JP4981513B2 - 溶接方法、溶接装置 - Google Patents
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Description
自動溶接を行う場合、ワークに対して予め溶接線を設定する。この溶接線を「基準溶接線」と言う。溶接トーチ(またはワイヤ)は基準溶接線に沿って移動することになる。ところが、現場での溶接作業において、実際にセットされたワークの溶接線(以下、「実溶接線」)が基準溶接線に対してずれていることがある。これでは、正確な溶接作業を自動で行うことができなくなる。
そこで、溶接を開始する前に、基準溶接線と実溶接線とのずれを検出し、このずれ量に基づいて溶接線を補正する技術が種々提案されている。
図10に示すように、基準ワークモデル101が点線で示されている。この基準ワークモデル101は、ティーチングを行うために予め設定されるものであり、板101aと板101bとが直交して隅肉継手を構成する。この交差部が基準溶接線103で示してある。実際にセットされた実ワーク102が実線で示されている。実ワーク102も、板102aと板102bとが直交して隅肉継手を構成する。この交差部が実溶接線104で示してある。
タッチセンサ100の初期位置Psから、x軸に沿って板101aに向かって、タッチセンサ100を移動させたとき、タッチセンサ100のワイヤ100a(以下、単にタッチセンサ100と言うことがある)と板101aが仮想的に接触する位置を、位置座標P101aと設定する。また、タッチセンサ100の初期位置Psから、z軸に沿って板101bに向かって、タッチセンサ100を移動させたとき、ワイヤ100aと板101bが仮想的に接触する位置を位置座標P101bと設定する。
予め設定されている位置座標P101aと検出された位置座標P102aにより、基準ワークモデル101に対する実ワーク102との水平方向、つまり、x軸方向のずれ量Δxが求められる。また、予め設定されている位置座標P101bと検出された位置座標P102bにより、基準ワークモデル101に対する実ワーク102との垂直方向、つまり、z軸方向のずれ量Δzが求められる。求められたΔxおよびΔzに基づいて、基準ワークモデル101の基準溶接線103を実ワーク102の実溶接線104に合わせて補正することができる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、溶接線の検出を、より迅速に、より高精度に行うことのできる溶接方法、溶接装置を提供することを目的とする。
ここで、本発明においては、隅肉継手部の溶接線を挟んだ両側で3箇所以上のタッチセンシングを行うが、ここで言う3箇所とは、隅肉継手部の溶接線を挟んだ一方の側におけるタッチセンシングの箇所数と、他方の側におけるタッチセンシングの箇所数の合計である。
溶接線が3次元上に湾曲している場合等、複雑な形状のワークの場合には、ワークの設計データに基づいて、ワークを隅肉溶接する際に溶接トーチを動作させるための基準軌道情報を作成するステップをさらに備えるのが好ましい。そして、軌道情報を作成するステップでは、特定された溶接線の位置座標と基準軌道情報との位置ずれ量を取得し、取得された位置ずれ量から基準軌道情報を補正し、ワークを隅肉溶接するステップでは、補正された基準軌道情報を軌道情報とし、溶接トーチを動作させる。
ここで、タッチセンサによる3箇所以上のタッチセンシングを行うわけであるが、本発明においては、以下の構成を必須とする。
このような溶接方法において、シールドノズル上において、溶接の際にシールドノズルが隅肉継手部に接触する位置にタッチセンサの触針を配置して、ワークへのタッチセンシングを行うことができる。シールドノズル自体がワークに接触してセンシングできることから、その結果得られる溶接トーチの実軌道情報は、シールドノズルとワークの接触を確保するものとなる。
まず、シールドノズル模擬体を用いてセンシングを行う場合には、実際に溶接を行うときに用いるシールドノズルとの間での精度の確保に課題がある。すなわち、シールドノズル模擬体でセンシングを行った後、シールドノズル模擬体をシールドノズルに交換する際、その取付誤差等により、位置ずれが生じる可能性がある。また、使用に伴い、シールドノズル模擬体やシールドノズルに変形などが生じれば、これも実際のシールドノズルに交換したときの位置ずれに繋がる。さらに、ワークが大型のものである場合、溶接トーチも長尺なものとなることがある。長尺な溶接トーチにおいては、使用にともなって外力等によって形状変化が生じることもある。したがって、シールドノズル模擬体とシールドノズルの双方の精度維持が必要となり、そのための管理に手間がかかる。
また、シールドノズル模擬体を用いず、シールドノズルにタッチセンサの触針を設ける場合、溶接トーチやシールドノズルが導電性材料から形成されているため、これらと触針との絶縁を図る必要がある。このためには触針と溶接トーチおよびシールドノズルとの間に絶縁層を形成する必要があるが、溶接トーチは、隅肉継手部の狭い空間に挿入する必要があるため、絶縁のために溶接トーチやシールドノズルが大型化するのは好ましくない。しかし、絶縁層の厚さが小さくては、十分な絶縁が図れない。
さらに、触針は、シールドノズルあるいはシールドノズル模擬体に対称な位置に一対を設ける必要があるが、それぞれの触針に通電するための配線も必要であり、これもシールドノズルあるいはシールドノズル模擬体の大型化につながってしまう。加えて、溶接線が3次元的に湾曲しているような場合、シールドノズルあるいはシールドノズル模擬体の中心軸に対し、隅肉継手部の両側の被溶接材料の位置(角度)が、溶接線上の位置によって異なる。その結果、シールドノズルあるいはシールドノズル模擬体に設けられた一対の触針に対するワークのタッチ角度が変わり、確実なタッチセンシングが行えないこともある。これに対応するため、溶接トーチをその中心軸線周りに回転させ、一対の触針によるワークのタッチ角度を常に適切なものとすることも考えられるが、これでは制御が複雑化する。
上記したような理由から、本発明者らが既に提案した手法については更なる改善の余地があるのである。
また、シールドノズル自体をタッチセンサとして機能させることにより、シールドノズル模擬体を用いる場合に比較し、精度を確実に確保できる。また、シールドノズルにタッチセンサの触針を設ける場合に比較し、シールドノズルが大型化することもなく、隅肉継手部の狭い空間にもシールドノズルを確実に挿入してタッチセンシングや溶接を行うことが可能となる。
図1は、本発明を適用した自動溶接装置1の概略構成を示す図である。なお、自動溶接装置1は、例えばMIG溶接、TIG溶接(Tungsten Inert Gas)、MAG溶接(Metal Active Gas welding)等のシールドガスをシールドノズルから吐出するガスシールド溶接に広く適用することができる。
なお、図1は、実ワークの位置ずれ量を検出する状態を示しているため、溶接ワイヤ5はシールドノズル3内に退避している。溶接時には溶接ワイヤ5はシールドノズル3から所定の長さだけ突き出す。自動溶接装置1は、所謂消耗電極式の溶接装置であり、溶接ワイヤ5は溶接時には図示しないワイヤ供給装置から逐次供給される。
また、自動溶接装置1は、溶接トーチ2を保持する多関節ロボット(移動装置)6、シールドガスを供給するガス供給装置7、この多関節ロボット6を駆動制御するロボットコントローラ(コントローラ、トーチ動作制御部)8、シールドノズル3に所定の電圧を印加するセンサ用電源(電源)9、溶接時に溶接ワイヤ5に電力を供給する溶接電源10を備えている。
さらに、自動溶接装置1はCADシステム11およびオフライン教示データ作成システム(軌道生成部)12を備えている。
このシールドノズル3を実ワークの位置を検出するためのタッチセンサとして機能させるため、センサ用電源9からシールドノズル3に電圧を印加するための通電ケーブル4a、4bがシールドノズル3に接続されている。
センサ用電源9から通電ケーブル4a、4bを介して電圧が印加された状態で、シールドノズル3が底板13aまたは縦板13bに接触すると、シールドノズル3に印加されていた電圧が低下する。センサ用電源9に電気的に接続されるロボットコントローラ8において、この電圧の低下を検知することで、シールドノズル3が底板13aまたは縦板13bに接触したことを検出できる。ロボットコントローラ8においては、シールドノズル3の底板13aまたは縦板13bへの接触を検出したときのシールドノズル3(溶接トーチ2)の位置(座標)を検出できるようになっている。
このとき、シールドノズル3の移動方向は既知であるため、ロボットコントローラ8では、底板13aに接触したのか、縦板13bに接触したのかを認識できる。そして、シールドノズル3の外形寸法も既知であるため、ロボットコントローラ8で検出する位置座標から、シールドノズル3の底板13aまたは縦板13bに対するタッチ箇所の位置座標を検出できる。
つまりこのようにして作成された基準軌道情報は、設計データ(基準ワークモデル)上における基準軌道を示す情報である。
溶接トーチ2の実軌道情報作成の最初の手順として、ワーク13について、三次元のワーク形状モデルを作成する。このモデルは、前述したようにして、CADシステム11の処理手段がデータ格納部から読み出したワーク13のCADデータに基づいて作成される。この三次元のワーク形状モデルが基準ワークモデルとなる。したがって、このモデルはx,yおよびzの三次元座標によって特定される。
基準ワークモデルが作成されたならば、このモデル上における溶接線の位置情報が作成される。この溶接線位置情報は、前述したように、CADシステム11とオフライン教示データ作成システム12が協働して作成される。この溶接線位置情報もまた、x,yおよびzの三次元座標によって特定される。溶接線の位置情報は、基準ワークモデル上の溶接線上において、互いに間隔を隔てた複数の点の位置情報からなる。これにより、基準ワークモデル上における溶接線(これを基準溶接線と適宜称する)を特定できる。
ロボットコントローラ8は、CADシステム11およびオフライン教示データ作成システム12により作成された溶接線位置情報とデータ格納部に格納された溶接トーチ2の寸法データを取得し、溶接線位置情報で特定される基準溶接線に沿って溶接トーチ2が溶接を行うための基準軌道情報を作成する。
次いで、実際にセットされたワーク13へのタッチセンシングを行う。タッチセンシングのステップは、本願発明の最も特徴的な部分であり、後に詳述するように複数のステップを含んでいる。タッチセンシングはロボットコントローラ8が、多関節ロボット6の動作を制御して、タッチセンサとして機能するシールドノズル3を接触させることでワーク13の位置を検出し、基準ワークモデルに対するワーク13の位置ずれ量を取得する。
そして、ワーク13の溶接線13cに沿って互いに間隔を隔てた複数の位置y1、y2、y3、…、ynのそれぞれにおいて、タッチセンシングを行っていき、位置y1、y2、y3、…、ynのそれぞれにおいて、溶接線13cの位置(底板13aと縦板13bの交差位置)情報を取得する。
位置y1、y2、y3、…、ynのそれぞれにおける、溶接線13cの位置情報が求められたなら、この位置情報を用いてロボットコントローラ8がトーチ軌道補正を行う。トーチ軌道補正は、ステップS105で作成された基準軌道情報に含まれる位置y1、y2、y3、…、ynのそれぞれにおける基準溶接線の位置と、前記の実際のワーク13の溶接線13cの位置とのずれ量を算出し、基準軌道情報にこのずれ量を加算することにより得ることができる。例えば、位置y1におけるトーチ軌道情報を(x1、z1)とし、位置y1における位置ずれ量を(Δx1、Δz1)とすると、(x1+Δx1、z1+Δz1)が補正された実軌道情報となる。補正された実軌道情報は、実際の溶接線13cに対応する。この補正を、位置y2、y3、…、ynまで行って、トーチ軌道の補正は終了する。
実軌道情報に基づいて溶接トーチ2を移動させながら溶接が行われる。一連の溶接の制御はロボットコントローラ8が行う。なお、トーチ軌道の補正までは、溶接ワイヤ5はシールドノズル3内に退避しているので、溶接ワイヤ5を所定長だけ突き出した後に溶接を行う。溶接は、シールドノズル3をワーク13に接触させながら、かつシールドノズル3内にシールドガスを供給しながら行う。
ワーク13の場合、溶接線13cが一つであるが、複数の溶接線13cを有するワーク13の場合には、溶接線13c毎にステップS103(溶接線位置情報作成)〜S111(溶接)までの手順を実行する(ステップS113、S117)。
全ての溶接線13cについて溶接が完了したならば(ステップS113)、次に溶接すべきワーク13がある場合には(ステップS115)、次のワーク13について、ステップS101(ワーク形状モデル作成)〜S111(溶接)までの手順を実行する。次に溶接すべきワーク13がない場合には(ステップS115)、一連の処理は終了する。
「ステップS201(タッチセンサ初期位置P1に移動)」
図5に示すようにワーク13の溶接線13cに沿った方向における位置y1における初期位置P1にタッチセンサを移動させる。ここでいうタッチセンサとは、センサ用電源9から通電したシールドノズル3を意味し、シールドノズル3の中心が初期位置P1と一致するように移動させる。なお、シールドノズル3は溶接トーチ2に取付けられているが、図5〜図9ではシールドノズル3のみを記載している。
図5において、ワーク(実ワーク)13は便宜上、図1の設置状態とは姿勢を変えて描いている。また、図5は、位置y1におけるワーク13の断面を示している。さらに、図5において、三次元x、y、zの軸方向は図示矢印のように定義されるものとする。したがって、y軸はワーク13の長手方向に沿っている。図5に示すように、ワーク(実ワーク)13は、基準ワークモデル13’に対してずれて設置されている。
初期位置P1のシールドノズル3を、図6に示すように、図中右方向に移動させて底板13aに接触させる。初期位置P1から底板13aに接触したことを検知するまでのシールドノズル3の移動量xRが求められる。シールドノズル3の移動は、x軸と平行に行われる。ロボットコントローラ8は、移動量xRを取得する。
「ステップS203(タッチセンサ縦板13bに接触)」
移動量xRが求められたら、次いで、縦板13bに接触するまで、図7に示すように、シールドノズル3を図中左方向に移動させる。縦板13bに接触したことを検知することにより、初期位置P1から縦板13bに接触するまでのシールドノズル3の移動量xLが求められる。この場合も、シールドノズル3の移動は、x軸と平行に行われる。ロボットコントローラ8は、移動量xLを取得する。
「ステップS204(底板13a−縦板13b間の中央位置座標Pc1算出)」
移動量xRおよび移動量xLが求められたなら、ロボットコントローラ8は(xR+xL)/2の演算処理を行う(図8)。この演算処理で求められる中央位置座標Pc1は、底板13aと縦板13bの間の中央となる。この中央位置座標Pc1は、初期位置P1を通りかつx軸と平行な線上に存在する。
底板13aと縦板13bの間の中央位置座標Pc1が求められたなら、図8に示すように、シールドノズル3の中心が中央位置座標Pc1と一致するようにシールドノズル3を移動させる。
シールドノズル3が中央位置座標Pc1に移動したならば、今度は、シールドノズル3をz軸方向に平行に下降させる。すると、図9に示すように、シールドノズル3が底板13aおよび縦板13bに接触する。そこで、シールドノズル3が底板13aおよび縦板13bに接触したときの位置座標Pw1を取得する。
その位置において、上記のステップS202、S203、S204を、シールドノズル3が底板13aおよび縦板13bに接触するまで繰り返す。そして、シールドノズル3が底板13aおよび縦板13bに接触したときの位置座標Pw1を取得する。
また、このとき、ワーク13の形状が複雑な3次元形状である場合や、ワーク13が基準ワークモデル13’に対して傾いて設置されている場合等においては、溶接線13cに沿った複数の位置(位置y1、y2、…、yn)のそれぞれにおいて3箇所以上のタッチセンシングを行うことで、それぞれの位置における溶接線13cの位置座標を高精度に特定することができ、特定された位置座標から溶接トーチ2の実軌道情報を生成できる。このとき、最小限の箇所へのタッチセンシングにより溶接線13cの位置座標が高精度に特定できるので、実溶接線の検出をより迅速に行うことが可能となる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (3)
- 隅肉継手部を有するワークを隅肉溶接する際に溶接トーチを前記隅肉継手部の溶接線に沿って動作させるための軌道情報を作成するステップと、
前記ワークの設計データに基づいて、前記ワークを隅肉溶接する際に前記溶接トーチを動作させるための基準軌道情報を作成するステップと、
作成された前記軌道情報に基づいて前記溶接トーチを前記溶接線に沿って動作させて前記ワークを隅肉溶接するステップと、を備え、
前記軌道情報を作成するステップでは、前記溶接線に沿って互いに間隔を隔てた複数の位置のそれぞれにおいて、前記ワークに対し、前記隅肉継手部の前記溶接線を挟んだ一方の側のタッチ箇所と他方の側のタッチ箇所でそれぞれタッチセンシングを行って、前記一方の側のタッチ箇所と前記他方の側のタッチ箇所の中間位置を算出するステップと、算出された前記中間位置に前記タッチセンサを移動させ、さらに前記タッチセンサを前記溶接線に接近させるステップと、を複数回繰り返すことで、前記位置における前記溶接線の位置座標を特定し、
特定された前記溶接線の位置座標の前記基準軌道情報に対する位置ずれ量を取得し、取得された前記位置ずれ量から前記基準軌道情報を補正し、
前記ワークを隅肉溶接するステップでは、補正された前記基準軌道情報を前記軌道情報とし、前記溶接トーチを動作させ、
前記隅肉溶接は、前記溶接トーチの先端に取り付けられたシールドノズルからシールドガスを吐出するとともに、前記シールドノズルを前記ワークに接触させながら行われることを特徴とする溶接方法。 - 前記タッチセンサは、
導電性材料から形成された前記シールドノズルと、
前記シールドノズルに電圧を印加する電源と、
前記シールドノズルに印加された電圧の変化を検出し、電圧の変化が検出されたときの前記溶接トーチの位置座標を取得するコントローラと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。 - 請求項1または2に記載の溶接方法を実行するための溶接装置であって、
隅肉継手部を有するワークの隅肉溶接を行う溶接トーチと、
前記溶接トーチを移動させる移動装置と、
前記溶接トーチに設けられて溶接時にシールドガスを吐出し、導電性材料からなるシールドノズルと、
前記シールドノズルに電圧を印加する電源と、
前記シールドノズルに印加された電圧の変化を検出し、電圧の変化が検出されたときの前記溶接トーチの位置座標を取得するとともに、取得された前記位置座標に基づき前記溶接トーチを前記隅肉継手部の溶接線に沿って動作させるための軌道情報を生成する軌道生成部と、
前記軌道情報に基づいて前記溶接トーチの動作を制御するトーチ動作制御部と、を備え、
前記軌道生成部は、前記ワークに対し、前記溶接線に沿って互いに間隔を隔てた複数の位置のそれぞれにおいて、前記ワークに対し、前記隅肉継手部の前記溶接線を挟んだ一方の側のタッチ箇所と他方の側のタッチ箇所でそれぞれタッチセンシングを行って、前記一方の側のタッチ箇所と前記他方の側のタッチ箇所の中間位置を算出するステップと、算出された前記中間位置に前記タッチセンサを移動させ、さらに前記タッチセンサを前記溶接線に接近させるステップと、を複数回繰り返すことで、前記位置における前記溶接線の位置座標を特定するとともに、
前記ワークの設計データに基づいて、前記ワークを隅肉溶接する際に前記溶接トーチを動作させるための基準軌道情報を生成し、特定された前記溶接線の位置座標の前記基準軌道情報に対する位置ずれ量を取得し、取得された前記位置ずれ量から前記基準軌道情報を補正し、
前記トーチ動作制御部は、補正された前記基準軌道情報を前記軌道情報とし、前記溶接トーチを動作させ、前記溶接トーチの先端に取り付けられたシールドノズルからシールドガスを吐出するとともに、前記シールドノズルを前記ワークに接触させながら隅肉溶接が行われることを特徴とする溶接装置。
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