JP5000430B2 - ハイブリッド型作業機械の運転制御方法および同方法を用いた作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベル等の建設作業機械における駆動装置、特にエンジン若しくは他の原動機により駆動される油圧ポンプを油圧供給源とした駆動と、電動機を駆動源とした駆動との2種類の駆動系統を有するハイブリッド型作業機械において、該作業機械の構造物の一部を成す慣性体を制動する際に該慣性体の有する運動エネルギを電気エネルギに変換する機能を備えたハイブリッド型作業機械の運転制御方法に関する。
油圧ショベル等の建設作業機械(以下、単に作業機械という)において、近年、排気ガスや騒音等の作業環境を改善する方策がハイブリッド型として種々提案されている。
油圧ショベル等の作業機械においては、大きな慣性を有する旋回体を駆動(制動も含む)する際の憤性エネルギーを回収再利用すべく、旋回体を電動駆動する方式と、電動駆動と油圧駆動とを組合せて適用する方式が示されている。しかしながら、作業機械は通常、劣悪な環境で使用される場合が多く、特に屋外では環境温度コントロールが困難であり、従って駆動装置も、非常に厳しい温度環境下に置かれる場合が多い。
ところで、作業機械の慣性体等の構造物を操作する駆動源としては油圧駆動装置は多くの適用実績があり、十分な信頼性を持つが、電動駆動装置は電気エネルギー伝達に伴う電気抵抗及び電動駆動装置の一部をなす回転体の機械損失等で常に熱発生の要素を有する。
また、油圧駆動装置においては流体がエネルギ及び熱を伝達するので、発生した熱は流体を冷却することにより放散できるが、一方、電動駆動装置においては装置そのものを冷却する必要がある。ところが、作業機械では一般に電動又は油圧駆動装置を設置するスペースは狭く、電動駆動装置を、作業機械を連続運転した場合に安全を常時維持する程度にまで、環境温度を低減することが困難であるという事情がある。
一方、ハイブリッド型の作業機械の駆動制御方式は大別すると、シリーズとパラレルの2方式がある。シリーズ方式は、エンジンで一旦発電機を駆動し、この発電機で発生した電力によって電動機を駆動し、そしてこの電動機で油圧ポンプを駆動する作業機械であり、更に、発電機からの余剰電力をバッテリ等の蓄電装置に蓄え、蓄電されたバッテリの電力で必要に応じて電動機を駆動するものである。図12はこの油圧ショベルの駆動系及び制御系のブロック構成を示している。(特許文献1)
また、パラレル方式は、エンジンで油圧ポンプと発電機を同時に機械的に駆動し、さらに、同発電機を電動機としてバッテリにより駆動するものである。
前記図12において、実線矢印は電気駆動系、点線矢印は油圧駆動系をそれぞれ示す。
発電機21と、電動機24及びバッテリ22との間にインバータ23が設けられ、このインバータ23により、発電機21で作られた交流電力が直流に変換されてバッテリ22に蓄えられ(充電作用)、バッテリ22の蓄電力が交流に変換されて電動機24に供給される(放電作用)。
なお、インバータ23には、図示しないが切換手段が設けられ、オペレータの操作により、あるいは負荷状況に応じて自動で、上記充放電作用の切換が行われる。
電動機24によって駆動される油圧ポンプ25の圧油は、各油圧アクチュエータに設けられたコントロールバルブ32を介して各油圧アクチュエータ(旋回及び走行用油圧モータ26、27、28および、ブーム、アーム、バケット用の各シリンダ31、30、29)に供給され、コントロールバルブ23によって各油圧アクチュエータの作動速度、トルク、作動方向が制御される。
上記の充放電作用を含めたこのハイブリッド型油圧ショベルの駆動制御作用を次に説明する。
エンジン20が運転されると発電機21が駆動されて発電作用を行い、発生した交流電力により電動機24が駆動されて油圧ポンプ25が回転し、上記のように各油圧アクチュエータが作動することにより、各ショベル動作(掘削、走行、旋回)が行われる。
ここで、基本的に、電動機24は、発電機21からインバータ23経由で供給される電力によって駆動されるが、重負荷時には、前記した切換手段の作用により、バッテリ22の蓄電力によって電力不足を補い、逆に軽負荷時には発電機21の余剰電力がバッテリ22に蓄えられる。
一方、軽負荷時でかつバッテリ容量が十分な場合は、エンジン20の出力を低下させ、あるいはエンジン停止させてバッテリ電力のみによって電動機24を駆動することもできる。
このような作用により、エンジン負荷を平滑化し、騒音及び排ガスを削減し、燃費を低減することができる。
このショベルによると、上記のようにエンジン20−発電機21−電動機24−油圧ポンプ25の経路で回転力が伝達され、パワーユニットをエンジン20+発電機21の組と、電動機24+油圧ポンプ25の組に分けて設置することが可能となる。従って、一個所にまとまった大きな設置スペースを必要としないため、とくに小旋回型のショベルに適したものとなる。また、発電機21と電動機24は電気配線によって接続できるため、エネルギの伝達ロスを大幅に削減することができる。
なお、図12では単一の、電動機24と油圧ポンプ25を組み合わせて各油圧アクチュエータ(旋回及び走行用油圧モータ26、27、28および、ブーム、アーム、バケット用の各シリンダ31、30、29)に所要の圧油を供給するようにしているが、各油圧アクチュエータに対応させて専用の電動機と油圧ポンプとをそれぞれ設けることにより各油圧アクチュエータを独立して駆動すること、すなわち、ある1つのアクチュエータのために供給される圧油が他の油圧アクチュエータを駆動するための圧油によって影響を受けないようにすることも可能である。
しかしながら、この特許文献1では、各油圧アクチュエータにおける減速時に電気エネルギを回生するという技術的思想は開示されていない。また、このシリーズ方式では、油圧ポンプ25はエンジン20により直接駆動されず、電動機24により駆動されており、しかもこの電動機24は電力を回生する方式ではない。また、ハイブリッド型作業機械を形成するため、2つの、発電機21と電動機24を採用しているので、バッテリ22の蓄電容量は比較的大容量のものが必要であり、さらに、既存の作業機械上にて、発電機21、電動機24を簡単に併設・追加することは、図8の当該システム構成上から考えて容易ではないことがわかる。
一方、前述したパラレル方式ではないが、ハイブリッド型作業機械の例として、特許文献2を挙げることができる。同特許文献2の段落0012〜0014には、
「(1)上記目的を達成するために、本発明は、油圧作業機を駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプを直接又は間接的に駆動する原動機とを備える油圧作業機械に設けられた油圧作業機械のエネルギ回生装置において、前記複数の油圧アクチュエータのうち少なくとも1つに直結され又は機械的機構を介し間接的に連結され、当該油圧アクチュエータの補助的な駆動・被駆動を行う電動・発電機と、前記電動・発電機と電気エネルギの授受を行う蓄電手段と、前記電動・発電機の動作を制御する電動・発電機制御手段とを備える。
本発明においては、電動・発電機制御手段の制御に基づき、少なくとも1つの油圧アクチュエータに併設された電動・発電機がそのアクチュエータの補助的な駆動・被駆動を行い、蓄電手段と電気エネルギの授受を行う。これにより、例えば上部旋回体の減速時にその慣性運動エネルギによって旋回用油圧モータに併設した電動・発電機で発電を行ったり、またブームが落下する時にその位置エネルギによってブーム用油圧シリンダに併設した電動・発電機で発電を行ったりして、それらの電気エネルギを蓄電手段に効率よく蓄える(回生する)ことが可能となる。また上部旋回体の駆動時やブーム用油圧シリンダの駆動時には、その蓄電手段に蓄えた電気エネルギを電動・発電機に供給し旋回用油圧モータやブーム用油圧シリンダを補助的に駆動することができる。
本発明においては、以上のようにして、高効率でエネルギ回収を行うことができる。また、既存の油圧作業機械をベースとして、その油圧アクチュエータに電動・発電機を併設するとともに電動・発電機制御手段、蓄電手段を後づけで追加するだけの簡単な構成で実現できるので、実用化が非常に容易である。さらに、原動機としてエンジンを使う場合には作業あたりの燃費を向上するとともにエンジン排気ガス量を低減できる効果もある。」
と記載されている。
さらに、特許文献2の図2、3を参照すると、その段落0026〜0029には、
「上記構成である本実施形態においては、例えば操作者が掘削積み込み作業を行おうとして油圧ショベルの上部旋回体2を右旋回動作させるべく操作レバー装置15の旋回用操作レバー(図示せず)を右旋回方向(又は左旋回方向、かっこ内対応関係同じ)に操作すると、その操作信号を入力したコントローラ16からその操作量に対応する駆動信号が生成されてコントロールバルブ装置14に出力され、旋回用コントロールバルブがその駆動信号に対応して切り換えられ、油圧ポンプ13からの圧油が旋回用コントロールバルブから旋回用油圧モータ10へ供給されて右方向(又は左方向)へ回転駆動され、旋回を開始する。またこのとき、図3に示すように、操作量x(右方向を正で表す)が所定値xo以上となると(又は所定値−xo以下となると)、コントローラ16からの信号に基づく電動・発電機制御装置18の制御によって蓄電装置19に蓄えた電気エネルギが電動・発電機17に供給されて電動・発電機17が電動機として作用し図3に示すように右旋回方向のトルクTo(又は左旋回方向のトルク−To)を発生し、これによって旋回用油圧モータ19の駆動を補助する。
その後、例えば上部旋回体2がある程度旋回したら(例えばバケット5が土砂運搬用ダンプトラックの荷台に近づいたら)、操作者は右(又は左)旋回動作を停止させるべく操作レバー装置15の旋回用操作レバー(図示せず)を中立位置に戻す。すると、これに応じてコントローラ16から旋回用コントロールバルブへの駆動信号がゼロとなり、旋回用コントロールバルブが中立位置に復帰して油圧ポンプ13から旋回用油圧モータ10への圧油供給が遮断される。
このとき、旋回用油圧モータ17により旋回駆動される上部旋回体2は大型物であって自重が比較的重いことから、旋回運動している上部旋回体2は大きな慣性運動エネルギを持っており、旋回用油圧モータ10への圧油供給が遮断されてもそのまま旋回運動を継続しようとする。これを利用して本実施形態においては、操作量xが0(中立位置)近傍の所定範囲内(−xi≦x≦xi)となるとコントローラ16からの信号に基づく電動・発電機制御装置18の制御によって、旋回用油圧モータ10に併設した電動・発電機17で発電を行う。すなわちこの場合、電動・発電機17は発電機として作用して逆方向の左旋回方向へのトルク−To(又は右旋回方向へのトルクTo)を発生しつつ発電を行い上記慣性エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギを蓄電装置19に効率よく蓄える(回生する)。この蓄電装置19に蓄えた電気エネルギは、次回の上部旋回体2の旋回駆動時に再び電動・発電機17に供給され旋回用油圧モータ10を補助的に駆動することに用いられる。
以上のようにして、本実施形態によれば、上部旋回体2の旋回減速時・停止時に高い効率でエネルギ回収を行うことができる。またこのとき、本実施形態の構成によれば、既存の油圧作業機械をベースとして、その油圧アクチュエータ7、8、9、10、1l、11Rのうちの旋回用油圧モータ10に電動・発電機17を併設するとともに電動・発電機制御装置18、蓄電装置19を後づけで追加するだけの簡単な構成で実現できるので、実用化が非常に容易である。さらに、エンジン12の作業あたりの燃費を向上するとともにエンジン排気ガス量を低減できる効果もある。」
と記載され、油圧アクチュエータにより駆動される慣性体の減速時に該慣性体の運動エネルギを電気エネルギとして回生することが開示されている。
しかしながら、上記の特許文献2においては、上述した段落0026の記載および図3に示されるように、
「操作量x(右方向を正で表す)が所定値xo以上となると(又は所定値−xo以下となると)、コントローラ16からの信号に基づく電動・発電機制御装置18の制御によって蓄電装置19に蓄えた電気エネルギが電動・発電機17に供給されて電動・発電機17が電動機として作用し図3に示すように右旋回方向のトルクTo(又は左旋回方向のトルク−To)を発生し、これによって旋回用油圧モータ19の駆動を補助する。」と記載されている。
一方、段落0028には、
「操作量xが0(中立位置)近傍の所定範囲内(−xi≦x≦xi)となるとコントローラ16からの信号に基づく電動・発電機制御装置18の制御によって、旋回用油圧モータ10に併設した電動・発電機17で発電を行う。すなわちこの場合、電動・発電機17は発電機として作用して逆方向の左旋回方向へのトルク−To(又は右旋回方向へのトルクTo)を発生しつつ発電を行い上記慣性エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギを蓄電装置19に効率よく蓄える(回生する)。」
と記載されているように、コントローラ16に基づく電動・発電機17の制御は、電動機、発電機としてそれぞれ作用する場合のトルクTはレバー操作量x(x0、xi)に対応して定められており、その駆動時および回生時のトルクTは共に所定値T0とされている。
同様な関係は、特許文献2の図6に示されるブームに対する回生制御においても、レバー操作量yに対するモータトルクTiとして、駆動時および回生時に示されている。
しかしながら、特許文献2の回生制御においては、電動・発電機17を油圧アクチュエータの補助的な駆動、被駆動手段として利用することに主眼が置かれ、さらに、コントローラ16のINV/CON18を介しての制御を比較的単純にするため、当該油圧アクチュエータ10に対する供給圧油、あるいは排出圧油の圧力や流量との関係に基づいて前記トルクT0を定めるようにはなっておらず、単にレバー操作量に対応して所定値T0に切換えるという制御を行うものであり、それ故、該油圧アクチュエータの起動時や停止時における前記電動・発電機17の駆動、回生制御の切換時には油圧系、電気系においてショックを発生し、また、特に軽負荷または低速状態からの回生時には例えば、設定値T0の方が大きい場合、旋回モータは直ちに停止されるため駆動系統への機械的ショックが生じる恐れもある。そしてこうした問題を回避するためT0をそれぞれの状態に応じて変化させるようにしようとすれば、結局のところコントローラの制御が複雑になるという問題がある。
また、これら特許文献1、2には、前述した電動駆動装置が厳しい温度環境下に置かれていることに対しては、電気的制御装置各部の温度上昇には、一般的な、ファン等で冷却することにより対処できると考えられ、温度上昇に対する特別な対策は提案されていない。
特開2001−11888号公報 特開2004−124381号公報
本発明者は、前記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、ハイブリッド型作業機械を構成している電動駆動装置各部の温度を検出し、同検出温度にもとづいて電動・発電機と油圧アクチュエータの出力トルクの比率を変えることで、電動駆動装置各部の温度上昇を抑制することができ、さらにまた、電動・発電機に対応する油圧アクチュエータの圧油供給口および排出口における圧油の差圧に関連付けて前記電動・発電機に接続されているインバータ/コンバータへの制御指令を生成するようにすれば、前記の種々の問題点が基本的に解決できることを見出した。
従って、本発明の目的は、原動機により駆動される油圧ポンプを駆動源とした駆動と、電動機による駆動との、2種類の駆動系統を有するハイブリッド型作業機械において、電動駆動装置側の各電気回路部分が温度上昇して各電気回路部分が作動不能とならないよう温度管理を行うようにしたハイブリッド型作業機械の運転制御方法および装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明によるハイブリッド型作業機械の運転制御方法は、原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械の運転制御方法において、前記制御装置は、前記電動駆動装置部の温度を検出し、当該検出温度の変化に応じて前記慣性体を駆動するための前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整する、ことを特徴とする。
その場合、前記電動駆動装置部の温度上昇に応じて、油圧駆動装置部の出力トルクに対する電動駆動装置部の出力トルクの比率を低減するよう構成することができる。
また、その場合、前記電動駆動装置部の温度を検出しつつ、当該温度が予め定められた温度を超えたとき前記油圧駆動装置部と前記電動駆動装置部との出力トルクの比率を低減または変化させるよう構成することができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明によるハイブリッド型作業機械は、原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械であって、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータの少なくとも1つに設けられた温度検出手段と、前記慣性体を駆動するための油圧駆動装置部および電気駆動装置部に対しそれぞれの出力トルクを演算指令すると共に、前記温度検出手段の検出温度の変化に応じて前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整する前記制御装置と、を備えたことを特徴とする。
その場合、前記電動・発電機を併設した油圧アクチュエータの両ポートの圧力を検出しその差圧を生成する差圧検出手段と、同差圧検出手段により検出された差圧に関連させて前記電動・発電機の出力トルクを指令するトルク指令手段を有する前記制御装置と、を備えて構成することができる。
本発明によるハイブリッド型作業機械の運転制御方法によれば、原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械の運転制御方法において、前記制御装置は、前記電動駆動装置部の温度を検出し、当該検出温度の変化に応じて前記慣性体を駆動するための前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整するよう構成したので、劣悪な環境下での温度上昇にともなう緊急事態においても作業機械の作動を可能とするべく、油圧駆動装置と電動駆動装置を併用し、電動駆動装置の温度が所定以上に上昇したとき電気駆動装置部の駆動力を低減して発熱を抑え電動駆動装置部の信頼性を向上させると共に、電動駆動装置側の出力低下分を油圧駆動装置側の出力をアップすることにより、作業機械としての必要出力を維持することが出来る。
また、本発明によるハイブリッド型作業機械によれば、原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械であって、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータの少なくとも1つに設けられた温度検出手段と、前記慣性体を駆動するための油圧駆動装置部および電動駆動装置部に対しそれぞれの出力トルクを演算指令すると共に、前記温度検出手段の検出温度の変化に応じて前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整する前記制御装置と、を備えて構成したので、ハードウエアとしては、温度センサを電動駆動装置側の各部に設置するだけでよく、作業機械の駆動中、前記制御装置により検出温度に関連させて前記両出力トルクの比率を低減または変化することにより電動駆動装置の電気回路等の温度上昇を回避できるようにしており、したがって、作業機械のオペレータは、電気回路等の温度上昇を心配することなく安心して運転作業を遂行することができる。
以下、本発明の実施の形態に基づく1実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、作業機械としての油圧ショベルの概略構成を示す。同図1において、油圧ショベル10は、油圧モータにより駆動される下部走行体11の上に旋回機構12を介して上部旋回体13が旋回自在に載置されている。上部旋回体13には、その前方一側部にキャブ14が設けられ、且つ、前方中央部にブーム15が俯仰可能に取り付けられている。また、ブーム15の先端にアーム16が上下回動自在に取り付けられ、さらにアーム16の先端にバケット17が取り付けられている。
図2は、本発明の基本構成を説明する概念ブロック図である。同図2において、油圧ショベルの下部走行体11上に慣性体60が旋回可能に搭載されている。この旋回慣性体60を旋回駆動する駆動装置として、破線で示されるように、電動・発電機70を含む電動駆動装置部EDと、油圧アクチュエータである油圧モータ58を含む油圧駆動装置部HDが設けられており、電動・発電機70の出力回転軸70aと油圧モータ58の出力回転軸58aに取り付けられた歯車(図示せず)がスプリッタCを介して回転するよう組み付けられ、旋回慣性体60の回転軸60aと結合している。油圧モータ58にはタンクTとの間で、図示しない原動機により駆動されるポンプ54からの圧油が切換制御弁56を介して給排されるようになっている。参照符号58bは、油圧モータ58の駆動軸58aに発生させる出力トルク(Tem)の設定手段である。この設定手段58bとしては、後述するように、リリーフ弁で構成することができる。
一方、電動駆動装置部EDは、電動・発電機70、同電動・発電機70の回転位相角を検出するエンコーダ72からなるモータ部70Aと、同モータ部70Aとの間で電力変換を行うインバータ/コンバータユニット102と、電気エネルギを蓄える蓄電装置90からなる。同蓄電装置90は、電動・発電機70が電動機として機能するとき、インバータ/コンバータユニット102を介して所要の電力を供給し、また、電動・発電機70が発電機として機能するとき、すなわち、慣性体60を制動するときインバータ/コンバータユニット102を介して発生する電力を受け取るようになっている。コントローラCUは、図3のトルク指令手段104に対応するものであって、油圧駆動装置部HD、電動駆動装置部EDに対し、それぞれトルク指令信号Tem、Tegを供給する。
参照符号S1、S2、S3は、前記蓄電装置90、インバータ/コンバータユニット102、モータ部70Aのそれぞれ内部の温度を検出するために設けられた温度センサである。また、参照符号S4はタンクTに設けられた温度センサである。
参照符号θ1、θ2、θ3、θ4は前記各温度センサS1、S2、S3、S4の検出温度の値を示す。
図3は、本発明の全体構成を説明する詳細図である。同図3において、参照符号50は、ハイブリッド型作業機械の油圧装置であり、同油圧装置50は、原動機52および油圧ポンプ54を備えている。同図3では油圧装置50の中の1つの切換制御弁56に対応して接続された油圧アクチュエータ58と同油圧アクチュエータ58により駆動される慣性体60ならびに、切換制御弁56へのパイロット操作圧信号Pa、Pbを発生するパイロット操作弁59が例示されている。前記油圧アクチュエータ58としては、例えば、旋回用油圧モータやブーム用シリンダを、また、前記慣性体60として旋回台やブームを挙げることができる。
参照符号70は、油圧アクチュエータ58に併設された交流電動機で構成される電動・発電機であって、慣性体60を駆動するとき油圧アクチュエータ58と協働して所定の駆動力を慣性体60に供給し、また、慣性体60を減速、制動するとき油圧アクチュエータ58と協働して所定の制動力を慣性体60に作用させるようになっている。
ここで、参照符号Cは前記併設の結合状態を示し、具体的には、油圧アクチュエータ58が油圧モータであり、慣性体60が回転慣性体である場合、電動・発電機70の軸は該油圧モータ58の回転軸と同軸または歯車機構を介して結合され、また、油圧アクチュエータ58が油圧シリンダであり、慣性体60が直動する慣性体である場合、電動・発電機70の軸は該油圧シリンダのロッドと平行に設けられたラックに係合するピニオン歯車からなる直動回転変換機構を介して結合される。
参照符号72は、電動・発電機70の回転量を検出するエンコーダである。また、参照符号80は、前記油圧アクチュエータ58の圧油供給口側の圧力PAと排出口側の圧力PBを検出しその差圧D(=PA−PB)を生成する差圧検出手段である。さらに、参照符号90はバッテリおよびキャパシタを備えた蓄電装置であって、電動・発電機70が電動機として作用するとき必要とされる電力が制御装置100を構成する電力変換部102を介して蓄電装置90から供給される。また、電動・発電機70が発電機として作用するとき発生される電力が電力変換部102を介して蓄電装置90へ供給される。
参照符号100は、前記ハイブリッド型作業機械全体の制御手段である。ここでは、同制御手段100の中で本発明に直接関係する制御部分のみをブロックとして例示してある。前記電力変換部102は、公知のインバータ/コンバータ回路102aと、同インバータ/コンバータ回路102aを形成する複数の大電力トランジスタのゲートをオンオフするためのスイッチング用パルス列信号を演算生成するPWM(パルス幅変調器)102bとから構成される。さらに、前記電力変換部102へは、電動・発電機70に結合され、該電動・発電機70の回転角位置を出力するエンコーダ72の出力信号Pと、また図示しないが、電動・発電機70の各励磁相巻線に流れる電流の検出部からの出力信号がそれぞれ入力されている。なお、前記インバータ回路は直流電圧(流)を交流電圧(流)に変換し、コンバータ回路は交流電圧(流)を直流電圧(流)に変換するものである。
参照符号104はトルク指令手段であって、前記差圧検出手段80の出力信号Dおよび温度検出手段の検出温度θ1、θ2、θ3、θ4が入力されている。このトルク指令手段102の機能は、前記PWM102bにおける各パルスの立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングすなわち前記各大電力トランジスタに対するスイッチングの位相と各パルスの幅を前記信号P、各励磁相巻線に流れる電流に基づいて演算生成するものである。なお、前記制御手段100中の調整手段104a、パイロット操作信号Pa、Pbの作用については後述する。
図4は、図3に例示した作業機械の油圧装置50における油圧アクチュエータ58として旋回用油圧モータ、慣性体60として回転慣性体である旋回台とした場合における油圧装置を示す。同図4において、参照符号200は可変容量ポンプであって、その吐出側ライン200bへの吐出流量が斜板調整機構200aにより制御される。参照符号202は、旋回用の油圧モータ204への圧油の給排をラインA、Bを介して行う切換制御弁である。なお、参照符号202aは図示しない他の油圧アクチュエータへの圧油の給排を行う切換制御弁である。
切換制御弁202の上方には、ロードセンシング方式で機能する圧力制御弁PCVが設けられている。参照符号LSLはそのロードセンシング用のラインである。参照符号Pa、Pbは、図示しないパイロット操作弁からの操作圧信号を示しており、それぞれ切換制御弁202の受圧部に与えられている。参照符号PA、PBは前記油圧モータ204の圧油の供給口、排出口における圧力を示す。また、参照符号L、Rは油圧モータ204の左回転、右回転をそれぞれ示す。
参照符号206は前記油圧モータ204に併設した発電・電動機である。この発電・電動機206の回転軸と前記油圧モータ204の回転軸は機械的に結合され且つ、減速歯車機構208と結合され、さらに回転慣性体である旋回台210に結合されている。参照符号204aは、油圧モータ204に関し、切換制御弁202と反対側にあるラインAとBの間に設けられ、所定の条件のとき、すなわち、旋回台210を減速・制動するとき開状態とされる開閉弁であって、参照符号Sdは開指令信号を示す。参照符号204bは、一対のリリーフ弁と逆止弁とを対向配置した公知の油圧制動回路であり、同図4では、各リリーフ弁の設定圧は一定として示してあるが、設定圧を可変とするタイプのリリーフ弁を設けることも可能であり、その場合の設定圧信号を制御手段100で生成することができる。
参照符号90、100は、それぞれ図3で説明した蓄電装置、制御手段であって、2点鎖線で示すように、前記発電・電動機206と電気的に接続されていることを示す。
参照符号212は、発電用の電動機であって、バッテリおよびキャパシタからなる公知の蓄電装置90の蓄電レベルが所定値より低下している場合に、ポンプ216により前記電動機212を駆動させてその発電エネルギを蓄電装置90へ供給するものである。ここで、ポンプ216への圧油は吐出ライン200bから開閉弁214を介して供給されるようになっており、同開閉弁214は、好適には、前記制御手段100で形成される信号Siにより開状態とされる。この場合、信号Siを形成するための条件として、例えば、油圧装置50の全ての切換制御弁202、202a等が中立位置にあり且つ、前記蓄電装置90の蓄電レベルが所定値以下である場合とすることができる。なお、前記信号Siは本発明では外部信号として定義している。
図5は、前記開閉弁204a、214の具体例を示すものであって、同図(a)は、開閉弁204aがOFF位置の状態のとき、ラインAとBは遮断状態にあり、信号Sdが与えられるとON位置となり、ラインAとBは連通する。なお、図(a)の右側には、制御手段100において減速・制動状態の有無を判別し、肯定YのときON状態を指令する信号Sdが生成されることを模式的に示す。
また、同図(b)は、開閉弁214がOFF位置の状態のとき、ラインLAとLBは遮断状態にあり、信号Siが与えられるとON位置となり、ラインLAとLBは連通する。なお、図(b)の右側には、制御手段100においてバッテリの蓄電レベルを検出し、実際のレベル(Bact)がターゲットレベル(Btgt)以下であるか否かを判別し、同判別結果が肯定Yのときであって、さらに、全ての油圧アクチュエータが非動作状態であるか否かを判別し否定Nの場合にON状態を指令する信号Siが生成されることを模式的に示す。
図6は、旋回台210の加速駆動(acceleration)の状態から減速駆動(deceleration)の制動状態に到る発電・電動機206および油圧モータ204の時間推移を示すグラフであって、同図(a)は縦軸に全体のトルクTtを示し、同図(b)は縦軸に油圧モータ204の各ポートの圧力をMPaで示す。
同図(a)において、加速駆動(acceleration)の状態では、油圧モータ204の発生するトルクがTmとして示され、発電・電動機206が電動機として発生するトルクがTe(motor)として示される。この加速駆動の場合、旋回台210に供給される全体のトルクTtは、図示のように、TmとTe(motor)との和である。一方、減速駆動(deceleration)による制動状態では、油圧モータ204により吸収されるトルクがTmとして示され、発電・電動機206が発電機として吸収するトルクがTe(generator)として示される。この減速駆動の場合、油圧モータ204および発電・電動機206によって旋回台210から吸収される全体のトルクTtは、図示のように、TmとTe(generator)との和である。参照符号dTeは、図示のように、減速駆動時のトルクTe(generator)と加速駆動時のトルクTe(motor)との差である。
旋回台210のように、大きな回転慣性体負荷の場合、加速駆動の際に要求されるトルクが大きいので主として油圧モータ204による駆動が好ましい。したがって、加速駆動の際は、図示のように、トルクTmに対するトルクTe(motor)の比率が小さくされている。一方、減速駆動の際には、図示のように、トルクTmに対するトルクTe(generator)の比率が大きくなるように調整されている。このようにすることで、減速駆動時の運動エネルギを効率的に蓄電装置90へ取り込むことが可能である。
参照符号ET1は、加速駆動時において蓄電装置90の側から発電・電動機206へ電気エネルギが供給されることを示し、また、参照符号ET2は、減速駆動時において発電・電動機206の側から蓄電装置90へ電気エネルギが供給されることを示す。また、参照符号xa、xdは油圧モータ204の加速駆動時、減速駆動時のトルクTmの推移を示し、参照符号ya、ybは発電・電動機206の加速駆動時、減速駆動時のトルクTe(motor)、Te(generator)の推移を示す。
図6(b)において、実線で示されるPAは、それぞれ加速駆動時、減速駆動時の油圧モータ204のラインA側のポート圧力を示し、破線のPBは、それぞれ加速駆動時、減速駆動時の油圧モータ204のラインB側のポート圧力を示す。同図から分かるように、加速駆動時と減速駆動時では、PAとPBの大きさが逆転しているので、この逆転(状態の変化)を加速から減速への状態変化として前記信号Sdを生成するのに利用することが可能である。本発明においては、図(a)における、加速駆動時のトルクxaとyaの大きさが連続的に変化されている。(減速駆動時のトルクxdとydの比率あるいはそれぞれの大きさも同様)これを実現するためには種々方法が考えられるが、好適には、xaとyaの比率、xdとydの比率をそれぞれ設定すること、その場合、図(b)におけるPAとPBとの差圧D(=PA−PB)をパラメータとして前記比率を定めるようにしてもよい。特に、減速駆動時において、信号Sdにより開閉弁204aを開状態とすることにより検出される圧力PAとPBの差圧は非常に小さくなり、この状態に対応してTmに対するTe(generator)の比率を大きくすれば、図3の流路CRでの損失を除き、旋回台210の旋回運動エネルギを、ほぼすべて発電・電動機206の側で電気エネルギとして取り出し蓄電装置90へ蓄電することが可能である。なお、前記開閉弁204aは、図3における調整手段104aを油圧回路として実施した場合の例である。
図7は、旋回用の油圧モータ204におけるラインA側およびB側のポートで検出される圧力PA、PBとパイロット操作弁の操作レバーとの関係を説明するものであって、同図(a)は、油圧モータ204の左回転L、右回転Rに対応したラインA側およびB側の各ポートで検出される圧力PA、PBを説明するものであって、
ブロックBLKにおいて、油圧モータ204が右回転Rの場合、同油圧モータのラインA側が圧油の供給口(Ain)となり、ラインB側が排出口(Bout)となる。その場合、各検出圧力が、PA>PBのとき発電・電動機206は電動機として動作し、さらに、PA<PBのとき発電・電動機206は発電機として動作する。同様にして、油圧モータ204が左回転Lの場合、同油圧モータのラインB側が圧油の供給口(Bin)となり、ラインA側が排出口(Aout)となる。その場合、各検出圧力が、PA<PBのとき発電・電動機206は発電機として動作し、さらに、PA>PBのとき発電・電動機206は電動機として動作する。
同図(b)は、加速駆動、減速駆動において、パイロット操作弁の操作レバーをフル操作した場合とハーフ操作した場合の各検出圧力PA、PBの波形をそれぞれ上段、下段にグラフとして示す。
図8は、図3の制御手段100の、特にトルク指令手段104における制御機能を説明するためのフローチャートである。同図8において、工程ST0は作業機械10の操縦者が操縦状態にあることを示す。工程ST1では、パイロット操作弁59のパイロット操作圧信号PaまたはPbの有無が判定される。(なお、前記信号Pa、Pbは図3のトルク指令手段104に与えられている。)工程ST1の判定が否定すなわち、Nの場合、工程ST2において前記Nの継続時間が例えば3秒以上の場合工程ST4においてメカニカルブレーキが作動し次いで工程ST5で発電・電動機206(図4)への指令トルクTeがゼロと設定される。また、工程ST2で3秒未満のときは、工程ST1に戻り、その判定を繰り返す。
工程ST1で肯定Yのときは工程ST3において発電・電動機206の回転の向きが判定される。右回転Rのときは、工程6において、油圧モータ204のそれぞれのポートの圧力PA、PBの大小が判定され、肯定Yのときは工程ST7において、発電・電動機206への指令トルクTeがTemすなわち、発電・電動機206を加速駆動に寄与するべく電動機として動作するよう定義される。また、工程ST6で否定Nのときは、工程ST8で発電・電動機206への指令トルクTeがTegすなわち、発電・電動機206を減速駆動に寄与するべく発電機として動作するよう定義される。
次いで、工程ST9において、前記Temの値がPAとPBの差に係数c1を作用させた値の関数fとして設定される。また、工程ST10において、前記Tegの値がPAとPBの差に係数c2を作用させた値の関数fとして設定される。前記工程ST9に次いで、工程ST11において、PAとキャビテーション防止のためにプリセットされた値PAcとの大小が比較判定され、その結果、肯定Yのときはキャビテーションを回避するべく、工程ST10へ移り、工程ST9で設定したTemが前述の減速駆動に対応するトルクTegに修正される。また、工程ST11で否定Nのときは工程ST9で設定されたTemがトルク指令値として実行され、工程ST1へ戻る。同様に、工程ST10で設定されたTegがトルク指令値として実行され、工程ST1へ戻る。
なお、前記工程ST3において、否定Nすなわち、左回転Lのときは、図示しないが、工程ST6〜ST11と同様な工程を実行するのでその説明は省略する。
図9は、図2の各温度センサからの検出温度に応じてコントローラCUが油圧駆動装置部HDおよび電動駆動装置部EDに対し与えるトルク指令値を変化させる様子を説明するための、ハイブリッド運転制御のために用意されたプログラムのフローチャートである。
同図9において、プログラムがスタートされると、工程ST1において、サンプリング時間Tsの経過がチェックされる。工程ST1で肯定(以下Yとする)であると、工程ST3でED内の各部の温度センサの検出温度データをチェックし、工程ST4でそれぞれの検出温度と対応する設定温度との大小を比較演算する。
次いで、工程ST5において、すべての検出温度がそれぞれの設定値以下であるか否かチェックされる。工程ST5でYであると、工程ST6で比率Qを検出温度関係させるか否かチェックする。なお、このチェックは、コントローラCUのパラメータ領域に、予めオペレータにより設定しておくこともできる。
工程ST6でYであるとモード2を実行し工程ST1へ戻る。また、工程ST6で否定(以下Nとする)であると工程ST9でモード3を実行し工程ST1へ戻る。前記工程ST5でNの場合は工程ST8でモード1を実行し工程ST1へ戻る。
モード1、2、3は図示のように定義される。すなわち、図10(a)に示すように、モード1では、油圧モータへのトルク指令値Tmに対する電動・発電機へのトルク指令値Tem(Teg)の比率Qを所定量P%引き下げる。
また、図10(b)に示すように、モード2では、油圧モータへのトルク指令値Tmに対する電動・発電機へのトルク指令値Tem(Teg)の比率Qを、検出温度θiと対応する設定温度θisとの差に比例して修正する。この意味は、例えば、冬季または寒冷地での駆動の際、検出温度θiが設定温度θisよりかなり低い状態の時には、電動・発電機へのトルク指令値を油圧モータへのトルク指令値に対し相対的に増大させるものである。
モード3については、例えば図8の処理プロセスが対応する。なお、この場合は、検出温度は全て、それぞれの設定値以下の状態にある。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれら図1〜10に示されたものに限定されるものではなく、当業者であれば種々の変形が可能である。例えば、図11に示すように、慣性体を駆動する油圧アクチュエータとして特にブームシリンダや、走行用の油圧モータ等にも発電・電動機を併設することができる。
また、図9、10に示したフローチャートは、ほんの1つの例示であって、温度センサは1つでもよい。また1つのセンサの設定温度は、1個に限定される必要はなく、例えばインバータ等の電気回路が正常作動する温度以外にも、危険温度を設定することができる。
さらに、モード1における引き下げ量P%は必ずしも定数とする必要はなく、サンプリング時間Tsを経過した回数と、検出温度の変化との関係をフォローして、その温度変化が緩慢な場合は引き下げ量P%をより大きな値とするとか、その温度変化が急激な場合は引き下げ量P%をより小さな値とするような変形例も可能である。
さらに、図9のフローチャートで工程ST6、ST7を削除し、工程ST9のモード3を実行させるようにすることも可能である。
本発明が適用される作業機械の概略構成を示す図である。 本発明の基本構成を説明する概念ブロック図である。 本発明の全体構成を説明する詳細図である。 図3の油圧装置において、油圧アクチュエータとして旋回用の油圧モータ、慣性体として回転慣性体である旋回台とした場合における油圧装置を示す図である。 図4の各開閉弁の具体例を示すものであって、(a)は、開閉弁がOFF位置の状態のとき、ラインAとBは遮断状態にあり、信号Sdが与えられるとON位置となり、ラインAとBは連通することを示し、(b)は、開閉弁がOFF位置の状態のとき、ラインLAとLBは遮断状態にあり、信号Siが与えられるとON位置となり、ラインLAとLBは連通することを示す。 旋回台の加速から減速に到る状態における発電・電動機および油圧モータの時間推移特性を示すグラフであって、(a)は縦軸に全体のトルクTtを示し、(b)は縦軸に油圧モータの各ポートの圧力を示す。 旋回用の油圧モータにおけるラインA側およびB側のポートで検出される圧力PA、PBとパイロット操作弁の操作レバーとの関係を説明するものであって、(a)は、該油圧モータの左回転、右回転に対応してラインA側およびB側の各ポートで検出される圧力PA、PBの説明ブロックを示し、(b)は、加速駆動、減速駆動において、パイロット操作弁の操作レバーをフル操作した場合とハーフ操作した場合の各検出圧力PA、PBの波形をそれぞれ上段、下段にグラフとして示す。 図3におけるトルク指令手段の機能を説明するフローチャートである。 図2の各温度センサからの検出温度に応じてコントローラCUが油圧駆動装置部および電動駆動装置部に対し与えるトルク指令値を変化させる様子を説明するための、ハイブリッド運転制御のために用意されたプログラムのフローチャートである。 図9の各モードの実施例を示し、(a)はモード1の実施例、(b)はモード2の実施例である。 本発明が適用される慣性体としてのブーム部分の詳細図である。 従来のハイブリッド方式による油圧ショベルの駆動系及び制御系のブロック構成を示す図である。
符号の説明
10 油圧ショベル
11 下部走行体
12 旋回機構
13 上部旋回体
14 キャブ
15 ブーム
16 アーム
17 バケット
50 油圧装置
52 原動機
54 油圧ポンプ
56 切換制御弁
58 油圧アクチュエータ
59 パイロット操作弁
60 慣性体
70 電動・発電機
72 エンコーダ
80 差圧検出手段
90 蓄電装置
100 制御手段
102 電力変換部
104 トルク指令手段
200 可変容量ポンプ
202 切換制御弁
204 油圧モータ
204a 開閉弁
204b リリーフ弁ユニット
206 電動・発電機
208 減速歯車機構
210 回転慣性体
212 発電機
214 開閉弁
216 油圧ポンプ

Claims (5)

  1. 原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械の運転制御方法において、前記制御装置は、
    前記電動駆動装置部の温度を検出し、
    当該検出温度の変化に応じて前記慣性体を駆動するための前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整する、
    ことを特徴とするハイブリッド型作業機械の運転制御方法。
  2. 前記電動駆動装置部の温度上昇に応じて、油圧駆動装置部の出力トルクに対する電動駆動装置部の出力トルクの比率を低減するよう構成した請求項1に記載されたハイブリッド型作業機械の運転制御方法。
  3. 前記電動駆動装置部の温度を検出しつつ、当該温度が予め定められた温度を超えたとき前記油圧駆動装置部と前記電動駆動装置部との出力トルクの比率を低減または変化させるよう構成した請求項1または2に記載されたハイブリッド型作業機械の運転制御方法。
  4. 原動機で油圧ポンプを駆動し、切換弁を介して当該油圧ポンプの吐出油を油圧アクチュエータヘ供給する油圧駆動装置部と、前記油圧アクチュエータに併設された電動・発電機、蓄電装置、インバータならびに、前記電動・発電機、蓄電装置、インバータに対し制御信号を与える制御装置からなる電動駆動装置部を設けると共に、これら油圧駆動装置部と電動駆動装置部の各出力トルクを加算して共通の慣性体を駆動するよう構成されたハイブリッド型作業機械であって、
    前記電動・発電機、蓄電装置、インバータの少なくとも1つに設けられた温度検出手段と、
    前記慣性体を駆動するための油圧駆動装置部および電気駆動装置部に対しそれぞれの出力トルクを演算指令すると共に、前記温度検出手段の検出温度の変化に応じて前記油圧駆動装置部の出力トルクと前記電動駆動装置部の出力トルクの比率を調整する前記制御装置と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド型作業機械。
  5. 前記電動・発電機を併設した油圧アクチュエータの両ポートの圧力を検出しその差圧を生成する差圧検出手段と、
    同差圧検出手段により検出された差圧に関連させて前記電動・発電機の出力トルクを指令するトルク指令手段を有する前記制御装置と、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載されたハイブリッド型作業機械。
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