JP4990506B2 - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサとその製造方法に関し、詳しくは、電解質として導電性高分子化合を用いた固体電解コンデンサと、その製造方法と、それを用いた伝送線路素子とその製造方法に関する。
従来、基板に表面実装されて使用される固体電解コンデンサとして、図5(a)および(b)に示すものが提案されている(特許文献1、参照)。
図5(a)は特許文献1に示された固体電解コンデンサを示す断面図、図5(b)は図5(a)のA部分の拡大図である。図5(a)及び図5(b)を参照すると、固体電解コンデンサ50は、次のように製造されている。弁作用金属11粉末の焼結体からなる陽極の表面に誘電体酸化皮膜12を形成し、その酸化皮膜12上に密接して化学酸化重合により第1の導電性高分子化合物層13を形成する。次に、導電性高分子化合物懸濁水溶液に浸漬し、第1の導電性高分子化合物層13上に第2の導電性高分子化合物層14を形成する。更に、グラファイト粉末含有懸濁水溶液に浸漬し、第2の導電性高分子化合物層14上にグラファイト層18を形成し、その上に銀塗料層9を形成して、陰極層を形成する。さらに、陰極層に陰極端子22と、芯材11aに陽極端子23を夫々設けて、外装樹脂21で外装を施して固体電解コンデンサ50となる。
前述した従来技術による固体電解コンデンサを製造するには、誘電体皮膜形成後、化学酸化重合あるいは電解重合により導電性高分子化合物層を形成後、グラファイトペースト、銀ペーストを塗布・乾燥してコンデンサ素子を完成させている。
しかしながら、化学酸化重合や電解重合のような化学反応もしくは電気化学反応のみで導電性高分子化合物層を形成するためには、製造工程中の制御パラメータが多く、維持管理に多くの工数を要し、また、生産設備も複雑で大規模なものが必要となる。
さらに、この多くの制御パラメータの変動により、導電性高分子化合物層を形成が不安定になり、ESR特性、LC特性の工程能力が低下する場合がある。
特開平11−121281号公報
そこで、本発明の一技術的課題は、導電性高分子化合物層を形成を容易にし、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することにある。
また、本発明のもう1つの技術的課題は、導電性高分子化合物層を簡単かつ短時間で形成でき、また、均質で安定な導電性高分子化合物層の形成が期待できるため、ESR(等価直列抵抗)特性、LC特性等の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することにある。
本発明によれば、弁作用金属からなり拡面化された表面を備えた陽極体と、前記拡面化された陽極体表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された導電性高分子化合物層と、前記導電性高分子化合物層上に形成された導電層とを備えている固体電解コンデンサにおいて、前記誘電体層は、拡面化された微細孔を備え、前記導電性高分子化合物層は、第1の導電性高分子化合物の水溶液を塗布後又は浸漬後乾燥して形成され前記微細孔部分に浸透し前記誘電体層上に密接する第1の導電性高分子化合物層を有するとともに、前記導電性高分子化合物層は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に形成され、前記第1の導電性高分子化合物の水溶液よりも高濃度で且つ前記第1の導電性高分子化合物よりも大きな分子サイズを有するように調整された第2の導電性高分子化合物の水溶液を前記第1の導電性高分子化合物層に対して、塗布後又は浸漬後、乾燥することで形成された第2の導電性高分子化合物層を有することを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記固体電解コンデンサにおいて、前記第1の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子化合物層は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に形成され、前記第1の導電性高分子化合物の水溶液よりも高濃度で且つ前記第1の導電性高分子化合物よりも大きな分子サイズを有するように調整された第2の導電性高分子化合物の水溶液を前記第1の導電性高分子化合物層に対して、塗布後又は浸漬後、乾燥することで形成された第2の導電性高分子化合物層を有することを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記固体電解コンデンサにおいて、前記導電性高分子化合物層は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に化学酸化重合又は電解重合によって形成された第2の導電性高分子化合物層とを有することを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの固体電解コンデンサにおいて、前記第2の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか1つの固体電解コンデンサにおいて、前記陽極表面は、陽極金属表面のエッチング又は粉末成形によって拡面化され、前記誘電体層は、前記拡面化された陽極表面に電気化学手法によって形成された酸化皮膜を含むことを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか1つの固体電解コンデンサにおいて、前記弁作用金属は、Al,Ta,Nb、Tiの内のいずれか1つを含むことを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの固体電解コンデンサにおいて、前記導電層は、前記第2の導電性高分子化合物層上に形成されたグラファイト導電層と、グラファイト導電層上に形成された銀導電層とを備えていることを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記固体電解コンデンサにおいて、前記グラファイト導電層は、前記導電性高分子化合物層に対してグラファイトペースト又はグラファイト粉末含有懸濁液の塗布又は浸漬後、乾燥することで形成され、前記銀導電層は、前記グラファイト導電層に対して銀ペーストの塗布又は浸漬後、乾燥することで形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか1つの固体電解コンデンサを用いた伝送線路素子であって、前記誘電体層を前記陽極体の中央部表面に形成し、前記誘電体層上に前記導電性高分子化合物層及び前記導電層と順次形成し、前記導電層を陰極とし、前記陽極体の中央部の両側を一対の陽極としたことを特徴とする伝送線路素子が得られる。
また、本発明によれば、弁作用金属からなる陽極体表面を拡面化し、前記拡面化された陽極体表面に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層上に導電性高分子化合物層を形成する導電性高分子化合物層形成工程と、前記導電性高分子化合物層上に導電層を形成する導電層形成工程とを備えている固体電解コンデンサの製造方法において、前記誘電体層は、拡面化された微細孔を備え、前記導電性高分子化合物層形成工程は、第1の導電性高分子化合物の水溶液を塗布後又は浸漬後乾燥して、前記誘電体層上に密接して第1の導電性高分子化合物層を形成する第1の導電性高分子化合物層形成段階を含むとともに、前記導電性高分子化合物層形成工程は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に、前記第1の導電性高分子化合物層よりも厚く均一に形成できるように、前記第1の導電性高分子化合物の水溶液よりも高濃度で、且つ前記第1の導電性化合物よりも大きな分子サイズを有するように調整された第2の導電性高分子化合物の水溶液を、前記第1の導電性高分子化合物層に対して、塗布後又は浸漬後、乾燥して第2の導電性高分子化合物層を形成する第2の導電性高分子化合物層形成段階を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記固体電解コンデンサの製造方法において、前記第1の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの固体電解コンデンサの製造方法において、前記第2の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか1つの固体電解コンデンサの製造方法を用いた伝送線路素子を製造する方法であって、前記誘電体層を前記陽極体の中央部表面に形成し、前記誘電体層上に前記導電性高分子化合物層及び前記導電層と順次形成し、前記導電層を陰極とし、前記陽極体の中央部の両側を一対の陽極とすることを特徴とする伝送線路素子の製造方法が得られる。
本発明によれば、化学酸化重合、電解重合のみの工法に比べて塗布もしくは乾燥するだけで導電性高分子化合物層を形成できるため、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
また、本発明によれば、導電性高分子化合物層の形成は、簡単かつ短時間で可能であり、また、均質で安定な導電性高分子化合物層の形成が期待できるため、ESR特性、LC特性の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。
図1を参照すると、Al,Ta、Nb,Tiなどの弁作用金属1からなる陽極表面をエッチングや粉末成形等により拡面化して拡面化層1を形成した後、電気化学的方法で酸化皮膜を形成することにより誘電体層2を形成する。
次に、その誘電体層2上に密接して、導電性高分子化合物水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し、導電性高分子化合物層3を形成する。ここで、導電性高分子化合物水溶液として、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
その導電性高分子化合物層3の上に、グラファイトペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し導電性高分子化合物層3上にグラファイト導電層4を形成する。さらに、銀ペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し,グラファイト導電層4上に銀導電層5を形成する。
弁作用金属11を陽極、また上記に述べたようにして形成された銀導電層5を陰極とし、端子を引き出し、外装、捺印、検査を行って、固体電解コンデンサとする。
なお、上記工程中で、弁作用金属11の中央部に拡面化層1、誘電体層2,導電性高分子化合物層3、グラファイト導電層4、銀導電層を順に形成して、弁作用金属の両端に一対の陽極端子、銀導電層を最上層とする陰極層に陰極端子を夫々接合すれば、陽極端子,陰極端子の3端子を備えた伝送線路素子とすることができる。
以上の説明のように、本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサによれば、化学酸化重合、電解重合のみの工法に比べて塗布もしくは乾燥するだけで導電性高分子化合物層を形成できるため、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、導電性高分子化合物層3の形成は、簡単かつ短時間で可能であり、また、均質で安定な導電性化合物層の形成が期待できるため、ESR特性、LC特性の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
導電性化合物水溶液を塗布もしくは、浸漬により誘電体層上もしくは対象物の上に付着させるため、付着量のコントロールが容易で、均質でかつ安定した導電性高分子化合物層3が得られる。
図2は本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。図2を参照すると、Al,Ta、Nb,Tiなどの弁作用金属1からなる陽極表面をエッチングや粉末成形等により拡面化して拡面化層1を形成した後、電気化学的方法で酸化皮膜を形成することにより誘電体層2を形成する。
次に、その誘電体層2上に密接して、化学酸化重合によって、第1の導電性高分子化合物層3aを形成し、さらに、その上に導電性高分子化合物層3bの水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し、第2の導電性高分子化合物層3bを形成する。ここで、導電性高分子化合物水溶液として、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
その導電性高分子化合物層3bの上に、グラファイト粉末懸濁水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し導電性高分子化合物層3上にグラファイト導電層4を形成する。さらに、銀ペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し,グラファイト導電層4上に銀導電層5を形成する。
弁作用金属11を陽極、また上記に述べたようにして形成された銀導電層5を陰極とし、端子を引き出し、外装、捺印、検査を行って、固体電解コンデンサとする。
なお、上記工程中で、弁作用金属11の中央部に拡面化層1、誘電体層2,第1及び第2の導電性高分子化合物層3a,3b、グラファイト導電層4、銀導電層を順に形成して、弁作用金属の両端に一対の陽極端子、銀導電層を最上層とする陰極層に陰極端子を夫々接合すれば、陽極端子,陰極端子の3端子を備えた伝送線路素子とすることができる。
以上の説明のように、本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサによれば、化学酸化重合、電解重合のみの工法に比べて塗布もしくは乾燥するだけで導電性高分子化合物層を形成できるため、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、導電性高分子化合物層3の形成は、簡単かつ短時間で可能であり、また、均質で安定な導電性化合物層の形成が期待できるため、ESR特性、LC特性の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
導電性化合物水溶液を塗布もしくは、浸漬により誘電体層上もしくは対象物の上に付着させるため、付着量のコントロールが容易で、均質でかつ安定した導電性高分子化合物層3a,3bが得られる。
図3は本発明の第3の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。図3を参照すると、Al,Ta、Nb,Tiなどの弁作用金属1からなる陽極表面をエッチングや粉末成形等により拡面化して拡面化層1を形成した後、電気化学的方法で酸化皮膜を形成することにより誘電体層2を形成する。
次に、その誘電体層2の拡面化された微細孔部分に浸透するように、低濃度で且つ低い分子サイズに調整された第1の導電性高分子化合物水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し、第1の導電性高分子化合物層3cを形成する。ここで、第1の導電性高分子化合物水溶液として、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
その第1の導電性高分子化合物層3cの上に、高い濃度で且つ高い分子サイズに調整された第2の導電性高分子化合物水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し、第2の導電性高分子化合物層3dを形成する。ここで、第2の導電性高分子化合物水溶液として、第1の導電性高分子化合物水溶液と同様に、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
グラファイトペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し、第2の導電性高分子化合物層3d上にグラファイト導電層4を形成する。さらに、銀ペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し,グラファイト導電層4上に銀導電層5を形成する。
弁作用金属11を陽極、また上記に述べたようにして形成された銀導電層5を陰極とし、端子を引き出し、外装、捺印、検査を行って、固体電解コンデンサとする。
なお、上記工程中で、弁作用金属11の中央部に拡面化層1、誘電体層2,第1及び第2の導電性高分子化合物層3c,3d、グラファイト導電層4、銀導電層を順に形成して、弁作用金属の両端に一対の陽極端子、銀導電層を最上層とする陰極層に陰極端子を夫々接合すれば、陽極端子,陰極端子の3端子を備えた伝送線路素子とすることができる。
以上の説明のように、本発明の第3の実施の形態による固体電解コンデンサによれば、化学酸化重合、電解重合のみの工法に比べて塗布もしくは乾燥するだけで導電性高分子化合物層を形成できるため、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
また、本発明の第3の実施の形態によれば、導電性高分子化合物層3c,3dの形成は、簡単かつ短時間で可能であり、また、均質で安定な導電性高分子化合物層の形成が期待できるため、ESR特性、LC特性の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
導電性化合物水溶液を塗布もしくは、浸漬により誘電体層上もしくは対象物の上に付着させるため、付着量のコントロールが容易で、均質でかつ安定した導電性高分子化合物層3c,3dが得られる。
図4は本発明の第4の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。図4を参照すると、Al,Ta、Nb,Tiなどの弁作用金属1からなる陽極表面をエッチングや粉末成形等により拡面化して拡面化層1を形成した後、電気化学的方法で酸化皮膜を形成することにより誘電体層2を形成する。
次に、その誘電体層2の拡面化された微細孔部分に浸透するように、第1の導電性高分子化合物水溶液を塗布もしくは浸漬・乾燥し、第1の導電性高分子化合物層3eを形成する。ここで、第1の導電性高分子化合物水溶液として、電解質にピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体を主成分とするものを用いることができる。
その第1の導電性高分子化合物層3cの上に、化学酸化重合又は電解重合によって、第2の導電性高分子化合物層3fを形成する。
グラファイトペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し、第2の導電性高分子化合物層3f上にグラファイト導電層4を形成する。さらに、銀ペーストを塗布もしくは浸漬・乾燥し,グラファイト導電層4上に銀導電層5を形成する。
弁作用金属11を陽極、また上記に述べたようにして形成された銀導電層5を陰極とし、端子を引き出し、外装、捺印、検査を行って、固体電解コンデンサとする。
なお、上記工程中で、弁作用金属11の中央部に拡面化層1、誘電体層2,第1及び第2の導電性高分子化合物層3e,3f、グラファイト導電層4、銀導電層を順に形成して、弁作用金属の両端に一対の陽極端子、銀導電層を最上層とする陰極層に陰極端子を夫々接合すれば、陽極端子,陰極端子の3端子を備えた伝送線路素子とすることができる。
以上の説明のように、本発明の第4の実施の形態による固体電解コンデンサによれば、化学酸化重合、電解重合のみの工法に比べて塗布もしくは乾燥するだけで導電性高分子化合物層を形成できるため、より簡単にかつ、短時間の処理で形成できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
また、本発明の第4の実施の形態によれば、導電性高分子化合物層3e,3fの形成は、簡単かつ短時間で可能であり、また、均質で安定な導電性高分子化合物層の形成が期待できるため、ESR特性、LC特性の工程能力の向上が期待できる固体電解コンデンサとその製造方法とを提供することができる。
導電性化合物水溶液を塗布もしくは、浸漬により誘電体層上もしくは対象物の上に付着させるため、付着量のコントロールが容易で、均質でかつ安定した導電性高分子化合物層3e,3fが得られる。
本発明に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法は、電子機器、電気機器に用いられるコンデンサに適用される。また、固体電解コンデンサ及びその製造方法を用いた伝送線路素子は、電子機器及び電気機器、特に、デカップリング素子に適用される。
本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態による固体電解コンデンサの要部を示す断面図である。 (a)は特許文献1に示された固体電解コンデンサを示す断面図、(b)は図5(a)のA部分の拡大図である。
符号の説明
1 弁作用金属拡面化層
2 誘電体層
3 導電性高分子化合物層
3a,3c,3e 第1の導電性高分子化合物層
3b,3d,3f 第2の導電性高分子化合物層
4 グラファイト導電層
5 銀導電層
11 弁作用金属
11a 芯材
12 誘電体酸化皮膜
13 第1の導電性高分子化合物層
14 第2の導電性高分子化合物層
18 グラファイト層
22 陰極端子
23 陽極端子
50 固体電解コンデンサ

Claims (12)

  1. 弁作用金属からなり拡面化された表面を備えた陽極体と、前記拡面化された陽極体表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された導電性高分子化合物層と、前記導電性高分子化合物層上に形成された導電層とを備えている固体電解コンデンサにおいて、
    前記誘電体層は、拡面化された微細孔を備え、前記導電性高分子化合物層は、第1の導電性高分子化合物の水溶液を塗布後又は浸漬後乾燥して形成され前記微細孔部分に浸透し前記誘電体層上に密接する第1の導電性高分子化合物層を有するとともに、前記導電性高分子化合物層は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に形成され、前記第1の導電性高分子化合物の水溶液よりも高濃度で且つ前記第1の導電性高分子化合物よりも大きな分子サイズを有するように調整された第2の導電性高分子化合物の水溶液を前記第1の導電性高分子化合物層に対して、塗布後又は浸漬後、乾燥することで形成された第2の導電性高分子化合物層を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 請求項1に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記第1の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  3. 請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記第2の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記陽極表面は、陽極金属表面のエッチング又は粉末成形によって拡面化され、前記誘電体層は、前記拡面化された陽極表面に電気化学手法によって形成された酸化皮膜を含むことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記弁作用金属は、Al,Ta,Nb、Tiの内のいずれか1つを含むことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  6. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記導電層は、前記導電性高分子化合物層上に形成されたグラファイト導電層と、グラファイト導電層上に形成された銀導電層とを備えていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  7. 請求項に記載の固体電解コンデンサにおいて、前記グラファイト導電層は、前記導電性高分子化合物層に対してグラファイトペースト又はグラファイト粉末含有懸濁液の塗布又は浸漬後、乾燥することで形成され、前記銀導電層は、前記グラファイト導電層に対して銀ペーストの塗布又は浸漬後、乾燥することで形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  8. 請求項1乃至の内のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサを用いた伝送線路素子であって、前記誘電体層を前記陽極体の中央部表面に形成し、前記誘電体層上に前記導電性高分子化合物層及び前記導電層と順次形成し、前記導電層を陰極とし、前記陽極体の中央部の両側を一対の陽極としたことを特徴とする伝送線路素子。
  9. 弁作用金属からなる陽極体表面を拡面化し、前記拡面化された陽極体表面に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層上に導電性高分子化合物層を形成する導電性高分子化合物層形成工程と、前記導電性高分子化合物層上に導電層を形成する導電層形成工程とを備えている固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記誘電体層は、拡面化された微細孔を備え、前記導電性高分子化合物層形成工程は、第1の導電性高分子化合物の水溶液を塗布後又は浸漬後乾燥して、前記誘電体層上に密接して第1の導電性高分子化合物層を形成する第1の導電性高分子化合物層形成段階を含むとともに、前記導電性高分子化合物層形成工程は、更に、前記第1の導電性高分子化合物層上に、前記第1の導電性高分子化合物層よりも厚く均一に形成できるように、前記第1の導電性高分子化合物の水溶液よりも高濃度で、且つ前記第1の導電性化合物よりも大きな分子サイズを有するように調整された第2の導電性高分子化合物の水溶液を、前記第1の導電性高分子化合物層に対して、塗布後又は浸漬後、乾燥して第2の導電性高分子化合物層を形成する第2の導電性高分子化合物層形成段階を含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法において、前記第1の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の固体電解コンデンサの製造方法において、前記第2の導電性高分子化合物層が、ピロール、アニリン、チオフェン、フランおよびそれらの誘導体の重合体の内の少なくとも一種からなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の固体電解コンデンサの製造方法を用いた伝送線路素子を製造する方法であって、前記誘電体層を前記陽極体の中央部表面に形成し、前記誘電体層上に前記導電性高分子化合物層及び前記導電層と順次形成し、前記導電層を陰極とし、前記陽極体の中央部の両側を一対の陽極とすることを特徴とする伝送線路素子の製造方法。
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