺部13の自然長よりも長くする。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が自然長よりも長くなることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
また保持方法は、長辺押圧工程をさらに含み、短辺側支持部21および長辺側支持部23によってフレーム11を保持した状態において、フレーム11が短辺側支持部21および長辺側支持部23から外れて落下することを防止する。
また長辺押圧工程において長辺側押圧部24は、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ、一対の長辺部13の各フランジ部分を押圧し、長辺部13を前記長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させる。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が面方向外方に変位することによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
図2は、前述のように、本発明の第1実施形態において、移載装置10の移載の対象となるフレーム11が積層された状態の、フレーム11の斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態において、長辺部13が撓み、その長辺方向Yの中央部が鉛直下方Z2に変位した状態の、長辺部13の側面図である。図4は、本発明の第1実施形態において、積層されたフレーム11の長辺部13を、長辺方向Yに垂直な平面によって切断して見た断面図である。フレーム11は2つの短辺部12および2つの長辺部13を含んで構成される。第1実施形態において、フレーム11は液晶表示装置のフレーム11であるものとする。
2つの短辺部12と2つの長辺部13とは、長方形を形成する。この長方形が水平となるように、短辺部12および長辺部13全体を鉛直上方Z1に支持すると、2つの短辺部12および2つの長辺部13のそれぞれは、厚み方向が水平となるような板状の部材と、厚み方向が鉛直となる板状の部材を含んで構成される。短辺部12の、厚み方向が鉛直となる板状の部材は、短辺側フランジ部分17であり、長辺部13の、厚み方向が鉛直となる板状の部材は長辺側フランジ部分18である。以下、短辺部12のうち、厚み方向が水平となる部分を「短辺側垂直平板部」と称し、長辺部13のうち、厚み方向が水平となる部分を「長辺側垂直平板部」と称する。第1実施形態において短辺部12の短辺方向Xに垂直な断面形状、および長辺部13の長辺方向Yに垂直な断面形状はL字形であり、第1載置面14上に載置されるとき、短辺部12の短辺方向Xに垂直な断面形状、および長辺部13の長辺方向Yに垂直な断面形状は逆L字形となるように載置される。
短辺側垂直平板部39および短辺側フランジ部分17の、短辺方向Xに垂直な断面の形状は、短辺方向Xにおよそ一様な形状であり、短辺方向Xに垂直な断面の面積は、短辺方向Xにおよそ一様な面積である。短辺側フランジ部分17は、短辺側垂直平板部39の鉛直方向Z一端部から面方向内方に突出して形成される。長辺側垂直平板部41および長辺側フランジ部分18の、長辺方向Yに垂直な断面の形状は、長辺方向Yにおよそ一様な形状であり、長辺方向Yに垂直な断面の面積は、長辺方向Yにおよそ一様な面積である。長辺側フランジ部分18は、長辺側垂直平板部41の鉛直方向Z一端部から面方向内方に突出して形成される。
短辺側垂直平板部39および短辺側フランジ部分17には、移載装置10による移載の後、機械によって雄ねじを螺合させるための雌ねじが形成される。また短辺側垂直平板部39および短辺側フランジ部分17には液晶表示装置の他の部品との位置決めを行うための凸部および凹部が形成される。
短辺部12および長辺部13が成す長方形を略水平に載置したとき、短辺側フランジ部分17と長辺側フランジ部分18とは、短辺側垂直平板部39および長辺側垂直平板部41に関して鉛直方向Zのうちの同じ側に位置する。移載装置10による保持を目的として、第1載置面14上にフレーム11を載置するときには、短辺側フランジ部分17および長辺側フランジ部分18は、短辺側垂直平板部39および長辺側垂直平板部41に関して、鉛直上方Z1に位置するように載置される。
第1実施形態において短辺部12および長辺部13は、ポリカーボネートから成り、短辺部12の短辺方向Xの長さは、800mm、長辺部13の長辺方向Yの長さは1400mmである。このフレーム11を、一対の短辺部12を支持することによって鉛直上方Z1に変位させると、長辺部13は撓み、その撓み量d1は、長辺方向Yの中央部において15mmほどである。フレーム11を一対の長辺部13を支持することによって鉛直上方Z1に変位させると、短辺部12はその短辺方向Xの中央部において5mmほど鉛直下方Z2に変位する。第1実施形態において短辺部12は短辺方向X全体にわたって可撓性を有し、長辺部13は長辺方向Y全体にわたって可撓性を有する。
図2に示したように、移載装置10による移載に先立って、第1載置面14上には、フレーム11が15個、積載された状態で供給される。第1載置面14上において、積載されたフレーム11の最下部には、移載装置10への供給および第1載置面14上でのフレーム11の位置決めのためのパレットが載置される。以下、第1載置面14上に載置されたパレットを「第1パレット」と称する。移載装置10に対する第1パレット42の位置精度は0.05mm程度である。第1パレット42を鉛直方向Zに見ると、長方形の形状である。第1パレット42の形状は、第1パレット42上に載置されるフレーム11の形状に対応する。第1パレット42が成す長方形の4つの頂点に位置する角部からは、鉛直方向Zに延びる角柱状の部材が取付けてある。以下、これを「支柱」と称する。
第1パレット42から延びる4つの支柱43は、第1パレット42に載置されるフレーム11の2つの短辺側フランジ部分17の両端部と2つの長辺側フランジ部分18の両端部とに接する。換言すれば、第1パレット42から延びる4つの支柱43は、フレーム11の面方向内方に形成される長方形の孔に貫通し、長方形の4つの頂点において、この長方形の孔を規定する部分に接する。第1パレット42から延びる4つの支柱43は、積載されたフレーム11が面方向内方および面方向外方にパレットからずれることを防止する。
第1実施形態において、第1パレット42に積載されたフレーム11は、鉛直方向Zに15個積載される。第1パレット42から延びる4つの支柱43の高さは、略水平に載置されたフレーム11が鉛直方向Zに15個積載されたときの高さよりも高い。移載装置10が、短辺側支持部21及び短辺側押圧部22によってフレーム11を保持するときには、長辺部13の一部が鉛直下方Z2に変位した状態で、この変位した部分が、隣接するフレーム11に接触しないようにフレーム11を持ち上げる。このとき、保持されたフレーム11の長方形の孔には、4つの支柱43が貫通した状態としておく。これによって、短辺側押圧部22による長辺部の撓み量の低減および長辺側支持部23による長辺部13の支持などの作業を、フレーム11の水平方向への変位が支柱43によって阻止される状態において行うことができる。
第1実施形態において短辺部12および長辺部13は可撓性を有する。短辺部12の短辺方向Xの長さは長辺部13の長辺方向Yの長さに比べて短いので、短辺部12の短辺方向Xの中央部が鉛直下方Z2に、自重によって変位する変位量は、長辺部13の長辺方向Yの中央部が鉛直下方Z2に、自重によって変位する変位量よりも小さい。以下、短辺部12の短辺方向Xの中央部の自重による変位量を「短辺部の撓み量」と称し、長辺部13の長辺方向Yの中央部の自重による変位量を「長辺部の撓み量」と称する。第1パレット42に積載された各フレーム11を下から「第1段」、「第2段」と称し、下から数えて3つめ以上の各フレーム11についても、同様に「第3段」「第4段」と同様の方法で呼称することにする。第1実施形態においてフレーム11は、第15段まで積載される。
第1段よりも鉛直上方Z1に積載される第2段以上のフレーム11の短辺部12においては、短辺部の撓み量が見られる。また第2段以上のフレーム11の長辺部13においても長辺部の撓み量が見られる。鉛直上方Z1のフレーム11ほど、短辺部の撓み量は大きくなるけれども、第2段以上のフレーム11の、鉛直方向Zに隣り合うフレーム11の短辺部の撓み量の差は、第1段のフレーム11の短辺部の撓み量と第2段のフレーム11の短辺部の撓み量との差に比べて小さい。長辺部の撓み量については、第2段以上のフレーム11の、鉛直方向Zに隣り合うフレーム11の長辺部の撓み量の差は、第1段のフレーム11の長辺部の撓み量と第2段のフレーム11の長辺部の撓み量との差に比べて小さいけれども、鉛直上方Z1のフレーム11ほど、長辺部の撓み量は大きくなる。
第1実施形態において短辺部12および長辺部13の材質は同じであるけれども、長辺部13の長辺方向Yの長さは、短辺部12の短辺方向Xの長さに比べて長いので、長辺部の撓み量は、第2段以上に積層されたいずれのフレーム11についても、短辺部の撓み量よりも大きい。
移載装置10が第1パレット42上に積載されたフレーム11を第2パレット44上に移載するとき、移載装置10は、最上段に載置されるフレーム11から、1つずつ移載する。フレーム11が第15段まで積載されているときには、第15段が最上段であり、第15段が移載された後は、第14段が最上段となる。移載装置10は、最上段のフレーム11を保持し、第1パレット42の鉛直上方Z1に変位させ、その後水平方向に、第2パレット44の鉛直上方Z1にまで搬送して、その後鉛直下方Z2にフレーム11を変位することによって第2パレット44上に載置する。
第2載置面16は、コンベアであり、第2載置面16上には、移載装置10からフレーム11を受取るためのパレットが載置される。以下、移載装置10からフレーム11を受取るためのパレットを「第2パレット」と称する。第2パレット44は、フレーム11の短辺側垂直平板部39および長辺側垂直平板部41に面方向内方から接触して、フレーム11に対して嵌合する。フレーム11に形成される、液晶表示装置の他の部品との位置決めに用いられる凸部に対しては、第2パレット44のフレーム11に対する嵌合を妨げないように、フレーム11の凸部に対応した凹部が、第2パレット44に形成されている。第2パレット44に載置されたフレーム11は、移載装置10による移載の後に、機械による自動的なねじ止め、他の部品との組み立てが行われるので、第2パレット44に対するフレーム11の位置精度は、高ければ高いほどよい。第2パレット44のうち、フレーム11に嵌合する部分より鉛直下方Z2には、鉛直方向Zに見てフレーム11よりも大きな部分があり、この部分で、第2載置面16に対して第2パレット44の位置が決められ、固定されている。
移載装置10の基体19に対して相対位置が固定された部分には、第2パレット確認用のセンサ46が設けられる。第2パレット確認用のセンサ46は、コンベアの駆動によって搬送されてきた第2パレット44の存在を確認し、第2パレット44が予め定める位置に停止したことを確認して信号を出力する。第2パレット確認用のセンサ46が出力する信号は、移載装置10の制御部37に送られ、制御部37によって利用される。
図5は、本発明の第1実施形態における、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、短辺側水平動作機構31、長辺側水平動作機構32、および鉛直機構の平面図である。図6は、本発明の第1実施形態において、短辺側支持部21が支持しようとするフレーム11の短辺側フランジ部分17よりも低い位置に到達したときの、短辺側支持部21、短辺側押圧部22およびセンサ38の側面図である。
第1実施形態において短辺側支持部21は、短辺側フランジ部分171つに対して2つあり、短辺側フランジ部分17は2つあるので、短辺側支持部21は4つある。短辺側支持部21は略水平に内方から外方に突出した平坦な板状の部材である。短辺側支持部21の内方の端部からは、鉛直上方Z1に延びる平坦な板状の部材が、短辺側押圧部22として形成される。短辺側支持部21および短辺側押圧部22は、ナイロンから成り、一体として形成される。
1つの短辺側フランジ部分17を保持する2つの短辺側支持部21は、短辺方向Xに離れて形成される。短辺方向Xに離れる2つの短辺側支持部21間の距離は、短辺方向Xに離れる支柱43間の距離よりも短い。短辺側支持部21が短辺側フランジ部分17の鉛直方向Z下方に位置した状態において、短辺方向一方の短辺側支持部21は、短辺部12の短辺方向X中央部と、短辺方向一方の短辺部12に接する支柱43との中央付近に位置する。短辺側支持部21が短辺側フランジ部分17の鉛直方向Z下方に位置した状態において、短辺側支持部21は、支柱43近傍には位置しない。
1つの長辺側フランジ部分18を保持する2つの長辺側支持部23は、長辺方向Yに離れて形成される。長辺方向Yに離れる2つの長辺側支持部23間の距離は、長辺方向Yに離れる支柱43間の距離よりも短い。長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18の鉛直方向Z下方に位置した状態において、長辺方向一方の長辺側支持部23は、長辺部13の長辺方向Y中央部と、長辺方向一方の長辺部13に接する支柱43との中央付近に位置する。長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18の鉛直方向Z下方に位置した状態において、長辺側支持部23は、支柱43近傍には位置しない。
短辺側支持部21および短辺側押圧部22は、短辺側水平動作機構31の駆動によって、水平に変位する。短辺側支持部21、短辺側押圧部22および短辺側水平動作機構31は、鉛直移動機構33によって、鉛直方向Zに変位する。短辺側水平動作機構31は、ボールねじおよびこれを回転させるモータを含んで構成される。
4つの短辺側支持部21が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの直線と、4つの短辺側押圧部22が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの直線とは、移載するフレーム11の短辺部12および長辺部13が成す長方形の中心を鉛直方向Zに通る直線に一致する。短辺側水平動作機構31によって短辺側支持部21および短辺側押圧部22が変位しても、4つの短辺側支持部21が成す四角形の中心と、4つの短辺側押圧部22が成す四角形の中心とは、常に同じ位置となる。短辺側水平動作機構31は制御部37に電気的に接続されており、短辺側水平動作機構31の変位量および駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。
第1実施形態において長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分181つに対して2つあり、長辺側フランジ部分18は2つあるので、長辺側支持部23は4つある。長辺側支持部23は略水平に内方から外方に突出した平坦な板状の部材である。長辺側支持部23の内方の端部からは、鉛直上方Z1に延びる平坦な板状の部材が、長辺側押圧部24として形成される。長辺側支持部23および長辺側押圧部24は、ナイロンから成り、一体として形成される。
長辺側支持部23および長辺側押圧部24は、長辺側水平動作機構32の駆動によって、水平に変位する。長辺側支持部23、長辺側押圧部24および長辺側水平動作機構32は、鉛直移動機構33によって、鉛直方向Zに変位する。長辺側水平動作機構32は、ボールねじおよびこれを回転させるモータによって駆動される。
4つの長辺側支持部23が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの直線と、4つの長辺側押圧部24が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの直線とは、移載するフレーム11の長辺部13および長辺部13が成す長方形の中心を鉛直方向Zに通る直線に一致する。長辺側水平動作機構32によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24が変位しても、4つの長辺側支持部23が成す四角形の中心と、4つの長辺側押圧部24が成す四角形の中心とは、常に同じ位置となる。長辺側水平動作機構32は制御部37に電気的に接続されており、長辺側水平動作機構32の変位量および駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。
図7は、本発明の第1実施形態において、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27によって短辺部12を保持した状態を表す図である。第1実施形態において移載装置10は、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27の両方を含んで構成される。また移載装置10は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29の両方を含んで構成される。短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、長辺側上方押さえ部材28のうち、フレーム11に当接するそれぞれの部材の先端部は、ナイロンで形成される。これらの押さえ部材は先端部以外にアーム部を備えており、アームはこれら押さえ部材を変位させる駆動源である複動式エアシリンダに接続される。
第1実施形態において、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は、複動式エアシリンダによって駆動される。これらの部材の駆動源である複動式エアシリンダは、制御部37に電気的に接続されており、これらの複動式エアシリンダの駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。複動式エアシリンダの駆動は、その始点および終点において機械的なストッパを設けることによって、変位の範囲が予め定められる。
図8は、本発明の第1実施形態において、短辺側フランジ部分17が短辺側押圧部22によって面方向外方に押圧され、長辺部の撓み量が低減した状態を表す側面図である。短辺側水平動作機構31は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27を水平方向に変位させる。長辺側水平動作機構32は、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29を水平方向に変位させる。短辺側水平動作機構31および長辺側水平動作機構32の変位量および時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。短辺側水平動作機構31が短辺側押圧部22を面方向外方に変位させると、長辺部13には張力が発生し、長辺部の撓み量はd1からd2に低減される。ただしd1およびd2は距離であり、d1>d2である。
図9は、本発明の第1実施形態において、長辺側垂直動作機構36によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24が、鉛直下方Z2に変位した長辺部13よりも低い位置に到達した状態を表す側面図である。長辺側垂直動作機構36は、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29および長辺側水平動作機構32を鉛直方向Zに変位させる。長辺側垂直動作機構36は、複動式エアシリンダを含んで構成される。長辺側垂直動作機構36において複動式エアシリンダの駆動力は、長辺側垂直動作用のアームに接続され、この長辺側垂直動作用のアームは、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29および長辺側水平動作機構32に伝達され、これらを一体として、同時に鉛直方向Zに変位させる。
長辺側垂直動作機構36は、制御部37に電気的に接続されており、長辺側垂直動作機構36の変位量および駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。長辺側垂直動作機構36の変位量は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22でフレーム11を保持したときの、長辺部の撓み量よりも大きいものとする。
鉛直移動機構33は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、短辺側水平動作機構31、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、および長辺側垂直動作機構36を鉛直方向Zに変位させる。鉛直移動機構33は、ラックアンドピニオンおよびこれを動作させるモータを含んで構成される。鉛直移動機構33においてラックアンドピニオンは、鉛直変位用のアームに接続され、この鉛直変位用のアームは、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、短辺側水平動作機構31、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、および長辺側垂直動作機構36を保持し、これらを一体として、同時に鉛直方向Zに変位させる。鉛直移動機構33は、制御部37に電気的に接続されており、長辺側垂直動作機構36の変位量および駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。
水平動作機構は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、短辺側水平動作機構31、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、長辺側垂直動作機構36、および鉛直移動機構33を水平方向に変位させる。水平移動機構34は、ラックアンドピニオンおよびこれを動作させるモータを含んで構成される。水平移動機構34においてラックアンドピニオンは、水平変位用のアームに接続され、この水平変位用のアームは、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、短辺側水平動作機構31、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、長辺側垂直動作機構36、および鉛直移動機構33を保持し、これらを一体として、同時に略水平な方向に変位させる。水平移動機構34は、制御部37に電気的に接続されており、長辺側垂直動作機構36の変位量および駆動の時期は、制御部37によって制御されることによって決定される。
第1実施形態において移載装置10はセンサ38を含んで構成される。センサ38は、鉛直変位用のアームに取り付けられ、センサ38よりも低い位置の予め定める範囲内に物体が存在するか否かを検知する。センサ38は赤外線を発して、物体がこの赤外線を反射して反射光がセンサ38に入射したときに、反射光を検出することによって、物体の存在を検知する、フォトインタラプタを含んで構成される。センサ38は短辺側支持部21の鉛直方向Zの変位に伴って、短辺側支持部21と共に変位する。これによって、センサ38とフレーム11との相対位置は変化する。短辺側支持部21が水平に変位することによって短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置することができるような範囲に、短辺側支持部21が到着したときの、センサ38とフレーム11との相対位置においては、センサ38はフレーム11の存在を感知し、信号を制御部37に対して出力する。短辺側支持部21が水平に変位することによって短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置することができるような範囲に、短辺側支持部21が到着していないとき、およびこの範囲を短辺側支持部21が通り過ぎてしまったときには、センサ38はフレーム11の存在を感知しない。センサ38は、移載装置10が作動している間、常に作動しており、フレーム11の存在を感知しないときには、感知したときとは異なる信号を、制御部37に対して送る。
図10は、本発明の第1実施形態において、移載装置10の電気的接続関係を表すブロック図である。制御部37は、短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32と、鉛直移動機構33と、水平移動機構34と、長辺側垂直動作機構36と、センサ38と、第2パレット確認用のセンサ46と、短辺側上方押さえ部材26の駆動源と、短辺側外方押さえ部材27の駆動源と、長辺側上方押さえ部材28の駆動源と、長辺側外方押さえ部材29の駆動源と、エラー表示部54およびエラー報知部とに接続される。制御部37は、中央演算処理装置(Central Processing Unit, 略称「CPU」)とランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, 略称「RAM」)とを含んで構成されるコンピュータである。制御部37に含まれるCPUは、1つであってもよいし、複数のCPUを含み、複数のCPUがそれぞれ互いに協働して機能する構成であってもよい。また制御部37に含まれるRAMは、1つであってもよいし、複数あってもよい。
制御部37は、第2パレット確認用のセンサ46から予め定める第2載置面16上に第2パレット44が到着したことによる信号を受取り、水平移動機構34を作動させる。フレーム11の存在を確認するセンサ38からの信号を常時受取りながら、鉛直移動機構33を作動させる。また制御部37は、センサ38から、フレーム11の存在が確認されたことによる信号を受取り、鉛直移動機構33の作動を停止し、短辺側水平動作機構31を作動させる。短辺側水平動作機構31による短辺側押圧部22の変位量は、制御部37が決定する。
短辺側水平動作機構31によって短辺側支持部21を面方向内方から面方向外方に変位させることによって、短辺側支持部21を最上段のフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置させる。この短辺側支持部21の位置は、最上段のフレーム11よりも鉛直下方Z2に位置するフレーム11の短辺側フランジ部分17に対しては、鉛直上方Z1の位置である。
短辺側支持部21を短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置させた後、制御部37は、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27の駆動源を作動させる。この駆動源は複動式エアシリンダに対する圧縮空気供給源である。これによって短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27は短辺部12に対して鉛直上方Z1および面方向外方から外力を付与し、フレーム11が短辺側支持部21から外れて落下することを防止する。
次に、制御部37は、鉛直移動機構33を作動させる。鉛直移動機構33によって短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27を鉛直上方Z1に変位させることによって、フレーム11を鉛直上方Z1に変位させる。鉛直移動機構33は、第1パレット42から鉛直方向Zに延びる4つの支柱43の鉛直上方Z1の端部の位置よりも、フレーム11の位置が低いときに、停止される。このとき、フレーム11は短辺側支持部21によって支持される。
次に制御部37は、短辺側水平動作機構31を再度作動させて、短辺側押圧部22を最も面方向外方に変位させる。第1実施形態において短辺側支持部21と短辺側押圧部22は一体に形成されるので、短辺側水平動作機構31の作動によって短辺側押圧部22とともに短辺側支持部21も変位する。短辺側水平動作機構31によって短辺側押圧部22を最も面方向外方に変位させたときに、長辺方向Yに離れる短辺側押圧部22間の距離は、長辺部13が自然長である状態における一対の短辺側フランジ部分17の面方向内方部分間の距離よりも、0.5〜2mmほど長く設定される。この差は自然長である状態における長辺部13の長辺方向の長さの0.03%以上0.15%以下に相当する。
長辺方向Yに離れる短辺側押圧部22間とは、長辺方向一方の短辺側押圧部22の、短辺側フランジ部分17に接触する箇所と、長辺方向他方の短辺側押圧部22の、短辺側フランジ部分17に接触する箇所との距離である。一対の短辺側フランジ部分17の面方向内方部分間の距離とは、長辺部13が自然長である状態において、長辺方向一方の短辺側フランジ部分17の、短辺側押圧部22に接触するべき箇所と、長辺方向他方の短辺側フランジ部分17の短辺側押圧部22に接触するべき箇所との距離である。本発明において、短辺部12が短辺方向X全体にわたって支持されるときの、短辺部12の短辺方向Xの長さを、短辺部12に関して「自然長」と称し、長辺部13が長辺方向Y全体にわたって支持されるときの、長辺部13の長辺方向Yの長さを、長辺部13に関して「自然長」と称する。
次に、制御部37は、長辺側垂直動作機構36を作動させる。長辺側垂直動作機構36によって、長辺側支持部23および長辺側押圧部24は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22よりも低い位置に変位する。長辺側支持部23および長辺側押圧部24と、短辺側支持部21および短辺側押圧部22との差は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって支持されるフレーム11の、長辺部の撓み量よりも大きい。
次に制御部37は長辺側水平動作機構32を作動させる。長辺側水平動作機構32によって、長辺側支持部23および長辺側押圧部24は面方向内方から面方向外方に変位する。長辺側水平動作機構32によって長辺側押圧部24が面方向外方に変位したときに、長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分18の鉛直下方Z2に位置する。次に制御部37は長辺側垂直動作機構36を作動させる。長辺側垂直動作機構36によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24は、鉛直上方Z1に変位し、長辺側支持部23は長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持する。これによって長辺部13の撓みはほぼなくなる。
次に制御部37は、再び長辺側水平動作機構32を作動させ、長辺側支持部23および長辺側押圧部24は、面方向内方から面方向外方に変位する。長辺側水平動作機構32が長辺側押圧部24を最も面方向外方に変位させたときに、長辺方向Yに離れる長辺側押圧部24間の距離は、短辺部12が自然長である状態における一対の長辺側フランジ部分18の面方向内方部分間の距離よりも、0.5〜2mmほど長く設定される。この差は自然長である状態における短辺部12の短辺方向の長さの0.06%以上0.25%以下に相当する。短辺方向Xに離れる長辺側押圧部24間とは、短辺方向一方の長辺側押圧部24の、長辺側フランジ部分18に接触する箇所と、短辺方向他方の長辺側押圧部24の、長辺側フランジ部分18に接触する箇所との距離である。一対の長辺側フランジ部分18の面方向内方部分間の距離とは、短辺部12が自然長である状態において、短辺方向一方の長辺側フランジ部分18の、長辺側押圧部24に接触するべき箇所と、短辺方向他方の長辺側フランジ部分18の長辺側押圧部24に接触するべき箇所との距離である。
長辺側支持部23および長辺側押圧部24がフレーム11を保持した後、制御部37は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29の駆動源を作動させる。この駆動源は複動式エアシリンダに対する圧縮空気供給源である。これによって長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は長辺部13に対して鉛直上方Z1および面方向外方から外力を付与し、フレーム11が長辺側支持部23から外れて落下することを防止する。
次に制御部37は鉛直移動機構33を作動させ、第1パレット42の支柱43の鉛直上方Z1の端部よりもさらに高い位置にフレーム11を変位させる。次に制御部37は水平移動機構34を作動させ、フレーム11を第2パレット44の鉛直上方Z1に変位させる。次に制御部37は鉛直移動機構33を作動させ、フレーム11を第2パレット44上に載置する。フレーム11が第2パレット44上に載置されたら、制御部37は、短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32と、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27の駆動源と、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29とを作動させ、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、短辺側上方押さえ部材26と、短辺側外方押さえ部材27と、長辺側支持部23と、長辺側押圧部24と、長辺側上方押さえ部材28と、長辺側外方押さえ部材29とを、フレーム11から離す。
その後、制御部37は、水平移動機構34および鉛直移動機構33を作動させて、移載装置10を初期状態に戻す。初期状態において、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、長辺側支持部23と、長辺側押圧部24とはフレーム11よりも内方に位置する。また初期状態において、短辺側上方押さえ部材26と、短辺側外方押さえ部材27と、長辺側上方押さえ部材28と、長辺側外方押さえ部材29とは、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、長辺側支持部23と、長辺側押圧部24とに対して、第2パレット44上においてフレーム11を離したときの状態と同じ状態にある。
図11は、本発明の第1実施形態に係る移載方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップa1の鉛直下降工程に移行し、鉛直移動機構33によって短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、短辺側水平動作機構31、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、および長辺側垂直動作機構36を鉛直下方Z2に変位させる。鉛直移動機構33は、短辺側支持部21が面方向外方に変位することによって、短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置することができるような位置に、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を決定して停止する。
次にステップa2の短辺側支持部水平変位工程に移行し、短辺側水平動作機構31によって短辺側押圧部22を面方向外方に変位させる。短辺側水平動作機構31は、短辺側支持部21を短辺側フランジ部分17の鉛直方向Z下方に位置させ、短辺側支持部21を最上段のフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に位置させる。この短辺側支持部21の位置は、最上段のフレーム11よりも鉛直下方Z2に位置するフレーム11の短辺側フランジ部分17に対しては、鉛直上方Z1の位置である。
次にステップa3の短辺側押さえ工程に移行し、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27の駆動源を作動せ、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27は短辺部12に対して鉛直上方Z1および面方向外方から外力を付与する。これによって、フレーム11が短辺側支持部21から外れて落下することを防止する。
次にステップa4の短辺側支持部上昇工程に移行し、鉛直移動機構33によって短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、および短辺側水平動作機構31を鉛直上方Z1に変位させる。このとき、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、長辺側上方押さえ部材28、長辺側外方押さえ部材29、長辺側水平動作機構32、および長辺側垂直動作機構36も同じ変位量同時に鉛直上方Z1に変位してもよい。これによってフレーム11は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって保持される。鉛直移動機構33は、第1パレット42から鉛直方向Zに延びる4つの支柱43の鉛直上方Z1の端部の位置よりも、フレーム11の位置が低い状態で、停止される。このとき、長辺部13の長辺方向Yのうち、最も鉛直下方Z2に変位した部分が、このフレーム11と隣り合うフレーム11に接触しない位置まで、保持されたフレーム11は、上昇する。
次にステップa5の短辺側押圧部水平変位工程に移行し、再度短辺側水平動作機構31を作動させる。短辺側水平動作機構31は、短辺側押圧部22を面方向外方に変位させる。短辺側押圧部22は、短辺側押圧部22が短辺側フランジ部分17を面方向外方に押圧して、停止する。このときに長辺方向一方の短辺側押圧部22の短辺側フランジ部分17に接触する箇所と、長辺方向他方の他方の短辺側押圧部22の、短辺側フランジ部分17に接触する箇所との距離は、長辺部13が自然長である状態において、長辺側一方の短辺側フランジ部分17の、短辺側押圧部22に接触するべき箇所と、長辺側他方の短辺側フランジ部分17の、短辺側押圧部22に接触するべき箇所との距離よりも長く、これらの距離の差は、0.5〜2mm程度に設定される。この差は自然長である状態における長辺部13の長辺方向の長さの0.03%以上0.15%以下に相当する。
次にステップa6の長辺側支持部下降工程に移行し、長辺側垂直動作機構36によって、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、短辺側支持部21および短辺側押圧部22よりも低い位置に変位させる。長辺側支持部23および長辺側押圧部24と、短辺側支持部21および短辺側押圧部22との差は、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって支持されるフレーム11の、長辺部の撓み量よりも大きい。
次にステップa7の長辺側支持部水平変位工程に移行し、長辺側水平動作機構32を作動させる。長辺側水平動作機構32は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24は面方向内方から面方向外方に変位させる。長辺側水平動作機構32によって長辺側押圧部24が面方向外方に変位したときに、長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分18の鉛直下方Z2に位置する。
次にステップa8の長辺側支持部上昇工程に移行し、長辺側垂直動作機構36を作動させる。長辺側垂直動作機構36は、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、鉛直上方Z1に変位させる。これによって、長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持する。これによって長辺部13の撓みはほぼなくなる。
次にステップa9の長辺側押圧部水平変位工程に移行し、再び長辺側水平動作機構32を作動させ、長辺側支持部23および長辺側押圧部24を、面方向内方から面方向外方に変位させる。長辺側水平動作機構32によって長辺側押圧部24は、長辺側フランジ部分18を面方向外方に押圧して、停止する。このときに短辺方向一方の長辺側押圧部24の長辺側フランジ部分18に接触する箇所と、短辺方向他方の他方の長辺側押圧部24の、長辺側フランジ部分18に接触する箇所との距離は、短辺部12が自然長である状態において、短辺側一方の長辺側フランジ部分18の、長辺側押圧部24に接触するべき箇所と、短辺側他方の長辺側フランジ部分18の、長辺側押圧部24に接触するべき箇所との距離よりも長く、これらの距離の差は、0.5〜2mm程度に設定される。この差は自然長である状態における短辺部12の短辺方向の長さの0.06%以上0.25%以下に相当する。
次にステップa10の長辺側押さえ工程に移行し、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29の駆動源を作動させる。これによって長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は長辺部13に対して鉛直上方Z1および面方向外方から外力を付与し、フレーム11が長辺側支持部23から外れて落下することを防止する。
次にステップa11の鉛直上昇工程に移行し、鉛直移動機構33を作動させる。鉛直移動機構33は、第1パレット42の支柱43の鉛直上方Z1の端部よりもさらに高い位置にフレーム11を変位させる。これによって、フレーム11は支柱43を離れて、水平に変位することが可能になる。次にステップa12の水平搬送工程に移行し、水平移動機構34を作動させる。水平移動機構34は、フレーム11を第2パレット44の鉛直上方Z1に変位させる。次にステップa13の載置工程に移行し、鉛直移動機構33を作動させる。鉛直移動機構33は、フレーム11を第2パレット44上に載置する。
次に、ステップa14の保持解除工程に移行し、短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32と、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27の駆動源と、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29とを作動させ、短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、短辺側上方押さえ部材26と、短辺側外方押さえ部材27と、長辺側支持部23と、長辺側押圧部24と、長辺側上方押さえ部材28と、長辺側外方押さえ部材29とを、フレーム11から離す。次にステップa15の初期位置復帰工程に移行し、水平移動機構34および鉛直移動機構33を作動させて、移載装置10を初期状態に戻す。その後、本処理は終了する。
本処理に先立って、移載装置10の基体19に対して相対位置が固定された第2パレット確認用のセンサ46が、コンベアの駆動によって搬送されてきた第2パレット44の存在を確認し、第2パレット44が予め定める位置に停止したことを確認して信号を出力する。この信号を、移載装置10の制御部37が受取り、制御部37が移載装置10を制御して、本処理が開始される。
本処理において、ステップa3の短辺側押さえ工程〜ステップa6の長辺側支持部下降工程は、自由に順番を入れ替えることができる。また本処理において、センサ38および制御部37は常時作動している。またステップa9の長辺側押圧部水平変位工程と、ステップa10の長辺側押さえ工程とは、順番を入れ替えることができる。
前記短辺支持工程は、ステップa4の短辺側支持部上昇工程に含まれ、前記短辺押圧工程は、ステップa5の短辺側押圧部水平変位工程に含まれ、前記長辺支持工程は、ステップa8の長辺側支持部上昇工程に含まれる。前記長辺押圧工程は、ステップa9の長辺側押圧部水平変位工程に含まれる。前記鉛直位置決め工程は、ステップa1の鉛直下降工程に含まれ、前記移動工程は、ステップa12の水平搬送工程に含まれる。
本処理の複数の工程うち、ステップa1の鉛直下降工程〜ステップa10の長辺側押さえ工程が第1実施形態に係る保持方法である。
第1実施形態によれば、移載装置10は、短辺側支持部21および長辺側支持部23を含んで構成されるので、フレーム11を保持することができる。長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレーム11を保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレーム11を保持することは困難である。またフレーム11に凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレーム11を保持することは困難である。これに対し、移載装置10は、一対の短辺部12の各フランジ部分を鉛直下方Z2から支持する短辺側支持部21と、一対の長辺部13の各フランジ部分を鉛直下方Z2から支持する長辺側支持部23とを含むので、吸着パッドを用いる従来技術よりも確実にフレーム11を保持することができる。
また移載装置10は、短辺側押圧部22を含んで構成される。短辺側押圧部22は一対の短辺部12の各フランジ部分を、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ向けて押圧し、各長辺部13に張力を発生させることができる。これによって、各長辺部13の撓みを小さくすることができる。また長辺側支持部23によって、各長辺部13の撓みを低減させて保持することができる。
また長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部が可撓性を有するので、短辺側押圧部22が一対の短辺部12の各フランジ部分を押圧することによって、長辺部13を自然長よりも長くすることができる。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が自然長よりも長くなることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。また長辺側支持部23によって長辺の撓みを小さくして保持するので、高い位置精度でパレットにフレーム11を載置することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は長辺側押圧部24を含むので、各長辺部13を、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させることができる。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が面方向外方へ変位されることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
また移載装置10は、また長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方を含み、移載装置10が短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって短辺側を保持した状態において、短辺部12は、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27のうちの一方または両方によって、押圧される。短辺側上方押さえ部材26は、短辺側支持部21と協働して短辺部12を挟持し、短辺側外方押さえ部材27は、短辺側押圧部22と協働して短辺部12を挟持することができる。したがって、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27は、短辺側支持部21からフレーム11が外れて落下することを防止することができる。
また移載装置10は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方を含み、移載装置10が長辺側支持部23および長辺側押圧部24によって長辺側を保持した状態において、長辺部13は、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの一方または両方によって、押圧される。長辺側上方押さえ部材28は、長辺側支持部23と協働して長辺部13を挟持し、長辺側外方押さえ部材29は、長辺側押圧部24と協働して長辺部13を挟持することができる。したがって、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は、長辺側支持部23からフレーム11が外れて落下することを防止することができる。
移載装置10は、第2載置面16上のパレットに対して、フレーム11を鉛直上方Z1から嵌合させる。このときにパレットとフレーム11がとの間に摩擦力が生じても、移載装置10はパレットおよびフレーム11間の摩擦力に抗して、フレーム11を第2載置面16上のパレットに載置することができる。またフレーム11の撓み方が各フレーム11毎に異なり、各フレーム11毎に形状が異なっていても、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27のうちの少なくともいずれか一方と、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29のうちの少なくともいずれか一方とによってフレーム11を押圧し、フレーム11の形状を是正することができる。したがってフレーム11のパレットへの載置を容易にすることができ、高い位置精度でフレーム11を載置することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は短辺側水平動作機構31と長辺側水平動作機構32と鉛直移動機構33と水平移動機構34を含んで構成される。移載装置10は、短辺側支持部21による短辺側フランジ部分17の支持に先立って、鉛直移動機構33を駆動することによって、短辺側支持部21および長辺側支持部23を、それぞれ一対の短辺側フランジ部分17および一対の長辺側フランジ部分18よりも低く位置させることができる。これによって短辺側押圧部22は、面方向内方に位置する。次に短辺側水平動作機構31を駆動することによって、各短辺側支持部21を一対の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位させることができ、短辺側押圧部22によって、各短辺側フランジ部分17を面方向外方へ変位させることができる。したがって短辺側押圧部22は、一対の長辺部13に張力を発生させることができ、長辺部の撓み量を低減し、長辺部13の長さを自然長よりも長くすることができる。
次に移載装置10は、鉛直移動機構33を駆動し、短辺側支持部21および短辺側押圧部22を第1載置面14のさらに上方に変位させることによって、短辺部12を保持することができる。この後、長辺側水平動作機構32を駆動することによって、各長辺側支持部23を一対の長辺部13の各フランジ部分の鉛直下方Z2に変位させることができる。移載装置10は、フレーム11を保持した状態で、水平移動機構34を駆動し、短辺部12側支持部、短辺側押圧部22および長辺側支持部23を水平に変位することによって、フレーム11を水平に搬送することができる。またフレーム11が第2載置面16の上方に位置させた状態で、鉛直移動機構33を駆動する。これによって、移載装置10は、保持および搬送したフレーム11を、第2載置面16上に載置することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は、長辺側垂直動作機構36を含んで構成される。長辺側垂直動作機構36を駆動することによって、短辺側支持部21によってフレーム11を支持した状態において、長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18よりも低い位置に位置するように、長辺側支持部23の位置を調整することができる。長辺側垂直動作機構36は短辺側支持部21および短辺側押圧部22を変位させることはなく、長辺側支持部23は、支持されたフレーム11よりも低い位置に変位される。この状態から、長辺側水平動作機構32を駆動することによって、長辺側支持部23を長辺側フランジ部分18よりも鉛直下方Z2に位置させることができる。その後、長辺側垂直動作機構36を駆動することによって、長辺側支持部23を鉛直上方Z1に変位させ、長辺側フランジ部分18を長辺側支持部23によって支持することができる。長辺側支持部23は、長辺部の撓み量を低減して、長辺側フランジ部分18を支持する。短辺側押圧部22によって各長辺部13に張力を発生させて長辺部13の撓みを低減した状態において、長辺部13が依然として撓んでいる場合においても、各長辺部13をその撓み量以上、鉛直下方Z2から各長辺部13支持部によって支持することができるので、フレーム11を確実に保持することができ、かつ長辺部13の撓みを低減することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は、制御部37を含んで構成され、制御部37は、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24が、基体19に対して同時に同じ変位量、変位するように制御を行う。これによって、短辺側支持部21は、短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から同時に支持することが可能になり、短辺側押圧部22は、短辺側フランジ部分17を、面方向内方から面方向外方へ同時に押圧することが可能になる。長辺側支持部23は、長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から同時に支持し、長辺側押圧部24は長辺側フランジ部分18を面方向内方から面方向外方へ同時に押圧する。これによって、一対の短辺部12のそれぞれを支持する各短辺側支持部21は、フレーム11の重量を均等に分担して支持することができ、一対の長辺部13のそれぞれを支持する各長辺側支持部23も、フレーム11の重量を均等に分担して支持することができる。一対の短辺部12のそれぞれを支持する各短辺側支持部21に、フレーム11の重量が均等にかかるので、フレーム11が短辺側支持部21からずれ落ちる可能性を低減することができる。一対の長辺部13のそれぞれを支持する各長辺側支持部23においても、フレーム11の重量が均等にかかるので、フレーム11が長辺側支持部23からずれ落ちる可能性を低減することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は、短辺側フランジ部分17のそれぞれを、複数の短辺側支持部21によって支持することで、フレーム11を保持することができる。これによって、短辺側支持部21の短辺方向Xの長さを短くすることができる。したがって、短辺側支持部21の一部分が短辺部12に、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から接触する可能性を低減することができる。
また短辺部12側フランジ部分が短辺側支持部21によって支持された状態において、フレーム11が、長辺方向Yに延びる軸線まわりに回転することを防止することができる。長辺側フランジ部分18のそれぞれを、複数の長辺側支持部23によって支持することで、長辺部13の撓みを低減してフレーム11を保持することができる。これによって、長辺側支持部23の長辺方向Yの長さを短くすることができる。長辺部13には撓みが生じるので、長辺側支持部23の長辺方向Yの長さが長い場合には、長辺側支持部23の一部分が長辺部13に、前記長方形の面方向内方から接触する可能性がある。長辺側支持部23の長辺方向Yの長さを短くすることができるので、長辺側支持部23の一部分が、前記長方形の面方向内方から長辺部13に接触する可能性を低減することができる。また長辺側フランジ部分18が長辺側支持部23によって支持された状態において、フレーム11が、短辺方向Xに延びる軸線まわりに回転することを防止することができる。
さらに具体的には、短辺側フランジ部分17のそれぞれは、2つの短辺側支持部21によって支持されるので、短辺部12のフランジ部分に湾曲または凹凸のある場合においても、フレーム11が長辺方向Yに延びる軸線まわりに角変位することを防止することができ、安定して支持することができる。長辺側フランジ部分18のそれぞれは、2つの長辺側支持部23によって支持されるので、長辺部13のフランジ部分に湾曲または凹凸のある場合においても、長辺部13のフランジ部分のそれぞれを2つの長辺側支持部23によって安定して支持することができ、フレーム11が短辺方向Xに延びる軸線まわりに角変位することを防止することができる。
また、4つの短辺側支持部21が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線が、短辺部12および長辺部13が成す長方形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線と一致するように、短辺側支持部21は短辺側フランジ部分17を支持することによって、各短辺側支持部21にかかるフレーム11の重量を、各短辺側支持部21によって、均等に分担することができる。したがって、短辺側支持部21によって安定に一対の短辺部12を支持することができる。
また4つの長辺側支持部23が成す四角形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線が、前記長方形の中心を通る鉛直方向Zの仮想直線と一致するように、長辺側支持部23は一対の長辺部13を支持することによって、各長辺側支持部23にかかるフレーム11の重量を、各長辺側支持部23によって、均等に分担することができる。したがって、長辺側支持部23によって安定に一対の長辺部13を支持することができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10は、センサ38を含んで構成される。短辺側支持部21が短辺側フランジ部分17を支持するとき、短辺側支持部21は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17の鉛直下方Z2に変位し、短辺側押圧部22は短辺側フランジ部分17を面方向内方から面方向外方に押圧する。これらが可能となるような、フレーム11との相対位置に短辺側支持部21が位置するとき、センサ38はフレーム11を検出する。短辺側支持部21の、フレーム11に対する相対位置がこのような位置にないとき、短辺側水平動作機構31が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を内方から外方に変位させても、短辺側押圧部22は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を押圧することができず、その後鉛直移動機構33が短辺側支持部21および短辺側押圧部22を鉛直上方Z1に変位させても、短辺側支持部21は移載の対象となるフレーム11の短辺側フランジ部分17を支持することはできない。このようなとき、センサ38はフレーム11を検出しない。
制御部37は、センサ38からの出力に応じて鉛直移動機構33を制御するので、移載装置10によって保持しようとするフレーム11の、一対の短辺部12の各フランジ部分よりも低い位置に、短辺側支持部21を位置させることができる。また移載装置10によって保持しようとするフレーム11の、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方に、短辺側押圧部22を位置させることができる。したがって、移載装置10が保持しようとするフレーム11の、一対の短辺部12の各フレーム11を、確実に短辺側支持部21および短辺側押圧部22によって保持することができる。
また最上段のフレーム11よりも鉛直下方Z2のフレーム11の短辺側フランジ部分17よりも低い位置に短辺側支持部21が位置するとき、センサ38はフレーム11を検出しない。これによって、短辺側支持部21が複数のフレーム11を同時に保持しようとすることを防止することができる。
また第1実施形態によれば、保持方法は、短辺支持工程および長辺支持工程を含んで構成される。短辺支持工程では、短辺側支持部21によって短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から支持し、長辺支持工程では、長辺側支持部23によって長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持するので、フレーム11を保持することができる。長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には、可撓性があるので、吸着パッドでフレーム11を保持しようとすると可撓性を有する部分を変形させてしまうおそれがあるため、吸着パッドでフレーム11を保持することは困難である。またフレーム11に凸部または貫通孔がある場合にも、吸着パッドを用いる方法によってフレーム11を保持することは困難である。これに対し本保持方法は、短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から支持する短辺支持工程と、長辺側フランジ部分18を鉛直下方Z2から支持する長辺支持工程とを含むので、吸着パッドを用いる従来の方法よりも確実にフレーム11を保持することができる。
また本保持方法では、短辺支持工程で一対の短辺側フランジ部分17を支持し、短辺押圧工程で一対の短辺側フランジ部分17を、面方向内方から面方向外方へ向けて押圧するので、各長辺部13に張力を発生させることができる。これによって、長辺部の撓み量を小さくすることができる。したがって、長辺支持工程において長辺部13のフランジ部分を確実に支持することができる。また長辺支持工程において長辺部13を鉛直下方Z2から支持するので、フレーム11の撓み量をさらに小さくしてフレーム11を保持することができる。
長辺部13の長辺方向Yの少なくとも一部には可撓性があるので、短辺押圧工程において長辺部13の長辺方向Yの長さを長辺部13の自然長よりも長くすることができる。短辺側押圧部22によって短辺側フランジ部分17を最も面方向外方に変位させたときに、長辺側一方の短辺側フランジ部分17の、短辺側押圧部22に接触するべき箇所と、長辺側他方の短辺側フランジ部分17の、短辺側押圧部22に接触するべき箇所との距離は、長辺部13が自然長である状態における一対の短辺側フランジ部分17の面方向内方部分間の距離よりも長く、この差は自然長である状態における長辺部13の長辺方向の長さの0.03%以上0.15%以下に設定される。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11の鉛直下方Z2からフレーム11に内接して嵌合するので、長辺部13が自然長よりも長くなることによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
また第1実施形態によれば、保持方法は、長辺押圧工程をさらに含んでいるので、短辺側支持部21および長辺側支持部23によってフレーム11を保持した状態において、フレーム11が短辺側支持部21および長辺側支持部23から外れて落下することを防止することができる。
また長辺押圧工程において長辺側押圧部24は、短辺部12および長辺部13が成す長方形の面方向内方から面方向外方へ、一対の長辺部13の各フランジ部分を押圧するので、長辺部13を前記長方形の面方向内方から面方向外方へ変位させることができる。長辺側押圧部24によって長辺側フランジ部分18を最も面方向外方に変位させたときに、短辺側一方の長辺側フランジ部分18の、長辺側押圧部24に接触するべき箇所と、短辺側他方の長辺側フランジ部分18の、長辺側押圧部24に接触するべき箇所との距離は、短辺部12が自然長である状態における一対の長辺側フランジ部分18の面方向内方部分間の距離よりも長く、この差は自然長である状態における短辺部12の短辺方向の長さの0.06%以上0.25%以下に設定される。第2載置面16上のパレットは、フレーム11よりも小さく、フレーム11に対して鉛直下方Z2から嵌合するので、長辺部13が面方向外方に変位することによって、フレーム11をパレットに嵌合することが容易になる。
短辺側支持部21が短辺側フランジ部分17の鉛直方向Z下方に位置した状態において、短辺方向一方の短辺側支持部21は、短辺部12の短辺方向X中央部と、短辺方向一方の短辺部12に接する支柱43との中央付近に位置し、短辺側支持部21は、支柱43近傍には位置しない。また長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18の鉛直方向Z下方に位置した状態において、長辺方向一方の長辺側支持部23は、長辺部13の長辺方向Y中央部と、長辺方向一方の長辺部13に接する支柱43との中央付近に位置し、長辺側支持部23は、支柱43近傍には位置しない。
これによって、移載の対象となるフレーム11の大きさが変更されて、第1実施形態におけるフレーム11よりも小さいフレーム11を保持する必要がある場合にも、この小さいフレーム11を移載装置10によって移載することができる。したがって、移載装置10を、汎用性の高い装置とすることができる。
また第1実施形態によれば、フレーム11を第2載置面16上に載置するときの位置精度を高くすることができるので、第2載置面16上に載置されたフレーム11に対して、後の工程において機械によって自動的な組み立て工程を行う場合に、フレーム11と液晶表示装置の他の部品との相対位置を高い位置精度で組立てることができる。
また第1実施形態によれば、移載装置10が短辺側支持部21及び短辺側押圧部22によってフレーム11を保持するときには、長辺部13の一部が鉛直下方Z2に変位した状態において、変位した長辺部13の一部が、保持されたフレーム11の鉛直下方Z2に隣接するフレーム11に対して、接触しないようにフレーム11を持ち上げる。このとき、保持されたフレーム11の長方形の孔には、4つの支柱43が貫通した状態としておく。これによって、短辺側押圧部22による長辺部の撓み量の低減および長辺側支持部23による長辺部13の支持などの作業を、フレーム11の水平方向への変位が支柱43によって阻止される状態において行うことができる。
また第1実施形態によれば、短辺側押さえ部材および長辺側押さえ部材は複動式エアシリンダによって駆動される。これによって、同時に作動させる短辺側押圧部22材の複動式エアシリンダに対する駆動源として、同一の圧縮空気供給源を用いることができ、同時に作動させる長辺側押圧部24材の複動式エアシリンダに対する駆動源として、同一の圧縮空気供給源を用いることができる。したがって、駆動源を簡単化し、移載装置10の機構を簡単化することができる。
図12は、本発明の第2実施形態における短辺側支持部21および短辺側押圧部22の側面図である。図13は、本発明の第2実施形態における長辺側支持部23および長辺側押圧部24の側面図である。第2実施形態において移載装置10Aは対象とするフレーム11は、短辺部12の短辺方向Xの長さが800mmで、長辺部13Aの長辺方向Yの長さが1400mmである。このフレーム11一対の長辺部13Aは、長辺方向Yの中央部で接合された2つの部材から成り、各部材は1つの短辺部12と長辺方向Yの長さが半分である2つの長辺部13Aとを有する。これら2つの部材は、長辺部13Aの長辺方向Yの中央部において、蝶番47で接合され、この部分で屈曲可能である。蝶番47は2つの長辺側フランジ部分18を互いに接合しており、蝶番47で接合された長辺部13Aの、2つの長辺側垂直平板部41は、互いに接合されていない。
図14は、本発明の第2実施形態における長辺部13Aを短辺方向Xに見た側面図である。第1パレット42上に載置されるフレーム11は、短辺部12および長辺部13Aが成す長方形の両方の面のうち、長辺側フランジ部分18に近い方の面を鉛直上方Z1に向けて載置される。第2実施例においても、フレーム11は第1パレット42上に15個載置され、最上段のフレーム11から順番に、移載装置10Aによって移載されるものとする。短辺側フランジ部分17を鉛直下方Z2から支持することによって、フレーム11を鉛直上方Z1に変位させると、フレーム11の自重によって、長辺部13Aの中央部は鉛直下方Z2に変位する。本発明において、長辺部13Aがこのように屈曲する性質も、「可撓性」という言葉の意味に含む。第2実施形態において、移載装置10Aの移載の対象となるフレーム11が、2つの部材から形成されるのは、フレーム11の運搬上、好都合であることによる。
第2実施形態に係る移載装置10Aは、1つの短辺部12を、短辺側支持部212つと、短辺側押圧部222つと、短辺側上方押さえ部材26と、短辺側外方押さえ部材27とによって保持する。また1つの長辺部13Aを、長辺側支持部232つと、長辺側押圧部242つと、長辺側上方押さえ部材28とによって保持する。
第2実施形態における短辺側上方押さえ部材26と、短辺側外方押さえ部材27と、長辺側上方押さえ部材28と、長辺側上方押さえ部材28とは、第1実施形態におけるものと同じである。第2実施形態において短辺側支持部21と、短辺側押圧部22とは一体として形成され、短辺方向Xに見てコの字形に形成される。短辺側押圧部22には、短辺側フランジ部分17を面方向外方に押圧したときに、短辺側フランジ部分17が鉛直上方Z1に変位することを防ぐ短辺側上方押圧部48が設けられている。短辺側支持部21の短辺側フランジ部分17に接触する面と、上方押圧部の短辺側フランジ部分17に接触する面には、第1斜面50と第2斜面51とが形成される。第1斜面50は、短辺側支持部21の短辺側フランジ部分17に接触する面のうちの面方向外方の一部に設けられ、第2斜面51は、上方押圧部の短辺側フランジ部分17に接触する面のうちの面方向外方の一部に設けられる。第1斜面50は短辺方向Xの直線を含み、面方向内方から面方向外方に向かうにつれて、鉛直下方Z2に向かうように形成された斜面である。第2斜面51は短辺方向Xの直線を含み、面方向内方から面方向外方に向かうにつれて、鉛直上方Z1に向かうように形成された斜面である。
長辺側支持部23の長辺側フランジ部分18に接触する面は、第1実施形態においては略水平に形成されていたけれども、第2実施形態においては傾斜面52として形成される。長辺側支持部23と長辺側押圧部24とは一体として形成される。長辺側押圧部24には、長辺側フランジ部分18を面方向外方に押圧したときに、長辺側フランジ部分18が鉛直上方Z1に変位することを防ぐ長辺側上方押圧部49が設けられている。
長辺側支持部23の傾斜面52は、長辺方向Yに延びる直線を含んで水平な面に対して傾斜している。傾斜面52は、面方向内方から面方向外方に向かうにつれて、鉛直下方Z2に向かうような斜面として形成される。傾斜面52のうち、鉛直上方Z1の端部の高さは、略水平に形成される短辺側支持部21の高さと同じである。傾斜面52のうち、最も鉛直下方Z2の端部の高さは、短辺側押圧部22によって短辺側フランジ部分17が面方向外方に押圧されたときの、長辺側フランジ部分18が位置する高さよりも低い。
第2実施形態における短辺側水平動作機構31と、長辺側水平動作機構32と、鉛直移動機構33と、水平移動機構34とは、第1実施形態におけるものと同様であるけれども、第2実施形態に係る移載装置10Aは、長辺側垂直動作機構36を含んでいない。第2実施形態において短辺側フランジ部分17は、まず短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、短辺側押さえ部材とによって保持される。この状態で鉛直移動機構33が短辺側支持部21と、短辺側押圧部22と、短辺押さえ部材とを鉛直上方Z1に変位させると、長辺部13Aの中央部は長辺部13Aの重さによって鉛直下方Z2に変位しようとする。短辺側押圧部22によって、短辺部12が面方向内方に変位することが防がれているので、長辺部13Aは中央部も含めて、第1パレット42上の他のフレーム11を離れて鉛直上方Z1に変位される。この状態から、短辺側押圧部22がさらに面方向外方に変位し、長辺部13Aに対して張力を発生させると、長辺部13Aの長辺方向Yの屈曲はさらに小さくなり、長辺部13Aの中央部の高さは、長辺部13Aの両端の高さに近くなる。
この状態において長辺側支持部23および長辺側押圧部24を長辺側水平動作機構32によって面方向内方から面方向外方に変位させると、長辺側フランジ部分18は長辺側支持部23の傾斜面52に押圧される。長辺側フランジ部分18には張力が発生しているので、長辺側フランジ部分18が面方向外方へ変位する量は、傾斜面52の面方向外方への変位量に比例しない。傾斜面52が面方向外方へ変位することによって、長辺側フランジ部分18と傾斜面52との間に生じる押圧力は、長辺側フランジ部分18を鉛直上方Z1へ変位させる力に変換される。
図15は、本発明の第2実施形態において、移載装置10Aの電気的接続関係を表すブロック図である。第2実施形態において、第1パレット42上のフレーム11の位置を確認するためのセンサ38Aは、複数あるものとする。具体的には一方のセンサ38Aは、最上段のフレーム11の一方の短辺部12が予め定める範囲に存在することを検出するためのフォトインタラプタであり、他方のセンサ38Aは、最上段のフレーム11の他方の短辺部12が予め定める範囲に存在することを検出するためのフォトインタラプタである。
複数のセンサ38Aが検出する内容は、フレーム11の位置を検出するものであれば足りる。たとえば他の実施形態において複数のセンサ38Aのうちの一部は、長辺部13Aが予め定める範囲に存在することを検出するためのものであってもよく、たとえばフレーム11の向きを検出するためのものであってもよい。フレーム11の向きを検出するためには、たとえばフレーム11の2つの短辺部12が互いに入れ替わり、かつ2つの長辺部13Aが互いに入れ替わった状態で、2つの短辺部12または2つの長辺部13Aが有する形状の差異を検出することによって、フレーム11の位置が間違っていることを検出してもよい。
第2実施形態に係る移載装置10Aは、短辺側支持部21の高さを検出する高さ検出装置53を含む。高さ検出装置53は、鉛直移動機構33によって鉛直方向Zに変位する短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を検出する。これは基体19に対して相対位置が変化しない位置に取付けられていてもよいけれども、第2実施形態においては鉛直移動機構33による短辺側支持部21の鉛直方向Zの変位量を計測することによって、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を検出する。高さ検出装置53は、制御部37に電気的に接続され、検出した短辺側支持部21の高さについての上方を電気信号として制御部37に対して出力する。
第2実施形態に係る移載装置10Aは、エラー表示部54および通報装置56を含む。エラー表示部54は、制御部37に電気的に接続され、制御部37からの制御によって、エラーメッセージを表示する。具体的には、たとえば警報ランプであり、移載装置10Aの作動に関してエラーがあることを、移載装置10Aの使用者に対して視覚的に表示する。エラー表示部54によるエラーメッセージの表示は、移載装置10A近傍で行われてもよく、また使用者が常駐すると思われる場所において行われてもよい。
通報装置56は、制御部37に電気的に接続され、制御部37からの制御によって、エラーメッセージを通報する。具体的には、音声出力装置であり、移載装置10Aの作動に関してエラーがあることを、移載装置10Aの使用者に対して視覚的に表示する。通報装置56によるエラーメッセージの通報は、移載装置10A近傍で行われてもよく、また使用者が常駐すると思われる場所において行われてもよい。
第2実施形態において制御部37は、第1パレット42上に積載されるフレーム11の短辺側フランジ部分17の高さをデータとして記憶しておく。第2段以上のフレーム11について、鉛直方向Zに隣り合うフレーム11の短辺側フランジ部分17の高さの差は、第1段の短辺側フランジ部分17の高さと第二段の短辺側フランジ部分17の高さとの差に比べて小さく、ほぼ同じ値として近似することも可能である。以下、第2段以上のフレーム11について、鉛直方向Zに隣り合うフレーム11の短辺側フランジ部分17の高さの差を「ピッチ」と称する。
制御部37は、複数のセンサ38Aに電気的に接続され、制御部37は複数のセンサ38Aから出力される信号を比較する。第1パレット42上のフレーム11の位置を確認するための複数のセンサ38Aからの出力が、互いに矛盾する場合、制御部37は複数のセンサ38Aからの信号を比較し、矛盾であると判断し、エラー表示部54および通報装置56を制御してエラーメッセージの表示および通報を行わせる。たとえば、一方のセンサ38Aが予め定める範囲に短辺部12の存在を確認しており、他方のセンサ38Aが予め定める範囲に短辺部12の存在を確認しない場合、最上段のフレーム11が傾いている可能性があり、また最上段のフレーム11の上にフレーム11以外の物体が存在している可能性がある。
第2実施形態において、センサ38Aは常時作動する。移載装置10Aによるフレーム11の移載が行われる工程に先立って、第1パレット42上に積載されたフレーム11のうち最も鉛直上方Z1に積載されたフレーム11を移載するときには、制御部37は、予め定める範囲に短辺部12が存在する場合のセンサ38Aからの信号を受取るまで、第1パレット42の鉛直上方Z1に位置する短辺側支持部21を、鉛直移動機構33によって鉛直下方Z2に変位させる。第1パレット42上の最も鉛直上方Z1に積載されたフレーム11、すなわち第2実施形態において第15段のフレーム11を、短辺側支持部21および押圧部によって保持するときに、制御部37は高さ検出装置53からの信号によって、短辺側支持部21の高さを記憶しておく。
第15段のフレーム11の移載が終了して、次のフレーム11の短辺側フランジ部分17を支持できる位置に短辺側支持部21を位置させるとき、制御部37は、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を、第15段のフレーム11の移載を行ったときの位置よりも、1ピッチ、鉛直下方Z2と決定する。これによって制御部37は、高さ検出装置53からの信号に基づいて短辺側支持部21の高さを判断しながら、鉛直移動機構33を制御して、決定した鉛直方向Zの位置にまで、短辺側支持部21を変位させる。第13A段以下のフレーム11を移載するときにも、同様に、前回の短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置よりも1ピッチ、鉛直下方Z2として、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を決定する。
図16は、本発明の第2実施形態における移載方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップb1の鉛直下降工程に移行し、次にステップb2の短辺側支持部水平変位工程に移行し、次にステップb3の短辺側押さえ工程に移行する。次にステップb4の短辺側支持部上昇工程に移行し、次にステップb5の短辺側押圧部水平変位工程に移行する。ステップb1の鉛直下降工程〜ステップb5の短辺側押圧部水平変位工程は、第1実施形態におけるステップa1の鉛直下降工程〜ステップa5の短辺側押圧部水平変位工程と同様である。
ステップb5の短辺側押圧部水平変位工程の後、ステップb6の長辺側押圧部水平変位工程に移行し、長辺側水平動作機構32によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24を面方向内方から面方向外方に変位させる。これによって、傾斜面52は長辺側フランジ部分18を面方向内方から押圧し、その結果として、長辺側フランジ部分18を鉛直上方Z1へ変位させ、長辺部13Aの長辺方向Yの中央部を、長辺部13Aの長辺方向Yの両端部と同じ高さに位置させる。
次にステップb8の鉛直上昇工程に移行し、次にステップb9の水平搬送工程に移行し、次にステップb10Aの載置工程に移行する。次にステップb11の保持解除工程に移行し、次にステップb12の初期位置復帰工程に移行する。ステップb8の鉛直上昇工程〜ステップb12の初期位置復帰工程は、第1実施形態におけるステップa11の鉛直上昇工程〜ステップa15の初期位置復帰工程と同様である。
本処理に先立って、移載装置10Aの基体19に対して相対位置が固定された第2パレット確認用のセンサ46が、コンベアの駆動によって搬送されてきた第2パレット44の存在を確認し、第2パレット44が予め定める位置に停止したことを確認して信号を出力する。この信号を、移載装置10Aの制御部37が受取り、制御部37が移載装置10Aを制御して、本処理が開始される。
本処理において、ステップb3の短辺側押さえ工程〜ステップb5の短辺側押圧部水平変位工程は、自由に順番を入れ替えることができる。また本処理において、複数のセンサ38Aおよび制御部37は常時作動している。
前記短辺支持工程は、ステップb4の短辺側支持部上昇工程に含まれ、前記短辺押圧工程は、ステップb5の短辺側押圧部水平変位工程に含まれ、前記長辺支持工程および前記長辺押圧工程は、ステップb6の長辺側支持部上昇工程に含まれる。前記鉛直位置決め工程は、ステップb1の鉛直下降工程に含まれ、前記移動工程は、ステップb9の水平搬送工程に含まれる。
本処理の複数の工程のうち、ステップb1の鉛直下降工程〜ステップb7の長辺側押さえ工程が第2実施形態に係る保持方法である。
また第2実施形態によれば、第1パレット42上の最上部のフレーム11の位置を検出するための複数のセンサ38Aあり、複数のセンサ38Aは、予め定める複数の範囲に物体があるか否かをセンサ38Aによって検知する。これによって、制御部37は、複数のセンサ38Aの互いの情報を比較することにより、第1載置面14上に載置されたフレーム11が傾いることおよび移載装置10Aが保持しようとするフレーム11の上にフレーム11以外の物体が存在することを検知することができる。したがって、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によってフレーム11を保持できない可能性を、センサ38Aを含むことによって予知することができる。したがって、短辺側支持部21および短辺側押圧部22によるフレーム11の保持の失敗を、未然に防止することができる。
また第1パレット42上の最上部のフレーム11の位置を検出するためのセンサ38Aが、フレーム11の向きを検出する場合、第1パレット42上にフレーム11の向きが逆に載置されているときに、移載装置10Aによって向きが逆に載置されたフレーム11の移載を停止することができる。したがって、移載の失敗を未然に防止することができる。またセンサ38Aは常時作動しているので、突発的な不具合に対処することができる。
また第2実施形態によれば、長辺側支持部23には傾斜面52が形成されるので、長辺側支持部23が一対の長辺部13Aに対して内方から外方へ変位することによって、長辺部13Aを傾斜面52によって押し上げることができる。長辺側支持部23が長辺部13Aに対して、内方から外方に変位すると、長辺側支持部23が長辺側フランジ部分18を内方から外方へ押圧する力が、長辺部13Aを鉛直上方Z1へ変位させる力に変換される。したがって、長辺側支持部23は、長辺部13Aに当接して、長辺部13Aの鉛直下方Z2に円滑に変位することができる。長辺側支持部23を内方から外方に変位させることで、長辺側支持部23は各長辺部13Aを支持することができるので、長辺側支持部23を各長辺部13Aよりも低い位置に変位させる必要がない。したがって、長辺側垂直動作機構36を設ける構成に比べて、移載装置10Aの構造を簡単化することが可能になる。
また第2実施形態によれば、積載されたフレーム11を移載するときに、鉛直位置決め工程と短辺支持工程と移動工程とを繰返して移載を行う。2回目以降の鉛直位置決め工程では、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を、前回の鉛直位置決め工程のときの短辺側支持部21の位置よりも鉛直下方Z2とし、前回の位置との鉛直方向Zの差を1ピッチとする。
これによって、2回目以降の鉛直位置決め工程では、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を、前回の鉛直位置決め工程における短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を基準として決定することができる。したがって、短辺側支持部21と共に鉛直方向Zに変位するセンサ38Aによって、予め定める範囲にフレーム11が存在するか否かを検知し、そのセンサ38Aからの出力に応じて短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を決定する方法に比べて、センサ38Aによる検出と出力とを繰返す速度に合わせて短辺側支持部21の鉛直方向Zの変位速度を調整する必要がない。
これによって、移載しようとするフレーム11の位置をセンサ38Aによって検出し、センサ38Aからの出力に基づいて短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を決定する方法に比べて、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置決めを短時間に行うことができる。したがって1つのフレーム11の移載にかかる時間を短縮することができ、単位時間当たりに多くのフレーム11の移載を行うことができる。
また第2実施形態によれば、移載装置10Aは高さ検出装置53を含んで構成される。高さ検出装置53は、短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を検出して、制御部37に対して検出結果を信号として出力する。具体的には、高さ検出装置53は鉛直移動機構33による短辺側支持部21の鉛直方向Zの変位量を検出する装置である。これによって、移載装置10Aが積載された複数のフレーム11を移載するときに、制御部37が前回の短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置よりも次回の短辺側支持部21の鉛直方向Zの位置を1ピッチ、鉛直下方Z2として決定することが可能になる。
第1および第2実施形態において、積載される複数のフレーム11の数は、15個としたけれども、積載される複数のフレーム11の数は規定しない。第1および第2実施形態において、フレーム11は1400mm×800mmの長方形を成すものとし、全体に可撓性を有する部材であるものとしたけれども、本発明においてフレーム11はこれに限るものではない。フレーム11は、少なくとも長辺部13Aの長辺方向Yの少なくとも一部に可撓性を有し、短辺部12のみを鉛直上方Z1に支持したとき、長辺部13Aの長辺方向Yの少なくとも一部分が撓み、あるいは屈曲し、長辺部13Aの全体を鉛直上方Z1に支持したときに比べて、長辺部13Aの長辺方向Yの少なくとも一部が5mm以上鉛直下方Z2に変位するフレーム11であれば足りる。他の実施形態において、フレーム11の大きさが1400mm×800mmと異なっていてもよい。
第1および第2実施形態において、短辺部12および長辺部13Aの断面形状はL字形であるものとしたけれども、本発明において短辺部12および長辺部13Aは、面方向内方に突出する平坦なフランジ部分を有する形状であれば、足りる。たとえば他の実施形態において、短辺部12および長辺部13Aの断面形状は、H形であってもよい。
また第1および第2実施形態において、フレーム11には、雌ねじ部または凸部が形成されるものとしたけれども、他の実施形態においてフレーム11には、雌ねじ部または凸部が形成されていなくてもよい。
第1および第2実施形態において、短辺側支持部21および長辺側支持部23は、1つの短辺部12または長辺部13Aに対してそれぞれ2つあるとしたけれども、短辺側支持部21は短辺方向Xに長い1つの板状の部材であってもよく、長辺側支持部23は長辺方向Yに長い1つの板状の部材であってもよい。また1つの短辺部12または長辺部13Aに対して、2つよりも多く形成されてもよい。また第1および第2実施形態において、短辺側支持部21と短辺側押圧部22とは一体に形成されるとし、また長辺側支持部23と長辺側押圧部24とは一体に形成されるとしたけれども、他の実施形態において短辺側支持部21と短辺側押圧部22とは別体に形成され、それぞれが別個に作動する構成としてもよく、長辺側支持部23と長辺側押圧部24とは別体に形成され、それぞれが別体に作動する構成としてもよい。
第1および第2実施形態において、短辺側水平動作機構31および長辺側水平動作機構32は、ボールねじを含んで構成され、鉛直移動機構33および水平移動機構34はラックアンドピニオン機構を含んで構成され、長辺側垂直動作機構36、短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27、長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29は複動式エアシリンダを含む機構で駆動されるものとしたけれども、これらの機構の駆動源はこのように決められるものではない。たとえば短辺側水平動作機構31がラックアンドピニオン機構を含んで構成されてもよいし、長辺側垂直動作機構36がボールねじを含んで構成されても構わない。駆動機構については、規定しない。
短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27は、1つの短辺部12に対して1つであってもよく、複数であってもよい。長辺側上方押さえ部材28および長辺側外方押さえ部材29も、1つの長辺部13Aに対して1つであってもよく、複数であってもよい。短辺側上方押さえ部材26、短辺側外方押さえ部材27および長辺側上方押さえ部材28の、フレーム11に当接する先端部の材質は規定しないけれども、フレーム11を傷つけないように、樹脂であることが好ましい。また短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23および長辺側押圧部24の、フレーム11に接触する部分の材質は、規定しないけれども、フレーム11を傷つけないように、樹脂であることが好ましい。
第2実施形態において、制御部37が複数のセンサ38Aからの信号を比較し、制御部37が矛盾であると判断したときには、エラー表示部54および通報装置56を制御してエラーメッセージの表示および通報を行わせるものとしたけれども、エラーメッセージの表示は、エラー表示部54および通報装置56のいずれか一方であってもよい。
第1実施形態と同様の構成において、センサ38Aの個数は1つであってもよく、複数であってもよい。また第2実施形態において、センサ38Aの個数は複数であればよく、3つ以上であっても4つ以上であってもよい。
第1実施形態または第2実施形態と同様の構成において、長辺側垂直動作機構36と同様の、短辺側支持部21および短辺側押圧部22を長辺側支持部23および長辺側押圧部24に対して鉛直方向Zに変位させる機構として短辺側垂直動作機構をさらに有していてもよい。
第2実施形態で長辺側支持部23に設けた傾斜面52は、長辺側支持部23の長辺側フランジ部分18に接触する面全体に設けてもよいけれども、長辺側支持部23の長辺側フランジ部分18に接触する面の一部に面方向外方の一部に設けてもよい。また第1および第2傾斜面52は、短辺側支持部21および短辺側上方押圧部48の面方向外方の一部に設けたけれども、第1および第2傾斜面52は、短辺側支持部21および短辺側上方押圧部48の、短辺側フランジ部分17に接触する面全体にわたって設けてもよい。
長辺方向に離れる短辺側押圧部22の短辺側フランジ部分17に接触する部分同士の距離は、長辺部13に張力がかかり、長辺部13の撓み量が5mm以下になる程度の距離であればよい。たとえば他の実施形態において短辺側フランジ部分17を最も面方向外方に変位させたときに、短辺側押圧部22の短辺側フランジ部分17に接触する部分同士の、長辺方向に離れる距離は、第1および第2実施形態の場合に比べてさらに短くても、またさらに長くてもよい。
短辺方向に離れる長辺側押圧部24の長辺側フランジ部分18に接触する部分同士の距離は、短辺部12が自然長である状態における一対の長辺側フランジ部分18の面方向内方部分間の距離よりも長ければよい。たとえば他の実施形態において長辺側フランジ部分18を最も面方向外方に変位させたときに、長辺側押圧部24の長辺側フランジ部分18に接触する部分同士の、短辺方向に離れる距離は、第1および第2実施形態の場合に比べてさらに短くても、またさらに長くてもよい。
本発明の第1実施形態に係る移載装置10の斜視図である。 本発明の第1実施形態において、移載装置10の移載の対象となるフレーム11が積層された状態の、フレーム11の斜視図である。 本発明の第1実施形態において、長辺部13が撓み、その長辺方向Yの中央部が鉛直下方Z2に変位した状態の、長辺部13の側面図である。 本発明の第1実施形態において、積層されたフレーム11の長辺部13を、長辺方向Yに垂直な平面によって切断して見た断面図である。 本発明の第1実施形態における、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、長辺側支持部23、長辺側押圧部24、短辺側水平動作機構31、長辺側水平動作機構32、および鉛直機構の平面図である。 本発明の第1実施形態において、短辺側支持部21が支持しようとするフレーム11の短辺側フランジ部分17よりも低い位置に到達したときの、短辺側支持部21、短辺側押圧部22およびセンサ38の側面図である。 本発明の第1実施形態において、短辺側支持部21、短辺側押圧部22、短辺側上方押さえ部材26および短辺側外方押さえ部材27によって短辺部12を保持した状態を表す図である。 本発明の第1実施形態において、短辺側フランジ部分17が短辺側押圧部22によって面方向外方に押圧され、長辺部の撓み量が低減した状態を表す側面図である。 本発明の第1実施形態において、長辺側垂直動作機構36によって長辺側支持部23および長辺側押圧部24が、鉛直下方Z2に変位した長辺部13よりも低い位置に到達した状態を表す側面図である。 本発明の第1実施形態において、移載装置10の電気的接続関係を表すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る移載方法の工程を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における短辺側支持部21および短辺側押圧部22の側面図である。 本発明の第2実施形態における長辺側支持部23および長辺側押圧部24の側面図である。 本発明の第2実施形態における長辺部13を短辺方向Xに見た側面図である。 本発明の第2実施形態において、移載装置10の電気的接続関係を表すブロック図である。 本発明の第2実施形態における移載方法の工程を表すフローチャートである。 従来技術に係るチャック爪で可撓性を有するフレームの短辺部を保持したときの、長辺部保持用のチャック爪1と長辺部2とを表した側面図である。
符号の説明
10 移載装置
11 フレーム
12 短辺部
13 長辺部
14 第1載置面
16 第2載置面
17 短辺側フランジ部分
18 長辺側フランジ部分
19 基体
21 短辺側支持部
22 短辺側押圧部
23 長辺側支持部
24 長辺側押圧部
26 短辺側上方押さえ部材
27 短辺側外方押さえ部材
28 長辺側上方押さえ部材
29 長辺側外方押さえ部材
31 短辺側水平動作機構
32 長辺側水平動作機構
33 鉛直移動機構
34 水平移動機構
36 長辺側垂直動作機構
37 制御部
38 センサ
39 短辺側垂直平板部
41 長辺側垂直平板部
42 第1パレット
44 第2パレット
48 短辺側上方押圧部
49 長辺側上方押圧部
50 第1斜面
51 第2斜面
52 傾斜面
53 高さ検出装置

Claims (11)

  1. 長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、前記一対の短辺部および前記一対の長辺部は、前記長方形の面方向内方に突出する平坦なフランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有し、略水平となるように予め定める第1の載置面上に載置されたフレームを、前記第1の載置面のさらに上方へ変位させて、予め定める第2の載置面上に載置する移載装置であって、
    基体と、
    基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、それぞれ鉛直下方から支持する短辺側支持部と、
    基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する短辺側押圧部と、
    基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、それぞれ鉛直下方から支持する長辺側支持部とを含むことを特徴とする移載装置。
  2. 基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する長辺側押圧部と、
    基体に接続され、前記一対の短辺部の各フランジ部分を、鉛直上方から押圧する短辺側上方押さえ部材および
    基体に接続され、前記短辺部を、面方向外方から押圧する短辺側外方押さえ部材のうち少なくともいずれか一方と、
    基体に接続され、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、鉛直上方から押圧する長辺側上方押さえ部材および
    基体に接続され、前記長辺部を、面方向外方から押圧する長辺側外方押さえ部材のうち少なくともいずれか一方とを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移載装置。
  3. 前記短辺側支持部および短辺側押圧部を、外方および内方へ変位させる短辺側水平動作機構と、
    前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、外方および内方へ変位させる長辺側水平動作機構と、
    前記短辺側支持部、短辺側押圧部、長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して鉛直方向に変位させる鉛直移動機構と、
    前記短辺側支持部、短辺側押圧部、長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して水平方向に変位させる水平移動機構とを、さらに含むことを特徴とする請求項2に記載の移載装置。
  4. 前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、短辺側支持部および短辺側押圧部に対して鉛直方向に変位させる長辺側垂直動作機構をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の移載装置。
  5. 短辺側水平動作機構と、長辺側水平動作機構とに電気的に接続される制御部をさらに含み、
    制御部は、
    前記短辺側水平動作機構が、前記短辺側支持部および短辺側押圧部を、基体に対して、同時に同じ変位量、変位させるように短辺側水平動作機構を制御し、
    前記長辺側水平動作機構が、前記長辺側支持部および長辺側押圧部を、基体に対して、同時に同じ変位量、変位させるように長辺側水平動作機構を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の移載装置。
  6. 前記短辺側支持部は、2つの短辺部のフランジ部分のそれぞれに対して複数あり、
    前記長辺側支持部は、2つの長辺部のフランジ部分のそれぞれに対して複数あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の移載装置。
  7. 前記短辺側支持部は、2つの短辺部のフランジ部分のそれぞれに対して2つあり、
    前記長辺側支持部は、2つの長辺部のフランジ部分のそれぞれに対して2つあり、
    4つの短辺側支持部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線と、4つの長辺側支持部および長辺側押圧部が成す四角形の中心を通る鉛直方向の仮想直線とは、一致することを特徴とする請求項6に記載の移載装置。
  8. 前記鉛直移動機構によって短辺側支持部と共に鉛直方向に変位するセンサをさらに含み、
    センサは、センサから予め定める向きの、予め定める範囲に物体が存在するか否かを検知して、その情報を制御部に対して出力し、
    制御部は、センサの出力に応じて鉛直移動機構を制御することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の移載装置。
  9. 前記長辺側支持部には、前記長辺部に当接する面として、傾斜面が形成され、
    傾斜面は、前記長方形の長辺方向に延びる直線を含み、水平な仮想平面に対して角度を成し、外方から内方へ向かうにつれて鉛直上方に向かうことを特徴とする請求項1〜3および5〜8のいずれか1つに記載の移載装置。
  10. 長方形を成す一対の短辺部と一対の長辺部とを有し、前記一対の短辺部および前記一対の長辺部は、前記長方形の面方向内方に突出する平坦な各フランジ部分をそれぞれ有し、長辺部の長辺方向の少なくとも一部分が可撓性を有し、略水平となるように予め定める載置面上に載置されたフレームを上方へ変位させるために保持する保持方法であって、
    前記一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺側支持部によって、それぞれ鉛直下方から支持する短辺支持工程と、一対の短辺部の各フランジ部分を、短辺側押圧部によって、それぞれ長方形の面方向内方から面方向外方へ押圧する短辺押圧工程と、
    短辺押圧工程の後、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、長辺側支持部によって、それぞれ鉛直下方から支持する長辺支持工程とを含むことを特徴とする保持方法。
  11. 短辺押圧工程の後、前記一対の長辺部の各フランジ部分を、長辺側押圧部によって、前記長方形の面方向内方から面方向外方に向けて押圧する長辺押圧工程を、さらに含み、
    短辺押圧工程では、一対の短辺部の各フランジ部分が、第1載置面に載置された状態における長さよりも、短辺方向に長く伸長されることを特徴とする請求項10に記載の保持方法。
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