JP4978438B2 - 成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光機能や発色機能等々、様々な機能をもつ機能性物質を含む材料を基板上に成膜する成膜方法に関する。
薄型で軽量な発光源として、OLED(organic light emitting diode)、すなわち有機EL(electro luminescent)素子が注目を集めており、多数の有機EL素子を備える画像表示装置が開発されている。有機EL素子は、前記機能性物質としての有機EL物質を含む有機薄膜をピクセル電極と対向電極とで挟んだ構造を有する。このような有機EL素子の1つ1つは、画像表示装置において画素を構成しうる。
前述の画像表示装置は、典型的には例えば、素子基板上に、画像表示領域とその周辺領域とをもつ。
ここで画像表示領域とは、前記の多数の有機EL素子が例えばマトリクス状に配列された領域である。この場合、これら有機EL素子の全部に関して共通する有機薄膜が形成される場合もあるが、有機EL素子の各々が1個ずつ前記有機薄膜を持つように、当該有機薄膜が形成される場合もある。後者の場合、1個1個の画素の区別は、例えば発光領域を規制する絶縁膜、ないしは隔壁(いわゆるバンク)を形成すること等によって図られる。
一方、前記周辺領域には、有機EL素子に電源、あるいは各種の信号を供給するための電源回路、各種信号処理回路、更には外部との信号等のやり取りに用いられる入出力端子等が設けられる。
このような画像表示装置としては、例えば特許文献1及び2に開示されているようなものが知られている。
特開2005−259717号公報 特開2006−51412号公報
ところで、上述のような画像表示装置において、前記有機薄膜は、例えば液滴吐出法(インクジェット法)を用いることによって素子基板上に形成される。ここで、その液とは、有効成分としての前記有機EL物質たる溶質が適当な分散媒又は溶媒に分散又は溶解した溶液(以下、「有機溶液」ということがある。)をいう。
このような有機薄膜の製造方法では、画像表示領域内における全有機EL素子の発光特性の均一化等を図るために、各有機EL素子、あるいは各画素が保有する有機溶液量は同じとなることが望ましい。これによれば、前記溶媒を蒸発させた後、各有機EL素子が保有する前記溶質(即ち、有機EL物質)の量がほぼ同じになるからである。
しかしながら、このような要請を満たすのは一般に困難である。というのも、前記液滴の吐出態様の相違(例えば、液滴1つ1つの量の相違)や当該液滴がもつ表面張力の影響、あるいは、有機溶液塗布後、素子基板面内の位置の相違に応じた当該有機溶液内の溶媒分子の分圧の相違の影響、等によって、最終的に、各画素に保持される有機EL物質の量につき差異が生じ得るからである。また、1個の画素内においても有機EL物質の偏りが生じる場合もある。
特に、前記溶媒分子の分圧に係る原因は、画像表示領域の中央部分における前記溶媒の蒸発が、その周辺部分におけるそれよりも一般に活発には行われなくする原因となる。この場合、当該周辺部分における有機EL素子は、より少ない有機EL物質しか保有しない、という事態が発生しやすくなる。また、同様の現象は画像表示領域内の周辺部分に位置する画素の内部でも発生する。すなわち、当該画素の中央部分はより多くの有機EL物質を保持し、その周辺部分はより少ない有機EL物質しか保持しない、ということが生じるのである。
そこで、従来、このような不具合を解消するため、例えば前記特許文献1のように、前記周辺領域上に、画像表示領域上の有機EL素子と同様の構造をもつ、いわゆるダミー画素を設けることが行われている(特許文献1の〔請求項1〕、〔図12〕、〔図4〕等)。これによると、前述した、有機EL物質量がより少なくなってしまう部分を、そのダミー画素の形成領域が担当することが可能になる。つまり、“周辺部分における蒸発促進現象”はダミー画像の形成領域で生じさせることとして、画像表示領域における有機EL素子には、当該現象の影響が及ばないようにするのである。以上により、全画素は、ほぼ同量の有機EL物質を保有することが可能になる。
しかしながら、このような目的を実現するためには、通常比較的多数のダミー画素を設ける必要がある。すると、それに応じて、周辺領域が比較的広大な面積を持つ必要が生じ、結果的に、装置全体の大型化を招くことになってしまうおそれがある。
他方、前記特許文献2においては、前述のようなダミー画素は設けないものの、前記と同様の問題意識の下、「機能性材料からなる膜」の基となる「機能液」の「液媒体」と、「同一または略同等の蒸気圧を有する溶媒」を、「膜形成領域の周辺域」に塗布する成膜方法が開示されている(以上、「」内は特許文献2の〔請求項1〕)。これによっても、これら「機能液」と「溶媒」とを同時に蒸発させた場合、前述した蒸発促進現象は、当該の「溶媒」に関して生じることになるから、やはり、画像表示領域を占める全画素は、ほぼ同量の有機EL物質を保有することが可能になる。しかも、かかる方法では、周辺領域に「ダミー画素」を設けない、つまり、周辺領域に有機溶液を塗布するのではないから、蒸発工程後、例えば有機EL物質等の「不必要な物(膜)」(特許文献2の〔0010〕)が残らない、という利点もある。
しかしながら、この特許文献2においても、「周辺域」(今まで用いてきた用語で言えば「周辺領域」)を利用するという点について前記特許文献1との間に甚大なる懸隔はなく、したがって、前述した周辺領域の広大化、装置全体の大型化という問題は依然同様に付き纏う。
なお、上述のような問題は、有機EL素子だけでなく、液晶表示装置等に備えられるカラーフィルタ等を製造する場合においても生じ得る。この場合、前記で「有機EL物質」とあるところを、「発色物質」、あるいは「所定波長を持つ光のみを透過する物質」等々と読み替えれば、殆ど同じ問題状況が呈される。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、画像表示領域を取り巻く周辺領域の狭小化を可能としながら、画像表示領域内の全画素が略同量の機能性物質を保持し得る成膜方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、これに関わる問題を解決し得る成膜方法を提供することをも課題とする。
本発明の第1の観点に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、基板上の第1領域内且つ当該第1領域を所定数に分割する小領域ごとに、機能性物質を含む溶質とその溶媒とを含む第1材料を塗布する第1塗布工程と、少なくとも前記溶媒と同一の材料を含む第2材料を、前記基板上の前記第1領域を取り囲む第2領域内に塗布する第2塗布工程と、前記第1材料中の前記溶媒及び前記第2材料中の前記材料をともに蒸発させる蒸発工程と、を備え、前記第1領域は、その内部に、前記小領域に加え、これら小領域のうち隣接し合う小領域間を区画する区画領域を含み、1個の小領域及び1個の区画領域は一単位領域を構成しており、前記第2塗布工程における前記第2領域の幅は、前記第1領域における前記小領域の合計幅と、該第2領域内に前記一単位領域と同様の配列構造を有する域外小領域及び域外区画領域からなる域外一単位領域の前記域外小領域に塗布された前記第2材料を蒸発させたとする場合において、前記域外小領域に塗布された前記第2材料の全量が蒸発する時点が前記第1領域の前記小領域に塗布された前記第1材料の全量が蒸発する時点とほぼ同時となるように設定される前記域外小領域の数の平方根と、の積に基づいて設定される。
また、基板上の第1領域内且つ当該第1領域を所定数に分割する小領域ごとに、機能性物質を含む溶質とその溶媒とを含む第1材料を塗布する第1塗布工程と、少なくとも前記溶媒と同一の材料を含む第2材料を、前記第1領域を取り囲むように、前記基板上に塗布する第2塗布工程と、前記第1材料中の前記溶媒及び前記第2材料中の前記材料をともに蒸発させる蒸発工程と、を備え、前記第2塗布工程は、前記第2材料が、前記第1領域の最外郭に位置する或る1つの前記小領域に接続する、当該第1領域外の第2領域に、かつ、その体積が前記小領域の1つについて塗布される前記第1材料の単位的体積に基づいて定められる値に一致するように、塗布される工程、を含んで実施される。
本発明によれば、第2材料が第1領域を取り囲むように塗布されることにより、有機EL物質等の機能性物質を含む、蒸発工程後の第1材料の第1領域内における膜厚を略均一化することが可能である。
これに加えて、本発明では、第2領域(これは定義上当然、「第1領域を取り囲む」領域に含まれる。)に塗布されるべき第2材料の体積が、適切に決定され得るようになっている。これは以下の事情による。
すなわち、上で規定されている「単位的体積」とは、「小領域の1つについて」定められる値であるから、およそ本発明のような、小領域ごとの材料塗布工程を伴う成膜方法に関して言えば、様々な場合において、最小単位あるいは基準単位となり得る資格をもつ値ということができる。例えば、蒸発工程後の第1材料の第1領域内における膜厚を略均一化するために必要となる条件(以下、「均一化条件」ということがある。)を満たすためにも、この「単位的体積」という値は基準として用いられ得るのである(実際、上記〔発明が解決しようとする課題〕で述べた「ダミー画素」を設けるという方策は、そのような考え方に基づいていると考えることができる。というのも、かかる方策では、そのダミー画素の1個1個につき塗布される前記有機溶液(これは、前記「単位的体積」なる概念と極めて親近性がある。)が、全画素の有機EL物質の保持量を均一化する基準、と考えることが可能だからである。)。
そうすると、第2領域に塗布されるべき第2材料の体積が「単位的体積」に基づいて定められるということは、その「単位的体積」をあたかも仲介とするようにして、前記均一化条件としての当該第2材料の体積を好適に定め得ることの可能性が担保されることを意味する。
そして、このようにして求められ得る好適な体積は、当該第2材料の好適な量に直結する。
以上のことから、本発明によれば、均一化条件を満足しながら、なお塗布されるべき第2材料の量が好適に制限され得ることから、当該第2材料が第1領域周囲の周辺領域を過大に占拠するようなことがない。
よって、本発明によれば、第1領域内の全小領域に略同量の機能性物質を保持させることを可能にしながら、しかも狭額縁化をも実現することができる。
この発明の発光装置では、前記第1領域は、その内部に、前記小領域に加え、これら小領域のうち隣接し合う小領域間を区画する区画領域を含み、1個の小領域及び1個の区画領域は一単位領域を構成し、前記単位的体積は、前記第2領域に、前記一単位領域と同様の配列構造を持つ、域外小領域及び域外区画領域からなる域外一単位領域が並べられ、かつ、そのうちの域外小領域の1つについて前記第1材料が塗布されたとする場合における、当該第1材料の体積に基づいて、定められる、ように構成してもよい。
この態様によれば、上記〔発明が解決しようとする課題〕で述べた「ダミー画素」の考え方と、基本的に同一線にある「域外小領域」に、第1材料が塗布される場合が想定される。そして、前述の「単位的体積」は、この域外小領域の1つについて第1材料が塗布される場合の、その体積に基づいて定められる(そうして更に、第2材料の体積は、かかる「単位的体積」に基づいて定められる。)。
このようであるから、本態様では、第1材料及び第2材料の蒸発工程における挙動に与える影響という観点から、両材料の「体積」を同視しうることが例えば前提されるならば、仮に、前記ダミー画素が設けられ、その形成領域に第2材料が塗布されるとした場合における当該第2材料の量に基づいて、現に塗布されるべき第2材料の量が定められ得ることになる(なお、例えば第1及び第2材料が同じ組成をもつ場合には、前記の前提を特に置く必要はない。)。
よって、本態様によれば、本発明に係る前述した効果が、より実効的に奏される。
なお、本態様に関し注意を要するのは、「域外小領域」及び「域外区画領域」、並びにこれらからなる「域外一単位領域」の各領域は、現実に基板上に確保されることが予定されていないということである。これら各領域は、「単位的体積」を好適に設定するための、あくまでも“想定上の存在”である。本態様にいう「並べられ、かつ、…塗布されたとする場合」という用語選択は、かかる事情を含意する。
この態様では、前記第2領域に想定上並べられる前記域外一単位領域の数は、前記蒸発工程後の前記第1材料の前記第1領域内における膜厚を略均一化するように定められ、前記第2材料の体積は、複数の前記域外小領域に前記第1材料が塗布されたとする場合における、当該第1材料の全体積に基づいて、定められる、ように構成してもよい。
これによれば、前述の態様の技術的思想がより推し進められて、第2材料の体積は、前記均一化条件を満たす数からなる域外小領域のすべてに第1材料を塗布したとする場合における、その全体積に基づいて定められる。これによれば、原理的には、仮に、前記ダミー画素が設けられ、その形成領域に第2材料が塗布されるとした場合における当該第2材料の量と殆ど同じ量の第2材料が、第2領域に塗布され得ることになる。
よって、本態様によれば、本発明に係る前述した効果が、更に実効的に奏されることになる。
ちなみに、前記の態様の場合もそうであるが、この場合、少なくとも前述の「区画領域」の形成領域分、前記周辺領域の狭小化が可能である。これは、前記「ダミー画素」を設ける場合と比較した場合における、本発明に係る、顕著かつ明瞭な効果である。
本発明の第2の観点に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、基板上の第1領域内且つ当該第1領域を所定数に分割する小領域ごとに、機能性物質を含む溶質とその溶媒とを含む第1材料を塗布する第1塗布工程と、少なくとも前記溶媒と同一の材料を含む第2材料を、前記第1領域を取り囲むように、前記基板上に塗布する第2塗布工程と、前記第1材料中の前記溶媒及び前記第2材料中の前記材料をともに蒸発させる蒸発工程と、を備え、前記第2塗布工程は、前記第2材料が、前記第1領域の最外郭に位置する或る1つの前記小領域に接続する、当該第1領域外の第2領域に、かつ、その表面積が前記小領域の1つについて塗布される前記第1材料の単位的表面積に基づいて定められる値に一致するように、塗布される工程、を含んで実施される。
本発明によれば、前述の「体積」に代えて、「表面積」が中心概念となっている。そのような変更はあるものの、基本的に、前述した本発明の第1の観点に係る発光装置に関する説明中、「体積」とあるところを、「表面積」と読み替えることで把握される作用が、本発明によっても奏されることになる。
したがって、本発明によれば、第1領域内の全小領域に略同量の機能性物質を保持させることを可能にしながら、しかも狭額縁化をも実現することができる。
この発明の発光装置では、前記第1領域は、その内部に、前記小領域に加え、これら小領域のうち隣接し合う小領域間を区画する区画領域を含み、1個の小領域及び1個の区画領域は一単位領域を構成し、前記単位的表面積は、前記第2領域に、前記一単位領域と同様の配列構造を持つ、域外小領域及び域外区画領域からなる域外一単位領域が並べられ、かつ、そのうちの域外小領域の1つについて前記第1材料が塗布されたとする場合における、当該第1材料の表面積に基づいて、定められる、ように構成してもよい。
この態様によれば、前述の「体積」を構成要素とする同趣旨の態様に関して説明したのと同様の理由により、本発明に係る前述した効果が、より実効的に奏されることになる。
なお、「域外小領域」及び「域外区画領域」、並びにこれらからなる「域外一単位領域」の各領域に関する注意事項は、既に述べたところと同じである。
この態様では、前記第2領域に想定上並べられる前記域外一単位領域の数は、前記蒸発工程後の前記第1材料の前記第1領域内における膜厚を略均一化するように定められ、前記第2材料の表面積は、複数の域外一単位領域内の複数の前記域外小領域に前記第1材料が塗布されたとする場合における、当該第1材料の全表面積に基づいて、定められる、ように構成してもよい。
これによれば、前述の「体積」を構成要素とする同趣旨の態様に関して説明したのと同様の理由により、本発明に係る前述した効果が、更に実効的に奏されることになる。
本発明の第3の観点に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、基板上の第1領域内且つ当該第1領域を所定数に分割する小領域ごとに、機能性物質を含む溶質とその溶媒とを含む第1材料を塗布する第1塗布工程と、少なくとも前記溶媒と同一の材料を含む第2材料を、前記第1領域を取り囲むように、前記基板上に塗布する第2塗布工程と、前記第1材料中の前記溶媒及び前記第2材料中の前記材料をともに蒸発させる蒸発工程と、を備え、前記第1領域は、その内部に、前記小領域に加え、これら小領域のうち隣接し合う小領域間を区画する区画領域を含み、1個の小領域及び1個の区画領域は一単位領域を構成し、かつ、前記第1領域の輪郭線に接し、かつ、該輪郭線から遠ざかるように想定上並べられる、域外一単位領域(ここでいう「域外一単位領域」とは、前記一単位領域と同様の配列構造を持つ、域外小領域及び域外区画領域からなる領域をいう。)の数が、当該域外一単位領域それぞれの域外小領域に前記第1材料が塗布され且つ蒸発させられたとする場合、当該第1材料の前記第1領域内における膜厚を略均一化するように、定められ、前記第2塗布工程は、前記第2材料が、前記第1領域の輪郭線からみて、前記域外一単位領域の数の平方根に基づいて定められる距離まで塗布されるように、実施される。
本発明によれば、第1に、第2材料が第1領域を取り囲むように塗布されることにより、有機EL物質等の機能性物質を含む、蒸発工程後の第1材料の第1領域内における膜厚を略均一化することが可能である。
これに加えて、本発明では、第1領域周囲の、第2材料が塗布されるべき領域の広さが、適切に決定され得るようになっている。これは以下の事情による。
すなわち、本発明では、上記〔発明が解決しようとする課題〕で述べた「ダミー画素」の考え方と基本的に同一線にある「域外小領域」を含む「域外一単位領域」の存在が“想定”される。そして、その域外一単位領域の「数」が、蒸発工程後の第1材料の第1領域内における膜厚を略均一化するように定められる。ここで定められる「数」とは要するに、前述した“蒸発促進現象”が生じることが見込まれる領域をカバーするのに当該域外一単位領域は何個並べられなければならないか、という考慮に基づいて定められる数である。
そして、本発明では、この「数」に基づき、より詳細には、その「数の平方根」に基づいて、第2材料が塗布されるべき領域の範囲(距離)が画定されるようになっている。ここで、「平方根」が出てくる根拠は、仮に、前記のように定められた「数」だけ、現に「域外一単位領域」が確保され、その領域中の域外小領域に第2材料が塗布されるとした場合における当該第2材料の量と、本発明において(即ち、実際には「域外一単位領域」が設けられない場合において)塗布されるべき第2材料の量とを、同じにしようとする技術的発想にある。この技術的発想と平方根との間の関係については、後の実施形態の説明の際触れることにする。
このようにして、本発明によれば、前記ダミー画素を設けた場合と同じ量の第2材料が確保されながら(つまり、その場合と同等の均一化条件が満たされながら)、当該第2材料が塗布される領域が好適に制限されるようになっているのである。
よって、本発明によれば、第1領域内の全小領域に略同量の機能性物質を保持させることを可能にしながら、狭額縁化をも実現することができる。
以上の、第1乃至第3の観点に係る本発明の発光装置では、前記第2材料は、前記第1領域を取り囲む領域を、所定数の領域に分割する隔壁によって囲われた空間に塗布される、ように構成してもよい。
この態様によれば、第2材料が隔壁によって囲われた空間に塗布されることから、例えば、基板が傾いたとしても、当該第2材料が当該基板の一部に偏って存在する、ということが生じない。したがって、蒸発工程では、第1材料を第1領域内において均一的に蒸発させることが可能となり、もって、第1領域内の全小領域に略同量の機能性物質を保持させることが、前記にも増してより実効的に確保される。
また、本発明の第1乃至第3の観点に係る発光装置では、前記第2材料は、前記溶媒を含み、前記溶質を含まない、ように構成してもよい。
この態様によれば、第2材料は、溶質を含まないので、蒸発工程が完了した後、当該溶質が第1領域の周囲に取り残されるということがない。したがって、この、かつて第2材料が塗布されていた第1領域の周囲の領域には、例えば、小領域に残された機能性物質に電流を供給するための電極等を設置することが可能となる等、周辺領域の有効利用が可能になる。
また、本発明の第1乃至第3の観点に係る発光装置では、前記第2塗布工程が、前記第1塗布工程よりも前に実施される、ように構成してもよい。
これによれば、前記溶媒の沸点が比較的低く、また蒸気圧が比較的高い場合に好適に対応することができる。というのも、かかる場合、溶媒の自発的蒸発が促進しやすい状況にあるため、第1塗布工程を実行している最中においても第1材料中の溶媒の蒸発が進行することが考えられるが、この際、第2材料が既に存在しているのであれば、その蒸発現象を均一化させることが可能となるからである。第1塗布工程と第2塗布工程とを同時に、あるいは後者を前者よりも後に実施すると、そのような利益を享受することが困難である。
あるいは、前記第2塗布工程が、前記第1塗布工程と同時に実施される、ように構成してもよい。
これによれば、前記とは逆に、前記溶媒の沸点が比較的高く、また蒸気圧が比較的低い場合に好適に対応することができる。この場合は、前記とは逆に、溶媒の自発的蒸発が促進しやすい状況にはないから、第1塗布工程と第2塗布工程との実施時期について、特別な配慮を払う必要は特にない。ただ、そうであれば、第1及び第2塗布工程は同じ塗布工程なのであるから、工程数削減等の観点から、両者が同時に実施されることが好ましいということはいえる。
このようにして、本態様によれば、工程数削減等によるコスト低減を享受することが可能である。
ただし、先に述べた趣旨から、本発明一般に関していえば、前述のように溶媒の沸点が比較的高く、また蒸気圧が比較的低い場合、第2塗布工程は、第1塗布工程の後に実施されてもよいし、あるいは、前に実施されてもよい。要するに、この場合、第1塗布工程実施中の蒸発、ということに気を配る必要はないので、そのような観点からは、両工程の順序に特に拘る必要はないのである。
また、上記の2つの態様において、沸点の高低を定める基準は、1気圧における温度200℃に求めることができる。つまり、第2塗布工程を先行実施して好適なのは、溶媒の沸点が200℃を下回る場合、第1及び第2塗布工程を同時に実施して好適なのは、200℃以上の場合、と一応考えることができる。
また、本発明の第1乃至第3の観点に係る発光装置では、前記第1領域を分割する前記小領域の全数は、複数の小領域にグループ分けされ、前記第1塗布工程は、前記複数の小領域群の各々に、前記第1材料を塗布する工程を含み、前記蒸発工程は、前記複数の小領域群の各々に対応するように個別に実施される、ように構成してもよい。
この態様によれば、典型的には例えば、以下のような成膜処理が行われる。
すなわち、第1に、第1の小領域群に機能性物質Aを含む第1材料が塗布され、それに次いで当該第1材料についての蒸発工程が行われる。第2に、第2の小領域群に機能性物質Bを含む第1材料が塗布され、それに次いで蒸発工程が行われる。以下、第3,第4,…の小領域群に、機能性物質C,D,…を含む第1材料が塗布され、そのそれぞれに次いで各蒸発工程が行われる、というようである。
このようであると、これら、塗布及び蒸発工程を1セットとする各セットにおいて塗布されるべき第1材料の量は、全小領域に一挙に第1材料を塗布する場合に比べて、減少する。つまり、この場合、第1材料の第1領域内における膜厚の均一化に必要な第2材料の量は、より少なくともよくなる。したがって、第2材料が塗布されるべき領域は、前記にも増して更に狭小化することが可能となるのである。
以上により、本態様によれば、前述した本発明に係る効果がより実効的に奏されることになる。
以下では、本発明に係る実施の形態について図1乃至図11を参照しながら説明する。なお、これらの図面及び後に参照する図12以降の各図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
図1は、本発明に係る成膜方法を用いて製造された有機EL装置の一例を示す平面図である。
この図1において、有機EL装置は、素子基板7と、この素子基板7上に形成される各種の要素を備えている。ここで各種の要素とは、有機EL素子8、走査線3及びデータ線6、走査線駆動回路103A及び103B、データ線駆動回路106、プリチャージ回路106A、並びに対向電極用電源線201を備えている。
有機EL素子(発光素子)8は、図1に示すように、素子基板7上に複数備えられており、それら複数の有機EL素子8はマトリクス状に配列されている。有機EL素子8の各々は、ピクセル電極、発光機能層及び対向電極から構成されているが、このうち発光機能層が、本発明に係る成膜方法によって製造されている。これらの各要素及びその成膜方法等の点については、後に改めて触れる。
画像表示領域7a(本発明にいう「第1領域」に該当する。)は、素子基板7上、これら複数の有機EL素子8が配列されている領域である。画像表示領域7aでは、各有機EL素子8の個別の発光及び非発光に基づき、所望の画像が表示され得る。なお、以下では、素子基板7の面のうち、この画像表示領域7aを除く領域を、「周辺領域」と呼ぶ。
走査線3及びデータ線6は、それぞれ、マトリクス状に配列された有機EL素子8の各行及び各列に対応するように配列されている。より詳しくは、走査線3は、図1に示すように、図中左右方向に沿って延び、かつ、周辺領域上に形成されている走査線駆動回路103A及び103Bに接続されている。一方、データ線6は、図中上下方向に沿って延び、かつ、周辺領域上に形成されているデータ線駆動回路106に接続されている。これら各走査線3及び各データ線6の各交点の近傍には、前述の有機EL素子8等を含む単位回路(ピクセル回路)Pが設けられている。
この単位回路Pは、図2に示すように、前述の有機EL素子8を含むほか、nチャネル型の第1トランジスタ68、pチャネル型の第2トランジスタ9、及び容量素子69を含む。
単位回路Pは、電流供給線113から給電を受ける。複数の電流供給線113は、図示しない電源に接続されている。
また、pチャネル型の第2トランジスタ9のソース電極は電流供給線113に接続される一方、そのドレイン電極は有機EL素子8のピクセル電極に接続される。この第2トランジスタ9のソース電極とゲート電極との間には、容量素子69が設けられている。一方、nチャネル型の第1トランジスタ68のゲート電極は走査線3に接続され、そのソース電極はデータ線6に接続され、そのドレイン電極は第2トランジスタ9のゲート電極と接続される。
単位回路Pは、その単位回路Pに対応する走査線3を走査線駆動回路103A及び103Bが選択すると、第1トランジスタ68がオンされて、データ線6を介して供給されるデータ信号を内部の容量素子69に保持する。そして、第2トランジスタ9が、データ信号のレベルに応じた電流を有機EL素子8に供給する。これにより、有機EL素子8は、データ信号のレベルに応じた輝度で発光する。
素子基板7上の周辺領域上には、プリチャージ回路106Aが備えられている。このプリチャージ回路106Aは、有機EL素子8へのデータ信号の書込み動作に先立って、データ線6を所定の電位に設定するための回路である。
また、対向電極用電源線201(以下、単に「電源線201」という。)は、素子基板7の外形輪郭線にほぼ沿うように、平面視してΠ字状の形状をもつ。この電源線201は、有機EL素子8の対向電極に例えばグランドレベル等の電源電圧を供給する。電源線201が、前記のような形状をもつのは、前記対向電極が、後述するように矩形状に形成されることに対応している。
なお、前述では、走査線駆動回路103A及び103B、データ線駆動回路106、並びにプリチャージ回路106Aのすべてが素子基板7上に形成される例について説明しているが、場合によっては、そのうちの全部又は一部を、フレキシブル基板に形成するのであってもよい。この場合、当該のフレキシブル基板と素子基板7との両当接部分に適当な端子を設けておくことにより、両者間の電気的な接続を可能とする。
平面視した場合に以上述べたような構成を備える有機EL装置は、図3に示すような積層構造物を備えている。なお、図3は、図1の画像表示領域7aと周辺領域(図3の符号93a)との境界を含むような視点が選ばれ、当該視点から臨んだ断面図を示している。
積層構造物は、図3に示すように、素子基板7を基準として、図中下から順に、回路素子薄膜11、第1層間絶縁膜301、第2層間絶縁膜302、ピクセル電極13、発光機能層18、及び対向電極5を含む。
このうち、第1及び第2層間絶縁膜301及び302(以下、単に「絶縁膜301及び302」ということがある。)は、その他の残る導電性要素間の短絡が生じないように、あるいは、これら導電性要素の積層構造物中の好適な配置を実現するため等に貢献する。これら絶縁膜301及び302は、様々な厚さでもって様々な絶縁性材料から作られうるが、好適には、各絶縁膜の積層構造物中の配置位置や役割等に応じて、適宜適当な厚さ及び材料が選択されるとよい。
より具体的には例えば、絶縁膜301及び302は、SiO、SiN、SiON等々で作られて好ましい。
回路素子薄膜11は、前述の単位回路Pに含まれる第1トランジスタ68や第2トランジスタ9等を含む。図では極めて簡略化されて描かれているが、この回路素子薄膜11は、これら各種のトランジスタを構成する半導体層、ゲート絶縁膜、ゲートメタル等や容量素子69を構成する電極用薄膜(いずれも不図示)、その他の金属薄膜から構成される。なお、図3に示す積層構造物中には、前述した走査線3及びデータ線6も当然構築されているが、その図示は省略されている。
一方、前述の有機EL素子8の各々は、図3に示すように、積層構造物を構成する前述の各種の要素のうち、ピクセル電極13、発光機能層18及び対向電極5から構成される。
このうちピクセル電極13は、素子基板7上に、マトリクス状に配列するように形成されている。有機EL素子8がマトリクス状に配列されているということは、このようにピクセル電極13がマトリクス状に配列されているということに相応する(図1及び図3参照)。
このピクセル電極13は、コンタクトホール360を介して、前述の回路素子薄膜11と電気的に接続されている。これにより、このピクセル電極13は、図2に示した第2トランジスタ9を介して電流供給線113から供給される電流を、発光機能層18に印加可能である。なお、コンタクトホール360は、第1及び第2層間絶縁膜301及び302を貫通するようにして形成されている。
このようなピクセル電極13は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性の材料から作られている。
平面視して、隣接するピクセル電極13間の領域には、図3に示すように、隔壁(バンク)330が形成されている。この隔壁330の図中上下方向の実際上の高さは概ね1〜2μmである。この隔壁330は、各有機EL素子8を区画する役割を担う。
このような隔壁330は、例えば絶縁性の透明樹脂材料、その中でも特に撥液性をもつ材料で作られて好適である(その理由は後の成膜方法の説明において明らかになる。)。より具体的には例えば、フッ素系樹脂、あるいは更に、アクリル樹脂の他、エポキシ樹脂、あるいはポリイミドなどを挙げることができる。
なお、隔壁330がこのような各種の樹脂材料から作られている場合には、その基層を、例えばSiO等の無機材料で作るようにするとよい(即ち、この場合、隔壁330は下層側に無機物質、上層側に有機物質という積層構造を持つことになる。)。これによれば、ピクセル電極13が上述のようにITO等から作られている場合においても、当該ピクセル電極13と隔壁330との密着性を高めることができる。
発光機能層18は、図3に示すように、ピクセル電極13の上に形成されている。この発光機能層18は、少なくとも有機発光層を含み、有機発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から構成されている。図3では、この有機EL物質は高分子材料であって、後に説明する成膜方法により形成される。この場合、当該有機EL物質は、前記隔壁330により区画された各空間内のみに(即ち、ピクセルごとに)供給される。
このように、隔壁330により区画された空間のみに有機EL物質を供給する態様によると、発光機能層を、色毎に、区別して設けることができる。すなわち、前記空間ごとに、例えば、赤色光、緑色光及び青色光それぞれ専用の有機EL物質を含む発光機能層を形成することが可能である。
発光機能層18を構成する他の層として、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び正孔ブロック層の一部又は全部を備えていてもよい。
対向電極5は、複数の有機EL素子8の発光機能層18に接触している。つまり、対向電極5は、複数のピクセル電極13に共通するように、隔壁330で画定された発光機能層18の区域及び隔壁330の上に広がっている。この対向電極5は、平面視して矩形状(その内部に特別な開口、間隙等をもたない、いわゆるベタ)に形成される。対向電極5の周囲は、図1に示した電源線201に電気的に接続される(その接続態様は不図示)。
この実施の形態では、ピクセル電極13は陽極で、対向電極5は陰極だが、その逆であってもよい。
このような対向電極5は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性の材料から作られてよいが、図3の場合、比較的光反射率の高い金属、例えばアルミニウム等を含んで作られている。これにより、発光機能層18を発した光は、対向電極5の図中下面で反射して、素子基板7の存在する側に進行する。このように、本実施形態の有機EL装置は、いわゆるボトムエミッション型である。対向電極5を前記ITO等の透光性材料で作る場合には、例えばピクセル電極13からみて図中下層側に別途反射層を設けておくとよい。この場合、当該の有機EL装置は、いわゆるトップエミッション型となる。
以上の構成において、ピクセル電極13及び対向電極5間に電流が流されると同時に、発光機能層18に電流が流されると、当該発光機能層18は発光する(図2を参照して既に行った説明も参照。)。なお、本実施形態の有機EL装置はボトムエミッション型だから、素子基板7は、透光性材料から作られている必要がある。ただし、前述したトップエミッション型を採用するなら、素子基板7はセラミックスや金属等の不透明材料で作られてよい。ただし、この場合でもガラス等の透光性材料であってはいけないという理由は特にない。
また、以上述べた積層構造物の構成は、図3に示すように、画像表示領域7aのみを覆うように形成されている。周辺領域93aにも積層構造物は形成されているが、当該積層構造物は、画像表示領域7a上のそれとは異なり、図3に示すように、第1及び第2層間絶縁膜301及び302、及び、前記隔壁330と同一膜として形成されている隔壁332Dのみからなる構造をもつ。この隔壁332Dは、素子基板7の外形輪郭を縁取るように延在する。
以下では、以上述べたような有機EL装置の製造方法、特にその有機EL素子8を構成する発光機能層18の成膜方法について説明する。
<本実施形態の成膜方法が適用される基板>
まず、本実施形態の成膜方法が適用される基板、特にその具体的な大きさ等について説明する。
本実施形態において、素子基板7の材料として、400mm×500mmのガラス基板を準備する。図1に示す素子基板7は、このガラス基板の中に、50mm×40mmの外形を持つチップとして含まれる。
より詳細に、素子基板7は、既述のように画像表示領域7aと周辺領域93aとをもつが、このうち、画像表示領域7aは、これも既述のように有機EL素子8がマトリクス状に配列される領域として規定される。
この有機EL素子8の1つ1つは、図4に示すように、平面視してトラック形状をもつ。このような、いわば角部が丸められた形状は、その内部に供給されるインクが表面張力をもつにも関わらず、当該インクの当該内部の領域における安定的な保持を可能にする。これら有機EL素子8の各々の間を区画する区画領域は、前述した隔壁330の形成領域に一致する。
このような有機EL素子8のうち、図中最も右方の列に並ぶ有機EL素子8は、青色発光する有機EL物質を含む発光機能層18を備える。また、その左隣の列に並ぶ有機EL素子8は、緑色発光する有機EL物質を含む発光機能層18を、更にその左隣に並ぶ有機EL素子8は、赤色発光する有機EL物質を含む発光機能層18を、それぞれ備えている。以下、順次、青色用、緑色用、及び赤色用の有機EL素子8が並んでいく。
このように複数配列された有機EL素子8のうち、青色用、緑色用、及び赤色用の3つの有機EL素子8の1組は、図4に示すように、画素Gを構成する。つまり、3つのピクセルを一単位として、1つの画素Gが構成されるようになっている。このように、本実施形態では、「画素」という概念と、ピクセル(即ち、有機EL素子8)という概念は使い分けられる。
なお、本実施形態でいう「ピクセル」は、本発明にいう「小領域」に対応する。
一方、周辺領域93aは、前記の画像表示領域7aの周囲を取り巻くように位置する。ここで本実施形態では特に、この周辺領域93aの大きさが、予め、以下のように定められていることに特徴がある。すなわち、図4に示す距離WDは、以下の式を満たす。
WD=3・WP×SQR(10) … (1)
ここでWPは、図4に示すように1個の有機EL素子8の図中左右方向に関する幅であり、また、“SQR”は根号を表している。
この式(1)の根拠については後に改めて説明するが、本実施形態における周辺領域93aは、いわば、この式(1)に基づき定められた比較的小さな幅(つまり、前記でいう距離WD)をもつ帯が画像表示領域7aの周囲を縁取りするような領域として規定されているのである。
なお、図4に示す有機EL素子8の図中左右方向の幅、即ちピクセル幅WP、有機EL素子8間の隔壁330の同方向に関する幅、即ち隔壁幅WB、及び前記のWDは、本実施形態において、それぞれ、44μm、22μm及び417μm(最後者は、上記式(1)より、3×44×SQR(10)として求められている。)である。前二者により、図中左右方向に関する有機EL素子8間のピクセルピッチは66μmということになる。また、画像表示領域7aに並べられる有機EL素子8の全数は、176RGB×208個である。
さて、本実施形態に係る成膜方法は、周辺領域93aの大きさが画像表示領域7aとの関係において以上のようにして定められた素子基板7に対して、以下のように実施される。
<隔壁330の形成に至るまでの工程>
まず、素子基板7の上に、回路素子薄膜11、絶縁膜301及び302、並びにピクセル電極13が形成される。これらのいずれの成膜においても、既知であるところの、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法等の成膜方法や、あるいはフォトリソグラフィ法等が適宜利用される。その際、回路素子薄膜11の成膜では、第1トランジスタ68等のTFT(Thin Film Transistor)の製造が含まれるから、その半導体層へのドーピング工程等も行われ、また、ピクセル電極13の形成過程に際しては、絶縁膜301及び302にコンタクトホール360を形成するために、適当なエッチング工程等も行われる。
続いて、図5に示すように、隔壁330及び隔壁332Dが形成される。
この隔壁330は、例えば感光性ポリイミドの塗布後、露光工程、現像工程を経て、その外形形状(素・隔壁)が形成される。なお、この素・隔壁の形成過程においては、周辺領域93a上の隔壁332Dも、当該素・隔壁と同一の膜として同時に形成されることになる。
続いて、この素・隔壁に、例えば大気圧プラズマ処理等を施すことによって、当該素・隔壁の表面に撥液性ないし撥インク性をもたせる。ここで大気圧プラズマ処理には、O‐CF連続プラズマ処理等が含まれる。この場合、好適には例えば、大気圧下、パワー300W、電極-被処理基板間距離1mm、酸素ガス流量100ml/min、ヘリウムガス流量10l/minで酸素プラズマ処理を施し、続けて、CF4ガス流量100ml/min、ヘリウムガス流量10l/minでCF4プラズマ処理を施す。なお、素・隔壁がプラズマに曝される時間は、CFプラズマ処理における方が、酸素プラズマ処理における場合よりも比較的長めにとられるのが好ましい。
以上のようにして、隔壁330及び332Dは形成される。
<液滴塗布工程>
隔壁330の形成が完了した後には、続いて、発光機能層18の形成が行われる。本実施形態においては、発光機能層18として正孔注入層及び発光層を含むものを形成する例について説明する。これら正孔注入層及び発光層はいずれも、インクジェット法(液滴吐出法)によって形成される。
まず、正孔注入層18P(図8参照)が形成される。
その材料としては、正孔注入材料としてバイエル社のバイトロン(登録商標)を含み、これが,溶媒としての極性溶剤である、イソプロピルアルコール,N−メチルピロリドン,1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの混合物で分散させられた、正孔注入層形成用インクを準備する。この正孔注入層形成用インクは、図6に示すように、インクジェットヘッドIJHによって、ピクセル電極13の上、かつ、隔壁330によって囲まれた空間に向けて、液滴DR1として吐出される。この液滴DR1の吐出工程は、上述したピクセルピッチ66μmごとに行われる。
液滴DR1がピクセル電極13の上に着弾すると、図6に示すように、液滴18PDとなる。なお、これらの符号“18PD”及び“DR1”の使い分けは、単に説明の便宜上行われているに過ぎず、液滴18PD及びDR1間に本質的な相違があるわけではない。
このような液滴塗布工程の際、着弾前の液滴DR1も着弾後の液滴18PDも、撥液性ないし撥インク性をもつ隔壁330の表面を避けるように挙動することから、結果的に、液滴18PDは、図6に示すように、然るべき空間(即ち、隔壁330によって囲まれた空間)に好適に収められることになる。
なお、この液滴DR1、及びすぐ後に述べる液滴DR2の吐出に用いられるインクジェットヘッドIJHとしては、例えばエプソン製MJ−930Cが好適に利用される。
一方、このような液滴DR1の吐出工程に並行して、液滴DR2の吐出工程が行われる。この吐出工程は、図6に示すように、当該吐出が周辺領域93aにおける第2層間絶縁膜302の表面に向けられるようにして行われる。また、液滴DR2は、前記正孔注入層形成用インクを構成する前記溶媒のみからなる。
液滴DR2がピクセル電極13の上に着弾すると、図7に示すように、液滴185PDとなる。なお、ここでの符号“DR2”及び“185PD”の使い分けも、前述の液滴DR1及び18PDとの関係と同様のことが妥当する。つまり、両者間に本質的な相違があるわけではない。
ここで、本実施形態においては特に、この液滴185PDの塗布は、前述した距離WDによって画された範囲内にのみ行われることに注意を要する。また、本実施形態では、この液滴185PDの総質量が、一定の値に調整されていることについても特徴がある。これらの点についての説明は、いずれも、後に図9及び図10を参照して説明する比較例を参照しながら行うことが適当であるので、当該の説明はその際に行うこととする。
以上述べたような液滴吐出工程が完了すると、素子基板7上には、図7に示すような状態が現出することになる。すなわち、画像表示領域7aにおいては、隔壁330によって囲まれた空間ごとに複数の液滴18PDが備えられ、周辺領域93aにおいては、隔壁330及び332Dによって囲まれた第2層間絶縁膜302上の空間に液滴185PDが備えられる、というようである。これを仮に平面視するとすれば、マトリクス状に配列された液滴18PDの周囲を、液滴185PDが取り囲むような状況が呈されることになる(図4参照。ただし、図4においてこれら液滴は図示されない。)。
なお、以上のことからわかるように、本実施形態においては、正孔注入層形成用インクは、有機EL素子8ごとに、即ちピクセルごとに塗布されるようになっているが、このことは、本発明にいう「小領域ごとに…塗布する」に含まれる。また、液滴18PDの塗布は、画像表示領域7aに占める複数のピクセルの全部又は一部について一斉に(同時に)行われてよいし、更にいえば、1個1個のピクセルごとに逐次的に行われてよい。本発明にいう「小領域ごとに、…塗布する」には、以上の場合全部が含まれる。
<乾燥工程(蒸発工程)>
液滴18PD及び185PDの塗布が完了した後には、続いて、これらについての乾燥工程が行われる。この乾燥工程は、具体的には例えば、第1に、真空中(1torr(133.3Pa))、室温下のチャンバ内に被処理基板を載置した上20分経過を待ち、次いで第2に、窒素雰囲気中、200℃(被処理基板をホットプレート上に載置する。)という環境の下、10分間の熱処理を行う工程、等を含んで行われる。
これにより、液滴18PD及び185PDに含まれる前記溶媒は、図8に示すように蒸発する。液滴18PDについては、溶媒が蒸発した後、なお溶質としての前記正孔注入材料が残存するが、これが正孔注入層18Pとなる。他方、液滴185PDについては、溶媒のみからなるので、当該溶媒が蒸発した後には、周辺領域93aにおける第2層間絶縁膜302の上には原理的には何も残らない。
この乾燥工程の際には、周辺領域93aと画像表示領域7aとの境界の比較的近くに位置する画素Gないしはピクセルでは、液滴185PDの蒸発が比較的活発に行われることに助けられて、過剰に蒸発が促進するということがない。つまり、画像表示領域7a内の各ピクセルは、略同一の厚さをもつ正孔注入層18P(換言すれば、略同一の正孔注入材料を保有する正孔注入層18P)を具備することになる。
以上のようにして、正孔注入層18Pの形成が完了したら、続いて、発光層の形成が行われる。
この発光層の形成工程は、基本的に、前述の正孔注入層18Pの形成工程と同じである。すなわち、発光層の形成工程では、発光層形成用インクがインクジェットヘッドIJHによって吐出されることで、当該インクの塗布工程が行われ、その後、当該インクについての乾燥工程が行われる。また、前者の塗布工程では、当該発光層形成用インクを構成する溶媒のみが、周辺領域93aにおける第2層間絶縁膜302の表面に塗布される工程が含まれ、後者の乾燥工程では、当該溶媒が蒸発させられる工程が含まれることも同じである(この説明から明らかなように、これらの工程を仮に図示するとすれば、それは既に参照した図6乃至図8と殆ど同じ図が描かれることに帰結する。重複を避けるため、そのような図示は省略する。)。
ただし、発光層の形成工程は、正孔注入層の形成工程と対比して、塗布工程で用いられるインクの材質は当然異なる。すなわち、発光層形成用インクは、有機EL物質として例えば赤色、緑色、青色に発光するポリフルオレン系材料が用いられ、溶媒として例えばシクロヘキシルベンゼンが用いられる。また、これも当然のことながら、発光層は、ピクセル電極13の上に直接形成されるのではなく、正孔注入層18Pの上に形成される。
以上の結果、発光機能層18の形成が完了するが、この後、適当な蒸着等の成膜方法を用いることによって、対向電極5を成膜すれば、最終的には、図3に示した積層構造物の構築が完了することになる。
なお、対向電極5は、既述のようにアルミニウム等を含んで好適であるが、更に具体的には例えば、2nmのLiF層、20nmのCa層及び200nmのAl層を含ませる。
また、有機EL装置の適正な駆動を確保するため、対向電極5の形成の後にも、更に新たな要素を作り込んでいくことが可能である。例えば、当該対向電極5の上に、発光機能層18への水分及び酸素の進入を抑制するための封止膜を備えたり、あるいは当該封止膜の平坦性を確保するため当該封止膜の下地膜として形成される平坦化膜を備えたりすることが可能である。
以上述べたような、有機EL装置の製造方法、特にその有機EL素子8を構成する発光機能層18の成膜方法によれば、次のような効果が奏される。
すなわち、本実施形態においては、素子基板7の周辺領域93aの大きさが前述した距離WDによって規定されているので、周辺領域93aの狭小化、即ち狭額縁化が実現される。このような効果は、図9及び図10に示される比較例との対比によって、より明瞭に把握される。
図9及び図10は、従来、画像表示領域7aと周辺領域95aとの境界付近に位置する有機EL素子8が保有する有機EL物質等(前述の「有機EL物質」のほか、「正孔注入材料」等を含む。以下単に「機能性物質」という。)が、その他の有機EL素子8が保有するそれに比べて減少することを防止するために、画像表示領域7aの周囲に、ダミーとしての有機EL素子(以下、「ダミー素子」という。)8Dを備える技術に関するものである。これら図9及び図10は、その趣旨に関する限り、図3及び図4に一致する。
このダミー素子8Dは、図9及び図10に示すように、画像表示領域7aに設けられる有機EL素子8の構造と殆ど同じ構造をもつ。このようなダミー素子8Dが設けられれば、上記〔発明が解決しようとする課題〕で既に述べたように、周辺部分において生じる蒸発促進現象が、これらダミー素子8Dの形成領域で生じることになるから、画像表示領域7aにおける有機EL素子8が過剰に蒸発するということは回避されることになり、その結果、有機EL素子8のすべては略同一量の機能性物質を備え得ることになる。
ただし、このような蒸発促進現象の影響を好適に回避するためには、その現象を引き受ける溶媒の量をどのように設定するかが重要になる。換言すると、前記の蒸発促進現象を見込みながら、それが完了する時点(即ち、周辺領域95a上の溶媒の全量が蒸発する時点)と、画像表示領域7a内の全有機EL素子8に係る好適な蒸発が完了する時点とをほぼ同時にしなければならない。そうでなければ(即ち、周辺領域95aにおける蒸発促進現象が完了しているのに、画像表示領域7aでの蒸発が完了していなければ)、結局、蒸発促進現象は、その画像表示領域7a内の周辺部分においても発生してしまうことになり、ダミー素子8Dを設けた意義が失われてしまうからである(なお、ここでいう蒸発促進現象は、1個のピクセル内部における周辺部分でも生じ得る。その結果、当該ピクセルの中央では機能性物質が多く、その周辺では少ない、といった現象も生じてしまう。)
そこで、従来においては、そのような溶媒の量を好適に調整するため、ダミー素子8Dの「数」を調整することが行われていた。図10は、その一例を示すものであるが、本実施形態に関する前記の各具体的数値例(即ち、WP,WB,ピクセル数等)を前提とすると、当該の数は、概ね10個程度が好適とされる。すなわち、図に示すように、10個のダミー画素8Dが、ある画素Gに接続するようにして周辺領域95a上に並べられるのであれば、蒸発促進現象は、それらダミー画素8Dに保有されている溶媒(図中の隔壁330Dに囲まれた液滴18PD‐D、参照)が引き受けることになり、当該領域における当該現象が完了する頃には、画像表示領域7a内の有機EL素子8の乾燥は完了している、といったことが可能となるのである(なお、図10においては、1列のダミー画素8Dのみを示している。実際には、周辺領域95aの全面に亘ってダミー画素8Dは並べられる。また、液滴18PD‐Dの体積と液滴18PDの体積とは等しいと考えてよい。)。
しかしながら、このような比較的多数のダミー画素8Dを並べることは、図10からも明らかなように、比較的広大な周辺領域95aを要求する。実際、前記の具体的数値例に従えば、ピクセルピッチが66μmであるから、図10に示す距離WDDは、66×3×10≒1.98mm(ただし、“10”は画素数)となってしまう。
しかるに、本実施形態では、このような周辺領域の広大化という不具合が回避される。前述した式(1)は、そのための一方策である。
WD=3・WP×SQR(10) … (1)(再掲)
この式(1)において、根号内の数値である“10”は、前記の好適なダミー素子8Dの配列数(即ち、10個)に基づいている。このことを含め、式(1)は更に、図11に表現されるような根拠に基づいている。
まず、図11において、その下段に示される複数の略半円形状の各々は、図9に示した、ダミー素子8Dに保有される液滴18PD‐Dを表現している。また、その上段に示される略半円形状は、図7に示した液滴185PDを表現している。ここで、図11の下段に示す、ある1個の略半円形状は、図9と図11との対比から、あるいは、ピクセル1個1個の大きさが相当程度小さいものであること等から、液滴18PD‐Dの素子基板7上における形状を、ほぼそのまま表している(つまり、両形状はほぼ一致する)と考えて差し支えない。このようなことは、図11の上段に示す略半形状と、液滴185PDの素子基板7上における形状との関係においてもいえる。
したがって、図11の上段に示される略半円形状は、これをそのまま“液滴185PD”と、また、その下段に示される略半円形状は、これをそのまま“液滴18PD‐D”と、それぞれ呼称することが可能である。
そして、これら図11に示す液滴185PD及び18PD‐Dは同じ溶媒からなる液滴であること等から、それらの両形状間には略相似関係が成立する。また、図11に示す液滴185PDの断面積は当該液体185PDの体積を、及び、図11に示す液滴18PD‐Dの断面積は当該液体18PD‐Dの体積を、それぞれ表しているとみることができる。
このような図11に基づき、本実施形態における最も基本的な考え方は、同図上段の液滴185PDの体積(あるいは、その質量)を、同図下段の全液滴185PD‐Dの全体積(あるいは、その全質量)に一致させようとすることにある。これによれば、本実施形態のようにダミー素子8Dを設けない場合においても、ダミー素子8Dを設けた場合に保持される溶媒量、即ち前述した蒸発促進現象を担いうる溶媒量が確保されることになる。図11に示す“=”は、そのことを表している。
実際、前述した<液滴塗布工程>において周辺領域93aに塗布される液滴DR2ないしは185PDの量は、以上の考え方に従って定められている。ちなみに、図4、図6、あるいは図7において、1ピクセルあたりに吐出される正孔注入層形成用インクは110ngとされていて、その場合における図4の周辺領域93aの一部である領域R2(これは、本発明にいう「第2領域」に該当する。)として示した範囲に吐出される当該インクの溶媒は3.3mgとされている。また、1ピクセルあたりに吐出される発光層形成用インクは100ngとされていて、その場合における前記領域R2として示した範囲に吐出される当該インクの溶媒は3.0mgとされている。もちろん、これは単なる一例に過ぎない。
続いて、このような基本的な考え方を基礎として、前述のように求められた量をもつ溶媒は、ダミー素子8Dを配列する場合に設けられる隔壁330D(図9及び図10参照)を設けないとしたとき、どの程度の大きさの領域が確保されれば塗布することが可能か、が見積もられる。すなわち、図11の観点からいえば、当該図に示される長さL1の大きさが見積もられる。
これには、液滴185PDと液滴18PD‐Dとが略相似関係にあり、液滴185PD又は18PD‐Dの断面積は図11に示す長さL1又はL2の二乗に概ね比例することが利用される。以上によって、長さL1は、図11に示す長さL2の平方根に比例することがわかる。そして、この長さL2の平方根は、ダミー素子8Dの数、あるいは、これらダミー素子8Dの3つを1組とする画素の数の平方根に比例すると見ることができる。
以上が、前記式(1)の“SQR(10)”の根拠、更に、式(1)それ自体の根拠である。
このようにして、本実施形態では、距離WDによって既定される周辺領域93aを確保しておけば、ダミー素子8Dを設ける場合と同じ溶媒量の確保が可能となり、したがって、画像表示領域7a内における有機EL素子8が最終的に保有する機能性物質の量を略同一にすることが可能になる。
そして、そうでありながら、本実施形態では、改めて図4と図10とを対比すると明らかなように、周辺領域の極めて効果的な狭小化(図10の“95a”から“図4の”93a“へ、あるいは数値的には前述のように、1.98mmから417μmへ)が達成されるのである。
なお、上述においては、主に、液滴の「体積」に着目しているが、その「表面積」に着目しても、上述と同様の理屈は成り立ち得る。すなわち、液滴185PDの表面積を、全液滴18PD‐Dの全表面積に一致させるようにすれば、後者に係る蒸発過程とほぼ同様の蒸発過程を前者において実現することが可能である。そして、この場合でも、そのようにして定められた当該液滴185PDの表面積に基づいて、その質量を求めることが可能であるから、結局、前述と同様の効果が享受され得ることになる。
以上のほか、本実施形態に係る製造方法ないし成膜方法によれば、次のような効果も奏される。すなわち、本実施形態では、液滴185PDは、上述のように正孔注入層形成用インクの溶媒のみを含むから、乾燥工程が完了した後には、図8に示すように、その殆ど全てが蒸発してしまう。したがって、かつて液滴185PDが存在した領域は、有機EL装置を好適に動作させるための様々な要素を備え付ける領域として有効に利用することができる。冒頭で参照した図1は、この有効利用例の1つとしてみることができる。すなわち、図1では、画像表示領域7aの周囲に、走査線駆動回路103A及び103B、データ線駆動回路106、プリチャージ回路106A、及び電源線201が備えられているが、これらが備えられている当該周囲の領域は、図4等に示した周辺領域93aに他ならないのである。
なお、上述においては、図7等で使用された符号との整合を図るため、説明の便宜上、正孔注入層形成用インクを含む液滴18PDと、その溶媒を含む液滴185PDとを念頭においた説明及び符号の使用(例えば、図9の18PD‐D等)を行っているが、上述した事項は、発光層形成用インクを含む液滴と、その溶媒を含む液滴とについてもあてはまることは言うまでもない。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明に係る成膜方法は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形例に対しても適用可能である。
(1) 上述した実施形態では、周辺領域93aに、隔壁330と同一の膜としての隔壁332Dが形成され、かつ、これら隔壁330及び332Dによって囲われた空間内且つ第2層間絶縁膜302の上に液滴185PDが塗布される態様について説明しているが、本発明に係る成膜方法は、このような場合以外にも適用可能である。
例えば、図12に示すように、周辺領域93aに隔壁332Dを設けるのではなく、隔壁330と同一の膜として、第3層間絶縁膜331を設けるような形態を採用することも可能である。ただし、このような場合に比べて、上記実施形態の方が、周辺領域93aに塗布される液滴の保持が比較的安定的になされるという点で有利ではある(図12と図7とを対比参照すれば、それは明らかである。)。
(2) あるいは、これに関連して、図13及び図14に示すように、周辺領域93aに前記隔壁332Dに加えて、当該周辺領域93a内を適当な大きさをもつ小領域に区分する隔壁333Dを設けるような形態も採用可能である。これによると、周辺領域93aに塗布される液滴は、これらの隔壁332D及び333D、並びに最外郭隔壁330によって囲まれた領域に塗布されることになるため、図7にも増して当該液滴の保持が安定的になされるという利点が得られる。
また、図13をみるとわかるように、この場合、各小領域に塗布された液滴の周辺領域93a内の移動はより困難となるので、例えば、素子基板7が傾いたとしても、当該液滴が当該素子基板7の一部に偏って存在する、ということが生じない(図12のような場合は、そういうことも生じ得る。)。したがって、前述の<蒸発工程>では、全液滴18PDの均一的蒸発が可能となり、もって、画像表示領域7a内の全有機EL素子8に略同量の機能性物質を保持させることが、前記にも増してより実効的に確保される。
(3) 上述の実施形態では、画像表示領域7a内の全有機EL素子8について一斉に液滴18PDが塗布され、更にこれら液滴18PDを一斉に蒸発させる成膜方法について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、場合によっては、第1に、青色用及び緑色用の有機EL素子8についてのみ塗布工程及び蒸発工程を実行し、第2に、残る赤色用の有機EL素子8について塗布工程及び蒸発工程を実行する、といった成膜方法を行ってもよい。これによると、これら第1及び第2の各セットにおいて蒸発させられる、機能性物質を含む溶液中の溶媒の量は、上述の実施形態に比べて、少なくなる。そうすると、この場合、画像表示領域7a内における各有機EL素子8がほぼ同一量の機能性物質を備えるために必要となる、周辺領域に塗布されるべき溶媒の量は、より少なくともよくなる。したがって、周辺領域は、前記にも増して更に狭小化することが可能となるのである。
例えば、先の例では、最大限、2色の有機EL素子8に関する蒸発工程に対応し得る溶媒量が確保されればよいのだから、前記の(1)式は、例えば、
WD=2・WP×SQR(10) … (1’)
と書き換えることができる。つまり、この例によれば、上記実施形態を基準として、周辺領域の大きさを、更にその2/3に狭小化することが可能となるのである。
(4) 上述の実施形態では、画像表示領域7a内の液滴18PDと、周辺領域93aの液滴185PDとが同時に塗布される例について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、場合によっては、液滴185PDの方を先に、液滴18PDの方を後に実施しても、あるいは、その逆でもよい。
この画像表示領域7aに関する塗布工程(以下、「第1工程」という。)と周辺領域93aに関するそれ(以下、「第2工程」という。)との順序は、使用される溶媒の性質に基づいて行われるとよい。例えば、溶媒の沸点が200℃以上であれば、第1工程及び第2工程を同時に実施し、200℃を下回る場合であれば、第2工程を先に、第1工程を後に実施する、というようである。溶媒の沸点が比較的低い場合に第2工程を先に実施するのは、かかる場合、溶媒の自発的蒸発が促進しやすい状況にあるため、前記第1工程の最中においても生じ得る蒸発現象を均一化させることが可能となるからである。
ちなみに、上記実施形態において、正孔注入層形成用インクの溶媒として使用されるとした、N−メチルピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンそれぞれの沸点は202℃及び225.5℃であるから、前記第1工程及び第2工程を同時に実施しても特に問題はない(なお、イソプロピルアルコールの沸点は82.4℃であるが、この場合、溶媒はこれらの混合物として使用されるので大きな問題は生じない。)。むしろこの場合、同じ塗布工程を同時に実施することにより、工程数削減によるコスト低減を享受することが可能である。また、発光層形成用インクの溶媒として使用されるとした、シクロヘキシルベンゼンの沸点も239℃であるから、同様である。
(5) 上述の実施形態においては、平面視した場合における有機EL素子8がトラック形状をもつとされているが(図4参照)、本発明は、かかる形態に限定されない。それ以外にも例えば、円形状、楕円形状、正方形状、長方形状、等々であってよい。ただ、既に述べた理由(インクの安定的保持)により、角を持つ形状よりも、その角が丸められたかのような形状の方が好ましい。
(6) あるいは、これに関連して、上述の実施形態では、すべての有機EL素子8が同じ形状をもつとされているが、本発明は、かかる形態にも限定されない。例えば、図15に示すように、青用の有機EL素子8’のピクセル幅Wbが58μm、緑用の有機EL素子8’のピクセル幅Wgが30μm、そして赤用の有機EL素子8’のピクセル幅が44μm、というように、各色に関するピクセルが異なる幅をもつ、異なる形状となっていてもよい。
なお、この場合、前記の式(1)は、次のように書き換えられる。
WD=(Wr+Wg+Wb)×SQR(10) … (1’’)
また、青用、緑用及び赤用それぞれのピクセルに吐出される正孔注入層形成用インクは、145ng、75ng及び110ngとされ、その場合における図15の周辺領域93aの一部である領域R2’(これは、本発明にいう「第2領域」に該当する。)として示した範囲に吐出される当該インクの溶媒は3.3mgとされる。
一方、発光層形成用インクに関しては、同様にして、132ng(青用)、68ng(緑用)及び100ng(赤用)とされ、その場合における前記領域R2’として示した範囲に吐出される当該インクの溶媒は3.0mgとされる。
以上は、もちろん、単なる一例に過ぎない。
(7) 更に関連して、上述の実施形態では、すべての有機EL素子8の間に隔壁330が形成されて、これら有機EL素子8の各々がすべて分離されるようになっているが、本発明は、かかる形態にも限定されない。例えば、図16に示すように、図4等と対比して、図中上下方向に2倍の長さを持つ有機EL素子81が形成されるとともに、これに対応するバンク335が形成されるような形態であってもよい。また、上下方向に並ぶ有機EL素子を連結するように、隔壁を形成してもよい。
(8) 更に関連して、上述の実施形態では、図4に示したように、3つのピクセル(即ち、有機EL素子8)が、1つの画素Gを構成する例について説明しているが、本発明は、これに限られない。例えば、場合によっては、3つより少ない数のピクセルが1つの画素を構成し、あるいは、それよりも多い数のピクセルが1つの画素を構成する、というような場合があってよい。前者の例としては、例えば全有機EL素子が同一の色を発光する有機EL物質しか含まず、1つの有機EL素子が1つの画素を構成する場合が考えられ、後者の例としては、例えばRGBのほかに、白色発光する有機EL物質を含む有機EL素子が備えられ、これら4つの有機EL素子の1組が、1つの画素を構成する場合等が考えられる。
(9) 上述した実施形態、あるいはいま述べている変形例の説明中、素子基板7上の周辺領域93aの大きさが、上記式(1)、式(1’)、及び式(1’’)によって求められたWDによって規定されることについて説明しているが、本発明は、このWDの値それ自体を頑なに厳守することまでは要求しない。要は、画像表示領域7a中の全有機EL素子8に関する均一的蒸発が実現されるかどうかが問題であるから、様々な状況等に従い、前記WDに基づく適当な調整、即ちWD±αといった、“α”による調整等はなされ得る。ただ、この場合、このαがあまりに小さくなれば、周辺領域上に溶媒量を十分に確保することが不可能となるし、あまりに大きくなれば(特に、図10に示す“WDD”に達するかの如きαとなれば)、周辺領域の狭小化という目的達成は阻害されることになる。
以上の観点から、本発明において実際上守られるべき値WDrは、
0.8WD≦WDr≦2WD
という範囲にあるのが好ましい(即ち、WDrは、上記式(1)、式(1’)、及び式(1’’)によって求められたWDを基準に、その80%からその200%の範囲内にあると好ましい。)。
(10) 上述した実施形態は、本発明に係る成膜方法を、有機EL装置、とりわけその構成要素である有機EL素子8の発光機能層18に適用する例について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。本発明は、例えば、有機EL装置用、あるいは液晶表示装置用のカラーフィルタに対しても適用が可能である。
この場合、当該カラーフィルタが色づく原因となる材料(本発明にいう「機能性物質」に該当する。)としては、顔料(有機顔料又は無機顔料)、染料あるいは天然色素等が用いられる。より具体的に例えば、有機顔料としては、カラーインデックス(C.I.;The Society ofDyers and Colourists 社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、更に具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,3,12等、C.I.ピグメントオレンジ1,5,13等、C.I.ピグメントレッド1,2,3等、C.I.ピグメントブルー15,15:3,15:4、等がよい。これらの有機顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。あるいはまた、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
さらにこの場合、溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジアルキルエーテル系溶媒(=比較的高沸点)等、あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類(=比較的低沸点)等を挙げることができる。
<応用>
次に、本発明に係る有機EL装置を適用した電子機器について説明する。図17は、上記実施形態に係る有機EL装置を画像表示装置に利用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての有機EL装置と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
図18に、上記実施形態に係る有機EL装置を適用した携帯電話機を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての有機EL装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置に表示される画面がスクロールされる。
図19に、上記実施形態に係る有機EL装置を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての有機EL装置を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置に表示される。
上記実施形態に係る有機EL装置が適用される電子機器としては、図17から図19に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
本発明の本実施形態に係る有機EL装置の概略構成を示す平面図である。 図1の単位回路Pの詳細を示す回路図である。 図1に示す有機EL装置の適当な破断面を臨んだ断面図であって、特に画像表示領域7a及び周辺領域93a間の境界を含むように選ばれた破断面に基づく断面図である。 図1に示す有機EL装置の一部拡大平面図である。 図3と同趣旨の断面図であって、有機EL装置の製造方法を示す図(回路素子薄膜11成膜からピクセル電極13成膜まで)である。 図5に続き、有機EL装置の製造方法を示す図(液滴吐出工程)である。 図6に続き、有機EL装置の製造方法を示す図(液滴吐出工程の完了時点)である。 図7に続き、有機EL装置の製造方法を示す図(乾燥工程)である。 図3と同趣旨の断面図であって、周辺領域93aにダミー素子8Dを設ける例について示す図である。 図4と同趣旨の一部拡大平面図であって、周辺領域93aにダミー素子8Dを設ける例について示す図である。 本実施形態に係る周辺領域93aの大きさを定める距離WDの根拠を説明するための概念図である。 図3と同趣旨の断面図であって、同図と対比して隔壁332Dが備えられる点が相違する変形例に係る図である。 図4と同趣旨の一部拡大平面図であって、同図と対比して隔壁332D及び333Dが備えられる点が相違する変形例に係る図である。 図3と同趣旨の断面図であって、同図と対比して隔壁332D及び333Dが備えられる点が相違する変形例に係る図である。 図4と同趣旨の一部拡大平面図であって、同図と対比して有機EL素子8各々の大きさが異ならしめられている点が相違する変形例に係る図である。 図4と同趣旨の一部拡大平面図であって、同図と対比して有機EL素子81が備えられている点が相違する変形例に係る図である。 本発明に係る有機EL装置を適用した電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL装置を適用した他の電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL装置を適用したさらに他の電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
7……素子基板、7a……画像表示領域、93a……周辺領域、G……画素、8……有機EL素子、13……ピクセル電極、18……発光機能層、5……対向電極、11……回路素子薄膜、301……第1層間絶縁膜、302……第2層間絶縁膜、330,332D,333D……隔壁、331……第3層間絶縁膜、8D……ダミー素子、330D……隔壁、DR1,18PD……(溶質を含む)液滴、DR2,185PD,18PD-D……(溶媒のみ含む)液滴、18P……正孔注入層
103A,103B……走査線駆動回路、106……データ線駆動回路、106A……プリチャージ回路、201……電源線

Claims (6)

  1. 基板上の第1領域内且つ当該第1領域を所定数に分割する小領域ごとに、機能性物質を含む溶質とその溶媒とを含む第1材料を塗布する第1塗布工程と、
    少なくとも前記溶媒と同一の材料を含む第2材料を、前記基板上の前記第1領域を取り囲む第2領域内に塗布する第2塗布工程と、
    前記第1材料中の前記溶媒及び前記第2材料中の前記材料をともに蒸発させる蒸発工程と、
    を備え、
    前記第1領域は、その内部に、前記小領域に加え、
    これら小領域のうち隣接し合う小領域間を区画する区画領域を含み、
    1個の小領域及び1個の区画領域は一単位領域を構成しており、
    前記第2塗布工程における前記第2領域の幅は、
    前記第1領域における前記小領域の合計幅と、
    該第2領域内に前記一単位領域と同様の配列構造を有する域外小領域及び域外区画領域からなる域外一単位領域の前記域外小領域に塗布された前記第2材料を蒸発させたとする場合において、前記域外小領域に塗布された前記第2材料の全量が蒸発する時点が前記第1領域の前記小領域に塗布された前記第1材料の全量が蒸発する時点とほぼ同時となるように設定される前記域外小領域の数の平方根と、
    の積に基づいて設定されることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記第2材料は、
    前記第1領域を取り囲む領域を、所定数の領域に分割する隔壁によって囲われた空間に塗布される、ことを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  3. 前記第2材料は、前記溶媒を含み、前記溶質を含まない、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記第2塗布工程が、前記第1塗布工程よりも前に実施される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 前記第2塗布工程が、前記第1塗布工程と同時に実施される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の成膜方法。
  6. 前記第1領域を分割する前記小領域の全数は、複数の小領域にグループ分けされ、
    前記第1塗布工程は、
    前記複数の小領域群の各々に、前記第1材料を塗布する工程を含み、
    前記蒸発工程は、
    前記複数の小領域群の各々に対応するように個別に実施される、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の成膜方法。
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