JP4998663B2 - 複合金属酸化物多孔体 - Google Patents

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Description

本発明は複合金属酸化物多孔体に関し、詳しくは、排ガス中のHC、NO、CO等を浄化するための排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体に関する。
近年、人間を取り巻く環境に存在し得る成分であって人体に影響を及ぼす可能性のある有害ガスの存在が問題視されるようになってきており、例えば排ガス中の有害成分であるHC、NO、CO等をより確実に浄化することが可能な排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
このような背景の下で、排ガスを浄化するための各種の触媒が開発されており、例えば特開平10−182155号公報(特許文献1)には、セリウム若しくはジルコニウムのうちの少なくとも1種、及びアルミニウムからなる複数元素の塩溶液から短時間で該複数元素からなる酸化物前駆体を形成する前駆体形成工程と、該酸化物前駆体を加熱して複合酸化物とする焼成工程とによって製造されることを特徴とする複合酸化物担体が開示されている。
しかしながら、特開平10−182155号公報に記載のような従来の複合酸化物担体においては、その合成過程においていわゆる共沈法により拡散障壁となるアルミナを導入しているものの、拡散障壁の耐熱性が必ずしも万全ではなく、より高温耐久性に優れた、すなわち高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能がより高水準に維持される排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
特開平10−182155号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温耐久性に非常に優れており、高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持され、排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、直径50nm以下の一次粒子からなる金属酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ微粒子とを分散及び混合せしめることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合金属酸化物多孔体は、直径50nm以下の一次粒子からなるセリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ微粒子とを備え、前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物の含有率が45質量%以上であり、且つ、1000℃で5時間の耐久試験後における比表面積が40m/g以上であり、前記耐久試験後における中心細孔直径が5〜30nmであり、前記耐久試験後における細孔径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が0.2cc/g以上であることを特徴とするものである。
前記本発明の複合金属酸化物多孔体においては、前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子と前記アルミナ微粒子とがナノレベルで均一混合されていることが好ましい
また、本発明の複合金属酸化物多孔体は、下記の条件(II)〜(III)のうちの少なくとも1つを満たしていることが好ましい。
(II)1000℃で5時間の耐久試験後における酸素放出速度が1.5μmol−O/g・sec以上であること。
(III)1000℃で5時間の耐久試験後におけるTotal酸素貯蔵能が200μmol−O/g以上であること。
さらに、本発明の複合金属酸化物多孔体は、前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子及び/又は前記アルミナ微粒子に担持されている貴金属を更に備えていることが好ましく、それによって排ガス浄化用触媒として有用なものとなる。
このような本発明の複合金属酸化物多孔体は、
直径50nm以下の一次粒子からなるセリウム−ジルコニウム複合酸化物の粉末と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナの粉末とを、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめ、セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子とアルミナ微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
を含む方法により好適に得られる。
なお、本発明によって高温耐久性に非常に優れた複合金属酸化物多孔体が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、直径50nm以下の一次粒子からなり且つ予め熱処理を施して安定化されているγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ微粒子が拡散障壁として金属酸化物微粒子の間に障壁となって存在しているため、乾燥工程や高温処理時における金属酸化物微粒子の粒成長が十分に抑制され、結果として高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持されるようになると本発明者らは推察する。
本発明によれば、高温耐久性に非常に優れており、高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持され、排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を提供することが可能となる。
以下、本発明の複合金属酸化物多孔体をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の複合金属酸化物多孔体は、直径50nm以下の一次粒子からなる金属酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ微粒子とを備える。
本発明において用いられる金属酸化物の種類は特に制限されず、卑金属元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Mg,K,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ga,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Cs,Ba,Ta,W等)、貴金族元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Ir)及びメタロイド元素(Si,Ge,As,Sb等)からなる群から選択される少なくとも一種の金属の酸化物が挙げられ、中でもCe,Zr,Ti,Si,Mg,Fe,Mn,Ni,Zn及びCuからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物が好ましく、セリア、ジルコニア、セリア−ジルコニア複合酸化物(固溶体)、チタニア、セピオライト、ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。なお、本発明にかかる金属にはメタロイド(半金属)も含まれ、また、金属酸化物はセリア−ジルコニア複合酸化物、セピオライト、ゼオライトのように複数の金属元素を含有していてもよい。
このような本発明で用いる金属酸化物は、目的とする複合金属酸化物多孔体の用途等に応じて適宜選択される。例えば、排ガス浄化用触媒として有用な複合金属酸化物多孔体を得る場合は、いわゆる酸素を貯蔵及び放出する酸素貯蔵能(oxygen storage capacity:OSC)を有する金属酸化物が好ましく、セリア、セリア−ジルコニア複合酸化物、酸化鉄、酸化プラセオジム等からなる群から選択される少なくとも一つが特に好ましい。
また、本発明において用いられるアルミナは、γ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するものであり、前記金属酸化物の一次粒子同士の接触を阻害して粒子の成長を抑制する拡散障壁(diffusion barrier)となる。なお、アルミナの結晶相が上記条件を満たすものであることはXRDにより確認することができる。また、本発明において用いられるアルミナにおける前記結晶相の含有率は70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
このような本発明で用いる金属酸化物微粒子は、直径50nm以下(より好ましくは20nm以下、特に好ましくは2〜10nm)の一次粒子(結晶子)からなるものであることが必要である。かかる一次粒子の直径が50nmを超えていると、アルミナ微粒子とナノレベルで分散及び混合することができず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。
また、かかる金属酸化物微粒子は、平均粒径が1〜50nm(より好ましくは1〜30nm)であり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下(より好ましくは80質量%以上の粒子が直径50nm以下)であることが好ましい。金属酸化物微粒子がこれらの条件を満たさない場合、得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性が低下する傾向にある。
本発明で用いるアルミナ微粒子も、直径50nm以下(より好ましくは20nm以下、特に好ましくは2〜10nm)の一次粒子(結晶子)からなるものであることが必要である。かかる一次粒子の直径が50nmを超えていると、金属酸化物微粒子とナノレベルで分散及び混合することができず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。
また、かかるアルミナ微粒子は、平均粒径が1〜130nm(より好ましくは1〜50nm)であり且つ80質量%以上の粒子が直径160nm以下(より好ましくは80質量%以上の粒子が直径75nm以下)であることが好ましい。アルミナ微粒子がこれらの条件を満たさない場合、得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性が低下する傾向にある。
本発明の複合金属酸化物多孔体は、前述の金属酸化物微粒子及びアルミナ微粒子により構成される多孔体であって、両者がナノレベルの均一混合状態で凝集しており、後述するナノ細孔が形成されているものである。そして、本発明の複合金属酸化物多孔体においては、前記金属酸化物の含有率が45質量%以上であることが必要であり、50〜80質量%であることがより好ましい。前記金属酸化物の含有率が45質量%未満では、得られる複合金属酸化物多孔体において十分な浄化活性が達成されない。他方、前記金属酸化物の含有率が80質量%を超えると、得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性が低下する傾向にある。
本発明の複合金属酸化物多孔体は、1000℃で5時間の耐久試験後における比表面積が40m/g以上(より好ましくは、1100℃で5時間の耐久試験後における比表面積が40m/g以上)のものである。かかる比表面積が40m/g未満では十分な浄化性能が達成されない。
このように本発明の複合金属酸化物多孔体は、前記金属酸化物を45質量%以上含有しているにも拘らず、高温耐久試験後であっても比表面積が高水準に維持される。このように高温耐久性に優れている複合金属酸化物多孔体が得られるようになったということは画期的なことであり、従来の複合金属酸化物多孔体では決して達成されなかった。なお、本発明の複合金属酸化物多孔体は、製造直後(freshな状態)においては、比表面積が70m/g以上であることが好ましい。
さらに、本発明の複合金属酸化物多孔体は、下記の条件(I)〜(III)のうちの少なくとも1つを満たしていることが好ましい。
(I)1000℃で5時間の耐久試験後における中心細孔直径が5〜30nm(より好ましくは10〜30nm)で且つ前記耐久試験後における細孔径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が0.2cc/g以上(より好ましくは0.3cc/g以上)であること。
(II)1000℃で5時間の耐久試験後における酸素放出速度が1.5μmol−O/g・sec以上(より好ましくは2.0μmol−O/g・sec以上)であること。
(III)1000℃で5時間の耐久試験後におけるTotal酸素貯蔵能が200μmol−O/g以上(より好ましくは250μmol−O/g以上)であること。
このように本発明の複合金属酸化物多孔体は、前記アルミナを20〜55質量%含有しているにも拘らず、以上の条件(I)〜(III)のうちの少なくとも1つを更に達成することができる。このように多面的な観点から高温耐久性に優れている複合金属酸化物多孔体が得られるようになったということは更に画期的なことであり、従来の複合金属酸化物多孔体では決して達成されなかった。なお、本発明の複合金属酸化物多孔体は、製造直後(freshな状態)においては、中心細孔直径が5〜25nmで且つ細孔径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が0.3cc/g以上であること、酸素放出速度が20μmol−O/g・sec以上であること、Total酸素貯蔵能が250μmol−O/g以上であることがそれぞれ好ましい。
なお、本発明において、(i)1000℃で5時間の耐久試験、(ii)中心細孔直径、(iii)細孔容積、(iv)酸素放出速度、(v)Total酸素貯蔵能、(vi)比表面積はそれぞれ以下の方法によって測定したものである。
(i)1000℃で5時間の耐久試験
表1に示す組成を有するリッチガスとリーンガスを全流量が330ml/minとなるように5分間隔で交互に流した雰囲気中で、試料(直径0.5〜1mmのペレット状触媒)1.5gを1000℃に5時間保持する(高温耐久試験)。
Figure 0004998663
(ii)中心細孔直径及び(iii)細孔容積
中心細孔直径とは、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径である。中心細孔直径及び細孔容積は、水銀ポロシメータによる水銀圧入法により求めることができる。
(iv)酸素放出速度(OSC初速度)
酸素放出速度は、T.Tanabe, et al., Stud. Sci. Catal., 138, 135(2001)に記載されている流通式反応装置を用い、COとOを交互に注入する過渡雰囲気下でのCO生成量を測定することにより求める。すなわち、測定には通常触媒反応に用いられる固定床流通式反応装置を用いる。この装置は、ガス混合部付近にインジェクタが付属しており、CO及びOを交互に触媒に供給できる構造になっている。この反応装置を用い、Nキャリア中にCO及びOを交互に供給することにより、試料には所定濃度のCO/N及びO/Nが交互に供給される。この反応ではCO又はOは同時には試料へ供給されず、COは試料から供給される酸素によってのみ酸化される。この際に試料での反応により生成したCO量を積分することにより試料から放出された酸素量が定量され、測定温度での総積分値から試料の飽和OSCを算出することができる。また、1Hz単位の時間領域のOSC速度を求めるために、OからCOヘガスを切り替え、COが生成し始める時間(0sec付近)の傾きを求める。この傾きは反応開始直後の単位時間当たりの酸素放出量、すなわち酸素放出速度(OSC初速度)に相当する。
<測定条件>
インジェクションガス:CO(100%)、O(50%)/N2
インジェクション時間:CO(180sec)、O(180sec)
キャリアーガス:N
ガス濃度(触媒通過時):CO(2%)/N、O(1%)/N
流量:5L/min
触媒:1g
前処理条件:500℃、18min
反応温度:300℃
分析計:CO、CO−NDIR、O−磁気風方式。
(v)Total酸素貯蔵能(Total OSC)
試料15mgを秤量し、Hを20%含むNガスと、Oを50%含むNガスとを交互に流しながら、500℃における各試料の酸化還元処理を繰り返し行い、生じる重量変化を熱重量分析を用いて測定することによってTotal酸素貯蔵能を求める。
(vi)比表面積
比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
また、本発明の複合金属酸化物多孔体は貴金属(貴金属微粒子)を更に備えていることが好ましい。
かかる貴金属は特に制限されず、Pt、Pd、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Irからなる群から選択される少なくとも一種の貴金属が挙げられ、中でも触媒活性の観点からPt、Rh、Pd、Irが好ましく、Ptが特に好ましい。また、かかる貴金属の量も特に制限されないが、担体となる複合金属酸化物100質量部に対して貴金属の量が0.1〜10質量部程度であることが好ましい。貴金属の量が上記下限未満では、貴金属により得られる触媒活性が不十分となる傾向にあり、他方、上記上限を超えると、貴金属による触媒活性が飽和すると共にコストが高騰する傾向にある。また、担持される貴金属微粒子の粒径も特に制限されないが、平均粒径が0.1〜10nm程度であることが一般的である。
なお、従来の複合金属酸化物多孔体においてはそれを構成する複合金属酸化物の全体に貴金属を担持せざるを得なかったが、本発明においては前記金属酸化物微粒子と前記アルミナ微粒子のいずれか一方にのみ貴金属を担持させることが可能となる。したがって、本発明の複合金属酸化物多孔体においては、貴金属が担持されるのに最適な担体にのみ貴金属が担持されていることが好ましく、そのようにすることによって得られる複合金属酸化物多孔体の触媒活性及び高温耐久性がより向上する傾向にある。例えば、金属酸化物としてセリア−ジルコニア複合酸化物を用いる場合は、貴金属はセリア−ジルコニア複合酸化物の表面上にある方が触媒活性が向上する傾向にあることから、貴金属のうちの90質量%以上をセリア−ジルコニア複合酸化物に担持せしめることが好ましい。
以上説明した本発明の複合金属酸化物多孔体の形状は特に制限されず、粉末状であっても、薄膜状であってもよい。また、粉末状の場合、その粒径は特に制限されず、その用途等に応じて適宜調整されるが、一般的には50〜200μm程度が好ましい。また、本発明の複合金属酸化物多孔体は、必要に応じて成形して使用してもよい。成形する手段はどのようなものでも良いが、押出成形、打錠成形、転動造粒、圧縮成形、CIPなどが好ましい。その形状は使用箇所、方法に応じて決めることができ、たとえば円柱状、破砕状、球状、ハニカム状、凹凸状、波板状等が挙げられる。
さらに、本発明の複合金属酸化物多孔体の用途は特に制限されず、例えば排ガス浄化用触媒、VOC類浄化用触媒、改質触媒、空気清浄機用触媒等として有効に用いられる。また、本発明の複合金属酸化物多孔体の具体的な使用方法も特に制限されず、例えば排ガス浄化用触媒として用いる場合は、処理対象となる有害成分を含む気体と触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって有害成分の浄化が達成される。処理対象となる有害成分としては、排ガス中のNO、CO、HC、SO等が挙げられる。
このような本発明の複合金属酸化物多孔体を得る方法は特に限定されないが、前述の金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子とをより確実にナノレベルで分散及び混合せしめることができるという観点から、以下に詳述する方法が特に好ましい。
本発明に好適な複合金属酸化物多孔体の製造方法は、
直径50nm以下の一次粒子からなる金属酸化物の粉末と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナの粉末とを、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめ、金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
を含む方法である。
なお、このような金属酸化物粉末及びアルミナ粉末の製造方法は特に制限されず、例えば、原料となる金属塩の溶液を用いたいわゆる沈殿法や、それによって得られた沈殿を焼成する方法によって、適宜得ることができる。また、このようなγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ粉末は、例えば、非晶質のアルミナ粉末に対して大気中で800℃以上で5時間以上の熱処理を施すことにより得ることができる。
本発明で用いる金属酸化物粉末の平均粒径は、特に制限されないが、ナノサイズの微粒子が効率良く得られるようになるという観点から、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。また、本発明で用いるアルミナ粉末の平均粒径も、特に制限されないが、ナノサイズの微粒子が効率良く得られるようになるという観点から、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。さらに、処理前の金属酸化物粉末とアルミナ粉末の粒径に大きな差がないことが好ましく、一方の平均粒径が他方の平均粒径の1〜5倍程度であることが好ましい。
前記分散混合工程で用いるマイクロビーズは、直径150μm以下のものであることが必要であり、10〜100μmのものであることがより好ましく、15〜50μmのものであることが特に好ましい。マイクロビーズの直径が150μmを超えていると、十分に小さいナノサイズの微粒子、更にはナノレベルの均一混合状態が達成されず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。また、マイクロビーズの直径が150μmを超えていると、粒子自体の組成変形や結晶の破壊が発生し、この観点からも十分な耐熱性が得られない。
また、分散混合工程において用いるマイクロビーズの直径は、前述の金属酸化物粉末及びアルミナ粉末の平均粒径の250〜1000倍のものが好ましい。マイクロビーズの直径が前記下限未満では分散の効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると十分に小さいナノサイズの微粒子が得られにくくなる傾向にある。
さらに、用いるマイクロビーズの材質は特に制限されず、例えばジルコニア、ガラス等が挙げられる。このようなマイクロビーズの材質は、用いる金属酸化物やアルミナに応じて適宜選択されることが好ましい。
前記分散混合工程で用いる分散媒は、得られる金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子とを分散させることができる液体であればよく、特に制限されないが、水等が好適に用いられる。また、かかる分散媒に他の成分を添加する必要は特にないが、後述するように分散媒のpHを調整する場合は、そのための酢酸等の酸、アンモニア等の塩基、緩衝剤等を適宜添加してもよい。
このような分散混合工程において用いる具体的な装置は、上記の分散媒中でマイクロビーズと共に金属酸化物粉末及びアルミナ粉末を混合して金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子との均一分散液を得ることができるものであればよく、特に限定されないが、例えば寿工業株式会社製「ウルトラアペックスミル」を用いれば遠心力による微粒子とマイクロビーズとの効率的な分離が可能となる。
本発明に好適な方法においては、前述の金属酸化物粉末とアルミナ粉末とを上記マイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめ、金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子とがナノレベルの均一混合状態にある均一分散液を得る(分散混合工程)。このような分散混合工程における分散混合処理の具体的な条件は特に制限されず、通常は室温〜80℃程度の温度で20〜200分程度の処理時間が採用される。
また、かかる分散混合工程においては、分散媒のpHを、用いる金属酸化物のゼータ電位及びアルミナのゼータ電位の絶対値がいずれも10mV以上となる領域のpHとすることが好ましい。分散媒のpHが上記条件を満たさない場合、pHによっては分散効率が低下する傾向にある。例えば、図1に示すセリア−ジルコニア複合酸化物(CZ)とアルミナのゼータ電位から明らかな通り、第1金属酸化物としてセリア−ジルコニア複合酸化物を用いる場合は、分散混合工程における分散媒のpHは6〜9とすることが好ましいこととなる。
さらに、分散混合工程において混合される金属酸化物とアルミナとの混合比(質量比)は、得られる複合金属酸化物多孔体における前記金属酸化物の含有率が45質量%以上となるように前記金属酸化物とアルミナとを混合する必要があり、(金属酸化物の質量):(アルミナの質量)の値が45:55〜80:20であることが好ましい。
本発明に好適な方法においては、上記の分散混合工程に続いて、同工程で得られた金属酸化物微粒子とアルミナ微粒子との均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る(乾燥工程)。このような均一分散液を乾燥させる乾燥処理の具体的な条件は特に制限されず、例えば、80〜400℃程度の温度で1〜24時間程度の時間をかけて乾燥せしめる常温又は加熱乾燥、液体窒素を用いて0以下の温度に凍結させた後に減圧下で乾燥せしめる凍結乾燥といった手法が適宜採用される。
また、このような乾燥工程において、以下に詳述するように前記均一分散液に界面活性剤を添加して混合した後に加熱乾燥することが好ましい。このような乾燥方法を採用することにより、多層の構造を有する複合金属酸化物多孔体が得られ、その層の形態を界面活性剤の種類によって制御することが可能となる。また、前記均一分散液に界面活性剤を添加することにより、二次粒子の周囲を界面活性剤で被覆することで二次粒子同士の凝集が抑制されることとなり、さらに界面活性剤の分散効果により凝集により得られた二次粒子の分散性が向上する傾向にある。そして、これらの作用により、所望の中心細孔直径(好ましくは5〜30nm)及び所望の細孔容積(好ましくは0.2cc/g以上)を有する複合金属酸化物多孔体がより効率良く得られ、さらに得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性がより向上する傾向にある。
かかる乾燥工程で用いる界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン系、非イオン系のいずれのものも用いることができるが、その中でも形成するミセルが内部に狭い空間を形成しうる形状、例えば球状ミセルを形成し易い界面活性剤が好ましい。また、臨界ミセル濃度(cmc)が0.1mol/リットル以下の界面活性剤が好ましく、0.01mol/リットル以下のものがより好ましい。なお、臨界ミセル濃度(cmc)とは、ある界面活性剤がミセルを形成する最低の濃度のことである。
このような界面活性剤としては、以下のものから選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
(i)陰イオン性界面活性剤:
アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、αオレフィンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテルスルホン酸塩、飽和脂肪酸及びその塩、オレイン酸等の不飽和脂肪酸及びその塩、その他のカルボン酸、スルホン酸、硫酸、リン酸、フェノールの誘導体等。
(ii)非イオン性界面活性剤:
ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール(グリコール,グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール、ショ糖等)、多価アルコールの脂肪酸部分エステル、多価アルコールのポリオキシエチレン脂肪酸部分エステル、多価アルコールのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等。
(iii)陽イオン牲界面活性剤:
脂肪酸第一アミン塩、脂肪酸第二アミン塩、脂肪酸第三アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピロジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン、脂肪酸アミド塩等の第四級アンモニウム塩等。
(iv)両イオン性界面活性剤:
ベタイン化合物等。
このような界面活性剤の添加量は、特に制限されないが、得られる複合金属酸化物多孔体に対して2〜40質量%となる範囲、すなわち質量比で複合金属酸化物多孔体:界面活性剤=98〜60:2〜40の範囲が好ましい。界面活性剤の添加量が2質量%未満では添加した効果が小さく、他方、40質量%を超えて添加すると界面活性剤どうしの凝集によって得られた二次粒子の分散性が低下し、また加熱乾燥時に界面活性剤の燃焼による発熱量が大きくなるため金属酸化物の凝集が生じて比表面積が低下し易くなる傾向にある。
かかる乾燥工程における撹拌速度は200sec−1以上とすることが好ましく、10〜30℃の温度で5分間以上撹拌することが好ましい。撹拌による剪断力が大き過ぎると発熱したり装置の消耗が激しくなり、他方、剪断力が小さ過ぎると界面活性剤の分散状態が不十分となる傾向にある。また、撹拌時の温度がこの範囲より低いと撹拌時間が長時間となり、他方、この範囲より高い温度では発熱や装置の消耗が生じ易くなる傾向にある。
また、このような界面活性剤を用いる乾燥方法における加熱温度は、150〜800℃とすることが好ましい。この温度が150℃より低いと加熱乾燥に長時間必要となり、他方、800℃より高くなると金属酸化物の凝集が生じて比表面積が低下し易くなる傾向にある。また、加熱時間は特に制限されないが、1〜10時間程度が好ましい。
さらに、このような乾燥方法を採用する場合、界面活性剤と混合された均一分散液を噴霧器にかけ、窒素等のキャリアガスによって大きさの揃ったエアロゾル小滴を生成せしめた後、その小滴を加熱器に通してテフロンフィルタ等の捕集手段によって捕集することが好ましい。このようにすることによって、分散性の高い複合金属酸化物多孔体がより効率良く得られる傾向にある。なお、この場合の流速は特に制限されない。
また、本発明に好適な方法おいては、上記の乾燥工程の後に焼成工程を含んでいてもよく、かかる焼成工程においては複合金属酸化物多孔体を400〜1000℃程度の温度で1〜10時間程度の時間保持することが好ましい。このような焼成工程を採用することにより、耐久試験後における担体の比表面積低下による貴金属凝集を抑制できる傾向にある。
さらに、本発明に好適な方法においては、前記金属酸化物粉末及び/又は前記アルミナ粉末の表面に貴金属(貴金属微粒子)を担持せしめる前担持工程、或いは、前記金属酸化物微粒子及び前記アルミナ微粒子の表面に貴金属(貴金属微粒子)を担持せしめる後担持工程が更に含まれていることが好ましく、前担持工程が含まれていることがより好ましい。このように貴金属を担持せしめる具体的な方法は特に制限されず、例えば、貴金属塩の溶液に担体となる粉末又は微粒子を接触せしめ、更に必要に応じて還元処理及び/又は焼成処理を施すといった方法が適宜採用される。また、担持される貴金属微粒子の粒径も特に制限されないが、平均粒径が0.1〜10nm程度であることが一般的である。
なお、前記金属酸化物に貴金属を担持せしめることが好ましい場合は、かかる担持工程が分散混合工程の前に存在することが好ましい(前担持工程)。そのようにすることによって主として金属酸化物微粒子に貴金属を担持せしめることが可能となり、得られる複合金属酸化物多孔体の触媒活性及び高温耐久性がより向上する傾向にある。一方、貴金属を高分散に担持させることが可能であれば、後担持工程であってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、直径約10nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が110nmである非晶質アルミナの粉末に対して大気中で1000℃5時間の熱処理を施した。熱処理後のアルミナ粉末の比表面積は120m/gであり、またその結晶相をXRDにより確認したところγ相、α相及びθ相の結晶相が混在したものであった。
次に、このアルミナ粉末と、直径約8nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が100nmであるセリウム−ジルコニウム複合酸化物(CZ)の粉末(Ce:Zr=1:1(モル比))とを、両者を質量比で5:5で混合したpH7の水溶液中で、直径50μmのジルコニア製マイクロビーズを用いて120分間分散及び混合せしめた(分散混合工程)。さらに、得られた均一分散液をプロペラ撹拌器を用いて撹拌しながら、ノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン、物質名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ−2−エチルヘキシルエーテル)をCZ粉末と同質量となるように添加した。そして、得られた分散液を、プロペラ撹拌と同時にホモジナイザ撹拌を用いて室温で10分間撹拌(撹拌速度:200sec−1)した後、400℃で5時間かけて加熱乾燥し、CZ微粒子とアルミナ微粒子とからなる複合酸化物多孔体(ACZ粉末、平均粒径:120nm)を得た。
次いで、得られたACZ粉末に、硝酸Ptの硝酸溶液(Pt濃度:4.5wt%)を用いて以下のようにしてPtを担持せしめ、Ptが担持された複合酸化物多孔体(Pt/ACZ粉末)を得た。すなわち、Pt硝酸溶液をACZ粉末に含浸担持せしめ、300℃で3時間焼成した。なお、担持されたPtの量は、ACZ粉末100質量部に対して0.5質量部であった。
さらに、得られたPt/ACZ粉末を金型プレス(1t/cm)で圧粉成形し、粉砕して直径0.5〜1mmのペレット状触媒を得た。
なお、分散混合工程において得られたCZ微粒子の平均粒径は18nmで且つ80質量%以上の粒子が直径24nm以下(D80=24nm)であり、また、アルミナ微粒子の平均粒径は30nmで且つ80質量%以上の粒子が直径44nm以下(D80=44nm)であった。また、得られた複合酸化物多孔体に含有されているアルミナの結晶相はγ相、α相及びθ相の結晶相が混在したものであった。さらに、得られた複合酸化物多孔体の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
(実施例2)
アルミナ粉末とCZの粉末との混合比を質量比で4:6とした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒におけるCZ微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径等は表2に示すとおりであり、また、得られた触媒の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
(実施例3)
ACZ粉末へのPt担持は実施せず、CZ粉末に予め以下のようにしてPtを担持した以外は実施例1と同様にして触媒を得た。すなわち、Pt硝酸溶液(Pt濃度:4.5wt%)をCZ粉末に含浸担持せしめ、300℃で3時間焼成した。なお、担持されたPtの量は、CZ粉末100質量部に対して1質量部であった。得られた触媒におけるCZ微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径等は表2に示すとおりであり、また、得られた触媒の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
(比較例1)
非晶質アルミナ粉末に対する熱処理を施さずそのまま用いた以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒におけるCZ微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径等は表2に示すとおりであり、また、得られた触媒の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
(比較例2)
アルミナ粉末とCZの粉末との混合比を質量比で6:4とした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒におけるCZ微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径等は表2に示すとおりであり、また、得られた触媒の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
(比較例3)
25%アンモニア水溶液800gを溶解した水溶液を撹拌し、その中に硝酸アルミニウム九水和物2.8モル、硝酸セリウム(III)0.5モル、硝酸ジルコニウム二水和物0.5モルを混合した水溶液を素早く添加し、10分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、400℃で5時間乾燥せしめた後、700℃で5時間焼成してCZとアルミナからなる複合金属酸化物多孔体(ACZ粉末、平均CZ粒径:9nm)を得た。そして、このようにして得られたACZ粉末を用いた以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒におけるCZ微粒子及びアルミナ微粒子の平均粒径等は表2に示すとおりであり、また、得られた触媒の比表面積、中心細孔直径、細孔容積はそれぞれ表3に示すとおりであった。
Figure 0004998663
Figure 0004998663
<高温耐久性試験>
表1に示す組成を有するリッチガスとリーンガスを全流量が330ml/minとなるように5分間隔で交互に流した雰囲気中で、前記実施例及び前記比較例で得られた各ペレット状触媒1.5gを1000℃に5時間保持し、かかる耐久試験後の比表面積、中心細孔直径、細孔容積を測定した。得られた結果を表3に示す。
<触媒性能評価試験>
常圧固定床流通反応装置を用い、前記実施例及び前記比較例で得られた各ペレット状触媒(初期品)1gとそれらに高温耐久性試験を施したもの(耐久試験後品)1gとのそれぞれに対して、表4に示す組成を有するリッチガスとリーンガスを全流量が7L/minとなるように1秒間隔で流通させ、入りガス温度を100〜500℃とした各温度におけるHC浄化率を測定し、それぞれのHC50%浄化温度を求めた。得られた結果を表3に示す。
Figure 0004998663
<酸素放出速度及び酸素貯蔵能試験>
前記実施例及び前記比較例で得られた各ペレット状触媒(初期品)とそれらに高温耐久性試験を施したもの(耐久試験後品)とのそれぞれに対して、前述の方法によって酸素放出速度及びTotal酸素貯蔵能を測定した。得られた結果を表3に示す。
表3に示した結果から明らかな通り、本発明の複合金属酸化物多孔体からなる触媒(実施例1〜3)は、高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持されており、高温耐久性に非常に優れたものであった。中でも、貴金属を前担持工程においてCZ粉末に担持せしめて得た複合金属酸化物多孔体からなる触媒(実施例3)は特に高温耐久性に優れたものであった。
以上説明したように、本発明によれば、高温耐久性に非常に優れており、高温耐久試験後であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持される複合金属酸化物多孔体を提供することが可能となる。したがって、本発明は、高温耐久性に優れた排ガス浄化用触媒等を提供する技術として非常に有用である。
セリア−ジルコニア複合酸化物(CZ)とアルミナのゼータ電位を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 直径50nm以下の一次粒子からなるセリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナ微粒子とを備え、前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物の含有率が45質量%以上であり、且つ、1000℃で5時間の耐久試験後における比表面積が40m/g以上であり、前記耐久試験後における中心細孔直径が5〜30nmであり、前記耐久試験後における細孔径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が0.2cc/g以上であることを特徴とする複合金属酸化物多孔体。
  2. 前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子と前記アルミナ微粒子とがナノレベルで均一混合されていることを特徴とする請求項1に記載の複合金属酸化物多孔体。
  3. 1000℃で5時間の耐久試験後における酸素放出速度が1.5μmol−O/g・sec以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合金属酸化物多孔体。
  4. 1000℃で5時間の耐久試験後におけるTotal酸素貯蔵能が200μmol−O/g以上であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体。
  5. 直径50nm以下の一次粒子からなるセリウム−ジルコニウム複合酸化物の粉末と、直径50nm以下の一次粒子からなり且つγ相、δ相、θ相及びα相からなる群から選択される少なくとも一つの結晶相を有するアルミナの粉末とを、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめ、セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子とアルミナ微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
    前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
    を含む方法により得られたものであることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体。
  6. 前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物微粒子及び/又は前記アルミナ微粒子に担持されている貴金属を更に備えていることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体。
  7. 前記複合金属酸化物多孔体が排ガス浄化用触媒であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体。
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