JP4976957B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下「ベンゾキサジン樹脂」は、上記ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する樹脂のことをさす。
実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、一般式(I)で示される多官能フェノール化合物、一般式(II)で示されるジアミン化合物、アルデヒド化合物、とを加熱して反応させてなる熱硬化性樹脂に、表面処理されたシリカを添加してなる。実施形態に係る製造方法により、一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン環構造を有する熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。得られる熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善されたものである。
一般式(I)で示される多官能フェノール化合物は、二官能またはそれ以上の多官能フェノールである限り、特に制限されるものではない。また、これらの二官能またはそれ以上の多官能フェノールは、使用に際して一種または二種以上で用いられる。
一般式(II)で示されるジアミン化合物は、主に可撓性向上の観点より用いられる。
アルデヒド化合物としては、特に限定されるものではないが、ホルムアルデヒドが好ましく、該ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することが可能である。パラホルムアルデヒドを使用する方が反応の進行は穏やかである。また、その他のアルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等も用いることができる。
表面処理されたシリカとしては、シランカップリング処理されたシリカが挙げられる。シランカップリング処理されたシリカを添加することにより、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善された樹脂組成物が得られるからである。表面処理されたシリカとしては、具体例的にはアドマテックス社製、商品名「アドマフィン」を用いることができる。より具体的には、エポキシシランで表面処理をしたほぼ真球形状であるコロイダルシリカのMEK分散液(固形分濃度60重量%)を用いることができる。シランカップリング処理されたシリカの配合量(溶媒重量を除く)は、熱硬化性樹脂組成物の全重量を100重量部としたときに、10重量部から40重量部が好ましく、20重量部から30重量部がより好ましい。
実施形態に係る製造方法の他の実施形態として、前述した成分とともに、一般式(III)で示される単官能フェノール化合物をさらに使用する方法を好ましくは提供することができる。この(e)成分の単官能フェノール化合物を用いると、溶解性等の加工性を確保することができる。
単官能フェノール化合物は、側鎖分子量が大きいものであり、一般式(III)中のZは炭素数4以上、好ましくは炭素数6以上、更に好ましくは8〜20の有機基である。炭素数が大きくなると自由体積が大きくなり、誘電率が低くなる場合もある。なお、Zがヘテロ原子として、N、O、Fを有していてもよい。
実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂と、および表面処理されたシリカとを含む。実施形態に係る熱硬化性樹脂は、前述した熱硬化性樹脂の製造方法により得ることができる。
上記構造は、IR,NMR、GC−MS他の手法にて同定できる。
mが2以上のときは、Xは合成した熱硬化性樹脂中においてすべてが同一である必要はなく、異なったものとなっても良い。同様に、mが2以上のときは、Yは合成した熱硬化性樹脂中においてすべてが同一である必要はなく、異なったものとなっても良い。
実施形態に係る成形体は、前述した熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られるものである。
実施形態に係る成形体としては、前述した熱硬化性樹脂組成物が硬化前にも成形性を有しているため、その寸法や形状は特に制限されず、例えば、シート状(板状)、ブロック状等が挙げられ、さらに他の部位(例えば粘着層)を備えていてもよい。また、シート状のものは支持フィルム上に形成されていてもよい。
実施形態に係る硬化体は、熱硬化性を持つ熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性を持つ成形体に熱をかけて、硬化したものである。その硬化方法としては、従来公知の任意の硬化方法を用いることができ、一般には120〜300℃程度で数時間加熱すればよいが、加熱温度がより低かったり、加熱時間が不足したりすると、場合によっては、硬化が不十分となって機械的強度が不足することがある。また、加熱温度がより高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、場合によっては、分解等の副反応が生じて機械的強度が不都合に低下することがある。よって、用いる熱硬化性化合物の特性に応じた適正な条件を選択することが望ましい。
クロロホルム中に、ビスフェノールM(三井化学製、99.5%)27.86g(0.08mol)、ビスアニリンM(三井化学製、99.98%)27.57g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.34mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を31.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は16,600であった。
クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、99%)18.45g(0.08mol)、3(4),8(9),−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン(東京化成製、97%)12.02g(0.06mol)、1,12−ドデカンジアミン(和光純薬製、97%)4.13g(0.02mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.34mol)を投入し、還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて重合体を析出させた。その後、ろ別により重合体を分離し、メタノールで洗浄した。その後、減圧乾燥により、重合体を得た。GPCによる分子量の測定では、標準ポリスチレン換算で重量平均分子量は16,600であった。
フェノール・ビフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000H)2.00gをトルエン5.70g、メチルエチルケトン0.30gの中に投入し、シェイカーにて撹拌・振とうし、溶解させた。さらに、エポキシシランで表面処理をしたほぼ真球形状であるコロイダルシリカ(アドマテックス社、アドマファイン平均粒径0.3μm)のMEK分散液(固形分濃度60重量%)10.83g(=コロイダルシリカの重量で6.50g相当)、を同様に撹拌、振とうし、均一な溶液を得た。さらにBO1を5.50g、BO2を2.50g投入し、ディスパーにて撹拌・溶解して、溶解液を得た。得られた溶解液を脱泡した後、アプリケーターをセットした塗工機を用いて離型処理PET上に塗工し、溶媒入りのフィルムを得た。前記フィルムを60℃〜100℃で乾燥後、160℃で30分、180℃で2時間保持し、硬化フィルムとした。硬化フィルムは60μmの厚みであった。
得られた60μm厚のフィルムを幅4mmに調製し、SII社製TMA6100にて温度に対するのびを測定し、CTE(=α)を評価した。αは23℃〜100℃で49ppm/℃であった。
また、得られたフィルムを細かく裁断し、SII製TG/DTA6200を用いて、10℃/minの昇温速度で空気雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価したところ410℃であった。
誘電率、誘電正接について、HP社の8510と空洞共振器セルを用いて測定した5.8GHzでの誘電率は3.0、誘電正接は0.0055であった。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)21.21g(0.06mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(東京化成製、98%)25.13g(0.06mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.05g(0.25mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応スキームを以下に示す。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を40.78g得た。
分子量の測定にあたり、島津製作所のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)でデガッサDGU−12A,ポンプLC−10AD,コントローラSCL−10A、検出器(RI)RID−10A,カラムオーブンCTO−10ASの構成システムにて行った。カラムはSHODEXのKF−804L(排除限界40万)を2本直列で使用し、溶媒がTHF,流速1ml/min、カラム温度40℃にて測定を行った。標準ポリスチレン(東ソー)354000,189000,98900,37200、17100,9830,5870,2500,1050,500の各ポリスチレンを用いて、校正式を3次式で作製した。上記校正式を元に合成した樹脂の分子量を測定した。得られた樹脂の分子量測定では、重量平均分子量は19,500であった。
参考例1で得られた重合体を熱プレス法により180℃で1時間保持し、0.5mmtのシート状の硬化体を得た。得られた硬化体は褐色透明で均一なものであり、屈曲性に優れるものであった。
得られた成形体について、誘電率測定装置(AGILENT社製、商品名「RFインピーダンス/マテリアル アナライザ E4991A」)を用いて容量法により、23℃、100MHz及び1GHzにおける誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。参考例2の硬化体は、誘電率、誘電正接ともに良好な特性を示した。
また得られたシートを細かく裁断し、島津製作所製、商品名「DTG−60」を用いてTGA法により、10℃/minの昇温速度で空気雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価した。参考例2の硬化体はTd5が415℃と良好な値を示した。
参考例1において、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンの代わりにビスフェノールM(三井化学製)21.21g(0.06mol)を使用した以外は参考例1と同様にして熱硬化性樹脂を合成した。収量は40.56gであった。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は10,600であった。
参考例2と同様にして、参考例3の樹脂を評価した。結果をまとめて表2に示す。参考例3の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)20.68g(0.0585mol)、4−α−クミルフェノール(東京化成製、98%)2.82g(0.013mol)、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.27mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を37.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は7,200であった。
参考例2と同様にして、参考例5の樹脂を評価した。結果をまとめて表3に示す。参考例3の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
クロロホルム中に、ビフェニルノボラック型フェノール樹脂(明和化学製「MEH7851SS」、OH当量204)30.00g、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)21.08g(0.061mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.13g(0.25mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、ベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を45.52g得た。
参考例7において、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)の代わりに、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製、99.9%)24.90g(0.061mol)に変更した以外は、参考例7と同様にしてベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を合成した。収量は45.80gであった。
参考例2と同様にして、参考例7,8の樹脂を評価した。結果をまとめて表4に示す。参考例9,10の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
クロロホルム中に、ビスフェノールM(三井化学製、99.5%)27.86g(0.08mol)、ビスアニリンM(三井化学製、99.98%)27.57g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.34mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を31.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は16,600であった。
参考例2と同様にして、参考例11の樹脂を評価した。結果をまとめて表5に示す。参考例11の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
クロロホルム中に、DPP6085(新日本石油製、99%)30.0g(0.086mol)、ビスアニリンP(三井化学製、99%)29.91g(0.086mol)を加え攪拌し、ついでパラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)11.53g(0.344mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を36.27g得た。
参考例2と同様にして、参考例13の樹脂を評価した。結果をまとめて表6に示す。参考例13の熱硬化性樹脂は、良好な電気特性を示した。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)20.68g(0.0585mol)、4−t−オクチルフェノール(東京化成製、95%)2.82g(0.013mol)、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.27mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を41.95g得た。
参考例2と同様にして、参考例15の樹脂を評価した。結果をまとめて表7に示す。参考例15の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)13.85g(0.040mol)、ビスアニリンM(東京化成製、98%)13.78g(0.040mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)5.04g(0.168mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を34.52g得た。
参考例2と同様にして、参考例17の樹脂を評価した。結果をまとめて表8に示す。参考例17の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに良好な結果を示した。
bis−A/MDA(2核+2核)
クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、98%)18.45g(0.08mol)、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(和光純薬製、98%)16.19g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.336mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を26.44g得た。
参考例2と同様にして、参考比較例1の樹脂を評価した。結果をまとめて表9に示す。参考比較例1の熱硬化性樹脂は、電気特性、耐熱性ともに劣ったものであった。
bis−A/BAPP(2核+4核)
クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、98%)18.27g(0.08mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(東京化成製、98%)32.89g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.336mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を39.62g得た。
参考例2と同様にして、参考比較例3の樹脂を評価した。結果をまとめて表10に示す。参考比較例3の熱硬化性樹脂は、電気特性・耐熱性に劣り、折り曲げた時フィルムが白化した。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.98g(0.065mol)、ビスアニリンP(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.273mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を34.52g得た。得られた重合体は、トルエンやDMFをはじめとして汎用の溶剤には不溶であった。また、熱プレスを行っても不融のためフィルム化できなかった。
トルエンを溶媒として、20,30,40,50,60の各重量%になるように各参考例で合成したベンゾキサジン樹脂を投入し、室温にて24時間撹拌して、溶解するかの確認を行った。
参考例13のベンゾキサジン樹脂では、20〜50重量%のいずれの確認実験でも溶解し、参考例1,3,5,7,8,11,15,17、参考比較例1,3のベンゾキサジン樹脂は20〜60重量%のいずれの確認実験でも溶解した。参考例19のベンゾキサジン樹脂は20〜60重量%のいずれでも溶解しなかった。
ビスフェノールMやビスアニリンMのようなメタ位に置換基がある屈曲構造のM体を用いたほうが、高分子量においても、より溶解度が向上する。
参考例1,3,5,7,8,11,13,15,17、参考比較例1,3の合成物に対して、幅10mm、厚み75μになるようにサンプルフィルムを作製した。サンプルフィルム作製に当たり、各樹脂と同重量のトルエンにより50重量%の溶液を調製し、アプリケーターにて引いて塗工した後、オーブンにて溶媒を乾燥して除去してサンプルを作製した。上記作製フィルムに対して屈曲試験を行った。屈曲試験では、サンプルフィルムを、2つ折りにして、3kgfの力で両側から押さえた後にフィルムを広げ、折り目が付いているのみで透明:○、フィルムが白化している:△、フィルムが割れる:×、の評価を行った。
Claims (14)
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、
一般式(II)で示されるジアミン化合物と、
アルデヒド化合物と、を加熱して反応させて、
一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、
さらに表面処理されたシリカを添加する熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
一般式(I)(IV)中のXは、下記で示される構造であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、
一般式(II)で示されるジアミン化合物と、
アルデヒド化合物と、を加熱して反応させて、
一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、
さらに表面処理されたシリカを添加する熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
一般式(I)(IV)中のXは、下記で示される構造であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、
一般式(II)で示されるジアミン化合物と、
アルデヒド化合物と、を加熱して反応させて、
一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、
さらに表面処理されたシリカを添加する熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
一般式(I)(IV)中のXは、下記で示される構造であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、
一般式(II)で示されるジアミン化合物と、
アルデヒド化合物と、さらに、
一般式(III)で示される単官能フェノールと、を加熱して反応させて、
一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、
さらに表面処理されたシリカを添加することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られることを特徴とする成形体。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物より得られることを特徴とする硬化体。
- 請求項12記載の硬化体を含むことを特徴とする電子部品。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られることを特徴とする成形体。
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