JP4980397B2 - 方形同軸線路スロットアレーアンテナ - Google Patents

方形同軸線路スロットアレーアンテナ Download PDF

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Description

この発明は、方形同軸線路に複数の放射用スロットを形成してなる方形同軸線路スロットアレーアンテナに関するものである。
平面アレーアンテナを構成する複数の放射スロットに給電する方式としては、最も一般的な導波管スロットアレーアンテナ方式の他に、薄型化が可能であり、かつ、広角範囲に亘ってビームスキャンできるような狭い素子間隔が実現可能な方形同軸線路スロットアレーアンテナ方式が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
以下に、従来技術における方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成について述べる。従来技術における方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成を表す斜視図を図6に示す。また、図6のA−A'断面図を図7に示す。図6に示すとおり、方形同軸線路スロットアレーアンテナは、内導体1とその外周を取り囲むように設けた外導体2とから構成され、放射面を構成する外導体2の壁面上に使用周波数の概略半波長の長さ(共振長)を持つ複数の放射スロット3が前記方形同軸線路4の管軸方向に対して一定の角度をなして設けられている。
また、図7に示すとおり、両端部を短絡終端してなる方形同軸線路4と、給電手段8から方形同軸線路4へと給電されるように設けられた結合孔6と、前術した複数の放射スロット3とで1個単位の方形同軸線路スロットアレーアンテナを構成するサブアレー7を構成し、さらに、このサブアレー7が平面上に複数配列されて2次元アレーアンテナを構成する。
次に、上記方形同軸線路スロットアレーアンテナが、薄型であり、かつ、広角範囲に亘ってビームスキャンできるような狭い素子間隔を設定できる理由について述べる。方形同軸線路4で構成される各サブアレー7への給電は、給電手段8から結合孔6を介して、各サブアレー7に対して等分配に給電される。さらに、各サブアレー7内では、各放射スロット3に対して等分配に給電される。以上のように、上記方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいては、全ての放射スロット3に対して、等振幅、等位相にて給電、励振されるため、高効率な放射特性が得られる。
従来技術における方形同軸線路スロットアレーアンテナにおけるサブアレーの構成を表す上面図と断面図をそれぞれ図8(a)、(b)に示す。ここで、各サブアレー7内では両端部が短絡板5によって短絡終端されているため、サブアレー7内には使用周波数における定在波が立つことになり、放射スロット3を一様に最大振幅で励振するためには、外導体2の壁面上を流れる電流の定在波の腹に位置するように、放射スロット3を1管内波長(1λ)の素子間隔で並べればよい。ただし、方形同軸線路内ではTEM波が基本モードとして伝搬するために、その管内波長が使用周波数の自由空間波長λと等しくなり、管内波長が自由空間波長λよりも長くなる先述した導波管スロットアレーアンテナと比較して素子間隔を狭くできる。
また、前述した通り、方形同軸線路4にはTEM波が伝搬するが、TEM波のみが伝搬し、その他の高次モードが発生・伝搬させないための条件を満足しなくてはならない。方形同軸線路4を伝搬する高次モードの遮断波長λは、方形同軸線路4の断面形状の寸法で決まり、方形同軸線路4の管軸方向に垂直な断面内において、内導体1の横方向寸法、外導体2の内面の横方向寸法の値が大きいほど大きくなる。したがって、理想的には、方形同軸断面の形状寸法より十分長い波長の電磁波もTEM波のみで伝搬可能であり、方形同軸線路4の寸法を使用周波数の波長に対して十分小さく設定できることになる。
以上の理由より、方形同軸線路スロットアレーアンテナ方式を用いれば、一般的な導波管スロットアレーアンテナよりも狭い間隔でスロットアレーアンテナを隣接配置できるために広角範囲までビームスキャンできるとともに、アンテナを薄型化することも可能となる。
上述した従来の方形同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法としては、方形同軸線路4の管軸方向と、放射スロット3が設置されている外導体2の一側面に対して平行な分割面にてスライスしたプレート状の各層を、各層の元になる金属導体板をそれぞれ個別に切削やエッチングなどの加工方法により形成し、前記プレート状の各層を順番に積層した後、圧着、接合することにより製造する。
次に、方形同軸線路スロットアレーアンテナをプレート状に分割して構成する方法について以下に述べる。図9(a),(b)は、従来技術における示す方形同軸線路スロットアレーアンテナの断面図およびアンテナ一部分の断面分解図を示すものである。方形同軸線路4への給電手法として、ここでは導波管を用いるものとする。図9(b)に示す断面分解図は、方形同軸線路4の管軸方向と外導体の天板に平行となるように分割スライスしたものであり、全層にわたってプレート状になっている。また、図では簡略化のために一列内のサブアレー2個分についてのみ示している。なお、図9において、41は放射スロットプレート、42は外導体プレート#1、43は内導体プレート、44は外導体プレート#2、45は結合孔プレート、46は給電導波管プレート#1、47は給電外導体導波管プレート#2を示している。
ここでは、図9に示すように、7つのプレート部位に分割スライスした構造とする。そのため、各部位でプレート厚が異なっている。放射スロットプレート41は放射スロットと外導体表面を構成する部位であり、金属導体板からスロット部分を切削して製造される。外導体プレート#1の42及び#2の44は、方形同軸線路端部の短絡板及び外導体側面を構成する部位であり、金属導体板から内導体−外導体間の空間部分を切削して製造される。内導体プレート43は、内導体及び外導体側面を構成する部位であり、金属導体板から内導体−外導体間の空間部分を切削して製造される。
結合孔プレート45は、外導体底面および結合孔を構成する部位であり、金属導体板から結合孔部分を切削して製造される。給電用導波管プレート#1の46と#2の47は、共に給電用導波管の一部を構成する部位であり、金属導体板から導波路部分を切削して製造される。これらプレートを圧着積層して同軸線路スロットアレーアンテナおよびそれを給電する給電回路を一体構成することが可能である。図10は、図9の断面分解図を立体的に示した模式図である。
このような方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、図8(b)に示すように、内導体1の横方向寸法をa、縦方向寸法をb、外導体2の内面の横方向寸法をA、縦方向寸法をBとする。図8に示すように、同軸線路から派生した導波路である方形同軸線路では、断面形状を正方形とし、内導体1、外導体2のそれぞれにおいて、横方向寸法と縦方向寸法を下式に示すように等しくするのが一般的である。
a=b、 A=B (1)
また、同軸性を保持するために、内導体1、外導体2の断面中心は一致するように配置させる。
国際公開第2008/065852号パンフレット
従来の方形同軸線路スロットアレーアンテナでは、前述した通り、内導体1及び外導体2のそれぞれにおいて、横方向寸法と縦方向寸法を等しくするのが一般的である。従って、アンテナを薄型化しようとした場合、縦(厚さ)方向寸法を縮小するのと同時に横(幅)方向寸法についても縮小する必要が生じる。しかしながら、前述の通り、放射スロット3の長さは使用周波数によって決まり、概略共振長の長さが必要となるため、方形同軸線路の横方向寸法に関してはある程度の幅を確保する必要がある。したがって、従来の方形同軸線路スロットアレーアンテナでは、アンテナ自体を薄型化することはできない。
また、従来の方形同軸線路スロットアレーアンテナでは、前述した通り、内導体1の縦(厚さ)方向寸法は、横(幅)方向寸法と同じだけ必要となり、比較的板厚の厚い金属導体板にて形成することになる。材料となる金属導体板を所望の形状で抜く場合においては、抜き形状や残し形状として加工可能な最小寸法値は板厚によって規定されるため、板厚の厚い導体板を加工する場合には、所定の精度を確保することが困難となってしまう。したがって、必要な精度を確保するためには、高コストな加工方法である機械加工を採用せざるを得なくなる。
この発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、アンテナの薄型化を実現すると共に、所望の加工精度を低コストで実現できる方形同軸線路スロットアレーアンテナを得ることを目的とする。
この発明に係る方形同軸線路スロットアレーアンテナは、四辺形断面を有する内導体と当該内導体の外周を四辺形断面の内面形状により取り囲むように設けられた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる方形同軸線路と、前記方形同軸線路を励振させるための給電手段と、前記方形同軸線路の管軸方向に対してある角度をなして前記外導体に設けられた概略共振長の複数のスロットとを備え、前記複数のスロットを前記方形同軸線路の管軸方向に平行な前記外導体上の任意の一側面に設けてアレーアンテナを構成した方形同軸線路スロットアレーアンテナであって、前記方形同軸線路の管軸方向に垂直な断面内において、前記内導体の縦方向寸法または前記外導体の内面の縦方向寸法の少なくともいずれか一方を横方向寸法に比べて短くしたことを特徴とする。
この発明に係る方形同軸線路スロットアレーアンテナでは、方形同軸線路の横(幅)方向寸法に関して使用周波数によって決まる寸法を有した放射スロットへの給電に必要な幅を確保したまま、縦(厚さ)方向寸法を小さく(薄く)することができるため、従来の方形同軸線路スロットアレーアンテナに比べて、アンテナ自体を薄型化することができる。
また、内導体の縦(厚さ)方向寸法が横(幅)方向寸法に比べて小さいため、内導体プレートを薄い金属導体板で形成できる。このため、大量生産に適したエッチング加工やプレス加工などの加工方法に適用する際、抜き形状や残し形状として加工可能な最小寸法値が板厚によって規定されるため、より高い加工精度・微細加工を低コストにて実現できるだけでなく、製造誤差やこれにより生じるアンテナ性能ばらつきを最小限に抑えることも可能となる。
この発明の実施の形態で用いられる方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成を表す斜視図である。 図1のA−A'断面図である。 図1に示す方形同軸線路4における管内波長を自由空間波長よりも短縮するための構造を付加した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図である。 図1に示す方形同軸線路4における管内波長を自由空間波長よりも短縮するために付加させる構造のうち、線路の先端短絡部に適用できる構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図である。 図1に示す内導体1を偏心させた方形同軸線路4の断面図であり、(a)は内導体1が結合孔6に近づくように下方へ偏心させた方形同軸線路4の断面図、(b)は内導体1が放射スロット3に近づくように上方へ偏心させた方形同軸線路4の断面図である。 従来技術における方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成を表す斜視図である。 図6のA−A'断面図である。 従来技術における方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。 従来技術における示す方形同軸線路スロットアレーアンテナを示す図であり、(a)は断面図、(b)はアンテナ一部分の断面分解図である。 図9の断面分解図を立体的に示した模式図である。
以下に添付の図面に示された具体例に基づいてこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態で用いられる方形同軸線路スロットアレーアンテナの構成を表す斜視図であり、また、図2は、図1のA−A'断面図である。図1に示すとおり、方形同軸線路スロットアレーアンテナは、四辺形断面を有する内導体1と、内導体1の外周を四辺形断面の内面形状により取り囲むように設けられた外導体2とから構成され、放射面を構成する外導体2の壁面上に使用周波数の概略半波長の長さ(共振長)を持つ複数の放射スロット3が方形同軸線路4の管軸方向に対して一定の角度をなして設けられている。
また、図2に示すとおり、両端部を短絡終端してなる方形同軸線路4と、給電手段8から方形同軸線路4へと給電されるように設けられた結合孔6と、前記した複数の放射スロット3とで1個単位の方形同軸線路スロットアレーアンテナを構成するサブアレー7を構成し、さらに、このサブアレー7が平面上に複数配列されて2次元アレーアンテナを構成する。
また、前述した従来技術と同様に、この発明における方形同軸線路スロットアレーアンテナの製造方法としては、方形同軸線路4の管軸方向と、放射スロット3が設置されている外導体2の天板に対して平行な分割面にてスライスしたプレート状の各層を、各層の元になる金属導体板をそれぞれ個別にエッチングやプレスなどの加工方法により形成し、前述の通り加工した前記プレート状の各層を順番に積層した後、圧着、接合することにより製造する。
また、方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて定在波励振にて均一開口分布を実現しようとすると、放射スロット3が外導体2の壁面上を流れる電流の定在波の腹に位置するように1管内波長(1λ)の素子間隔で並べることとなるが、方形同軸線路4の管内波長は自由空間波長と同じであるため、管軸に沿って並んでいる放射スロット3をλ間隔とすることになる。
しかしながら、素子間隔がλだと、管軸と天頂方向を含むカット面内において、その±90度方向にグレーティングローブが発生し、利得の低下が生じてしまうため、管内波長を自由空間波長よりも短縮し、スロットの配置間隔をλよりも狭くする必要がある。
この発明においては、図1に示すように、内導体1とその外周を取り囲む外導体2は、それぞれ内面の縦方向寸法、横方向寸法が異なり、縦方向寸法の方を横方向寸法より小さくした扁平形状としている。このように、四辺形断面形状の縦横アスペクト比を扁平形状としたことによる効果を以下に述べる。
方形同軸線路4において、管内波長を自由空間波長よりも短縮するための構造を付加した図を図3に示す。ここで、図3(a)に平面図、図3(b)に断面図を示す。ただし、図3に示すように、斜線ハッチング部分は導体部、白抜き部分は中空部(導体プレートをエッチングなどの加工により削り取った部分)であることを示す。
図3(a)に示すように、放射スロット3間の区間における内導体1には切り欠き構造10が設けられ、互いに逆方向に設けられた切り欠き構造10が対となって蛇行形状11を形成している。そして、内導体1に設けられた蛇行形状11が、放射スロット3間の区間における管内波長の短縮機能を実現しており、方形同軸線路4における管内波長を自由空間波長よりも短縮することによって、グレーティングローブの発生を抑制することができる。
ただし、内導体1に設けられた蛇行形状11は、放射スロット3への結合度に対して影響があるため、蛇行形状11のような波長短縮構造が付加されていない通常の方形同軸線路の区間内で調整された結合度を保持するために、放射スロット3の直下を避けた位置として放射スロット3の間の区間に設けることが望ましい。
なお、図3(a)において、12は内導体1に設ける切り欠き構造10において、切り欠きの長さ(深さ)、13は内導体1において切り欠き構造10を付加した後の導体残し寸法、14は外導体2と内導体1の間の抜き寸法をそれぞれ示す。
また、図3(b)に示すように、この発明における方形同軸線路4の四辺形断面形状においては、内導体1、外導体2ともに縦横アスペクト比を扁平とし、いずれも縦方向寸法を横方向寸法よりも小さくしている。上述のように、縦横アスペクト比を扁平とすることの効果を以下に詳細に述べる。
まず、内導体1に設けた切り欠き構造10において、前述した通り、切り欠きの長さ12は、そのまま方形同軸線路4の管内波長の波長短縮量に直結するため、出来るだけ長い(深い)ことが望ましい。また、切り欠き構造12を付加した後の内導体1を支持するためには、内導体1における導体残し寸法13においても十分な長さ(太さ)が必要となる。
また、この発明における方形同軸線路スロットアレーアンテナは、平面上に複数配列された2次元アレーアンテナであり、隣接する方形同軸線路4との間に十分な厚さの壁厚を確保する必要がある。このため、図3(b)に示す外導体2の四辺形断面の内面の横方向寸法Aには上限値が存在する。また、内導体1−外導体2との間の抜き寸法14を確保するため、図3(b)に示す内導体1の四辺形断面の横方向寸法aにも上限値が存在する。また、高次モードの発生・伝搬を抑制する観点においても、内導体1及び外導体2の横方向寸法a、Aには上限値が存在する。
内導体1の横方向寸法aについては、前述した通り、上限の範囲内で出来るだけ大きい値を採用する。これにより、内導体1に付加する切り欠きの長さ12を十分に確保することができる。
加えて、内導体1の四辺形断面の縦方向寸法bについては、横方向寸法aよりも出来るだけ小さく(薄く)設定することにより、導体残し寸法13や導体抜き寸法14などの板厚によって規定される寸法をより小さく加工(エッチングやプレスなどの工法を想定)することが可能となる。さらに、これら加工による製造誤差も最小限に抑えることが可能となる。但し、内導体1を形成する材料において、十分な剛性を得ることができる最小の寸法とする。
したがって、この発明に示す方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいては、薄い導体板プレートを用いて、プレートの横(幅)方向に大きく、プレートの縦(厚)方向に対して小さな、扁平な断面形状を有する内導体1を形成することによって、隣接の方形同軸線路スロットアレーアンテナを狭ピッチで設置するのに十分な壁厚を確保した上で、グレーティングローブを抑圧する上で重要な波長短縮設計において十分な設計自由度を確保することを可能とする。さらに、大量生産に適したエッチング加工やプレス加工などの加工方法に適用することにより、製造誤差やこれにより生じるアンテナ性能ばらつきを最小限に抑えることができる。
また、幅方向寸法に関係なく、厚さ方向寸法を最小限とすることができるので、アンテナ厚さを薄型化、体積を小型化することも可能となる。ただし、前述した扁平形状は、蛇行形状11などの波長短縮構造が付加されていない、放射スロット3や結合孔6の直近に配置される基本となる方形同軸線路(以下、基本線路区間と呼称)の断面形状に対して持たせた特徴である。
次に、方形同軸線路4における管内波長を自由空間波長よりも短縮するために付加させる構造のうち、線路の先端短絡部に適用できる別の形態を示す構造図を図4に示す。ここで、図4(a)に平面図、図4(b)に断面図を示す。図4(b)において、15は基本線路区間の内導体1の横方向寸法aに対して横方向寸法の長さを長くした内導体1の線路区間であり、16は逆に横方向寸法の長さを短くした内導体1の線路区間である。一般的に、同軸線路の特性インピーダンスは(外導体の径)/(内導体の径)に比例して大きくなるため、基本線路区間の特性インピーダンスを基準とした場合、長さを長くした線路区間では低い特性インピーダンスを示し、長さを短くした線路区間では高い特性インピーダンスを示す。このように、方形同軸線路4の先端短絡部分から順番に高インピーダンス線路区間16、低インピーダンス線路区間15を接続することによって、前述した蛇行形状11を用いた場合と同様にして、方形同軸線路4の管内波長を短縮させることができる。
なお、図4(a)において、17は、低インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法、18は、高インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法、19は、低インピーダンス線路区間における内導体1−外導体2の間の抜き寸法を示す。
前述した通り、低インピーダンス線路区間15、高インピーダンス線路区間16の内導体1の横方向寸法は、それぞれ基本線路区間における内導体1の横方向寸法aを基準に大小関係を形成しており、この大小の比率が大きいほど、大きな波長短縮効果を得ることが出来る。
また、図4(b)に示すように、この発明における方形同軸線路4の四辺形断面形状においては、内導体1及び外導体2ともに縦横アスペクト比を扁平とし、いずれも縦方向寸法を横方向寸法よりも短くしている。上述のように、縦横アスペクト比を扁平とすることの効果を先端短絡部における例を用いて以下に詳細に述べる。
まず、前述した通り、低インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法17は、基本線路区間における内導体1の横方向寸法aに比べて出来るだけ大きい(幅広い)ことが望ましい。さらに、高インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法18は、基本線路区間における内導体1の横方向寸法aに比べて出来るだけ小さい(幅狭い)ことが望ましい。
この発明における方形同軸線路4の断面形状においては、内導体1の縦方向寸法bを出来るだけ薄く形成することにより、高インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法18、低インピーダンス線路区間における内導体1−外導体2の間の抜き寸法19を最小限にすることが可能となる。従って、低インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法17を、基本線路区間における内導体1の横方向寸法aに比べて出来るだけ大きく、高インピーダンス線路区間における内導体1の横方向寸法18を、基本線路区間における内導体1の横方向寸法aに比べて出来るだけ小さくすることが可能となる。
したがって、この発明に示す方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいては、薄い導体板プレートを用いて、プレートの横(幅)方向に大きく、プレートの縦(厚)方向に対して小さな、扁平な断面形状を有する内導体1を形成することによって、隣接の方形同軸線路スロットアレーアンテナを狭ピッチで設置するのに十分な壁厚を確保した上で、グレーティングローブを抑圧する上で重要な波長短縮設計において十分な設計自由度を確保することを可能とする。さらに、大量生産に適したエッチング加工やプレス加工などの加工方法に適用することにより、製造誤差やこれにより生じるアンテナ性能ばらつきを最小限に抑えることができる。また、幅方向寸法に関係なく、厚さ方向寸法を最小限とすることができるので、アンテナ厚さを薄型化、体積を小型化することも可能となる。
上記アスペクト比の値としては、例えば、図3、図4において、扁平化した内導体1のアスペクト比(A:B)を7:2、扁平化した外導体2の内面のアスペクト比(a:b)を3:2とする。また、内導体1のアスペクト比(扁平率)の方を外導体2の内面に比べて大きく扁平させた方が方形同軸線路4と放射スロット3、または方形同軸線路4と結合孔6との結合度を弱くしたい場合に適している。
また、外導体2の内面のアスペクト比(扁平率)の方を内導体1のアスペクト比に比べて大きく扁平させた方が方形同軸線路4と放射スロット3、または方形同軸線路4と結合孔6との結合度を強くしたい場合や、前述した蛇行形状11などの波長短縮構造をより強化したい場合に適している。
また、方形同軸線路4において、放射スロット3、または、結合孔6のいずれか片側への結合度を強めたい場合には、内導体1と放射スロット3、または、内導体1と結合孔6のいずれか片側の距離が縮まるように、内導体1、外導体2における断面中心を偏心させればよい。例えば、方形同軸線路4と結合孔6との結合度を強めたい場合には、図5(a)に示すように、内導体1における断面中心が結合孔6に近づくように下方へ偏心させる。また、方形同軸線路4と放射スロット3との結合度を強めたい場合には、図5(b)に示すように、内導体1における断面中心が放射スロット3に近づくように上方へ偏心させる。
また、以上の実施の形態においては、方形同軸線路4を構成する内導体1、外導体2内面のそれぞれの断面形状において、四辺形(四辺形 quadangle:4つの線分で囲まれた平面図形であり、線分でなく曲線で囲まれた場合もある)で形成されていると記述してきたが、これは4つの線分が互いに平行である必要は無く、更に4つの線分がエッジで結ばれている必要はない(曲線で結ばれる場合もある)。また、前述した形状は、加工Rや抜き勾配、テーパー形状、ダレ形状、バリ形状などのエッチング加工やプレス加工などの加工上の理由により付加された形状も含む。
また、図3(b)及び図4(b)では、方形同軸線路4の管軸方向に垂直な断面内において、内導体1の縦方向寸法bまたは外導体2の内面の縦方向寸法Bの両者とも内導体1の横方向寸法aまたは外導体2の内面の縦方向寸法Aよりもそれぞれ短くしているが、内導体1の縦方向寸法bまたは外導体2の内面の縦方向寸法Bのいずれかを内導体1の横方向寸法aまたは外導体2の内面の縦方向寸法Aよりも短くする場合であってもよい。
この発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯を含む導波路及びアンテナ構造に適用できる。
1 内導体、2 外導体、3 放射スロット、4 方形同軸線路、5 短絡板、6 給電機構と同軸線路とをつなぐ結合孔、7 方形同軸線路スロットアンテナアレーの最小単位(サブアレー)、8 サブアレー7への給電回路、10 内導体1に設けられた切り欠き構造、11 内導体1に設けられた蛇行形状、12 切り欠きの長さ、13 内導体1において切り欠き構造10を付加した後の導体残し寸法、14 外導体2と内導体1の間の抜き寸法、15 低インピーダンス線路区間、16 高インピーダンス線路区間、17 低インピーダンス線路区間における内導体の横方向寸法、18 高インピーダンス線路区間における内導体の横方向寸法、19 低インピーダンス線路区間における内導体−外導体の間の抜き寸法。

Claims (8)

  1. 四辺形断面を有する内導体と当該内導体の外周を四辺形断面の内面形状により取り囲むように設けられた外導体とから構成され、両端部を短絡してなる方形同軸線路と、
    前記方形同軸線路を励振させるための給電手段と、
    前記方形同軸線路の管軸方向に対してある角度をなして前記外導体に設けられた概略共振長の複数のスロットと
    を備え、
    前記複数のスロットを前記方形同軸線路の管軸方向に平行な前記外導体上の任意の一側面に設けてアレーアンテナを構成した方形同軸線路スロットアレーアンテナであって、
    前記方形同軸線路の管軸方向に垂直な断面内において、前記内導体の縦方向寸法または前記外導体の内面の縦方向寸法の少なくともいずれか一方を横方向寸法に比べて短くした
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  2. 請求項1に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記内導体における横方向寸法/縦方向寸法のアスペクト比を、前記外導体の内面における横方向寸法/縦方向寸法のアスペクト比に比べて大きくした
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  3. 請求項1に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記外導体の内面における横方向寸法/縦方向寸法のアスペクト比を、前記内導体における横方向寸法/縦方向寸法のアスペクト比に比べて大きくした
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記管軸方向に配列された複数個のスロットを互いの間隔が自由空間での略1波長より短くなるように、前記スロット間に配置されている前記内導体の一部を蛇行状に形成した
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  5. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記管軸方向に配列された複数個のスロットを互いの間隔が自由空間での略1波長より短くなるように、前記方形同軸線路の両端部における短絡箇所と当該短絡箇所に隣接する前記スロットとの間の前記内導体の横方向寸法を、それ以外の基本線路区間における前記内導体の横方向寸法に対して、短絡端から順に短い横方向寸法、長い横方法寸法とした
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記内導体における断面中心を前記外導体における断面中心から偏心させた
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  7. 請求項6に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記内導体と前記複数のスロットとの間隔の方が前記内導体と前記結合孔との間隔よりも近くなるように、前記内導体における断面中心を前記複数のスロット側へ偏心させた
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
  8. 請求項6に記載の方形同軸線路スロットアレーアンテナにおいて、
    前記内導体と前記結合孔との間隔の方が前記内導体と前記複数のスロットとの間隔よりも近くなるように、前記内導体における断面中心を前記結合孔の側へ偏心させた
    ことを特徴とする方形同軸線路スロットアレーアンテナ。
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