JP4995357B1 - 再生エネルギー型発電装置 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
また、特許文献2には、ナセル内に油圧ポンプが設けられ、タワー下部に油圧モータ及び発電機が設けられており、油圧ポンプと油圧モータとが配管で接続された風力発電装置が記載されている。
また、特許文献4には、複数のデバイス(コンバータ、変圧器、軸受箱、発電機等)を冷却するための風力発電装置用の冷却装置が記載されている。この冷却装置は、複数のデバイスを冷却した後の冷却水を、タワーやナセルの外壁に取り付けられた熱交換器によって冷却するようになっている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、油圧トランスミッションの作動油を効率よく冷却することができる冷却機構を備えた再生エネルギー型発電装置を提供することを目的とする。
また、作動油ライン及び冷媒ラインの一方を、ナセル側に支持される第1配管と、タワー側に支持される第2配管とに分割し、スイベル構造を有する接続部によって第1配管と第2配管とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセルが旋回しても、ナセル側の第1配管とタワー側の第2配管との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
このように、油圧モータ及び発電機はナセルの内部に配置され、ナセル側に支持される中間熱交換器に、接続部を介して冷媒ラインが接続されるようにしたので、接続部を耐圧性の低い配管で構成することができ、コスト低減が図れる。
これにより、ナセルが旋回した場合であっても、管状部材に設けられたケーブル用配管内にケーブルが収容されているため、ケーブルが損傷することを防止できる。
このように、冷媒ラインに水を供給する水供給源と、冷媒ライン内で冷媒を循環させるポンプとを備えることで、例えば外気温の変化等に応じて、冷媒の循環量を調整することができ、作動油を一定温度に維持することが可能となる。また、不凍液が添加された冷媒を用いることで、外気温が水の凍結温度以下となった場合でも冷媒が凍結することを防止でき、冷却機構の円滑な稼働が可能である。
このように、冷媒タンクをタワーの上部に配置し、且つ冷媒タンクがタワー内空間に開放されるようにしたので、冷媒ライン下方における水圧を十分に確保でき、冷媒ラインに接続される各種冷却機器へ確実に冷媒を供給することが可能となる。また、サイホン効果を利用するとポンプの動力を小さくでき、ポンプを小型化することも可能である。
このように、冷媒タンクをタワーの内部に配置し、且つ冷媒タンクがタワー内空間に対して密閉されるようにしたので、例えば冷媒タンクを冷媒ラインの下方に配置するなど、冷媒タンクの配置を自由にできる。
上記したように、冷水源は海水、湖水、河川水または地下水からなるため、これらの中には生物等の異物が存在し、これらの異物が主熱交換器の伝熱管に付着すると伝熱効率が低下してしまう。特に、付着生物は伝熱管で増殖するため徐々に伝熱効率が低下してしまうことは避けられない。そこで、本構成のように、主熱交換器を収容するケーシングの冷水源入口にフィルタを設けることにより、異物が伝熱管周囲に入り込むことを防ぎ、伝熱効率の低下を防止できる。
これにより、主熱交換器の冷水側を簡素化することができる。
これは、伝熱管周囲を流れる冷水源の流速は伝熱管の熱伝達率に影響を及ぼすため、適した熱伝達率が得られるように伝熱管周囲に流速調整用構造体を配置している。そこで、流速調整用構造体と伝熱管との間の距離の上限が、伝熱管において所定の熱伝達率が得られる距離に基づいて設定されることで、冷媒の冷却に適した熱伝達率を得ることが可能となる。また、流速調整用構造体と伝熱管との間の距離の下限が、伝熱管に付着する異物が剥離する距離に基づいて設定されることで、伝熱管への異物の堆積を抑制することができる。
これにより、冷水源に含まれる異物が主熱交換器の伝熱管に付着した場合であっても、スプレーノズルから噴射する冷水源によって異物を剥離することができる。このように、スプレーノズルによって物理的に異物を剥離する構成とすることで、有害成分を含む塗料を伝熱管に塗布したり、塩素を注入したりすることなく伝熱管への異物の付着、堆積を抑制でき、環境負荷を小さくすることが可能である。
このように、熱交換器に多管式熱交換器を用いることにより、安価で且つ伝熱面積を大きくすることができ、熱交換器での熱交換効率を高く維持することが可能となる。なお、ここでいう熱交換器とは、主熱交換器または中間熱交換器のことである。
このように、水冷による冷媒の冷却と、空冷による発電機の冷却とを組み合わせることで、再生エネルギー型発電装置の効率的な冷却機構を構築できる。
また、作動油循環ライン及び作動油分岐ラインの一方を、ナセル側に支持される第1配管と、タワー側に支持される第2配管とに分割し、スイベル構造を有する接続部によって第1配管と第2配管とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセルが旋回しても、ナセル側の第1配管とタワー側の第2配管との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
このように、水冷による作動油の冷却と、空冷による発電機の冷却とを組み合わせることで、再生エネルギー型発電装置の効率的な冷却機構を構築できる。
また、作動油ライン及び冷媒ラインの一方を、ナセル側に支持される第1配管と、タワー側に支持される第2配管とに分割し、スイベル構造を有する接続部によって第1配管と第2配管とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセルが旋回しても、ナセル側の第1配管とタワー側の第2配管との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
また、作動油循環ライン及び作動油分岐ラインの一方を、ナセル側に支持される第1配管と、タワー側に支持される第2配管とに分割し、スイベル構造を有する接続部によって第1配管と第2配管とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセルが旋回しても、ナセル側の第1配管とタワー側の第2配管との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
第1実施形態では、再生エネルギー型発電装置の一例として風力発電装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。
図1に示すように、風力発電装置1は、主として、タワー2と、タワー先端部2Bに設けられたナセル4と、風を受けて回転するロータ6と、油圧ポンプ8及び油圧モータ10と、油圧モータ10に連結された発電機12とで構成される。
なお、図1には、風力発電装置1として海面SL上に設置される洋上風力発電装置を例示しているが、風力発電装置1は、付近に冷水源が存在する陸上に設置されていてもよい。
そして、ナセル台板16にはナセル旋回機構19が取り付けられるとともに、ナセル台板上にはヨー駆動機構13が配設されている。このナセル旋回機構19及びヨー駆動機構13によって、ナセル台板16がタワー2の先端部2Bに対して旋回するようになっている。
ヨー駆動機構13は、例えば、ギヤ19Aの軸に直接連結されるか、またはギヤ19Aにピニオンを介して連結される減速機と、クラッチと、ヨーモータと、電磁ブレーキと、これらを収納するハウジングとで構成されていてもよい。なお、ヨー駆動機構13は、タワー2の軸線を中心とした円周上に複数設けられていてもよい。
上記構成を有する場合、クラッチが結合状態で電磁ブレーキがONにされたら、ヨーモータの駆動力が減速機を介してギヤ19Aに伝達され、ギヤ19Aが内歯車19Bと噛み合いながら回転する。これにより、ナセル4がタワー2に対してヨー方向に旋回する。
ロータ6は、ハブ6Aと、ハブ6Aから放射状に延びる複数枚の回転翼6Bとからなる。ロータ6のハブ6Aは、主軸14に連結されている。このため、風を受けてロータ6が回転すると、主軸14もハブ6Aとともに回転する。そして、主軸14の回転が油圧ポンプ8に入力されることで、油圧ポンプ8において高圧の作動油(高圧油)が生成される。
そして、油圧モータ10は、ナセル4内の油圧ポンプ8から供給される高圧油によって駆動されるようになっている。
また、油圧モータ10に出力軸を介して連結される発電機12も、やはりタワー2側に支持される。この発電機12も、床、板、または棚等に据え付けるようにしてもよい。
なお、油圧モータ10と発電機12との相対的な位置関係は、これらが互いに水平に位置するように配置されてもよいし、図1に示すように、これらが互いに鉛直に位置するように配置されてもよい。
作動油ライン30は、油圧ポンプ8から排出される高圧油を油圧モータ10に供給する高圧側配管と、油圧モータ10から排出される低圧の作動油(低圧油)を油圧ポンプ8に供給する低圧側配管とを有する。
高圧側配管は、ナセル4側に支持される高圧側第1配管31と、タワー2側に支持される高圧側第2配管32とから構成される。高圧側第1配管31と高圧側第2配管32との間には、スイベル構造を有する接続部100が介装されており、接続部100によって高圧側第1配管31と高圧側第2配管32とが相対的に旋回自在に接続されている。
低圧側配管は、ナセル4側に支持される低圧側第1配管34と、タワー2側に支持される低圧側第2配管33とから構成される。低圧側第1配管34と低圧側第2配管33との間には、上記した接続部100が介装されており、接続部100によって低圧側第1配管34と低圧側第2配管33とが相対的に旋回自在に接続されている。
スイベル構造を有する接続部100は、ナセル4の旋回中心に配置される。なお、この接続部100の構成については後述する。
冷却機構は、主に、主熱交換器51と、中間熱交換器52と、冷媒ライン40とを有する。
中間熱交換器52は、タワー2内に配設され、作動油と冷媒とを熱交換して、作動油を冷媒によって冷却する。
発電機クーラ53は、例えば発電機12の周囲に設けられた冷却ジャケットとして構成される。発電機クーラ53では、冷媒分岐ライン43から供給される冷媒との熱交換によって発電機12を冷却するようになっている。
タワー冷却器54は、ファン及び伝熱管群を備えたファン付き熱交換器として構成される。タワー冷却器54では、ファンにより吸い込んだ(あるいは押し込んだ)タワー2内の空気が、冷媒分岐ライン44から伝熱管群に供給された冷媒と熱交換されて冷却されるようになっている。これにより、風力発電装置1のタワー2内に設置される熱発生源からの放熱によって昇温されたタワー2内の空気を効果的に冷却できる。
トランス室冷却器55は、ファン及び伝熱管群を備えたファン付き熱交換器として構成される。トランス室冷却器55では、ファンにより吸い込んだ(あるいは押し込んだ)トランス室21内の空気が、冷媒分岐ライン45から伝熱管群に供給された冷媒と熱交換されて冷却されるようになっている。
冷媒タンク48は、タワー2の上部、具体的には冷媒ライン40の高さ方向上部位置に配置され、タワー2内の空間に開放されている。このように、冷媒タンク48をタワー2の上部に配置し、且つ冷媒タンク48がタワー2内の空間に開放されるように構成することで、冷媒ライン40下方における水圧を十分に確保でき、冷媒ライン40に接続される各種冷却機器(例えば、中間熱交換器52、発電機クーラ53、タワー冷却器54、トランス室冷却器55)へ確実に冷媒を供給することが可能となる。また、サイホン効果を利用するとポンプ47の動力を小さくでき、ポンプ47を小型化することも可能である。
図2A〜図2Cに示すように、主熱交換器51は、冷媒ライン40からの冷媒が流れる伝熱管511を有し、海水が伝熱管511の周囲を流れるように構成されている。したがって、海水を流すための配管は設けられていない。また、主熱交換器51の伝熱管511周囲には、海水の流速を調整する流速調整用構造体が配設されている。これは、伝熱管511周囲を流れる海水の流速は伝熱管511の熱伝達率に影響を及ぼすため、適した熱伝達率が得られるように伝熱管511周囲に流速調整用構造体が配置されるものである。
このように、流速調整用ブロック501と伝熱管511との間の距離の上限が、伝熱管511において所定の熱伝達率が得られる距離に基づいて設定されることで、冷媒の冷却に適した熱伝達率を得ることが可能となる。
一方、流速調整用ブロック501と伝熱管511との間の距離の下限が、伝熱管511に付着する異物が剥離する距離に基づいて設定されることで、伝熱管511への異物の堆積を防止することができる。海洋生物等の異物が伝熱管511へ付着、堆積すると熱伝達率が低下してしまうが、伝熱管511の周囲にある一定の空間を形成することで伝熱管511に堆積した異物は剥離する。したがって、この空間が確保できる距離を下限とすることで、伝熱管511への異物への堆積を抑制することができる。
これにより、海水に含まれる異物が主熱交換器51の伝熱管511に付着した場合であっても、スプレーノズル521から噴射する海水によって異物を剥離することができる。
このように、スプレーノズル521または多孔板ヘッダ525によって物理的に異物を剥離する構成とすることで、有害成分を含む塗料を伝熱管511に塗布したり、塩素を注入したりすることなく伝熱管511への異物の付着、堆積を抑制でき、環境負荷を小さくすることが可能である。
図4は、本発明の実施形態に係る風力発電装置に適用されるスイベル構造の第1構成例を示す図で、図5Aは、図4のスイベル構造の第1構成例を示すB−B線断面図で、図5Bは、図4のスイベル構造の第1構成例を示すC−C線断面図である。
管状部材111は二重管構造となっており、外管111Aと内管111Bと隔壁11Cとからなる。隔壁11Cは、外管111Aと内管111Bとで形成される環状の空間を周方向に仕切り、複数の弧状流路114a、114bを形成する。なお、図4Bには、弧状流路114a、114bが2つ形成されている例を示したが、これより多くの弧状流路が形成されてもよい。
このように、内管111Bで囲まれる空間をケーブル用配管124として用いることによって、ナセル4が旋回した場合であっても、ケーブル125が損傷することを防止できる。
第2構成例におけるスイベル構造の接続部100’は、ナセル4に収納された油圧ポンプ8と、タワー2内に設けられた油圧モータ10とを、第1二重管130及び第2二重管140を用いて接続している。
第1二重管130はナセル4に固定され、第2二重管140はタワー2に固定され、第1二重管130及び第2二重管140は相対的に回転可能に構成されている。
以下に、第1二重管130及び第2二重管140の具体的な構成を説明する。
そして、上側部材131と下側部材133の一部(内周側円筒部)とによって、第1二重管130の第1内側配管132が形成されている。また、下側部材133の一部(外周側円筒部)によって、第1二重管130の第1外側配管134が形成されている。
そして、第1二重管130は、第2二重管140に回転自在に嵌合されている。このように嵌合された第1二重管130及び第2二重管140によって、ナセル4側からタワー2側へ向かう高圧油が流れる第1流路151と、タワー2側からナセル4側へ向かう低圧油が流れる第2流路152とが形成される。
第3構成例におけるスイベル構造の接続部100”は、タワー2の軸方向に延設された二重管160と、二重管160を取り囲むように設けられた第1ジャケット164及び第2ジャケット166とを有しており、これらによって、ナセル4側の油圧ポンプ8からタワー2側の油圧モータ10へ向かう高圧油が流れる第1流路171と、油圧モータ10から油圧ポンプ8へ向かう低圧油が流れる第2流路172とが形成される。
第1ジャケット164は、内管160Aの外周側に設けられる。第1ジャケット164の内壁面と内管160Aの外壁面とから形成される環状流路164aは、第1ジャケット164の外周に接続される高圧側第1配管31に連通している。また、環状流路164aは、内管160Aに設けられた第1連通口161を介して、内側流路に連通している。さらに、この内側流路は、内管160Aの下端部に接続される高圧側第2配管32に連通している。そして、環状流路164a及び内側流路によって第1流路171が形成される。高圧側第1配管31から第1流路171に供給される高圧油は、環状流路164a、第1連通口161、内側流路を通って、高圧側第2配管32へ送出される。
また、作動油ライン30を、ナセル4側に支持される第1配管と、タワー2側に支持される第2配管とに分割し、スイベル構造を有する接続部100、100’、100”によって、第1配管と第2配管とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセル4が旋回しても、ナセル4側の第1配管とタワー2側の第2配管との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
図8に示す第1変形例は、トランス室冷却器55とタワー冷却器54とを直列に接続する冷媒分岐ライン44’を設けた構成としている。冷媒分岐ライン44’は、冷媒送りライン41から分岐され冷媒戻しライン42に合流されるように構成されており、この冷媒分岐ライン44’にトランス室冷却器55とタワー冷却器54とを直列に設けている。冷媒分岐ライン44’を流れる冷媒は、トランス室冷却器55によってトランス室21内の空気と熱交換されてトランス室21内の空気を冷却する。次いで、トランス室冷却器55から排出された冷媒は、タワー冷却器54に供給され、タワー2内の空気と熱交換されてタワー2内の空気を冷却する。これらの冷却器を経た冷媒は、主熱交換器51に戻される。なお、これらの冷却器は、タワー冷却器54、トランス室冷却器55の順に冷媒分岐ライン44’に設けてもよく、冷却器の配置順は特に限定されるものではない。
このように、複数の熱発生源を直列に接続する冷媒ラインを備えることにより、配管構成を簡素化することができる。
次に、図11を参照して、第2実施形態に係る風力発電装置について説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。なお、本実施形態に係る風力発電装置1は、油圧トランスミッション及び作動油ライン30の構成が異なる点を除けば、第1実施形態に係る風力発電装置1と同様である。よって、ここでは、第1実施形態と異なる点を中心に説明することとし、図11では風力発電装置1と共通する箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図11においては、ナセル旋回機構19及びヨー駆動機構13を省略している。
作動油ライン30は、油圧ポンプ8と油圧モータ10との間で作動油を循環させる作動油循環ラインと、作動油循環ラインに並行に接続された作動油分岐ライン38とを有する。
作動油循環ラインは、油圧ポンプ8の作動油出口側と油圧モータ10の作動油入口側とを接続する高圧油ライン36と、油圧モータ10の作動油出口側と油圧ポンプ8の作動油入口側とを接続する低圧油ライン37とからなる。
作動油分岐ライン38は、低圧油ライン37から分岐され、スイベル構造を有する接続部100を介して、ナセル4側からタワー2側まで延設されて、タワー2側の中間熱交換器52の入口側に接続される。また、中間熱交換器52の出口側に接続される作動油分岐ライン38は、接続部100を介して、タワー2側からナセル4側まで延設されて、低圧油ライン37に合流される。なお、接続部100には、第1実施形態で説明した構成を採用することができる。
このように、油圧モータ8がナセル4側に支持され、低圧油ライン37から分岐した作動油分岐ライン37がタワー2側の中間熱交換器52に接続されるようにしたので、作動油流量の多い作動油ライン30を短くでき、一方、接続部100を通る作動油流量を少なくすることができる。これにより配管構造を簡素化することが可能となる。また、作動油分岐ライン38は、低圧油ライン37から分岐させているため、作動油分岐ライン38及び接続部100を耐圧性の低い配管で構成することができ、コスト低減が図れる。
この場合、ナセル4の外周側に、外気を取り込むダクト81が設けられている。ダクト81は、吸気口を有しており、ナセル4の壁面に一体的に形成されていてもよい。このとき、外気の取り込みを促進するために、ダクト81内にファン82を設置することが好ましい。
ダクト81で取り込まれた空気は、空気配管83を介してナセル4内に導かれる。空気配管83には発電機クーラ53’が設けられている。発電機クーラ53’は、例えば発電機12の周囲に設けられた冷却ジャケットとして構成され、冷却ジャケットの外周をダクト81で取り込まれた空気が流れることによって発電機12を冷却する。冷却後の空気は、空気配管83を通ってナセル外部へ排気される。
また、ダクト81で取り込まれた空気は、ナセル4内の他の熱発生源の冷却に用いることもできる。例えば、ナセル4内の空気を冷却するナセル冷却器(不図示)の冷却に用いることができる。このように、タワー2内の熱発生源の冷却には主に水冷を用い、ナセル4内の熱発生源には空冷を用いることで、風力発電装置1の熱発生源の効率的な冷却が可能となる。
続いて、図12を参照して、第3実施形態に係る風力発電装置について説明する。図12は、本発明の第3実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。
なお、本実施形態に係る風力発電装置1は、油圧トランスミッション及び作動油ライン30の構成が異なる点を除けば、第1実施形態に係る風力発電装置1と同様である。よって、ここでは、第1実施形態と異なる点を中心に説明することとし、図12では風力発電装置1と共通する箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図12においては、ナセル旋回機構19及びヨー駆動機構13を省略している。
作動油ライン30は、油圧ポンプ8と油圧モータ10との間で作動油を循環させる作動油循環ラインと、作動油循環ラインに並行に接続された作動油分岐ライン38’とを有しており、いずれのラインもナセル4内に配設されている。
作動油循環ラインは、油圧ポンプ8の作動油出口側と油圧モータ10の作動油入口側とを接続する高圧油ライン36と、油圧モータ10の作動油出口側と油圧ポンプ8の作動油入口側とを接続する低圧油ライン37とからなる。
作動油分岐ライン38’は、低圧油ライン37から分岐され、ナセル4内の中間熱交換器52の入口側に接続される。また、中間熱交換器52の出口側に接続される作動油分岐ライン38’は、低圧油ライン37に合流される。
主熱交換器51によって海水で冷却された冷媒は、冷媒送りライン41を通って中間熱交換器52に供給され、中間熱交換器52で作動油と熱交換されることによって作動油を冷却した後、冷媒戻しライン42を通って主熱交換器51に戻される。
このように、油圧モータ8及び発電機10はナセル4の内部に配置され、ナセル4側に支持される中間熱交換器52に、接続部100を介して冷媒ライン40が接続されるようにしたので、接続部100を耐圧性の低い配管で構成することができ、コスト低減が図れる。
最後に、図4を参照して、第4実施形態に係る風力発電装置について説明する。図13は、本発明の第4実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。
本実施形態に係る風力発電装置1は、冷媒ライン40を備えておらず、油圧トランスミッションの作動油を海水で直接冷却する構成となっている。なお、本実施形態に係る風力発電装置1では、油圧トランスミッション、作動油ライン30及び冷媒ライン40の構成を除く他の構成については、第1実施形態に係る風力発電装置1と同様であるためその詳細な説明を省略する。また、図13においては、ナセル旋回機構19及びヨー駆動機構13を省略している。
作動油ライン30は、油圧ポンプ8と油圧モータ10との間で作動油を循環させる作動油循環ラインと、作動油循環ラインに並行に接続された作動油分岐ライン70とを有しており、いずれのラインもナセル4内に配設されている。
作動油循環ラインは、油圧ポンプ8の作動油出口側と油圧モータ10の作動油入口側とを接続する高圧油ライン36と、油圧モータ10の作動油出口側と油圧ポンプ8の作動油入口側とを接続する低圧油ライン37とからなる。
作動油分岐ライン70は、ナセル4側に支持される第1配管71、74と、タワー2側に支持される第2配管72、73とを有している。なお、作動油分岐ライン70は、低圧油ライン37に並行に配設されることが好ましい。また、作動油分岐ライン70には、分岐ライン70の作動油の流れを形成するポンプ71が設けられている。
低圧ライン37から分岐された作動油は、第1配管71、接続部100、第2配管72を順に通って主熱交換器58に導入される。主熱交換器58では、海水との熱交換によって冷媒が冷却される。主熱交換器58から排出される冷媒は、第2配管73、接続部100、第1配管74を順に通って低圧ライン37に戻される。
また、作動油循環ラインおよび作動油分岐ライン70の一方を、ナセル4側に支持される第1配管71、74と、タワー2側に支持される第2配管72、73とに分割し、スイベル構造を有する接続部100によって、第1配管71、74と第2配管72、73とが相対的に旋回自在となるように接続したので、ナセル4が旋回しても、ナセル4側の第1配管71、74とタワー側の第2配管72、73との間で流体のやり取りを円滑に行うことができる。
この場合、ナセル4の外周側に、外気を取り込むダクト81が設けられており、ダクト81で取り込まれた空気は、空気配管83を介してナセル4内に導かれる。空気配管83には発電機クーラ53’が設けられている。発電機クーラ53’は、例えば発電機12の周囲に設けられた冷却ジャケットとして構成され、冷却ジャケットの外周をダクト81で取り込まれた空気が流れることによって発電機12を冷却する。冷却後の空気は、空気配管83を通ってナセル外部へ排気される。
また、ダクト81で取り込まれた空気は、ナセル4内の他の熱発生源の冷却に用いることもできる。例えば、ナセル4内の空気を冷却するナセル冷却器(不図示)の冷却に用いることができる。このように、タワー2内の熱発生源の冷却には主に水冷を用い、ナセル4内の熱発生源には空冷を用いることで、風力発電装置1の熱発生源の効率的な冷却が可能となる。
例えば、潮流、海流又は河流を利用した発電装置であって、タワーが基端部から先端部に向かって海中又は水中を鉛直方向下方に延びるとともに、回転翼によって潮流、海流又は河流を受けることで主軸が回転するような発電装置に本発明を適用してもよい。
2 タワー
2A タワー基部
2B タワー先端部
4 ナセル
6 ロータ
6A ハブ
6B 回転翼
8 油圧ポンプ
10 油圧モータ
12 発電機
14 主軸
15 主軸軸受
21 トランス室
30 作動油ライン
31 高圧側第1配管
32 高圧側第2配管
33 低圧側第2配管
34 低圧側第1配管
36 高圧油ライン
37 低圧油ライン
38 作動油分岐ライン
40 冷媒ライン
41 冷媒送りライン
42 冷媒戻しライン
43、44、44’、45 冷媒分岐ライン
51、51’、58 主熱交換器
52 中間熱交換器
53 発電機クーラ
54 タワー冷却器
55 トランス室冷却器
70 作動油分岐ライン
71、74 第1配管
72、73 第2配管
100、100’、100” 接続部
Claims (18)
- 再生エネルギーから電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、
タワーと、
前記タワーの先端部に、旋回自在に支持されたナセルと、
前記ナセルに収納され、回転翼とともに回転する主軸と、
前記ナセルに収納され、前記主軸の回転によって駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから供給される作動油によって駆動される油圧モータと、
前記油圧モータに連結された発電機と、
前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間に設けられ、前記作動油が流れる作動油ラインと、
中間熱交換器を介して前記作動油を冷却する冷媒が循環する冷媒ラインと、
前記冷媒を、前記タワー基部周辺の海水、湖水、河川水または地下水からなる冷水源と熱交換することによって冷却する主熱交換器とを備え、
前記作動油ライン及び前記冷媒ラインの一方が、前記ナセル側に支持される第1配管と、前記タワー側に支持される第2配管と、前記第1配管と前記第2配管とを相対的に旋回自在に接続する接続部とを有することを特徴とする再生エネルギー型発電装置。 - 前記油圧モータは、前記タワーの前記先端部と前記基部との間に配置され、
前記作動油ラインが、前記ナセル内の前記油圧ポンプから前記タワー内の前記油圧モータまで延設されており、
前記作動油ラインは、前記第1配管、前記第2配管及び前記接続部を有し、
前記第1配管が前記油圧ポンプに接続され、前記第2配管が前記油圧モータに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記油圧モータは前記ナセル側に支持され、一方、前記中間熱交換器は前記タワー側に支持されており、
前記作動油ラインは、前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間を作動油が循環する作動油循環ラインと、前記作動油循環ラインの低圧側から分岐して前記中間熱交換器を通って前記作動油循環ラインに戻る作動油分岐ラインとを含み、
前記作動油分岐ラインは、前記第1配管、前記第2配管及び前記接続部を有し、
前記第1配管が前記作動油循環ラインに接続され、前記第2配管が前記中間熱交換器に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記油圧モータ及び前記発電機は、前記ナセルの内部に配置され、一方、前記中間熱交換器は、前記ナセル側に支持されており、
前記冷媒ラインは、前記第1配管、前記第2配管及び前記接続部を有し、
前記第1配管が前記中間熱交換器側に接続され、前記第2配管が前記主熱交換器側に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記ナセル側から前記タワー側へ向かう流体が流れる第1流路と、
前記タワー側から前記ナセル側へ向かう流体が流れる第2流路と、
一又は複数の前記第1流路及び一又は複数の前記第2流路が形成された管状部材と、
前記管状部材を取り囲むように設けられ、前記第1流路に設けられた第1連通口を介して前記第1配管に連通した環状流路を含む第1ジャケットと、
前記管状部材を取り囲むように設けられ、前記第2流路に設けられた第2連通口を介して前記第2配管に連通した環状流路を含む第2ジャケットとを有し、
前記第1ジャケット及び前記第2ジャケットが、軸受を介して前記管状部材に相対的に旋回自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記管状部材には、前記1流路及び前記第2流路のさらに内側に、前記ナセル側から前記タワー側へ延設されるケーブルを収容するケーブル用配管が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 前記冷媒ラインに水を供給する水供給源と、
前記水に不凍液が添加された冷媒を前記冷媒ライン内で循環させるポンプとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記水供給源が、前記冷媒を貯留する冷媒タンクであり、
前記冷媒タンクは前記タワーの上部に配置されるとともに、該冷媒タンクはタワー内空間に開放されていることを特徴とする請求項7に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記水供給源が、前記冷媒を貯留する冷媒タンクであり、
前記冷媒タンクは前記タワーの内部に配置されるとともに、該冷媒タンクはタワー内空間に対して密閉されていることを特徴とする請求項7に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記主熱交換器を収容するケーシングの冷水源入口には、前記冷水源に含まれる異物が前記ケーシング内部に混入することを防止するフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 前記主熱交換器は、前記タワーが設置される基礎に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 前記熱交換器の伝熱管周囲に、冷水源の流速を調整する流速調整用構造体が配設され、
前記流速調整用構造体と前記伝熱管との間の距離の上限が、前記伝熱管において所定の熱伝達率が得られる距離に基づいて設定され、下限が、前記伝熱管に付着する異物が剥離する距離に基づいて設定されることを特徴とする請求項11に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記主熱交換器の伝熱管表面に前記冷水源を噴射するスプレーノズルを設けたことを特徴とする請求項11に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 前記熱交換器は、複数の伝熱管を有する多管式熱交換器であることを特徴とする請求項11に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 前記再生エネルギー型発電装置は風力発電装置であり、
前記タワーが前記基端部から前記先端部に向かって鉛直方向上方に延びるとともに、
前記回転翼によって風を受けることで前記主軸が回転する請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。 - 前記ナセル内に収納され、前記ナセルの周囲から取り込んだ空気によって前記発電機を冷却する発電機冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
- 再生エネルギーから電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、
タワーと、
前記タワーの先端部に、旋回可能に支持されたナセルと、
前記ナセルに収納され、回転翼とともに回転する主軸と、
前記ナセルに収納され、前記主軸の回転によって駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから供給される作動油によって駆動される油圧モータと、
前記油圧モータに連結された発電機と、
前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間に設けられ、前記作動油が流れる作動油循環ラインと、
前記作動油を、前記タワー基部周辺の海水、湖水、河川水または地下水からなる冷水源と熱交換することによって冷却する主熱交換器とを備え、
前記作動油循環ライン及び該作動油循環ラインから分岐される作動油分岐ラインの一方が、前記ナセル側に支持される第1配管と、前記タワー側に支持される第2配管と、前記第1配管と前記第2配管とを相対的に旋回自在に接続する接続部とを有することを特徴とする再生エネルギー型発電装置。 - 前記ナセル内に収納され、前記ナセルの周囲から取り込んだ空気によって前記発電機を冷却する発電機冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の再生エネルギー型発電装置。
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