JP4984562B2 - 金属ストリップ表面へのTiN成膜方法およびTiN連続成膜装置 - Google Patents

金属ストリップ表面へのTiN成膜方法およびTiN連続成膜装置 Download PDF

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本発明は、CVD(化学気相析出)法を用いた、連続ラインでの、金属ストリップ表面へのTiN成膜方法およびTiN連続成膜装置に関し、特に従来数%程度と極めて低かった原料ガス利用効率の有利な向上を図ろうとするものである。
硬度が高く耐摩耗性に優れた窒化チタン(TiN)は、従来からプレス金型や刃物等の工具鋼の寿命を改善するための表面被覆材として広く利用されてきた。このTiNは、極めて融点の高い窒化物系セラミックスであるため、通常は物理蒸着法(PVD法)または化学気相析出法(CVD法)のような気相合成を利用して工具鋼表面に被覆される。
これらの方法では、一般的に高温または真空状態に保持した反応炉内に工具鋼をセットし、四塩化チタンや窒素などの原料ガスを一定時間供給することによって、工具鋼表面にTiNが被覆される。
さらに、近年では、連続ラインで金属ストリップの表面をTiNで被覆する試みもなされている。
例えば特許文献1によれば、方向性電磁鋼板の磁気特性向上のために、絶縁被膜としてDLC(ダイヤモンドライクカーボン)を被覆する際、密着性改善の予備処理としてTiNを鋼板表面に被覆する例が開示されている。
また、連続ラインの高温に保持された反応帯において、方向性電磁鋼板にTiNを被覆して室温まで冷却する際、TiN膜との熱収縮差により鋼板に生じる張力を利用して磁気特性を改善しようとする試みもなされており、例えば特許文献2では、CVD連続ラインでガスノズルから原料ガス(四塩化チタン)を供給することによってTiNを被覆する方法が、また特許文献3では、ノズル供給するガスと雰囲気供給するガス中の原料ガス(四塩化チタン)の濃度を適正化することにより、比較的高速で密着性の良いTiN膜を被覆する方法が開示されている。
特表2005−500435号公報 特開2005−256075号公報 特開2005−264213号公報
PVD法やCVD法でセラミックス被膜を合成する方法は、工具鋼や半導体の分野で広く利用されている。しかしながら、これらの手法は、小片サンプルを密閉式の反応容器に装入して一定時間処理した後に取り出す形式であり、数千メートルにも及ぶ金属ストリップの表面に短時間でセラミックス被膜を合成する手法としては不適である。
例えば、特許文献1には、連続ラインでDLCおよびTiN被覆を行うための装置が図例されている。しかしながら、PVD法は、高真空が必要とされる成膜方法であるにもかかわらず、この点に関して連続ラインに適用するための具体的な対策は何ら示されておらず、またCVD法については、具体的なガス条件およびガス供給方法等について何ら開示されていない。
この点、特許文献2,3には、連続ラインにTiN法を適用するための具体的な手法が記されている。しかしながら、このような構成の装置で金属ストリップ表面にTiNを被覆したとしても、被覆に費やされるTiの割合は、供給した原料ガス(四塩化チタン)のうち高々10%程度であり、残りのTiは金属ストリップ表面以外の場所に付着したり、窒素と結合してTiNを生成することなく反応帯から外に排出されてしまう。
このように、原料ガスの利用効率は極めて低く、製造コストの増加を招いていた。また、排出された未反応ガスは、排ガス処理設備のアルカリ液で中和されるが、供給したガスのほとんどが未反応のまま排出されるため、排ガス処理に大きな負担がかかる。さらに、反応帯から排ガス処理設備に至るまでの配管中で未反応ガスが冷却されて凝結することにより、排気系のトラブルを生じる可能性がある。このようなトラブルを生じた場合、TiNの連続成膜は中断せざるを得ず、生産効率は著しく低下してしまう。
従って、原料ガスの利用効率を向上させることは、連続ラインで工業的に金属ストリップ表面へTiN膜を被覆するために不可欠である。
本発明は、上記の要望に応えるべく、様々なガス供給方法について鋭意検討を重ねた結果開発されたもので、金属ストリップ表面へのTiN膜の被覆に際し、従来に比べて原料ガスの利用効率を格段に向上させた金属ストリップ表面へのTiN成膜方法を提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するに際し、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置し、これら複数個のガスノズルのうち、前段からチタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させ、一方後段からはチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN成膜方法。
(2)金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するに際し、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置し、これら複数個のガスノズルのうち、チタン塩化物を含有するガスを吹き付ける1個のガスノズルとそれに続くチタン塩化物を含有しないガスを吹き付ける1個または複数個のガスノズルを1セットとして、このセットを金属ストリップの進行方向に沿って複数セット設置し、上記チタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させるとともに、上記チタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN成膜方法。
(3)前記チタン塩化物を含有しないガスが、窒素ガス、水素ガスまたはその他TiN成膜反応を妨げないガスのうちから選んだ1種または2種以上であることを特徴とする上記(1)または(2)記載のTiN成膜方法。
(4)前記チタン塩化物を含有しないガスの吹き付け速度が0.5〜50 m/sであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のTiN成膜方法。
(5)金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するTiN連続成膜装置であって、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置するものとし、これら複数個のガスノズルのうち、前段はチタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させるガスノズルとし、一方後段はチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けるガスノズルとすることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN連続成膜装置。
(6)金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するTiN連続成膜装置であって、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置するものとし、これら複数個のガスノズルのうち、チタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させる1個のガスノズルとそれに続くチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付ける1個または複数個のガスノズルを1セットとして、このセットを金属ストリップの進行方向に沿って複数セット設置することを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN連続成膜装置。
本発明により、これまでTiNを成膜する際、原料ガスであるチタン塩化物について、特に数%程度に止まっていた四塩化チタン(TiCl4)の利用効率が著しく向上し、かつ成膜速度を高めることもできる。その結果、連続ラインでのTiN成膜コストを格段に低減することができ、また排ガス処理の負荷も軽減されるため製造安定性も大幅に向上する。
以下、原料ガスのチタン塩化物として、四塩化チタンを用いた例により、本発明を具体的に説明する。
四塩化チタンと水素と窒素を用いてCVD法でTiN膜を合成する際、原料ガス供給口のごく近傍においては比較的高い成膜速度が得られるが、そこから離れるにつれて成膜速度は低下する。これは、文献「伊藤他、金属表面技術 54 (1984) vol.135, No.12」に記載されているように、TiNの生成と共に発生するHClがTiN成膜を阻害する作用を有するためと考えられる。
通常、被処理材にTiN膜を被覆する場合、原料ガス供給口付近で生じる急激な被膜形成を避けるため、ガス供給から離れた位置に被処理材をセットする。この場合、膜の均一性に優れる反面、成膜速度は高々0.1μm/min程度と極めて低いため、処理に長時間を必要とする。また、原料ガスであるTiCl4の利用効率も多くの場合1%未満と極めて低い。
一方、金属ストリップのような数千mにも及ぶ板を通板させながら連続的にTiN膜を被覆する場合は、数分間で1μm程度のTiN膜を成膜する必要があり、そのためにはガス供給口付近の成膜速度の高い領域を利用することが望ましい(図1(a)参照のこと)。
しかしながら、原料ガス供給口から排ガス出口までの比較的広範な領域で成膜速度の平均値をとると、その値は極めて低くなってしまう。また、原料ガス利用率も高々数%程度にすぎない。
また、図1(b)に示すように、原料ガスをノズルで吹き付けるようにした場合には、ノズル直下で成膜速度が飛躍的に上昇する。
しかしながら、その吹き付け位置から離れるに従い、反応副生成物であるHClの影響で TiNの成膜速度は急速に低下してしまう。また、原料ガス吹き付けノズルを金属ストリップの進行方向に複数個並べて成膜した場合、成膜速度は若干上昇するが、末反応のTiCl4が残留している状態で次々に後段ノズルから新たなTiCl4を追加供給することになるため、反応炉内のTiCl4濃度が必要以上に高まり、原料ガス利用効率は著しく悪化してしまう。さらに、TiCl4は腐食性の強いガスであるため、その供給配管およびノズルを複数設置するには多額の設備コストが必要となる。
そこで、発明者らは、TiNの成膜速度を高め、さらにTiCl4等のチタン塩化物の利用効率を向上させる適切なガス供給方法について、鋭意検討を重ねた。
その結果、チタン塩化物の利用効率を高めるためには、図1(c)に示すように、金属ストリップの進行方向に複数個並べたノズルのうち、前段のノズル(この例で最初のノズル)でチタン塩化物含有ガスを鋼板に吹き付け、後段のノズル(この例で2,3番目のノズル)ではチタン塩化物を含有しないガスを吹き付けることにより、未反応のチタン塩化物を効率よくTiNへ反応させ得ることを突き止め、本発明を完成させるに至ったのである。
図2に、後段ノズルでArガスを吹き付けた場合の鋼板各位置におけるTiN膜厚の分布を示す。同図に示したとおり、TiN膜厚はArガスを吹き付けた位置で増加していることが分かる。
本来、TiCl4を吹き付けた最初のノズル位置からガスの下流側に行くに従い、図2中に点線で示したようにTiN膜厚は減少していくため、TiNとして利用されるTiは供給したTiCl4の数%と極めて低い値に止まっていた。ところが、ガスの下流側で反応に寄与しないはずのArガスを吹き付けることによって、未反応で残っていたTiCl4を再びTiNに反応させることが可能であることが確認された。
これは、TiCl4等のチタン塩化物の利用効率を大幅に向上させる重要な知見である。
また、後段ノズルから吹き付けるガスの種類を水素ガスや窒素ガスとした場合も、Arガスの場合と同様、吹き付けた位置の近傍で膜厚の増加が確認された。
この方法によれば、下流側のノズルから吹き付けるガスが、チタン塩化物ではなく、水素ガスや窒素ガス、さらにはArガスといった金属ストリップの焼鈍ラインで通常用いられているガス種で良いため、特殊なガス供給配管やノズルを必要とせずに、最初に供給したチタン塩化物の利用効率を効果的に高めることができる。
なお、チタン塩化物は、それ単独で供給しても、また窒素ガスや水素ガスをキャリアーガスとして供給しても、さらには雰囲気ガスと混合して供給しても良い。すなわち、チタン塩化物を含有するガスとして供給すれば良い。このときのチタン塩化物の濃度は3%以上程度とすることが好ましい。ここに、チタン塩化物としては、前述の四塩化チタンの他、三塩化チタン、二塩化チタン等が利用できる。
また、後段ノズル吹き付けに用いるガス種は、チタン塩化物を含有しないガス、具体的には、実質的にTiN生成反応を阻害しないガスであればいずれもが使用可能であり、具体的には窒素ガス、水素ガス、Arガス、その他ヘリウムガス等が挙げられる。
しかしながら、成膜速度や原料ガス利用効率等を勘案すると、単独では窒素ガス、2種以上のガスの組合せでは(窒素+水素)ガスを用いることがとりわけ有利である。
後段ノズルからチタン塩化物を含有しないガスを吹き付けることによって、原料ガスであるチタン塩化物の利用効率が上昇する原理については、まだ明確に解明されたわけではないが、通常はTiN成膜反応によって発生したHClが鋼板表面に滞留してガス下流側の成膜を著しく阻害していたものが、後段ノズルから窒素ガスや水素ガス、Arガスなどを鋼板表面に向けて吹き付けることによりHClが飛ばされ、その結果TiN生成の阻害要因が取り除かれて、成膜速度が向上したものと考えられる。とくにTiNの構成元素を含む窒素ガス、または窒素ガスをチタン塩化物の還元を促進させる水素ガスと混合して吹き付けた場合に、より顕著な成膜反応が生じたものと考えられる。従って、後段から吹き付けるガスには水素ガスを含ませることがとりわけ好適である。
本発明において、後段ノズルからのガス吹き付けを活用するに当たり、その吹き付け速度も重要な因子である。すなわち、後段ノズルのガス吹き付け速度が0.5 m/sに満たないと明確な薄膜増加が認められず、一方50 m/sを超えると鋼板近傍のチタン塩化物濃度が極端に低下するため、TiN薄厚は薄くなってしまう。従って、原料ガスの利用効率向上のためには吹き付け速度は0.5〜50 m/s程度とすることが好ましい。
また、本発明に従うTiN連続成膜装置の好適例を図3に示す。なお、この例では、チタン塩化物を含有するガスを吹き付ける前段ノズルおよび利用効率改善のためにチタン塩化物を含有しないガスを吹き付ける後段ノズルをそれぞれ1個配置した場合について示したが、本発明はこれだけに限るものではなく、前段ノズル1個に対して、後段ノズルを1〜5個程度配置することができる。
さらに、本発明では、図4に示すように、チタン塩化物吹き付けノズルとその後に続く利用効率改善のための吹き付けノズルを1セットとして、これを炉内ガス流れ方向に複数セット設置するようにしても良い。
この場合も、1セット中のチタン塩化物吹き付けノズルの設置台数1個に対して、利用効率改善のための吹き付けノズルの設置台数を1〜5個程度とするのが好適である。
実施例1
図3に示す構成になる反応炉に、炉内ガスの流れ方向に沿って長尺の鋼板をセットし、炉温:1100℃で上流側の前段ノズルから水素ガスをキャリアガスとしてTiCl4を吹き付けて成膜を行った。この成膜の際、ガス下流側の後段ノズルでは、ガスを供給しない場合と窒素ガスを9m/sで吹き付けた場合で比較を行った。ここで、TiCl4は雰囲気ガス組成の約1.0%となるように供給した。2分間の成膜後、試料を取り出し、炉内各位置におけるTiN膜厚の分布について調査した。
得られた結果を図5に示す。
同図から明らかなように、後段ノズルからのガス吹き付けがない場合は、TiCl4を供給する前段ノズルから下流側にかけて膜厚は単調に減少した。
これに対し、後段ガスノズルから窒素ガスを吹き付けた場合は、後段ノズル直下で膜厚の大幅な増加が認められた。
反応ガス入口から出口までの成膜区間で平均をとると、後段ノズルからのガス吹き付けがない場合は、成膜速度:0.31μm/minでTiCl4利用効率:12%であったのに対し、窒素ガスを吹き付けた場合には、成膜速度:0.57μm/minでTiCl4利用効率:20.3%と明確な改善効果が認められた。
実施例2
図3に示す構成になる反応炉に、炉内ガスの流れ方向に沿って長尺の鋼板をセットし、炉温:1100℃で上流側の前段ノズルから水素または窒素ガスをキャリアガスとしてTiCl4を吹き付け、またガス下流側の後段ノズルでは、ガスを供給しない場合と窒素ガス、水素ガス、Arガスの単独またはこれら2種の混合ガスを種々の速度で吹き付ける条件で成膜を行った。雰囲気全体の平均濃度は、TiCl4:1.0%、水素ガス:49%、Nガス:50%でほぼ一定とした。
また、図4に示す構成になる反応炉に、炉内ガスの流れ方向に沿って長尺の鋼板をセットし、炉温:1100℃で1セット中の前段ノズルから水素または窒素ガスをキャリアガスとしてTiCl4を吹き付け、また1セット中の後段ノズルからは窒素ガス、水素ガス、Arガスの単独またはこれら2種の混合ガスを種々の速度で吹き付ける条件で成膜を行った。雰囲気全体の平均濃度は、図3の場合と同様、TiCl4:1.0%、水素ガス:49%、Nガス:50%のほぼ一定とした。
各条件毎、鋼板試料の長手方向TiN膜厚分布を測定し、膜厚平均値から反応区間内の平均成膜速度を求めた。また、同様にTiN膜厚データからTiCl4の利用効率を算出した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0004984562
同表に示したとおり、図3の反応炉および図4の反応炉のいずれを用いた場合でも、後段ノズルのガス吹き付けに用いるガス種としては、窒素ガスが有効で、とくに窒素ガスと水素ガスを混合して吹き付けた場合に、効果が最も大きかった。また、吹き付け速度に関しては、0.5〜50 m/sの範囲にある場合に良好な結果が得られた。
ガスの供給方法を変化させた場合における成膜状況の変化を示した図である。 後段ノズルでArガスを吹き付けた場合の鋼板各位置におけるTiN膜厚の分布状態を示した図である。 本発明に従うTiN連続成膜装置の好適例を示した図である。 本発明に従うTiN連続成膜装置の別例を示した図である。 後段ノズルでガスを供給しない場合とN2ガスを吹き付けた場合の鋼板各位置におけるTiN膜厚の分布状態を比較して示した図である。

Claims (6)

  1. 金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するに際し、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置し、これら複数個のガスノズルのうち、前段からチタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させ、一方後段からはチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN成膜方法。
  2. 金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するに際し、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置し、これら複数個のガスノズルのうち、チタン塩化物を含有するガスを吹き付ける1個のガスノズルとそれに続くチタン塩化物を含有しないガスを吹き付ける1個または複数個のガスノズルを1セットとして、このセットを金属ストリップの進行方向に沿って複数セット設置し、上記チタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させるとともに、上記チタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN成膜方法。
  3. 前記チタン塩化物を含有しないガスが、窒素ガス、水素ガスまたはその他TiN成膜反応を妨げないガスのうちから選んだ1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載のTiN成膜方法。
  4. 前記チタン塩化物を含有しないガスの吹き付け速度が0.5〜50 m/sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のTiN成膜方法。
  5. 金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するTiN連続成膜装置であって、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置するものとし、これら複数個のガスノズルのうち、前段はチタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させるガスノズルとし、一方後段はチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付けるガスノズルとすることを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN連続成膜装置。
  6. 金属ストリップの連続処理ラインにおいて、反応炉内にチタン塩化物を含む反応性のガスを供給して金属ストリップの表面にTiN膜を連続的に成膜するTiN連続成膜装置であって、該反応炉内に、金属ストリップの進行方向に沿って複数個のガスノズルを配置するものとし、これら複数個のガスノズルのうち、チタン塩化物を含有するガスを金属ストリップの表面に吹き付けて、その吹き付け位置にTiNを生成させる1個のガスノズルとそれに続くチタン塩化物を含有しないガスを金属ストリップの表面に吹き付ける1個または複数個のガスノズルを1セットとして、このセットを金属ストリップの進行方向に沿って複数セット設置することを特徴とする、金属ストリップ表面へのTiN連続成膜装置。
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