JP3065233B2 - オルガノポリシロキサン微粒子、その製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

オルガノポリシロキサン微粒子、その製造方法および液晶表示装置

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JP3065233B2
JP3065233B2 JP7213800A JP21380095A JP3065233B2 JP 3065233 B2 JP3065233 B2 JP 3065233B2 JP 7213800 A JP7213800 A JP 7213800A JP 21380095 A JP21380095 A JP 21380095A JP 3065233 B2 JP3065233 B2 JP 3065233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オルガノポリシロキサン
微粒子、その製造方法および該オルガノポリシロキサン
微粒子を液晶セルの電極間にスペーサーとして介在させ
た液晶表示装置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】液晶表示装置用液晶セルに備えら
れた一対の電極間にはスペーサが介設され、かつ液晶物
質が封入されて液晶層を形成しているが、この液晶層の
厚さが均一でないと、液晶セルに表示された画像に色む
らや点灯時のコントラストの低下を引き起こす。また、
高速で表示画像を切り替える場合、あるいは視野角の広
い画像を表示する場合にも、液晶セル内部の液晶層の厚
さが均一であることが要求されている。
【0003】さらに、現在用いられているSTNモード
の大画面液晶表示装置で色むらのない大画面を表示する
ためには、より一層液晶セル内部の液晶層の厚さを均一
にすることが要求されている。
【0004】この液晶セル内部の液晶層の厚さを均一に
するため、従来より、粒径の揃った球状粒子を液晶セル
の電極間に散在して介在させること、すなわち液晶セル
の電極間スペーサとして用いることが行われ、このよう
な粒子としてポリスチレンなどのような有機樹脂粒子、
シリカ微粒子などが用いられている。
【0005】しかしながら、ポリスチレンなどのような
有機樹脂粒子を液晶セルの電極間スペーサとして用いた
場合、これらの有機樹脂粒子は、柔らかすぎて液晶セル
内部の液晶層の厚さを均一に保持することが困難である
という問題点があった。たとえば、液晶セル内部の液晶
層に不均一な圧力が負荷されると、この圧力のばらつき
に応じてスペーサが変形し、液晶セル内部の液晶層の厚
さを均一に維持することはできない。
【0006】また、シリカ微粒子を液晶セルの電極間ス
ペーサとして用いた場合、シリカ微粒子の粒度分布がシ
ャープでないと、シリカ微粒子の圧縮変形が小さいこと
に起因して、液晶セル内部の液晶層の厚さが不均一とな
るという問題点があった。さらに、液晶表示装置を低温
に曝した場合、液晶セル内部で液晶層の熱膨張係数とス
ペーサの熱膨張係数とが異なるため、液晶セルの電極と
液晶層との間に空隙が生じる、所謂、低温気泡が発生す
るという問題点があった。
【0007】上記のような問題点を解決するため、特開
平6−250193号公報では、加水分解可能なシリコ
ン化合物、例えばテトラエトキシシランなどを加水分解
してシリカ微粒子を調製し、このシリカ微粒子表面のシ
ラノール基を有機化合物でエステル化する方法で製造し
たシリカ微粒子を液晶セルの電極間スペーサとして用い
ることが提案されている。
【0008】この方法で製造したシリカ微粒子は、適度
の硬さと機械的復元性とを有しているため、液晶セルの
電極間スペーサとして好適であるといわれているが、機
械的復元性の点で液晶セルの電極間スペーサとしては不
充分である。
【0009】また、特開平7−140472号公報に
は、R’m Si(OR2 4-m (式中のR’、R2 は、
それぞれ特定の有機基を表す。mは、0〜3の整数であ
る。)で表される有機ケイ素化合物を加水分解、縮合し
て得られた粒子を100〜1000℃の温度で熱処理す
ることにより特定の圧縮弾性率を有する液晶セル用スペ
ーサ粒子が得られることが開示されている。このスペー
サ粒子の圧縮弾性率は、上記熱処理工程で粒子内部に存
在する有機基の一部を熱分解した後の残存有機基量で制
御されている。
【0010】しかしながら、粒子径が異なると上記熱処
理工程後に粒子内部に残存する有機基量が異なることな
どから、この残存有機基量の制御は難しく、そのため、
粒子毎の圧縮変形率が同じにならず、したがって、粒子
内部に残存する有機基量で液晶セル用スペーサ粒子の圧
縮弾性率を所望の値に調整することは難しいといった問
題点があった。また、粒子の外側と内側とで残存有機基
量が異なることから粒子全体にわたって圧縮弾性率は一
様ではなく、さらに、上記熱処理工程で熱分解された粒
子内部の有機基部分にボイドが発生し、この結果、得ら
れた液晶セル用スペーサ粒子の圧縮強度が低下するとい
った問題点があった。
【0011】そこで、本発明者らは、特定の有機ケイ素
化合物を用いて特定の方法でオルガノポリシロキサン微
粒子を製造したところ、上記のような熱処理工程を経な
いでもオルガノポリシロキサン微粒子内部の有機基量が
制御され、この結果、高い弾性復元率を有し、かつ、粒
径の揃った微粒子が得られ、この微粒子は液晶セルの電
極間スペーサとして好適であることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0012】なお、特開平4−313727号公報およ
び特開平5−80343号公報には特定範囲の弾性を有
する球状粒子を液晶セルの電極間スペーサとして用いる
ことが記載されているが、この球状粒子は、ビニール系
プラスチックビーズ、あるいは無機質と有機質とのハイ
ブリッド粒子であり、オルガノポリシロキサン微粒子内
部の有機基量を制御することにより高い弾性復元率を有
し、かつ、粒径の揃った微粒子を得ることについては記
載されていない。
【0013】
【発明の目的】本発明は、シリカ微粒子の弾性を改良す
るためになされたものであって、高い弾性復元率を有
し、かつ、粒径の揃ったオルガノポリシロキサン微粒
子、その製造方法、および該オルガノポリシロキサン微
粒子を液晶セルの電極間にスペーサーとして介在させた
液晶表示装置を提供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】本発明に係るオルガノポリシロキサン微
粒子は、次式(I)および(II):
【0015】
【化3】
【0016】(上記式(I)中、Xは、水素原子、また
は周期律表第IB族、第IIA、B族、第III A、B族、
第IVA、B族、第VA、B族、第VIA族、第VII A族、
第VIII族から選ばれる元素であり、上記式(II)中、R
は、一価の有機基である。)で表されるシロキサン結合
を含むオルガノポリシロキサン微粒子であって、該微粒
子の29Si−NMRスペクトルを測定した際にケミカル
シフト0〜−120ppmの範囲内で観測される全ピー
クの合計面積ST と、前記式(I)で表されるシロキサ
ン結合に対応するピーク面積SI と、前記式(II)で表
されるシロキサン結合に対応するピーク面積SIIとが、
次式: SII/SI ≧2 かつ (SI +SII)/ST ≧0.3 を満たすことを特徴としている。
【0017】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子の製造方法は、 (a) 式:Si(OR1 4 (式中、R1 は、水素原子またはアルキル基、アルコキ
シアルキル基およびアシル基から選ばれる炭素数1〜1
0の有機基である。)で表される有機ケイ素化合物と、 式:R’Si(OR2 3 (式中、R2 は、前記R1 と同様の基であり、R’は、
置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜
10の基である。)で表される有機ケイ素化合物との混
合物を、水と有機溶媒との混合溶媒中で加水分解、縮重
合することによりシード粒子を調製する工程、 (b) 前記シード粒子の分散液に、下記式(1)〜
(3)で表される化合物の1種または2種以上を加えて
加水分解・縮重合し、これによりシード粒子を成長させ
て球状微粒子分散液を調製する工程(ただし(b)工程
の反応温度は(a)工程の反応温度よりも低い): (1)式:R’Si(OR2 3 (式中、R2 、R’は、前記と同様の基である。)で表
される有機ケイ素化合物; (2)式:R’R”Si(OR3 2 (式中、R’、R”は、互いに同一であっても異なって
いてもよく、置換または非置換の炭化水素基から選ばれ
る炭素数1〜10の基であり、R3 は、前記R1 と同様
の基である。)で表される有機ケイ素化合物; (3)式:
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R4 は、プロピルまたはブチル基
であり、Yは、メチル基、メトキシ基、エチル基および
エトキシ基から選ばれる1種の有機基であり、Mは、周
期律表第IB族、第IIA、B族、第III A、B族、第IV
A、B族、第VA族、第VIA族、第VII A族、第VIII族
から選ばれる元素であり、また、mは0〜3の整数であ
り、nは1〜4の整数であり、m+nは2〜4の整数で
ある。)で表されるアセチルアセトナトキレート化合
物、 (c) 前記球状微粒子分散液を20〜80℃の温度に
維持して、球状微粒子を熟成させる工程、 (d) 前記球状微粒子分散液から球状微粒子を分離
し、次いで該微粒子を乾燥する工程からなることを特徴
としている。
【0020】また、上記工程(b)、(c)または
(d)で得られたオルガノポリシロキサン微粒子を表面
処理してオルガノポリシロキサン微粒子表面に親水基を
導入することにより、親水性のオルガノポリシロキサン
微粒子を提供することができる。
【0021】本発明に係る液晶表示装置は、一対の電極
を備えた液晶セルを有し、該電極間にスペーサーとして
上記本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子が介在
していることを特徴としている。
【0022】このように本発明に係るオルガノポリシロ
キサン微粒子を液晶セルの電極間のスペーサとして用い
る場合、この微粒子の圧縮変形率が20〜60%であ
り、かつ該微粒子の変動係数が5%以下であることが好
ましい。
【0023】
【発明の具体的説明】オルガノポリシロキサン微粒子 まず、本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子につ
き具体的に説明する。
【0024】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子は、次式(I)および(II):
【0025】
【化5】
【0026】で表されるシロキサン結合を含んでいる。
上記式(I)中、Xは、水素原子、または周期律表第I
B族、第IIA、B族、第III A、B族、第IVA、B族、
第VA、B族、第VIA族、第VII A族、第VIII族から選
ばれる元素である。
【0027】また、上記式(II)中、Rは、一価の有機
基を表し、オルガノポリシロキサン微粒子を製造する際
に原料として用いられる式:R’Si(OR2 3 で表
される有機ケイ素化合物に含まれているR’に由来する
基である。なお、R’については、後で詳述する。
【0028】オルガノポリシロキサン微粒子の29Si−
NMRスペクトルを測定すると、ケミカルシフト0〜−
120ppmの範囲内で上記式(I)および(II)で表
されるシロキサン結合を含む各種シロキサン結合に対応
したピークが観測される。例えば、約−99〜−110
ppmの位置には上記式(I)で表されるシロキサン結
合に対応したピークが観測され、上記式(II)中のRが
メチル基である場合には、約−65ppmの位置にピー
クが観測され、上記式(II)中のRがビニル基である場
合には、約−60ppmの位置にピークが観測される。
【0029】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子では、これら29Si−NMRスペクトルのケミカルシ
フト0〜−120ppmの範囲内で観察される全ピーク
の合計面積ST と、前記式(I)で表されるシロキサン
結合に対応するピーク面積S I と、前記式(II)で表さ
れるシロキサン結合に対応するピーク面積SIIとが、次
式: SII/SI ≧2、好ましくは 5≦SII/SI ≦50 かつ (SI +SII)/ST ≧0.3、好ましくは 0.
5≦(SI +SII)/ST ≦0.99 を満たしている。
【0030】また、本発明に係るオルガノポリシロキサ
ン微粒子中のケイ素含有量は、SiO2 換算で、好まし
くは50〜90重量%、より好ましくは60〜80重量
%であり、ケイ素以外の含有量は、オルガノポリシロキ
サン微粒子を製造する際に原料として用いられた有機ケ
イ素化合物の珪素原子と結合している有機基に由来して
いる。
【0031】上記したシロキサン結合の解析結果から、
本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子は、所謂、
ラダー構造を基本とした三次元網目構造を有していると
考えられる。
【0032】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子は、その原料に由来する有機基が粒子中に存在してお
り、弾性復元率が高く、しかも圧縮変形率が大きい。こ
れら弾性復元率および圧縮変形率の評価方法は下記の通
りである。
【0033】測定器として微小圧縮試験機(島津製作所
製 MCTM−200)を用い、試料として粒径がDで
ある1個の微粒子を用いて、試料に一定の負荷速度で所
定の荷重値(反転荷重値)まで荷重を負荷し、粒子を変
形させると、図1に示すように荷重が増加するにつれて
曲線Aに従って変位がゼロから増大する。
【0034】次いで、上記負荷速度と同じ除荷速度で一
定の荷重値(原点用荷重値)まで除荷すると曲線Bに従
って変位は徐々に減少する。負荷時の原点用荷重値の変
位量と反転荷重値の変位量との差をL1 とし、負荷時と
除荷時のそれぞれの原点用荷重値の変位量の差をL2
すると、上記試料の弾性復元率Rr および圧縮変形率C
r は、次式: Rr =〔(L1 −L2 )/L1 〕×100 Cr =(L1 /D)×100 で計算される。
【0035】本明細書では、10個の粒子につき、原点
用荷重値を0.1gとし、反転荷重値を1.0gとし
て、それぞれの粒子の弾性復元率および圧縮変形率を上
記式に従って求め、これらの平均値で粒子の弾性復元率
および圧縮変形率を評価した。
【0036】また、上記反転荷重値を越えて荷重し、粒
子が破壊した時の荷重値を圧縮強度とした。本発明に係
るオルガノポリシロキサン微粒子の平均弾性復元率(R
r m は、通常、40〜90%であり、また、該微粒子
の平均圧縮変形率(Cr m は、通常、15%以上であ
る。
【0037】また、本発明に係るオルガノポリシロキサ
ン微粒子は、通常、1〜20μmの平均粒径を有してい
る。また、この粒径の変動係数CV〔=(標準偏差/平
均粒径)×100〕は、通常、5%以下、好ましくは3
%以下である。
【0038】このように、本発明に係るオルガノポリシ
ロキサン微粒子は極めて粒径分布がシャープである。オルガノポリシロキサン微粒子の製造方法 次いで、本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子の
製造方法につき具体的に説明する。
【0039】(a)本発明に係るオルガノポリシロキサ
ン微粒子の製造方法では、まず、式:Si(OR1 4
で表される有機ケイ素化合物(以下、有機ケイ素化合物
(A)という。)と式:R’Si(OR2 3 で表され
る有機ケイ素化合物(以下、有機ケイ素化合物(B)と
いう。)との混合物を水と有機溶媒との混合溶媒に添加
して加水分解、縮重合し、これによりシード粒子を調製
する。このシード粒子の調製法としては、従来公知の方
法が採用できる。
【0040】上記式中のR1 およびR2 は、水素原子ま
たはアルキル基、アルコキシアルキル基およびアシル基
から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表し、互いに同
一であっても異なっていてもよいが、有機ケイ素化合物
Aと、有機ケイ素化合物Bとを、水と有機溶媒との混合
溶媒中で同時に加水分解し、これら加水分解物を共縮重
合させる点から、互いに同一の基であることが好まし
い。
【0041】また、上記式中のR’は、置換または非置
換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素
基を表す。このうち、非置換炭化水素基としては、アル
キル基(鎖状アルキル基または環状アルキル基)、アル
ケニル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられ、
置換炭化水素基とは、炭化水素の水素原子の一部または
全部が非炭化水素基または水素以外の元素で置換された
基で、具体的にはクロロアルキル基、γ−メタクリロキ
シプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、アミノプ
ロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、
γ−メルカプトプロピル基、トリフルオロプロピル基、
フルオロカーボン基などが挙げられる。
【0042】有機ケイ素化合物(A)の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラメチルメトキシシラン、
テトラエチルエトキシシラン、テトラアセトキシシラン
などが挙げられる。
【0043】有機ケイ素化合物(B)の具体例として
は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリス
(メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリ
アセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシランなど
が挙げられる。
【0044】上記工程(a)で用いられる有機ケイ素化
合物(A)と有機ケイ素化合物(B)との混合比率は、
有機ケイ素化合物(A)1モル当り有機ケイ素化合物
(B)0.1〜3.0モルが混合されていることが好ま
しい。
【0045】上記工程(a)では、溶媒として水と有機
溶媒との混合溶媒が用いられ、有機溶媒100重量部に
対し、水が10〜100重量部の割合で含まれているこ
とが好ましい。
【0046】有機溶媒としては、水と相溶性の有機溶
媒、例えば、アルコール類、グリコール類、グリコール
エーテル類、ケトン類などから選ばれる1種または2種
以上が用いられる。
【0047】上記工程(a)では、有機ケイ素化合物
(A)および(B)の加水分解用触媒として溶媒中にア
ンモニアなどのアルカリが添加され、これら化合物の加
水分解中に水と有機溶媒との混合溶媒がアルカリ性に保
持されていることが好ましい。
【0048】有機ケイ素化合物(A)および(B)は、
水と有機溶媒との混合溶媒中で同時に加水分解し、これ
らの加水分解物が共縮重合してシード粒子が調製される
が、水と有機溶媒との混合溶媒がアルカリ性に保持され
ていると、これらの反応が促進される。
【0049】上記反応温度は、約10〜20℃であるこ
とが好ましい。また、上記のようにして得られるシード
粒子分散液中のシード粒子の濃度は、SiO2 換算で約
0.05〜5重量%であることが好ましい。
【0050】また、得られるシード粒子の平均粒径は
0.05〜2.0μmであることが好ましい。 (b)次いで、上記工程(a)で得られたシード粒子の
分散液に、下記式(1)〜(3)で表される化合物の1
種または2種以上を加えて加水分解・縮重合することに
よりシード粒子を成長させて任意の粒径の球状微粒子分
散液を調製する。
【0051】(1)式:R’Si(OR2 3 (式中、R2 、R’は、前記と同様の基である。)で表
される有機ケイ素化合物(以下、有機ケイ素化合物
(C)という。)、 (2)式:R’R”Si(OR3 2 (式中、R’、R”は、互いに同一であっても異なって
いてもよく、置換または非置換の炭化水素基から選ばれ
る炭素数1〜10の基であり、R3 は、前記R1 と同様
の基である。)で表される有機ケイ素化合物(以下、有
機ケイ素化合物(D)という。)、(3)式:
【0052】
【化6】
【0053】(式中、R4 は、プロピルまたはブチル基
であり、Yは、メチル基、メトキシ基、エチル基および
エトキシ基から選ばれる1種の有機基であり、Mは、周
期律表第IB族、第IIA、B族、第III A、B族、第IV
A、B族、第VA族、第VIA族、第VII A族、第VIII族
から選ばれる元素であり、また、mは0〜3の整数であ
り、nは1〜4の整数であり、m+nは2〜4の整数で
ある。)で表されるアセチルアセトナトキレート化合
物。
【0054】この工程(b)で用いられる有機ケイ素化
合物(C)および(D)中のR’、有機ケイ素化合物
(D)中のR”は、いずれも炭素原子数が大きくなる
と、有機ケイ素化合物(C)および/または(D)をシ
ード粒子分散液に添加した際にシード粒子分散液にゲル
が生じ易く、また、シード粒子の成長が困難になる。
【0055】このため、R’およびR”は、いずれもメ
チル基、ビニル基、トリフルオロメチル基、フェニルア
ミノ基などのような炭素原子数が小さな基であることが
好ましい。
【0056】有機ケイ素化合物(C)としては、前記工
程(a)で用いられる有機ケイ素化合物(B)を用いる
ことができる。有機ケイ素化合物(D)の具体例として
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、ジメチルアセトキシシランなどが挙げられ
る。
【0057】また、上記式(3)で表されるアセチルア
セトナトキレート化合物の具体例としては、ジブトキシ
−ビスアセチルアセトナトジルコニウム、トリブトキシ
−モノアセチルアセトナトジルコニウム、トリイソプロ
ポキシ−モノアセチルアセトナトチタン、ジブトキシ−
ビスアセチルアセトナトチタン、ビスアセチルアセトナ
ト鉛、トリスアセチルアセトナト鉄、ジブトキシ−ビス
アセチルアセトハフニウム、トリブトキシ−モノアセチ
ルアセトナトハフニウムなどが挙げられる。
【0058】上記工程(b)では、シード粒子分散液に
有機ケイ素化合物(D)またはアセチルアセトナトキレ
ート化合物のみを添加してもよいが、少なくとも約50
モル%以上の有機ケイ素化合物(C)を添加することが
好ましい。
【0059】上記工程(b)で、シード粒子分散液に前
記化合物を添加する場合、シード粒子分散液への添加速
度が速すぎると、シード粒子分散液中で粒子同士が凝集
したり、あるいはシード粒子の成長が不均一になり、最
終的に粒径分布がシャープなオルガノポリシロキサン微
粒子が得られないことがある。そこで、これら化合物の
添加速度を分散媒に含まれている水1g当り0.001
〜0.05g/時間とすることが好ましい。
【0060】また、上記工程(b)において前記化合物
を添加してシード粒子を成長させる際には、必要に応じ
てシード粒子調製時と同様にこれらアルコキシシランの
加水分解触媒としてアンモニアなどのアルカリが用いら
れる。
【0061】上記工程(b)で加水分解触媒としてアン
モニアを用いる場合、アンモニア水を添加したシード粒
子分散液に前記化合物を添加してもよく、シード粒子分
散液にアンモニア水と前記化合物とを同時に添加しても
よい。この際のシード粒子分散液中のアンモニアの濃度
は、上記工程(a)で調整された溶媒中の濃度に比較し
て低い方が好ましい。
【0062】このようにしてシード粒子分散液に上記式
(1)〜(3)で表される化合物の1種または2種以上
を添加するとこれらの化合物が加水分解し、次いでこの
加水分解物とシード粒子、あるいは加水分解物同士が縮
重合してシード粒子に付着し、これによりシード粒子が
成長する。
【0063】上記反応温度は、上記工程(a)における
反応温度よりも低い。具体的には約−10〜20℃であ
ることが好ましい。(c) この球状微粒子分散液を20〜80℃の温度で約
0.5〜24時間維持し、球状微粒子を熟成させる。
【0064】(d)熟成後の球状微粒子は、遠心分離法
などで球状微粒子分散液から分離され、次いで乾燥され
る。さらに、前記化合物の縮重合を促進、完結させるた
め、必要に応じて熟成後の球状微粒子を焼成したり、あ
るいは該球状微粒子に紫外線などの電磁波を照射するな
どの処理が行われる。
【0065】以上のような工程を経ることにより、平均
粒径が約1〜20μmであり、粒径のCV値が5%以
下、好ましくは3%以下である本発明に係るオルガノポ
リシロキサン微粒子が製造される。
【0066】以上、本発明に係るオルガノポリシロキサ
ン微粒子の製造方法につき、その基本的構成について具
体的に説明してきたが、本発明に係るオルガノポリシロ
キサン微粒子の製造方法は、上記工程(a)〜(d)
含んで上記本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子
が製造されれば、特に制限はなく、たとえば、上記工程
(b)、(c)または(d)の後に次のような工程を含
んでいてもよい。
【0067】上記工程を経て得られたオルガノポリシロ
キサン微粒子は、疎水性である。しかしながら、用途に
よっては親水性のオルガノポリシロキサン微粒子が必要
とされる場合もある。
【0068】このような場合には、たとえば、オルガノ
ポリシロキサン微粒子表面に親水性の基を導入するなど
の親水化処理が行なわれる。このような親水化処理とし
ては、特に制限されるものではなく、たとえば、テトラ
アルコキシランなどの加水分解性の有機ケイ素化合物、
その他の金属アルコキシド、あるいはこれらの混合物を
加水分解して得られる加水分解物でオルガノポリシロキ
サン微粒子表面を被覆するなどの方法が挙げられる。
【0069】本発明では、上記工程で得られたオルガノ
ポリシロキサン微粒子をケイフッ化水素酸−アルコール
混合水溶液に分散させ、得られた分散液にホウ酸または
水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加し、これにより得
られた酸化ケイ素でオルガノポリシロキサン微粒子表面
を被覆することが好ましい。このようにすると、さらに
優れた弾性率を有するか、少なくとも被覆前の弾性率を
維持した親水性のオルガノポリシロキサン微粒子が得ら
れる。
【0070】オルガノポリシロキサン微粒子をケイフッ
化水素酸−アルコール混合水溶液に分散させ、得られた
分散液に水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加すると、
下記反応式: 2H2 SiF6 +3NaBH4 +4H2 O→2SiO2
+3NaBF4 +12H2 に従って生成する酸化ケイ素(SiO2 )がオルガノポ
リシロキサン微粒子表面に被着する。
【0071】この方法により、オルガノポリシロキサン
微粒子表面が親水化できるが、オルガノポリシロキサン
微粒子表面に被着する酸化ケイ素の膜厚は任意にコント
ロールできる。したがって、この方法でオルガノポリシ
ロキサン微粒子の粒径を最終的に調整することもでき
る。
【0072】液晶表示装置 最後に、本発明に係る液晶表示装置につき具体的に説明
する。本発明に係る液晶表示装置は、一対の電極を備え
た液晶セルを有し、前記電極間に上記本発明に係るオル
ガノポリシロキサン微粒子がスペーサとして介在してい
ることを特徴としている。
【0073】上記液晶セルは、本発明に係るオルガノポ
リシロキサン微粒子が介在し、該微粒子により液晶セル
の電極間距離が一定に保持されていることを除いて、公
知の液晶セルと同様に構成されている。
【0074】本発明に係る液晶表示装置では、オルガノ
ポリシロキサン微粒子は、液晶セルの電極間スペーサと
して、電極面全面にわたって介在していてもよいが、電
極間周縁部の接着剤層中に介在していてもよい。
【0075】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子を液晶セルの電極間スペーサとして用いる場合、必要
とされるセルギャップの大きさ、均一性などに応じてオ
ルガノポリシロキサン微粒子の粒径およびCV値が選択
される。
【0076】特に粒径の均一性が重要で、その指標であ
るCV値は、5%以下、特に3%以下であることが好ま
しい。また、液晶セルの電極間に粒状スペーサを用いた
場合に、スペーサ粒子の圧縮変形が小さいことに起因し
て発生する液晶セル内部液晶層における厚さの不均一
化、液晶セル内部で液晶層の熱膨張係数とスペーサの熱
膨張係数とが異なるために発生する低温気泡を防止する
点から、本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒子を
液晶セルの電極間スペーサとして用いる場合、上記で定
義した平均弾性復元率(Rr m が、60〜90%であ
ることが好ましく、また、上記で定義した平均圧縮変形
率(Cr m が、30%以上であることが好ましい。
【0077】本発明に係るオルガノポリシロキサン微粒
子を液晶セルの電極間スペーサとして用いる場合、オル
ガノポリシロキサン微粒子を一方の電極面(電極面上に
保護膜が形成されている場合には保護膜の表面)に湿式
法または乾式法で均一に散布し、次いで一方の電極面
(または保護膜の表面)に散布されたオルガノポリシロ
キサン微粒子上に他方の電極面(または保護膜の表面)
を載置して重ね合わせ、これにより形成されたセルギャ
ップ中に液晶材料を充填し、両電極面の周縁部をシール
用樹脂で貼り合わせ、密閉することによって、本発明に
係る液晶表示装置で用いられる液晶セルが得られる。こ
の場合、シール用樹脂中に本発明に係るオルガノポリシ
ロキサン微粒子が混合されていてもよい。
【0078】また、本発明に係る液晶表示装置で用いら
れる液晶セルは、本発明に係るオルガノポリシロキサン
微粒子が混合されているシール用樹脂を一方の電極面
(または保護膜の表面)の周縁部に液晶材料の注入口を
除いて塗布し、次いで他方の電極面(または保護膜の表
面)を載置して重ね合わせ、液晶材料の注入口から液晶
材料を注入した後、この液晶材料の注入口をシール用樹
脂で密閉する方法でも得られる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、粒度分布が極めてシャ
ープであって、しかも弾性復元率および圧縮変形率が高
いオルガノポリシロキサン微粒子が提供される。
【0080】この本発明に係るオルガノポリシロキサン
微粒子を液晶セルの電極間スペーサとして用いると、該
微粒子の粒度分布がシャープであるので、液晶セルのセ
ルギャップ、従って液晶セルの電極間に形成された液晶
層の厚さを均一に保持することができ、また、該微粒子
の弾性復元率および圧縮変形率が高いので、液晶セル内
部に発生する低温気泡が防止され、この結果、画像むら
などのない高性能の液晶表示装置が提供できる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
【実施例1】メチルトリメトキシシラン8gと、テトラ
メトキシシラン8gとを、エタノール350gに溶解し
た溶液(A液)を調製した。他方、純水6gと、28%
アンモニア水78gと、エタノール350gの混合溶液
(B液)を調製した。
【0083】上記A液とB液とを混合し、室温で3時間
攪拌し、アルコキシシランを加水分解・縮重合すること
により、シード粒子分散液を得た。このシード粒子分散
液中のシード粒子の平均粒径は、遠心式粒度分布測定法
で測定した結果、0.15μmであった。
【0084】得られたシード粒子分散液が160gにな
るまでシード粒子分散液を濃縮した後、濃縮されたシー
ド粒子分散液に純水5000gおよびブタノール250
gを加えた。こうして希釈されたシード粒子分散液に
0.28%アンモニア水100gを添加した後、このア
ンモニア水が添加されたシード粒子分散液を−5℃に冷
却し、この温度を保持しながら、このシード粒子分散液
にメチルトリメトキシシラン500gを0.005g/
純水−g・時間の添加速度で滴下し、メチルトリメトキ
シシランをシード粒子上に加水分解・縮重合させてシー
ド粒子を成長させた。
【0085】滴下終了後の液を60℃まで加温し、この
温度で5時間攪拌して成長したシード粒子を熟成した。
得られた微粒子を液から分離し、乾燥後、300℃で焼
成した。
【0086】上記のようにして得られたオルガノポリシ
ロキサン微粒子の29Si−NMRスペクトル、平均粒
径、CV値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m およ
び平均圧縮変形率(Cr m を測定した。なお、オルガ
ノポリシロキサン微粒子の平均粒径およびCV値は、オ
ルガノポリシロキサン微粒子の電子顕微鏡写真から測定
・算出し、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m および
平均圧縮変形率(Cr m は、前記の方法で測定した。
【0087】また29Si−NMRスペクトルから、上述
した全ピークの合計面積ST 、ピーク面積SI およびピ
ーク面積SIIを測定し、SII/SI および(SI
II)/ST の値を算出した。
【0088】得られたオルガノポリシロキサン微粒子の
II/SI 、(SI +SII)/ST、平均粒径、CV
値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m および平均圧
縮変形率(Cr m を表1に示す。
【0089】
【実施例2】シード粒子を成長させる工程で実施例1の
メチルトリメトキシシランに代えてビニルトリメトキシ
シラン500gおよびトリイソプロポキシ−モノアセチ
ルアセトナトチタン70.3gを用いてシード粒子を成
長させた。このようにして得られた微粒子を熟成後分離
して乾燥した後、6000mJの紫外線を照射して表1
に示すSII/SI 、(SI +SII)/ST 、平均粒径、
CV値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m および平
均圧縮変形率(Cr m を有するオルガノポリシロキサ
ン微粒子を得た。
【0090】得られたオルガノポリシロキサン微粒子の
29Si−NMRスペクトル(ケミカルシフト−50〜−
120ppm領域を含む)を図2に示す。
【0091】
【実施例3】シード粒子を成長させる工程でメチルトリ
メトキシシランに代えてN−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランを用い、微粒子の焼成温度を2
70℃とした以外は、実施例1と同様にして、表1に示
すSII/SI 、(SI +SII)/ST 、平均粒径、CV
値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m および平均圧
縮変形率(Cr m を有するオルガノポリシロキサン微
粒子を得た。
【0092】
【実施例4】シード粒子を成長させる工程でメチルトリ
メトキシシラン500gに代えてメチルトリメトキシシ
ラン400gとジメチルジメトキシシラン100gとを
用いた以外は、実施例1と同様にして、表1に示すSII
/SI 、(SI +SII)/S T 、平均粒径、CV値、圧
縮強度、平均弾性復元率(Rr m および平均圧縮変形
率(Cr m を有するオルガノポリシロキサン微粒子を
得た。
【0093】
【実施例5】実施例1で得られたシード粒子分散液が1
60gになるまでシード粒子分散液を濃縮した後、濃縮
されたシード粒子分散液に純水5000gおよびイソプ
ロパノール500gを加えた。こうして希釈されたシー
ド粒子分散液に0.28%アンモニア水100gを添加
した後、このアンモニア水が添加されたシード粒子分散
液を0℃に冷却し、この温度を保持しながら、このシー
ド粒子分散液にメチルトリメトキシシラン500gおよ
びジブトキシ−ビスアセチルアセトナトジルコニウム7
8.8gを0.01g/純水−g・時間の添加速度で滴
下し、シード粒子を成長させた。
【0094】その後、実施例2と同様の条件で紫外線照
射し、表1に示すSII/SI 、(S I +SII)/ST
平均粒径、CV値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr
m 、平均圧縮変形率(Cr m を有するオルガノポリシ
ロキサン微粒子を得た。
【0095】
【実施例6】メチルトリメトキシシランの量を12gと
した以外は実施例1と同様にして、平均粒径0.43μ
mのシード粒子分散液を得た。
【0096】得られたシード粒子分散液が160gにな
るまでシード粒子分散液を濃縮した後、ブタノール50
0gに代えてエチレングリコール1000gを用い、メ
チルトリメトキシシランの添加速度を0.01g/純水
−g・時間とした以外は実施例1と同様にして、表1に
示すSII/SI 、(SI +SII)/ST 、平均粒径、C
V値、圧縮強度、平均弾性復元率(Rr m および平均
圧縮変形率(Cr mを有するオルガノポリシロキサン
微粒子を得た。
【0097】
【実施例7】実施例6で得られたシード粒子分散液が1
60gになるまでシード粒子分散液を濃縮した後、ブタ
ノール250gに代えてテトラヒドロフラン500gを
用い、メチルトリメトキシシランに代えてトリクロロメ
チルトリメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様
にして、表1に示すSII/SI 、(SI +SII)/
T 、平均粒径、CV値、圧縮強度、平均弾性復元率
(Rr m および平均圧縮変形率(Cr m を有するオ
ルガノポリシロキサン微粒子を得た。
【0098】
【表1】
【0099】
【実施例8〜14】実施例1〜7で得られたオルガノポ
リシロキサン微粒子10gを、それぞれ純水とメタノー
ルとの混合溶媒100g〔水/メタノール=50/50
(重量比)〕に分散した。
【0100】この分散液に、ケイフッ化水素酸33重量
%水溶液2gを添加した後、水素化ホウ素ナトリウム
0.6重量%水溶液50gを1時間かけて添加した。そ
の後、粒子を純水で洗浄し、乾燥した。
【0101】得られた微粒子は、いずれも純水によく分
散した。また、上記のようにして表面処理されたオルガ
ノポリシロキサン微粒子の平均弾性復元率(Rr m
よび平均圧縮変形率(Cr m は、いずれも処理前とほ
とんど変化していなかった。
【0102】
【実施例15】液晶表示装置の液晶セルに用いられる一
対の透明電極付透明基板を準備した。この透明電極付透
明基板は、ガラス基板の片面に透明電極としてのITO
薄膜、液晶材料に含まれている液晶性化合物分子を所定
方向に配向させる配向膜がこの順序で形成されている。
【0103】次いで、一方の透明電極付透明基板に形成
された配向膜面に実施例1〜7で得られたオルガノポリ
シロキサン微粒子をそれぞれ均一に散布し、次いでこの
オルガノポリシロキサン微粒子上に、他方の透明電極付
透明基板に形成された配向膜面を接触させ、両透明電極
付透明基板を重ね合わせた。
【0104】こうして両透明電極付透明基板の配向膜間
に形成された隙間に液晶材料を充填し、両基板の周縁部
をシール用樹脂で貼り合わせ、密閉することにより液晶
セルを作成した。また、作成した液晶セルはSTNモー
ドで駆動されるようになっている。
【0105】以上のようにして作成した液晶セルを室温
から−40℃に冷却したところ、いずれも液晶セルの内
部に低温気泡が観察されなかった。また、以上のように
して作成した液晶セルを液晶表示装置に取り付けて液晶
表示装置を駆動させたところ、いずれの液晶セルを取り
付けた場合も表示画像のむらが観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、弾性復元率および圧縮変形率を説明す
るための図面である。
【図2】図2は、本発明に係るオルガノポリシロキサン
微粒子の代表的な29Si−NMRスペクトルを示す図面
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光 尾 豊 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触媒化成工業株式会社若松工場内 (56)参考文献 特開 平5−148364(JP,A) 特開 平6−248081(JP,A) 特開 平2−255837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/14 C08G 77/06 G02F 1/1339 500 WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)および(II): 【化1】 (上記式(I)中、Xは、水素原子、または周期律表第
    IB族、第IIA、B族、第III A、B族、第IVA、B
    族、第VA、B族、第VIA族、第VII A族、第VIII族か
    ら選ばれる元素であり、 上記式(II)中、Rは、一価の有機基である。)で表さ
    れるシロキサン結合を含むオルガノポリシロキサン微粒
    子であって、該微粒子の29Si−NMRスペクトルを測
    定した際にケミカルシフト0〜−120ppmの範囲内
    で観測される全ピークの合計面積ST と、前記式(I)
    で表されるシロキサン結合に対応するピーク面積S
    I と、前記式(II)で表されるシロキサン結合に対応す
    るピーク面積SIIとが、次式: SII/SI ≧2 かつ (SI +SII)/ST ≧0.3 を満たすことを特徴とするオルガノポリシロキサン微粒
    子。
  2. 【請求項2】(a) 式:Si(OR1 4 (式中、R1 は、水素原子またはアルキル基、アルコキ
    シアルキル基およびアシル基から選ばれる炭素数1〜1
    0の有機基である。)で表される有機ケイ素化合物と、 式:R’Si(OR2 3 (式中、 R2 は、前記R1 と同様の基であり、 R’は、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭
    素数1〜10の基である。)で表される有機ケイ素化合
    物との混合物を、水と有機溶媒との混合溶媒中で加水分
    解、縮重合することによりシード粒子を調製する工程、 (b) 前記シード粒子の分散液に、下記式(1)〜
    (3)で表される化合物の1種または2種以上を加えて
    加水分解・縮重合し、これによりシード粒子を成長させ
    て球状微粒子分散液を調製する工程(ただし(b)工程
    の反応温度は(a)工程の反応温度よりも低い): (1)式:R’Si(OR2 3 (式中、R2 、R’は、前記と同様の基である。) で表される有機ケイ素化合物; (2)式:R’R”Si(OR3 2 (式中、R’、R”は、互いに同一であっても異なって
    いてもよく、置換または非置換の炭化水素基から選ばれ
    る炭素数1〜10の基であり、R3 は、前記R1 と同様
    の基である。) で表される有機ケイ素化合物; (3)式: 【化2】 (式中、R4 は、プロピルまたはブチル基であり、 Yは、メチル基、メトキシ基、エチル基およびエトキシ
    基から選ばれる1種の有機基であり、 Mは、周期律表第IB族、第IIA、B族、第III A、B
    族、第IVA、B族、第VA族、第VIA族、第VII A族、
    第VIII族から選ばれる元素であり、また、 mは0〜3の整数であり、nは1〜4の整数であり、m
    +nは2〜4の整数である。)で表されるアセチルアセ
    トナトキレート化合物、 (c) 前記球状微粒子分散液を20〜80℃の温度に
    維持して、球状微粒子を熟成させる工程、 (d) 前記球状微粒子分散液から球状微粒子を分離
    し、次いで該微粒子を乾燥する工程からなる請求項1に
    記載のオルガノポリシロキサン微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 一対の電極を備えた液晶セルを有し、該
    電極間に請求項1に記載のオルガノポリシロキサン微粒
    子がスペーサとして介在していることを特徴とする液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】 オルガノポリシロキサン微粒子の圧縮変
    形率が20〜60%であり、かつ該微粒子の変動係数が
    5%以下であることを特徴とする請求項3に記載の液晶
    表示装置。
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