JP4984295B2 - 電気抵抗溶接用電極 - Google Patents

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Description

この発明は、電気抵抗溶接用電極に関している。
電極ユニットの中心部に進退動作をする動作軸が貫通し、この動作軸の先端部を電極ユニットから突出させてガイドピンとし、このガイドピンで部品の位置決めをする形式の電気抵抗溶接用電極が知られている。また、電極内部の絶縁材料に冷却流体の冷却通路を設けることも知られている。
特許第3838565号公報 国際公開第2004/009280号パンフレット
上記特許文献1に記載されている電極は、電極本体を構成する外筒の内部に、部品位置決め用のガイドピンや冷却水通路が設置され、外筒の下部にガイドピンを進退させるエアシリンダが結合されている。そして、冷却水通路への冷却水入口と出口が前記エアシリンダの近傍に配置され、冷却水は電極の軸方向に長い水路を通過するようになっている。このような構造であると、外筒の内部にガイドピンや冷却水通路が混在した状態になっているので、例えば、冷却水のシールを交換する場合においては、外筒をエアシリンダから外して内部の構造物を全て分解しなければならず、保守整備が非常に行いにくいこととなる。つまり、電極ユニットの冷却部位と、電極全体を支持し溶接電流の導通を図る支持筒と、ガイドピンを進退させる進退駆動手段とが区分された構造でないために、上述のような問題が発生する。
上記特許文献2には、外筒の内部に挿入されている絶縁材料製のガイド筒に冷却水通路を設けることが開示されているが、上述のような電極ユニットの冷却部位と、電極全体を支持し溶接電流の導通を図る支持筒と、ガイドピンを進退させる進退駆動手段との区分構造をどのようにするかについての記載がない。また、ガイドピン進退用の動作軸を円滑に動作させることに関する配慮がなされていない。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、ガイドピンの動作軸を円滑に進退させ、電極の製造や分解整備を行いやすくすることのできる電気抵抗溶接用電極およびその冷却方法の提供を目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、電気抵抗溶接用電極についての発明であり、電極ユニットの中心部に進退動作をする動作軸が貫通し、この動作軸の先端部が電極ユニットから突出した状態で部品の位置決めをするガイドピンとされている形式のものにおいて、前記電極ユニットは、少なくとも導通性のある金属材料製で端部に端蓋を有する断面円形のケース本体と、このケース本体の内部に配置されているとともに前記動作軸が貫通している貫通孔を有する円筒状の断熱部材によって構成されており、この断熱部材を冷却する冷却流体の冷却通路がケース本体の円周方向に周回した状態で設けられ、導通性のある金属材料で作られ静止部材に取り付けられている支持筒と、この支持筒の一端に結合されている前記電極ユニットと、支持筒の他端に絶縁部材を介して結合され前記動作軸を進退させる進退駆動手段が独立したものとされ、
前記端蓋は前記ケース本体の上端にねじ部を介して結合され、前記支持筒の一端に対する前記電極ユニットの結合がねじ部を介して行われていることにより前記電極ユニットが独立した状態で前記支持筒に対して着脱できるように構成され、前記支持筒の他端に配置されている前記絶縁部材がねじ部を介して前記支持筒と前記進退駆動手段に結合されていることにより前記進退駆動手段が独立した状態で前記支持筒に対して着脱できるように構成され、前記断熱部材と前記動作軸との間に空隙が設けられ、前記断熱部材は合成樹脂材料で構成されていることを特徴とするものである。
発明の効果
前記円筒状の断熱部材を動作軸が貫通し、この動作軸の外周面と断熱部材の貫通孔の内周面との間に所定の空隙が付与され、動作軸が断熱部材内を進退する。前記空隙は、動作軸の外周面が貫通孔の内周面に対して摺動するような微小な空隙とされる場合がある。あるいは、動作軸の外周面と貫通孔の内周面との間に侵入した不純物を収容したり通過させたりして、動作軸の進退抵抗の増大を回避するような空間とされる場合がある。
例えば、プロジェクションナットが鋼板部品に溶接される場合であると、溶着部の熱が前記端蓋からケース本体を経て断熱部材に伝わったり、端蓋から動作軸を経て断熱部材に伝わったりする。そこで、前記断熱部材の冷却がなされていなかったり不十分であったりすると、断熱部材が過度に膨張して貫通孔の内径が縮小する。このような縮小によって、前述の微小な空隙が著しく狭くなって空隙ゼロのような状態になる。このような状態になると、動作軸と貫通孔との間の摩擦抵抗が異常に大きくなり、円滑な動作軸の進退が不可能となる。
本発明においては、断熱部材を冷却する冷却流体の冷却通路がケース本体の円周方向に周回した状態で設けられているので、断熱部材に伝わってきた溶接熱を効果的に奪うことができる。したがって、前述の貫通孔の内径の異常な縮小を回避することができ、動作軸と貫通孔との間の摩擦抵抗の異常増大を防止して、動作軸の円滑な進退動作が確保できる。
また、スパッタや金属片等の不純物を収容したり通過させたりする前述のような場合においても、貫通孔の内径の異常な縮小を回避することにより、空隙の異常縮小を防止して、動作軸と貫通孔との間に不純物が噛み込むことがなく、動作軸の円滑な進退動作が確保できる。
通性のある金属材料で作られ静止部材に取り付けられている支持筒と、この支持筒の一端に結合されている前記電極ユニットと、支持筒の他端に絶縁部材を介して結合され前記動作軸を進退させる進退駆動手段が独立したものとされている。
このように支持筒と電極ユニットと進退駆動手段が独立したものとされているので、電極の製作においては支持筒と電極ユニットと進退駆動手段の3部分を別々に作り、それらを単純に結合して組み立てるだけであるから、製作が簡単になる。さらに、例えば、冷却流体の漏れを修理するときには、電極ユニットだけを外して分解すればよく、また、進退駆動手段であるエアシリンダの空気漏れを修理するときには、エアシリンダだけを外して分解すればよい。したがって、分解作業が簡素化されて作業効率の向上に効果的である。一方、進退駆動手段は絶縁部材を介して支持筒に結合されているので、動作軸に流れた異常な溶接電流が進退駆動手段から支持筒を経て静止部材へ通電されることが確実に防止できる。また、ガイドピン近傍の熱源に近い箇所に冷却手段を配置することができるので、この冷却手段において確実に断熱を図り、支持筒や進退駆動手段への熱流を遮断できる。
記冷却通路は、前記断熱部材とケース本体との間に形成されている。
前記断熱部材とケース本体との間において溶接熱を奪うものであるから、熱源の近くで確実な断熱が図られ、支持筒や進退駆動手段への熱的影響を最小化することができる。
記冷却通路は、前記断熱部材の外周部に形成されている。
前記冷却通路を断熱部材の外周部に形成することにより、断熱部材の部位において確実な断熱が図られ、支持筒や進退駆動手段への熱的影響を最小化することができる。そして、断熱部材の外周部に冷却通路が形成されることにより、この冷却通路の箇所における断熱部材の肉厚が薄くなるのでこの部分の熱膨張量が少なくなり、熱膨張による前記貫通孔の内径縮小を大幅に低減させることができる。
記断熱部材と動作軸との間に空隙が設けられている。
この空隙を所定値に設定することにより、スパッタや鉄くずのような不純物が空隙に侵入してきても、それを収容したり通過させたりすることができ、動作軸と貫通孔との間に不純物が噛み込むことがなく、動作軸の円滑な進退動作が確保できる。
記断熱部材に動作軸が摺動する状態で貫通させてある。
貫通孔の内面に動作軸の外周面が摺動するような状態であっても、貫通孔の内径の異常な縮小を回避することができるので、動作軸と貫通孔との間の摩擦抵抗の異常増大を防止して、動作軸の円滑な進退動作が確保できる。
記冷却通路は、電極ユニットの軸線方向で見て断熱部材に動作軸が貫通している箇所にほぼ対応させた状態で配置してある。
このように動作軸が断熱部材を貫通している部分の大半が冷却通路で冷却されるので、電極軸線方向の冷却範囲を大きく設定することができて、冷却効果が向上する。
記断熱部材は、絶縁性のある非金属材料で作られている。
このように絶縁性のある非金属材料で断熱部材が作られているので、動作軸が貫通孔内面を摺動する場合であっても、動作軸へ流れた異常な電流がケース本体の方へ短絡することが防止できる。また、このような材料であると熱膨張量が大きいので、冷却が不十分であれば貫通孔の内径の縮小が大きくなり、動作軸の円滑な進退動作に悪影響を及ぼすことになる。しかし、前述のような冷却がなされるので、このような材料であっても支障なく機能させることができる。
つぎに、本発明の電気抵抗溶接用電極を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、実施例1を示す。
図1(A)は電気抵抗溶接用電極全体の断面図、同図(B)は同図(A)のB−B断面図、同図(C)は同図(A)のC−C断面図である。電気抵抗溶接用電極全体は符号100で示されている。以下、電気抵抗溶接用電極を単に電極と表現する場合もある。
電極100の全体的構成を説明する。
電極100は、ほぼ鉛直方向に配置されている。クロム銅のような導通性のある金属材料で作られ支持筒1は断面が円形で、支持筒1と同様な材料で作られた支持部材2を介して静止部材3に結合されている。この静止部材3は、溶接機の支柱のような部材である。支持部材2には支持筒1が貫通している支持孔4が設けられ、この支持孔4において支持筒1を締め付けて支持筒1の固定をするようになっている。
支持筒1の上端部にねじ部5を介して電極ユニット6が結合してある。この電極ユニット6に鋼板部品7が載置され、そこにプロジェクションナット8が溶接される。ここでは電極ユニット6が固定電極とされ、それに対向する可動電極9が設けられている。なお、可動電極9を進退させる構造の図示は省略してある。
一方、支持筒1の下端部には、絶縁部材10を介して進退駆動手段であるエアシリンダ12が結合してある。絶縁部材10は、ポリアミド樹脂やポリプロピレン樹脂等の合成樹脂で作られ、円筒状とされている。絶縁部材10の上側のねじ部13を介して支持筒1の下部と結合され、絶縁部材10の下側のねじ部14を介してエアシリンダ12と結合されている。電極100内を貫通している動作軸15にエアシリンダ12のピストンロッド16が結合され、エアシリンダ12の進退出力で動作軸15が進退するようになっている。
つぎに、電極ユニットについて説明する。
電極ユニット6は、クロム銅のような導通性のある金属材料で作られた断面円形のケース本体17内に、円筒状の断熱部材18が挿入されている。ケース本体17の上端には、ねじ部19を介して端蓋20が結合してあり、この端蓋20の上に鋼板部品7が載置される。ケース本体17の下端には、ねじ部21を介して端部材22が結合してある。断熱部材18の中心部に貫通孔23があけられ、ここを動作軸15が貫通している。
断熱部材18の外周部に円周方向に周回させた状態で冷却通路25が設けてある。ここでの冷却流体は水であり、冷却通路25に連通する入口管26と出口管27がほぼ向かい合った位置関係で設けられている。冷却水のシールをするために、断熱部材18の上下にOリング28が配置してある。冷却通路25は、電極ユニット6の軸線方向で見て断熱部材18に動作軸15が貫通している箇所にほぼ対応させた状態で配置してある。つまり、冷却通路25の軸線方向の幅は断熱部材18の長さにできるだけ近い寸法とされている。
動作軸15が電極ユニット6を貫通している部分の上側は、ねじ部29を介してガイドピン30が接合してあり、ガイドピン30だけを交換できるようにしてある。このガイドピン30が電極ユニット6から突出していて鋼板部品7の下孔31やプロジェクションナット8のねじ孔32を貫通して部品の位置決めを行っている。
端蓋20にあけられた通孔33の内径はガイドピン30の外径よりも大きく設定してあり、ガイドピン30が通孔33の内面に接触しないようになっている。そのために、絶縁材料で作られたガイド筒34が通孔33にはめ込まれ、ガイドピン30が摺動自在な状態でガイド筒34を貫通している。通孔33の内径は6mm、ガイドピン30の外径は5mmであり、これによって形成された環状の空隙は0.5mmである。
また、貫通孔23の内径は6mm、この部分を貫通している動作軸15の外径は5mmであり、これによって形成された環状の空隙35は0.5mmである。ガイド筒34を通過した微細なスパッタや金属片は、この空隙35を通過して支持筒1内へ排出される。
断熱部材18を構成する材料としては、加工性の良好な合成樹脂が用いられている。例えば、ポリアミド樹脂やポリプロピレン樹脂等が用いられる。他方、断熱部材18をアルミニウムや銅合金のような熱伝導性の良好な材料で作ることもできる。この実施例では、ポリアミド樹脂である。
入口管26から流入した冷却水は図1(C)から明らかなように、左右に分流し冷却通路25を周回して出口管27から出て行く。したがって、溶着部からの溶接熱は、端蓋20、ケース本体17を経て冷却通路25に伝熱される。また、ガイドピン30からガイド筒34や端蓋20を経て断熱部材18に伝わり、冷却通路25へ伝熱される。このような熱流経路をへて冷却通路25に伝わった溶接熱は、冷却水で奪われてそれよりも下方への熱伝導が抑制される。
したがって、断熱部材18自体の温度が低く押さえられることとなり、それにともなって断熱部材18の熱膨張量が低減し、貫通孔23の内径の縮小も許容範囲になる。例えば、前述の空隙35が0.5mmから0.47mmに減少するのにとどまり、スパッタや鉄くずのような不純物が空隙35に詰まったりすることがなく、動作軸15の円滑な進退動作が確保される。そして、熱源である溶着部に近い箇所に冷却通路25を配置することができるので、溶接熱が電極100の下方へ伝熱されて熱的悪影響が発生するようなことがない。
なお、プロジェクションナット8は四角い形状のものでその中央部にねじ孔31があけられ、片側の四隅に溶着用突起11が設けられている。四角い部分の寸法は12mm×12mmであり、厚さは6mmである。ねじ孔32の内径は4.8mmである。また、可動電極9が下降してきてプロジェクションナット8の上面に当たると、それとほぼ同時にエアシリンダ12によって動作軸15が下降して溶着用突起11が鋼板部品7に加圧され、それに引き続いて溶接電流が通電される。
溶接電流は、可動電極9、プロジェクションナット8、溶着用突起11、鋼板部品7、端蓋20、ケース本体17、端部材22,支持筒1、支持部材2へと流れる。万一、ガイドピン30に溶接電流が流れても、絶縁部材10において通電が遮断され、通電回路が不成立となって異常通電が防止される。
つぎに、進退駆動手段について説明する。
進退駆動手段は、動作軸15に進退動作を行わせるものであればよく、エアシリンダや進退出力をする電動モータが使用される。この実施例では、前述のようにエアシリンダ12である。
図1(D)は、冷却通路25の変形例を示している。ここでは、冷却通路25がヘッド本体17の内側に円周方向に設けた冷却溝36によって構成されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
上述の動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能であり、制御装置またはシーケンス回路からの動作信号で動作する空気切換弁や、エアシリンダの所定位置で信号を発して前記制御装置に送信するセンサー等を組み合わせることによって確保することができる。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
前記円筒状の断熱部材18を動作軸15が貫通し、この動作軸15の外周面と貫通孔23の内周面との間に所定の空隙35が付与され、動作軸15が断熱部材18内を進退する。前記空隙35は、動作軸15の外周面と貫通孔23の内周面との間に侵入した不純物を収容したり通過させたりして、動作軸15の進退抵抗の増大を回避するような空間とされる。
例えば、プロジェクションナット8が鋼板部品7に溶接される場合であると、溶着部の熱が前記端蓋20からケース本体17を経て断熱部材18に伝わったり、端蓋20から動作軸15を経て断熱部材18に伝わったりする。そこで、前記断熱部材18の冷却がなされていなかったり不十分であったりすると、断熱部材18が過度に膨張して貫通孔23の内径が縮小する。このような縮小によって、前述の空隙35が著しく狭くなり、スパッタや金属片等の不純物を収容したり通過させたりすることが不可能となる。なお、このような不純物は、ガイド筒34の箇所に設定されているわずかな摺動空隙を通過して空隙35に到達するものである。
上述のように断熱部材18を冷却する冷却流体の冷却通路25がケース本体17の円周方向に周回した状態で設けられているので、断熱部材18に伝わってきた溶接熱を効果的に奪うことができる。したがって、前述の貫通孔23の内径の異常な縮小を回避することができ、動作軸15と貫通孔23との間に不純物が噛み込むことがなく、動作軸15の円滑な進退動作が確保できる。
導通性のある金属材料で作られ静止部材に取り付けられている支持筒1と、この支持筒1の一端に結合されている前記電極ユニット6と、支持筒1の他端に絶縁部材10を介して結合され動作軸15を進退させるエアシリンダ12が独立したものとされている。
このように支持筒1と電極ユニット6と進退駆動手段であるエアシリンダ12が独立したものとされているので、電極100の製作においては支持筒1と電極ユニット6とエアシリンダ12の3部分を別々に作り、それらを単純に結合して組み立てるだけであるから、製作が簡単になる。さらに、例えば、冷却流体の漏れを修理するときには、電極ユニット6だけを外して分解すればよく、また、エアシリンダ12の空気漏れを修理するときには、エアシリンダ12だけを外して分解すればよい。したがって、分解作業が簡素化されて作業効率の向上に効果的である。一方、エアシリンダ12は絶縁部材10を介して支持筒1に結合されているので、動作軸15に流れた異常な溶接電流がエアシリンダ12から支持筒1を経て静止部材3へ通電されることが確実に防止できる。また、ガイドピン30の近傍の熱源に近い箇所に冷却通路25を配置することができるので、この部位において確実に断熱を図り、支持筒1やエアシリンダ12への熱流を遮断できる。
前記冷却通路25は、前記断熱部材18とケース本体17との間に形成されている。
前記断熱部材18とケース本体17との間において溶接熱を奪うものであるから、熱源の近くで確実な断熱が図られ、支持筒1やエアシリンダ12への熱的影響を最小化することができる。
前記冷却通路25は、前記断熱部材18の外周部に形成されている。
前記冷却通路25を断熱部材18の外周部に形成することにより、断熱部材18の部位において確実な断熱が図られ、支持筒1やエアシリンダ12への熱的影響を最小化することができる。そして、断熱部材18の外周部に冷却通路25が形成されることにより、この冷却通路25の箇所における断熱部材18の肉厚が薄くなるのでこの部分の熱膨張量が少なくなり、熱膨張による前記貫通孔23の内径縮小を大幅に低減させることができる。
前記断熱部材18と動作軸15との間に空隙35が設けられている。
この空隙35を所定値に設定することにより、スパッタや鉄くずのような不純物が空隙35に侵入してきても、それを収容したり通過させたりすることができ、動作軸15と貫通孔23との間に不純物が噛み込むことがなく、動作軸15の円滑な進退動作が確保できる。
前記冷却通路25は、電極ユニット6の軸線方向で見て断熱部材18に動作軸15が貫通している箇所にほぼ対応させた状態で配置してある。
このように動作軸15が断熱部材18を貫通している部分の大半が冷却通路25で冷却されるので、電極軸線方向の冷却範囲を大きく設定することができて、冷却効果が向上する。
前記断熱部材18は、絶縁性のある非金属材料で作られている。
このように絶縁性のある非金属材料で断熱部材18が作られているので、万一、空隙35に鉄くずが噛み込んでも、動作軸15へ流れた異常な電流がケース本体17の方へ短絡することが防止できる。また、このような材料であると熱膨張量が大きいので、冷却が不十分であれば貫通孔23の内径の縮小が大きくなり、動作軸15の円滑な進退動作に悪影響を及ぼすことになる。しかし、前述のような冷却がなされるので、このような材料であっても支障なく機能させることができる。
図2は、実施例2を示す。
この実施例2は、動作軸15が貫通孔23の内面を摺動しているものであり、それにともなって前述のガイド筒34をなくしてある。したがって、前述の空隙35は形成されておらず、動作軸15が貫通孔23の内面に摺動するのに必要な最小限度の微小な空隙が付与されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
例えば、プロジェクションナット8が鋼板部品7に溶接される場合であると、溶着部の熱が前記端蓋20からケース本体17を経て断熱部材18に伝わったり、端蓋20から動作軸15を経て断熱部材18に伝わったりする。そこで、前記断熱部材18の冷却がなされていなかったり不十分であったりすると、断熱部材18が過度に膨張して貫通孔23の内径が縮小する。このような縮小によって、前述の微小な空隙が著しく狭くなって空隙ゼロのような状態になる。このような状態になると、動作軸15と貫通孔23との間の摩擦抵抗が異常に大きくなり、円滑な動作軸15の進退が不可能となる。
本実施例においては、断熱部材18を冷却する冷却流体の冷却通路25がケース本体17の円周方向に周回した状態で設けられているので、断熱部材18に伝わってきた溶接熱を効果的に奪うことができる。したがって、前述の貫通孔23の内径の異常な縮小を回避することができ、前記摺動部分の摩擦抵抗の異常増大を防止して、動作軸15の円滑な進退動作が確保できる。
前記断熱部材18は、絶縁性のある非金属材料で作られている。
このように絶縁性のある非金属材料で断熱部材18が作られているので、動作軸15が貫通孔23の内面を摺動していても、動作軸15へ流れた異常な電流がケース本体17の方へ短絡することが防止できる。また、このような材料であると熱膨張量が大きいので、冷却が不十分であれば貫通孔23の内径の縮小が大きくなり、動作軸15の円滑な進退動作に悪影響を及ぼすことになる。しかし、前述のような冷却がなされるので、このような材料であっても支障なく機能させることができる。それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
図3は、実施例3を示す。
この実施例3は、断熱部材18の下側から圧縮空気を送り込んで、電極ユニット6内にスパッタや鉄くずのような不純物が侵入しないようにしたものである。断熱部材18の下側に動作軸15が貫通する給気筒38が挿入され、その外周に設けた円周方向の環状溝39が設けてある。この環状溝39から給気筒38の内側に空気を送り込むための通気孔40があけられている。そして、環状溝39に空気を供給する給気管41がケース本体17に取り付けられている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
給気管41から供給された圧縮空気は、環状溝39、通気孔40をへて給気筒38の内側に供給される。これによって、圧縮空気が動作軸15と給気筒38との間の空隙と、動作軸15と断熱部材18との間の空隙を通過して通孔33から噴出する。したがって、通孔33とガイドピン30との間の空隙から侵入しようとするスパッタや鉄くず等の不純物が排出される。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
図4は、実施例4を示す。
この実施例4は、部品を前述のプロジェクションナット8に換えて軸状部品にしたものである。軸状部品としては種々なものがあるが、ここではプロジェクションボルト42である。これは、雄ねじが設けられた軸部43とそれと一体のフランジ部44とフランジ部44に形成された溶着用突起45によって構成されている。図4(B)に示すように、ガイドピン30の先端部に凹部46が設けられ、ここに軸部43の先端部が受け入れられている。
そして、プロジェクションボルト42は、ガイドピン30と可動電極9によって挟み付けられた状態で、動作軸15の後退とともに通孔33内に進入する。この進入の過渡期に軸部43の先端が凹部46にはまり込んでいるので、軸部43とガイドピン30の芯合わせが正確になされる。プロジェクションボルト42が通孔33内に進入しきると、溶接電流が通電されて溶接される。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。そして、それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
上述のように、本発明によれば、ガイドピンの動作軸を円滑に進退させ、電極の製造や分解整備を行いやすくすることができるので、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
実施例1の電極全体と各部の断面図である。 実施例2の電極全体と一部の断面図である。 実施例3の電極全体の断面図である。 実施例4の電極全体と要部の断面図である。
符号の説明
1 支持筒
2 支持部材
6 電極ユニット
7 鋼板部品
8 プロジェクションナット
10 絶縁部材
12 エアシリンダ、進退駆動手段
15 動作軸
17 ケース本体
18 断熱部材
20 端蓋
23 貫通孔
25 冷却通路
30 ガイドピン
33 通孔
34 ガイド筒
35 空隙
36 冷却溝
42 プロジェクションボルト
46 凹部

Claims (1)

  1. 電極ユニットの中心部に進退動作をする動作軸が貫通し、この動作軸の先端部が電極ユニットから突出した状態で部品の位置決めをするガイドピンとされている形式のものにおいて、前記電極ユニットは、少なくとも導通性のある金属材料製で端部に端蓋を有する断面円形のケース本体と、このケース本体の内部に配置されているとともに前記動作軸が貫通している貫通孔を有する円筒状の断熱部材によって構成されており、この断熱部材を冷却する冷却流体の冷却通路がケース本体の円周方向に周回した状態で設けられ、導通性のある金属材料で作られ静止部材に取り付けられている支持筒と、この支持筒の一端に結合されている前記電極ユニットと、支持筒の他端に絶縁部材を介して結合され前記動作軸を進退させる進退駆動手段が独立したものとされ、
    前記端蓋は前記ケース本体の上端にねじ部を介して結合され、前記支持筒の一端に対する前記電極ユニットの結合がねじ部を介して行われている ことにより前記電極ユニットが独立した状態で前記支持筒に対して着脱できるように構成され、前記支持筒の他端に配置されている前記絶縁部材がねじ部を介して前記支持筒と前記進退駆動手段に結合されていることにより前記進退駆動手段が独立した状態で前記支持筒に対して着脱できるように構成され、前記断熱部材と前記動作軸との間に空隙が設けられ、前記断熱部材は合成樹脂材料で構成されていることを特徴とする電気抵抗溶接用電極。
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