以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置を搭載した画像複写装置の内部構成を示す断面図である。
図1において、画像複写装置1は、電子写真方式であり、画像読取装置2、及びプリンタ3を備える。画像読取装置2は、原稿の画像を読み取り、画像情報を取得する。プリンタ3は、画像読取装置2により取得された画像情報に基づいて画像を転写材Pに形成する。
プリンタ3は、中間転写方式を採用しており、画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、及び不図示の制御部を備える。画像形成部10は、4つのステーション10a,10b,10c,10dを備える。ステーション10a,10b,10c,10dの構成は同一であるので、ここではステーション10aの構成について説明する。
ステーション10aは、感光ドラム11a、一次帯電器12a、露光部13a、現像装置14a、クリーニング装置15a、及び折り返しミラー16aを備える。像担持体としての感光ドラム11aは、その中心で軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11aの外周面に対向して、その回転方向に一次帯電器12a、露光部である光学系の露光部13a、折り返しミラー16a、現像装置14aが配置されている。
一次帯電器12aは、感光ドラム11aの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、露光部13aは、記録画像信号に応じて変調した、例えばレーザービームなどの光線を折り返しミラー16aを介して感光ドラム11a上に露光させることによって、そこに静電潜像を形成する。
更に、現像剤(以下、「トナー」という。)を収納した現像装置14aによって上記の静電潜像を顕像化する。なお、現像装置14a〜14dは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーをそれぞれ収納する。
現像装置14aによって顕像化された可視画像(現像像)は、中間転写体である後述する中間転写ベルト31の画像転写領域Taに転写される。
クリーニング装置15aは、感光ドラム11aが回転して画像転写領域Taを通過した下流で、中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11a上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上のプロセスにより、ステーション10a〜10dにより各トナーによる画像形成が順次行われる。
給紙ユニット20は、カセット21a,21b、手差しトレイ27、ピックアップローラ22a,22b,26、給紙ローラ対23、給紙ガイド24、及びレジストローラ25a,25bを備える。
カセット21a,21b、手差しトレイ27は、転写材Pを収納する。ピックアップローラ22a,22b,26は、カセット21a,21b、手差しトレイ27より転写材Pを一枚ずつ送り出す。給紙ローラ対23、及び給紙ガイド24は、ピックアップローラ22a,22b,26から送り出された転写材Pをレジストローラ25a,25bまで搬送する。レジストローラ25a,25bは、画像形成部10の画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出す。
中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、二次転写対向ローラ34、一次転写用帯電器35a〜35d、二次転写ローラ36、クリーニングブレード51、廃トナーボックス52、及びレジセンサ60を備える。
中間転写ベルト31は、巻架ローラとして、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33、ベルト31を挟んで二次転写領域Teに対向する二次転写対向ローラ34に巻架される。これらのうち駆動ローラ32と従動ローラ33との間に一次転写面Aが形成される。駆動ローラ32は、金属ローラの表面にゴム(ウレタンまたはクロロプレン)をコーティングしてベルト31とのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって矢印B方向へ回転駆動される。
一次転写面Aはステーション10a〜10dに対向し、各感光ドラム11a〜11dが中間転写ベルト31の一次転写面Aに対向するようにされている。したがって、一次転写面Aに一次転写領域Ta〜Tdが位置することになる。各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写用帯電器35a〜35dが配置されている。
二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。また、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には、中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングブレード51、及び廃トナーを収納する廃トナーボックス52が設けられている。
定着ユニット40は、ローラ対41、ガイド43、内排紙ローラ44、外排紙ローラ45、及び排紙トレイ48を備える。
ローラ対41は、内部にハロゲンヒーターなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、その定着ローラ41aに加圧される加圧ローラ41bとから成る。なお、この加圧ローラ41bの内部にも熱源を備えていてもよい。
ガイド43は、ローラ対41のニップ部へ転写材Pを導く。内排紙ローラ44及び外排紙ローラ45は、ローラ対41から排出されてきた転写材Pを装置外部に導き出す。不図示の制御部より画像形成動作開始信号が発せられると、選択された用紙サイズ等により選択された給紙段から転写材Pの給紙を開始する。
次に、画像複写装置1の動作に即して説明を加える。
不図示の制御部より画像形成動作開始信号が発せられると、まずピックアップローラ22aにより、カセット21aから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして給紙ローラ対23によって転写材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a、25bまで搬送される。その時レジストローラ25a、25bは停止されており、紙先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部10が画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25a、25bは回転を始める。レジストローラ25a、25bの回転は、転写材Pと、画像形成部10より中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが、二次転写領域Teにおいてちょうど一致するようにそのタイミングが設定されている。
一方、画像形成部10では、中間転写ベルト31の矢印Bの回転方向において一番上流にある感光ドラム11d上に形成されたトナー像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。各画像形成部10間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われ、前画像の上にレジストレーション(画像位置)を合わせて次のトナー像が転写される。他の色の一次転写領域Ta、Tbについても同様の工程が繰り返され、4色のトナー像が中間転写ベルト31上に一次転写される。
その後、転写材Pが二次転写領域Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に、高電圧を印加させる。そして、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー像が転写材Pの表面に一括転写される。その後、転写材Pは搬送ガイド43によって、定着ローラ対41のニップ部まで正確に誘導される。定着ローラ対41の熱及びニップの圧力によって、トナー画像が紙表面に定着される。転写材Pは、内外排紙ローラ44、45により搬送され、機外の排紙トレイ48に排出される。
この種の画像複写装置では、各感光ドラム11a〜11d間の機械的取り付け誤差、及び各露光部13a〜13dによって発生するレーザービーム光の光路長誤差が発生する。また、光路変化、LEDの環境温度による反り等の理由により各感光ドラム11a〜11d上で形成された各カラー画像のレジストレーションのずれ、つまり色ずれ(レジずれ)が発生する。これらの誤差やずれを補正するために、一次転写面A上のすべての画像形成部10の下流の位置で、駆動ローラ32にてベルト31が折り返される前の位置に、レジずれを検知するレジセンサ60が設けられている。
図2は、図1における画像読取装置2の概略構成を示す断面図である。
図2において、画像読取装置2は、読み取り部510、原稿台ガラス503、第2ミラー506、第3ミラー507、レンズ508、イメージセンサ509、シェーディング補正板511、部材512、及び圧板513を備える。読み取り部510は、原稿照明ランプ501及び第1ミラー505から構成される。
原稿台ガラス503上に置かれた原稿504の画像は、原稿照明ランプ501によって照明され、第1ミラー505、第2ミラー506、第3ミラー507、及びレンズ508を介してイメージセンサ509上に結像する。これにより、イメージセンサ509は、原稿504のラインイメージを読み取る。
原稿照明ランプ501及び第1ミラー505から構成される読み取り部510は、矢印C方向に移動し、順次ラインイメージを読み取る。その際、第2ミラー506及び第3ミラー507も矢印C方向に移動し、原稿面からイメージセンサ509までの距離(光路長)が一定となるように不図示の駆動系によって駆動される。
実際に上記の構成で原稿504の原稿画像が読み取られるシーケンスを説明する。
オペレータにより、原稿読み取りのコマンドが入力されると(具体的にはコピーボタンが押下されるなど)、画像読取装置2は、読み取り部510を図2の配置(これをホームポジションとする)から不図示の駆動系により、矢印D方向に移動させる。これにより、読み取り部510の読み取り位置をシェーディング補正板511の真下に配置する。
次に、画像読取装置2は、原稿照明ランプ501を点灯させ、シェーディング補正板511を照明する。シェーディング補正板511の反射光は、シェーディング補正板511のラインイメージを第1ミラー505、第2ミラー506、第3ミラー507、レンズ508を介してイメージセンサ509へ導かれる。
イメージセンサ509で読み取られたシェーディング補正板511のラインイメージの画素毎の出力信号は、不図示の画像処理回路によって、全ての画素の出力レベルが所定のレベルになるように補正される。この画像処理によって、原稿照明ランプ501の照度ムラ、レンズ508の周辺光量落ち、イメージセンサ509の画素毎の感度ムラが補正され、原稿画像の読み取りムラが補正される。シェーディング補正処理が終了すると、読み取り部510は、不図示の駆動系によりさらに矢印D方向に移動し、部材512の直下に配置される。
部材512の真下は原稿画像の読み取りスタート位置であり、この位置から不図示の駆動系は、矢印C方向に読み取り部510を加速移動させる。読み取り部510は、読み取り位置が圧板513に押さえ込まれて平面性を維持した原稿504の先端部に達するまでに、所定の速度に等速駆動されるように制御される。
読み取り部510の読み取り位置が原稿504の先端部に達すると、イメージセンサ509は原稿504のラインイメージを順次読み取り開始する。
不図示の駆動系は、読み取り部510を等速のまま矢印Cの方向に移動させ、原稿504の終端まで読み取りが終了した後、駆動を停止する。その後、駆動系は、矢印D方向に読み取り部510を移動させて図2に示したホームポジションに戻し、一連の画像読み取りを終了して、次回の読み取りに備え待機する。
以上で、画像読取装置2の基本的な画像読み取り動作についての説明を終了する。
ところで、原稿照明ランプ501は、48個の白色LEDを直線状に配置したLED基板で構成されている。次に、原稿照明ランプ501を構成するLED基板について説明する。
図3は、図2における原稿照明ランプ501が備えるLED基板の構成の一部を示す図である。
図3において、LED基板200は、LEDブロックを8個備える。図3には、LEDブロック101a,101bの二つのみを図示する。LEDブロックは、直列に接続された6個のLED201をそれぞれ備える。したがって、LED基板200は、48個のLED201を備える。
LEDブロック101a,101bは、切り替えスイッチ102a,102b,103a,103bを介して、駆動回路104a,104bにそれぞれ接続されている。
駆動回路104a,104bは定電流回路で構成されており、LED201の1個あたりの順方向電圧が3.3Vの場合は、3.3×6=19.8V以上の電圧をかけ、所望の電流をLEDブロック101a,101bに供給する。これにより、駆動回路104a,104bは、LEDブロック101a,101bに搭載したLED201を点灯させる。
LEDブロック101a、101bに接続される駆動回路104a、104bは、最大40mAの電流を駆動できるが、LEDブロック1個を駆動するために標準で20mAの定電流駆動が設定されている。また、LEDブロック毎の光量を微調整するための電流制御機能も有している。
図4は、図2の画像読取装置2の制御回路の一例を示す図である。
図4において、画像読取装置2は、LED基板200、制御回路基板701、LED駆動回路制御部707、イメージセンサ509、及びI/F回路708を備える。
制御回路基板701は、CPU702、ASIC703、ROM704、及びRAM705を備え、これらはシステムバス706を介して互いに接続されている。
ASIC703は、CPU702からの命令によりシェーディング補正等の画像処理や画像読取装置2の主要ユニットに対しての制御信号を送受信する大規模集積回路である。ROM704は、CPU702の制御プログラムを格納する。RAM705は、CPU702により計算領域として用いられる。
ASIC703には、LED駆動回路制御部707、イメージセンサ509、及びI/F回路708が接続されている。イメージセンサ509より送出される原稿画像のラインイメージは、ASIC703に入力される。
ASIC703は、I/F回路708に接続されている不図示のプリンタなどの外部機器と接続され、読み取った原稿画像を画像処理して外部機器に画像信号を送出する。
LED駆動回路制御部707には、図3に示した例えば切り替えスイッチ102a,103a、及び駆動回路104aを1セットとした回路が計8回路構成されている。構成されている切り替えスイッチはマイクロリレーのようなメカ的な切り替えスイッチでもよいし、スイッチングトランジスタ等で構成された半導体スイッチでもよい。
各駆動回路と各切り替えスイッチはCPU702からASIC703を介して制御を受ける構成となっている。LED駆動回路制御部707にはLED基板200が接続されている。LED基板200には前述したように、LED6個を1ブロックとした回路が8回路で構成されており、図3に示したような構成でLED基板200とLED駆動回路制御部707が接続されている。
LED基板200に実装されているLEDブロックが全て正常に点灯している場合は、切り替えスイッチ102a,102b,103a,103bは図3に示したポジションに切り替えスイッチが入っている。従って、1つの駆動回路に1つのLEDブロックが1対1に対応している。このとき、シェーディング補正処理時に個々のLEDブロックの光量ムラが確認できた場合は、CPU702はASIC703を介してLED駆動回路制御部707を制御し、各々の駆動回路に設定する駆動電流を微調整する。
ここで、駆動回路104bの故障により、LEDブロック101bが点灯しなくなった場合について説明する。この場合、LEDブロック101bは6個全てのLED201が点灯しなくなり、本来の画像読取装置としての機能を発揮できなくなる。
図5は、図3におけるLEDブロック101a,101bとシェーディング補正板511の読み取りレベルの相対関係を示す図であり、(a)は通常時を示し、(b)は駆動回路104bの故障時を示す。
図5(a)において、駆動電流を微調整した後では、シェーディング補正板511の読取レベル601は、LEDブロック101a,101bを含むLEDブロック群101による照明範囲で一様な読み取りレベルである。
図5(b)において、駆動回路104bの故障時は、一様な白色濃度を有するシェーディング補正板の読み取りレベル602が、LEDブロック101bに相対する個所において低い読み取りレベルになる。このように、画像読取装置2は、シェーディング補正処理を実行する過程で駆動回路104bの故障を検出する。駆動回路104bの故障が検出された場合、このまま読み取り動作を行っても正常な読み取り画像とならないので、CPU702は、読み取り動作を行わないようにイメージセンサ509を制御する。また、CPU702は、ASIC703を介して図6のようにLED駆動回路制御部707中の切り替えスイッチ102b、103bを切り替える。
図6は、図3における駆動回路104bの故障時のLED基板200の構成を示す図である。
図9において、スイッチ102b、103bの切り替えによって、LEDブロック101bは、正常に動作している駆動回路104aに接続される。駆動回路104aは、LEDブロック101a,101bを点灯駆動する。同時に、CPU702はASIC703を介してLED駆動回路制御部707中の駆動回路104aの駆動電流を40mAに調整する。
上記のような制御回路基板701の制御により、画像読取装置2が再度シェーディング補正を実施する際、シェーディング補正板1211の読み取りレベルはほぼ図5(a)のようになり、画像読取装置の読み取り機能を継続することができる。
このときもシェーディング補正時に、各々の駆動回路では各々のLEDブロックの発光光量に応じた駆動電流の微調整を行うが、LEDブロック101a,101bを個別に微調整することはできない。したがって、LEDブロック101a,101bの照明個所には若干の光量ムラが発生する場合がある。この光量ムラはシェーディング補正処理で補正はされるものの、正常動作時に比べて少々の画像が劣化する可能性はあるが、通常のテキスト原稿やイラストなどのコントラストが高い原稿では画像品位の差はほとんどないといえる。
一方、画像読み取り動作は続行できるものの、故障中という事実は変わらないので、画像読取装置2、接続されているプリンタ、または外部機器等を介して、故障中であることをユーザに認識させ、ユーザに対応を促すことが望ましい。例えば、ユーザに故障しているLED基板200の交換を促すメッセージを表示部等に表示するように制御してもよい。
ところで、駆動回路104a,104bは正常動作中、20mAの駆動能力でこと足りるが、本発明では故障時を考慮し、各々40mAの駆動能力を持たせている。このことは定電流駆動回路として一見オーバースペックのようでもあるが、高々40mA程度の定電流回路構成であるため、20mAの定電流駆動回路と40mAの駆動回路の回路規模差やコスト差はほとんどない。また、LED基板200全体としての消費電力は正常時と故障時で当然ながら等しく定電流駆動回路の電源設計にもほとんど影響を与えない。
また、第1の実施の形態で説明した回路構成では、ひとつの駆動回路で3回路以上のLEDブロックを点灯させることはできないが、半数のLEDブロックの故障までには対応できるので実用上大きな問題にはならない。また、ひとつの駆動回路の構成を小規模に構成できるので全体としてコストを抑えて構成することができる。
以上説明したように、図2の構成によって読み取られた原稿のラインイメージデータは順次プリンタ3に送出され、プリンタ3によって、読み取られた画像が形成される。
第1の実施の形態によれば、LEDブロック101bを正常に動作している駆動回路104aに接続するので、LEDブロックの駆動回路が故障した場合にも、正常な読み取り画像を得ることができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、LEDブロック1個を駆動する駆動回路が、標準20mAの仕様であることを前提とし、LEDブロック2個までを駆動できる最大40mAのスペックを有しているものとして説明した。
しかしながら、LEDを照明光源とする高速な画像読取装置ではさらに大きな光量を必要とし、LEDブロック2個までを駆動できる定電流の電流値が大きくなる場合も考えられる。この場合、駆動回路のコストが大幅にアップすることが考えられる。第2の実施の形態では、複数の駆動回路のうち1回路のみ大電流を駆動できる駆動回路に構成し、その他の駆動回路は小規模の駆動回路で構成する例について説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態におけるLED基板200の構成を示す図である。
図7において、LED基板200は、LEDブロック101a,101b,101cを含むLEDブロック群を備える。LEDブロック101a,101b,101cは、切り替えスイッチ102b,102c,103b,103cを介して、駆動回路104a,104b,104cにそれぞれ接続されている。
LEDブロック101bに接続される駆動回路104b、及びLEDブロック101cに接続される駆動回路104cは、LEDブロック1個を駆動するために標準で40mAの定駆動電流が設定されている。不図示の5回路についても同様である。
一番先頭の駆動回路104aは、8個のLEDブロックを駆動可能なように、最大320mAの駆動能力を有する定電流駆動回路である。
上記の構成において、駆動回路104bが故障した場合は、第1の実施の形態と同様に、制御回路基板701により、駆動回路104bが故障したことを検出する。制御回路基板701は、図8のように切り替えスイッチ102b,103bを切り替える。これによって、駆動回路104aは、LEDブロック101a及びLEDブロック101bに接続される。同時に、制御回路基板701は、駆動回路104の駆動電流を80mAに切り替える。
上記の制御によって、LEDブロック101bの点灯が可能になり、画像読取装置2の読み取り動作が実行できる。
ここで、さらに駆動回路104cも故障した場合は、第1の実施の形態と同様に、制御回路基板701により、駆動回路104cが故障したことを検出する。制御回路基板701は、図9のように切り替えスイッチ102b,103b,102c,103cを切り替える。これによって、駆動回路104aは、LEDブロック101a、LEDブロック101b、及びLEDブロック101cに接続される。同時に、制御回路基板701は、駆動回路104の駆動電流を120mAに切り替える。
上記の制御によって、LEDブロック101b,101cの点灯が可能になり、画像読取装置2の読み取り動作が実行できる。
第2の実施の形態によれば、照明光源の駆動回路に故障が発生しても、正常な読み取り画像を得ることができる。また、駆動回路104が故障しない限り、他の駆動回路がいくつ故障しても画像読み取り動作を継続することができる。
また、必要なスペックとコストの兼ね合いで第1の実施の形態または第2の実施の形態のいずれかの手法を選択することにより、スペックとコストに見合った回路を設計することができる。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態または第2の実施の形態で説明した手法は、故障時に画像読取装置の最大読み取り範囲を保証する一方、そのために画像品位を犠牲にする手法であった。
第3の実施の形態では、最大読み取り範囲をカバーできないものの、小サイズでも画像品位が保証できる縮退モードを備えた画像読取装置について説明する。
第3の実施の形態では、画像読取装置2は、第1または第2の実施の形態で説明したような切り替えスイッチを備えておらず、LEDブロックに駆動回路が単純に1対1に接続された回路を8回路備える。
図10は、本発明の第3の実施の形態における画像読取装置が送信するタイミング信号を説明する図であり、(a)は通常時を示し、(b)は駆動回路104bの故障時を示す。
図10(a)において、LEDブロック群101は、第1の実施の形態と同様に、6個の白色LEDを直列接続したブロック101a〜101cを含む8個のブロックで構成され、合計48個のLEDを有する。
8個のブロック全てが正常に発光している場合、シェーディング補正板511の読取レベル1101aは、LEDブロック群101による照明範囲で一様な読み取りレベルである。
また、画像読取装置2のCCDセンサ509には、タイミング信号φSH1102が入力されている。φSH1102は、CCDセンサ509のラインリセット信号であり、φSH1102のタイミングで1画素目から順次画像信号が出力する。
また、タイミング信号ITOP1103aは、プリンタに送出する画先信号である。プリンタでは、ITOP1103aのタイミングに従って、CCDセンサ509の画像信号の1画素目を認識する。よって、通常はφSH1102とITOP1103aは同期しており、かつ発生タイミングはほぼ同時である。プリンタでは1ライン分の画像範囲1104aと、そのうちの有効画像範囲1105aとが認識され、ライン状の有効画像範囲1104aを順次画像処理して1面の画像を形成する。
図10(b)において、LEDブロック101bが点灯しなくなった場合は、一様な白色濃度を有するシェーディング補正板の読み取りレベル1101bが、LEDブロック101bに相対する個所において低い読み取りレベルになる。第1の実施の形態と同様に、制御回路基板701によってLEDブロック101bの故障が検出される。
このとき、制御回路基板701は、CCDセンサ509がLEDブロック101cを認識するタイミングに合わせてタイミング信号ITOP1103bを発生する。同時に、LEDブロック101c以降のLEDブロックに対応する有効画像範囲1105bがプリンタに通知され、プリンタは通知された有効画像範囲1105bに従って各制御を最適化する。
図11は、本発明の第3の実施の形態における画像読取装置からプリンタに送出される画像を示す図であり、(a)は通常時を示し、(b)はタイミング信号変更後を示し、(c)はマスク処理実行後を示す。
図11(a)は、LEDブロック101が全て点灯している場合のプリンタが受信する画像であり、原稿画像が正常に再生されている様子を示している。
図11(b)は、LEDブロック101bが点灯しなくなり、前述の制御を行い、タイミング信号ITOPの出力タイミングを変更したときのプリンタ側の受信する画像である。有効画像範囲はLEDブロック101cが照明している原稿の領域から再生され、無効画像範囲の画像もプリンタに送出される。LEDブロック101a及び左隣のLEDブロックも点灯制御していればそれらのLEDブロックで照明した領域も画像としては成り立っている。消灯しているLEDブロック101bの領域は、黒画像となる。
画像読取装置からは、有効画像領域の通知が行われており、もちろん無効画像領域を画像再生しないようにプリンタ側で制御することは可能である。しかし、プリンタ側で選択されるコピー用紙のサイズや、プリンタによる拡大縮小などの画像処理が入るので、通知された有効画像領域の情報から実際に画像形成する画像データの情報処理には複雑な計算を要する。一方、画像読取装置側では、8ブロックに分割した1ラインの画像情報に対してどのブロックで照明した画像情報が有効なのかを判断するだけでよい。従って、画像読取装置2側で不要な画像情報をマスクすることが適切である。
図12は、本発明の第3の実施の形態における画像読取装置2のマスク回路の一例を示す図である。
図12において、画像読取装置2から最終的にシェーディング補正などの画所処理を施された8ビットのデジタル画像信号をVD0〜7とする。この画像信号VD0〜7に8段のANDゲート1301を介して、プリンタに送出するデジタル画像信号PVD0〜7を生成する。ANDゲート1301の入力端子の他方には、マスク信号MSKが接続され、制御回路基板701より、有効画像信号を送出する間は1を、無効画像信号を送出する間は0を入力するよう制御する。
図12に示したマスク回路の規模は、ANDゲート8個とレジスタ1個(不図示)程度であり、ASIC702に構成されているので、この程度の規模の回路を追加することはコストにもあまり影響しない。
図12に示した回路を制御したときの、プリンタ側が受信する画像を図11(c)に示す。
ここでは、8ビットのデジタル画像信号は、FFhを黒信号とし、00hを白信号として扱っている。8ビットのデジタル信号が、00hが黒信号、FFhが白信号の場合は、図12のANDゲートを全てORゲートに置き換える。さらに、有効画像信号を送出する間はマスク信号MSKに0を、無効画像信号を送出する間はマスク信号MSKに1を入力するように制御すればよい。
図11(c)において、プリンタ側では、無効画像範囲は再生されず、有効画像範囲のみが再生されている。
ところで、本実施の形態では、画像読み取り範囲が縮小されるので、画像読み取りを実施するユーザに原稿を載置する原稿基準位置を通知することが必要になる。
図13は、本発明の第3の実施の形態における原稿台ガラス503を上部からみた図である。
図13において、原稿台ガラス503は、主走査指標401、副走査指標402、及び基準マーク403を備える。ユーザは、指標にマークされた原稿サイズ及び原稿の角を基準マーク403に着き当てて原稿504を原稿台ガラス503上に載置する。図13では、A4サイズの原稿504をA4の指標に従って原稿載置されている様子を示している。
ここで、LEDブロック群101のうちLEDブロック101bが点灯しなくなった場合について図14を用いて説明する。
図14は、図13における主走査指標を示す図である。
図14において、主走査指標401は、ある程度の光を透過する部材で製造されているものとする。ユーザが原稿画像の読み取りを開始する場合、画像読取装置2の制御回路基板701は、図14に示すように読み取り部を主走査指標401の真下に配置するように制御する。
制御回路基板701は、LEDブロック101c及びLEDブロック101cより下側のLEDを点灯させるよう制御する。図14ではハッチングがかかっていない破線の領域が主走査指標401を透かして発光していることを示している。LEDブロック101a及びその上側のLEDブロックは点灯可能であるが、ここでは消灯するように制御される。
ユーザは、主走査指標401を透かして発光している主走査領域1501の範囲に収まる原稿であれば、その範囲に原稿を載置して原稿読み取り動作が可能であることを認識できる。ここでは、例えば5秒間LEDブロックを発光させ、その間にユーザが原稿を載置し直し、再び読み取り動作開始を入力した操作(例えばコピーボタンを押下する)を実施することにより、画像読み取りを実施する。5秒間の間に読み取り動作開始の再入力がなければ、画像読取装置2はLEDブロックを消灯させ、原稿の読み取り動作を中断するように制御する。
また、第1の実施の形態と同様、故障中という事実は変わらないので、画像読取装置2、接続されているプリンタ、または外部機器等を介して、故障中であることをユーザに認識させ、ユーザに対応を促すことが望ましい。
第3の実施の形態によれば、照明光源の駆動回路に故障が発生しても、正常な読み取り画像を得ることができる。小サイズでも画像品位を低下させることなく読み取り画像を得ることができる。