JP4977173B2 - 金型およびこれを用いた金属容器の製造方法 - Google Patents
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Description
ここでいう「容器」の用語は、底壁と側壁とを有する有底のカップ状製品をいい、完成品、半製品を問わず「容器」に含まれるものとする。その用途は特に限定されない。例えば、最終製品としての金属製圧力容器とともに、最終製品に加工される前の中間加工品である有底筒状ライナーのような半製品も含まれる。
一般に、絞り加工では、孔(ダイ孔という)が形成されたダイの上に、被加工部材である板状素材を載せる。次いで、パンチをダイ孔に向けて圧下させ、板状素材をダイス孔に押し込むことにより底壁及び側壁の加工が行われる(特許文献1参照)。
また、「円筒状の成形パンチ」、「中空円筒状の成形ダイ」、「中空円筒状の補助パンチ」、「中空円筒状の補助ダイ」は、金型として金属素材の加工に寄与する部分の形状をいい、これらをプレス装置に取り付ける取り合い部分の形状や取り付け構造については特に限定されない。
続いて、(b)の工程で、最も外側の補助パンチを元の位置に戻し、1つ内側の補助パンチを下降して2本目の円環状溝を形成する。このとき、2本目の円環状溝の領域に部分的な絞り加工が行われることになり、先ほど形成された1本目の円環状溝の内側の垂直壁が変形(少しずつ短くなる)することになるが、この垂直壁が短くなって完全消失するまでは、当該垂直壁よりも外側にある金属素材の縮径変化を一時抑えることができるようになる。すなわち、加工に必要な力は、垂直壁を曲げ変形することに要する力(曲げ成形力F2という)が主となり、当該垂直壁より外側にある金属素材が縮径変化するのに要する力(縮みフランジ成形力F1という)が加わるのを抑えることができる。
よって、比較的小さな曲げ成形力F2による曲げ加工によって、2本目の円環状溝を形成することができるので、加工時に破断のおそれがなくなる。以後同様に、順次、1つずつ内側の補助パンチを下降させて、当該補助パンチに対向する位置に次々と垂直壁が含まれる円環状溝を形成する。
続いて、(c)工程で、最も内側の補助パンチを戻した後、成形ダイの外周側に形成された垂直壁が完全に消失するまでの範囲で、成形パンチを下降して絞り加工を行う。これにより、有底容器を底側から成形する。このように少しずつ絞り加工を行うことで、限界絞り比を超えないようにしながら絞り加工を行う。
続いて、(d)工程では、前工程までで、成形ダイの外側に残っている金属素材を、その時点で金属素材に補助的な曲げ加工を行うことができる最も外側の補助パンチを下降して補助的な曲げ加工を行う。以後(b)〜(d)の工程を繰り返し、すべての金属素材に対し成形パンチと成形ダイにより絞り加工が行われるまで、同様の加工を繰り返すことで、有底容器を完成する。
複合パンチ12は、中央に配置される円筒状の成形パンチ21と、その外側に多段に配置される中空円筒状の補助パンチ22、23、24とからなる。このうち、成形パンチ21については、中空の円筒形状でも中実の円筒形状でもよい。中空円筒にすれば軽量化が図れ、中実円筒にすれば、底壁の形状を丸くしたり、任意の形状にしたりすることができる。
なお、本実施形態では補助パンチは3段であるが、加工対象である円板状金属素材Mの直径に応じて、段数を増減すればよい。具体的には、金属素材の直径が大きくなるにつれて段数を増やすことで限界絞り比を超えない加工ができるようにする。
成形ダイ31および補助ダイ32、33、34は上面の高さを揃えるようにしてあり、これにより、円板状の金属素材Mをセットしたときに、それぞれのダイによって支持されるようにしてある。
また、各パンチおよび各ダイが金属素材と当接する端面は曲面にしてあり、この端面が当接する金属素材に曲面壁が形成されるようにしてある。
続いて、図4(b)に示すように、最も外側の補助パンチ22を下降し、補助パンチ22の外側に位置する補助ダイ32と補助パンチ22の内側に位置する補助ダイ33との間に挿入することにより、円環状の溝G1を形成する。
このとき、補助パンチ22の端面と当接する部位に曲面壁P1、補助ダイ33の端面と当接する部位に曲面壁P2が形成されるが、これらとともに曲面壁P1と曲面壁P2の間に垂直壁T1が形成されるように補助パンチ22を十分に押し込むようにする。垂直壁T1は補助パンチ22の側面と補助ダイ33の側面とによって挟まれた部位に形成される。
これにより、溝G3が形成されるときに金属素材Mに加わる力を、曲げ変形に要する力だけが加わるようにし、垂直壁T3よりも外側の曲面壁P3が引き込まれ始めたときに、新たに加わることになる縮み変形に要する大きな力が加わらないようにする。このようにして、誤って金属素材Mに大きな力が加わり破断してしまう不具合をなくす。そして、補助パンチ24と補助ダイ34との間に垂直壁T4が形成され、補助パンチ24の端面に当接する部分に曲面壁P5が形成され、補助パンチ24と成形ダイ31との間に垂直壁T5が形成され、成形ダイの端面に当接する部分に曲面壁P6が形成されるようにする。このとき溝G1、G2は変形し、浮き上がるようになる。
このとき、前工程(図4(d)参照)で形成された溝G3が、底壁U0および側壁U1側に、順次引き込まれていくように変形するが、垂直壁T5が完全に消失してしまわないまでを限度に、成形パンチ21の押し込み深さを制限するようにする。これにより、底壁U0および側壁U1が形成されるときに金属素材Mに加わる力を、曲げ変形に要する力だけが加わるようにし、垂直壁T5よりも外側の曲面壁P5が引き込まれ始めたときに、新たに加わることになる縮み変形に要する大きな力が加わらないようにする。このようにして、誤って金属素材Mに大きな力が加わり破断してしまう不具合をなくす。
以上の手順により、円板状の金属素材から有底容器を製造する際に、1つのプレス装置で確実に破断を生じることなく絞り加工を行うことができる。
上述した金属容器製造装置10では補助パンチ22、23、24と、補助ダイ32、33、34とを、同じ高さにしたが、外側の補助パンチ22、および補助ダイ32を浅く、内側になるほど深くするようにしてもよい。
これにより、形成される円環溝を内側になるほど深くすることができるので、効率的に加工することができるようになる。
11: 複合ダイ
12: 複合パンチ
21: 成形パンチ
22、23、24: 補助パンチ
31: 成形ダイ
32、33、34: 補助ダイ
41、42、43、44: 油圧シリンダ
45、46、47、48: ピストン
T1〜T5: 垂直壁
P1〜P6: 曲面壁
Claims (5)
- 円板状の金属素材から有底容器を製造するための金型であって、
円筒状の成形パンチと、
前記成形パンチの外側下方の位置で前記成形パンチと同軸状に対向配置され、加工時に前記成形パンチが内側に挿入可能な中空円筒状の成形ダイと、
前記成形ダイの外径より大径であり、前記成形パンチの外側の位置および前記成形ダイの外側の位置で交互に、かつ、同軸状に対向配置され、前記成形パンチと前記成形ダイとによる加工前に補助的な曲げ加工を行う少なくとも1つの中空円筒状の補助パンチおよび少なくとも1つの中空円筒状の補助ダイとからなり、
前記成形パンチおよび補助パンチは、1つずつ独立に上下移動するように互いに独立に構成され、
前記成形ダイの上面および前記各補助ダイの上面は前記円板状の金属素材の下面を同時に支持するように同一高さに合わされ、
前記各補助パンチは、加工時に各補助パンチの外側下方位置に対向配置される補助ダイと内側下方位置に対向配置される補助ダイまたは成形ダイとの間に挿入されて金属素材に垂直壁が含まれる円環状の溝を形成することを特徴とする金型。 - 成形ダイの軸方向の長さは、補助ダイよりも長く形成される請求項1に記載の金型。
- 成形ダイおよび各補助ダイは、一体になるように固定してある請求項1に記載の金型。
- 成形ダイおよび各補助ダイは、それぞれ別々に分割して取り付けられる請求項1に記載の金型。
- 円筒状の成形パンチと、前記成形パンチの外側下方の位置で前記成形パンチと同軸上に対向配置され、前記成形パンチが内側に挿入可能な中空円筒状の成形ダイと、前記成形ダイの外径より大径であり、前記成形パンチの外側の位置および前記成形ダイの外側の位置を交互に、かつ、同軸状に対向配置される少なくとも1つの中空円筒状の補助パンチおよび少なくとも1つの中空円筒状の補助ダイとを備え、さらに、前記成形ダイの上面および前記各補助ダイの上面は前記円板状の金属素材の下面を同時に支持するように同一高さに合わされ、前記各補助パンチは、各補助パンチの外側位置に対向配置される補助ダイと内側位置に対向配置される補助ダイまたは成形ダイとの間に挿入される構造の金型を用いて、前記成形ダイおよび前記補助ダイの上に載置した円板状の金属素材から有底容器を製造する金属容器製造方法であって、
(a) 最も外側の補助パンチを下降して補助的な曲げ加工を行い、円板状の金属素材に垂直壁が含まれる円環状の溝を成形する工程、
(b) 前工程で下降した補助パンチを戻した後、1つ内側の補助パンチを直前工程で形成された垂直壁が消失しない範囲で下降して補助的な曲げ加工を行い、垂直壁が含まれる円環状の溝を成形し、以後、1つずつ内側の補助パンチに対して同様の下降と戻しを行い、最も内側の補助パンチを下降するまで繰り返す工程、
(c) 最も内側の補助パンチを戻した後、成形ダイの外周側に形成された垂直壁が消失しない範囲で成形パンチを下降して絞り加工を行うことにより、有底容器を底側から成形する工程、
(d) 前工程の後、成形ダイの外側に残っている金属素材を、その時点で金属素材に補助的な曲げ加工を行うことができる最も外側の補助パンチを下降して補助的な曲げ加工を行い、以後(b)〜(c)の工程を繰り返し、すべての金属素材に対し成形パンチと成形ダイにより絞り加工を行うようにして有底容器を製造する金属容器製造方法。
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